JP5392476B2 - 電球形ledランプ - Google Patents

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Description

本発明は、降圧チョッパを備えた電球形LEDランプに関する。
降圧チョッパを備えた発光ダイオード点灯装置は、既知である(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1の図2に記載の降圧チョッパを備えた発光ダイオード点灯装置においては、第1のスイッチング素子であるFET5と第1のインダクタ7との間に、抵抗値の小さい抵抗素子61を接続し、この抵抗素子61を第2のスイッチング素子であるバイポーラ形トランジスタ21のベース・エミッタ間に接続している。前記トランジスタ21のコレクタを前記FET5のゲート端子に接続している。そして、第1のインダクタ7とフリーホイールダイオード11とが出力端間に直列接続している。
FET5がオン動作すると、直流電源4から抵抗素子61、第1のインダクタ7および負荷のLED回路8に並列接続しているコンデンサ9を介して増加電流が流れて第1のインダクタ7が充電される。そうして、抵抗素子61の両端間電圧がトランジスタ21を動作するバイアスに達すると、トランジスタ21がオン動作し、これによりFET5はターンオフされる。抵抗素子61の両端間電圧をトランジスタ21のベースバイアスとし、この電圧が所定の電圧に達したときトランジスタ21をオン動作してFET5をターンオフさせるようにしているので、ターンオフのタイミングを第2のインダクタ12に誘起される電圧値に影響されず常に正確に取ることができる。すなわち、FET5を常に正確にスイッチング動作できる。
FET5がオフすると、今度は第1のインダクタ7に蓄積された電磁エネルギーがフリーホイールダイオード11を経由して放出されてコンデンサ9に引続き減少電流を流す。減少電流が0になると、再びFET5がオン動作し、以上の動作を繰り返す。
そうして、コンデンサ9の充電電圧がLED回路8の順方向電圧以上になると、LED回路8に電流が流れ、LED回路8のLEDは点灯する。
ところで、発光ダイオードの発光強度は電流におおよそ比例するが、特に大電流域では発光効率が低下する。また、発光ダイオードは、熱に弱く、80℃以上で素子の劣化が始まるため寿命が短縮してしまう。発光ダイオードは、発熱が少ないとはいえ、定格電流に応じて相応に発熱するため、適切に放熱しないと発光効率の低下や寿命の短縮するばかりでなく、発煙・発火などの事故につながる虞がある。
そこで、発光ダイオードの点灯に伴って発生する熱を放散させるために、ヒートシンクなどの放熱手段を配設している。
特許第4123886号公報
しかし、この種の発光ダイオード点灯装置においては、発光ダイオードの放熱だけでなく、発光ダイオードを駆動するLED照明灯点灯回路に電流をスイッチングするために半導体デバイスを使用しているので、当該半導体デバイスにも相応の熱が発生する。
したがって、これら半導体デバイスの放熱に対しても配慮することが発光ダイオード点灯装置全体の安全性と性能、そして信頼性を確保するのはもちろん、装置全体の小形化を図るうえでも望ましいことである。すなわち、上記発光ダイオード点灯装置の特にパワー回路部分に用いられているスイッチング素子やフリーホイールダイオードの半導体デバイスは、一種の抵抗と見なすことができ、電流が流れると、オン抵抗に応じた熱を発生するので無視できない。
ところで、パワー回路部分に用いられる半導体デバイスにおいては、その発熱量も多くなるので、従来からそのパッケージにヒートシンクを付設して熱を空中に放散させたり、パッケージを介して配線基板に伝導したりするようなパッケージ構造とした熱対策を施している。その結果、半導体デバイスに付設される放熱手段は、当該半導体デバイスが連続的に動作することを前提として設計されているため、相応の放熱容量とこれに伴う大きさを有している。
しかしながら、前述の発光ダイオード点灯装置においては、スイッチング素子とフリーホイールダイオードがスイッチングの各周期において交互にスイッチングを行う。また、入力電圧に応じてスイッチング素子とフリーホイールダイオードに流れる電流が相補的に変化する関係があり、これらの半導体デバイスとして個別に製作されたものを使用すると、放熱手段の放熱能力に余裕が生じる。
本発明は、降圧チョッパのスイッチング素子とフリーホイールダイオードの放熱手段を簡素化して小形化を図ったパワーモジュールを実装して小形化された発光ダイオード点灯装置を具備して全体として一体化された電球形LEDランプを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の電球形LEDランプは、基端側に凹部を形成したランプ本体およびランプ本体の凹部の開口端に対向して装着された口金を備えた電球形LEDランプ本体と;直流電源と、入力端、スイッチング素子、インダクタ、フリーホイールダイオードおよび出力端を含み、入力端が直流電源の出力端に接続し、入力端および出力端の間に形スイッチング素子およびインダクタが直列に接続し、かつ出力端にフリーホイールダイオードおよびインダクタが直列に接続し、かつスイッチング素子およびフリーホイールダイオードが1モジュール化されている降圧チョッパと、降圧チョッパのスイッチング素子を所定周期および所定のデューティでスイッチングさせる駆動回路と、降圧チョッパの出力端に接続し、かつ電球形LEDランプ本体に支持された前記発光ダイオードと、を備え、発光ダイオードを除いた残余の回路部分がLED点灯回路基板に実装されているとともに当該LED点灯回路基板はランプ本体および口金によって形成される内部空間に管軸方向に沿って配置されていて、かつ降圧チョッパのスイッチング素子と発光ダイオードとが熱結合していて、発光ダイオードが異常温度上昇したときにスイッチング素子が熱破壊するように構成されている発光ダイオード点灯装置と;を具備していることを特徴としている。
本発明において、照明器具は、照明器具本体および発光ダイオード点灯装置を具備している。照明器具は、LED照明灯を備えていればよく、その用途は照明目的であるのが一般的であるが、これに限定されない。照明器具本体は、照明器具から発光ダイオード点灯装置を除去した残余の全ての部分をいう。したがって、電球形LEDランプは、照明器具の概念に含まれ、電球形LEDランプ本体および発光ダイオード点灯装置を具備して構成されている。電球形LEDランプ本体は、基端側に凹部を形成したランプ本体およびランプ本体の凹部の開口端に対向して装着された口金を備えている。そして、発光ダイオードは、LED照明灯を構成し、電球形LEDランプ本体に支持されている。
発光ダイオード点灯装置は、直流電源、降圧チョッパ、駆動回路および発光ダイオードを備え、発光ダイオードを除いた残余の回路部分がLED点灯回路基板に実装されているとともに、当該LED点灯回路基板は、好ましくは後述する図4に示すように細長く形成され、ランプ本体および口金によって好ましくは図4に示すように管軸方向に細長く形成される内部空間内にその板面が管軸方向に沿って配置されている。以下、回路構成について説明する。
流電源は、例えば整流回路および平滑コンデンサを備えて構成することができる。この場合、整流回路が交流電源、例えば商用交流電源の交流電圧を整流して直流を得る。なお、交流電圧は、負荷の発光ダイオードに供給する電流が一定であれば、電源電圧が変化してもスイッチング素子とフリーホイールダイオードの合算された発熱量がほぼ一定なので、100Vに限定されない。すなわち、後述するように降圧チョッパのスイッチング素子とフリーホイールダイオードに流れる電流が相補的に変化してスイッチング周期にわたってほぼ一定となり、これに伴い放熱量もほぼ一定になる。平滑コンデンサは、整流により得られた直流電圧を適度のリップルを含むように平滑化して、発光ダイオードを点灯するための電力を直流の態様で後述する降圧チョッパに供給することができる。
降圧チョッパは、直流電源に接続する入力端、負荷を接続する出力端および出力端間に接続した出力コンデンサを備えていて、入力直流電圧より低圧の直流電圧を出力する周知のチョッパ回路である。
すなわち、直流電源の1極と一方の出力端子との間にスイッチング素子およびインダクタの直列回路を接続し、スイッチング素子とインダクタの接続点と直流電源の1極および他方の出力端子との間にフリーホイールダイオードを、スイッチング素子がOFF期間中にインダクタから流出する電流に対して順方向に接続してなる。また、出力端子間には出力コンデンサが接続され、主としてスイッチングに伴って発生する高周波を負荷の発光ダイオードに流さないようにバイパスする。そして、上記スイッチング素子のスイッチングを自励形または他励形の駆動回路などの制御回路を用いて制御する。
スイッチング素子およびフリーホイールダイオードは、1モジュール化される。そのため、両半導体デバイスにより放熱手段が共有される。換言すれば、スイッチング素子およびフリーホイールダイオードは、モジュールの中で共通の放熱手段を介して熱結合されている。スイッチング素子およびフリーホイールダイオードは、発光ダイオード点灯装置のパワー回路に挿入されているので、上記モジュールは、パワーモジュールでもある。このパワーモジュールは、パッケージが樹脂モールド、セラミックスおよびメタル製のいずれであってもよい。また、スイッチング素子およびフリーホイールダイオードが熱結合していれば、基板を共通にしていてもよいし個別に分離していてもよい。なお、スイッチング素子は、電圧制御形および電流制御形のいずれであってもよい。
駆動回路は、降圧チョッパを所定の周期およびデューティで動作するようにスイッチング素子を駆動する手段であるが、上述のように自励形および他励形のいずれであってもよい。なお、他励形の駆動回路によりスイッチング素子を駆動する場合、スイッチング素子およびフリーホイールダイオードをモジュールの内部で予め直列接続して3端子形のモジュールを構成することができる。また、自励形の場合などでは、スイッチング素子およびフリーホイールダイオードの間にインピーダンス素子、例えば抵抗器を電流検出用として接続するために、スイッチング素子およびフリーホイールダイオードのそれぞれの端子リードをモジュールの外部に導出して5端子形に構成することもできる。
そうして、降圧チョッパは、スイッチング素子のオン時間をTON、オフ時間をTOFF、直流電源電圧をVIN、出力電圧をVOUTとすれば、出力電圧がVOUT=VIN・TON/(TON+TOFF)となり、入力電圧より低くなる関係があることで知られている。
発光ダイオードは、LED点灯回路である降圧チョッパの出力端に負荷として接続し、降圧チョッパの出力電流により付勢されて点灯する。降圧チョッパの出力端に接続される発光ダイオードは、その複数が直列接続した直列回路でもよいし、単独でもよい。また、これらの複数が均一化分流回路などを介して並列接続して負荷回路を構成していてもよい。
また、発光ダイオードは、その発光特性およびパッケージ態様なども特段限定されないので、既知の各種発光特性、パッケージ態様および定格などを適宜選択して用いることができる。しかし、一般照明用としては白色発光タイプの発光ダイオードが一般的である。
さらに、本発明においては、光ダイオードとスイッチング素子とを熱結合させている。すなわち、発光ダイオードが故障モードになって異常発熱したときに、熱結合しているスイッチング素子の温度を過昇にして、スイッチング素子を破壊させることで回路がオープンモードになるように構成することができる。これにより、LED点灯回路のスイッチングを司るスイッチング素子に発光ダイオードの異常時に保護動作をも行わせることができる。
また、上記熱結合が発光ダイオードの放熱手段を経由して行われるように構成すれば、発光ダイオードと上記スイッチング素子との距離をある程度自由に設定することができ、その結果LED光源としての設計の自由度が向上する。
本発明によれば、降圧チョッパのスイッチング素子およびフリーホイールダイオードを1モジュール化することで、その発熱量が、1素子が連続的に動作して発熱する程度まで低減し、発光ダイオードを除いた残余の回路部分を共通のLED点灯回路基板に実装して発光ダイオード点灯装置が小形化されるので、このLED点灯回路基板をランプ本体および口金によって形成される内部空間に管軸方向に沿って配置することが可能になるとともに、発光ダイオードと1モジュール化されたスイッチング素子とを熱結合させたので、発光ダイオードが故障などによって異常発熱した際にスイッチング素子をその熱で破壊させて保護動作を行わせる電球形LEDランプを提供できる効果を奏する。
本発明の電球形LEDランプを実施するための形態における発光ダイオード点灯装置の回路図である。 同じくスイッチング素子およびフリーホイールダイオードのモジュールの模式的平面透視図および断面図である。 同じく降圧チョッパの電流波形図である。 同じく電球形LEDランプの断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図4に示す本形態の電球形LEDランプ20は、ランプ本体21、LEDモジュール22、グローブ23、絶縁ケース24、LED点灯回路基板25および口金26を主な構成要素として構成されている。LEDモジュール22は、そこに後述するように発光ダイオードLEDが実装されている。LED点灯回路基板25は、そこに後述するように発光ダイオード点灯装置から発光ダイオードLEDを除いた残余の回路部分が実装されている。したがって、ランプ本体21、グローブ23、絶縁ケース24および口金26が電球形LEDランプ本体を構成する。そして、LEDモジュール22の発光ダイオードLEDおよびLED点灯回路基板25が発光ダイオード点灯装置を構成する。次に、電球形LEDランプ本体および発光ダイオード点灯装置についてそれぞれの構成要素を説明する。
ランプ本体21は、アルミニウムなどの熱伝導性物質からなり、略逆切頭円錐状をなし、図4において上端に後述するLEDモジュール22を、ランプ本体21との間に熱伝導関係を形成しながら機械的に支持している。また、下部に形成した凹部21a内に後述する絶縁ケース24を収容する。さらに、ランプ本体21を上下に貫通する貫通孔21bを備えている。さらに、ランプ本体21は、その外面に放熱フィンを形成して放熱面積を増大させることができる。
グローブ23は、複数の発光ダイオードLEDを包囲するようにランプ本体21の図において上端に装着されて、発光ダイオードLEDの充電部を保護するとともに発光ダイオードLEDを機械的に保護する。なお、所望によりグローブ23に制光手段(図示しない。)、例えば光拡散手段を配設または一体に形成して配光特性を制御することもできる。なお、外観視において、グローブ23とランプ本体21の境界部に配設された傾斜面を有するリング27は、外表面が反射性を有していて、グローブ23から図において下方へ放射された光を反射して配光特性を補正する機能がある。
絶縁ケース24は、ランプ本体21に対して電気絶縁性の物質、例えばプラスチックスまたはセラミックスなどからなり、ランプ本体21の凹部21a内に収容され、内部に後述するLED点灯回路基板25を収納している。また、絶縁ケース24は、逆有底円筒状をなしていて下端が開放され、ランプ本体21の凹部21a内に収容された状態において、上端がランプ本体21の貫通孔21bに一致する通線孔24aを形成した閉塞端になっていて、かつ中間部外面に鍔部24bを備えている。鍔部24bは、絶縁ケース24がランプ本体21の凹部21b内に収容されている状態で図においてランプ本体21の下端に当接している。
口金26は、E26形ねじ口金であり、絶縁ケース24の下部に装着されて絶縁ケース24の下部開口端を閉鎖している。すなわち、口金26は、口金シェル26a、絶縁体26bおよびセンターコンタクト26cを備えている。そして、口金シェル26aは、絶縁ケース24の下部に装着されて図において上端が絶縁ケース24の鍔部24bに当接しているとともに、図示を省略している導線を介してLED点灯回路基板25の入力端の一方に接続している。絶縁体26bは、口金シェル26aの図において下端を閉塞するとともにセンターコンタクト26cを、口金シェル26aに対して絶縁関係となるように支持している。センターコンタクト26cは、図示を省略している導線を介してLED点灯回路基板25の入力端の他方に接続している。
LEDモジュール22は、複数の発光ダイオードLEDを実装した円形の基板22aを備えている。また、基板22aは、貫通孔21aに一致する位置に配線孔22a1を有している。さらに、基板22aは、例えばアルミニウムなどの熱伝導性物質を主体として構成されていて、発光ダイオードLEDの発生熱が基板22aを経由してランプ本体21に伝導されるようにしている。複数の発光ダイオードLEDを点灯するためのLED点灯回路(図1の降圧チョッパSDC)からの負荷電流供給は、貫通孔21bおよび配線孔22a1を経由して通線された図示しない導電線路を介して後述するLED点灯回路基板25から行われる。
LED点灯回路基板25は、発光ダイオードLEDを除いた残余の回路部分を実装していて、絶縁ケース24内に収納されている。図中の後述する図1と同一符号を付した回路部品は比較的大きな部品であり、図1におけるのと同一の回路部品である。その他の回路部品については比較的小形の部品なので図示を省略しているが、LED点灯回路基板25の図において主として背面側に実装されている。
そうして、以上説明した電球形LEDランプは、全体として一体化されていて、白熱電球と同様の感覚で図示しないE26形ソケットにねじ込めば光源としての使用に供することができる。
次に、図1を参照して発光ダイオード点灯装置を詳細に説明する。発光ダイオード点灯装置は、直流電源DC、降圧チョッパSDC、発光ダイオードLED、駆動信号発生回路DSGおよびターンオフ回路TOFを具備している。なお、本形態において、駆動信号発生回路DSGおよびターンオフ回路TOFで自励形駆動回路を構成している。以上の各構成要素に加えて、起動回路STが付設されている。
直流電源DCは、入力端が例えば定格電圧100Vの商用交流電源などの交流電源ACに接続する全波整流回路DBおよび平滑コンデンサC1を備えている。平滑コンデンサC1は、全波整流回路DBの出力端間に接続して全波整流回路DBの直流出力を適度のリップルを含んだ平滑化電圧を形成することができる。また、全波整流回路DBの入力端間に接続しているのは雑音防止用コンデンサC2である。
降圧チョッパSDCは、直流電源DCに接続した入力端t1、t2、負荷を接続する出力端t3、t4、第1の回路Aおよび第2の回路Bを備えて自励駆動形の降圧チョッパとして構成されている。第1の回路Aは、スイッチング素子Q1、インピーダンス手段Z1および第1のインダクタL1を直列に含み、入力端t1および出力端t3の間に接続している。第2の回路Bは、第1のインダクタL1およびフリーホイールダイオードD1を直列に含み出力端t3、t4間に接続している。また、出力端t3、t4間には出力コンデンサC3が接続している。
また、降圧チョッパSDCは、そのスイッチング素子Q1およびフリーホイールダイオードD1が点線で囲んで示すように1モジュール化されてパワーモジュールPMを構成している。本形態において、パワーモジュールPMは、図2に示すように熱伝導性金属からなるヒートスプレッダ11の上面にスイッチング素子Q1のチップCHSおよびフリーホイールダイオードD1のチップCHDが隣接してマウントされ、かつヒートスプレッダ11の下面には絶縁シート12が配置されていて、以上の各構成要素が充填されたモールド樹脂13によって被覆されて一体化している。
また、パワーモジュールPMは、外部リードl1〜l5を備えている。すなわち、外部リードl1はスイッチング素子Q1の一方の主端子(ドレイン)に接続し、外部リードl2はスイッチング素子Q1の他方の主端子(ソース)に接続し、外部リードl3は制御端子(ゲート)に接続している。また、外部リードl4はフリーホイールダイオードD1のアノードに接続し、外部リードl5はカソードに接続している。なお、スイッチング素子Q1およびフリーホイールダイオードD1の各チップと各外部リードl1〜l5との間は導電ワイヤ14によって接続している。
本形態において、降圧チョッパSDCのスイッチング素子Q1は、FET(電界効果トランジスタ)からなり、その一対の主端子(ドレイン、ソース)が第1の回路Aに直列接続される。そして、第1の回路Aが出力コンデンサC3および/または後述する負荷回路LCを介して第1のインダクタL1の充電回路を形成し、第2の回路Bが第1のインダクタL1およびフリーホイールダイオードD1が出力コンデンサC3および/または後述する負荷回路LCを介して第1のインダクタL1の放電回路を形成している。なお、本形態において、インピーダンス手段Z1は、抵抗器からなるが、所望により適度の抵抗成分を有するインダクタまたはコンデンサなどを用いることができる。
発光ダイオードLEDは、その所望数が直列接続して負荷回路LCを形成し、降圧チョッパSDCの出力端t3、t4間において出力コンデンサC3に並列接続することで、高圧チョッパSDCの出力電流によって付勢されて点灯する。
自励形駆動回路のうち、駆動信号発生回路DSGは、降圧チョッパSDCの第1のインダクタL1に磁気結合した第2のインダクタL2を備えている。そして、第2のインダクタL2に誘起した電圧をスイッチング素子Q1の制御端子(ゲート)と一方の主端子(ドレイン)の間に駆動信号として印加して、そのスイッチング素子Q1をオン状態に維持する。なお、第2のインダクタL2の他端は、インピーダンス手段Z1を介してスイッチング素子Q1の他方の主端子(ソース)に接続している。
本形態において、駆動信号発生回路DSGには、上記構成に加えてコンデンサC4と抵抗器R1の直列回路が第2のインダクタL2の一端とスイッチング素子Q1の制御端子(ゲート)との間に直列に介在している。また、駆動信号発生回路DSGの出力端間にツェナーダイオードZD1が接続して、スイッチング素子Q1の制御端子(ゲート)と一方の主端子(ドレイン)の間に過電圧が印加されてスイッチング素子Q1が破壊されないよう過電圧保護回路を形成している。
自励形駆動回路のうち、ターンオフ回路TOFは、コンパレータCP1、スイッチ素子Q2、第1および第2の制御回路電源ES1、ES2を備えている。そして、コンパレータCP1の端子P1は、その内部の基準電圧回路の基底電位側から導出されてインピーダンス手段Z1と第1のインダクタL1の接続点に接続する。また、上記基準電圧回路は、コンパレータCP1内に付設されていて、後述する第2の制御回路電源ES2から端子P4で電源の供給を受けて基準電圧を生成し、コンパレータCP1内部の演算増幅器の非反転入力端子に基準電圧を印加する。同様に端子P2は、コンパレータCP1の入力端子であり、第1のスイッチング素子Q1とインピーダンス手段Z1の接続点に接続して演算増幅器の反転入力端子に入力電圧を印加する。また、端子P3は、コンパレータCP1の出力端子であり、後述する第2のスイッチング素子Q2のベースに接続して出力電圧を第2のスイッチング素子Q2に印加する。さらに、端子P5は、後述する第1の制御回路電源ES1に接続して、コンパレータCP1に制御電源を供給する。
スイッチ素子Q2は、トランジスタからなり、そのコレクタが第1のスイッチング素子Q1の制御端子に接続し、エミッタがインピーダンス素子Z1および第1のインダクタL1の接続点に接続している。したがって、スイッチ素子Q2がオンすることによって、自励形駆動信号発生回路DSGの出力端を短絡する。そうして、スイッチング素子Q1はターンオフする。なお、スイッチ素子Q2のベース・エミッタ間に抵抗器R2が接続している。
第1の制御回路電源ES1は、第2のインダクタL2の両端にダイオードD2およびコンデンサC5の直列回路を接続して構成されており、第1のインダクタL1が充電されるときに第2のインダクタL2に発生する誘起電圧でダイオードD2を経由してコンデンサC5が充電され、ダイオードD2およびコンデンサC5の接続点からプラスの電位を出力してコンパレータCP1の出力端子に制御電圧を印加するように構成されている。
第2の制御回路電源ES2は、第1のインダクタL1に磁気結合する第3のインダクタL3の両端にダイオードD3およびコンデンサC6の直列回路を接続して構成されており、第1のインダクタL1が放電するときに第3のインダクタL3に発生する誘起電圧でダイオードD3を経由してコンデンサC6が充電され、ダイオードD3およびコンデンサC6の接続点からプラスの電圧を出力して基準電圧回路に制御電圧を印加して基準電圧を生成するように構成されている。
起動回路STは、第1のスイッチング素子Q1のドレイン・ゲート間に接続した抵抗器R3と前記自励形駆動信号発生回路DSGの抵抗器R1およびコンデンサC4に並列接続する抵抗器R10との直列回路、第2のインダクタL2、ならびに前記降圧チョッパSDCの第2の回路Bの出力コンデンサC3および/または負荷回路LCの発光ダイオードLEDからなる直列回路により構成され、直流電源DCの投入時に主として抵抗器R3とR10の抵抗値比で決まるプラスの起動電圧が第1のスイッチング素子Q1のゲートに印加されて降圧チョッパSDCが起動する。
次に、回路動作について説明する。
直流電源DCは、その平滑コンデンサC1の静電容量が例えば比較的低い値に設定されていて、入力電流波形の5次高調波比率が60%以下となり、その結果入力電流波形の高調波が日本の負荷が25W以下の高調波規格(JIS C61000-3-2 Class C)を満足する。
直流電源DCが投入され、起動回路STにより降圧チョッパSDCが起動すると、スイッチング素子Q1がオンして、直流電源DCから第1の回路A内を出力コンデンサC3または/および負荷回路LCの発光ダイオードLEDを経由して直線的に増加する増加電流が流れ出す。この増加電流により、駆動信号発生回路DSGの第2のインダクタL2にはコンデンサC4側がプラスとなる電圧が誘起され、この誘起電圧がコンデンサC4および抵抗器R1を経由してスイッチング素子Q1の制御端子(ゲート)にプラスの電圧を印加するので、スイッチング素子Q1はオン状態に維持され増加電流が流れ続ける。これと同時に、増加電流によりインピーダンス手段Z1に電圧降下が生じ、その降下電圧がターンオフ回路TOFのコンパレータCP1の端子P2に入力電圧として印加される。
上記増加電流の増大に伴いコンパレータCP1の入力電圧が増加して基準電圧を超えると、コンパレータCP1が動作して、端子P3にプラスの出力電圧が発生する。その結果、ターンオフ回路TOFのスイッチ素子Q2がオンして駆動信号発生回路DSGの出力端を短絡するので、降圧チョッパSDCのスイッチング素子Q1がオフし、上記増加電流が遮断される。
スイッチング素子Q1がオフすると、第1のインダクタL1に上記増加電流が流れることによってそこに蓄積されていた電磁エネルギーが放出されて、第1のインダクタL1およびフリーホイールダイオードD1を含む第2の回路Bの内部を出力コンデンサC3または/および負荷回路LCの発光ダイオードLEDを経由して減少電流が流れ出す。このときスイッチング素子Q1の制御端子(ゲート)ゼロ電位になっているので、スイッチング素子Q1はオフ状態に維持され減少電流が流れ続ける。
第1のインダクタL1内に蓄積されていた電磁エネルギーの放出が終了して減少電流が0になると、第1のインダクタL1に逆起電力が発生して、第2のインダクタL2に誘起される電圧が逆転し、コンデンサC4側が再びプラスに転じるので、この誘起電圧がコンデンサC4および抵抗器R1を経由してスイッチング素子Q1の制御端子(ゲート)にプラスの電圧を印加すると、スイッチング素子Q1は再びオン状態に反転して、再び増加電流が流れ出す。
以後、以上と同様の回路動作が繰り返されて、増加電流および減少電流が合成されて三角波形の負荷電流が流れることにより、負荷回路LCの発光ダイオードLEDは点灯する。
次に、以上の回路動作中のパワーモジュールPMにおける放熱動作について図3を参照して説明する。図3は、降圧チョッパSDCの動作における出力電流の波形図である。なお、図中の(a)は電源電圧が基準電圧の場合、(b)は電源電圧が基準電圧より高い場合、(c)は電源電圧が基準電圧より低い場合である。
電源電圧が基準電圧の場合、本形態においては、図3の(a)に示すように1スイッチング周期TのうちONデューティが約50%になるように設定されている。この状態において、スイッチング素子Q1のON時にこれを流れて第1のインダクタL1を充電する増加電流Iiの通流期間と、スイッチング素子Q1のOFF時にインダクタL1から放電してフリーホイールダイオードD1を流れる減少電流Idの通流期間がほぼ等しくなる。また、電流のピーク値が等しくなる。
そして、増加電流Iiと減少電流Idとがスイッチングの1周期内で交互に流れ、これに対応する熱がパワーモジュールPM内に発生する。また、スイッチング素子Q1内にそのオン抵抗によって発生する熱は、増加電流Iiが流れる前半の半周期にのみ発生し、後半には発熱しない。他方、フリーホイールダイオードD1内に発生する熱は、減少電流が流れる後半の半周期にのみ発生し、前半には発熱しない。
したがって、スイッチング素子Q1内に発生する熱とフリーホイールダイオードD1内に発生する熱の合計は、スイッチング素子Q1およびフリーホイールダイオードD1の単位電流当たりの発熱量が概ねにおいて近似しているとすれば、単一のスイッチング素子Q1に2等辺三角波状の電流が連続して流れる際にスイッチング素子Q1内にそのオン抵抗によって発生する熱量に凡そ等しくなる。
このことは、スイッチング素子Q1およびフリーホイールダイオードD1をパワーモジュールPM化する場合、放熱容量をほぼ1素子分に必要な規模まで低減させることが可能になることを意味している。放熱容量の低減は、パワーモジュールPMの小形化を可能にする。
次に、電源電圧が基準電圧より高いときの発熱について説明する。この場合は、図3の(b)に示すような増加電流Iiと減少電流Idが流れる。すなわち、スイッチング素子Q1のONデューティが小さくなり、このときに流れる増加電流Iiの通流期間が短縮する。反対に、OFFデューティが大きくなり、このときに流れる減少電流Idの通流期間が長くなる。しかし、両電流のピーク値が(a)の場合と同じで、かつ等しくなるので、スイッチングの1周期Tが(a)の場合と同じで変化していないので、1周期T内の発熱量は電源電圧が基準電圧の場合と同じである。
次に、電源電圧が基準電圧より低いときの発熱について説明する。この場合は、図3の(c)に示すような増加電流Iiと減少電流Idが流れる。すなわち、スイッチング素子Q1のONデューティが大きくなり、このときに流れる増加電流Iiの通流期間が長くなる。反対に、OFFデューティが小さくなり、このときに流れる減少電流Idの通流期間が短縮される。しかし、両電流のピーク値が(a)の場合と同じで、かつ等しいとともに、スイッチングの1周期Tが(a)の場合と同じで変化していないので、1周期T内の発熱量は電源電圧が基準電圧の場合と同じである。
以上から理解できるように、スイッチング素子Q1とフリーホイールダイオードD1を1モジュール化してパワーモジュールPMを構成すると、放熱容量が1素子分の必要規模でよくなって、放熱容量が低減するから、パワーモジュールPM延いては発光ダイオード点灯装置の小形化を図ることが可能になる。また、負荷の発光ダイオードLEDが不変であれば、電源電圧変動や電源電圧の変更に対してもスイッチング素子Q2に流れる電流とフリーホイールダイオードD1に流れる電流の通流期間およびピーク値が同じなので、必要な放熱容量がほぼ一定であるから、回路の柔軟性が向上する。
以上説明した構成に加えて、発光ダイオードLEDとパワーモジュールPMのスイッチング素子Q2とを熱結合している。
すなわち、発光ダイオードLEDの発生熱は、ランプ本体21に伝導するので、絶縁ケース24を熱伝導性物質、例えば熱伝導性が良好な既知のセラミックスや熱伝導性プラスチックスにより形成する。また、LED点灯回路基板25を絶縁ケース24に対して熱伝導関係に収納する。例えば、LED点灯回路基板25を収納した絶縁ケース24内のスペースに熱伝導の良好なシリコーン樹脂を充填する。
そうして、発光ダイオードLEDとパワーモジュールPMのスイッチング素子Q2とがランプ本体21および絶縁ケース24を介して熱的に結合するので、発光ダイオードLEDに異常発熱の故障モード発生したときには、ランプ本体21および絶縁ケース24を介してパワーモジュールPMのスイッチング素子Q2が温度過昇となって破壊される。その結果、発光ダイオード点灯装置の動作が停止され、発煙、発火の危険を回避することができる。
20…電球形LEDランプ、21…ランプ本体、22…LEDモジュール、23…グローブ、24…絶縁ケース、25…LED点灯回路基板、26…口金、A…第1の回路、B…第2の回路、C1…平滑コンデンサ、CP1、CP2…コンパレータ、D1…フリーホイールダイオード、D2、D3…ダイオード、DC…直流電源、DB…全波整流回路、DSG…自励形駆動信号発生回路、ES1…第1の制御回路電源、ES2…第2の制御回路電源、L1…第1のインダクタ、LED…発光ダイオード、LC…負荷回路、PM…パワーモジュール、Q1…スイッチング素子、Q2…スイッチ素子、SDC…降圧チョッパ、ST…起動回路、TOF…ターンオフ回路、Z1…インピーダンス手段

Claims (1)

  1. 基端側に凹部を形成したランプ本体およびランプ本体の凹部の開口端に対向して装着された口金を備えた電球形LEDランプ本体と;
    直流電源と、入力端、スイッチング素子、インダクタ、フリーホイールダイオードおよび出力端を含み、入力端が直流電源の出力端に接続し、入力端および出力端の間に形スイッチング素子およびインダクタが直列に接続し、かつ出力端にフリーホイールダイオードおよびインダクタが直列に接続し、かつスイッチング素子およびフリーホイールダイオードが1モジュール化されている降圧チョッパと、降圧チョッパのスイッチング素子を所定周期および所定のデューティでスイッチングさせる駆動回路と、降圧チョッパの出力端に接続し、かつ電球形LEDランプ本体に支持された前記発光ダイオードと、を備え、発光ダイオードを除いた残余の回路部分がLED点灯回路基板に実装されているとともに当該LED点灯回路基板はランプ本体および口金によって形成される内部空間に管軸方向に沿って配置されていて、かつ降圧チョッパのスイッチング素子と発光ダイオードとが熱結合していて、発光ダイオードが異常温度上昇したときにスイッチング素子が熱破壊するように構成されている発光ダイオード点灯装置と;
    を具備していることを特徴とする電球形LEDランプ。
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