JP2006278825A - フレキシブルプリント配線板及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 耐マイグレーション性に優れたフレキシブルプリント配線板とその製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明に係るフレキシブルプリント配線板は、第一基材4の一面上に第一接着剤層9を介して又は直接、Cuからなる配線部5を設けてなる銅張積層板2と、第二基材7の一面上に第二接着剤層8を設けてなるカバーレイフィルム3とを、配線部5および第一接着剤層8に第二接着剤層8が接するように重ねて一体化したフレキシブルプリント配線板11であって、配線部5は、第二接着剤層8と接する面に、CuとSnからなる金属間化合物層14を具備してなることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、フレキシブルプリント配線板及びその製造方法に係り、より詳細には、耐マイグレーション性に優れた、各種電子機器に適用できるフレキシブルプリント配線板とその製造方法に関する。
近年、電子機器の小型化に伴い、軽量で三次元的な実装が可能なフレキシブルプリント配線板(FPC:Flexible Printed Circuit)が多方面において用いられている。
フレキシブルプリント配線板(FPC)は、例えば銅張積層板(CCL:Copper-Clad Laminate)の金属(Cu)層にエッチング等を施すことにより所定の回路パターンをなす配線部を形成し、その表面に、配線部を保護する目的で絶縁性のカバーレイフィルム(CL)をプレスキュアすることによって作製されている。
このように作製したフレキシブルプリント配線板(FPC)では、電圧の印加および水分の存在によってイオンマイグレーション(以下、「マイグレーション」と略称する。)が発生し、このマイグレーションが進展すると絶縁破壊が起こり問題となっていた。
また、このフレキシブルプリント配線板(FPC)の両側に、リジッドプリント配線板(RPC)を積層することによって作製するリジッド・フレックス多層プリント配線板(R−FPC)の内層FPCでは、フレキシブルプリント配線板(FPC)単体より耐マイグレーションの進展が早まる傾向があり、その対応策の開発が期待されていた。
なお、上記マイグレーションとは、電圧の印加および水分の存在によって、回路の金属が絶縁層中を移動する現象のことである。そして、+極で金属が溶解し、−極から金属が析出して、この析出が+極まで進展すると絶縁破壊が起こる。
そのため、従来の多層プリント配線板では、例えば、Cu等よりなる回路と絶縁層である接着剤との密着性向上、耐マイグレーション性向上などの目的から、以下に例示する回路表面に金属酸化膜を形成する方法が公知である。
(1)この金属酸化膜を形成する手段として、回路表面に過酸化水素を含まない有機酸系アソフトエッチング剤によって空気酸化を伴いながらエッチングにより粗化面を形成した後、その粗化面に黒色酸化膜を生成したものを用いる(特許文献1)。
(2)上記のような酸化膜は、酸性の薬剤によって溶解し隙間が発生してしまう虞があり、これを防止するために、内層コア材に形成された回路パターンのうち、外層との導通を図る金属メッキされた貫通孔または非貫通孔が形成された接続ランド以外に酸化膜を形成し、接続ランド上に絶縁樹脂層を設ける(特許文献2)。
また、回路の配線間隔(いわゆるピッチ間隔)が狭まると、マイグレーションにより各配線間の絶縁性の確保が困難になるという課題も顕在化しつつある。この対策として、以下に例示する方法が公開されている。
(3)各配線間の絶縁性を確保するために、例えば、回路表面に、ニッケルメッキ層を内側とし、かつ、金メッキ層を外側とする、積層導電膜よりなるバリアメタル層を形成する(特許文献3)。
(4)基板上に回路の配線部として、Al以外の金属を含むAl合金層からなる導電膜を用い、基板側から層厚方向(導電膜において、基板と接する位置にある底面から最も離れた位置にある上面の方向)へ順次Al以外の金属の濃度が高くなるように設計する。Al以外の金属としては、TaやTi等が好適である(特許文献4)。
しかしながら、回路表面に金属酸化膜を形成する手段[上記(1)、(2)]を設けてなるプリント配線板は、その酸化膜がプリント配線板の環境によっては還元されてしまい、酸化膜を設けたことによる耐マイグレーション性の能力が不安定化あるいは劣化する虞があった。
また、回路表面に積層導電膜を形成する手段[上記(3)]や回路の配線部を含有金属濃度が順次変化する導電膜を形成する手段[上記(4)]を設けてなるプリント配線板は、高密度化のため配線部が微細化されると、配線部の金属成分が絶縁層中を移動するマイグレーションを起こし、配線間での絶縁抵抗値が低下しやすくなる虞があった。
特開平08−204336号公報 特開平11−354923号公報 特開2001−024295号公報 特開平07−036052号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、耐マイグレーション性に優れたフレキシブルプリント配線板とその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係るフレキシブルプリント配線板は、第一基材の一面上に第一接着剤層を介して又は直接、Cuからなる配線部を設けてなる銅張積層板と、第二基材の一面上に第二接着剤層を設けてなるカバーレイフィルムとを、前記配線部および前記第一接着剤層に前記第二接着剤層が接するように重ねて一体化したフレキシブルプリント配線板であって、前記配線部は、前記第二接着剤層と接する面に、CuとSnからなる金属間化合物層を具備してなることを特徴とする。
本発明の請求項2に係るフレキシブルプリント配線板は、請求項1において、前記金属間化合物層が、前記配線部に接する第一層と前記第一層に重なる第二層とから構成され、前記第一層に比べて前記第二層の方がSnの含有量が高いことを特徴とする。
本発明の請求項3に係るフレキシブルプリント配線板は、請求項2において、前記第一層はCuSnを、前記第二層はCu11Snを、それぞれ主体とすることを特徴とする。
本発明の請求項4に係るフレキシブルプリント配線板の製造方法は、第一基材の一面上に第一接着剤層を介して又は直接、Cuからなる配線部を設けてなる銅張積層板と、第二基材の一面上に第二接着剤層を設けてなるカバーレイフィルムとを、前記配線部および前記第一接着剤層に前記第二接着剤層が接するように重ねて一体化したフレキシブルプリント配線板の製造方法であって、前記一体化する前に、前記配線部の露出面を全て覆うように、Snからなる被膜を形成する工程と、前記一体化した後に、熱処理を施し、前記配線部の前記第二接着剤層と接する面に、CuとSnからなる金属間化合物層を形成する工程とを、少なくとも具備したことを特徴とする。
本発明に係るフレキシブルプリント配線板は、これを構成する配線部が第二接着剤層と接する面に、CuとSnからなる金属間化合物層を備えている。この金属間化合物層はCuからなる配線部の溶解を抑制し、耐マイグレーション性の向上をもたらすので、絶縁特性を向上させることができる。
本発明に係るフレキシブルプリント配線板の製造方法は、予め、配線部の露出面を全て覆うように、Snからなる被膜を形成し、金属張積層板とカバーレイフィルムとを重ね合わせ、その後、プレスキュアするなど熱処理を施すことによって、配線部の構成元素であるCuをSn被膜中に侵入させる。SnはCuと金属間化合物を形成しやすい性質を備えているため、配線部が第二接着剤層と接する面(配線部の上面および側面)に予め設けてあったSn被膜をSn−Cu金属間化合物層に置換させることができる。ゆえに、本発明の製造方法によれば、別途Sn被膜に金属間化合物層を形成させるための熱処理工程を設けることなく、プレスキュア時の熱処理を有効利用することによりSn−Cu金属間化合物層を得ることができるので、製造工程の簡略化が図れるとともに、上述した耐マイグレーション性の優れたフレキシブルプリント配線板の製造に寄与する。
以下では、本発明に係るフレキシブルプリント配線板の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係るフレキシブルプリント配線板の一例を示す概略断面図である。図2は、図1の一部を拡大して示した概略断面図である。
本発明に係るフレキシブルプリント配線板1は、図1に示すように、銅張積層板(CCL)2とカバーレイフィルム3とを積層して一体化したものであって、銅張積層板2に形成されている配線部5の表面に、金属間化合物層14を形成するための被膜6を有している。
銅張積層板2は、第一基材4上に、第一接着剤層9を介して銅(Cu)からなる配線部5が形成されたものである。
第一基材4は、電気絶縁性と可撓性を有する樹脂基板であって、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン等が挙げられる。
配線部5は、第一基材4の一面に設けた銅箔を加工処理(例えば、エッチング処理)して形成され、所定の回路パターン等をなす。
また、第一接着剤層9は、エポキシ樹脂に、高分子成分と硬化剤とを添加したエポキシ樹脂組成物を用いることが出来る。この高分子成分は、接着剤の柔軟性(可撓性)及び接着性を高めるもので、化学架橋剤(硫黄系架橋剤、過酸化物系架橋剤など)、電離性放射線照射(ガンマ線、電子線など)、加熱処理などにより架橋されるゴム材料であり、例えばアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリルゴム(ACM)が好適である。
カバーレイフィルム3は、第二基材7とその一面に第二接着剤層8が形成された構成をなし、第二基材7としては、可撓性を有する樹脂材料、例えばポリイミド、ポリエチレンテレフタレート等からなり、フィルム状に成形されたものが好適に用いられる。なお、第二接着剤層8としては、上記の接着剤層9と同様のものを用いることができる。
また、金属間化合物層14は、図2に示すように、配線部5に接する第一層15と前記第一層15に重なる第二層16とから構成され、第一層15に比べて第二層16の方がSnの含有量が高いものとなっている。
この金属間化合物層14は、後述するように、金属張積層板2の配線部5(および前記第一接着剤層9)に対して、カバーレイフィルム3の第二接着剤層が接するように重ねて一体化した後、熱処理を施すことによって形成される。
図3は、本発明に係るフレキシブルプリント配線板の作製手順の一例を示す概略断面図である。以下では、図3を参照して、フレキシブルプリント配線板を作製する方法について説明する。
図3(a)に示すように、金属張積層板20は、銅箔などの金属箔等からなる金属層10を、第一接着剤層9を介して第一基材4に接着してなるものである。
銅張積層板20は、例えば、以下の手順により作製することができる。
上述したエポキシ樹脂組成物を有機溶剤に溶解した原料液を用意し、この原料液をコーターなどで第一基材4に塗布した後、原料液中の溶媒を蒸発させて第一接着剤層9を形成し、この第一接着剤層9表面に銅箔を圧着することなどによって金属層10を形成し、銅張積層板20が得られる。
その際、原料液の溶媒としては、接着剤組成物を混練、混合する際に使用可能なものと同様の有機溶媒を用いることができる。
次いで、図3(b)に示すように、銅張積層板20の金属層(Cu)10にエッチングを施し、所定の回路パターンをなす配線部5を形成する。
さらに、図3(c)に示すように、Cu(銅)より構成した配線部5の上面に、Sn(錫)からなる被膜6を形成することによって銅張積層板2が得られる。
一方、カバーレイフィルム3は、銅張積層板20(2)と同様に、上記エポキシ樹脂組成物を有機溶剤に溶解した原料液をコーターなどで第二基材7に塗布した後、原料液中の溶媒を蒸発させることによって第二接着剤層8を形成し、得ることができる。
そして、図3(d)に示すように、カバーレイフィルム3を、第二接着剤層8が配線部5に対面するように、金属張積層板2上に配置し、これらをプレスキュアすることで、図1に示すようなフレキシブルプリント配線基板1を得ることが出来る。
上記の構成としたフレキシブルプリント配線板1にあっては、配線部5の上面に金属間化合物層14を構成する被膜6を有しているので、配線部5の金属成分の溶解を抑制し、優れた柔軟性(可撓性)を有し、各配線部間の絶縁性を確保し、および耐マイグレーション性を向上させたものが得られるものとなる。
従って、配線ピッチの微細化によって、電子機器の小型化を図ることができる。
なお、上記実施形態では、銅張積層板2は、第一基材4上に第一接着剤層9を介してCu(銅)からなる配線部5が形成したものとしたが、これに限らず、図4に示すように、第一基材4上に直接配線部5を形成し、さらに配線部5の上面に金属間化合物層14を構成するSnよりなる被膜6を形成することで、第一接着剤層9を備えていないこと以外は銅張積層板2と同様に構成された銅張積層板12としたものを用いるようにしても良い。
図5は、本発明に係るフレキシブルプリント配線板を用いてなるリジッド・フレックスプリント配線板の一部を示した概略断面図である。図5において、31は電気絶縁性のリジッド基材、32は回路として機能する導電部材、33は接着部材である。
本発明は、図5に示すように、上述のように構成したフレキシブルプリント配線板1の両側に、リジッドプリント配線板30,30をそれぞれ積層し、これらを一体化することでリジッド・フレックスプリント配線板100としても良い。
図5には、フレキシブルプリント配線板を挟むようにリジッドプリント配線板を設けた部分のみ示しているが、例えば、フレキシブルプリント配線板のみ紙面右手に延ばすように構成し、その先の領域において、図5と同様にフレキシブルプリント配線板を挟むようにリジッドプリント配線板を設けることにより、リジッド・フレックスプリント配線板100が得られる。
その際、リジッドプリント配線板30は、ガラスエポキシよりなる基材31の一方の面に、銅箔などの金属箔等からなる金属層32を形成するとともに、他方の面に、層間接着シート33を貼り付けることにより構成される。
(実験例)
<接着剤の調製>
ベース樹脂として、ジャパンエポキシレジン社製のビスフェノールA型エポキシ樹脂100wt%に、和光純薬社製の4,4−ジアミノジフェニルスルフォン32wt%を添加した樹脂を用意し、これにカルボキシル基変性未架橋NBRとして、日本ゼオン社製のカルボキシ化アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)を50wt%配合して接着剤組成物とした。その接着剤配合を、表1に示す。
Figure 2006278825
(マイグレーション評価試験)
上記接着剤組成物を、厚さ25μmのポリイミドフィルム上に乾燥厚が30μmとなるように塗布してカバーレイフィルムを作製した。また、上記接着剤組成物を、厚さ25μmのポリイミドフィルム上に乾燥厚が10μmとなるように塗布した後、厚さ18μmの圧延銅箔を貼り合わせて片面銅張積層板とした。
この積層板の銅箔を、図6に示すような、くし型パターン[線幅a80μm、線間b80μm(L/S=80μm/80μm)、線長c20mm、くしの数5対の対向した構成]に形成した後、回路表面(上面および側面)に電解めっきでSn被膜を形成した。その際、電解めっきは、Sn:30g/l、硫酸:30g/lを含有する浴中で、電流密度:24A/cmで行った。また、Sn被膜の膜厚は、それぞれの膜厚での効果を確認するために、μm単位で、0.1、0.2、0.5、1、2の各膜厚とした。さらに、比較のため、Sn被膜を形成しないもの(Sn被膜の膜厚が0μm)も作製した。その際、電極51A、51Bの巾dは両方とも1mm、一方の電極のくし凸部52と、他方の電極のくし凹部53との間隔eは1mmとした。
そして、このカバーレイフィルムの接着剤層が上記くし型パターンに対面するように、片面銅張積層板上にカバーレイフィルムを載せて、これらを温度160℃、圧力50kg/cmという条件にて、60分間プレス処理を施すことにより一体化させ、それぞれ評価用フレキシブルプリント配線板とした。その際、プレスする方向(外力を加える方向)は、図3(d)の矢印が示す方向である。
さらに、このフレキシブルプリント配線板の両側のみ上下面に、上記接着剤組成物を用いてリジッドプリント配線板(松下電工社製、R1761)を載せて、温度160℃、圧力50kg/cmという条件にて、60分間プレス処理を施すことで一体化させ、評価用リジッド・フレックスプリント配線板とした。
このように作製した各評価用フレキシブルプリント配線板に対しては、絶縁抵抗値の測定及びマイグレーション発生の有無を、各評価用リジッド・フレックスプリント配線板に対しては、10Ω以上の抵抗値が維持される時間を、それぞれ測定した。その際、絶縁抵抗値は、左右の電極間に、85℃、85%RHの雰囲気下で、DC50Vを印加し、電流を検知して、250時間後の絶縁抵抗値を求めた。また、マイグレーション発生の有無は、抵抗維持時間が250時間以上の場合を発生なしとして○印で、抵抗維持時間が100時間を下回る場合を発生ありとして×印で、さらに、抵抗維持時間が100時間以上だが250時間以下で発生の疑いがある場合を△印で、それぞれ示した。これらの結果を、表2に纏めて示す。
Figure 2006278825
表2より、以下の点が明らかとなった。
(1)Sn被膜を設けること(実験例2−6)により、抵抗維持時間が大幅に延びる。
(2)Sn被膜の膜厚を0.2〜1μmとした場合(実験例3−5)は、10(Ω)台の絶縁抵抗が得られ、マイグレーションの発生がなく、抵抗維持時間も250(h)を越える。
以上の結果より、配線部の表面に、SnとCuからなる金属間化合物層を設けることで、耐マイグレーション性が向上することが分かった。特に、実験例2−4の結果は、金属間化合物層を構成するSn被膜の厚さを0.2μm〜1μmの範囲とすることにより、耐マイグレーション性に優れたものが得られるとともに、フレキシブルプリント配線板に限らずリジッド・フレックスプリント配線板においても絶縁特性の著しい改善をもたらすことを示している。
なお、上記不具合の発生した場合については、分析評価した結果、以下の通りその原因を推定した。その際、分析評価法としては、オージェ分析法とTOF−SIMS分析法を併用した。
Sn被膜の膜厚が0.2μmより薄い場合(実験例2:膜厚0.1μm)は、回路表面(上面及び側面)を全て覆いきれず、表面に金属間化合物層が存在しない部分ができたことにより、短時間でマイグレーションが進展し絶縁破壊が生じたものと見られる。
一方、Sn被膜の膜厚が1μmより厚い場合(実験例6:膜厚2μm)は、回路表面に金属間化合物層とならない部分(すなわち、Snのみから構成される部分)が残り、この部分において被膜のマイグレーションが発生し、短時間で絶縁破壊が起こってしまうものと考えられる。
これに対して、Sn被膜の膜厚が0.2μm〜1μmの場合(実験例3−5)は、Sn被膜はその厚さ方向の全域において、SnとCuの金属間化合物層が観測された。
特に、この金属間化合物層は、配線部に接する第一層と第一層に重なる第二層とから構成されており、第一層に比べて第二層の方がSnの含有量が高いことが分かった。その際、第一層はCuSn(Cu−25at%Sn)を、第二層はCu11Sn(Cu−45at%Sn)を、それぞれ主体とすることが確認された。
したがって、配線部の表面(上面及び側面)にSnとCuからなる金属間化合物層を設け、その膜厚を0.2μm〜1μmの範囲とすることにより、耐マイグレーション性の著しく向上したフレキシブルプリント配線板が得られることが分かった。
本発明に係るフレキシブルプリント配線板は、その効用が、配線部の表面にSnとCuからなる金属間化合物層を設けるだけで、耐マイグレーション性の著しい改善が図れる点にあることを考慮すると、配線部の幅(ライン)や配線部間の離間距離(ピッチ)に依存することなく、各種のライン・ピッチからなる配線部においても広く適用することが可能である。なお、本発明は配線部の微細化に伴い、さらに高密度化が図られた際にも安定した耐マイグレーション性の維持に寄与する技術であることから、フレキシブルプリント配線板に限定されるものではなく、リジッドプリント配線板などにも利用可能である。
本発明に係るフレキシブルプリント配線板の一例を示す概略断面図である。 図1の一部を拡大して示した概略断面図である。 本発明に係るフレキシブルプリント配線板の作製手順の一例を示す概略断面図である。 本発明に係るフレキシブルプリント配線板の他の一例を示す概略断面図である。 本発明に係るフレキシブルプリント配線板を用いてなるリジッド・フレックスプリント配線板の一部を示した概略断面図である。 くし型パターンの一例を示す概略平面図である。
符号の説明
1、11 フレキシブルプリント配線板、2 銅張積層板、3 カバーレイフィルム、4 第一基材、5 配線部、6 被膜(Sn)、7 第二基材、8 第二接着剤層、9 第一接着剤層、10 金属層(Cu)、12 銅張積層板、14 金属間化合物層、15 第一層、16 第二層、30 リジッドプリント配線板、31 リジッド基材、32 導電部材、33 接着部材、51A、52B 電極、100 リジッド・フレックスプリント配線板。

Claims (4)

  1. 第一基材の一面上に第一接着剤層を介して又は直接、Cuからなる配線部を設けてなる銅張積層板と、第二基材の一面上に第二接着剤層を設けてなるカバーレイフィルムとを、前記配線部および前記第一接着剤層に前記第二接着剤層が接するように重ねて一体化したフレキシブルプリント配線板であって、
    前記配線部は、前記第二接着剤層と接する面に、CuとSnからなる金属間化合物層を具備してなることを特徴とするフレキシブルプリント配線板。
  2. 前記金属間化合物層は、前記配線部に接する第一層と前記第一層に重なる第二層とから構成され、前記第一層に比べて前記第二層の方がSnの含有量が高いことを特徴とする請求項1記載のフレキシブルプリント配線板。
  3. 前記第一層はCuSnを、前記第二層はCu11Snを、それぞれ主体とすることを特徴とする請求項2記載のフレキシブルプリント配線板。
  4. 第一基材の一面上に第一接着剤層を介して又は直接、Cuからなる配線部を設けてなる銅張積層板と、第二基材の一面上に第二接着剤層を設けてなるカバーレイフィルムとを、前記配線部および前記第一接着剤層に前記第二接着剤層が接するように重ねて一体化したフレキシブルプリント配線板の製造方法であって、
    前記一体化する前に、前記配線部の露出面を全て覆うように、Snからなる被膜を形成する工程と、
    前記一体化した後に、熱処理を施し、前記配線部の前記第二接着剤層と接する面に、CuとSnからなる金属間化合物層を形成する工程とを、
    少なくとも具備したことを特徴とするフレキシブルプリント配線板の製造方法。
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