JP2006278581A - 集光型太陽光発電装置、および、それに使用する光学部材 - Google Patents

集光型太陽光発電装置、および、それに使用する光学部材 Download PDF

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Abstract

【課題】 集光型太陽光発電装置において、集光レンズと太陽電池セルとの間に設けられた二次光学系に白濁が生じにくくする。
【解決手段】 太陽電池セル34と、太陽光を集光するための集光レンズ(一次光学系)28と有し、且つ、その集光レンズ28と太陽電池セル34との間にホウケイ酸ガラス製のホモジナイザ50(二次光学系)が設けられている集光型太陽光発電装置10において、ホモジナイザ50の側面に、ホモジナイザ50に水分が付着することを防止するために、フッ素樹脂製の薄膜54をつける。これにより、ホモジナイザ50の表面に水分が付着することが防止されるので、ホモジナイザ50の表面に付着した水分にナトリウムイオン等が溶け出し、次いで、そのイオンが二酸化炭素と反応して炭酸塩(白濁)が析出してしまうことが防止できる。
【選択図】 図4

Description

本発明は集光型太陽光発電装置およびそれに使用する光学部材に関し、特に、集光型太陽光発電装置の高い発電効率を持続させる技術に関する。
集光型太陽光発電装置は、太陽光を集光させて太陽電池セルに照射することから、コスト構成比において大きな部分を占める太陽電池セルを小さく(または少なく)することができるので注目されている(たとえば非特許文献1)。この集光型太陽光発電装置においては、一次光学系において集光した集光光は、その中心部分が明るく(強度が強く)、周辺部が暗くなる(強度が低くなる)。そのため、一次光学系において集光した光をそのまま太陽電池セルに照射させると、発電効率が低下することが指摘されている(たとえば非特許文献2)。そこで、一次光学系において集光した光を、側面での反射を繰り返しつつ進行させることによって混合する二次光学系が提案されている(たとえば非特許文献2)。
荒木、外8名,「変換効率28%の集光式太陽光発電装置開発」,電気製鋼,2004年7月,第75巻,第3号,p165−172 荒木、外2名,「集光太陽光発電用2次光学系の開発」,電気製鋼,2002年10月,第73巻,第4号,p221−228
前記二次光学系としては、筒状の金属体または柱状の誘電体が考えられており、誘電体としては一般にガラスが用いられ、特に、汎用かつ安価で加工が容易であるソーダ石灰ガラスまたは光学性質に優れているホウケイ酸ガラスがよく用いられている。また、過酷な使用環境では、アルミノケイ酸ガラス、ソーダカリバリウムガラスなどが用いられている。しかし、二次光学系としてガラスを用いる場合、高湿環境、特に表面に霜が降りる環境では、その表面が次第に白濁するという問題があった。この白濁はガラスに含まれるアルカリ成分が析出したものであり、アルカリ成分が析出する理由は、ガラス表面に水分が付着し、その水分にガラス中のアルカリ成分が溶け出し、次いで、そのイオンが空気中の二酸化炭素と反応して炭酸塩になるからである。
ガラス製の二次光学系は、内表面による全反射を利用して光を混合しているが、表面に白濁が生じた部分では光が乱反射してしまい、光の一部が外部に漏れ出てしまうという問題がある。そして、この漏れ出た光に相当するエネルギーは発電損失となってしまう。
また、二次光学系以外に、太陽電池セルを湿気から保護するために、一次光学系と太陽電池セルとの間にソーダ石灰ガラスまたはホウケイ酸ガラス製の保護カバーが設けられることがある。この保護カバーの太陽光通過部分に白濁が生じた場合にも、その白濁で乱反射が生じて発電効率が低下してしまう。このように、集光型太陽光発電装置では、一次光学系と太陽電池セルとの間に設けられた二次光学系や保護カバーなどの光学部材に白濁が生じると発電効率が低下するという問題があった。
本発明は以上の事情を背景として成されたものであって、その目的とするところは、集光型太陽光発電装置において、一次光学系と太陽電池セルとの間に設けられた光学部材に白濁が生じにくくすることにある。
前記目的を達成するための第1発明は、太陽電池セルと太陽光を集光するための一次光学系を有する集光型太陽光発電装置において、その一次光学系とその太陽電池セルとの間に設けられるガラス製の光学部材であって、表面に、その光学部材の劣化を防止する保護部材が設けられていることを特徴とする。
また、第2発明は、第1発明の光学部材において、前記光学部材の材質が、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス、又はソーダカリバリウムガラスであることを特徴とする。
また、第3発明は、第1発明または第2発明の光学部材において、前記保護部材が、撥水性であることを特徴とする。
また、第4発明は、第3発明の光学部材において、前記保護部材の接触角が蒸留水を用いた液滴法において100°以上であることを特徴とする。
また、第5発明は、第3発明または第4発明の光学部材において、前記保護部材が、フッ素樹脂であることを特徴とする。
また、第6発明は、入射光の反射を抑制するための反射防止膜が入射面に設けられていることを特徴とする第1発明乃至第5発明のいずれかの光学部材。
また、第7発明は、第1発明乃至第6発明のいずれかの光学部材を備えていることを特徴とする集光型太陽光発電装置。
また、第8発明は、第7発明の集光型太陽光発電装置において、前記光学部材は、前記一次光学系において集光された集光光が入射面から入射され、その入射された光が内側面にて界面で全反射されつつ進行することによって均一化されて射出面から前記太陽電池セルへ向けて射出される二次光学系であることを特徴とする。
また、第9発明は、第8発明の集光型太陽光発電装置において、前記二次光学系の入射面に反射防止膜が設けられていることを特徴とする。
第1発明によれば、光学部材の表面に保護部材が設けられていることから、光学部材の表面に水分が付着することが防止される。従って、光学部材の表面が水によって浸食され、白濁が発生することを防止できる。
また、第9発明によれば、集光光が高効率で二次光学系に取り込まれることから、発電効率が向上する。
光学部材としては、第8発明に記載されている二次光学系や、太陽電池セルを保護するための保護カバーがあり、いずれの場合にも、ガラス製であるものが本発明の対象となる。また、光学部材に用いるガラスとして第2発明に記載のガラス、すなわち、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノバリウムケイ酸ガラスにより例示されるアルミノケイ酸ガラス、またはソーダカリバリウムガラスを用いる場合、白濁の問題が大きいことから、本発明の保護部材を設ける意義が大きい。
前記二次光学系としては、入射面あるいは射出面と平行な断面における形状が正方形であるものが広く知られているが、それ以外にもその断面形状が正方形以外の四角形、四角形以外の多角形、円形など、種々の形状のものを用いることもできる。また、その二次光学系は、射出面側ほど断面積が小さくなるテーパ形状とされることがこのましいが、長手方向のどの部位においても一様な断面積を有する形状であってもよい。
また、一次光学系としては、凸レンズまたはフレネルレンズなど太陽光を透過させて集光する形式のもの、および、太陽光を反射させて集光する反射鏡形式のものがあり、いずれの形式を用いることもできる。
保護部材の形状は、たとえば膜状とされるが、それ以外にも、微細な粒子のような形状であってもよい。また、その保護部材は、第3発明のように撥水性であることが好ましく、第4発明のように接触角が100°以上であるものが特に好ましい。撥水性の保護部材としては、耐熱性に優れたものが好ましく、光学部材が二次光学系である場合には、その内表面での全反射を可能とするために、屈折率が二次光学系の屈折率よりも小さいことが望ましく、また、その二次光学系が上昇する温度(たとえば90℃)において安定である材料が好ましい。第5発明のようにフッ素樹脂を保護部材として用いれば、フッ素樹脂は耐熱性に優れ、且つ、屈折率が低いので好適である。一方、光学部材が保護カバーである場合には、保護部材の効果は屈折率によらない。
反射防止膜としては、光学レンズに広く用いられているフッ化マグネシウムやフッ化カルシウムを用いることができる。反射防止膜のつけ方としては、たとえば真空蒸着法を用いることができるが、真空蒸着法に限定されず、種々の公知の方法を用いることができる。二次光学系の入射面に反射防止膜が設けられている場合、膜状とされた保護部材(すなわち薄膜)が反射防止膜の上に積層されてもよいし、逆に、反射防止膜が薄膜の上に積層されてもよい。また、入射面に薄膜が設けられていなくてもよい。
次に、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明の一実施例である集光型太陽光発電装置10が太陽光追尾装置12に装着された状態を示す斜視図である。この太陽光追尾装置12は、集光型太陽光発電装置10を常時太陽に向かうように位置させるものであって、地軸に対して平行となるように水平面に対して所定角度θ即ち緯度に相当する角度だけ傾斜させられた傾斜軸心C周りに回転可能に設けられ、且つ減速機付きの追尾モータ14によってその傾斜軸心Cまわりに回動角度が変化させられる傾斜梁16と、その傾斜梁16の中間部において水平な軸心Hまわりに回転可能に設けられ、且つ減速機付きの高度修正モータ18によってその水平軸心Hまわりに回動角度が変化させられる一対の受板20とを備えている。この集光型太陽光発電装置10は、高さ(厚さ)に対して十分に大きい短辺および長辺を有する長手箱状を成し、その一対の受板20の上にそれぞれ載置された状態でそれに固定されている。
上記太陽光追尾装置12は図示しない太陽光センサおよび制御装置を備えており、その制御装置は、太陽光センサからの信号に基づいて太陽の位置を算出し、集光型太陽光発電装置10がその太陽に向かうようにすなわち集光型太陽光発電装置10の受光面が太陽光に対して常時直角となるように追尾モータ14および高度修正モータ18を駆動する。地球の自転に対応する日の出から日の入りまでの太陽の動きを追尾する制御は専ら追尾モータ14により行われるが、地球の公転に対応する太陽高度の変化に対する制御は専ら高度修正モータ18により行われる。
図2は上記集光型太陽光発電装置10の側方からを示す斜視図であり、図3はその一部を拡大して示す図である。これらの図2および図3に示される集光型太陽光発電装置10は、内部の構成を示すためにその側板22が取り外されている。この集光型太陽光発電装置10は、太陽光を集光するための複数個(本実施例では36個)の集光レンズ28(すなわち一次光学系)を有する集光板30と、その集光板30の裏側に所定の間隔を隔てて平行に固設された支持板32と、その支持板32上の上記複数個の集光レンズ28によりそれぞれ集光された太陽光を受ける位置にそれぞれ配設された複数の太陽電池セル34とを備えている。なお、上記支持板32の裏面の外周縁には、補強板38が固定されている。
上記複数個の集光レンズ28は、図4に示すように、球面状の表面と階段状の環状段差を有する凹凸状の裏面とから成る所謂ドーム型フレネルレンズからそれぞれ構成されており、たとえばアクリル樹脂などの光学的性質に優れた樹脂材料が射出成形などの型成形によって形成されることにより相互に一体的に構成されている。集光板30は、そのように一体的に構成された複数個の集光レンズ28が矩形のレンズ固定枠36内に固定されることにより構成されている。
支持板32は、上記レンズ固定枠36と同様の大きさの長方形状を有するとともに、好ましくはアルミニウム合金、銅合金などの熱電導性の高い金属板から構成され、連結柱37を介してそのレンズ固定枠30と互いに平行となるように相互に連結されている。この支持板32には、集光レンズ28によって集光された太陽光により発電するための複数個の発電モジュール40が各集光レンズ28の集光位置すなわち直下に複数個配設されている。図4に示されるように、この発電モジュール40は、支持板32に密着状態で固定され且つ前記太陽電池セル34が中央部に載置された金属製の基台(座板)42と、基台42に立設された4本の支柱44を介してその基台42から所定距離上方に離隔した位置に設けられ、その太陽電池セル34の真上に位置する部分に貫通穴46が形成された遮光板48と、その遮光板48に支持され、その貫通穴46を通過した太陽光の強度を均等化して太陽電池セル34の上面である受光面に導くホモジナイザ50(すなわち二次光学系)とを備えている。
上記遮光板48は、発電のために集光レンズ28によって集光された太陽光のみを太陽電池セル34へ向かって通過させる一方で、発電に利用できない光を遮光して太陽電池セル34の付近の温度上昇を緩和するためのものである。また、上記ホモジナイザ50は、貫通穴46付近から太陽電池セル34側に向かうに従って断面積が小さくなる角錐状を成し、内側面における界面全反射(界面で全反射すること)を繰り返しつつ太陽電池セル34側に向かう過程で断面積内の光エネルギの強度分布を均等化させる機能を備えている。なお、ホモジナイザ50の寸法は、たとえば高さ40mm、射出面(太陽電池セル34側の面)が太陽電池セル34と同一の寸法(たとえば7mm角)とされる。
このホモジナイザ50はホウケイ酸ガラス製であり、たとえば、SiO 69wt%、NaO 9wt%、KO 8wt%、BaO 3wt%、B 10wt%、As 1wt%という組成を有し、また、1.516程度の屈折率を有している。さらに、このホモジナイザ50の入射面には、光波干渉を利用して反射光を抑制するための反射防止膜52が積層されている。この反射防止膜52は本実施例ではフッ化カルシウム層の単層式又は多層構造からなり、その膜厚は例えば120nm程度とされている。この反射防止膜52は、本実施例では真空蒸着法によって付けられている。さらに、ホモジナイザ50の4つの側面の全部および反射防止膜52を介したホモジナイザ50の上面には、保護部材として機能する薄膜54がコーティングされている。この薄膜54は、本実施例では、金型の離型剤などにも用いられる汎用的なフッ素樹脂であり、屈折率は1.34である。この薄膜54は、本実施例では、ハイドロフルオロエーテル(COCH)を溶媒とし、その溶媒に溶解させられた上記フッ素樹脂がディッピングによって塗布された後、加熱処理されることで溶剤が除去されて形成され、例えば数十nm〜20nm程度の厚さとされる。
上記太陽電池セル34は、吸収波長帯が異なる複数種類のpn接合、たとえば底部接合層、中間部接合層、及び上部接合層が順次積層された多接合型構造を備えたものであり、底部接合層、中間部接合層、及び上部接合層にそれぞれ設けられているpn接合は、電気的に直列に接続されるとともに、中心波長が相互に異なる吸収波長帯を備えており、例えば波長300〜600(nm)を上部接合層が、波長600〜1000(nm)を中間部接合層が、波長1000〜1800(nm)を底部接合層がそれぞれ吸収することにより、太陽光の波長帯のうち吸収波長帯を広域として高い変換効率が得られるようになっている。
図4に示すように、前記太陽電池セル34は、その下面全体に半田づけされたテープ状の第1リード電極56と、その上面の端部に半田づけされたテープ状の第2リード電極58とを備え、カーボン、ガラス繊維、アルミナ(Al2 3 )粉、及び金属粉のうち少なくともひとつを含む充填剤すなわち熱伝導性を高めるためのフィラーを分散させた合成樹脂から成る接着層60に少なくともその一部、好適にはその全体が埋設された状態で固定されることにより前記基台42の中央部に固設されている。上記太陽電池セル34は、その第1リード電極56および第2リード電極58を用いて相互に直列接続され、高い出力電圧が得られるようになっている。
以上のように構成された集光型太陽光発電装置10では、太陽光追尾装置12によって太陽光に対して直角となるように常時位置させられる結果、集光レンズ28により集光された太陽光はその集光位置に位置させられた遮光板48の中央部に設けられた貫通穴46を通過した後に、薄膜54および反射防止膜52を通過してホモジナイザ50に入射する。そして、ホモジナイザ50に入射した光は、図5に示すように、ホモジナイザ50の側面で界面全反射を繰り返しつつ進行することで混合(均一化)される。
なお、薄膜54によりホモジナイザ50に水分が付着することが阻止されていることから、仮にホモジナイザ50中のナトリウムイオン、カリウムイオンなどが表面に移動したとしても、水分と接触することがないため、表面に移動した上記イオンに由来して炭酸塩ができることも防止される。従って、界面全反射が効率的に行われるので、ホモジナイザ50に入射した集光光は効率よく太陽電池セル34に入射する。そのため、高い変換効率で太陽光エネルギが電力に変換されて出力される。
<実験1:ホウケイ酸ガラスに薄膜をつけることによる効果の確認>
次に、ガラスとしてホウケイ酸ガラスを用い、それに薄膜をつけることによる白濁発生防止効果を確認した実験を示す。
<実験1−1:薄膜処理条件の検討>
まず、前記薄膜54の処理条件を検討した結果を説明する。加熱処理温度は図6に示す通りであり、それ以外の条件は以下の通りである。なお、図6の接触角は蒸留水を用いた液滴法である。使用した装置は協和界面科学(株)製の自動接触角計CA−Z型で測定し、測定環境は、24℃、50RH%である。また、図6において、処理なしとは、薄膜をつけていないブランク試料であり、試料数はいずれの処理温度においても15である。
・ホモジナイザ50の材質:ホウケイ酸ガラス(ショット社製BK−7)SiO 69wt%、NaO 9wt%、KO 8wt%、BaO 3wt%、B 10wt%、As 1wt%
・塗布方法(トップコート):ハイドロフルオロエーテルにフッ素樹脂を溶解させ、ディッピング塗布
・フッ素樹脂塗布後の加熱処理雰囲気:空気中
・加熱処理時間:30分
・下地処理:n−ヘキサンにオルガノシランであるビニルトリメトキシシラン(CH=CHSi(OCH)を分散させた溶液(濃度1%)を筆塗りした。
図6に示すように、水の接触角は、加熱処理温度180℃付近で最大となっているので、加熱処理温度は180℃付近が最適であると言える。なお、下地処理とトップコートは使用環境により使い分け、過酷な条件ではさらにアンダーコートを入れてもよい。
<実験1−2:氷結サイクル試験+熱サイクル試験による相対発電量変化>
次に、本発明の効果を確認するために、氷結サイクル試験およびそれに続いて熱サイクル試験を実施し、熱サイクル試験前の発電量に対する相対発電量を測定した。氷結サイクル試験は、温度85℃、湿度85RH%で20時間保持した後、−40℃に急冷させてホモジナイザ50の表面に結露および氷結を発生させることを1サイクルとする試験であり、20サイクル行った。熱サイクル試験は、90℃から−40℃まで温度を急速に冷却し、次いで、逆に−40℃から90℃まで急速に昇温することを1サイクルとする試験であり、200サイクル実施した。
図7は、薄膜54を塗布していないホモジナイザ50の上記氷結サイクル試験前後の表面SEM写真であり、(a)は試験前、(b)は試験後のものである。なお、倍率は(a)が2000倍、(b)が4000倍である。図7に示されるように、薄膜54を塗布していない場合には、上記氷結サイクル試験によって表面に多数の結晶が析出していることが分かる。これに対して、図示していないが、薄膜54を塗布したものは試験前の状態とそれほど変わらず、わずかに白色のつぶが観測された程度であった。
図8は、上記氷結サイクル試験後、上記熱サイクル試験を図8に示す回数行ったときの相対発電量の変化を示すグラフである。なお、試料1−5が薄膜54を塗布したものであり、試料6−9が薄膜54を塗布していないものである。なお、試料1−5は同じ条件で処理したものであり、その材質および処理条件は、前述の接触角を検討した実験と同じであり、加熱処理温度は180℃である。また、試料6−9は、試料1−5と同じ材質である。
図8に示されるように、薄膜54を塗布していない場合には、上記熱サイクル試験を繰り返して行くうちに相対発電量が低下していっている。それに対して、薄膜54が塗布されているホモジナイザ50は、上記氷結サイクルを実施し、さらに上記熱サイクルを実施しても相対発電量はほとんど変化していない。
<実験1−3:氷結サイクル試験と失透した面積率との関係>
次に、前記氷結サイクル試験と失透した面積率(%)との関係を調べた。失透した面積率は目視評価である。その結果を図9に示す。なお、コーティングありの試料は前述の実験の試料1−5と同じものであり、コーティングなしの試料は前述の実験の試料6−9と同じものである。図9に示されるように、コーティングすなわち薄膜をつけることにより、失透した面積率、すなわち白濁の生じる面積率が顕著に低下した。従って、ホモジナイザに薄膜をつければ、結露や氷結が生じる環境下でも、十分に使用できることが分かる。
<実験1−4:熱サイクル試験と失透した面積率との関係>
次に、前記熱サイクル試験と失透した面積率(%)との関係を調べた。失透した面積率は目視評価である。その結果を図10に示す。この実験に用いたコーティングありの試料およびコーティングなしの試料は、いずれも実験1−3と同じものである。図10に示されるように、コーティングをつけると、ほとんど失透しないことが分かる。従って、ホモジナイザに薄膜をつければ、高温高湿環境下でも、問題なく連続使用できると言える。
<実験2:アルミノケイ酸ガラスに薄膜をつけることによる効果の確認>
次に、ガラスとしてアルミノケイ酸ガラスを用い、それに薄膜をつけることによる白濁発生防止効果を確認した実験を示す。
まず、薄膜の処理条件を検討した結果を説明する。加熱処理温度は実験1と同じであり、それ以外の条件は以下の通りである。なお、接触角は、実験1と同じ装置で測定し、測定環境は、20℃、50RH%である。また、処理なしとは、薄膜をつけていないブランク試料であり、試料数はいずれの処理温度も15である。
・ガラス組成:石塚硝子製 IG−3、SiO 66wt%、NaO 14wt%、KO 2wt%、Al 5.5wt%、CaO 5.5wt%、MgO 3wt%、B 3wt%、ZnO 1wt%
・ガラス形状:(縦)76mm×(横)26mm×(高さ)1.5mm
・薄膜塗布方法:ハイドロフルオロエーテルを溶媒としてフッ素樹脂を分散させた溶液に浸漬後、30分乾燥
薄膜をつけたものの接触角は、ホウケイ酸ガラスと同様に加熱処理温度によらず平均値で100°以上であった。それに対して薄膜をつけていないものの接触角は、平均値で20〜35°程度であった。
また、このアルミノケイ酸ガラスにおいても、薄膜をつけたものと薄膜なしのものについて前記氷結試験を行い、白濁の程度を対比したところ、薄膜をつけたものは20サイクル以上氷結試験を行っても白化が発生しなかったのに対し、薄膜をつけていないものは15サイクル目で白化が発生した。図11は、撥水処理のFESEM象であり、下記条件で測定した。
・装置:電界放射型走査形電子顕微鏡 日本電子製 JSM6700F NT
・観察条件:Pt−Pb蒸着厚み;1nm、加速電圧;3.0kV
二次電子像 倍率:50,000
以上、本発明を詳細に説明したが、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
本発明の一実施例である集光型太陽光発電装置が太陽光追尾装置に装着された状態を示す斜視図である。 図1の集光型太陽光発電装置の側方からを示す斜視図である。 図2の一部を拡大して示す図である。 図1に示す集光型太陽光発電装置の内部に複数配設された発電モジュールの発電作用を説明するために、そのうちの1つの発電モジュールを拡大して示す断面図である。 ホモジナイザ内を太陽光が界面全反射しつつ進行していく状態を説明する図である。 ホウケイ酸ガラス製のホモジナイザに薄膜をつける際の加熱処理温度と、それに対する水の接触角の関係を示す図である。 薄膜を塗布していないホウケイ酸ガラス製のホモジナイザの氷結サイクル前後の表面SEM写真であり、(a)は試験前、(b)は試験後のものである。 氷結サイクル試験後、熱サイクル試験を図8に示す回数行ったときの相対発電量の変化を示すグラフである。 氷結サイクル試験回数と失透した面積率(%)との関係を示すグラフである。 熱サイクル試験回数と失透した面積率(%)との関係を示すグラフである。 撥水処理したガラス面のFESEM像写真である。
符号の説明
10:集光型太陽光発電装置
28:集光レンズ(一次光学系)
34:太陽電池セル
50:ホモジナイザ(二次光学系、光学部材)
52:反射防止膜
54:薄膜(保護部材)

Claims (9)

  1. 太陽電池セルと太陽光を集光するための一次光学系を有する集光型太陽光発電装置において、該一次光学系と該太陽電池セルとの間に設けられるガラス製の光学部材であって、
    表面に、該光学部材の劣化を防止する保護部材が設けられていることを特徴とする光学部材。
  2. 前記光学部材の材質が、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス、又はソーダカリバリウムガラスであることを特徴とする請求項1に記載の光学部材。
  3. 前記保護部材が、撥水性であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光学部材。
  4. 前記保護部材の接触角が蒸留水を用いた液滴法において100°以上であることを特徴とする請求項3に記載の光学部材。
  5. 前記保護部材が、フッ素樹脂であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の光学部材。
  6. 入射光の反射を抑制するための反射防止膜が入射面に設けられている請求項1乃至請求項5のいずれかの光学部材。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の光学部材を備えていることを特徴とする集光型太陽光発電装置。
  8. 前記光学部材は、前記一次光学系において集光された集光光が入射面から入射され、該入射された光が内側面にて界面で全反射されつつ進行することによって均一化されて射出面から前記太陽電池セルへ向けて射出される二次光学系であることを特徴とする請求項7に記載の集光型太陽光発電装置。
  9. 前記二次光学系の入射面に反射防止膜が設けられていることを特徴とする請求項8に記載の集光型太陽光発電装置。
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