JP2006278250A - 燃料電池用膜電極接合体及び燃料電池 - Google Patents

燃料電池用膜電極接合体及び燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】燃料極及び酸化剤極のうち少なくとも一方の電極からの液体及びガス漏れが抑制された燃料電池用膜電極接合体と、それを備えた燃料電池を提供する。
【解決手段】電解質層1と、前記電解質層1に形成された燃料極6と、前記電解質層1に前記燃料極6を囲むように形成された枠状の燃料極シール材8と、前記電解質層1の前記燃料極6が形成されている面とは反対側の面に形成された酸化剤極と、前記電解質層1に前記酸化剤極を囲むように形成された枠状の酸化剤極シール材とを含む燃料電池用膜電極接合体であって、前記燃料極6もしくは前記酸化剤極のコーナ部に曲率を設け、前記燃料極シール材8もしくは酸化剤極シール材のコーナ部の内側曲率半径r1を0.3mm以上、3mm以下の範囲にすると共に前記燃料極6もしくは酸化剤極と前記シール材との間に30μm以上、480μm以下の隙間を形成することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池用膜電極接合体(MEA)と、この膜電極接合体を備えた燃料電池に関するものである。
社会的な動向として、OA機器、オーディオ機器、無線機器等に燃料電池を使用する事が要望されている。燃料電池は、燃料と酸化剤を供給するだけで発電することができるという利点を有するだけでなく、燃料を交換すれば連続して発電できるという利点を有しているため、小型化が出来れば消費電力が小さいユビキタス等の小型機器の作動に極めて有利なシステムといえる。
メタノールと水を含む混合溶液を液体燃料として用いたメタノール燃料電池を例として説明する。メタノール燃料電池は電池本体への燃料供給方法によって、液体燃料をそのまま電池本体に供給する液体供給型と、液体燃料を気化させてから電池本体に供給する気化供給型とに大別される。何れも液体燃料の供給と反応により生成するガスが生じることが知られており、何れも洩れるという問題があった。
燃料電池では、高出力電圧を得るために、複数のMEAをその間にセパレータを介在させながら直列に積み重ねたスタックを使用することが望ましい。燃料電池スタック技術において、構成要素のシーリングは、重要な課題である。一般的に、環境への漏れおよび反応物(水素および酸素/空気)の混合に対するこれらの要素(主にCCM、MEAおよび双極プレート)のガス漏れしないシーリングを達成することが必要である。このガス漏れしないシールは、直接メタノール型燃料電池(DMFC)スタックおよびプロトン交換膜型燃料電池(PEMFC)スタックの安全性には必須である(安全性の欠如は、燃料電池技術の広範な導入にとって重大な障壁である)。
特許文献1は、電解質に燐酸を用いる燃料電池に関するものであって、燃料電池の電極及び該電極で挟持された電解質を含むマトリックスの周縁部を熱溶融性フィルムと非熱溶融性フィルムとの対で形成することによりガスシールを行うことが開示されている。
特開平2−148570号公報
本発明は、燃料極及び酸化剤極のうち少なくとも一方の電極からの液体及びガス漏れが抑制された燃料電池用膜電極接合体と、この膜電極接合体を備えた燃料電池とを提供するものである。
本発明に係る燃料電池用膜電極接合体は、電解質層と、前記電解質層の一方の面に形成された燃料極と、前記電解質層に前記燃料極を囲むように形成された枠状の燃料極シール材と、前記電解質層の前記燃料極が形成されている面とは反対側の面に形成された酸化剤極とを含む燃料電池用膜電極接合体であって、
前記燃料極のコーナ部及び前記燃料極シール材のコーナ部それぞれに曲率を設け、前記燃料極シール材の前記コーナ部の内側曲率半径を0.3mm以上、3mm以下の範囲にし、
前記燃料極と前記燃料極シール材との間に30μm以上、480μm以下の隙間を形成することを特徴とするものである。
本発明に係る燃料電池は、電解質層と、前記電解質層の一方の面に形成された燃料極と、前記電解質層に前記燃料極を囲むように形成された枠状の燃料極シール材と、前記電解質層の前記燃料極が形成されている面とは反対側の面に形成された酸化剤極とを含む燃料電池であって、
前記燃料極のコーナ部及び前記燃料極シール材のコーナ部それぞれに曲率を設け、前記燃料極シール材の前記コーナ部の内側曲率半径を0.3mm以上、3mm以下の範囲にし、
前記燃料極と前記燃料極シール材との間に30μm以上、480μm以下の隙間を形成することを特徴とするものである。
本発明に係る燃料電池用膜電極接合体は、電解質層と、前記電解質層の一方の面に形成された燃料極と、前記電解質層の前記燃料極が形成されている面とは反対側の面に形成された酸化剤極と、前記電解質層に前記酸化剤極を囲むように形成された枠状の酸化剤極シール材とを含む燃料電池用膜電極接合体であって、
前記酸化剤極のコーナ部及び前記酸化剤極シール材のコーナ部それぞれに曲率を設け、前記酸化剤極シール材の前記コーナ部の内側曲率半径を0.3mm以上、3mm以下の範囲にし、前記酸化剤極と前記酸化剤極シール材との間に30μm以上、480μm以下の隙間を形成することを特徴とするものである。
本発明に係る燃料電池は、電解質層と、前記電解質層の一方の面に形成された燃料極と、前記電解質層の前記燃料極が形成されている面とは反対側の面に形成された酸化剤極と、前記電解質層に前記酸化剤極を囲むように形成された枠状の酸化剤極シール材とを含む燃料電池であって、
前記酸化剤極のコーナ部及び前記酸化剤極シール材のコーナ部それぞれに曲率を設け、前記酸化剤極シール材の前記コーナ部の内側曲率半径を0.3mm以上、3mm以下の範囲にし、前記酸化剤極と前記酸化剤極シール材との間に30μm以上、480μm以下の隙間を形成することを特徴とするものである。
本発明によれば、燃料極及び酸化剤極のうち少なくとも一方の電極からの液体及びガス漏れが抑制された燃料電池用膜電極接合体と、この膜電極接合体を備えた燃料電池とを提供することができる。
本発明の実施形態を図面を参照して以下に説明する。
図1は本発明に係る膜電極接合体の燃料極のコーナ部とシール材のコーナ部との関係を示した模式図で、図2は本発明に係る膜電極接合体の模式的な平面図で、図3は図2のIII−III線に沿う断面図で、図4は図2のIV−IV線に沿う断面図である。
図3及び図4に示すように、膜電極接合体は、シート形状の電解質層1と、電解質層1の一方の面に形成された燃料極触媒層2と、燃料極触媒層2に積層された燃料極拡散層3と、電解質層1の燃料極触媒層2が形成されているのとは反対側の面に形成された酸化剤極触媒層4と、酸化剤極触媒層4に積層された酸化剤極拡散層5とを含む。燃料極触媒層2と燃料極拡散層3から燃料極6が構成される。また、酸化剤極触媒層4と酸化剤極拡散層5から酸化剤極7が構成されている。
電解質層1の面積は、燃料極6及び酸化剤極7よりも大きく、電解質層1の四辺は燃料極6及び酸化剤極7から突き出ている。矩形枠状の燃料極シール材8は、電解質層1に燃料極6の周囲を囲むように形成されている。
図1及び図2に示すように、燃料極6(燃料極触媒層2及び燃料極拡散層3)のコーナ部9と、燃料極シール材8のコーナ部10は、それぞれ、R形状を有している。燃料極シール材8の内周側コーナ部の曲率半径r1は、0.3mm以上、3mm以下の範囲にする。また、燃料極6(燃料極触媒層2及び燃料極拡散層3)の四辺と燃料極シール材8の内周側の四辺との間には隙間が設けられており、燃料極6と燃料極シール材8のクリアランスの大きさdを30μm以上、480μm以下にする。各辺のストレート部でのクリアランスdが30μm以上、480μm以下であれば、コーナ部でのクリアランスdが30μm以上、480μm以下でなくても良い。
曲率半径r1及びクリアランスdを前記範囲に規定するのは以下に説明する理由によるものである。
電解質層1におけるプロトン拡散は水の存在下で生じるため、電解質層1は発電時に面方向に膨張し、発電休止時に収縮する。燃料極6及び燃料極シール材8は、電解質層1に一体化されているため、電解質層1の膨張によって燃料極6及び燃料極シール材8が面方向に引っ張られ、電解質層1の膨張収縮が繰り返されることで燃料極6及び燃料極シール材8に応力が繰り返し加わる。
クリアランスdの大きさを30μm以上にすることによって、電解質層1が膨張した際に燃料極6と燃料極シール材8とが衝突するのを回避することができるため、衝突が原因での燃料極シール材8の剥離を抑制することができる。クリアランスdが大きい方が衝突を回避しやすいものの、クリアランスdが480μmを超えると、シール材としての効果が低減し、燃料極6と燃料極シール材8との隙間からガスが漏れ出しやすくなる。よって、クリアランスdは30μm以上、480μm以下にすることが望ましい。さらに好ましい範囲は、30μm以上、150μm以下である。
燃料極シール材8の内周側のコーナ部は、燃料極6が衝突しやすいだけでなく、電解質層1の膨張収縮による影響を受けやすい箇所でもある。燃料極シール材8の内周側コーナ部の曲率半径r1を0.3mm以上にすることによって、電解質層1の膨張収縮による応力を緩和することができるため、シール材8の剥離を抑制することができる。但し、曲率半径r1が3mmを超えると、燃料極6と燃料極シール材8のコーナ部でのクリアランスとストレート部でのクリアランスとの差が大きくなり、シール材8に加わる応力の偏りが大きくなり、シール材8が剥離しやすくなる。よって、曲率半径r1は、0.3mm以上、3mm以下の範囲にすることが望ましい。更に好ましい範囲は、0.3mm以上、1.3mm以下である。
従って、燃料極6(燃料極触媒層2及び燃料極拡散層3)のコーナ部9と燃料極シール材8のコーナ部10をそれぞれR形状にし、燃料極シール材8の内周側コーナ部の曲率半径r1を0.3mm以上、3mm以下の範囲にし、かつ燃料極6と燃料極シール材8のクリアランスの大きさdを30μm以上、480μm以下にすることによって、電解質層1の発電による膨張収縮で燃料極6が膨張収縮し、シール材8に衝突するのを回避することができると共に、電解質層1の膨張収縮でシール材8が受ける応力を緩和することができる。その結果、燃料極シール材8の剥離を抑制することができるため、燃料極6からのガス漏れを低減することができ、発電効率を向上することができる。
ところで、酸化剤極7についても、シール材を形成することが望ましい。図3及び図4に示すように、矩形枠状の酸化剤極シール材11を電解質層1に酸化剤極7の周囲を囲むように形成することができる。
酸化剤極7(酸化剤極触媒層4及び酸化剤極拡散層5)のコーナ部と、酸化剤極シール材11のコーナ部は、それぞれ、R形状を有していることが望ましく、酸化剤極シール材11の内周側コーナ部の曲率半径r2を0.3mm以上、3mm以下(より好ましくは0.3mm以上、1.3mm以下)の範囲にすることが好ましい。また、酸化剤極7(酸化剤極触媒層4及び酸化剤極拡散層5)の端部と酸化剤極シール材11の内周側の端部との間には隙間が設けられており、酸化剤極7と酸化剤極シール材11のクリアランスの大きさdを30μm以上、480μm以下(より好ましくは30μm以上、150μm以下)にすることが望ましい。この際、それぞれの端部におけるストレート部でのクリアランスdが30μm以上、480μm以下であれば、コーナ部でのクリアランスdが30μm以上、480μm以下でなくても良い。
酸化剤極7について上記構成とすることにより、電解質層1の膨張収縮で酸化剤極7が膨張収縮した際に酸化剤極シール材11に衝突するのを回避することができると共に、電解質層1の膨張収縮でシール材11が受ける応力を緩和することができる。その結果、燃料極シール材11の剥離を抑制することができるため、酸化剤極7からのガス漏れを低減することができ、発電効率を更に向上することができる。
以下、電解質層1、燃料極6、酸化剤極7、燃料極シール材8及び酸化剤極シール材11について説明する。
電解質層1には、例えば、パーフルオロスルホン酸膜のようなプロトン伝導性膜を使用することができる。
燃料極6の燃料極触媒層2の燃料極触媒には、例えば、Pt−Ru系の触媒を使用することができる。また、燃料極拡散層3としては、例えば、カーボンペーパを使用することができる。
酸化剤極7の酸化剤極触媒層4の酸化剤極触媒には、例えば、Pt系の触媒を使用することができる。また、酸化剤極拡散層5としては、例えば、カーボンペーパを使用することができる。
燃料極シール材8及び酸化剤極シール材11は、例えば、有機樹脂から形成することができる。有機樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアミドエストラマー、コポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、シリコーン、シリコンゴム、およびシリコンゴムベースのエストラマー等を挙げることができる。シール材を構成する有機材料の種類は、1種類もしくは2種類以上にすることができる。
燃料極シール材8及び酸化剤極シール材11は、それぞれ、熱膨張・収縮防止用フィルム部材と密着用フィルム部材との積層物から形成されていても良い。この一例を図5に示す。シール材8,11の密着用フィルム部材12を電解質層1側に固定する。熱膨張・収縮防止用フィルム部材13は、密着用フィルム部材12上に積層されている。このような積層フィルムを使用することにより、電解質層1とシール材8,11との密着性をより向上することができる。
燃料極シール材8及び酸化剤極シール材11は、二重構造にすることができる。その際、内側と外側のシール高さが異なっていても良い。中でも、内側のシールと外側のシールの二重構造とし、内側シールが外側シール高さより低いことが望ましい。
本発明の膜電極接合体(MEA)は、例えば以下の(1)または(2)の方法により作製される。
(1)まず、図6に示すように電解質層1を用意する。次いで、図7に示すように電解質層1の一方の面の周縁部に矩形枠状の燃料極シール材8を形成すると共に、反対側の面の周縁部に矩形枠状の酸化剤極シール材11を形成する。ひきつづき、電解質層1の燃料極シール材8で囲まれた部分に燃料極6を積層し、また、電解質層1の酸化剤極シール材11で囲まれた部分に酸化剤極7を積層することにより、膜電極接合体を得る。
(2)まず、図8に示すように電解質層1を用意する。次いで、図9に示すように電解質層1の一方の面の中央付近に燃料極6を積層し、また、反対側の面の燃料極6と対応する箇所に酸化剤極7を積層する。ひきつづき、図10に示すように、電解質層1に燃料極6の周囲を囲むように矩形枠状の燃料極シール材8を形成すると共に、反対側の面に酸化剤極7を囲むように矩形枠状の酸化剤極シール材11を形成することにより、膜電極接合体を得る。
なお、電解質層への電極及びシール材の接合は、例えば、加熱圧着により行うことが可能である。加熱圧着条件は、圧力を10kg/cm2〜150kg/cm2の範囲にし、かつ温度を30℃〜180℃の範囲に設定することが望ましい。また、加熱成形する際にMEA成形セッターを使用しても良い。このMEAセッターは酸化剤極をセットするセッターCと電解質層を押さえ込む機能と燃料極をセットする機能を果たすセッターB、これら酸化剤極、電解質層および燃料極に荷重を加えるためのセッターAにより構成されている。
[実施例]
以下、本発明の実施例について前述した図面を参照して説明する。
(実施例1)
まず、燃料極(アノード)および酸化剤極(カソード)を以下に説明する方法で作製した。
カーボン粉末に液相法でPt-Ru系の触媒を担持させた。このPt-Ru系の触媒を担持したカーボン粉末を回収後、アルゴン−水素気流中で焼成して触媒の安定化を行った。次にこの触媒粉末に溶剤と固体高分子溶液をバインダーとして添加することによりペースト状にし、カーボンペーパー上に塗布して乾燥させて燃料極触媒層を形成した。
また、別にPt系触媒を担持したカーボン粉末を燃料極側と同様のプロセスで作製し、やはり溶媒と固体高分子溶液をバインダーとして添加してペースト状にしてカーボンペーパーに塗布し、乾燥させ、酸化剤極触媒層を形成した。
以上のようにして作製した燃料極と酸化剤極をサイズが40mm×50mmで、かつコーナ部がR形状となるようにそれぞれ切断した。
膜厚が200μmの電解質膜(パーフルオロスルホン酸膜)の一方の面の周縁部に、厚さが400μmのEPDM(エチレン−プロピレン−ジエンゴム)シートから形成された矩形枠状の燃料極シール材を加熱圧着により接着させた。また、電解質膜の反対側の面の周縁部に、厚さが400μmのEPDMゴムシートから形成された矩形枠状の酸化剤極シール材を加熱圧着により接着させた。燃料極シール材及び酸化剤極シール材は、コーナ部がR形状をしており、内周側コーナ部の曲率半径r1、r2をそれぞれ0.3mmとした。
次いで、電解質膜の燃料極シール材で囲まれた箇所に燃料極を燃料極触媒層が電解質層と接するように配置した。燃料極と燃料極シール材とのクリアランスdの大きさは30μmとした。また、電解質膜の酸化剤極シール材で囲まれた箇所に酸化剤極を酸化剤極触媒層が電解質層と接するように配置した。酸化剤極と酸化剤極シール材とのクリアランスdの大きさは30μmとした。クリアランスdの測定は、以下に説明するようにして行った。
まず、電極部のコーナー部Rに対して円弧を描いた際に接する部分をストレート部端部とする。クリアランスdはこのストレート部およびコーナー部に対して平行に離れた部分に(たとえばd=30μm)シール材が設置されるように配置することをクリアランスdと定義する。
これら積層物を135℃で15分間、100kg/cm2の圧力でホットプレスをすることにより、膜電極接合体(MEA)を得た。
セパレータとして、一方の面に液体燃料(メタノール等)用流路が形成され、かつ他方の面に酸化剤ガス(酸素ガスまたは空気等)用流路が形成された導電性セパレータを用意した。MEAをその間にセパレータを介在させながら積層することにより、10セルが直列接続された燃料電池のスタック(図示せず)を組み立てた。このようにして得た燃料電池に、液体燃料として1Mのメタノール水溶液を15ml/min、酸化剤ガスとして1atmの空気を1.5L/minでセパレータに供給して発電試験を行った。
発電試験の結果を図11に示す。図11から判るように長時間安定した高い出力を維持できることが確認された。また、発電試験中にセル近傍のガス分析モニターをしていたがメタノールおよび炭酸ガス等は検出されなかった。
(実施例2〜30及び比較例1〜18)
曲率半径r1、r2及びクリアランスdを下記表1に示すように変更すること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様にしてメタノール燃料電池を組み立てた。得られた燃料電池に実施例1で説明したのと同様な条件で発電試験を行い、セル近傍のガス分析モニターを行った。その結果を、メタノール及び炭酸ガスが検出されなかったものを良とし、ここで、日本産業衛生学会が提示している作業環境の管理基準濃度で、健康な作業者が1日8時間、週40時間の作業を継続して行っても健康に害がないと推定されるメタノール濃度の検出量が200ppm以下のものを可とし、検出量が200ppmを超えたものを不良として、下記表1に示す。
Figure 2006278250
表1から明らかなように、曲率半径r1、r2が0.3mm以上、3mm以下で、クリアランスdが30μm以上、480μm以下の燃料極シール材及び酸化剤極シール材を備えた実施例1〜30の燃料電池は、メタノール及び炭酸ガスの検出量を少なくすることができた。中でも、曲率半径r1、r2が0.3mm以上、1.3mm以下で、クリアランスdが30μm以上、150μm以下の燃料極シール材及び酸化剤極シール材を備えた実施例1〜16の燃料電池では、メタノール及び炭酸ガスのリークがなく、発電試験において実施例1と同様に安定した高い出力を得ることができた。
これに対し、クリアランスdが480μmを超えるか、もしくは0μmの比較例1〜10と、コーナ部に曲率が形成されていない比較例11〜18では、メタノール及び炭酸ガスのリーク量が多く、安全のために発電試験を途中で停止した。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明に係る膜電極接合体の燃料極のコーナ部とシール材のコーナ部との関係を示した模式図。 本発明に係る膜電極接合体の模式的な平面図。 図2のIII−III線に沿う断面図。 図2のIV−IV線に沿う断面図。 本発明に係る膜電極接合体の別な実施形態を示す断面図。 本発明に係る膜電極接合体の製造方法を説明するための模式的な側面図。 本発明に係る膜電極接合体の製造方法を説明するための模式的な側面図。 本発明に係る膜電極接合体の別な製造方法を説明するための模式的な側面図。 本発明に係る膜電極接合体の別な製造方法を説明するための模式的な側面図。 本発明に係る膜電極接合体の別な製造方法を説明するための模式的な側面図。 実施例1の燃料電池の電流電圧特性を示す特性図。
符号の説明
1…電解質層、2…燃料極触媒層、3…燃料極拡散層、4…酸化剤極触媒層、5…酸化剤極拡散層、6…燃料極、7…酸化剤極、8…燃料極シール材、9…燃料極のコーナ部、10…燃料極シール材のコーナ部、11…酸化剤極シール材、12…密着用フィルム部材、13…熱膨張・収縮防止用フィルム部材。

Claims (3)

  1. 電解質層と、前記電解質層の一方の面に形成された燃料極と、前記電解質層に前記燃料極を囲むように形成された枠状の燃料極シール材と、前記電解質層の前記燃料極が形成されている面とは反対側の面に形成された酸化剤極とを含む燃料電池用膜電極接合体であって、
    前記燃料極のコーナ部及び前記燃料極シール材のコーナ部それぞれに曲率を設け、前記燃料極シール材の前記コーナ部の内側曲率半径を0.3mm以上、3mm以下の範囲にし、
    前記燃料極と前記燃料極シール材との間に30μm以上、480μm以下の隙間を形成することを特徴とする燃料電池用膜電極接合体。
  2. 電解質層と、前記電解質層の一方の面に形成された燃料極と、前記電解質層の前記燃料極が形成されている面とは反対側の面に形成された酸化剤極と、前記電解質層に前記酸化剤極を囲むように形成された枠状の酸化剤極シール材とを含む燃料電池用膜電極接合体であって、
    前記酸化剤極のコーナ部及び前記酸化剤極シール材のコーナ部それぞれに曲率を設け、前記酸化剤極シール材の前記コーナ部の内側曲率半径を0.3mm以上、3mm以下の範囲にし、前記酸化剤極と前記酸化剤極シール材との間に30μm以上、480μm以下の隙間を形成することを特徴とする燃料電池用膜電極接合体。
  3. 請求項1または2記載の膜電極接合体を具備することを特徴とする燃料電池。
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