JP2006278237A - 膜・電極接合体及びこれを備えた燃料電池並びに電解質膜の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 通常の状態の時は勿論のこと、大電流が生じた場合であっても、電解質膜中の含水率を一定に維持し、内部応力の発生を防止すると共に、反応ガスがクロスリークすることを防止することが可能な膜・電極接合体及びこれを備えた燃料電池並びに電解質膜の製造方法を提供する。
【解決手段】 一方の面にアノード電極30が配設され、他方の面にカソード電極20が配設されてなる膜・電極接合体(MEA)50であり、電解質膜1は、電解質部10と、電解質部10に混入され且つ水分を移動させることが可能な水分移動部11を備え、水分移動部11は、カソード表面に露出してなり、水分移動部11のアノード側は、電解質部10によって覆われており、表面に露出していない。
【選択図】 図1
【解決手段】 一方の面にアノード電極30が配設され、他方の面にカソード電極20が配設されてなる膜・電極接合体(MEA)50であり、電解質膜1は、電解質部10と、電解質部10に混入され且つ水分を移動させることが可能な水分移動部11を備え、水分移動部11は、カソード表面に露出してなり、水分移動部11のアノード側は、電解質部10によって覆われており、表面に露出していない。
【選択図】 図1
Description
本発明は、膜・電極接合体、及びこれを備えた燃料電池、並びに電解質膜の製造方法に係り、特に、吸水性及び保水性を有する吸水・保水剤が混入されてなる膜・電極接合体及びこれを備えた燃料電池並びに電解質膜の製造方法に関する。
従来から、一般的な燃料電池、例えば固体高分子型燃料電池は、イオン交換膜からなる電解質膜とこの電解質膜の一方の面に配置された触媒層及び拡散層からなるアノード電極(燃料極)及び前記電解質膜の他方の面に配置された触媒層及び拡散層からなるカソード電極(酸化剤極)と、からなる膜−電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly、以下、単に「MEA」という)と、このMEAの両側に各々配設されたセパレータと、を備えたセルを構成し、このセルを複数積層してモジュールとしているものがある。
このような燃料電池では、アノード側では、
H2→2H++2e-
の反応が進行し、カソード側では、
2H++1/2O2+2e-→H2O
の反応が進行する。
H2→2H++2e-
の反応が進行し、カソード側では、
2H++1/2O2+2e-→H2O
の反応が進行する。
ここで、プロトン(H+)が電解質膜中を移動する際、電解質膜中に含有されている水も同方向へプロトンに同伴され、移動することになるため、電解質膜中の含水率に偏りが生じる。ここで、プロトンの伝導率は、電解質膜中に含浸している水分量に大きく影響を受けることが判っている。したがって、プロトンと共に水が移動して水分量が低下した部分(例えば、電解質膜のアノード側)においては、プロトンの伝導率が極端に低下してしまうという現象が生じることがある。
そこで、このような現象の発生に対処する目的で、電解質膜中に水分循環部として吸水性高分子粒状体を混入してなる燃料電池が紹介されている。このような燃料電池としては、例えば、電解質膜中に混入された吸水性高分子粒状体が、アノードの界面及びカソード界面の両方に露出されてなるものが紹介されている。(例えば、特許文献1参照)。
また、電解質膜中に、当該電解質膜の厚さよりも直径が小さな吸水性高分子粒状体を混入し、当該吸水性高分子粒状体を電解質膜の内部に埋没させてなる燃料電池も紹介されている。(例えば、特許文献2参照)。
特開2000−294259号公報
特開2000−294260号公報
しかしながら、前述した特許文献1に記載された燃料電池は、電解質膜中に混入された吸水性高分子粒状体が、アノードの界面及びカソードの界面の両方に露出しているため、この吸水性高分子粒状体を介して水素及び酸素が透過しやすく、反応ガスがクロスリークする虞がある。
また、特許文献2に記載された燃料電池は、大電流が生じた際に、カソード表面付近に生成水が多量に生じ、電解質膜のカソード表面近傍での水分濃度が、アノード側に比べて極端に大きくなり、カソード側が伸長しようとして電解質膜に大きな応力が発生する虞がある。また、カソード側で生成する水が電解質膜内に混入された吸水性高分子粒状体に供給され難いため、大電流が生じた際に、電解質膜内の水分量が不足し、燃料電池の性能が低下する虞もある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、通常の状態の時は勿論のこと、大電流が生じた場合であっても、電解質膜中の含水率を一定に且つできる限り均一に維持し、内部応力の発生を防止すると共に、反応ガスがクロスリークすることを防止することが可能な膜・電極接合体及びこれを備えた燃料電池並びに電解質膜の製造方法を提供することを目的とする。
この目的を達成するため本発明は、電解質膜の一方の面にアノード電極が配設され、他方の面にカソード電極が配設されてなる膜・電極接合体であって、前記電解質膜は、電解質部と、当該電解質部に混入され且つ水分を移動させることが可能な水分移動部と、を備え、前記水分移動部のカソード側は、前記カソード表面に露出してなり、当該水分移動部のアノード側は、前記電解質部によって覆われてなる膜・電極接合体を提供するものである。
ここで、電解質膜を燃料電池に使用した場合、燃料電池では、カソード側に生成水が生じるため、通常、カソード側の含水率がアノード側の含水率よりも高くなる。また、通常の発電の場合、電解質膜中をプロトン(H+)がアノード側からカソード側に移動するが、この時、当該電解質膜中に含有されている水もアノード側からカソード側に移動するため、さらにカソード側の含水率がアノード側の含水率よりも高くなる傾向にある。
本発明にかかる膜・電極接合体は、電解質膜のカソード側表面に水分移動部が露出しているため、カソード側にある水分を吸収しやすく、この吸収した水分をアノード側に効率よく移動させることができる。したがって、電解質膜中の含水率を均一化することができる。一方、本発明にかかる電解質膜のアノード側は、電解質部によって覆われてなり、水分移動部が露出していないため、水分移動部を介して反応ガスが透過することを防止することができる。このため、クロスリークが発生することを防止することができ、大電流が生じた際であっても、電解質膜のカソード側からアノード側への水分移動を促進することができる。
また、本発明にかかる膜・電極接合体は、前記水分移動部の一部が、前記電解質部の前記カソード側表面から突出していてもよい。
そしてまた、本発明は、電解質膜と、当該電解質膜の一方の面に配設されたアノード電極と、当該電解質膜の他方の表面に配設されたカソード電極と、を備えてなる燃料電池であって、前記電解質膜は、電解質部と、当該電解質部に混入され且つ水分を移動させることが可能な水分移動部と、を備え、前記水分移動部のアノード側は、前記カソード表面に露出してなり、当該水分移動部のアノード側は、前記電解質部によって覆われてなる燃料電池を提供するものである。
この構成を備えた燃料電池は、電解質膜のカソード側表面に水分移動部が露出しているため、カソード側にある水分をアノード側に効率よく移動させることができ、電解質膜中の含水率を均一化することができる。また、電解質膜のアノード側には、水分移動部が露出していないため、水分移動部を介して反応ガスが透過することを防止することができ、クロスリークが発生することを防止することができる。したがって、大電流を発生させても、電解質膜のカソード側からアノード側への水分移動を促進することができる。
また、本発明にかかる燃料電池は、水分移動部の一部が、前記電解質部の前記カソード側表面から突出していてもよい。
そしてまた、本発明は、電解質部と、当該電解質部に混入され且つ水分を移動させることが可能な水分移動部とを備えてなる電解質膜の製造方法であって、前記水分移動部の径よりも小さい厚さの電解質部に、当該水分移動部を混入させ、当該電解質部の少なくとも一方の面に、前記水分移動部を露出させる工程と、前記電解質部の一方の面のみに前記水分移動部が露出するように、当該電解質部の他方の面をさらに電解質部で覆うと共に、表面を平坦化する工程と、を含む電解質膜の製造方法を提供するものである。
この製造方法によれば、一方の面のみに水分移動部が露出し、他方の面には水分移動部が露出していない電解質膜を簡単に製造することができる。
また、本発明にかかる電解質膜の製造方法では、前記水分移動部を露出させる工程は、当該水分移動部が配置された鋳型に、電解質部形成材料の溶解液を、当該水分移動部の一部が露出する深さまで注湯する工程と、当該注湯された溶解液を硬化させる工程と、を含むことができる。
そしてまた、本発明にかかる電解質膜の製造方法では、前記溶解液を硬化させた後、前記水分移動部が露出した面とは反対側の面に、前記電解質部の他方の面を覆う電解質部を形成してもよい。また、前記電解質部の他方の面を覆う電解質部は、鋳造により形成することもできる。
さらにまた、本発明は、電解質部と、当該電解質部に混入され且つ水分を移動させることが可能な水分移動部とを備えてなる電解質膜の製造方法であって、鋳型に電解質部形成材料の溶解液を浅く注湯する工程と、前記溶解液を硬化して薄膜を形成する工程と、前記鋳型内に形成された薄膜上に前記水分移動部を配設する工程と、前記水分移動部が配置された鋳型に、電解質部形成材料の溶解液を、当該水分移動部の一部が露出する深さまで注湯する工程と、前記水分移動部の一部が露出する深さまで注湯した溶解液を硬化させる工程と、を含む電解質膜の製造方法を提供するものである。
この製造方法によれば、一方の面のみに水分移動部が露出し、他方の面には水分移動部が露出していない電解質膜を簡単に製造することができる。
本発明にかかる膜・電極接合体及び燃料電池は、電解質膜のカソード側表面に水分移動部が露出しているため、カソード側にある水分をアノード側に効率よく移動させることができる。また、アノード側は、電解質部によって覆われており、水分移動部が露出していないため、水分移動部を介して反応ガスが透過することを防止することができる。このため、クロスリークが発生することを防止することができ、通常の場合は勿論のこと、大電流が生じた際であっても、電解質膜のカソード側からアノード側への水分移動を促進することができる。この結果、電解質膜中の含水率を均一化することができ、電解質膜に局部的に応力が発生することを防止することができ、高性能で信頼性の高い膜・電極接合体及び燃料電池を提供することができる。
また、本発明にかかる電解質膜の製造方法によれば、一方の面のみに水分移動部が露出し、他方の面には水分移動部が露出していない、高性能で信頼性の高い電解質膜を簡単に製造することができる。
次に、本発明の好適な実施の形態にかかる電解質膜、及びこの電解質膜を備えた燃料電池、並びに電解質膜の製造方法について図面を参照して説明する。なお、以下に記載される実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこれらの実施の形態にのみ限定するものではない。したがって、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、様々な形態で実施することができる。
図1は、本発明の実施の形態にかかる電解質膜を模式的に示す断面図、図2は、図1に示す電解質膜が組み込まれた燃料電池の一部を模式的に示す断面図である。
図1に示すように、本実施の形態にかかる電解質膜1は、電解質部10と、電解質部10に混入され且つ水分を移動させることが可能な水分移動部11と、を備えて構成されている。この電解質膜1は、一方の面(例えば、燃料電池に使用された際に燃料電池のカソード側となる面)に、水分移動部11の一部が突出することにより、この突出部分が表面に露出された構成となっており、水分移動部11の他方の面(例えば、燃料電池に使用された際に燃料電池のアノード側となる面)は、電解質部10によって覆われており、外部に露出していない構成を備えている。
電解質部10は、例えば、燃料電池の電解質膜として好適に使用されるものであり、アノード側からカソード側へプロトン(H+)等のイオンを伝導する機能を備えており、例えば、高分子固体電解質を使用することができる。さらに具体的には、例えば、内部にスルホン基を多数有するようなパーフルオロスルホン酸樹脂、トリフルオロスチレンスルホン酸樹脂、芳香族ポリエーテルケトンスルホン酸樹脂等が挙げられる。
また、水分移動部11は、吸水性及び保水性を有し、吸水した水分を他の部材に移動する機能を備えており、例えば、吸水性の高分子を用いることができる。具体的には、例えば、でんぷんグラフト型ポリアクリル酸塩系の樹脂、架橋型ポリアクリル酸塩系の樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)系の樹脂などを使用できる。この水分移動部11は、吸水性高分子の粒状又は塊状体で形成されていてよく、或いは、スポンジ状のものや繊維の集合体の如き物質など、液体の毛細管現象を利用して液体を保持、移動できる物質も使用することができる。なお、この水分移動部11は、電解質の機能を有するものではない。
この構成を備えた電解質膜1を備えた燃料電池は、図2に示すように、電解質膜1と、電解質膜1の一方の面に配設されたカソード電極20と、電解質膜1の他方の面に配設されたアノード電極30と、からなるMEA50を備えている。MEA50のカソード電極20側の面には、図示しない酸化剤ガス供給源から供給される酸化剤ガス(例えば、空気)が流通する酸化剤ガス通路60が配設されている。一方、MEA50のアノード電極30側の面には、図示しない燃料ガス供給源から供給される燃料ガス(例えば、水素)が流通する燃料ガス通路70が配設されている。
この燃料電池では、例えば、酸化剤ガス通路60を空気が流通し、燃料ガス通路70に水素(H2)が流通すると、電解質部10内をプロトン(H+ )がアノード電極30側からカソード電極20側に向けて移動する。この時、電解質部10では、プロトン(H+ )の移動と共に、水(H2O)が移動するという現象が起こる。したがって、カソード電極20側の水分が増加し、アノード電極30側の水分が減少する傾向にある。
一方、水分移動部11は、前記プロトン(H+ )の移動に寄与しないため、アノード電極30側からカソード電極20側に向けてプロトン(H+ )が移動するという現象は起こらない。さらに、水分移動部11は、カソード電極20に露出されているため、水分が増加しているカソード電極20側から効率よく水分を吸収・保水し、この水分を、水分が減少しているアノード電極30側に移動させる。すなわち、電解質部10による水の移動とは反対方向に水を自動的に循環、移動させることができる。したがって、電解質部10の水の偏りを自ら平均化することができる。なお、このように移動する水には、生成水も含まれることがある。
また、水分移動部11は、特に図1に示すように、アノード電極30側となる面は、電解質部10によって覆われており、外部に露出していないため、水分移動部11を介して空気(O2)及び水素が透過することを防止することができる。このため、クロスリークが発生すること抑制することができ、大電流が生じた際であっても、電解質部10のカソード電極20側からアノード電極30側への水分移動を促進することができる。
次に、この構成を備えた電解質膜1の製造方法の一例について図面を参照して説明する。先ず、図3に示す工程では、平坦な底面を有する鋳型100内に、電解質部形成材料の溶解液を、薄膜が形成される量で注湯した後、硬化し、厚さtの薄膜10Aを形成する。
次いで、図4に示す工程では、薄膜10A上に水分移動部11を配置して、さらに電解質部形成材料の溶解液を鋳型100内に注湯する。この時、溶解液は、水分移動部11の一部(例えば、図4でいう上部)が露出する深さまで注湯した後、溶解液を硬化させ、水分移動部11が混入された電解質部10Bを形成する。なお、先に形成した電解質部10Aの表面(例えば、図4でいう下面)は、平坦化されている。次に、薄膜10A及び電解質部10Bからなる電解質部10に水分移動部11が混入された電解質膜1を鋳型100から取り出し、図1に示す構成の電解質膜1を得る。
また、電解質膜1の他の製造方法を図5及び図6に示す。図5に示す工程では、鋳型101内に、平坦な表面を有する台102を配設し、台102上に水分移動部11を配置する。次に、鋳型101内に電解質部形成材料の溶解液を、水分移動部11の一部(例えば、図5でいう上部)が露出する深さまで注湯した後、この溶解液を硬化させ、水分移動部11が混入された電解質部10Bを形成する。
次いで、図6に示す工程では、鋳型101を上下逆にし、台102を鋳型101から取り外し、台102取り外されて形成された空間に、電解質部形成材料の溶解液を注湯した後、溶解液を硬化させ、電解質部10B上に薄膜10Aを形成する。この薄膜10Aの表面(例えば、図6でいう上面)は、平坦化されている。その後、薄膜10A及び電解質部10Bからなる電解質部10に水分移動部11が混入された電解質膜1を鋳型101から取り出し、図1に示す構成の電解質膜1を得る。
さらにまた、電解質膜1の他の製造方法を図7及び図8に示す。図7に示す工程では、水分移動部11の対向した両端部(例えば、図7でいう上部及び下部)が、電解質部10Cから突出するように、水分移動部11を電解質部10Cに混入させる。次に、図8に示す工程では、水分移動部11が混入された電解質部10Cの一方の面(例えば、図8でいう下面)に、水分移動部11が埋没して露出しない厚さの電解質部10Dを形成する。このようにして、電解質部10C及び電解質部10Dからなる電解質部10に水分移動部11が混入された電解質膜1を得る。なお、電解質部10C及び電解質部10Dは、鋳造により形成してもよく、他の方法により形成してもよい。
なお、本実施の形態では、水分移動部11が電解質部10のカソード側表面から突出した場合について説明したが、これに限らず、水分移動部11は、その一部が、カソード側表面から露出していれば、必ずしもカソード側表面から突出していなくてもよい。また、水分移動部11がカソード側表面から突出していない場合は、カソード側表面から露出している水分移動部11の露出面積をある程度大きくとるため、水分移動部11の形状を、多面体等にしてもよい。
また、図3及び図4に示す工程、図5及び図6に示す工程では、鋳造により電解質部10を形成する場合について説明したが、これに限らず、電解質部10は、例えば、薄膜10Aと、水分移動部11が混入された電解質部10Bとを、二色成形で一体的に成形したり、薄膜10Aと、水分移動部11が混入された電解質部10Bとを別の方法で貼り合わせる等してもよい。
1…電解質膜、10…電解質部、11…水分移動部、20…カソード、30…アノード、50…MEA、60…酸化剤ガス通路、70…燃料ガス通路、100、101…鋳型、102…台
Claims (9)
- 電解質膜の一方の面にアノード電極が配設され、他方の面にカソード電極が配設されてなる膜・電極接合体であって、
前記電解質膜は、電解質部と、当該電解質部に混入され且つ水分を移動させることが可能な水分移動部と、を備え、
前記水分移動部のカソード側は、前記カソード表面に露出してなり、当該水分移動部のアノード側は、前記電解質部によって覆われてなる膜・電極接合体。 - 前記水分移動部の一部が、前記電解質部の前記カソード側表面から突出してなる請求項2記載の膜・電極接合体。
- 電解質膜と、当該電解質膜の一方の面に配設されたアノード電極と、当該電解質膜の他方の表面に配設されたカソード電極と、を備えてなる燃料電池であって、
前記電解質膜は、電解質部と、当該電解質部に混入され且つ水分を移動させることが可能な水分移動部と、を備え、
前記水分移動部のカソード側は、前記カソード表面に露出してなり、当該水分移動部のアノード側は、前記電解質部によって覆われてなる燃料電池。 - 前記水分移動部の一部が、前記電解質部の前記カソード側表面から突出してなる請求項3記載の燃料電池。
- 電解質部と、当該電解質部に混入され且つ水分を移動させることが可能な水分移動部とを備えてなる電解質膜の製造方法であって、
前記水分移動部の径よりも小さい厚さの電解質部に、当該水分移動部を混入させ、当該電解質部の少なくとも一方の面に、前記水分移動部を露出させる工程と、
前記電解質部の一方の面のみに前記水分移動部が露出するように、当該電解質部の他方の面をさらに電解質部で覆うと共に、表面を平坦化する工程と、
を含む電解質膜の製造方法。 - 前記水分移動部を露出させる工程は、当該水分移動部が配置された鋳型に、電解質部形成材料の溶解液を、当該水分移動部の一部が露出する深さまで注湯する工程と、当該注湯された溶解液を硬化させる工程と、を含む請求項5記載の電解質膜の製造方法。
- 前記溶解液を硬化させた後、前記水分移動部が露出した面とは反対側の面に、前記電解質部の他方の面を覆う電解質部を形成する請求項6記載の電解質膜の製造方法。
- 前記電解質部の他方の面を覆う電解質部を鋳造により形成する請求項5ないし請求項7のいずれか一項に記載の電解質膜の製造方法。
- 電解質部と、当該電解質部に混入され且つ水分を移動させることが可能な水分移動部とを備えてなる電解質膜の製造方法であって、
鋳型に電解質部形成材料の溶解液を浅く注湯する工程と、
前記溶解液を硬化して薄膜を形成する工程と、
前記鋳型内に形成された薄膜上に前記水分移動部を配設する工程と、
前記水分移動部が配置された鋳型に、電解質部形成材料の溶解液を、当該水分移動部の一部が露出する深さまで注湯する工程と、
前記水分移動部の一部が露出する深さまで注湯した溶解液を硬化させる工程と、
を含む電解質膜の製造方法。
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