JP2006275888A - 光波距離計 - Google Patents
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Abstract
【課題】 スペクトラム拡散信号に外乱に伴う信号が重畳しても、重畳した信号を復調前に除去すること。
【解決手段】 基準搬送波信号41をPNコード43で位相偏移変調してスペクトラム拡散信号46に変換し、スペクトラム拡散信号46で強度変調された光信号51を発光素子7から送出し、測距光52または参照光53を受光素子11で受光してスペクトラム拡散信号61に変換し、この信号61と局発信号63とを混合器34で混合して、中間波のスペクトラム拡散信号64を生成し、この信号64をノッチフィルタ16に導いて、中心周波数の信号レベルが抑圧されたスペクトラム拡散信号66を生成し、この信号66とPNコード発生器28からのPNコードとを用いて相関器17、18、19で自己相関関数を利用した復調を行い、参照光53による搬送波信号68と測距光52による搬送波信号68との位相差を基に位相差測定器29で目標点までの距離を求める。
【選択図】 図1
【解決手段】 基準搬送波信号41をPNコード43で位相偏移変調してスペクトラム拡散信号46に変換し、スペクトラム拡散信号46で強度変調された光信号51を発光素子7から送出し、測距光52または参照光53を受光素子11で受光してスペクトラム拡散信号61に変換し、この信号61と局発信号63とを混合器34で混合して、中間波のスペクトラム拡散信号64を生成し、この信号64をノッチフィルタ16に導いて、中心周波数の信号レベルが抑圧されたスペクトラム拡散信号66を生成し、この信号66とPNコード発生器28からのPNコードとを用いて相関器17、18、19で自己相関関数を利用した復調を行い、参照光53による搬送波信号68と測距光52による搬送波信号68との位相差を基に位相差測定器29で目標点までの距離を求める。
【選択図】 図1
Description
本発明は、光波距離計に係り、特に、スペクトラム拡散信号で強度変調された光を用いて目標点までの直線距離を測定することができる光波距離計に関する。
従来、光波距離計として、一定周波数の搬送波信号で強度変調された光を目標点または参照用光路に向けて送出し、目標点で反射された反射光による測距光または参照用光路からの参照光を受光し、測距光(測距信号)と参照光(基準信号)との位相差を求め、この位相差を基に目標点までの直線距離を測定することができるものがある。これは、距離に応じて測距光の位相が変化することに伴って、測距光と参照光との位相差が変化することを利用したものである。ここで、位相差をΔφ、距離をD、変調周波数をf、光速をCとすると、位相差Δφは、Δφ=4πfD/cで表され、距離Dは位相差Δφを測定することによって求めることができる。実際には、2つ以上の異なる周波数での変調光がそれぞれ測定に使用され、それぞれの分解能に応じて距離値の各桁が決定される。
ところで、この種の光波距離計においては、搬送波信号として、例えは、数MHzのものを用い、この一定周波数の搬送波信号を擬似雑音符号(PNコード)により位相偏移変調(PSK変調)して、周波数帯域が拡散されたスペクトラム拡散信号に変換し、スペクトラム拡散信号で強度変調された光を目標点または参照用光路に向けて送出し、目標点で反射した反射光による測距光または参照用光路からの参照光を受光し、測距光または参照光を光電変換によってスペクトラム拡散信号に変換し、このスペクトラム拡散信号を基に擬似雑音符号による自己相関特性に従って搬送波信号を復調し、復調した搬送波信号のうち参照光から得られた搬送波信号と測距光から得られた搬送波信号との位相差を基に目標点までの距離を算出するようにしたものが提案されている(特許文献1参照)。
スペクトラム拡散方式を用いた光波距離計によれば、S/N比が悪い場合でも測定精度を保つことができるとともに、より長距離の測定も可能になる。この種の方式を用いた従来の光波距離計のブロック図を図4に示す。
しかし、図4に示す従来の光波距離計においては、基準発振器1や発光素子7などを含む送光部と、受光素子11、増幅器12aなどを含む受光部とが物理的に隣接して配置されている状態において、基準発振器1から発生する基準搬送波信号31が電波として空間を伝わって受光部に伝達され、受光素子11の出力によるスペクトラム拡散信号から基準搬送波信号31などを相関器13a、13b、13cで復調するときに、このスペクトラム拡散信号に電波による基準搬送波信号31が外乱として重畳する。外乱が重畳したスペクトラム拡散信号から、位相偏移変調に用いた基準搬送波信号31などを復調すると、復調された信号に位相誤差に伴う測定誤差(サイクリックエラー)が生じ、位相差(参照光から得られた搬送波信号と測距光から得られた搬送波信号との位相差)を基に目標点までの距離を測定しても、測定値に誤差を生ずる恐れがある。このため、送光部と受光部とを物理的に離したり、あるいは送光部と受光部にそれぞれ電磁シールドを施したりする対策が必要である。しかし、基準搬送波信号31が高周波になればなるほど対策は困難であって、測定誤差を減らすことは困難になる。
本発明は、前記従来の課題に鑑みて為されたものであり、その目的は、測距光または参照光を受光して得られたスペクトラム拡散信号に外乱に伴う信号が重畳しても、重畳した信号を復調前に除去することにある。
前記目的を達成するために、請求項1に係る光波距離計においては、一定周波数の搬送波信号を発生する搬送波信号発生手段と、前記搬送波信号を擬似雑音符号により位相偏移変調して周波数帯域が拡散されたスペクトラム拡散信号に変換する信号変換手段と、前記信号変換手段の変換によるスペクトラム拡散信号で強度変調された光を目標点または参照用光路に向けて送出する光送出手段と、前記光送出手段の送出による光のうち前記目標点で反射した測距光または前記参照用光路からの参照光を受光してスペクトラム拡散信号に変換する光電変換手段と、前記光電変換手段の変換によるスペクトラム拡散信号から前記搬送波信号の周波数成分を抽出して除去するフィルタ手段と、前記フィルタ手段を通過したスペクトラム拡散信号の周波数を前記搬送波信号より低い中間波の周波数に変換する周波数変換手段と、前記周波数変換手段の出力によるスペクトラム拡散信号を基に前記擬似雑音符号による自己相関特性に従って前記搬送波信号を復調する復調手段と、前記復調手段の復調による搬送波信号のうち前記参照光から得られた搬送波信号と前記測距光から得られた搬送波信号との位相差を基に前記目標点までの距離を算出する距離算出手段とを備えて構成した。
(作用)光電変換によって得られたスペクトラム拡散信号を復調する前に、光電変換によって得られたスペクトラム拡散信号から搬送波信号の周波数成分を抽出して除去するようにしたため、搬送波信号発生手段から発生した搬送波信号が、電波として光電変換手段に伝わり、この電波による搬送波信号が光電変換に伴うスペクトラム拡散信号に重畳しても、光電変換によって得られたスペクトラム拡散信号から搬送波信号の周波数成分を除去することができ、外乱となる搬送波信号の影響を除去して、精度の高い距離を求めることができる。
請求項2に係る光波距離計においては、一定周波数の搬送波信号を発生する搬送波信号発生手段と、前記搬送波信号を擬似雑音符号により位相偏移変調して周波数帯域が拡散されたスペクトラム拡散信号に変換する信号変換手段と、前記信号変換手段の変換によるスペクトラム拡散信号で強度変調された光を目標点または参照用光路に向けて送出する光送出手段と、前記光送出手段の送出による光のうち前記目標点で反射した測距光または前記参照用光路からの参照光を受光してスペクトラム拡散信号に変換する光電変換手段と、前記光電変換手段の変換によるスペクトラム拡散信号の周波数を前記搬送波信号より低い中間波の周波数に変換する周波数変換手段と、前記周波数変換手段の出力によるスペクトラム拡散信号から前記中間波の周波数成分を抽出して除去するフィルタ手段と、前記フィルタ手段を通過したスペクトラム拡散信号を基に前記擬似雑音符号による自己相関特性に従って前記中間波の搬送波信号を復調する復調手段と、前記復調手段の復調による搬送波信号のうち前記参照光に重畳したスペクトラム拡散信号から得られた中間波の搬送波信号と前記測距光に重畳したスペクトラム拡散信号から得られた中間波の搬送波信号との位相差を基に前記目標点までの距離を算出する距離算出手段とを備えて構成した。
(作用)光電変換によって得られたスペクトラム拡散信号を復調するに先立って、スペクトラム拡散信号の中心周波数を中間波の周波数に変換し、中間波のスペクトラム拡散信号から中間波の周波数成分を除去するようにしたので、搬送波信号発生手段から発生した搬送波信号が電波として、光電変換手段の光電変換に伴うスペクトラム拡散信号に重畳し、このスペクトラム拡散信号が周波数変換手段によって中間波のスペクトラム拡散信号に変換されても、中間波の周波数に変換されたスペクトラム拡散信号から中間波の周波数成分がフィルタ手段によって除去されるため、外乱となる搬送波信号の影響を除去して、精度の高い距離を求めることができる。この場合、フィルタ手段は、搬送波信号より周波数が低い中間波の周波数成分を抽出して除去するように構成されているため、搬送波信号の周波数成分を抽出して除去するときよりも、所定の減衰度特性を示すものを容易に製作することができる。
請求項3に係る光波距離計においては、一定周波数の搬送波信号を発生する搬送波信号発生手段と、前記搬送波信号を擬似雑音符号により位相偏移変調して周波数帯域が拡散されたスペクトラム拡散信号に変換する信号変換手段と、前記信号変換手段の変換によるスペクトラム拡散信号で強度変調された光を目標点または参照用光路に向けて送出する光送出手段と、前記光送出手段の送出による光のうち前記目標点で反射した測距光または前記参照用光路からの参照光を受光してスペクトラム拡散信号に変換する光電変換手段と、前記光電変換手段の変換によるスペクトラム拡散信号から前記搬送波信号の周波数成分を抽出して除去する第1のフィルタ手段と、前記第1のフィルタ手段を通過したスペクトラム拡散信号の周波数を前記搬送波信号より低い中間波の周波数に変換する周波数変換手段と、前記周波数変換手段の出力によるスペクトラム拡散信号から前記中間波の周波数成分を抽出して除去する第2のフィルタ手段と、前記第2のフィルタ手段を通過したスペクトラム拡散信号を基に前記擬似雑音符号による自己相関特性に従って前記中間波の搬送波信号を復調する復調手段と、前記復調手段の復調による中間波の搬送波信号のうち前記参照光に重畳したスペクトラム拡散信号から得られた搬送波信号と前記測距光に重畳したスペクトラム拡散信号から得られた搬送波信号との位相差を基に前記目標点までの距離を算出する距離算出手段とを備えて構成した。
(作用)光電変換によって得られたスペクトラム拡散信号を復調する前に、スペクトラム拡散信号から搬送波信号の周波数成分を第1のフィルタ手段によって除去し、さらに第1のフィルタ手段を通過したスペクトラム拡散信号の周波数を搬送波信号より低い中間波の周波数に変換し、周波数の変換されたスペクトラム拡散信号から中間波の周波数成分を第2のフィルタ手段によって除去するようにしたため、光電変換に伴って得られたスペクトラム拡散信号に、搬送波信号発生手段から発生した搬送波信号が外乱として重畳しても、まず、第1段階で、光電変換に得られたスペクトラム拡散信号から搬送波信号の周波数成分が除去され、その後、スペクトラム拡散信号の周波数が搬送波信号より低い中間波の周波数に変換された後は、第2段階として、周波数の変換されたスペクトラム拡散信号から中間波の周波数成分が除去されるので、外乱に伴う搬送波信号の影響による誤差をより多く除去することができ、より精度の高い距離を求めることができる。
請求項4においては、請求項1、2または3のうちいずれか1項に記載の光波距離計において、前記フィルタ手段は、ノッチフィルタで構成した。
(作用)フィルタ手段をノッチフィルタで構成することで、搬送波信号または中間波の周波数成分のみを除去することでき、外乱となる搬送波信号の影響による誤差を除去することができる。
以上の説明から明らかなように、請求項1に係る光波距離計によれば、外乱となる搬送波信号の影響を除去して、精度の高い距離を求めることができる。
請求項2によれば、外乱となる搬送波信号の影響を除去して、精度の高い距離を求めることができるとともに、搬送波信号の周波数成分を抽出して除去するときよりも、所定の減衰度特性を示すものを容易に製作することができる。
請求項3によれば、外乱に伴う搬送波信号の影響による誤差をより多く除去することができ、より精度の高い距離を求めることができる。
請求項4によれば、外乱となる搬送波信号の影響による誤差を除去することができる。
次に、本発明の実施形態を実施例に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施例を示す光波距離計のブロック構成図である。図1において、基準発振器1は、一定周波数の搬送波信号を発生する搬送波信号発生手段として、例えば、75MHzの基準搬送波信号41を帯域フィルタ2、分周器3にそれぞれ出力するように構成されている。分周器3は、基準搬送波信号41を分周して基準PN(Pseudo Noise)コードクロック42をPNコード発生器4と位相差測定器29に出力するようになっている。PNコード発生器4は、基準PNコードクロック42に応答して、PNコード(擬似雑音符号)43をPSK変調器(位相偏移変調器)5に出力するとともに、PNコードの一周期ごとに基準エポックパルス44を位相差測定器29に出力するようになっている。PSK変調器5には、PNコード(擬似雑音符号)43の他に、帯域フィルタ2でフィルタリング処理された基準搬送波信号45が入力されており、PSK変調器5は、帯域フィルタ2の出力による基準搬送波信号45をPNコード(擬似雑音符号)43により位相偏移変調して、その周波数帯域が拡散されたスペクトラム拡散信号46を駆動回路6に出力するようになっている。
すなわち、分周器3、帯域フィルタ2、PNコード発生器4、PSK変調器5は、一定周波数の基準搬送波信号41をPNコード43によりコード化し、位相偏移変調して、周波数帯域が拡散されたスペクトラム拡散信号46に変換する信号変換手段として構成されている。この場合、基準搬送波信号41のスペクトラム分布は、図2(a)に示すような特性となり、PNコード43のスペクトラム分布は、図2(b)に示すような特性となる。さらにスペクトラム拡散信号46のスペクトラム分布は、図2(c)に示すような特性となる。なお、f1は基準搬送波信号41の周波数を示す。
スペクトラム拡散信号46が駆動回路6を介して発光素子7に入力されると、発光素子7により、電気信号であるスペクトラム拡散信号46が光信号に変換され、発光素子7からは、スペクトラム拡散信号46で強度変調された光が光信号51として出力される。光信号51は対物レンズL1を介して反射プリズム(反射体)P1に向けて送出されるようになっている。反射プリズムP1は目標点に設置されており、反射プリズムP1に向けて送出された光信号51は反射プリズムP1で反射し、この反射光は測距光52として、対物レンズL1を介して受光素子11に入射するようになっている。
また、発光素子7と反射プリズムP1とを結ぶ光軸上にはミラーM1が配置されているとともに、受光素子11と反射プリズムP1とを結ぶ光軸上にはミラーM2が配置されている。ミラーM1、M2は、光信号51を反射プリズムP1に向けて送出するときには各光軸から外れた位置に配置され、各光軸に対して45度傾いた状態で光軸上に配置されるようになっている。そして、M1とM2との間には参照用光路10が形成されるようになっており、発光素子7からミラーM1に向けて光信号51を送出すると、この光信号51は参照用光路10を介してミラーM2で反射して、参照光53として受光素子11に入射するようになっている。すなわち、発光素子7はスペクトラム拡散信号46で強度変調された光信号51を目標点(反射プリズムP1)または参照用光路10に向けて送出する光送出手段として構成されている。
受光素子11は、測距光52または参照用光路10からの測距光52または参照光53を受光し、受光した光を電気信号に変換するための光電変換を行い、受光した測距光52または参照光53をスペクトラム拡散信号61に変換する光電変換手段として構成されている。スペクトラム拡散信号61は増幅器12aで増幅されたあと、フィルタ12bを介して、スペクトラム拡散信号62として混合器13に入力される。混合器13には、フィルタ12bを通過したスペクトラム拡散信号62の他に、局発信号発振器14の出力による局発信号63が入力されている。局発信号63は、基準搬送波信号41の周波数をf1としたときに、その周波数がf1+Δfに設定されている。混合器13において、スペクトラム拡散信号62と局発信号63との掛け算が行われると、混合器13からは、掛け算に従ったスペクトラム拡散信号64が出力される。この場合、混合器13では、次の式で示される演算が行われる。
sin{2π(f1+Δf)t}×sin(2πf1t)
=1/2〔sin{2π(2f1+Δf)t}+cos(2πΔft)〕
混合器13の出力側に接続されたローパスフィルタ15は、スペクトラム拡散信号64のうち上記式におけるcos(2πΔft)成分のみを通過させるフィルタ手段として構成されており、混合器13の出力によるスペクトラム拡散信号64がローパスフィルタ15に入力すると、ローパスフィルタ15からは、高周波(Radio Frequency)であるスペクトラム拡散信号62よりも周波数の低い中間波(Intermediate Frequency)のスペクトラム拡散信号として、中心周波数が数kHzのスペクトラム拡散信号(IF信号)65が出力される。この中間波のスペクトラム拡散信号65のスペクトラム分布は、図2(d)に示すような特性となる。この場合、混合器13と局発信号発振器14は、フィルタ12bを通過したスペクトラム拡散信号62の周波数(中心周波数:75MHz)を基準搬送波信号41の周波数(中心周波数:75MHz)より低い中間波の周波数(中心周波数:数kHz)に変換する周波数変換手段を構成することになる。
=1/2〔sin{2π(2f1+Δf)t}+cos(2πΔft)〕
混合器13の出力側に接続されたローパスフィルタ15は、スペクトラム拡散信号64のうち上記式におけるcos(2πΔft)成分のみを通過させるフィルタ手段として構成されており、混合器13の出力によるスペクトラム拡散信号64がローパスフィルタ15に入力すると、ローパスフィルタ15からは、高周波(Radio Frequency)であるスペクトラム拡散信号62よりも周波数の低い中間波(Intermediate Frequency)のスペクトラム拡散信号として、中心周波数が数kHzのスペクトラム拡散信号(IF信号)65が出力される。この中間波のスペクトラム拡散信号65のスペクトラム分布は、図2(d)に示すような特性となる。この場合、混合器13と局発信号発振器14は、フィルタ12bを通過したスペクトラム拡散信号62の周波数(中心周波数:75MHz)を基準搬送波信号41の周波数(中心周波数:75MHz)より低い中間波の周波数(中心周波数:数kHz)に変換する周波数変換手段を構成することになる。
ローパスフィルタ15にはノッチフィルタ16が接続されており、ノッチフィルタ16は、ローパスフィルタ15の出力による中間波のスペクトラム拡散信号65から中間波の周波数成分(Δf=数kHzの周波数成分)のみを抽出して除去するフィルタ手段として構成されている。すなわち、ノッチフィルタ16は、図2(d)示すスペクトラム拡散信号65からその中心周波数成分(数kHzの成分)を除去し、中心周波数の信号レベルが抑圧されたスペクトラム拡散信号66を相関器17、18、19に出力するようになっている。
一方、相関器17、18、19には、復調側のPNコード発生器28の発生によるPNコードであって、PNコード発生器4によるPNコード43と同じ符号系列のPNコードとしてP(同時)、E(Pに対して1/2ビット進み)、L(Pに対して1/2ビット遅れ)が入力されている。各相関器17、18、19では、ノッチフィルタ16を通過したスペクトラム拡散信号66に重畳したPNコードとの自己相関が取られるようになっている。例えば、PNコードの自己相関関数は、図3(a)に示すような特性であり、相関が取られる2つのPNコードの位相差が±1ビット以内であるときは、相関器17の出力に中間波の搬送波信号67が復調され、位相差が0のときには(図3(a)のピーク位置)、中間波の搬送波信号67の出力レベルが最大になる。
しかし、相関が取られる2つのPNコードの位相差が±1ビット以上であるときには、相関器17の出力は最小となって中間波の搬送者信号67は復調されない。すなわち、測距光52または参照光53から得られたスペクトラム拡散信号61に、例えば、雑音などの非希望信号が重畳された場合は相関が取れず、非希望信号成分はPNコードにより、広い周波数範囲に拡散される。このため、相関器17の出力側に漏れる量は非常に小さくなり、スペクトラム拡散信号61に非希望信号が混入していても、相関器17の出力にはS/Nの高い中間波の搬送波信号67だけが復調される。このように、PNコードの自己相関を利用すると、希望する信号だけを取り出すことができるとともに、効率のよいフィルタを実現することができる。
相関器17によって復調された中間波の搬送波信号67は増幅器20aで増幅されたあと、ローパスフィルタ20bを介して中間波の搬送波信号68として位相差測定器29に入力される。位相差測定器29においては、復調された中間波の搬送波信号68のうち参照光53に重畳したスペクトラム拡散信号61から得られた搬送波信号68と測距光52に重畳したスペクトラム拡散信号61から得られた搬送波信号68との位相差を基に目標点までの距離を算出する処理が行われる。この場合、PNコード発生器4から発生するPNコード43とPNコード発生器28から発生するPNコードとの位相差が0になるように同期させることが必要とされている。このため、相関器18、19はPNコードの位相同期用として使用されている。すなわち、相関器18、19においては、EとLのPNコードと受信信号のPNコードとの自己相関が取れるようになっており、これらの相関関数は、図3(b)、(c)に示すように、Pの相関特性に対して、それぞれ±1/2ビットだけシフトしている。相関器18、19の出力振幅69、70は振幅検出器21、22で検出され、検出された振幅VE、VLはA/Dコンバータ23、24を介して中央処理器26に入力され、中央処理器26において、スレッシホールド電圧と比較される。中央処理器26は、各A/Dコンバータ23、24の出力電圧とスレッシホールド電圧とを比較して、各検出電圧がスレッシホールド電圧以上となるように、PNコード発生器28に対してフィードバック制御を行い、PNコード発生器28から発生するPNコードの位相をシフトさせるようになっている。中央処理器26による処理が行われると、PNコード発生器28から発生するPNコードは、受信信号のPNコード(スペクトラム拡散信号66に重畳したPNコード)に対して、図3に示すように、範囲R内の位相、すなわち完全同期に対して±1/2ビット以内の位相になる。
次に、中央処理器26は、PNコード発生器28から発生するPNコードを受信信号のPNコードに完全同期させるための処理として、相関器18、19の出力振幅の差VE−Lを求めて、その値がS(0)になるように、数値制御発振器27を制御する。
以上のようにして、完全な同期が取られると、PNコード発生器28からは、受信信号のPNコードに同期したPNコードPが相関器17に出力され、それに応じて、復調によるPNコードクロック71と復調によるエポックパルス72がそれぞれ位相差測定器29に対して出力される。この場合、相関器17、18、19、PNコード発生器28、増幅器20a、ローパスフィルタ20b、振幅検出器21、22、A/Dコンバータ23、24、中央処理器26、数値制御発振器27は、ノッチフィルタ16を通過したスペクトラム拡散信号66を基にPNコードによる自己相関特性(自己相関関数)にしたがって中間波の搬送波信号68、PNコードクロック71、エポックパルス72を復調する復調手段を構成することになる。
位相差測定器29は、相関器17、18、19の復調による信号として、参照光53に重畳したスペクトラム拡散信号61から得られた搬送波信号68、PNコードクロック71、エポックパルス72を入力するとともに、測距光52に重畳したスペクトラム拡散信号61から得られた搬送波信号68、PNコードクロック71、エポックパルス72を入力するようになっており、両者の位相差を基に目標点までの距離を高精度に算出することができる。すなわち、位相差測定器29は、目標点までの距離の数値として、参照光53から得られた中間波の搬送波信号68と測距光52から得られた中間波の搬送波信号68との位相差を基に下位の桁を決定し、参照光53から得られたPNコードクロック71と測距光52から得られたPNコードクロック71との位相差から中位の桁を決定し、参照光53から得られたエポックパルス72と測距光52から得られたエポックパルス72との位相差から上位の桁を決定することで、目標点までの距離を高精度に算出することができる。
本実施例においては、受光素子11の出力によるスペクトラム拡散信号61を復調する前に、高周波であるスペクトラム拡散信号61の周波数を中間波である数kHzの周波数に変換し、中間波のスペクトラム拡散信号65の中心周波数の信号レベルをノッチフィルタ16で抑圧し、ノッチフィルタ16を通過したスペクトラム拡散信号66に対して復調を行うようにしたため、基準発振器10から発生する基準搬送波信号41が外乱の電波として、受光素子11の出力によるスペクトラム拡散信号61に重畳しても、外乱となる電波の影響による誤差を除去することができ、精度の高い距離を求めることができる。
また、ノッチフィルタ16として、中間波のスペクトラム拡散信号65の中心周波数の信号レベルを抑圧するものをだけを設けたものについて述べたが、受光素子11の出力側やフィルタ12bの出力側に、受光素子11の出力によるスペクトラム拡散信号61から、その中心周波数成分として、基準搬送波信号41の周波数成分のみを抽出して除去するノッチフィルタを設けることで、スペクトラム拡散信号61の周波数を中間波の周波数に変換する前に、スペクトラム拡散信号61からその中心周波数の信号レベルを除去することができ、外乱に伴う基準搬送波信号41の影響による誤差をより多く除去することができ、より精度の高い距離測定が可能になる。
1 基準発振器
4 PNコード発生器
5 PSK変調器
7 発光素子
10 参照用光路
11 受光素子
13 混合器
14 局発信号発振器
15 ローパスフィルタ
16 ノッチフィルタ
17、18、19 相関器
28 PNコード発生器
21、22 振幅検出器
23、24 A/Dコンバータ
26 中央処理器
29 位相差測定器
4 PNコード発生器
5 PSK変調器
7 発光素子
10 参照用光路
11 受光素子
13 混合器
14 局発信号発振器
15 ローパスフィルタ
16 ノッチフィルタ
17、18、19 相関器
28 PNコード発生器
21、22 振幅検出器
23、24 A/Dコンバータ
26 中央処理器
29 位相差測定器
Claims (4)
- 一定周波数の搬送波信号を発生する搬送波信号発生手段と、前記搬送波信号を擬似雑音符号により位相偏移変調して周波数帯域が拡散されたスペクトラム拡散信号に変換する信号変換手段と、前記信号変換手段の変換によるスペクトラム拡散信号で強度変調された光を目標点または参照用光路に向けて送出する光送出手段と、前記光送出手段の送出による光のうち前記目標点で反射した測距光または前記参照用光路からの参照光を受光してスペクトラム拡散信号に変換する光電変換手段と、前記光電変換手段の変換によるスペクトラム拡散信号から前記搬送波信号の周波数成分を抽出して除去するフィルタ手段と、前記フィルタ手段を通過したスペクトラム拡散信号の周波数を前記搬送波信号より低い中間波の周波数に変換する周波数変換手段と、前記周波数変換手段の出力によるスペクトラム拡散信号を基に前記擬似雑音符号による自己相関特性に従って前記搬送波信号を復調する復調手段と、前記復調手段の復調による搬送波信号のうち前記参照光から得られた搬送波信号と前記測距光から得られた搬送波信号との位相差を基に前記目標点までの距離を算出する距離算出手段とを備えてなる光波距離計。
- 一定周波数の搬送波信号を発生する搬送波信号発生手段と、前記搬送波信号を擬似雑音符号により位相偏移変調して周波数帯域が拡散されたスペクトラム拡散信号に変換する信号変換手段と、前記信号変換手段の変換によるスペクトラム拡散信号で強度変調された光を目標点または参照用光路に向けて送出する光送出手段と、前記光送出手段の送出による光のうち前記目標点で反射した測距光または前記参照用光路からの参照光を受光してスペクトラム拡散信号に変換する光電変換手段と、前記光電変換手段の変換によるスペクトラム拡散信号の周波数を前記搬送波信号より低い中間波の周波数に変換する周波数変換手段と、前記周波数変換手段の出力によるスペクトラム拡散信号から前記中間波の周波数成分を抽出して除去するフィルタ手段と、前記フィルタ手段を通過したスペクトラム拡散信号を基に前記擬似雑音符号による自己相関特性に従って前記中間波の搬送波信号を復調する復調手段と、前記復調手段の復調による搬送波信号のうち前記参照光に重畳したスペクトラム拡散信号から得られた中間波の搬送波信号と前記測距光に重畳したスペクトラム拡散信号から得られた中間波の搬送波信号との位相差を基に前記目標点までの距離を算出する距離算出手段とを備えてなる光波距離計。
- 一定周波数の搬送波信号を発生する搬送波信号発生手段と、前記搬送波信号を擬似雑音符号により位相偏移変調して周波数帯域が拡散されたスペクトラム拡散信号に変換する信号変換手段と、前記信号変換手段の変換によるスペクトラム拡散信号で強度変調された光を目標点または参照用光路に向けて送出する光送出手段と、前記光送出手段の送出による光のうち前記目標点で反射した測距光または前記参照用光路からの参照光を受光してスペクトラム拡散信号に変換する光電変換手段と、前記光電変換手段の変換によるスペクトラム拡散信号から前記搬送波信号の周波数成分を抽出して除去する第1のフィルタ手段と、前記第1のフィルタ手段を通過したスペクトラム拡散信号の周波数を前記搬送波信号より低い中間波の周波数に変換する周波数変換手段と、前記周波数変換手段の出力によるスペクトラム拡散信号から前記中間波の周波数成分を抽出して除去する第2のフィルタ手段と、前記第2のフィルタ手段を通過したスペクトラム拡散信号を基に前記擬似雑音符号による自己相関特性に従って前記中間波の搬送波信号を復調する復調手段と、前記復調手段の復調による中間波の搬送波信号のうち前記参照光に重畳したスペクトラム拡散信号から得られた搬送波信号と前記測距光に重畳したスペクトラム拡散信号から得られた搬送波信号との位相差を基に前記目標点までの距離を算出する距離算出手段とを備えてなる光波距離計。
- 請求項1、2または3のうちいずれか1項に記載の光波距離計において、前記フィルタ手段は、ノッチフィルタで構成されてなることを特徴とする光波距離計。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005097782A JP2006275888A (ja) | 2005-03-30 | 2005-03-30 | 光波距離計 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005097782A JP2006275888A (ja) | 2005-03-30 | 2005-03-30 | 光波距離計 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006275888A true JP2006275888A (ja) | 2006-10-12 |
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ID=37210806
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2005097782A Pending JP2006275888A (ja) | 2005-03-30 | 2005-03-30 | 光波距離計 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2006275888A (ja) |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0462491A (ja) * | 1990-06-29 | 1992-02-27 | Omron Corp | 距離測定装置 |
JPH0779176A (ja) * | 1993-06-30 | 1995-03-20 | Mitsubishi Electric Corp | スペクトラム拡散無線機 |
JP2537375B2 (ja) * | 1987-10-08 | 1996-09-25 | 株式会社ソキア | 光波距離計 |
JP2000278171A (ja) * | 1999-03-23 | 2000-10-06 | Kokusai Electric Co Ltd | 移動体通信システムの質問器 |
-
2005
- 2005-03-30 JP JP2005097782A patent/JP2006275888A/ja active Pending
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