JP2006275626A - X線検査装置、x線検査方法およびx線検査プログラム - Google Patents

X線検査装置、x線検査方法およびx線検査プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 多数の検査対象品を高速に検査することが困難であった。
【解決手段】 X線によって検査対象を検査するにあたり、X線源から所定の立体角の範囲にX線を出力し、平面的に配置された複数の検査対象品を上記X線の出力範囲内で平面的に移動させ、同平面移動工程による上記検査対象品の位置の変更を行いながら、上記立体角に含まれる位置であるとともに上記平面に対して垂直な軸を中心にした複数の回転位置において、上記軸に対して傾斜した検出面をもつ検出器でX線画像を取得し、上記複数の回転位置におけるX線画像から同じ検査対象品の透過像を抽出し、抽出した透過像に基づいて検査対象品の再構成演算を実行し、検査対象品の検査を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、X線検査装置、X線検査方法およびX線検査プログラムに関する。
従来より、検査対象品にX線を照射し、得られた透過像を分析することによって当該検査対象品の良否判定等が行われていた(例えば、特許文献1参照。)。この文献においては、X線源から直進するX線を出力して対向するカメラで撮影する撮影系を構成し、X−Yステージ上にθテーブルを配設し、X−Yステージに直交する面内でX線源およびカメラを回転させる技術が開示されている。
特開2000−356606号公報
上述した従来のX線検査装置においては、多数の検査対象品を高速に検査することが困難であった。すなわち、検査対象品を詳細に検査するためには、検査対象品を異なる方向から撮影した複数のX線画像を多数の検査対象品毎に取得する必要があり、多数のX線画像に基づいて3次元構造の解析を行う必要がある。上記特許文献1においては、異なる方向から多数のX線画像を撮影するために、X線源とカメラとを組で回転させて異なる方向から検査対象品を撮影する必要がある。また、X線源に対向するカメラにてθテーブルの回転中心上の一点を撮影しているので、多数の検査対象品を検査するためには、検査対象品毎にX線画像を取得する必要がある。X線源は一般的に非常に重量が重く移動させるために多くの時間を要し、θテーブルとX−Yテーブルを組み合わせた大がかりな装置にて移動を行うためにも多くの時間が必要である。多数の検査対象品を検査するためには、非常に多くの回数の移動作業と撮影作業とを繰り返す必要があるので、従来技術においては高速に検査を行うことはできなかった。
また、検査の高速化のために、一つの検査対象品についての撮影回数を少なくすることも考えられるが、撮影回数を少なくするほど、X線画像から再構成演算を行うことによって得られる3次元構造の情報が劣化してしまう。3次元構造の情報が劣化していると、欠陥等と劣化による影響との区別ができないので、高精度の検査を行うことはできない。従って、撮影回数と再構成演算の精度とはトレードオフの関係にあり、単に撮影回数を少なくしても高精度の検査を行うことは不可能である。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、少ない撮影回数で高画質の再構成画像を作成し、また、多数の検査対象品を高速に検査することが可能なX線検査装置、X線検査方法およびX線検査プログラムの提供を目的とする。
上記目的の少なくとも一つを達成するため、請求項1にかかる発明では、異なる位置に検出器を配置して複数の検査対象品を撮影した複数の検査対象品のX線画像を取得し、各X線画像に含まれる同じ検査対象品の透過像を抽出して再構成演算を行う。各X線画像には複数の検査対象品の透過像が含まれるので、各検査対象品のそれぞれについて異なる位置に配設した検出器によってX線画像を撮影する必要はなく、各位置で一回X線画像を撮影すればよい。従って、少ない撮影回数で複数の検査対象品を検査することが可能であり、高速に検査を行うことが可能である。
すなわち、X線画像取得手段においては、X線の出力範囲内に複数の検査対象品を配置し、透過したX線を検出器によって撮影したX線画像を取得する。また、X線は、異なる位置に配設した検出器によって撮影され、各位置にて撮影されたX線画像を取得することで複数のX線画像を取得する。そこで、各X線画像から同じ検査対象品の透過像を抽出すれば、その検査対象品について再構成演算を行って検査を行うことができる。
ここで、X線画像を取得するためには、X線源からのX線を検査対象品に対して照射することができればよい。X線検査装置の構造を簡易な構造とし、可動部を少なくして検査の高速化を図るためには、所定の立体角の範囲にX線を出力することができるX線源を採用するのが好ましい。この構成においては、X線の出力範囲に検出面が含まれるようにX線の検出器を配置すればよい。すなわち、照射範囲に制約のあるX線管を使用するのではなく、広い範囲にX線が照射されるX線管を使用することによって、X線画像の撮影に際してX線源の角度変更や移動を伴わずに複数のX線画像を取得可能である。
尚、このようなX線源としては、例えば、透過型開放管を採用すればよい。すなわち、透過型開放管においては、薄いターゲットに衝突した電子によってX線が発生し、X線が当該ターゲットを透過して外部に出力される際にほぼ全方位(立体角2π)が出力範囲になる。むろん、ほとんどの場合、被検査対象について撮像するための照射範囲として立体角2πは必要なく、少なくとも異なる位置に配設された検出面を含む立体角でX線を照射するX線源を採用すればよいが、立体角が大きいほど本発明を適用できる検査対象品が多くなり、汎用性が高くなる。
検査対象品は、一枚のX線画像内に複数の検査対象品が含まれるように配設することができればよい。このためには、複数の検査対象品を平面上に配置する構成を採用するのが好ましく、例えば、X−Yステージ等に複数の対象品を載置する構成を採用することができる。尚、本発明においては、異なる位置に配設した検出器によって検査対象品を撮影するので、再構成演算を行うために必要なX線画像を取得するために検査対象品を回転移動させる必要がない。従って、検査対象品を回転移動させるX線検査装置と比較して、X線源と検査対象品とを近接させることが可能である。このため、X線画像取得手段の検出面において容易に大きな拡大率のX線画像を取得することができ、高精度の検査を実施することが可能である。
X線画像は、複数の検査対象品を透過したX線を示していれば良く、異なる位置に配設した検出器にてこのX線画像を取得することができれば良い。これらの検出手段としては、例えば、2次元的に配置したCCDによってX線の強度を計測するセンサを採用可能である。また、検出面は、X線源の焦点に対向していればよく、検査対象品が平面に配置される場合には、配置される平面に対する相対的な関係が異なる複数の位置に検出面を配設する。
対象品検査手段による検査としては、透過像に基づいて検査対象品の再構成演算を行って検査対象品の3次元構造に関する情報を取得し、断層像、断面積、体積、形状、半田付けにおけるブリッジの有無等を検査する構成や、半田付け等の良否判定を行う構成など種々の構成を採用可能である。尚、再構成演算を実施するために本発明の構成を採用せず、一つの検査対象品を逐次複数の検出器の視野に移動させる構成を採用すると、検査時間が非常に長くなる。一方、本発明のようにある位置の検出器において、一度の撮影で複数の検査対象品を含むX線画像を取得すると、検査時間が非常に短くなる。
本発明においては、対象品検査手段によって再構成演算を実行することにより、検査対象品の3次元構造に関する情報を取得するので、X線画像取得手段においては、検査対象品の3次元構造に関する情報を取得できるように複数のX線画像を取得する。例えば、異なる位置に配設した検出器のそれぞれにおいて、検出器とX線源の焦点とを結ぶ直線が異なる直線であれば、2つのX線画像に基づいて検査対象品の3次元構造を取得することができ、検出器をこのような配置としてX線画像を取得すればよい。
尚、異なる方向から撮影した複数の透過像を用いれば、上述の再構成演算を行うことが可能であるが、この再構成演算を行う場合には、検査対象品に対して所定の対称性を有する位置からX線画像を撮影するのが好ましい。このためには、検査対象品を配置する平面に対して所定の関係を持つ軸を中心にX線検出器の検出面を回転させたことを想定した場合の位置(以下、回転位置と呼ぶ)に検出面を配設する。より具体的には、X線源の焦点とX線照射範囲の中心とを結ぶ直線を軸とし、この軸を中心にした所定の半径の円周上に回転位置を想定すればよい。むろん、この軸に垂直な軸を中心にした所定の半径の円周上に回転位置を想定しても良い。
以上のように、検出面を複数の回転位置に配設すれば、回転対称性のある位置から検査対象品を撮影することができ、撮影したX線画像の回転対称性を考慮して3次元構造を解析することが可能になる。尚、この構成においては複数の回転位置にてX線画像を取得するが、X線画像を取得するために検査対象品を回転させることはない。
従って、簡易な構成によって検査対象を平面移動させるのみで検査対象品の検査を行うことが可能になり、多数の検査対象品を検査する場合であっても高速にその処理を実施することができる。尚、複数の回転位置におけるX線画像を取得するためには、複数の検出器を予め上記回転位置に配置してX線画像を取得しても良いし、上記軸を中心にして検出器を回転させることによって上記回転位置におけるX線画像を取得しても良く、種々の構成を採用可能である。
透過像抽出手段においては、複数のX線画像のそれぞれに含まれる複数の透過像から同じ検査対象品の透過像を抽出することができればよい。このための構成としては、種々の構成が採用可能であり、例えば、請求項2のように、複数の検査対象品を撮影した時における複数の検査対象品の配置に基づいて、各X線画像に含まれる透過像から同じ検査対象品の透過像を特定する構成を採用可能である。
すなわち、複数の検査対象品がある平面など、予め決められた位置に配置される様子を把握すれば、この配置と検出器との相対的な位置関係から、各X線画像内のそれぞれで同じ検査対象品に対応する透過像を特定することができる。各X線画像内で同じ検査対象品の透過像を特定することができれば、それぞれを抽出して再構成演算を行うことにより、検査対象品の3次元像や断層像を生成することが可能であり、容易に検査対象品を検査することが可能である。
また、複数の検査対象品が予め決められた位置に配置される様子は、予め把握していても良いし、X線画像から算出しても良い。前者としては、予め検査対象品の配置を示す座標を定義しておき、これを取得すればよく、特に予め配置が決められた複数の製品(例えば、基板上のバンプ等)について検査を行う場合に適用可能である。
後者としては、請求項3のように、X線画像に基づいて再構成演算を行う構成を採用可能である。ここでは、検査対象品の配置を把握することができればよいので、高精度の検出が行えるような再構成演算を行う必要はない。すなわち、高精度の検出を行うためには、多数の位置に対応したX線画像によって劣化の少ない画像を再構成する必要があるが、検査対象品の配置を把握するのであれば、少ない数のX線画像に基づいて再構成演算を行ったとしても透過像の位置を把握することは可能である。
そこで、少なくとも透過像の位置を把握できる程度の枚数でX線画像に基づく再構成演算を行えばよい。従って、上記X線画像取得手段にて取得する複数のX線画像は、複数の透過像の位置を把握できるように再構成演算を実施するために必要最低限の枚数であればよい。具体的には、3カ所(軸中心に3回対称)あるいは4カ所(軸中心に4回対称)程度の回転位置であっても充分である。また、ここでは、複数の検査対象の配置を把握すれば充分であるため、検査対象品毎に個別の透過像に分離する必要はなく、複数の検査対象品の透過像についてまとめて再構成演算を実施すればよい。
一方、上記対象品検査手段における再構成演算では、検査対象品の検査を行うために、検査を行うことができる程度に充分な枚数の透過像を用意する必要がある。そこで、複数の回転位置に検出面を配設する構成において、請求項4のように、複数の回転位置におけるX線画像に含まれる透過像から、当該複数の回転位置と異なる回転位置における透過像を補間演算によって算出する構成を採用してもよい。
すなわち、複数のX線画像は、複数の透過像の位置を把握可能な程度の枚数であるので、これらのX線画像において同一の検査対象品の透過像を検出し、透過像の枚数を増やすために補間演算を行う。補間演算は、複数の透過像に基づいてその間の回転位置における透過像を算出することができれば良く、線形補間であっても良いし非線形補間であっても良い。
このように補間を行う場合には、実測した透過像の間に相当する透過像について真の情報を取得しているわけではない。しかし、半田バンプなど、理想の状態で回転対称性のある検査対象品では、このような補間によって透過像を取得したとしても、充分に高精度の再構成演算を実施することが可能である。
また、補間によって検査対象品の外形を忠実に再構成することはできないが、上記X線画像取得手段によって取得したX線画像の透過像に、内部欠陥等、検査対象品の内部に関する情報が含まれていれば、補間演算を行ったとしてもその存在を確実に抽出することが可能である。すなわち、補間を行わずに再構成演算を行う場合には、欠陥等と画像の枚数不足による画質の劣化とが区別できないが、補間後に再構成演算を行えば、画質の劣化を抑えることができるので、確実に検査を行うことが可能である。
さらに、以上の構成においては、各回転位置において複数の検査対象品を一度に撮影してしまうので、同じ検査対象品の透過像がX線画像内で占める位置は各回転位置で異なることになる。このため、透過像の大きさが変動する場合があるが、この場合には、請求項5のように大きさの変動を補正することが好ましい。
すなわち、平面的な検出面においては、その位置毎にX線源の焦点からの距離が異なるので、検出面の位置によって透過像の拡大率が異なり得る。本発明では、異なるX線画像から同じ検査対象品の透過像を抽出するが、同じ検査対象品の透過像が各検出器にて像を形成する位置は、上記複数の回転位置毎に異なり得る。この結果、同じ検査対象品の透過像同士で拡大率が異なり得るので、各透過像の大きさが変動し得る。そこで、当該透過像の大きさの変動を補正し、ある基準の大きさに揃える(透過像における拡大率を規格化する)と、非常に高精度に再構成演算を行うことが可能である。この結果、検査対象品を高精度に検査することが可能になる。
以上は、本発明が装置として実現される場合について説明したが、かかる装置を実現する方法においても本発明を適用可能である。その一例として、請求項6にかかる発明は、請求項1に対応した方法を実現する構成としてある。むろん、その実質的な動作については上述した装置の場合と同様である。また、請求項2〜請求項5に対応した方法も構成可能である。以上のようなX線検査装置は単独で実現される場合もあるし、ある方法に適用され、あるいは同方法が他の機器に組み込まれた状態で利用されることもあるなど、発明の思想としてはこれに限らず、各種の態様を含むものである。従って、ソフトウェアであったりハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。
発明の思想の具現化例として上記方法を制御するためのソフトウェアとなる場合には、かかるソフトウェアあるいはソフトウェアを記録した記録媒体上においても当然に存在し、利用される。その一例として、請求項7にかかる発明は、請求項1に対応した機能をソフトウェアで実現する構成としてある。むろん、請求項2〜請求項5に対応したソフトウェアも構成可能である。
また、ソフトウェアの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。一次複製品、二次複製品などの複製段階についても同等である。その他、供給装置として通信回線を利用して行う場合でも本発明が利用されていることにはかわりない。さらに、一部がソフトウェアであって、一部がハードウェアで実現されている場合においても発明の思想において全く異なるものではなく、一部を記録媒体上に記憶しておいて必要に応じて適宜読み込まれるような形態であってもよい。
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)本発明の構成:
(2)X線検査処理:
(3)他の実施形態:
(1)本発明の構成:
図1は本発明にかかるX線検査装置10の概略ブロック図である。同図において、このX線検査装置10は、X線発生器11とX−Yステージ12とX線検出器13aと搬送装置14とを備えており、各部をCPU25によって制御する。すなわち、X線検査装置10はCPU25を含む制御系としてX線制御機構21とステージ制御機構22と画像取得機構23と搬送機構24とCPU25と入力部26と出力部27とメモリ28とを備えている。この構成において、CPU25は、メモリ28に記録された図示しないプログラムを実行し、各部を制御し、また所定の演算処理を実施することができる。
メモリ28はデータを蓄積可能な記憶媒体であり、予め検査位置データ28aと撮像条件データ28bとが記録されている。検査位置データ28aは、検査対象品の位置を示すデータであり、本実施形態においては、基板上に配設された複数のバンプをX線検出器13aの視野に配設するためのデータである。すなわち、本実施形態においては、基板上に規則的に並べられた複数のバンプを検査対象品としている。撮像条件データ28bは、X線発生器11にてX線を発生させる際の条件を示すデータであり、X線管に対する印加電圧,撮像時間等を含む。
また、メモリ28には、CPU25の処理過程で生成される各種データを記憶することが可能である。例えば、上記X線検出器13aによって取得したX線画像を示すX線画像データ28cや、当該X線画像データ28cから抽出および算出したバンプ毎の透過像データ28dを記憶することができる。尚、メモリ28はデータを蓄積可能であればよく、RAMやHDD等種々の記憶媒体を採用可能である。
X線制御機構21は、上記撮像条件データ28bを参照し、X線発生器11を制御して所定のX線を発生させることができる。X線発生器11は、いわゆる透過型開放管であり、X線の出力位置である焦点Fからほぼ全方位、すなわち、立体角2πの範囲にX線を出力する。
ステージ制御機構22はX−Yステージ12と接続されており、上記検査位置データ28aに基づいて同X−Yステージ12を制御する。また、搬送機構24は、搬送装置14を制御して基板12aをX−Yステージ12に搬送する。すなわち、搬送装置14によって一方向に基板12aを搬送し、X−Yステージ12において基板12a上の複数のバンプを検査し、搬送装置14にて検査後の基板12aを搬送する処理を連続的に実施できるように構成されている。
本実施形態において、検査対象品は複数のバンプであり、複数のバンプが配設された基板をX−Yステージ12上に載置して良否判定を行う。尚、上述のように検査位置データ28aは複数のバンプをX線検出器13aの視野に配設するためのデータであり、ステージ制御機構22は、バンプの検査に際して複数のバンプがX線検出器13aの視野に含まれるようにX−Yステージ12を制御する。
画像取得機構23はX線検出器13aに接続されており、同X線検出器13aが出力する検出値によって検査対象品のX線画像を取得する。取得したX線画像は、X線画像データ28cとしてメモリ28に記憶される。本実施形態におけるX線検出器13aは、2次元的に分布したセンサを備えており、検出したX線からX線の2次元分布を示すX線画像データを生成することができる。本実施形態においては、複数のバンプがX線検出器13aの視野に含まれるようにしてX線画像を取得するので、上記X線画像には複数のバンプの透過像が含まれることになる。
X線検出器13aはアームを介して回転機構13bに接続されており、X線検出器13aは、X線発生器11の焦点Fから鉛直上方に延ばした軸Aを中心に半径Rの円周上を回転可能である。この回転機構13bは、画像取得機構23のθ制御部23aによって制御される。また、X線発生器11の焦点FからX線検出器13aにおける検出面の中心に対して延ばした直線と、当該検出面とが直交するように検出面が配向されている。
出力部27は上記X線画像等を表示するディスプレイであり、入力部26は利用者の入力を受け付ける操作入力機器である。すなわち、利用者は入力部26を介して種々の入力を実行可能であるし、CPU25の処理によって得られる種々の演算結果やX線画像データ、検査対象品の良否判定結果等を出力部27に表示することができる。
CPU25は、メモリ28に蓄積された各種制御プログラムに従って所定の演算処理を実行可能であり、検査対象品の検査を行うために、図1に示す搬送制御部25aとX線制御部25bとステージ制御部25cと画像取得部25dと良否判定部25eとにおける演算を実行する。搬送制御部25aは、搬送機構24を制御して、適切なタイミングで基板12aをX−Yステージ12に供給し、また、適切なタイミングで搬送装置14を駆動して検査済みの基板12aをX−Yステージ12から取り除く。
X線制御部25bは、上記撮像条件データ28bを取得し、上記X線制御機構21を制御して所定のX線をX線発生器11から出力させる。ステージ制御部25cは、上記検査位置データ28aを取得し、複数のバンプを逐次X線検出器13aの視野内に配置するための座標値を算出し、ステージ制御機構22に供給する。この結果、ステージ制御機構22は、この座標値がX線検出器13aのいずれかの視野に含まれるようにX−Yステージ12を移動させる。
画像取得部25dは、画像取得機構23のθ制御部23aに指示を行い、X線検出器13aを回転させる。また、画像取得機構23が取得するX線画像データ28cをメモリ28に記録する。上記X線画像データ28cは、複数の角度によって複数のバンプを撮影して得られるデータであり、画像取得部25dは、当該X線画像データ28cに基づいて上記複数の角度の間の像を取得することができる。
すなわち、上記複数の角度におけるX線画像をバンプ毎の透過像に分解し、同一のバンプを透過した透過像を抽出する。さらに、画像取得部25dが備える補間演算部25d1によって補間演算を行い、実際に撮影を行った角度の間の角度における透過像を取得する。上記抽出した透過像および補間された透過像は透過像データ28dとしてメモリ28に記録される。この処理の詳細は後述する。良否判定部25eは、当該透過像データ28dに基づいて所定の演算処理を行い、検査対象品が良品であるか、不良品であるかを判定する。
(2)X線検査処理:
本実施形態においては、上述の構成において図2に示すフローチャートに従って検査対象品の良否判定を行う。本実施形態においては、多数の基板12aを搬送装置14によって搬送し、逐次X−Yステージ12上で基板12a上のバンプを検査する。このため、検査に際しては、まずステップS100にて搬送制御部25aが搬送機構24に指示を出し、搬送装置14によって検査対象の基板12aをX−Yステージ12上に搬送する。
次に、検査対象となる複数のバンプをX線検出器13aの視野内に移動させてX線画像を取得するため、変数nを"0"に初期化する(ステップS105)。続いて、画像取得部25dはθ制御部23aに指示を行い、回転機構13bを駆動して予め決められた回転位置にX線検出器13aを移動させる(ステップS110)。本実施形態においては、回転角θをθ=(n/N)×360°と定義しており、θ=0°の角度は予め決めてある。
また、上記変数nは最大値をNとする整数である。従って、X線検出器13aは360°/Nずつ回転することになる。N+1は、X線画像を撮影する回転位置の数であり、要求される検査速度と検査精度および検査対象品の外形(軸対称性)から決定すればよい。例えば、バンプのように軸対称の外形を有する検査対象品については、N=3程度(90°ピッチ、4カ所で撮影)でも充分であり、N=3程度にすることによって検査を非常に高速に実施可能である。
X線検出器13aの回転動作を行うと、当該回転後の検出器の視野内に検査対象である複数のバンプが含まれるようにX−Yステージ12を移動させる(ステップS115)。このとき、ステージ制御部25cは上記検査位置データ28aを参照し、座標(xi,yi)がX線検出器13aの視野中心となるようにステージ制御機構22に指示する。この結果、ステージ制御機構22はX−Yステージ12を移動させ、座標(xi,yi)をX線検出器13aの視野中心に配置する。
すなわち、座標(xi,yi)は、複数のバンプをX線検出器13aの視野内に移動させるために予め基板12a上に設定された座標であり、X線検出器13aが上記回転角θに配設されているときの視野中心は、X線検出器13aとX線発生器11の焦点Fとの相対関係から取得することができる。そこで、座標(xi,yi)をX線検出器13aの視野内に移動させることで、複数のバンプの透過像がX線検出器13aで取得されるように基板12aの位置を制御することができる。
図3,図4は、この例を説明するための図であり、座標系およびX線検出器13a、X線発生器11の位置関係を示す図である。これらの図においては、X−Yステージ12による移動平面をx−y平面とし、この平面に垂直な方向をz方向としている。図3は、z−x平面を眺めた図であり、図4はx−y平面を眺めた図である。
図3に示すように、X線検出器13aの検出面は、その中心と焦点Fとを結ぶ直線lに対して垂直になるように配向されている。すなわち、軸Aに対して傾斜され、x−y平面と検出面とに対して所定の角度(傾斜角)αが与えられている。上記直線lは、X線検出器13aの視野中心に相当するので、X線検出器13aの回転角θから図4に示すように視野領域FOVを特定することができる。
すなわち、上記直線lと上記x−y平面との交点を含む所定の領域がX線検出器13aの視野領域FOVとなるので、図4に示す例のように変数nが0〜3であることを想定すれば、図4に破線の矩形で示すように、視野領域FOVを特定することができる。そこで、上記ステージ制御機構22は図4の各矩形における中心と座標(xi,yi)とが一致するように、X−Yステージ12を移動させることになる。
尚、図4においては、中心Oから−y方向に延ばした直線をθ=0とし、時計回りの回転角がθであり、θ=0°,90°,180°,270°の視野領域をそれぞれFOV1〜FOV4としている。むろん、ステップS115においては、X線検出器13aの視野内に検査対象となる複数のバンプを配設することができる限りにおいて種々の制御手法を採用可能である。
ステップS115にて、座標(xi,yi)をX線検出器13aの視野中心に配置したら、X線制御部25bおよび画像取得部25dの制御により、X線検出器13aにて回転角θのX線画像Pθnを撮影する(ステップS120)。すなわち、X線制御部25bは、上記撮像条件データ28bを取得し、当該撮像条件データ28bに示される条件でX線を出力するようにX線制御機構21に対して指示を行う。この結果、X線発生器11が立体角2πの範囲でX線を出力するので、画像取得部25dはX線検出器13aが検出したX線画像を取得する。
ステップS120にて回転角θのX線画像Pθnを撮影すると、変数nが最大値Nに達しているか否かを判別し(ステップS125)、最大値Nに達していると判別されなければ変数nをインクリメントして(ステップS130)、ステップS110以降の処理を繰り返す。ステップS125にて変数nが最大値Nに達していると判別されたときには、必要な回数の撮影が終了しているので、以降の処理にて回転角θとθn+1との間における透過像を補間する。
このため、本実施形態においては、まず、補間前のX線画像Pθ0〜PθNを用いて複数のバンプの位置を特定する。すなわち、補間前のX線画像Pθ0〜PθNを用いて3次元画像の再構成演算を行い(ステップS135)、得られた3次元構造から各バンプの位置Bを特定する(ステップS140)。
再構成演算は、バンプの3次元構造を再構成することができれば良く、種々の処理を採用可能である。例えば、フィルタ補正逆投影法を採用可能である。この処理においては、まず、X線画像Pθ0〜PθNのいずれかに対してフーリエ変換を実施し、フーリエ変換で得られた結果に対して周波数空間でフィルタ補正関数を乗じる。さらに、この結果に対して逆フーリエ変換を実施することで、フィルタ補正を行った画像を取得する。尚、このフィルタ補正関数は、画像のエッジを強調するための関数等を採用可能である。
続いて、フィルタ補正後の画像を、それが投影された軌跡に沿って3次元空間へ逆投影する。すなわち、X線検出器13aの検出面におけるある位置の像に対応する軌跡は、X線発生器11の焦点Fとこの位置とを結ぶ直線であるので、この直線上に上記画像を逆投影する。以上の逆投影をX線画像Pθ0〜PθNの総てについて行うと、3次元空間上でバンプが存在する部分のX線吸収係数分布が強調され、バンプの3次元形状が得られる。
但し、ここでは、上述のように4枚など、少ない枚数のX線画像に基づいて再構成演算を行っている。従って、高精度の良否判定を行うことはできない。しかし、再構成演算によって得られた3次元構造を参照すると、バンプの位置を特定することは可能であり、本実施形態においては、この再構成演算結果を参照して複数のバンプの位置を特定する。具体的には、再構成演算結果からバンプの高さ方向(z方向)における略中心の断層像(x−y平面に平行な断層像)を取得し、この断層像に基づいて各バンプの中心を算出する。
図5は、この処理を示す図であり、図5Aは高さ方向の略中央における再構成演算結果を示している。すなわち、再構成演算によれば、複数のバンプの3次元構造が得られているので、高さ方向の略中央においてx−y平面に平行な平面上の再構成演算結果を取得すると、高さ方向の略中央における断層像となる。この断層像においては、バンプの外形を正確に反映していないが、バンプのX線吸収係数を反映し、バンプが存在する部分と存在しない部分とをある程度示していると言える。
そこで、この断層像を2値化すれば、バンプが存在する部分と存在しない部分とを概略的に示す画像を取得することができ、本実施形態では、当該2値化した画像において、バンプの存在を示す部分の重心を算出することでバンプの位置を特定する。このとき、各バンプには、変数l(lは"0"以上の整数)を付して特定するとともに、x−y平面での座標を特定する。むろん、ここでは、各バンプの位置を特定することができれば良く、断層像において各バンプを反映した部分からエッジを抽出し、その中点を算出するなど、種々の構成を採用可能である。
また、本実施形態において、バンプの高さ方向の略中央にてx−y平面に平行な断層像を取得するのは、不良バンプによる影響をできるだけ排除するためである。すなわち、典型的な不良バンプとして、半田付けが不十分である場合や浮きが生じている場合があるが、この場合、不良が生じている部分は、x−y平面における径が小さくなる。この場合、少ない枚数のX線画像から生成した断層像では劣化が激しく、その外形が真の外形と著しく異なってしまう。
図5Bは、浮きが生じている不良バンプについて行った再構成演算結果から算出した断層像であって、浮きが生じている部分の断層像を示す図である。このように、不良部分では、バンプの存在からバンプの中心を算出することが困難である。この不良は、バンプの高さ方向両端で生じやすいが、バンプの高さ方向中央では生じにくい。そこで、本実施形態のようにバンプの高さ方向の略中央で上記断層像を取得すれば、不良の影響をできるだけ小さくしてバンプの位置を特定することができる。
各バンプの位置を特定することができれば、その位置に基づいてX線画像に含まれる各バンプの透過像を抽出することができる。そこで、変数lを"0"に設定し(ステップS145)、位置Bに対応する透過像Tlθ0〜TlθNを抽出する(ステップS150)。この透過像Tlθ0〜TlθNの画像データは、透過像データ28dとしてメモリ28に記憶する。尚、変数lは"0"から最大値L(バンプの数−1)までの整数である。
図6は、当該透過像の抽出を説明するための説明図である。同図6においては、図の中央に白丸で示す複数のバンプを検査対象品とし、上記図4に示す視野領域FOV1〜FOV4にてこれらのバンプを撮影した場合について示している。図6においてFOV1〜FOV4として示した像は、各視野領域におけるX線画像から図6の中央に実線で示した領域Rの付近を抽出したものである。各像においては、像の下部が図の中央寄りに配向するように図示している。
このように、X線画像においては複数のバンプを透過して得られた透過像が複数個含まれており、図に示す像おいては、白い部分がバンプ毎の透過像である。上記ステップS140にて複数のバンプの位置Bが特定されたときには、図6の中央に白丸で示すように複数のバンプの2次元的な配置が特定されていることになるので、ある視野領域におけるバンプの透過像が他の視野領域においていずれの位置の透過像に相当するのかを決定することができる。
例えば、図6の視野領域FOV1において矢印を付して示したバンプと同一のバンプは視野領域FOV2にて矢印を付したバンプである。同様に視野領域FOV3,4においても矢印を付したバンプであることが分かる。そこで、ステップS150においては、各視野領域FOV1〜FOV4の中からある位置Bにおけるバンプの透過像Tlθnを取得する。ここで、θ、nは上記と同様の変数である。
ある位置Bにおけるバンプの透過像Tlθnを取得したら、複数の回転角θ〜θの間における透過像Tlθjを補間する。このためにまず、変数j、nをそれぞれ"0"に初期化する(ステップS155)。ここで、変数jは回転角θ〜θn+1の間の角度を特定するための変数であり、最大値をDとする整数である。本実施形態において、回転角θ〜θn+1の間の角度θは、360°×((n−1)+j/D)/Nと定義しており、この角度θについて補間演算を行い、透過像Tlθjを取得する(ステップS160)。尚、補間によって得られた透過像Tlθjも上記透過像データ28dとしてメモリ28に記録する。
補間演算としては、種々の演算手法を採用可能であり、本実施形態においては、下記の式(1)に基づいて補間演算を行っている。
ここで、s、tは、X線検出器13aの検出面上に予め設定された座標である。
透過像Tlθjを算出したら、変数jが最大値Dに達しているか否かを判別し(ステップS165)、変数jが最大値Dに達していると判別されないときには変数jをインクリメントして(ステップS170)、ステップS160以降の処理を繰り返す。ステップS165にて変数jが最大値Dに達していると判別されたときには、変数nが最大値Nに達しているか否かを判別する(ステップS175)。すなわち、X線画像を取得する総ての角度について、その間の透過像を補間したか否かを判別する。
ステップS175にて、変数nが最大値Nに達していると判別されないときには、変数nをインクリメントして(ステップS180)、ステップS160以降の処理を繰り返す。ステップS175にて変数nが最大値Nに達していると判別されたときには、位置BのバンプについてN×D枚(高精度の再構成演算に充分な枚数)の透過像が得られたことになる。
本実施形態においては、さらに、変数lが最大値Lに達しているか否かを判別し(ステップS185)、変数lが最大値Lに達していると判別されないときには変数lをインクリメントして(ステップS187)、ステップS150以降の処理を繰り返す。ステップS185にて変数lが最大値Lに達していると判別されたときには、総てのバンプについてN×D枚の透過像が得られたことになる。そこで、良否判定部25eは、透過像データ28dを参照し、バンプ毎に再構成演算を実施する(ステップS190)。
むろん、ここでは、各バンプについてN×D枚の透過像を利用して再構成演算を行う。この再構成演算の手法は上記ステップS135と同様の手法を採用することができる。しかし、ステップS190においては、演算に利用する画像の枚数がN×D枚であり、また、個別のバンプ毎に再構成演算を実施する。従って、各バンプの再構成演算結果において、画質の劣化が少なく、外形がバンプの形状に近くなって高精度に良否判定を行うことが可能な3次元構造情報を取得することができる。
そこで、上記良否判定部25eは、当該再構成演算後の情報に基づいて良否判定を行う(ステップS195)。すなわち、再構成演算後の情報に基づいて、バンプの断面積や体積、形状、半田付けにおけるブリッジの有無等を検査する。ここでは予め断面積や形状等に基準の閾値や基準の形状等を設定しておくことによって、検査を自動で行っても良いし、上記出力部27にバンプの3次元構造や断層を示す情報を表示することによって目視検査を行っても良い。
尚、上記実施形態において、実測するX線画像はN枚であるが、N枚の各X線画像においては、内部欠陥や外形などの3次元構造を反映した透過像が得られている。従って、補間を行った結果が各バンプにおける実際の形状や内部構造を忠実に再現していないとしても、内部欠陥や外形の欠陥等が存在する場合、再構成演算後の3次元構造はその欠陥等を反映している。従って、高精度に良否判定を行うことが可能である。さらに、N×D枚の透過像を使用して再構成演算を行うが、実測するX線画像はN枚であるので、実測作業に費やす時間を極力少なくすることができ、高速に良否判定を行うことができる。
(3)他の実施形態:
本発明においては、複数の回転位置にてX線画像を取得し、一枚のX線画像から複数のバンプを取得して再構成演算を実施することができれば良く、上記実施形態の他、種々の構成を採用可能である。例えば、高精度の再構成演算を実施できる程度の枚数でX線画像を取得する構成を採用可能である。すなわち、各X線画像から透過像を抽出して、補間演算を実施することなく再構成演算を実施する。この構成においては、複数のバンプについての透過像を抽出するにあたり、バンプ毎に撮影を行う必要がなく、一枚の画像から複数のバンプの透過像を取得することができるので、バンプ毎に撮影を行う場合と比較して少ない撮影回数で良否判定を行うことが可能である。
また、複数の回転位置にてX線画像を取得するにあたり、X線検出器13aを回転させるのではなく、固定的に配置された複数の検出面によってX線画像を取得しても良い。図7は、複数の検出器によってX線画像を取得するX線検査装置100の概略構成図である。同図に示すように、X線検査装置100の構成は多くの点でX線検査装置10の構成と共通であり、共通の構成については図1と同じ符号で示してある。図7に示すX線検査装置100は、X線画像取得手段として、複数のX線検出器130aを備えている。各X線検出器130aは、X線発生器11の焦点Fから鉛直上方に延ばした軸Aを中心にした半径Rの円周上に検出面の中心が存在するように配置されている。
また、図7に示す構成においても、各検出面は軸Aに対して傾斜角αで傾斜されており、各検出面はX線発生器11によるX線の出力範囲内に含まれる。また、上記X線検出器130aの回転位置は上記図1におけるX線検出器13aの回転位置と同様に定義され、図7に示す例では、本実施形態では軸Aを中心に90度ずつ回転した4つの回転位置にてX線画像を撮影する。
以上の構成において、画像取得機構230では、回転機構に対する制御が不要である。すなわち、X線画像取得手段によるX線画像の撮影において、ステップS110の回転動作は不要であり、ステージ制御部25cによるX−Yステージ12の移動のみによってθ毎のX線画像Pθnを撮影することができる。このような構成においては、X線画像取得手段での撮影に際してθ回転動作を行う必要がないので、非常に高速に検査を進めることが可能である。
尚、バンプの位置を特定する際に、センサを併用しても良い。このための構成としては、例えば、高さセンサによって検査対象となるバンプの高さ、すなわち、X線発生器11の焦点Fとバンプとのz方向への距離を取得する構成を採用可能である。高さセンサは、この距離を計測するセンサであれば良く、種々のセンサを採用可能である。
図7においては、上記図1に示す構成に対して高さセンサを追加した場合の構成を示している。また、図3のかっこ内には、高さセンサの構成例を示している。同図7および図3において高さセンサ15は基板12aの下方に配設されており、レーザー出力器15aとラインセンサ15bとを備えている。レーザー出力器15aは基板12aに向けてレーザー光を出力可能であり、ラインセンサ15bは基板12aにて反射したレーザー光を検出するセンサである。ラインセンサ15bは、ある方向に沿って並べられた複数のセンサを備えており、レーザー光の出力方向の水平成分と当該ラインセンサが並べられる方向は一致している。
従って、基板12aが垂直方向へ変動することに伴って反射レーザー光が変動すると、反射レーザー光がラインセンサ15bに到達する位置も変動する(例えば、基板12aが下方に変動すると、レーザー光の軌跡は実線から破線のように変動する)。そこで、ラインセンサ15bにて検出する反射レーザー光の輝度が最大となる位置が反射レーザー光の到達位置であるとし、この到達位置に基づいてバンプの高さを検出する。尚、レーザー光の経路を幾何学的に分析することによって基板12aの下面と焦点Fとの鉛直方向に沿った距離を算出し、基板12aの厚さとバンプの中心までの高さを見込めば、焦点Fからバンプの中心までの高さを正確に算出することができる。
むろん、基板12aの上面からバンプの中心までの高さと基板12aの厚さとが微小であれば、これらを無視してもよい。これらを無視しても、基板12aの上下方向への変動程度が基板12aの厚さや基板12aの上面からバンプの中心までの高さと比較して大きい場合には、高さセンサ15によって比較的高精度に高さを検出することができる。
以上のようにして、バンプのz方向への位置を算出することができれば、上記ステップS140にて特定したx−y平面におけるバンプの位置Bに加えてz方向にもバンプの位置を特定することができる。従って、焦点Fとバンプの位置とX線検出器13aとの相対的な位置関係から、個別のバンプにおける透過像をより正確に抽出することができる。
さらに、本発明においては、X線検出器13aにて撮影した各透過像における拡大率の差異を補正してもよい。すなわち、焦点FからX線検出器13aに達するX線の軌跡は、複数のバンプを配設するための平面(x−y平面)に対して傾斜しているので、バンプの位置毎に、透過したX線がX線検出器13aに達するまでの距離が異なり、これにより拡大率が変動し得る。
例えば、図6の中央に示す複数のバンプは総て略同じ大きさであるが、各視野領域FOV1〜FOV4において検出されるバンプ毎の透過像の大きさは互いに異なっている。この差異は、焦点Fからバンプまでの距離と焦点FからX線検出器13aまでの距離とがバンプ毎に異なっていることに起因している。すなわち、両者に差異があると拡大率が異なるので、透過像の大きさが変動し得る。
そこで、異なるX線検出器13aから抽出した同じバンプの透過像については、拡大率が同じになるように規格化する。例えば、ある基準の拡大率となるように、透過像を2次元平面内で拡大、あるいは縮小する。このように補正を行えば、総ての透過像を規格化した状態で補間演算を実施することができる。従って、より正確に再構成演算を実施することができ、正確な良否判定を行うことが可能である。
さらに、上述の実施形態においては、バンプを配設するx−y平面に対して垂直な軸を中心に回転を行った回転位置を想定し、各回転位置でX線画像を撮影していたが、むろん、バンプと検出器との相対的な関係は、このような関係に限られない。例えば、上記x−y平面に対して平行な軸を中心に回転を行った回転位置を想定し、各回転位置におけるX線画像を撮影しても良い。この場合であっても、一枚のX線画像において複数のバンプが含まれるように撮影し、各画像から同じバンプの透過像を抽出して、再構成演算を行えばよい。
本発明にかかるX線検査装置の概略ブロック図である。 X線検査処理のフローチャートである。 X線検査装置の構成を座標系とともに説明する説明図である。 視野領域の例を示す図である。 断層像に基づいてバンプの中心を算出する処理の例を示す図である。 透過像の抽出を説明するための説明図である。 複数の検出器によってX線画像を取得するX線検査装置の概略構成図である。
符号の説明
10…X線検査装置
11…X線発生器
12…X−Yステージ
12a…基板
13a…X線検出器
13b…回転機構
14…搬送装置
21…X線制御機構
22…ステージ制御機構
23…画像取得機構
23a…θ制御部
24…搬送機構
25a…搬送制御部
25b…X線制御部
25c…ステージ制御部
25d…画像取得部
25d1…補間演算部
25e…良否判定部
26…入力部
27…出力部
28…メモリ
28a…検査位置データ
28b…撮像条件データ
28c…X線画像データ
28d…透過像データ

Claims (7)

  1. X線を複数の検査対象品に照射して異なる位置に配設した検出器によって撮影した複数のX線画像を取得するX線画像取得手段と、
    上記複数のX線画像から同じ検査対象品の透過像を抽出する透過像抽出手段と、
    抽出した透過像に基づいて検査対象品の再構成演算を実行し、検査対象品の検査を行う対象品検査手段とを備えることを特徴とするX線検査装置。
  2. 上記透過像抽出手段は、撮影時における上記複数の検査対象品の配置に基づいて、上記複数のX線画像のそれぞれに含まれる複数の検査対象品の透過像から同じ検査対象品の透過像を特定し、抽出することを特徴とする上記請求項1に記載のX線検査装置。
  3. 上記複数のX線画像によって複数の検査対象品の再構成演算を行うことによって、上記複数の検査対象品の配置を取得することを特徴とする上記請求項2に記載のX線検査装置。
  4. 上記複数のX線画像は所定の軸を中心にした複数の回転位置にて複数の検査対象品を撮影した画像であり、上記再構成演算においては、上記複数のX線画像に含まれる透過像から、上記複数の回転位置と異なる回転位置における透過像を補間演算によって算出することを特徴とする上記請求項1〜請求項3のいずれかに記載のX線検査装置。
  5. 上記対象品検査手段は、ある検査対象品とX線画像を検出する検出器の検出面との相対的な位置関係が上記複数の回転位置毎に異なることに起因して生じる透過像の大きさの変動を補正して再構成演算を行うことを特徴とする上記請求項4に記載のX線検査装置。
  6. X線によって検査対象を検査するX線検査方法であって、
    X線を複数の検査対象品に照射して異なる位置に配設した検出器によって撮影した複数のX線画像を取得するX線画像取得工程と、
    上記複数のX線画像から同じ検査対象品の透過像を抽出する透過像抽出工程と、
    抽出した透過像に基づいて検査対象品の再構成演算を実行し、検査対象品の検査を行う対象品検査工程とを備えることを特徴とするX線検査方法。
  7. X線によって検査対象を検査するX線検査プログラムであって、
    X線を複数の検査対象品に照射して異なる位置に配設した検出器によって撮影した複数のX線画像を取得するX線画像取得機能と、
    上記複数のX線画像から同じ検査対象品の透過像を抽出する透過像抽出機能と、
    抽出した透過像に基づいて検査対象品の再構成演算を実行し、検査対象品の検査を行う対象品検査機能とをコンピュータに実現させることを特徴とするX線検査プログラム。

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