JP2006275605A - シート厚さ測定装置及びシート厚さ測定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 大気の変動を考慮した厚さの測定を行うことにより、高い精度でシートの厚さ測定を可能にする。
【解決手段】 測定対象であるシートSに照射するX線を発生するX線源1と、シートSを透過したX線量を検知するX線センサ2と、X線源1とシートSの間に配置され、かつシートSに到達する前のX線量を検知する補正用センサ3と、X線センサセンサ2で検知されたX線量及び補正用センサ3で検知されたX線量に基づいてシートSの厚さを算出する演算部6と、を備えるシート厚さ測定装置10。演算部6は、補正用センサ3で検知されたX線量に基づいて求められた大気の密度と、X線センサ2で検知されたX線量に基づいてシートSの厚さを算出する。
【選択図】図1
【解決手段】 測定対象であるシートSに照射するX線を発生するX線源1と、シートSを透過したX線量を検知するX線センサ2と、X線源1とシートSの間に配置され、かつシートSに到達する前のX線量を検知する補正用センサ3と、X線センサセンサ2で検知されたX線量及び補正用センサ3で検知されたX線量に基づいてシートSの厚さを算出する演算部6と、を備えるシート厚さ測定装置10。演算部6は、補正用センサ3で検知されたX線量に基づいて求められた大気の密度と、X線センサ2で検知されたX線量に基づいてシートSの厚さを算出する。
【選択図】図1
Description
本発明は、走行するシートにX線を透過させることにより、シートの厚さを測定する装置に関する。
X線を利用してシートの厚さを測定する従来のシート厚さ測定装置は、1対のX線源及びX線センサとを所定距離離間した位置に配置し、走行するシートの走行方向と交差する方向、例えば幅方向に往復動作しながら厚さを測定していた。
上述した従来のシート厚さ測定装置のX線源及びX線センサは、移動するシートの表面に対してシートの幅方向に振幅する連続した弧状の波形状の軌跡を描き、シートの移動方向におけるこの軌跡のピッチはシート状物の走行速度が速くなるにしたがって長くなる。このために、シートの走行速度が速くなるに従ってシートの厚さの測定密度が粗くなる。測定密度を向上させるには、シートの幅方向におけるX線源及びX線センサの往復速度を向上させて、移動するシートの表面に対してシートの幅方向に振幅する連続した弧状の波形状の軌跡のピッチが短くなるようにすれば良いが、シートの幅が大きくなるにつれて上記往復速度は小さくなってしまう。即ち、上述した従来のシート厚さ測定装置では、シートの走行速度が速くなるに従い、またシートの幅が大きくなると厚さの測定精度が劣ってくる。
以上の問題点に対して、特許文献1は、複数のX線源が直線状に所定間隔で配置されたX線管と、X線管の複数のX線源に対向して配置され複数のX線源から所定距離離間した複数のX線センサとを備えており、X線管の複数のX線源と複数のX線センサとの間の所定位置に於いてシートを通過させ、複数のX線源と複数のX線源に対向した複数のX線センサとにより複数のX線源に対向した複数のX線センサとの間でシートの複数の位置の厚さを測定する、ことを特徴とするシート厚さ測定装置を開示している。
特許文献1に開示されたシート厚さ測定装置によれば、複数のX線源と複数のX線源に対向した複数のX線センサとにより複数のX線源に対向した複数のX線センサとの間でシート状物の複数の位置の厚さを測定するため、シートの走行速度が速く、かつシートの幅が大きくなっても厚さの測定精度を向上することができる。
本発明は、シート厚さ測定装置における厚さ測定精度をさらに向上することを目的とする。
本発明は、シート厚さ測定装置における厚さ測定精度をさらに向上することを目的とする。
シート厚さ測定装置は、発生したX線量とシートを透過することにより減弱したX線量とに基づいてシートの厚さを測定するものである。ところが、X線はシート以外にも大気によって減弱が生じる。したがって、このような大気によるX線の減弱を考慮することが厚さ測定精度を向上させるためには必要になることを本発明者等は知見した。
したがって本発明は、測定対象であるシートに照射するX線を発生するX線源と、シートを透過したX線量を検知する第1のセンサと、X線源とシートの間に配置され、かつシートに到達する前のX線量を検知する第2のセンサと、第1のセンサで検知されたX線量及び第2のセンサで検知されたX線量に基づいてシートの厚さを算出する演算部と、を備えることを特徴とするシート厚さ測定装置を提供する。
本発明のシート厚さ測定装置は、第2のセンサで大気のみを透過したX線量を検知することができる。したがって、演算部は、第2のセンサで検知されたX線量に基づいて求められた大気の密度と、第1のセンサで検知されたX線量に基づいてシートの厚さを算出することができるので、本発明のシート厚さ測定装置は、逐次変動する大気の密度を考慮した精度の高い厚さ測定を実現することができる。
したがって本発明は、測定対象であるシートに照射するX線を発生するX線源と、シートを透過したX線量を検知する第1のセンサと、X線源とシートの間に配置され、かつシートに到達する前のX線量を検知する第2のセンサと、第1のセンサで検知されたX線量及び第2のセンサで検知されたX線量に基づいてシートの厚さを算出する演算部と、を備えることを特徴とするシート厚さ測定装置を提供する。
本発明のシート厚さ測定装置は、第2のセンサで大気のみを透過したX線量を検知することができる。したがって、演算部は、第2のセンサで検知されたX線量に基づいて求められた大気の密度と、第1のセンサで検知されたX線量に基づいてシートの厚さを算出することができるので、本発明のシート厚さ測定装置は、逐次変動する大気の密度を考慮した精度の高い厚さ測定を実現することができる。
本発明のシート厚さ測定装置は、複数のX線源が所定方向に配列され、第1のセンサが複数のX線源が配列された領域に対応して設けられ、シートが所定方向に略直交する方向に走行する形態とすることができる。このシート厚さ測定装置は、測定対象であるシートの幅方向にX線源及び第1のセンサを延在することにより、X線量の検知の時間を短縮することができる。この形態において、複数の第2のセンサを前記所定方向に配列することが好ましい。大気の変動を緻密に検知することにより、測定精度向上に資する。
また本発明のシート厚さ測定装置は、隣接するX線源は、同時にX線を発生した場合に、互いに発生したX線が第1のセンサ上にオーバーラップして照射されることが好ましい。特定のX線源が故障したとしても、他のX線源により厚さ測定を継続することができる。
また、本発明のシート厚さ測定装置は、第1のセンサが、所定方向に往復動可能であることが好ましい。X線量の検知を緻密に行うことを可能にする。同様に、本発明のシート厚さ測定装置は、第2のセンサが、所定方向に往復動可能であることが好ましい。少ない数の第2のセンサで、より広い領域の大気の密度の測定を可能にする。
また、本発明のシート厚さ測定装置は、第1のセンサが、所定方向に往復動可能であることが好ましい。X線量の検知を緻密に行うことを可能にする。同様に、本発明のシート厚さ測定装置は、第2のセンサが、所定方向に往復動可能であることが好ましい。少ない数の第2のセンサで、より広い領域の大気の密度の測定を可能にする。
また本発明は、測定対象であるシートに照射するX線を発生するX線源と、シート及び厚さが既知の基準シートを透過したX線量を検知するセンサと、センサで検知されたX線量に基づいてシートの厚さを算出する演算部と、を備えることを特徴とするシート厚さ測定装置を提供する。このシート厚さ測定装置は、基準シートを用いることにより、前述した第2のセンサを用いることなく、大気の密度を求めることを可能とする。つまり本発明のシート厚さ測定装置は、演算部が、センサで検知されたX線量に基づいて、シートを取り囲む大気の密度を求めることができる。
大気の密度の変動を常に検知しておくことは望ましいが、短期間であればそのような変動を無視することもできる。したがって、本発明のシート厚さ測定装置は、適宜基準シートを用いて大気の密度を求め、演算部は、求めた大気の密度を保持する。そしてその後は、基準シートを除去し、以後は保持した密度に基づいてシートの厚さを算出することができる。さらに、基準シートを除去してから所定時間経過した後に、シート及び厚さが既知の基準シートを透過したX線量を再度検知することにより、新たに大気の密度を求める、という手順を繰り返しながら、本発明のシート厚さ測定装置はシートの厚さを測定することができる。
以上のシート厚さ測定装置においても、複数のX線源を所定方向に配列し、センサが複数のX線源が配列された領域に対応して設けられ、シートが所定方向に略直交する方向に走行する形態とすることが好ましい。
以上のシート厚さ測定装置においても、複数のX線源を所定方向に配列し、センサが複数のX線源が配列された領域に対応して設けられ、シートが所定方向に略直交する方向に走行する形態とすることが好ましい。
以上のシート厚さ測定装置を実施することによる本発明のシート厚さ測定方法は、所定方向に走行するシートに対してX線を照射し、シートを透過したX線量を検知することによりシートの厚さを測定する方法であって、シートを取り囲む大気の密度を求めるステップと、大気の密度及びシートを透過したX線量に基づいてシートの厚さを算出するステップと、を備えることを特徴とする。
本発明のシート厚さ測定方法は、大気の密度を、シートに照射される以前に検知されたX線量に基づいて求める形態と、大気の密度を、厚さが既知の基準シート及び測定対象のシートを透過したX線のX線量に基づいて求める形態とを含んでいる。
本発明のシート厚さ測定方法は、大気の密度を、シートに照射される以前に検知されたX線量に基づいて求める形態と、大気の密度を、厚さが既知の基準シート及び測定対象のシートを透過したX線のX線量に基づいて求める形態とを含んでいる。
以上説明したように、本発明によれば、大気の変動を考慮した厚さの測定を行うため、高い精度でシートの厚さ測定を行うことができる。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態によるシート厚さ測定装置10の構成概略を示す図である。
シート厚さ測定装置10は、フィルム等のシートSを、その幅方向(図1の左右方向)に直交する方向に所定速度で走行させながら、その厚さを測定する装置である。
図1において、シート厚さ測定装置10は、被測定物であるシートSにX線を照射するための複数のX線源1と、X線源1から発生され、かつシートSを透過したX線量を計測するためのX線センサ2と、X線源1及びX線センサ2を支持するフレーム5と、各X線源1を覆うフード4を備えている。また、シート厚さ測定装置10は、シートSとX線源1との間に補正用センサ3を備えている。図1に示す例では、3つの補正用センサ3が、各X線源1に対応して、各フード4内に設けてある。なお、各X線源1に対応して設けられる補正用センサ3の数は3つに限るものではない。シート厚さ測定装置10はまた、X線センサ2及び補正用センサ3において計測されるX線量に基づいてシートSの厚さを求める演算部6と、演算部6で求められたシートSの厚さを表示する表示部7を備えている。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態によるシート厚さ測定装置10の構成概略を示す図である。
シート厚さ測定装置10は、フィルム等のシートSを、その幅方向(図1の左右方向)に直交する方向に所定速度で走行させながら、その厚さを測定する装置である。
図1において、シート厚さ測定装置10は、被測定物であるシートSにX線を照射するための複数のX線源1と、X線源1から発生され、かつシートSを透過したX線量を計測するためのX線センサ2と、X線源1及びX線センサ2を支持するフレーム5と、各X線源1を覆うフード4を備えている。また、シート厚さ測定装置10は、シートSとX線源1との間に補正用センサ3を備えている。図1に示す例では、3つの補正用センサ3が、各X線源1に対応して、各フード4内に設けてある。なお、各X線源1に対応して設けられる補正用センサ3の数は3つに限るものではない。シート厚さ測定装置10はまた、X線センサ2及び補正用センサ3において計測されるX線量に基づいてシートSの厚さを求める演算部6と、演算部6で求められたシートSの厚さを表示する表示部7を備えている。
シート厚さ測定装置10において、X線源1としては、例えば5〜100keV程度の低エネルギーX線源を用いることができる。また、X線センサ2及び補正用センサ3のX線検知素子としては、例えばシンチレータを用いることができる。ここで、X線センサ2は、複数のシンチレータを所定ピッチ(例えば、数mmピッチ、数cmピッチ)で配列したラインセンサ形式のセンサで構成されている。フード4は、X線源1から照射されたX線を適切にシートSに導くために設けてある。
ここで、X線の減弱量は、計測する空間に存在する物質の密度に比例し、一般的には、X線センサ2で計測されるX線量Nは(1)式で求めることができる。
N=N0・exp(−k・t・ρ)…(1)
N:X線計測量
N0:X線発生量
k:物質のX線強度による減弱係数
t:物質の厚さ
ρ:物質の密度
N=N0・exp(−k・t・ρ)…(1)
N:X線計測量
N0:X線発生量
k:物質のX線強度による減弱係数
t:物質の厚さ
ρ:物質の密度
シート等のシートSを測定対象とする場合には、X線源1とX線センサ2の間には、シートSの他に大気が存在することになり、X線量Nは(2)式で特定される。
N=N0・exp(−ka・ta・ρa−ks・ts・ρs)…(2)
N:X線計測量
N0:X線発生量
ka:大気のX線強度による減弱係数
ta:大気の厚さ
ρa:大気の密度
ks:シートSのX線強度による減弱係数
ts:シートSの厚さ
ρs:シートSの密度
N=N0・exp(−ka・ta・ρa−ks・ts・ρs)…(2)
N:X線計測量
N0:X線発生量
ka:大気のX線強度による減弱係数
ta:大気の厚さ
ρa:大気の密度
ks:シートSのX線強度による減弱係数
ts:シートSの厚さ
ρs:シートSの密度
ただし、測定時間の経過とともに、測定周囲の大気の密度、X線量、X線センサ2の感度等が変化する。つまり、大気の密度は、気温、気圧、湿度により変化する。また、X線量はX線発生電流、X線菅球の変動(真空度、温度等)により変動する。さらに、X線センサ2の感度は、使用時間と温度により変化する。しかし、ここではいずれも計測中は一定値を保つものとすると、上記(2)式において、ka(大気のX線強度による減弱係数)、ta(大気の厚さ)、ρa(大気の密度)は既知の値として与えられる。また、シートSについて、ks(シートSのX線強度による減弱係数)及びρs(シートSの密度)は既知である。したがって、シートSの厚さtsは、上記(2)式により求めることができる。
しかし、大気の密度が変動するものとすると、上記(2)式のρa(大気の密度)は、現実にはシートSの厚さ測定中に変動し、結果としてシートSの厚さ測定結果の精度を劣化させる。そこで本発明では、補正用センサ3を設け、シートSの厚さ測定時に補正用センサ3によりX線量を計測して、上記(1)式に基づいてその時点の大気の密度ρaaを求める。そして、この密度ρaaを上記(2)式に代入することにより(2)式を補正した下記(3)式によりシートSの厚さtsを求めることができる。
N=N0・exp(−ka・ta・ρaa−ks・ts・ρs)…(3)
ka:大気のX線強度による減弱係数
ta:大気の厚さ
ρaa:測定時における大気の密度
ks:シートSのX線強度による減弱係数
ts:シートSの厚さ
ρs:シートSの密度
N=N0・exp(−ka・ta・ρaa−ks・ts・ρs)…(3)
ka:大気のX線強度による減弱係数
ta:大気の厚さ
ρaa:測定時における大気の密度
ks:シートSのX線強度による減弱係数
ts:シートSの厚さ
ρs:シートSの密度
以上の処理を整理すると以下の通りである。
複数のX線源1より同時にX線を発生させながら、X線センサ2によりX線量を計測する。このX線量をN1とする。X線量N1は演算部6に転送され、かつ保持される。同時に、補正用センサ3によりX線量を計測する。このX線量をN2とする。X線量N2は演算部6に転送され、演算部6は上記(1)式に基づいて大気の密度ρaaを算出する。次に、演算部6は、求めた大気の密度ρaa、さらには保持しているX線量N1を用い、上記(3)式により、シートSの厚さtsを算出する。演算部6は、算出したシートSの厚さtsを表示部7に表示させる。
複数のX線源1より同時にX線を発生させながら、X線センサ2によりX線量を計測する。このX線量をN1とする。X線量N1は演算部6に転送され、かつ保持される。同時に、補正用センサ3によりX線量を計測する。このX線量をN2とする。X線量N2は演算部6に転送され、演算部6は上記(1)式に基づいて大気の密度ρaaを算出する。次に、演算部6は、求めた大気の密度ρaa、さらには保持しているX線量N1を用い、上記(3)式により、シートSの厚さtsを算出する。演算部6は、算出したシートSの厚さtsを表示部7に表示させる。
図1に示すように、シート厚さ測定装置10は複数の補正用センサ3を備えている。各補正用センサ3には、X線センサ2の所定領域毎に対応付けされている。例えば、図1の例では、15個の補正用センサ3を備えているので、X線センサ2を仮想的に15の領域に区分し、各補正用センサ3が15に区分された領域毎に対応付けすることができる。演算部6は、各補正用センサ3及びこれに対応付けられている領域毎に上記演算処理を行うことにより、シートSの幅方向の厚さtsを算出し、かつ表示部7に表示させることができる。
ここで、X線源1とX線センサ2の距離t0は一定であり、下記(4)式が成り立つ。
t0=ta+ts…(4)
減弱係数はX線強度により変化するが、X線強度が強いほど減弱係数は小さく、X線強度が弱いほど減弱係数は大きくなる。そこで、シートの厚さが厚くなり、減弱率が小さくなりすぎた場合は、X線強度を上げ、シートSの厚さが薄くなり、減弱率が大きくなりすぎた場合は、X線強度を上げることが、測定精度向上のためには好ましい。
t0=ta+ts…(4)
減弱係数はX線強度により変化するが、X線強度が強いほど減弱係数は小さく、X線強度が弱いほど減弱係数は大きくなる。そこで、シートの厚さが厚くなり、減弱率が小さくなりすぎた場合は、X線強度を上げ、シートSの厚さが薄くなり、減弱率が大きくなりすぎた場合は、X線強度を上げることが、測定精度向上のためには好ましい。
以上説明したように、シート厚さ測定装置10は、X線センサ2の他に、補正用センサ3を設け、シートSの周囲の大気の密度を求めることができる。そして、求めた大気の密度を用いてシートSの厚さtsを算出するため、算出されたシートSの厚さtsは精度が高い。特に、シート厚さ測定装置10は、複数の補正用センサ3を設けているため、大気の密度の変動があっても、高い精度でシートSの厚さtsを測定することができる。
また、シート厚さ測定装置10は、シートSの幅方向に複数のX線源1を設けるとともに、ラインセンサ形式のX線センサ2を設けているため、X線源1及びX線センサ2の移動を行う必要がない。したがって、演算部6における演算処理の時間だけでシートSの厚さtsを測定することができる。
また、シート厚さ測定装置10は、シートSの幅方向に複数のX線源1を設けるとともに、ラインセンサ形式のX線センサ2を設けているため、X線源1及びX線センサ2の移動を行う必要がない。したがって、演算部6における演算処理の時間だけでシートSの厚さtsを測定することができる。
次に、シート厚さ測定装置10の変形例を図2に基づいて説明する。なお、図1と同様の構成部分には、図1と同様の符号を付すことにより、その説明を省略する。
図2に示すシート厚さ測定装置10は、隣接するX線源1からX線が同時に発生された場合、そのX線がX線センサ2上でオーバーラップするように設定されている。ただし、実際にシートSの厚さtsを測定する場合には、各X線源1からのX線発生のタイミングをずらす。例えば、図2の例の場合、図中、左側のX線源1から順番にX線を発生し、最後に右側のX線源1からX線を発生させる。
図2に示すシート厚さ測定装置10は、隣接するX線源1からX線が同時に発生された場合、そのX線がX線センサ2上でオーバーラップするように設定されている。ただし、実際にシートSの厚さtsを測定する場合には、各X線源1からのX線発生のタイミングをずらす。例えば、図2の例の場合、図中、左側のX線源1から順番にX線を発生し、最後に右側のX線源1からX線を発生させる。
このシート厚さ測定装置10は、いずれかのX線源1が故障により機能しなくなった場合でも、他のX線源1からX線を発生させることにより、シートSの厚さtsの測定を継続することができる。
なお、図2のシート厚さ測定装置10の場合、シートSの厚さtsの測定の際に、上述した例のように、全てのX線源1から順次X線を発生させる必要はない。例えば、図中、左側から1番目、3番目及び5番目のX線源1から同時にX線を発生させ、図中、左側から2番目及び4番目のX線源1からのX線の発生を行わないこともできる。
なお、図2のシート厚さ測定装置10の場合、シートSの厚さtsの測定の際に、上述した例のように、全てのX線源1から順次X線を発生させる必要はない。例えば、図中、左側から1番目、3番目及び5番目のX線源1から同時にX線を発生させ、図中、左側から2番目及び4番目のX線源1からのX線の発生を行わないこともできる。
次に、シート厚さ測定装置10の変形例を図3に基づいて説明する。なお、図1と同様の構成部分には、図1と同様の符号を付すことにより、その説明を省略する。
図3に示すシート厚さ測定装置10は、X線センサ2をシートSの幅方向に往復動させる駆動装置8を備えている。駆動装置8は、X線センサ2を構成する、例えばシンチレータの配列ピッチに相当する距離だけ、X線センサ2を往復動することができる。
図3に示すシート厚さ測定装置10は、X線センサ2をシートSの幅方向に往復動させる駆動装置8を備えている。駆動装置8は、X線センサ2を構成する、例えばシンチレータの配列ピッチに相当する距離だけ、X線センサ2を往復動することができる。
X線源1からX線を発生させてシートSの厚さtsを測定する際に、駆動装置8は、X線センサ2を往復動させる。この往復動により、X線センサ2は初期状態の第1の位置、移動した第2の位置間を間欠的に移動する。X線センサ2は第1の位置及び第2の位置間を往復動し、第1の位置にてX線を検知し、かつ第2の位置にてX線を検知することにより、X線センサ2は、シートSの幅方向において隙間なくX線を検知することができる。なお、ここでは、第1の位置、第2の位置にて説明したが、往復動の過程の3箇所以上の位置においてX線を検知することもできることは言うまでもない。
したがって、図3に示すシート厚さ測定装置10は、シートSの幅方向において、隙間なくシートSの厚さtsを測定することができる。また、X線検知素子の数を少なくしても、シートSの幅方向において、隙間なくシートSの厚さtsを測定することができる。
次に、シート厚さ測定装置10の変形例を図4に基づいて説明する。なお、図1と同様の構成部分には、図1と同様の符号を付すことにより、その説明を省略する。
図4に示すシート厚さ測定装置10は、補正用センサ3をシートSの幅方向に往復動させる駆動装置9を備えている。
図4に示すシート厚さ測定装置10は、補正用センサ3をシートSの幅方向に往復動させる駆動装置9を備えている。
X線源1からX線を発生させてシートSの厚さtsを測定する際に、駆動装置9は、補正用センサ3を往復動させる。この往復動により、補正用センサ3は初期状態の第1の位置、移動した第2の位置間を間欠的に移動する。補正用センサ3は第1の位置及び第2の位置間を往復動し、第1の位置にてX線を検知し、かつ第2の位置にてX線を検知することにより、補正用センサ3は、シートSの幅方向の広範な領域においてX線を検知することができる。なお、ここでは、第1の位置、第2の位置にて説明したが、往復動の過程の3箇所以上の位置においてX線を検知することもできることは言うまでもない。
したがって、図4に示すシート厚さ測定装置10は、補正用センサ3の数が少ない場合であってあっても、大気の密度の変動に対応して、高い精度でシートSの厚さtsを測定することができる。
<第2実施形態>
以上の第1実施形態のシート厚さ測定装置10は、大気の密度の変動を補正用センサ3により求め、求めた密度を用いてシートSの厚さtsを測定するものであった。
第2実施形態によるシート厚さ測定装置は、補正用センサ3を用いることなく大気の変動に応じたシートSの厚さtsを測定するものである。
以上の第1実施形態のシート厚さ測定装置10は、大気の密度の変動を補正用センサ3により求め、求めた密度を用いてシートSの厚さtsを測定するものであった。
第2実施形態によるシート厚さ測定装置は、補正用センサ3を用いることなく大気の変動に応じたシートSの厚さtsを測定するものである。
図5は、第2実施形態によるシート厚さ測定装置20の構成概略を示す図である。
シート厚さ測定装置20は、シート等のシートSが、その幅方向(図5の左右方向)に直交する方向に所定速度で走行しながら、その厚さを測定する装置である。
図5において、シート厚さ測定装置20は、被測定物であるシートSにX線を照射するための複数のX線源11と、X線源11から照射され、かつシートSを透過したX量を測定するためのX線センサ12と、X線源11及びX線センサ12を支持するフレーム15と、各X線源11を覆うフード14を備えている。シート厚さ測定装置20はまた、X線センサ12において計測されるX線量に基づいてシートSの厚さを求める演算部16と、演算部16で求められたシートSの厚さtsを表示する表示部17を備えている。
なお、X線源11及びX線センサ12は、第1実施形態のX線源1及びX線センサ2と同様の構成とすればよい。また、フード14も同様である。
シート厚さ測定装置20は、シート等のシートSが、その幅方向(図5の左右方向)に直交する方向に所定速度で走行しながら、その厚さを測定する装置である。
図5において、シート厚さ測定装置20は、被測定物であるシートSにX線を照射するための複数のX線源11と、X線源11から照射され、かつシートSを透過したX量を測定するためのX線センサ12と、X線源11及びX線センサ12を支持するフレーム15と、各X線源11を覆うフード14を備えている。シート厚さ測定装置20はまた、X線センサ12において計測されるX線量に基づいてシートSの厚さを求める演算部16と、演算部16で求められたシートSの厚さtsを表示する表示部17を備えている。
なお、X線源11及びX線センサ12は、第1実施形態のX線源1及びX線センサ2と同様の構成とすればよい。また、フード14も同様である。
第2実施形態によるシート厚さ測定装置20は、厚さが既知の基準シートS1を、シートSとともにX線源11及びX線センサ12との間に挿入する。この基準シートS1を挿入した状態、つまり基準シートS1及びシートSを透過したX線量に基づいて、シート厚さ測定装置20は、大気の変動を考慮したシートSの厚さtsを測定する。この測定は、所定の演算処理を伴うものであり、この演算処理は演算部16が行う。以下、この演算処理の内容について説明する。
シートSの厚さを測定する場合、X線源11とX線センサ12の間には、シートSと大気が存在する。したがって、下記の(2’)式が成立する。なお、上述したように、計測時間の経過とともに、測定周囲の大気の密度、X線量、X線センサ12の感度が変化するが、計測中は一定値を保つものとする。
N=N0・exp(−ka・ta0・ρa−ks・ts・ρs)…(2’)
ka:大気のX線強度による減弱係数
ta0:大気の厚さ(基準シートS1挿入前)
ρa:大気の密度
ks:シートSのX線強度による減弱係数
ts:シートSの厚さ
ρs:シートSの密度
N=N0・exp(−ka・ta0・ρa−ks・ts・ρs)…(2’)
ka:大気のX線強度による減弱係数
ta0:大気の厚さ(基準シートS1挿入前)
ρa:大気の密度
ks:シートSのX線強度による減弱係数
ts:シートSの厚さ
ρs:シートSの密度
ここで、基準シートS1を図5に示すように挿入すると、以下の(5)式が成り立つ。なお、基準シートS1は、測定対象のシートSと同じ材料で構成されている。したがって、基準シートS1は、X線強度による減弱係数及び密度が、シートSと同じである。
N1=N0・exp(−ka・ta1・ρa−kS・ts・ρs−ks・ts1・ρs)…(5)
t0 = ta1+ts+ts1…(6)
N1:X線計測量
ta1:空気の厚さ(基準シートS1挿入後)
ts1:基準シートS1の厚さ
t0 = ta1+ts+ts1…(6)
N1:X線計測量
ta1:空気の厚さ(基準シートS1挿入後)
ts1:基準シートS1の厚さ
ここで、大気、シートS及び基準シートS1の減衰係数と密度の積を次の通りとする。
Ka=ka・ρa
Ks=ks・ρs
また、X線量を自然対数にした数値を以下のように置換える。
LogeNx=LNx
Ka=ka・ρa
Ks=ks・ρs
また、X線量を自然対数にした数値を以下のように置換える。
LogeNx=LNx
(2’)、(5)式に置換えると以下の通りである。
LN0−LN=Kata+Ksts…(7)
LN0−LN1=Kat a1 +Ksts+Ksts1 …(8)
LN0−LN=Kata+Ksts…(7)
LN0−LN1=Kat a1 +Ksts+Ksts1 …(8)
これらの連立方程式に於いて、未知数はts、Ka、ta0〜ta1である。ただし、ta0〜ta1は、(3)式及び(6)式より、既知のt0とts1及びtsで置換えると(9)式および(10)式を得ることができ、実質的な未知数は2つとなる。つまり、基準シートS1を挿入することにより、解を求めることのできる連立方程式が得られる。
LN0−LN=Ka(t0−ts)+Ksts…(9)
LN0−LN1=Ka (t0−ts−ts1)+Ksts+Ksts1 …(10)
LN0−LN=Ka(t0−ts)+Ksts…(9)
LN0−LN1=Ka (t0−ts−ts1)+Ksts+Ksts1 …(10)
(9)式及び(10)式より(11)式が得られ、これより、空気の減弱係数と密度の積Kaは(12)式により容易に求められる。求められたKaを(5)式に代入することにより、大気の密度の変動があっても、当該密度に応じたシートSの厚さtsを精度よく求めることができる。なお、Kaの中で、空気の減衰係数kaは既知であるから、Kaを求めることは、実質的には大気の密度を求めることと等価である。
LN−LN1=Ka(−ts1)+Ksts1…(11)
Ka=Ks−(LN−LN1)/ts1…(12)
LN−LN1=Ka(−ts1)+Ksts1…(11)
Ka=Ks−(LN−LN1)/ts1…(12)
演算部16は、シートS(S1)のX線強度による減弱係数ks、シートS(S1)の密度ρs、基準シートS1の厚さtS1を予め保持しておき、X線センサ12からX線計測量N1を取得すると、以上の演算処理を実行することにより、シートSの幅方向の厚さtsを算出する。演算部16は、算出したシートSの厚さtsを表示部17に表示させる。
シートSの測定全期間に亘って基準シートS1を挿入して大気の密度を求める必要はない。特定の時期に大気の密度を求めたならば、その密度を演算部16は保持する。そして、所定の期間内はその密度に基づいてシートSの厚さtsを算出することができる。この期間中には、基準シートS1を除去しておくことができる。そして、所定期間経過後に、再度基準シートS1を挿入して、上記と同様に、新たな大気の密度を求め、それを演算部16が保持し、以後はその密度に基づいてシートSの厚さtsを算出することができる。シート厚さ測定装置20は、このような手順を繰り返すことによって、シートSの厚さtsを算出することができる。
以上説明したように、シート厚さ測定装置20は、基準シートS1を挿入することにより、計測時点での大気の密度を求めることができる。そして、求めた大気の密度を用いてシートSの厚さtsを算出するため、算出されたシートSの厚さtsは精度が高い。特に、シート厚さ測定装置20は、シート厚さ測定装置10のように補正用センサ3を設ける必要がないため、装置のコストを低減することができる。
また、シート厚さ測定装置20は、シートSの幅方向に複数のX線源11を設けるとともに、ラインセンサ形式のX線センサ12を設けているため、X線源11及びX線センサ12の移動を行う必要がない。したがって、演算部16における演算処理の時間だけでシートSの厚さtsを測定することができる。
また、シート厚さ測定装置20は、シートSの幅方向に複数のX線源11を設けるとともに、ラインセンサ形式のX線センサ12を設けているため、X線源11及びX線センサ12の移動を行う必要がない。したがって、演算部16における演算処理の時間だけでシートSの厚さtsを測定することができる。
10,20…シート厚さ測定装置、1,11…X線源、2,12…X線センサ、3…補正用センサ、4…フード、5…フレーム、6,16…演算部、7,17…表示部、8,9…駆動装置、S…シート
Claims (15)
- 測定対象であるシートに照射するX線を発生するX線源と、
前記シートを透過したX線量を検知する第1のセンサと、
前記X線源と前記シートの間に配置され、かつ前記シートに到達する前のX線量を検知する第2のセンサと、
前記第1のセンサで検知されたX線量及び前記第2のセンサで検知されたX線量に基づいて前記シートの厚さを算出する演算部と、
を備えることを特徴とするシート厚さ測定装置。 - 前記演算部は、前記第2のセンサで検知されたX線量に基づいて求められた大気の密度と、前記第1のセンサで検知されたX線量に基づいて前記シートの厚さを算出することを特徴とする請求項1に記載のシート厚さ測定装置。
- 複数の前記X線源が所定方向に配列され、
前記第1のセンサは、複数の前記X線源が配列された領域に対応して設けられ、
前記シートは、前記所定方向に略直交する方向に走行することを特徴とする請求項1又は2に記載のシート厚さ測定装置。 - 複数の前記第2のセンサが前記所定方向に配列されていることを特徴とする請求項3に記載のシート厚さ測定装置。
- 隣接する前記X線源は、同時にX線を発生した場合に、互いに発生したX線が前記第1のセンサ上にオーバーラップして照射されることを特徴とする請求項3又は4に記載のシート厚さ測定装置。
- 前記第1のセンサは、前記所定方向に往復動可能であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のシート厚さ測定装置。
- 前記第2のセンサは、前記所定方向に往復動可能であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のシート厚さ測定装置。
- 測定対象であるシートに照射するX線を発生するX線源と、
前記シート及び厚さが既知の基準シートを透過したX線量を検知するセンサと、
前記センサで検知された前記X線量に基づいて前記シートの厚さを算出する演算部と、
を備えることを特徴とするシート厚さ測定装置。 - 前記演算部は、前記センサで検知された前記X線量に基づいて、前記シートを取り囲む大気の密度を求めることを特徴とする請求項8に記載のシート厚さ測定装置。
- 前記演算部は、求めた前記大気の密度を保持し、
前記基準シートを除去した後に、保持した前記密度に基づいて前記シートの厚さを算出することを特徴とする請求項9に記載のシート厚さ測定装置。 - 前記基準シートを除去してから所定時間経過した後に、前記シート及び厚さが既知の前記基準シートを透過した前記X線量を検知することを特徴とする請求項10に記載のシート厚さ測定装置。
- 複数の前記X線源が所定方向に配列され、
前記センサは、複数の前記X線源が配列された領域に対応して設けられ、
前記シートは、前記所定方向に略直交する方向に走行することを特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載のシート厚さ測定装置。 - 所定方向に走行するシートに対してX線を照射し、前記シートを透過したX線量を検知することにより前記シートの厚さを測定する方法であって、
前記シートを取り囲む大気の密度を求めるステップと、
前記大気の密度及び前記シートを透過したX線量に基づいて前記シートの厚さを算出するステップと、
を備えることを特徴とするシート厚さ測定方法。 - 前記大気の密度は、前記シートに照射される以前に検知されたX線量に基づいて求められることを特徴とする請求項13に記載のシート厚さ測定方法。
- 前記大気の密度は、厚さが既知の基準シート及び前記シートを透過したX線のX線量に基づいて求められることを特徴とする請求項13に記載のシート厚さ測定方法。
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