JP2020091293A - 線量分布モニタおよび放射線照射システム - Google Patents
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Abstract
【課題】放射線の空間分布を高精度に測定できる線量分布モニタを提供する。【解決手段】線量分布モニタは、放射線を検出する複数の検出チャネル(ワイヤ電極22a〜22c)を有する比例計数管12と、検出された検出信号(増幅電流I1〜I3)に基づいて放射線における線量の空間分布である線量空間分布を生成する計測回路13を備える。計測回路13は、比例計数管12内の電界強度Eを演算し、この演算された電界強度Eと、ガス情報記憶部48に記憶されたガス情報に基づいて、検出チャネル毎のガス増幅率M1〜M3を演算するガス増幅率演算部50と、検出チャネル毎の検出信号と、ガス増幅率M1〜M3とに基づいて、検出信号を補正した補正信号(補正後電流Ia1〜Ia3)を生成する補正演算部43と、補正信号に基づいて線量空間分布を生成する分布生成部44を備える。【選択図】図2
Description
本発明は、X線、ガンマ線、電子線、陽子、重粒子等の放射線の空間分布を測定する線量分布モニタ及び線量分布モニタを備えた放射線照射システムに関するものである。
放射線の空間分布を測定する線量分布モニタは、多くの場合、電離箱が用いられる。放射線の放射線強度が弱い場合や、細いビームを高速で走査させるときのように、短時間での測定が求められる場合には、ガス増幅により信号強度を増大できる比例計数管を用いる場合がある。比例計数管では、測定対象の放射線の強度により出力信号、すなわち出力電流が変化するが、これにより比例計数管に印加される印加電圧の変動をもたらすことがある。この印加電圧変動により、ガス増幅率が変化して感度変動が起こることがある。
ガス増幅率は、一次イオン対(電子とイオン)の数と比例計数管内で最終的に生成された全電荷に対応する電子数との比であり、印加電圧に対して非線形な変化をする。このため比例計数管の印加電圧がノイズ等により変動する場合には、正しいガス増幅率を用いなければ、放射線の空間分布を高精度に測定することはできない。特許文献1には、比例計数管の印加電圧を常時モニタし、モニタ結果に基づいてその時々のガス増幅率を求めて、入射X線エネルギーを算出する比例計数管が記載されている。また、特許文献2には、あらかじめガンマ線検出器の印加電圧とガス増幅率の関係を求めるなどの方法により、ガス電子増倍検出部の出力を補正する方法が記載されている。
また、放射線の空間分布を短時間に測定する方法として、並列測定ができる多素子検出器がある。特許文献3には、シンチレータと半導体検出素子からなるアレイセンサーにおける個々の素子の感度ばらつきを補正することで、リング状アーチファクトを極力低減するX線CTの画質改善方法が記載されている。多素子検出器で同時に放射線を測定する際に、測定精度を確保するためには、個々の素子の感度ばらつきを許容範囲内に抑えることが必要となる。特許文献3に記載された半導体検出素子の感度ばらつきを補正する方法は、定常状態に達したビームを用いて検出器全体(アレイセンサー)を素子ピッチの距離だけ移動させた場合の測定値と、移動前の測定値とを比較して、素子ごとの相対補正係数を算出し、この相対補正係数を用いて補正するものである。
特許文献3の多素子検出器のように、複数のチャネルを並列測定する比例計数管には、複数の方式がある。例えば、一つの空間内に多数のワイヤ状の電極を配置するマルチワイヤ式、平板電極を分割するストリップ電極式、ガス電子増幅(GEM(Gas Electron Multiplier))式などの比例計数管がある。電極にかかる印加電圧の変動による感度変化を補正するには特許文献1や特許文献2の方法を用いることは可能であるが、これは検出器が1個の場合に限られる。1つの空間内に多数の電極を有する比例計数管の場合、ある任意の位置の印加電圧を測定するだけでは正確なガス増幅率を求めることができない。これは、ガス増幅率が、印加電圧だけではなく電界強度(電場、すなわち、単位長さあたりの電位差)に依存するためである。
マルチワイヤ式、ストリップ電極式、GEM式の比例計数管では、各電極の印加電圧変動が起こった場合、電極と電極の間など、比例計数管内空間の電界強度分布が変化する。そして、前述したように、ガス増幅率は電界強度に非線形に変化する。比例計数管の感度は非線形に変化するガス増幅率に依存するので、検出器(比例計数管)の感度が場所により非線形な変化をしてしまう。そのため、複数のチャネルを並列測定する比例計数管は、各電極の印加電圧を測定するだけでは、検出器(比例計数管)における各位置の感度補正を正確に行うことができなくなる。複数のチャネルを並列測定する比例計数管では各位置のガス増幅率が非線形に変化するため、特許文献3のような定常状態のビームを用いて求めた感度補正係数では、ガス増幅率の局所的な変化に対応できないので位置依存性の補正が不可能となる。
本発明は、上記のような問題を解決しようとする技術的課題を鑑みてなされたものであって、比例計数管のガス増幅率を正確に求めことができ、放射線の空間分布を高精度に測定できる線量分布モニタを得ることを目的とする。
本発明の線量分布モニタは、放射線を検出する複数の検出チャネルを有する比例計数管と、複数の検出チャネルで検出された検出信号に基づいて放射線における線量の空間分布である線量空間分布を生成する計測回路を備える。計測回路は、比例計数管に封入されたガスのガス情報を記憶したガス情報記憶部と、比例計数管内の電界強度を演算し、この演算された電界強度と、ガス情報記憶部に記憶されたガス情報に基づいて、検出チャネル毎のガス増幅率を演算するガス増幅率演算部と、検出チャネル毎の検出信号と、ガス増幅率演算部にて演算された当該検出チャネルに対応するガス増幅率とに基づいて、検出信号を補正した補正信号を生成する補正演算部と、補正信号に基づいて線量空間分布を生成する分布生成部を備えたことを特徴とする。
本発明の線量分布モニタは、比例計数管の検出チャネル毎にガス増幅率を演算し、このガス増幅率により補正された補正信号に基づいて線量空間分布を生成するので、比例計数管のガス増幅率を正確に求めことができ、放射線の空間分布を高精度に測定できる。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による放射線照射システムのブロック図である。図2は、本発明の実施の形態1による線量分布モニタのブロック図である。図3は図2の比例計数管の模式図であり、図4及び図5は図2の比例計数管内の等電位分布の例の模式図である。図6は図2の比例計数管内の電界強度分布の例のグラフであり、図7は図2の比例計数管の電界強度とガス増幅率の関係の例を示したグラフである。放射線照射システム1は、被照射対象物16にX線、電子線、陽子線などの放射線17を照射する放射線発生装置14と、放射線17の空間分布を測定する線量分布モニタ11a、11bと、放射線発生装置14の照射方向や照射時間を制御する照射制御装置15を備えている。
図1は、本発明の実施の形態1による放射線照射システムのブロック図である。図2は、本発明の実施の形態1による線量分布モニタのブロック図である。図3は図2の比例計数管の模式図であり、図4及び図5は図2の比例計数管内の等電位分布の例の模式図である。図6は図2の比例計数管内の電界強度分布の例のグラフであり、図7は図2の比例計数管の電界強度とガス増幅率の関係の例を示したグラフである。放射線照射システム1は、被照射対象物16にX線、電子線、陽子線などの放射線17を照射する放射線発生装置14と、放射線17の空間分布を測定する線量分布モニタ11a、11bと、放射線発生装置14の照射方向や照射時間を制御する照射制御装置15を備えている。
放射線17は、被照射対象物16の所定の領域に所定の線量だけ照射されるように、適切な時間だけ走査される。走査されるビーム(放射線17)の位置をモニタするために、放射線17の進行経路上に、透過型の線量分布モニタ11a、11bが配置される。図1では、x方向のビーム位置や空間分布を測定する線量分布モニタ11aと、y方向のビーム位置や空間分布を測定する線量分布モニタ11bを示した。y方向は、x方向に垂直な方向である。線量分布モニタの符号は、総括的に11を用い、区別する場合に11a、11bを用いる。線量分布モニタ11は、図2に示す様に、センサ部分であるマルチワイヤ式の比例計数管12と、比例計数管12の出力から放射線17の位置や空間分布を計測する計測回路13からなる。ここで、比例計数管の符号は、総括的に12を用い、線量分布モニタ11aと11bとで区別する場合に12a、12bを用いる。同様に計測回路の符号は、総括的に13を用い、線量分布モニタ11aと11bとで区別する場合に13a、13bを用いる。なお、図2には、線量分布モニタ11を構成する比例計数管12及び計測回路13の他に、照射制御装置15も図示している。したがって、線量分布モニタ11aは、例えば、センサ部分であるマルチワイヤ式の比例計数管12aと、比例計数管12aの出力から放射線17の位置や空間分布を計測する計測回路13aからなる。同様に、線量分布モニタ11bは、例えば、センサ部分であるマルチワイヤ式の比例計数管12bと、比例計数管12bの出力から放射線17の位置や空間分布を計測する計測回路13bからなる。線量分布モニタ11bの構成も線量分布モニタ11aと同じであるが、比例計数管12aと比例計数管12bとは内部に配置されたワイヤ電極22a〜22kの延伸方向が互いに垂直になっている。ワイヤ電極22a〜22kは、放射線を検出する複数の検出チャネルである。なお、比例計数管の符号は、総括的に12を用い、区別する場合に12a、12bを用いる。同様に計測回路の符号は、総括的に13を用い、区別する場合に13a、13bを用いる。
被照射対象物16に正確に放射線17を照射するため、線量分布モニタ11により計測されたビーム位置や空間分布は放射線発生装置14の照射方向や照射時間を制御する照射制御装置15にフィードバックされる。このような放射線照射システム1は、医療器具や食品等の滅菌及び殺菌、樹脂等の材料改質、がんの放射線治療などに用いられる。特にがんの放射線治療では、患部に放射線を集中し、正常組織にはできるだけ放射線を照射しないような制御が必要となるため、高精度な線量分布モニタ11と照射制御装置15が必須となる。なお、放射線照射システム1は、線量分布モニタ11により計測されたビーム位置や空間分布が予定のビーム位置や空間分布から所定の範囲(許容範囲)を超えた場合に、照射を停止する例もある。この例では、計測されたビーム位置や空間分布が予定のビーム位置や空間分布から所定の範囲(許容範囲)を超えた場合に、照射を停止するので、被照射対象物16に正確に放射線17を照射することができる。
図2、図3を用いて、線量分布モニタ11を説明する。図3に示すように、比例計数管12は、例えば複数のワイヤ電極22a、22b、22c、22d、22e、22f、22g、22h、22i、22j、22kを備えている。なお、図2において比例計数管12のワイヤ電極は、3本のワイヤ電極22a、22b、22cのみ示した。計測回路13は、高圧電源41と、比例計数管12の複数のワイヤ電極22a、22b、22cに対応した数の増幅器42a、42b、42cと、補正演算部43と、分布生成部44と、電圧測定器45と、ワイヤ電極22a〜22kの形状情報を記憶した電極形状記憶部46と、比例計数管12に封入されたガスのガス情報を記憶したガス情報記憶部48と、ガス増幅率演算部50を備える。
線量分布モニタ11のワイヤ電極22a、22b、22cには高圧電源41により、ある一定の高電圧が印加されており、通常は各ワイヤ電極には同一の電圧が印加される。これにより、ワイヤ電極22a、22b、22cと周辺の電極(例えば接地された筐体21)の間には電界が形成される。放射線17がマルチワイヤ式の比例計数管12に入射すると、比例計数管12内のガスが電離する。ガスが電離したときに生成する電子とイオンは、比例計数管12内の電界により移動及び加速されて電子雪崩を起こし、比例計数管12の出力電流が増加する、すなわち「ガス増幅」が起こる。
マルチワイヤ式の比例計数管12は、各ワイヤ電極22a、22b、22cに流れる信号電流i1、i2、i3を各ワイヤ電極22a、22b、22cに対応する計測回路13の増幅器42a、42b、42cに出力する。増幅器42a、42b、42cは、各ワイヤ電極22a、22b、22cの信号電流i1、i2、i3を増幅した増幅電流I1、I2、I3を補正演算部43に出力する。補正演算部43は、増幅器42a、42b、42cから出力された増幅電流I1、I2、I3を、ガス増幅率演算部50で演算されたガス増幅率M1、M2、M3に基づいて補正し、補正された補正後電流Ia1、Ia2、Ia3を分布生成部44に出力する。なお、適宜、増幅電流I1、I2、I3を検出電流I1、I2、I3と呼ぶ。分布生成部44は、補正演算部43から出力された補正後電流Ia1、Ia2、Ia3に基づいて比例計数管12内の空間線量分布を生成し、分布生成部44の表示画面に空間線量分布を表示する。このように線量分布モニタ11は、分布生成部44の表示画面に表示された空間線量分布により、比例計数管12内の空間線量分布をモニタすることができる。また、線量分布モニタ11が測定した測定結果は放射線17を正確に照射するために、放射線発生装置14の照射制御装置15に出力される。照射制御装置15に出力される測定結果は、例えば所定時間毎に測定された放射線17の線量分布モニタ11を通過したビーム位置である。
各ワイヤ電極22a、22b、22cからの出力(信号電流)は、放射線17による電離量が同じであるとすると、ガス増幅率に比例する。したがって、各ワイヤ電極22a、22b、22cのガス増幅率が同一となるのが理想的な均一な検出器である。しかし、各ワイヤ電極22a、22b、22cにかかる印加電圧Viが変動すると、電極近傍だけでなく、電極と電極の間など、比例計数管12内の電界強度分布が変化する。例えば図3のようなマルチワイヤ式の比例計数管12では、筐体21の内部に複数のワイヤ電極22a、22b、22c等があって、それらの電極には電圧Vi1が印加される。一方、筐体面または筐体面近くにある外側電極25(図4、図5参照)には接地電位である電圧V0が印加される。
図3では、管体23と管体23の開口を覆う2つの蓋24を備えた筐体21に、11本のワイヤ電極22a、22b、22c、22d、22e、22f、22g、22h、22i、22j、22kが配置された比例計数管12の例を示した。ワイヤ電極22a〜22kは、管体23の延伸方向に配置されている。管体23は金属製または樹脂製である。樹脂製の場合は、管体23の内周面(筐体内面)に、外側電極25が形成されている。蓋24は樹脂製である。樹脂製の管体23、蓋24は、例えばアクリル、ポリスチレン、ポリエチレンなどの樹脂からできている。アクリル、ポリスチレン、ポリエチレンなどの樹脂から形成された管体23、蓋24は透明であってもよい。樹脂製の管体23に形成される外側電極25は、薄い金属膜である。
図3の各ワイヤ電極22a〜22kに垂直な断面26の等電位分布の例を図4に示す。図4はワイヤ電極22a、22b、22c付近の等電位分布27であり、図の下側の蓋24から見た図である。図4において、紙面に垂直な方向にワイヤ電極22a、22b、22cが延在している。外側電極25の電位がV0(接地電位、基準電位)で、ワイヤ電極22a、22b、22cの電位が両方ともVi1の場合である。このとき、例えば細いビームサイズの放射線17を高速走査させる場合のように、ある時刻におけるビーム強度が局所的に増大または減少すると、各ワイヤ電極22a、22b、22cからの出力である信号電流が変化しワイヤ電極にかかる印加電圧Viが局所的に変動する。図5は、例えばワイヤ電極22a、22b、22cにかかる印加電圧がそれぞれVi1、Vi2、Vi1となったときの等電位分布28を示したものである。なお、Vi1<Vi2である。電界強度Eは単位距離当たりの電位差であるので、印加電圧Viが図4の状態から図5の状態に変化すると、等電位分布27から等電位分布28に変化し、空間内の電界強度Eの分布も変化する。
図6は、図4および図5のB1−B2間の電界強度Eを模式的に示したものである。縦軸は電界強度Eであり、横軸は位置である。電界強度分布29は図4の等電位分布27に対応しており、電界強度分布30は図5の等電位分布28に対応している。位置W1、W2、W3は、それぞれワイヤ電極22a、22b、22cの位置である。ガス増幅率Mは、比例計数管12内の電界強度E(x、y、z)、ガスの種類から決まる定数A、B、ガス圧力Pを入力として、後述する所定の計算方法で求めることができる。なお、x、y、zは位置座標である。z方向は、x方向及びy方向に垂直な方向である。図6のように、比例計数管12の空間内の電界強度分布が、電界強度分布29から電界強度分布30に変化したり、これと逆である電界強度分布30から電界強度分布29に変化する場合は、ガス増幅率Mがワイヤ電極22a、22b、22cの場所により変化してしまう。
以下にガス増幅率Mの算出方法を述べる。放射線17による電離で発生した電子は、比例計数管12内の電界の力を受けて近くの電極に向けて移動する。電子が距離Lを移動するときのガス増幅率Mは、式(1)で表すことができる。
ここでα(E)は、式(2)である。
α(E)=A・P・exp{−(B・P)/E} ・・・(2)
α(E)=A・P・exp{−(B・P)/E} ・・・(2)
放射線17による電離で発生する電子の場所は比例計数管12内全体にわたるので、各ワイヤ電極22a〜22kが受け持つ有感領域ごとに、それぞれMの値を求めることができる。すなわち、ガス増幅率Mは、各ワイヤ電極に対してそれぞれの値を持つ。
ここで、電界強度E(x、y、z)は、電極形状と、電極の電位、すなわち、各ワイヤ電極22a〜22kにかかっている印加電圧Viとにより決まる。ここで、電極形状とは、各ワイヤ電極の3次元形状、外側電極の3次元形状、各電極の幾何学的配置、各電極の材料物性情報を含んだ情報である。すなわち、各ワイヤ電極22a〜22kに対するガス増幅率Mは、式(1)、式(2)の電界強度Eを決定する印加電圧Vi及び電極形状と、定数A、Bを決定するガスの種類と、比例計数管12のガス圧力Pから決まるため、これらのうちのいずれかが変動すればガス増幅率Mも変化してしまう。また、ガス増幅率Mは、図7に示すガス増幅率特性31のように一般的には電界強度Eに対して非線形に変化する。図7の縦軸はガス増幅率Mであり、横軸は電界強度Eである。これは式(1)、式(2)からも明らかである。比例計数管の様に、数10μm程度の細いワイヤ電極を用いる場合は、ワイヤ電極近傍において電界強度が急激に大きくなる。このため、例えば、印加電圧が同じであっても、ワイヤ電極の太さが僅かに異なる場合であっても、電極近傍での電界強度は大きく違ってくる。この結果、たとえワイヤ電極22a〜22kにかかる印加電圧Viが一律に変化したとしても、ワイヤ電極の太さのばらつきを考慮すると、各ワイヤ電極22a〜22kのガス増幅率Mが一様に変化するとは限らない。そのため、例えば定常で均一なビームを使って各ワイヤ電極の感度を求め、その逆数を感度補正係数として補正する方法(特許文献3の方法)では、正確な感度補正を行うことができない。したがって、「ガス増幅」が起こる、すなわちガス増幅作用を利用した比例計数管12では、ガス増幅率Mの局所的な変化を考慮した電流値を正確に把握することが重要になる。
そこで、実施の形態1の線量分布モニタ11は、ワイヤ電極22a〜22k毎にガス増幅率Mを演算すると共に、ワイヤ電極22a〜22kの信号電流を対応するガス増幅率Mに基づいて補正した補正後電流Iaを用いて空間線量分布を生成する。実施の形態1の線量分布モニタ11は、比例計数管12のガス増幅率Mを正確に求めることができるので、放射線17の空間線量分布等の空間分布を高精度に測定できる。実施の形態1の線量分布モニタ11は、各ワイヤ電極22a〜22kの感度に支配的な影響を及ぼすガス増幅率Mを正確に演算するため、各ワイヤ電極22a〜22kの印加電圧Viを測定する電圧測定器45、比例計数管12内の各ワイヤ電極22a〜22kの形状を記憶する電極形状記憶部46、比例計数管12内のガスの種類(定数A、B)とガス圧力Pを記憶するガス情報記憶部48を備え、ガス増幅率Mを算出するガス増幅率演算部50へ出力するデータを揃えている。そして、これらのデータを用いてガス増幅率演算部50にてガス増幅率を正確に演算する。ガスの種類(定数A、B)とガス圧力Pは、比例計数管12の封入されたガスのガス情報である。
ガス増幅率演算部50には、電界強度Eを求める機能もある。電界強度Eは、例えば有限要素法を用いた静電場解析等で求めることができる。各ワイヤ電極22a〜22kの電極電位は、電圧測定器45により測定された各ワイヤ電極22a〜22kに印加されている印加電圧Viから算出することができる。ガス増幅率演算部50は、電極形状記憶部46に記憶された各ワイヤ電極22a〜22kの電極形状と、算出した電極電位のデータを三次元静電場解析演算回路に入力することで、比例計数管12内の各位置の電界強度Eを求めることができる。ここで、三次元静電場解析演算回路は、有限要素法を用いた静電場解析を行うことが可能であれば、どのような形態でもよく、ガス増幅率演算部50内部に配置しても良いし、ガス増幅率演算部50から独立した電子計算機を利用してもよい。ガス増幅率演算部50から独立した電子計算機の場合は、各ワイヤ電極22a〜22kの電極形状と、算出した電極電位のデータを電子計算機に送信し、演算結果である電界強度を受け取る。そして、ガス増幅率演算部50は、算出した電界強度Eと、ガス情報記憶部48に記憶された定数A、B、比例計数管12のガス圧力Pから、各ワイヤ電極22a〜22kに対するガス増幅率Mを式(1)、式(2)に従い計算する。
ガス増幅率演算部50の動作を、図2に示した3つのワイヤ電極22a、22b、22cを例に説明する。ガス増幅率演算部50は、電圧測定器45により測定されたワイヤ電極22a、22b、22cに印加されている印加電圧V1、V2、V3からワイヤ電極22a、22b、22cの電位を算出する。ガス増幅率演算部50は、電極形状記憶部46に記憶された各ワイヤ電極22a、22b、22cの電極形状と、算出した電極電位のデータを三次元静電場解析演算回路に入力することで、比例計数管12内の各位置の電界強度Eを求めることができる。そして、ガス増幅率演算部50は、算出した電界強度Eと、ガス情報記憶部48に記憶された定数A、B、比例計数管12のガス圧力Pから、各ワイヤ電極22a、22b、22cに対するガス増幅率M1、M2、M3を式(1)、式(2)に従い計算する。
次に、補正演算部43は、増幅器42a、42b、42cから出力された増幅電流I1、I2、I3に各ワイヤ電極22a、22b、22cに相当するガス増幅率M1、M2、M3の逆数を乗じることにより補正する。具体的には、式(3)を実行することにより、増幅器42の増幅電流Iから補正後電流Iaを演算する。
Ia=I/M ・・・(3)
なお、増幅器42は各増幅器42a、42b、42cを総括的に表現したものであり、増幅電流Iも各増幅器42a、42b、42cの増幅電流I1、I2、I3を総括的に表現したものである。補正後電流Iaも、増幅電流I1、I2、I3を補正した補正後電流Ia1、Ia2、Ia3を総括的に表現したものである。
Ia=I/M ・・・(3)
なお、増幅器42は各増幅器42a、42b、42cを総括的に表現したものであり、増幅電流Iも各増幅器42a、42b、42cの増幅電流I1、I2、I3を総括的に表現したものである。補正後電流Iaも、増幅電流I1、I2、I3を補正した補正後電流Ia1、Ia2、Ia3を総括的に表現したものである。
しがって、ワイヤ電極22aの増幅電流I1は、補正演算部43により補正後電流Ia1(=I1/M1)に補正される。同様に、ワイヤ電極22b、22cの増幅電流I2、I3は、それぞれ補正演算部43により補正後電流Ia2(=I2/M2)、Ia3(=I3/M3)に補正される。これにより、線量分布モニタ11は、出力信号が大きく、かつ、センサ全体の感度均一性を確保することができる。すなわち、実施の形態1の線量分布モニタ11は、出力信号が大きく、かつ、ばらつきの少ない高精度な分布モニタとなっている。
実施の形態1の線量分布モニタ11は、ガス増幅率演算部50と補正演算部43を備えるので、比例計数管12のガス増幅率Mを正確に求めことができ、放射線17の空間分布を高精度に測定できる。
実施の形態1の線量分布モニタ11は、電圧測定器45、電極形状記憶部46と、ガス情報記憶部48、ガス増幅率演算部50、補正演算部43を備えるので、比例計数管12内の電界強度Eが変化した場合でも、変化した電界強度Eを用いてガス増幅率演算部50にて比例計数管12内のガス増幅率Mを正確に求めることができ、かつ比例計数管12の信号出力、すなわち信号電流を正確に補正することができ、線量分布モニタ11の感度均一性を確保することができる。なお、ガス増幅率演算部50における電界強度Eを演算する演算部は、電界強度演算部ということもできる。
実施の形態1の線量分布モニタ11は、電圧測定器45、電極形状記憶部46と、ガス情報記憶部48、ガス増幅率演算部50、補正演算部43を備えるので、電圧測定器45、電極形状記憶部46により比例計数管12におけるワイヤ電極の22a〜22kの電極形状と印加電圧が正確に把握でき、比例計数管全体の電界強度Eをガス増幅率演算部50にて把握することができる。また、実施の形態1の線量分布モニタ11は、ワイヤ電極の22a〜22kの印加電圧Viを電圧測定器45にて測定するので、印加電圧Viの変動があっても正確な電界強度Eをガス増幅率演算部50にて求めることができる。このため、実施の形態1の線量分布モニタ11は、印加電圧Viの変動があっても、変化した印加電圧Viを用いてガス増幅率演算部50にて比例計数管12内のガス増幅率Mを正確に求めることができるので、比例計数管12の信号出力、すなわち信号電流を正確に補正することができ、線量分布モニタ11の感度均一性を確保することができる。
実施の形態1の線量分布モニタ11は、電圧測定器45、電極形状記憶部46と、ガス情報記憶部48、ガス増幅率演算部50、補正演算部43を備えるので、比例計数管12におけるワイヤ電極の22a〜22kの電極形状が変化した場合でも、電極形状記憶部46により該当するワイヤ電極の電極形状を用いてガス増幅率演算部50にて比例計数管12内のガス増幅率Mを正確に求めることができ、かつ比例計数管12の信号出力、すなわち信号電流を正確に補正することができ、線量分布モニタ11の感度均一性を確保することができる。
実施の形態1の線量分布モニタ11は、電圧測定器45、電極形状記憶部46と、ガス情報記憶部48、ガス増幅率演算部50、補正演算部43を備えるので、比例計数管12内のガスの種類や圧力が変化した場合でも、ガスの種類や圧力を用いてガス増幅率演算部50にて比例計数管12内のガス増幅率Mを正確に求めることができ、かつ比例計数管12の信号出力、すなわち信号電流を正確に補正することができ、線量分布モニタ11の感度均一性を確保することができる。
なお、ガス増幅率Mを求めるためには、比例計数管12内の電界強度Eを把握できればよいので、電界強度Eを直接計測する装置を用いてもよい。例えば、電界強度Eを、ポッケルス効果やカー効果などを利用して、すなわちポッケルス効果やカー効果などを利用したセンサを用いて測定してもよい。例えば、屈折率が電界で変化するポッケルス素子やカー効果を有する結晶に光を入射させて偏光角の変化を測定する等により、電界強度Eを測定することができる。
以上のように、実施の形態1の線量分布モニタ11は、放射線17を検出する複数の検出チャネル(ワイヤ電極22a、22b、22c)を有する比例計数管12と、複数の検出チャネル(ワイヤ電極22a、22b、22c)で検出された検出信号(増幅電流I1、I2、I3)に基づいて放射線17における線量の空間分布である線量空間分布を生成する計測回路13を備える。計測回路13は、比例計数管12に封入されたガスのガス情報(定数A、B、ガス圧力P)を記憶したガス情報記憶部48と、比例計数管12内の電界強度Eを演算し、この演算された電界強度Eと、ガス情報記憶部48に記憶されたガス情報(定数A、B、ガス圧力P)に基づいて、検出チャネル(ワイヤ電極22a、22b、22c)毎のガス増幅率M1、M2、M3を演算するガス増幅率演算部50と、検出チャネル(ワイヤ電極22a、22b、22c)毎の検出信号(増幅電流I1、I2、I3)と、ガス増幅率演算部50にて演算された当該検出チャネル(ワイヤ電極22a、22b、22c)に対応するガス増幅率M1、M2、M3とに基づいて、検出信号(増幅電流I1、I2、I3)を補正した補正信号(補正後電流Ia1、Ia2、Ia3)を生成する補正演算部43と、補正信号(補正後電流Ia1、Ia2、Ia3)に基づいて線量空間分布を生成する分布生成部44を備える。実施の形態1の線量分布モニタ11は、比例計数管12の検出チャネル(ワイヤ電極22a、22b、22c)毎にガス増幅率M1、M2、M3を演算し、このガス増幅率M1、M2、M3により補正された補正信号(補正後電流Ia1、Ia2、Ia3)に基づいて線量空間分布を生成するので、比例計数管12のガス増幅率M(M1、M2、M3)を正確に求めことができ、放射線17の空間分布を高精度に測定できる。
実施の形態1の放射線照射システム1は、被照射対象物16に照射される放射線17における線量の空間分布を測定する線量分布モニタ11と、被照射対象物16に放射線17を照射する放射線発生装置14と、放射線発生装置14を制御する照射制御装置15を備えている。線量分布モニタ11は、放射線を検出する複数の検出チャネル(ワイヤ電極22a、22b、22c)を有する比例計数管12と、複数の検出チャネル(ワイヤ電極22a、22b、22c)で検出された検出信号(増幅電流I1、I2、I3)に基づいて放射線17における線量の空間分布である線量空間分布を生成する計測回路13を備える。計測回路13は、比例計数管12に封入されたガスのガス情報(定数A、B、ガス圧力P)を記憶したガス情報記憶部48と、比例計数管12内の電界強度Eを演算し、この演算された電界強度Eと、ガス情報記憶部48に記憶されたガス情報(定数A、B、ガス圧力P)に基づいて、検出チャネル(ワイヤ電極22a、22b、22c)毎のガス増幅率M1、M2、M3を演算するガス増幅率演算部50と、検出チャネル(ワイヤ電極22a、22b、22c)毎の検出信号(増幅電流I1、I2、I3)と、ガス増幅率演算部50にて演算された当該検出チャネル(ワイヤ電極22a、22b、22c)に対応するガス増幅率M1、M2、M3とに基づいて、検出信号(増幅電流I1、I2、I3)を補正した補正信号(補正後電流Ia1、Ia2、Ia3)を生成する補正演算部43と、補正信号(補正後電流Ia1、Ia2、Ia3)に基づいて線量空間分布を生成する分布生成部44を備える。実施の形態1の放射線照射システム1は、比例計数管12の検出チャネル(ワイヤ電極22a、22b、22c)毎にガス増幅率M1、M2、M3を演算し、このガス増幅率M1、M2、M3により補正された補正信号(補正後電流Ia1、Ia2、Ia3)に基づいて線量空間分布を生成する線量分布モニタ11を備えているので、被照射対象物16に正確に放射線17を照射することができる。
実施の形態2.
図8は、本発明の実施の形態2による線量分布モニタのブロック図である。実施の形態2の線量分布モニタ11は、電極形状測定器47を備えた点で、実施の形態1の線量分布モニタ11とは異なる。なお、図8では、比例計数管12の複数のワイヤ電極は、3本のみ示した。また、図8では、計測回路13が電極形状測定器47を備える例を示した。電極形状記憶部46に格納される電極形状データは、比例計数管12の製作の際にあらかじめ測定されたデータを格納する場合もあれば、3次元測定器やカメラ等からなる電極形状測定器47により測定されたデータを用いる場合もある。比例計数管12内の電極形状がたわみや経年劣化等で変化する場合には、電極形状測定器47による測定結果を採用するほうが誤差は少ない。
図8は、本発明の実施の形態2による線量分布モニタのブロック図である。実施の形態2の線量分布モニタ11は、電極形状測定器47を備えた点で、実施の形態1の線量分布モニタ11とは異なる。なお、図8では、比例計数管12の複数のワイヤ電極は、3本のみ示した。また、図8では、計測回路13が電極形状測定器47を備える例を示した。電極形状記憶部46に格納される電極形状データは、比例計数管12の製作の際にあらかじめ測定されたデータを格納する場合もあれば、3次元測定器やカメラ等からなる電極形状測定器47により測定されたデータを用いる場合もある。比例計数管12内の電極形状がたわみや経年劣化等で変化する場合には、電極形状測定器47による測定結果を採用するほうが誤差は少ない。
電極形状測定器47は、マルチワイヤ式の比例計数管12の近傍に配置され、例えばある一定の空間分解能でワイヤ電極22a〜22kにおける複数箇所の三次元座標を測定する。これにより、ワイヤ電極22a〜22kの長手方向に沿った直径のばらつきやワイヤ同士の間隔を知ることができる。計測は、比例計数管12の製作の際に測定してもよいし、製作後、モニタの動作中に測定してもよい。モニタ動作中の測定では、比例計数管12内の電界による引力や斥力によるワイヤ電極22a〜22kのたわみを直接知ることができるほか、経年劣化による形状変化もとらえることができる。モニタ動作中の測定では、例えば蓋24付近から計測する。
3次元測定器やカメラ等の電極形状測定器47により、樹脂製の蓋24付近からワイヤ電極22a〜22kを計測する場合は、外側電極25が形成されていない蓋24は透明である方が望ましい。蓋24が透明であれば、電極形状測定器47は可視光を捕える光学カメラやCCD(Charge Coupled Device)カメラ等とすることができ、これらを容易に準備することができる。また、外側電極25が形成された樹脂製の管体23を介してワイヤ電極22a〜22kを計測する場合は、外側電極25の金属膜厚は金属の種類にもよるが概ね1μm以下が望ましい。金属膜厚は概ね1μm以下であれば、可視光を捕える光学カメラやCCD(Charge Coupled Device)カメラでも測定することができる。また、金属膜厚が1μm以上の外側電極25が形成された樹脂製の管体23や、金属製の管体23を介してワイヤ電極22a〜22kを計測する場合は、管体23の内部に小型のカメラとLED(Light Emitting Diode)などの照明からなる電極形状測定器47を設置してもよい。管体23の外部から計測する場合は、X線、中性子線、ミューオン等の高エネルギー粒子を使ったCT(Computed Tomography)スキャナー等の電極形状測定器47を用いればよい。
なお、電極形状測定器47の測定対象はマルチワイヤ式の比例計数管12に限らず、例えば、ストリップ電極式やGEM式の場合もある。ストリップ電極式やGEM式の比例計数管12では、平板状の電極形状や電極同士の間隔を計測する。特に、電極に突起がある場合、突起近傍で電界強度が大きく変化することがある。電極材料の加工の際にできたバリ(突起)を測定すれば、バリ等の製造ばらつきに起因する電界強度変動がわかるので、高精度にガス増幅率変動を求めることができる。
実施の形態2の線量分布モニタ11は、電極形状測定器47を備えるので、ワイヤ電極22a〜22kにおける電極形状がたわみや経年劣化等により変化したとしても、ガス増幅率Mを正確に求めることができ、かつ比例計数管12の信号出力、すなわち信号電流を正確に補正することができる。したがって、実施の形態2の線量分布モニタ11は、比例計数管12のガス増幅率Mを正確に求めことができ、放射線17の空間分布を高精度に測定できる。
実施の形態3.
図9は、本発明の実施の形態3による線量分布モニタのブロック図である。図10は図9のガス圧測定部の構成を示す図であり、図11は図9のガス圧測定部の他の構成を示す図である。実施の形態3の線量分布モニタ11は、ガス圧測定部49を備えた点で、実施の形態1の線量分布モニタ11とは異なる。なお、図9では、比例計数管12の複数のワイヤ電極は、3本のみ示した。ガス情報記憶部48に格納されるガス圧力Pのデータは、比例計数管12のガス圧測定部49によるガス圧力Pの測定結果(測定圧力Pm)を用いてもよい。ガス圧測定部49は、マルチワイヤ式の比例計数管12の内部に封入されているガスの圧力を測定するものであり、例えば圧力計などが該当する。図10に、圧力計であるガス圧測定器53を備えたガス圧測定部49を示した。
図9は、本発明の実施の形態3による線量分布モニタのブロック図である。図10は図9のガス圧測定部の構成を示す図であり、図11は図9のガス圧測定部の他の構成を示す図である。実施の形態3の線量分布モニタ11は、ガス圧測定部49を備えた点で、実施の形態1の線量分布モニタ11とは異なる。なお、図9では、比例計数管12の複数のワイヤ電極は、3本のみ示した。ガス情報記憶部48に格納されるガス圧力Pのデータは、比例計数管12のガス圧測定部49によるガス圧力Pの測定結果(測定圧力Pm)を用いてもよい。ガス圧測定部49は、マルチワイヤ式の比例計数管12の内部に封入されているガスの圧力を測定するものであり、例えば圧力計などが該当する。図10に、圧力計であるガス圧測定器53を備えたガス圧測定部49を示した。
ガス増幅率Mは、式(1)および式(2)から分かるとおりガスの圧力(ガス圧力P)にも大きく依存するため、ガス圧測定部49を備えることにより、比例計数管12内のガス圧力Pが変化しても、ガス圧測定部49で測定した測定圧力Pmを用いることにより、ガス増幅率Mをより正確に求めることができる。
また、ガス圧力Pは温度が変化することによっても変動する。これは、気体の種類、量、体積がそれぞれ一定の場合、絶対温度の変化率がガス圧力の変化率に等しくなる、という法則から明らかである。すなわち、絶対温度T0、T1のときのガス圧をそれぞれP0、P1とすると、式(4)が成立する。
P0/P1=T0/T1 ・・・(4)
P0/P1=T0/T1 ・・・(4)
そのため、ガス圧測定器53の代わりにガス温度測定器60、ガス圧演算部61を備えたガス圧測定部49を用いてもよい。このガス圧測定部49を図11に示した。この場合、ガス圧演算部61が、ガス圧測定器53で測定した測定絶対温度Tmから、式(5)によりガス圧力Pの測定結果(測定圧力Pm)を演算する。なお、絶対温度T0、ガス圧力P0は、それぞれ基準となる初期温度、初期圧力である。
Pm=P0・(Tm/T0) ・・・(5)
ガス温度測定器60、ガス圧演算部61を備えたガス圧測定部49は、温度測定結果(測定絶対温度Tm)を基にガス圧力Pを初期圧力P0から補正することにより、ガス増幅率Mをより正確に求めることができる。
Pm=P0・(Tm/T0) ・・・(5)
ガス温度測定器60、ガス圧演算部61を備えたガス圧測定部49は、温度測定結果(測定絶対温度Tm)を基にガス圧力Pを初期圧力P0から補正することにより、ガス増幅率Mをより正確に求めることができる。
実施の形態3の線量分布モニタ11は、ガス圧測定部49を備えるので、比例計数管12内のガスの圧力(ガス圧力P)に変動があった場合でも、ガス増幅率Mを正確に求めることができ、かつ比例計数管12の信号出力、すなわち信号電流を正確に補正することができる。したがって、実施の形態3の線量分布モニタ11は、比例計数管12のガス増幅率Mを正確に求めことができ、放射線17の空間分布を高精度に測定できる。
実施の形態3の線量分布モニタ11は、ガス温度測定器60とガス圧演算部61を有するガス圧測定部49を備えるので、比例計数管12内のガスの温度に変動があった場合でも、ガス増幅率Mを正確に求めることができ、かつ比例計数管12の信号出力、すなわち信号電流を正確に補正することができる。したがって、実施の形態3の線量分布モニタ11は、比例計数管12のガス増幅率Mを正確に求めことができ、放射線17の空間分布を高精度に測定できる。
実施の形態3ではマルチワイヤ式の比例計数管について述べたが、ストリップ電極式やGEM式など、ガス増幅を行う比例計数管であれば、同様の方法で正確なガス圧力Pを得ることができる。
実施の形態4.
図12は本発明における実施の形態4による線量分布モニタのブロック図である。図13は、図12の比例計数管内の等電位分布の例の模式図である。図14は図12の比例計数管内の電界強度分布の例のグラフであり、図15は図12の比例計数管の信号出力の例のグラフである。実施の形態4の線量分布モニタ11は、電極形状推定部80を備えている点で実施の形態2の線量分布モニタ11と異なる。なお、図12では、比例計数管12の複数のワイヤ電極は、3本のみ示した。放射線17の照射を伴わないメンテナンス期間においては、実施の形態2に記載したように、電極形状測定器47を用いた電極形状の情報の更新が可能である。しかし、治療時の様に、放射線17の照射中には、電極形状測定器47が使用できないため、放射線17の照射中に何らかの要因によって、ワイヤ電極の位置ずれや、ワイヤ電極のたわみが発生した場合には、電極形状推定部80を用いて、電極形状記憶部46の記憶される電極形状データを更新し、ワイヤ電極の感度補正を行う。すなわち、各ワイヤ電極の正確なガス増幅率Mを用いて各ワイヤ電極の増幅電流Iの補正を行う。以下に、電極形状推定部80を用いた感度補正の原理を説明する。
図12は本発明における実施の形態4による線量分布モニタのブロック図である。図13は、図12の比例計数管内の等電位分布の例の模式図である。図14は図12の比例計数管内の電界強度分布の例のグラフであり、図15は図12の比例計数管の信号出力の例のグラフである。実施の形態4の線量分布モニタ11は、電極形状推定部80を備えている点で実施の形態2の線量分布モニタ11と異なる。なお、図12では、比例計数管12の複数のワイヤ電極は、3本のみ示した。放射線17の照射を伴わないメンテナンス期間においては、実施の形態2に記載したように、電極形状測定器47を用いた電極形状の情報の更新が可能である。しかし、治療時の様に、放射線17の照射中には、電極形状測定器47が使用できないため、放射線17の照射中に何らかの要因によって、ワイヤ電極の位置ずれや、ワイヤ電極のたわみが発生した場合には、電極形状推定部80を用いて、電極形状記憶部46の記憶される電極形状データを更新し、ワイヤ電極の感度補正を行う。すなわち、各ワイヤ電極の正確なガス増幅率Mを用いて各ワイヤ電極の増幅電流Iの補正を行う。以下に、電極形状推定部80を用いた感度補正の原理を説明する。
図13にワイヤ電極22bの位置ずれが発生した場合の、ワイヤ電極付近の等電位分布の例を示した。ワイヤ電極22bの正常な位置は、図13のB1−B2と位置W2を示した破線の交点であるが、図13ではワイヤ電極22bが左下にずれた場合の等電位分布を示している。ワイヤ電極22bの位置ズレによって、ワイヤ電極22b近傍で等電位分布に偏りが生じている。このとき、B1−B2の破線上の電界強度分布は図14における電界強度分布72の様になっており、ワイヤ電極22bの位置ズレが無い場合の電界強度分布71に対し、偏りが生じている。同時に、ワイヤ電極表面の最大電界強度も、位置ズレがない場合に比べ、各ワイヤ電極で増加または減少している。
このため、各ワイヤ電極22a、22b、22cでガス増幅率Mに違いが生じており、同じ量の初期電荷に対して、図15に示す様に、比例計数管12のワイヤ電極22a、22b、22cから出力される信号出力、すなわち出力される電荷量が、位置ズレが無い場合に比べ変化する。出力電流分布73は、電界強度分布が電界強度分布71の場合の出力電流分布であり、出力電流分布74は、電界強度分布が電界強度分布72の場合の出力電流分布である。
図3に示すようなワイヤ電極22a〜22kを一列に配置したマルチワイヤ式の比例計数管12では、各ワイヤ電極22a〜22kが受け持つ有感領域で、初期電荷が同じであった場合の各ワイヤ電極22a〜22kの変位(位置の変化)と、各ワイヤ電極22a〜22kのガス増幅率の関係を求めることができる。この関係を行列Rとすると、各ワイヤ電極22a〜22kの変位D(ベクトル)と各ワイヤ電極22a〜22kのガス増幅率M(ベクトル)の関係は、式(6)の様に表すことができる。なお、各ワイヤ電極22a〜22kの変位は、初期電荷が同じであった場合の初期位置からの変化である。
M=RD ・・・(6)
ここで、式(6)における、各ワイヤ電極22a〜22kの変位Dおよび各ワイヤ電極22a〜22kのガス増幅率Mは共にベクトルである。なお、ガス増幅率は、ベクトルであっても、ワイヤ電極毎のガス増幅率と同じ符号を用いる。
M=RD ・・・(6)
ここで、式(6)における、各ワイヤ電極22a〜22kの変位Dおよび各ワイヤ電極22a〜22kのガス増幅率Mは共にベクトルである。なお、ガス増幅率は、ベクトルであっても、ワイヤ電極毎のガス増幅率と同じ符号を用いる。
ここで、各ワイヤ電極22a〜22kにおいて初期電荷が同じとなる条件における測定結果や、3次元静電場解析等により行列Rを予め求めておくことが可能である。ガス増幅率Mは初期電荷に対する出力電荷の比とみなせるので、初期電荷が同じ場合は、測定される出力電荷Q(ベクトル)とMは等価とみなせる。すなわち、式(7)が成り立つ。
Q=kM ・・・(7)
ここで、kは比例定数である。
Q=kM ・・・(7)
ここで、kは比例定数である。
そこで、各ワイヤ電極22a〜22kで測定される出力電荷Qに対し、行列Rの逆行列R−1をかけることで、各ワイヤ電極22a〜22kの変位Dを式(8)のように求めることができる。
D=R−1Q=kR−1M ・・(8)
D=R−1Q=kR−1M ・・(8)
出力電荷Qは、検出信号(増幅電流I1、I2、I3)を積分することで得られるので、行列Rは、各ワイヤ電極22a〜22kの変位に対する検出信号(増幅電流I1、I2、I3)の応答関数を行列形式で表した行列ということもできる。
被照射対象物16に対して均一な放射線17を照射する場合は、マルチワイヤ式の比例計数管12の各ワイヤ電極22a〜22kの初期電荷は均一とみなせるため、各ワイヤ電極22a〜22kの出力電荷Qを常時モニタリングすることで、各ワイヤ電極22a〜22kの変位Dをリアルタイムに把握することができる。照射する放射線17が被照射対象物16に対して均一でない場合は、照射放射線量の位置分布の計画値を基に初期電荷量の分布を求めることで、初期電荷量と出力電荷量(出力電荷Qの電荷量)の比率を求めることができ、式(8)により各ワイヤ電極22a〜22kの変位Dをリアルタイムに把握することができる。
また、初期電荷として、放射線源81から放出される放射線によるガスの電離も利用できる。この場合、放射線源81は、図16、図17に示すように、マルチワイヤ式の比例計数管12の内部もしくは筐体21の近傍に設置可能である。図16、図17は、放射線源の配置例を示す図である。図16には放射線源81が比例計数管12の内部に設置された例を示し、図17には放射線源81が比例計数管12の外部で筐体21の近傍に設置された例を示した。図16、図17は、図3の比例計数管12を上側から見た図である。いずれの場合も、放射線源81を、各ワイヤ電極22a〜22kでの初期電荷が均一になる様に配置する。
また、これ以外に、各ワイヤ電極22a〜22kに同じ量の微量の放射性物質、すなわち放射線源81を蒸着することでも、各ワイヤ電極22a〜22kで均一な初期電荷を得ることができる。図18は、放射線源の配置例を示す図であり、例えば各ワイヤ電極22a〜22kの破線枠82で囲まれた部分に放射性物質(放射線源81)が蒸着された部分である。図18は、図3の比例計数管12を上側から見た図である。ここで、放射線源81の強度を、照射される放射線17の測定対象範囲の強度よりも小さくすることで、測定結果への影響を無視することができる。同時に、放射線源81による出力の有無により、線量分布モニタ11の健全性も確認することが可能となる。
電極形状推定部80は、補正演算部43から出力された出力電荷Qから、上記の方法により各ワイヤ電極22a〜22kの変位情報(変位D)を生成し、この各ワイヤ電極22a〜22kの変位情報(変位D)を電極形状記憶部46に伝送し、電極形状記憶部46の記憶される電極形状データを更新する。この場合、電極形状データは、各ワイヤ電極22a〜22kの変位情報(変位D)が更新された電極形状データとなる。なお、この変位情報(変位D)は、ワイヤ電極22a〜22kのたわみによる部分的な位置ずれも含まれる。
このように、実施の形態4の線量分布モニタ11は、放射線17の照射中に何らかの要因によって、ワイヤ電極22a〜22kの位置ずれや、ワイヤ電極22a〜22kのたわみが発生した場合においても、各ワイヤ電極22a〜22kの感度を正確に補正する事が可能となる。実施の形態4の線量分布モニタ11は、各ワイヤ電極22a〜22kの感度を正確に補正することができるので、放射線17の空間分布を高精度に測定できる。
実施の形態4の線量分布モニタ11は、検出チャネル(ワイヤ電極22a、22b、22c)毎の検出信号(増幅電流I1、I2、I3)に基づいて検出チャネル(ワイヤ電極22a、22b、22c)毎の変位情報(変位D)を生成し、電極形状記憶部46に記憶された電極形状データを更新する電極形状推定部80を備える。電極形状推定部80は、電極(ワイヤ電極22a、22b、22c)の変位Dに対する検出信号(増幅電流I1、I2、I3)の応答関数(行列R)を用いて、変位情報(変位D)を生成する。したがって、実施の形態4の線量分布モニタ11は、測定中に電極(ワイヤ電極22a、22b、22c)の位置に変化があった場合でも、ガス増幅率Mを正確に求めることができるので、検出器出力を正確に補正することができる。
なお、計測回路13における、補正演算部43、分布生成部44、ガス増幅率演算部50、及び図13の電極形状推定部80は、例えば図19に示すプロセッサ91、メモリ92により機能が実現される。分布生成部44の表示画面は、例えばモニタ93の表示画面である。図19は、計測回路における、補正演算部、分布生成部、ガス増幅率演算部、電極形状推定部の機能ブロックを実現するハードウェア構成を示す図である。補正演算部43、分布生成部44、ガス増幅率演算部50、及び図13の電極形状推定部80は、プロセッサ91がメモリ92に記憶されたプログラムを実行することにより、実現される。また、複数のプロセッサ91および複数のメモリ92が連携して上記機能を実行してもよい。
なお、線量分布モニタ11を2つ備えた放射線照射システム1で説明したが、1次元の空間分布を測定する場合には、1つの線量分布モニタ11のみ備えても構わない。また、本発明は、矛盾のない範囲内において、各実施の形態の内容を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
1…放射線照射システム、11、11a、11b…線量分布モニタ、12、12a、12b…比例計数管、13、13a、13b…計測回路、14…放射線発生装置、15…照射制御装置、16…被照射対象物、17…放射線、22a、22b、22c、22d、22e、22f、22g、22h、22i、22j、22k…ワイヤ電極(検出チャネル)、43…補正演算部、44…分布生成部、45…電圧測定器、46…電極形状記憶部、47…電極形状測定器、48…ガス情報記憶部、49…ガス圧測定部、50…ガス増幅率演算部、53…ガス圧測定器、60…ガス温度測定器、61…ガス圧演算部、80…電極形状推定部、81…放射線源、M、M1、M2、M3…ガス増幅率、I、I1、I2、I3…増幅電流(検出電流)、Ia、Ia1、Ia2、Ia3…補正後電流、Vi、Vi1、Vi2、V1、V2、V3…印加電圧、A、B…定数(ガス情報)、P…ガス圧力(ガス情報)、E…電界強度、Tm…測定絶対温度、D…変位(変位情報)、R…行列(応答関数)
Claims (11)
- 被照射対象物に照射される放射線における線量の空間分布を測定する線量分布モニタであって、
前記放射線を検出する複数の検出チャネルを有する比例計数管と、複数の前記検出チャネルで検出された検出信号に基づいて前記放射線における線量の空間分布である線量空間分布を生成する計測回路を備え、
前記計測回路は、
前記比例計数管に封入されたガスのガス情報を記憶したガス情報記憶部と、
前記比例計数管内の電界強度を演算し、この演算された前記電界強度と、前記ガス情報記憶部に記憶された前記ガス情報に基づいて、前記検出チャネル毎のガス増幅率を演算するガス増幅率演算部と、
前記検出チャネル毎の前記検出信号と、前記ガス増幅率演算部にて演算された当該検出チャネルに対応する前記ガス増幅率とに基づいて、前記検出信号を補正した補正信号を生成する補正演算部と、
前記補正信号に基づいて前記線量空間分布を生成する分布生成部を備えたことを特徴とする線量分布モニタ。 - 前記計測回路は、前記比例計数管の前記検出チャネルである電極に印加されている印加電圧を測定する電圧測定器と、前記電極の形状情報を記憶した電極形状記憶部を備え、
前記ガス増幅率演算部は、前記印加電圧と前記電極の形状情報に基づいて、前記電界強度を演算することを特徴とする請求項1記載の線量分布モニタ。 - 前記比例計数管の前記電極の形状を測定する電極形状測定器を備え、
前記電極形状測定器は、測定した前記電極の形状情報である電極形状データを前記電極形状記憶部に記憶することを特徴とする請求項2記載の線量分布モニタ。 - 前記計測回路は、前記検出チャネル毎の前記検出信号に基づいて前記検出チャネル毎の変位情報を生成し、前記電極形状記憶部に記憶された前記電極形状データを更新する電極形状推定部を備え、
前記電極形状推定部は、前記電極の変位に対する前記検出信号の応答関数を用いて、前記変位情報を生成することを特徴とする請求項3記載の線量分布モニタ。 - 前記比例計数管に封入されたガスを電離させる放射線を放出する放射線源を、前記比例計数管の内部又は外部に備え、
前記電極形状推定部は、前記放射線源から放出された放射線による、前記検出チャネル毎の前記検出信号に基づいて前記検出チャネル毎の前記変位情報を生成することを特徴とする請求項4記載の線量分布モニタ。 - 前記比例計数管に封入された前記ガスの圧力を測定するガス圧測定部を備え、
前記ガス圧測定部は、測定した前記ガスの圧力を前記ガス情報記憶部に記憶することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の線量分布モニタ。 - 前記ガス圧測定部は、前記ガスの圧力を測定するガス圧測定器を備えることを特徴とする請求項6記載の線量分布モニタ。
- 前記ガス圧測定部は、前記ガスの温度を測定するガス温度測定器と、前記ガス温度測定器にて測定された温度である測定温度を圧力に変換するガス圧演算部を備えることを特徴とする請求項6記載の線量分布モニタ。
- 前記補正演算部は、前記検出チャネル毎の前記検出信号を、当該検出チャネルに対応する前記ガス増幅率で除して前記補正信号を生成することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の線量分布モニタ。
- 被照射対象物に照射される放射線における線量の空間分布を測定する、請求項1から9のいずれか1項に記載の線量分布モニタと、前記被照射対象物に前記放射線を照射する放射線発生装置と、前記放射線発生装置を制御する照射制御装置を備えた放射線照射システム。
- 前記線量分布モニタは、前記放射線のx方向の前記線量空間分布を計測するx方向線量分布モニタと、前記x方向に垂直なy方向における前記放射線の前記線量空間分布を計測するy方向線量分布モニタとを備えることを特徴とする請求項10記載の放射線照射システム。
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