JP2006275541A - 空気流量計測装置の異常検出装置 - Google Patents

空気流量計測装置の異常検出装置 Download PDF

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栄志 北條
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Abstract

【課題】 空気流量計測装置の異常を高精度に検出することができる空気流量計測装置の
異常検出装置を提供すること。
【解決手段】 エンジンの吸気管21に吸入される空気流量を計測するAFM22と、エ
ンジンにかかる負荷に影響を与える車両の傾斜状態を検出する傾斜センサ25とを備えた
車両に搭載される、AFM22の異常を検出するための異常検出装置であって、傾斜セン
サ25により検出された車両の傾斜状態に応じて、AFM22の出力値の正常値範囲を制
御する正常値範囲制御機能14と、AFM22の出力値が正常値範囲制御機能14により
制御された正常値範囲内であるか否かにより、AFM22の異常判定を行う異常判定機能
15とを装備する。
【選択図】 図1

Description

本発明は空気流量計測装置の異常検出装置に関し、より詳細にはエンジンが吸入する空
気流量を計測する空気流量計測装置の異常を検出するための異常検出装置に関する。
エンジンの燃料噴射制御では、空燃比を制御するために吸入空気量を高い精度で計測す
る必要がある。この吸入空気量の計測には、従来、空気流量計測装置(エアフローメータ
(AFM)とも言う)が使用されている。空気流量計測装置には、熱線式、ベーン式、カ
ルマン渦式、及び吸気管圧力式などの種々の形式の装置が実用化されている。
例えば、熱線式空気流量計測装置は、エンジンの吸気経路内に発熱体(白金熱線等のワ
イヤ)を配設して電流で加熱する構造になっており、ワイヤに電力を供給して、ワイヤを
発熱させ、ワイヤに供給する電流を測定して、この値から質量空気流量が求められる構成
となっている。すなわち、吸気経路を空気が流れると、このワイヤと接触した空気により
奪われる熱を補うために、ワイヤに電流が供給され、この電流を吸気経路中を流れる空気
の質量流量として出力するようになっている。
熱線式空気流量計測装置からの出力値が入力されるエンジン制御装置には、熱線式空気
流量計測装置の異常、すなわち、回路の断線やショート、あるいは出力値のレンジ(正常
値範囲)外れ等の異常を検出する機能が通常装備されている。
図7は、エンジン制御装置におけるマイコンのROMに格納されている異常判定マップ
を模式的に示した図である。図中横軸はスロットルバルブの開度を検出するスロットル開
度センサの出力電圧値、縦軸は熱線式空気流量計測装置の出力電圧値を示しており、A領
域が正常値、B領域が異常値(すなわちレンジ外れ)を示している。マイコンでは、スロ
ットル開度センサの出力電圧値と、その時の熱線式空気流量計測装置の出力電圧値とを異
常判定マップに当てはめて、熱線式空気流量計測装置の出力電圧値がB領域に該当した場
合に、熱線式空気流量計測装置が異常であると判定する処理を行うようになっている。
このような異常判定マップによる異常判定では、例えば、スロットル開度が一定の場合、下り坂では、速度が上昇するので熱線式空気流量計測装置の出力電圧値が上昇する一方、上り坂では、速度が低下するので熱線式空気流量計測装置の出力電圧値が低下するので、このような現象時に、異常と判定しないように、判定基準となる熱線式空気流量計測装置の出力電圧値の範囲(A領域)を広めにして対応している。
したがって、従来では、例えば、図7において、スロットル開度センサの出力電圧値が
1のとき、熱線式空気流量計測装置に異常がなければ、通常V11(正常値)となるものが、何らかの異常(例えば、経年劣化、汚れやゴミの付着の影響等)によって正常値とは
異なるV12になったとしても、従来の異常判定マップによる異常判定では、このような熱
線式空気流量計測装置の異常を検出することができないという課題があった。
また、熱線式空気流量計測装置の電源は、通常、スタータと同一電源を使用しているの
で、例えば、スタータを駆動するときなどは、電源電圧が変動してしまい、空気流量計測
装置にかかる電圧も変動する。その結果、空気流量計測装置を通過する空気流量が一定で
ある場合でも、ワイヤに供給される電流が変動してしまう。すなわち、空気流量計測装置
においては、自身が故障していないにもかかわらず、空気流量には対応していない出力値
を出力することがある。このため、このような現象時においても異常と判定しないように
、判定基準となる熱線式空気流量計測装置の出力電圧値の範囲を広めにして対応している
。したがって、空気流量計測装置自体の異常判定性能が低下してしまうという課題があっ
た。
このような課題を解決するものとして、下記の特許文献1には、空気流量計測装置に印
加される電圧変動を把握し、この電圧変動がある程度おさまった段階で異常判断を開始す
るように構成された空気流量計測装置の異常判定装置が開示されている。特許文献1記載
の空気流量計測装置の異常判定装置によれば、空気流量計測装置が空気流量に対応しない
出力値を出力する際(例えば、イグニッションスイッチのON時、スタータの駆動時等)
には、空気流量計測装置の異常判断を実行しないようにすることで、異常判断の基準とな
る空気流量計測装置の出力レベル範囲をある程度狭めることができるとしている。
しかしながら、空気流量計測装置の出力値は、上記したように車両の走行状態等におい
ても取り得る値が異なるため、依然として広めの出力レベル範囲(正常値範囲)を設定し
ておかなければならず、このような出力レベル範囲内で、正常値とは異なる値をとった場
合、例えば、経年劣化や、汚れやごみの付着の影響等によって検出精度が低下したような
場合には、依然として空気流量計測装置の異常を精度よく検出することができないという
課題があった。
特開平6−213696号公報
課題を解決するための手段及びその効果
本発明は上記課題に鑑みなされたものであって、空気流量計測装置の異常を高精度に検
出することができる空気流量計測装置の異常検出装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために本発明に係る空気流量計測装置の異常検出装置(1)は、エ
ンジンの吸気経路に吸入される空気流量を計測する空気流量計測装置と、エンジンにかか
る負荷に影響を与える車両状態を検出する手段とを備えた車両に搭載される、前記空気流
量計測装置の異常を検出するための異常検出装置であって、前記車両状態を検出する手段
により検出された前記車両状態に応じて、前記空気流量計測装置の出力値の正常値範囲を
制御する正常値範囲制御手段と、前記空気流量計測装置の出力値が前記正常値範囲制御手
段により制御された前記正常値範囲内であるか否かにより、前記空気流量計測装置の異常
判定を行う異常判定手段とを備えていることを特徴としている。
上記空気流量計測装置の異常検出装置(1)によれば、前記車両状態を検出する手段に
より検出された前記車両状態に応じて、前記空気流量計測装置の出力値の正常値範囲が制
御され(正常値範囲制御手段)、前記空気流量計測装置の出力値が前記正常値範囲制御手
段により制御された前記正常値範囲内であるか否かにより、前記空気流量計測装置の異常
判定が行われる(異常判定手段)。
したがって、前記車両状態に応じた前記空気流量計測装置の出力値の正常値範囲を設定
することができ、前記正常値範囲をより狭めた条件で前記異常判定を行うことができ、前
記空気流量計測装置の異常の検出精度を高めることができる。
また本発明に係る空気流量計測装置の異常検出装置(2)は、上記空気流量計測装置の
異常検出装置(1)において、前記正常値範囲制御手段が、予め設定された複数の正常値
範囲パターンの中から前記車両状態を検出する手段により検出された前記車両状態に対応
した正常値範囲パターンを選択する制御を行うものであることを特徴としている。
上記空気流量計測装置の異常検出装置(2)によれば、前記正常値範囲制御手段が、予
め設定された複数の正常値範囲パターンの中から前記車両状態に対応した正常値範囲パタ
ーンを選択する制御を行うものであるので、前記車両状態に対応した正常値範囲パターン
の制御を効率よく行うことができる。
また本発明に係る空気流量計測装置の異常検出装置(3)は、上記空気流量計測装置の
異常検出装置(1)において、前記正常値範囲制御手段が、予め設定された基準となる正
常値範囲を前記車両状態を検出する手段により検出された前記車両状態に対応させて変化
させる制御を行うものであることを特徴としている。
上記空気流量計測装置の異常検出装置(3)によれば、前記正常値範囲制御手段が、予
め設定された基準となる正常値範囲を前記車両状態を検出する手段により検出された前記
車両状態に対応させて変化させる制御を行うものであるので、前記車両状態の変化に対応
させて正常値範囲を連続的に変化させて、常に最適な正常値範囲を設定することができ、
前記空気流量計測装置の異常の検出精度を一層高めることができる。
また本発明に係る空気流量計測装置の異常検出装置(4)は、上記空気流量計測装置の
異常検出装置(1)において、前記正常値範囲制御手段が、前記車両状態を検出する手段
により検出された前記車両状態に応じて変化するエンジンにかかる負荷状態を検出し、該
検出された前記エンジンにかかる負荷状態に応じて、前記空気流量計測装置の出力値の正
常値範囲を制御するものであることを特徴としている。
上記空気流量計測装置の異常検出装置(4)によれば、前記車両状態を検出する手段に
より検出された前記車両状態に応じて変化するエンジンにかかる負荷状態が検出され、該
検出された前記エンジンにかかる負荷状態に応じて、前記空気流量計測装置の出力値の正
常値範囲が制御されるので、前記エンジンにかかる負荷状態に対応させた前記空気流量計
測装置の出力値の正常値範囲を設定することができ、上記空気流量計測装置の異常検出装
置(1)と略同様な効果を得ることができる。
また本発明に係る空気流量計測装置の異常検出装置(5)は、上記空気流量計測装置の
異常検出装置(4)において、前記正常値範囲制御手段が、予め設定された複数の正常値
範囲パターンの中から前記エンジンにかかる負荷状態に対応した正常値範囲パターンを選
択する制御を行うものであることを特徴としている。
上記空気流量計測装置の異常検出装置(5)によれば、前記正常値範囲制御手段が、予
め設定された複数の正常値範囲パターンの中から前記エンジンにかかる負荷状態に対応し
た正常値範囲パターンを選択する制御を行うものであるので、前記エンジンにかかる負荷
状態に対応した正常値範囲パターンの制御を効率よく行うことができる。
また本発明に係る空気流量計測装置の異常検出装置(6)は、上記空気流量計測装置の
異常検出装置(4)において、前記正常値範囲制御手段が、予め設定された基準となる正
常値範囲を前記エンジンにかかる負荷状態に対応させて変化させる制御を行うものである
ことを特徴としている。
上記空気流量計測装置の異常検出装置(6)によれば、前記正常値範囲制御手段が、予
め設定された基準となる正常値範囲を前記エンジンにかかる負荷状態に対応させて変化さ
せる制御を行うものであるので、前記エンジンにかかる負荷状態に対応させて正常値範囲
を連続的に変化させて、常に最適な正常値範囲を設定することができ、前記空気流量計測
装置の異常の検出精度を一層高めることができる。
また本発明に係る空気流量計測装置の異常検出装置(7)は、上記空気流量計測装置の
異常検出装置(1)〜(6)のいずれかにおいて、前記空気流量計測装置の出力値の正常
値範囲が、スロットルバルブの開度を検出する手段の出力値との関係を示すものであるこ
とを特徴としている。
上記空気流量計測装置の異常検出装置(7)によれば、前記空気流量計測装置の出力値
の正常値範囲が、前記空気流量計測装置の出力値との関連性が高いスロットルバルブの開
度を検出する手段の出力値との関係を示すものであるので、前記空気流量計測装置の出力
値と前記スロットルバルブの開度を検出する手段の出力値との関係から上記空気流量計測
装置の異常検出を精度良く行うことができる。
また本発明に係る空気流量計測装置の異常検出装置(8)は、上記空気流量計測装置の
異常検出装置(1)〜(7)のいずれかにおいて、前記車両状態を検出する手段には、前
記車両の傾斜度を検出する手段、前記車両に加重された重量を検出する手段、前記車両に
設けられたエアコンの操作を検出する手段、及び前記車両に設けられたシフトレバーの操
作を検出する手段のうちの少なくとも一つが含まれていることを特徴としている。
上記空気流量計測装置の異常検出装置(8)によれば、これら車両状態を検出する手段
により検出された種々の車両状態、すなわち、前記車両の傾斜度、前記乗員や積荷の重量
、前記エアコンの操作状態、及び前記シフトレバーの操作状態のうちの少なくとも一つの
状態に応じて、前記空気流量計測装置の出力値の正常値範囲を適切に制御することができ
る。
例えば、前記車両の傾斜度を検出する手段が含まれている場合には、前記車両の傾斜度
すなわち、前記車両の水平方向に対する傾斜角度から、前記車両が走行している道の傾斜
状態(すなわち、上り坂、下り坂、平坦な道など)が判別でき、上り(下り)坂を走行中
には、平坦な道を走行するときと比べてエンジンにかかる負荷が大きくなる(小さくなる
)ので、あるスロットル開度のときの前記空気流量計測装置の出力値が相対的に低下する
(上昇する)。したがって、上り(下り)坂を走行中には、前記空気流量計測装置の出力
値の正常値範囲を平坦な道を走行するときと比べて低め(高め)に設定することにより、
従来検出できなかった異常を検出することができる。
また、前記車両に加重された重量を検出する手段が含まれている場合には、前記車両に
加わる重量(例えば、乗員や積荷の重量)の大きさが判別でき、例えば、前記車両に加重
された重量が大きい場合には、前記車両に加重された重量が小さい場合と比べてエンジン
にかかる負荷が大きくなるので(上り坂や平坦な道の場合)、あるスロットル開度のとき
の前記空気流量計測装置の出力値が相対的に低下する。したがって、前記車両に加重され
る重量が大きい場合には、前記空気流量計測装置の出力値の正常値範囲を前記車両に加わ
る重量が小さい場合と比べて低めに設定することにより、従来検出できなかった異常を検
出することができる。
また、前記エアコンがON操作された場合や、前記シフトレバーが操作された場合には
、エンジンにかかる負荷が大きくなるので、スロットルバルブが閉時であっても、エンジ
ン回転数が少し増加し、吸入空気量が増えるので、前記空気流量計測装置の出力値の正常
値範囲の下限値を上げて、正常値範囲を一層絞り込むことができ、前記空気流量計測装置
の異常検出精度を高めることができる。
以下、本発明に係る空気流量計測装置の異常検出装置の実施の形態を図面に基づいて説
明する。図1は、実施の形態(1)に係る空気流量計測装置の異常検出装置が採用された
エンジン制御システムの要部を概略的に示したブロック図である。
図中10は、エンジン制御装置を示しており、エンジン制御装置10は、CPU、RO
M、及びRAM(いずれも図示せず)を含んで構成されるマイコン11と、A/Dコンバ
ータ及びディジタル入力バッファ(いずれも図示せず)を含んで構成される入力インター
フェース(IF)部12と、エンジン制御装置10で駆動制御する各種アクチュエータに
対応した駆動回路(図示せず)を含んで構成される出力インターフェース(IF)部13
とを含んで構成されている。
また、図中21は、エンジンの吸気管を示しており、吸気管21には、吸気管21内に
吸入される空気流量を計測する熱線式空気流量計測装置(以下、単にAFMと記す)22
やスロットルバルブ23の開度を検出するスロットル開度センサ24などが配設されてお
り、AFM22からの出力信号とスロットル開度センサ24からの出力信号とが、エンジ
ン制御装置10の入力IF部12に入力されるように接続されている。
エンジン制御装置10では、AFM22やスロットル開度センサ24から取り込んだ信
号を入力IF部12のA/Dコンバータによってマイコン11で扱える信号に変換し、マ
イコン11は、A/Dコンバータで変換された信号に対応する吸入空気流量やスロットル
開度を演算し、演算されたこれらデータを用いて、エンジン制御やAFM22の異常検出
等の各種制御を実行するようになっている。なお、AFM22には、熱線式の他、種々の
形式のAFMも採用され得る。
また、エンジン制御装置10には、車両状態を検出する手段として、車両の傾斜度を検
出する傾斜センサ25やエンジン制御に必要な信号を検出するための各種センサ(図示せ
ず)が接続されている。傾斜センサ25は、オートマチックトランスミッション制御等に
用いられるものであり、車両に既設のものである。この傾斜センサ25としては、例えば
ピボットサスペンション式、サーボ式、又はファイバ・オプティック・ジャイロなどが採
用され得る(例えば、特開平11−337332号公報、特開平10−160458号公
報等参照)。
エンジン制御装置10のマイコン11は、傾斜センサ25から信号を取り込み、傾斜セ
ンサ25により検出された車両の傾斜状態に応じて、AFM22の出力値の正常値範囲を
制御する正常値範囲制御機能14と、AFM22の出力値が正常値範囲制御機能14によ
り制御された前記正常値範囲内であるか否かにより、AFM22の異常判定を行う異常判
定機能15とを有している。なお、マイコン11のROMには、車両の傾斜状態(すなわ
ち、上り坂、平坦な道、及び下り坂)に対応したAFM22の出力値の正常値範囲を示す
複数の異常判定マップ(図2参照)が予め記憶されており、正常値範囲制御機能14によ
って、予め設定された複数の異常判定マップの中から傾斜センサ25により検出された傾
斜状態に対応した異常判定マップが適宜選択されるようになっている。これらの機能は、
マイコン11のROMに格納されているAFM22の異常判定プログラムをCPUが実行
することにより達成される。
次に図2に示した異常判定マップを参照しながら、エンジン制御装置10が有するAF
M22の異常検出機能について詳細に説明する。
エンジン制御装置10のマイコン11は、傾斜センサ25から信号を取り込み、該信号
に基づき、車両の進行方向に対する傾斜度を求める。求めた傾斜度が、水平方向を基準(
0度)として、例えば±15度の範囲内である、すなわち車両が略平坦な道を走行してい
る場合には、図2(a)の平坦な道用の異常判定マップをROMから読み出される。なお
異常判定マップの横軸はスロットル開度センサ24の出力電圧値を示し、縦軸はAFM2
2の出力電圧値を示しており、図中A領域が正常値領域、B領域が異常値領域を示してい
る。
図2(a)に示した平坦な道用の異常判定マップに示されたAFM22の出力値の正常
値範囲は、図7に示した従来の異常判定マップと比較して、正常値範囲を狭めた設定、す
なわち正常値範囲の下限値を上げ、上限値を下げた設定となっている。つまり、異常判定
マップを平坦な道用とすることで、車両が上り坂を走行している場合を考慮しなくてもよ
いため、正常値範囲の下限値を上げることができ、また下り坂を走行している場合を考慮
しなくてもよいため、正常値範囲の上限値を下げることができる。よって、車両が平坦な
道を走行している場合に出力されることのない異常値を示すB領域を広げることができ、
AFM22の異常検出の精度が高められるようになっている。
例えば、図7において、スロットル開度センサ24の出力電圧値がV1のとき、AFM
22に異常がなければ、通常V11(正常値)となるものが、何らかの異常によって正常値
とは異なるV12(異常値)になっていたとしても、従来はこのようなAFM22の異常を
検出することができなかったが、車両の傾斜度が±15度の範囲内である(すなわち、平
坦な道を走行している)場合に、図2(a)に示した異常判定マップを用いることにより
、スロットル開度センサ24の出力電圧値がV1のときに、AFM22の出力値が、通常
11となるものがV12(異常値)になった場合のAFM22の異常検出が可能となる。
また、求めた傾斜度が、水平方向を基準(0度)として+15度より大きい、すなわち
車両が上り坂を走行している場合には、図2(b)に示した上り坂用の異常判定マップが
ROMから読み出される。
図2(b)に示した上り坂用の異常判定マップに示されたAFM22の出力値の正常値
範囲は、図2(a)に示した平坦な道用の異常判定マップと比較して、正常値範囲の上限
値と下限値とが全体的に少し低めにされた設定となっている。すなわち、上り坂を走行し
ている場合は、平坦な道を走行している場合と比較してエンジンにかかる負荷が相対的に
高くなるため、スロットル開度センサ24の出力値が同じでもAFM22の出力値が全体
的に低くなることを考慮して正常値範囲が設定されている。つまり、異常判定マップを上
り坂用とすることで、平坦な道や下り坂を走行している場合を考慮しなくてもよいため、
前記正常値範囲を全体的に低めに設定することができ、車両が上り坂を走行している場合
におけるAFM22の異常検出の精度が高められるようになっている。
例えば、図2(a)において、スロットル開度センサ24の出力電圧値がV2のとき、AFM22に異常がなければ、通常V11(正常値)となるものが、何らかの異常によって
正常値とは異なるV12(異常値)になっていたとしても、平坦な道用の異常判定マップの
ままでは、このようなAFM22の異常を検出することは難しいが、図2(b)に示した
上り坂用の異常判定マップを用いることにより、スロットル開度センサ24の出力電圧値
がV2のときに、AFMの出力値が、通常V11となるものがV12(異常値)になった場合のAFM22の異常検出が可能となっている。
また、求めた傾斜度が、水平方向を基準(0度)として−15度より小さい、すなわち
車両が下り坂を走行している場合には、図2(c)に示した下り坂用の異常判定マップが
ROMから読み出される。
図2(c)に示した下り坂用の異常判定マップに示されたAFM22の出力値の正常値
範囲は、図2(a)に示した平坦な道用の異常判定マップと比較して、正常値範囲の上限
値と下限値とが全体的に少し高めにされた設定となっている。すなわち、下り坂を走行し
ている場合は、平坦な道を走行している場合と比較してエンジンにかかる負荷が相対的に
低くなるため、スロットル開度センサ24の出力値が同じでもAFM22の出力値が全体
的に高くなることを考慮して正常値範囲が設定されている。つまり、異常判定マップを下
り坂用とすることで、平坦な道や上り坂を走行している場合を考慮しなくてもよいため、
正常値範囲を全体的に高めに設定することができ、車両が下り坂を走行している場合にお
けるAFM22の異常検出の精度が高められるようになっている。
例えば、図2(a)において、スロットル開度センサ24の出力電圧値がV1のとき、
AFM22に異常がなければ、通常V11(正常値)となるものが、何らかの異常によって
正常値とは異なるV13(異常値)になっていたとしても、平坦な道用の異常判定マップの
ままでは、このようなAFM22の異常を検出することは難しいが、図2(c)に示した
下り坂用の異常判定マップを用いることにより、スロットル開度センサ24の出力電圧値
がV1のときに、AFM22の出力値が、通常V11となるものがV13(異常値)になった
場合のAFM22の異常検出が可能となっている。
次に実施の形態(1)に係るエンジン制御装置10におけるマイコン11の行うAFM
22の異常検出処理動作を図3に示したフロ−チャ−トに基づいて説明する。なお、本処
理動作は、エンジンが作動している場合において所定時間間隔で実行される。
まず、ステップS1では、傾斜センサ25から車両の傾斜度を示す信号を取り込み、次
のステップS2では、ステップS1で取り込んだ前記傾斜度を示す信号に基づいて、車両
の傾斜状態、すなわち、車両が上り坂、平坦な道、及び下り坂のうちのどの道を走行して
いる状態かを判断し、車両が上り坂を走行している状態と判断すればステップS3に進む
。ステップS3では、ROMの中から上り坂に対応する正常値範囲を示した異常判定マッ
プ(図2(b))を読み出し、その後ステップS6に進む。
一方、ステップS2において、車両が平坦な道を走行している状態と判断すればステッ
プS4に進み、ステップS4では、ROMの中から平坦な道に対応する正常値範囲を示し
た異常判定マップ(図2(a))を読み出し、その後ステップS6に進む。
また一方、ステップS2において、車両が下り坂を走行している状態と判断すればステ
ップS5に進み、ステップS5では、ROMの中から下り坂に対応する正常値範囲を示し
た異常判定マップ(図2(c))を読み出し、その後ステップS6に進む。
ステップS6では、AFM22から空気流量を示す信号(AFM22の出力値)と、ス
ロットル開度センサ24からスロットルバルブ23の開度を示す信号(スロットル開度セ
ンサ24の出力値)とを取り込み、次のステップS7では、AFM22の出力値が、車両
の傾斜状態に応じて設定された異常判定マップの正常値範囲内(A領域内)であるか否か
を判断し、AFM22の出力値が、異常判定マップの正常値範囲内である(すなわち正常
である)と判断すれば処理を終える一方、異常判定マップの正常値範囲内ではない(すな
わち異常である)と判断すればステップS8に進む。
ステップS8では、異常時処理、すなわちAFM22が異常である旨の警告ランプの点
灯や異常コードをマイコン11のRAMに記録する処理を行い、その後、スロットルバル
ブ23の開度から概略の吸入空気量を求めるなどのフェイルセーフ処理によるエンジン制
御処理へ進む。
上記実施の形態(1)に係るAFM22の異常検出装置(エンジン制御装置10)によ
れば、傾斜センサ25により検出された車両の傾斜状態に応じて、AFM22の出力値の
正常値範囲が制御され、AFM22の出力値が正常値範囲制御機能14により制御された
正常値範囲内であるか否かにより、AFM22の異常判定が行われる。したがって、車両
の傾斜状態に応じたAFM22の出力値の正常値範囲を設定することができ、前記正常値
範囲を従来より狭めた条件で前記異常判定を行うことができ、AFM22の異常の検出精
度を高めることができる。
また、正常値範囲制御機能14が、予めROMに記憶された3つの異常判定マップ(正
常値範囲パターン)の中から車両の傾斜状態に対応した異常判定マップを選択する制御を
行うものであるので、車両の傾斜状態に対応した異常判定マップの制御を効率よく行うこ
とができる。
なお上記実施の形態(1)では、車両の傾斜状態として、上り坂、平坦な道、及び下り
坂の3つ傾斜状態のうちのどの状態であるかを判断し、車両の各傾斜状態(すなわち、上
り坂、平坦な道、及び下り坂)に対応したAFM22の出力値の正常値範囲を示す異常判
定マップを用いて、AFM22の出力値の異常判定を行うようになっているが、別の実施
の形態では、車両の傾斜状態を車両の傾斜度に応じてさらに細かく分類し、該細かく分類
された車両の各傾斜状態に対応した異常判定マップを用いて異常判定を行うようにしても
よく、かかる構成によれば、異常判定の精度をさらに高めることができる。
また、上記実施の形態(1)では、正常値範囲制御機能14が、予めROMに記憶され
た3つの異常判定マップ(上り坂用、平坦な道用、下り坂用)の中から車両の傾斜状態に
対応した異常判定マップを選択する制御を行うようになっているが、別の実施の形態では
、予め設定された基準となる正常値範囲が設定された異常判定マップ(例えば、平坦な道
用の異常判定マップ)のみをROMに記憶させておき、傾斜センサ25により検出された
車両の傾斜状態に対応させて前記異常判定マップの正常値範囲を適正な範囲に変化させる
、例えば、車両の傾斜状態(すなわち傾斜度)に対応させた係数等を用いた演算により適
正な正常値範囲を求めるようにしてもよい。かかる構成によれば、車両の傾斜状態の変化
に対応させて正常値範囲を連続的に変化させて、常に最適な正常値範囲を設定することが
でき、AFM22の異常の検出精度を一層高めることができる。
また、上記実施の形態(1)では、正常値範囲制御機能14が、傾斜センサ25からの
信号に基づいて、車両の傾斜状態を判断、すなわち、車両が、上り坂、平坦な道、及び下
り坂のうちのどの道を走行している状態かを判断し、判断された車両の傾斜状態に応じて
AFM22の出力値の正常値範囲を制御するようになっているが、別の実施の形態では、
正常値範囲制御機能が、傾斜センサ25により検出された車両の傾斜状態に応じて変化す
るエンジンにかかる負荷状態、例えば、車両の傾斜度が大きくなる(上り坂に相当)と、
エンジンにかかる負荷が大きくなる一方、車両の傾斜度が小さくなる(下り坂に相当)と
、エンジンにかかる負荷か小さくなることを検出し、検出されたエンジンにかかる負荷状
態(上り坂に相当する負荷変化や下り坂に相当する負荷変化等)に応じてAFM22の出
力値の正常値範囲を制御する。すなわち、予め設定された複数の異常判定マップの中から
エンジンにかかる負荷状態に対応した異常判定マップを選択する制御や、予め設定された
基準となる正常値範囲をエンジンにかかる負荷状態に対応させて変化させる制御を行わせ
るようにしてもよい。
なお、エンジンにかかる負荷状態の検出方法としては、吸入空気量Qとエンジン回転数
Nとを求め、これらの比(Q/N)の所定時間間隔における変化量(エンジン負荷変化量
)を求め、このエンジン負荷変化量が、所定範囲よりも大きくなる場合(例えば、上り坂
に相当する負荷変化)と小さくなる場合(例えば、下り坂に相当する負荷変化)とを検出
したり、図示していない吸入負圧センサからの信号に基づき吸気管21内圧力の単位時間
あたりの変化を算出し、その変化量からエンジンにかかる負荷が大きくなる場合と小さく
なる場合とを検出したり、又はスロットル開度センサ24によるスロットルバルブ23の
開閉位置の変化量を求め、該変化量からエンジンにかかる負荷が大きくなる場合と、小さ
くなる場合とを検出したりする方法も採用され得る。かかる構成によれば、前記エンジン
にかかる負荷状態に対応させたAFM22の出力値の正常値範囲を設定することができる
図4は、実施の形態(2)に係るAFM22の異常検出装置が採用されたエンジン制御
システムの要部を概略的に示したブロック図である。但し、図1に示した実施の形態(1
)に係るエンジン制御システムと相違するのは、エンジン制御装置10Aに重量センサ2
6が接続されている点と、エンジン制御装置10Aで行われるAFM22の異常検出機能
であり、異なる機能を有するエンジン制御装置10Aの各部には異なる符号を付し、その
他の同一機能を有する構成部品には同一符号を付し、その説明を省略する。
乗員や積荷の重量を検出する重量センサ26は、車両のサスペンション制御や乗員検知
等に用いられるもので、車両に既設のものである。この重量センサ26には、例えば、サ
スペンションアームと車体との変位量を基にして車高を検出する車高センサや、座席シー
トに設置された乗員の重量を検知するセンサなどが適用され得る。
エンジン制御装置10Aのマイコン11Aには、傾斜センサ25と重量センサ26とか
らそれぞれ信号を取り込み、傾斜センサ25により検出された車両の傾斜状態と、重量セ
ンサ26により検出された車両に加重された重量とに応じて、AFM22の出力値の正常
値範囲を制御する正常値範囲制御機能14Aと、AFM22の出力値が正常値範囲制御機
能14Aにより制御された前記正常値範囲内であるか否かにより、AFM22の異常判定
を行う異常判定機能15Aとを有している。
なお、マイコン11AのROMには、車両の傾斜状態(すなわち、上り坂、平坦な道、
及び下り坂)、及び車両に加重された重量(加重重量の大小)に対応したAFM22の出
力値の正常値範囲を示す複数の異常判定マップ(図5参照)が予め記憶されており、正常
値範囲制御機能14Aによって、予め設定されたこれらの異常判定マップの中から傾斜セ
ンサ25と重量センサ26とにより検出された車両状態に対応した異常判定マップが適宜
選択されるようになっている。これらの機能は、マイコン11AのROMに格納されてい
るAFM22の異常判定プログラムをCPUが実行することにより達成される。
次に図5に示した異常判定マップを参照しながら、エンジン制御装置10Aが有するA
FM22の異常検出機能について詳細に説明する。
エンジン制御装置10Aのマイコン11Aは、傾斜センサ25と重量センサ26とから
それぞれ信号を取り込み、車両の進行方向に対する傾斜度と、車両に加重された重量とを
求める。求めた傾斜度が、水平方向を基準(0度)として±15度の範囲内であり(略平
坦な道)、かつ車両に加重された重量が、所定重量以下(すなわち加重重量小)の場合に
は、図5(a)に示した平坦な道かつ加重重量小用の異常判定マップがROMから読み出
される。
図5(a)に示した平坦な道かつ加重重量小用の異常判定マップに示されたAFM22
の出力値の正常値範囲(領域A)は、図2(a)に示した平坦な道用の異常判定マップと
比較して、正常値範囲の下限値が少し高めにされた設定となっている。つまり、平坦な道
かつ加重重量小用とすることで、車両に加重された重量が大きい場合を考慮しなくてもよ
いため、正常値範囲の下限値を少し高めに設定することができ、車両が平坦な道を走行し
ている場合に出力されることのない異常値を示すB領域をさらに広げることができ、AF
M22の異常検出の精度が一層高められるようになっている。
また、求めた傾斜度が、水平方向を基準(0度)として±15度の範囲内であり、かつ
車両に加重された重量が、所定重量より大きい(すなわち、加重重量大)の場合には、図
5(b)に示した平坦な道かつ加重重量大用の異常判定マップがROMから読み出される
図5(b)に示した平坦な道かつ加重重量大用の異常判定マップに示されたAFM22
の出力値の正常値範囲は、図2(a)に示した平坦な道用の異常判定マップと比較して、
正常値範囲の上限値が少し低めにされた設定となっている。つまり、平坦な道かつ加重重
量大用とすることで、車両に加重された重量が小さい場合を考慮しなくてもよいため、正
常値範囲の上限値を少し低めに設定することができ、車両が平坦な道を走行している場合
に出力されることのない異常値を示すB領域をさらに広げることができ、AFM22の異
常検出の精度が一層高められるようになっている。
また、求めた傾斜度が、水平方向を基準(0度)として+15度より大きい(上り坂)
、かつ車両に加重された重量が、所定重量以下である(加重重量小)場合には、図5(c
)に示した上り坂かつ加重重量小用の異常判定マップがROMから読み出される。
図5(c)に示した上り坂かつ加重重量小用の異常判定マップに示されたAFM22の
出力値の正常値範囲は、図2(b)に示した上り坂用の異常判定マップと比較して、正常
値範囲の下限値が少し高められた設計となっている。つまり、上り坂かつ加重重量小用と
することで、車両に加わる重量が大きい場合を考慮しなくてもよいため、正常値範囲の下
限値を少し高めに設定することができ、車両が上り坂を走行している場合に出力されるこ
とのない異常値を示すB領域をさらに広げることができ、AFM22の異常検出の精度が
一層高められるようになっている。
また、求めた傾斜度が、水平方向を基準(0度)として+15度より大きい(上り坂)
、かつ車両に加重された重量が、所定重量より大きい(加重重量大)場合には、図5(d
)に示した上り坂かつ加重重量大用の異常判定マップがROMから読み出される。
図5(d)に示した上り坂かつ加重重量大用の異常判定マップに示されたAFM22の
出力値の正常値範囲は、図2(b)に示した上り坂用の異常判定マップと比較して、正常
値範囲の上限値が少し低めにされた設定となっている。つまり、上り坂かつ加重重量大用
とすることで、車両に加重された重量が小さい場合を考慮しなくてもよいため、正常値範
囲の上限値を少し低めに設定することができ、車両が上り坂を走行している場合に出力さ
れることのない異常値を示すB領域をさらに広げることができ、AFM22の異常検出の
精度が一層高められるようになっている。
また、求めた傾斜度が、水平方向を基準(0度)として−15度より小さい(下り坂)
、かつ車両に加重された重量が、所定重量以下である(加重重量小)場合には、図5(e
)に示した下り坂かつ加重重量小用の異常判定マップがROMから読み出される。
図5(e)に示した下り坂かつ加重重量小用の異常判定マップに示されたAFM22の
出力値の正常値範囲は、図2(c)に示した下り坂用の異常判定マップと比較して、正常
値範囲の上限値が少し低めにされた設定となっている。つまり、下り坂かつ加重重量小用
とすることで、車両に加重された重量が大きい場合を考慮しなくてもよいため、正常値範
囲の上限値を少し低めに設定することができ、車両が下り坂を走行している場合に出力さ
れることのない異常値を示すB領域をさらに広げることができ、AFM22の異常検出の
精度が一層高められるようになっている。
また、求めた傾斜角度が、水平方向を基準(0度)として−15度より小さい(下り坂
)、かつ車両に加重された重量が、所定重量より大きい(加重重量大)場合には、図5(
f)に示した下り坂かつ加重重量大用の異常判定マップがROMから読み出される。
図5(f)に示した下り坂かつ加重重量大用の異常判定マップに示されたAFM22の
出力値の正常値範囲は、図2(c)に示した下り坂用の異常判定マップと比較して、正常
値範囲の下限値が少し高められた設計となっている。つまり、下り坂かつ加重重量大用と
することで、車両に加重された重量が小さい場合を考慮しなくてもよいため、正常値範囲
の下限値を少し高めに設定することができ、車両が下り坂を走行している場合に出力され
ることがない異常値領域をさらに広げることができ、AFMの異常検出の精度が一層高め
られるようになっている。
次に実施の形態(2)に係るエンジン制御装置10Aにおけるマイコン11Aの行うA
FM22の異常検出処理動作を図6に示したフロ−チャ−トに基づいて説明する。なお、
本処理動作は、エンジンが作動している場合において所定時間間隔で実行される。
まず、ステップS11では、傾斜センサ25から車両の傾斜度を示す信号、及び重量セ
ンサ26から車両に加重された重量を示す信号を取り込み、次のステップS12では、ス
テップS1で取り込んだ前記傾斜度を示す信号に基づいて、車両の傾斜状態、すなわち、
車両が、上り坂、平坦な道、及び下り坂のうちのどの道を走行している状態かを判断し、
車両が上り坂を走行している状態であると判断すればステップS13に進む。
ステップS13では、ステップS1で取り込んだ前記車両に加重された重量を示す信号
に基づいて、加重重量が所定重量以下(すなわち加重重量小)であるか否かを判断し、加
重重量小であると判断すればステップS14に進み、ステップS14では、ROMから上
り坂かつ加重重量小に対応する正常値範囲を示した異常判定マップ(図5(c))を読み
出し、その後ステップS22に進む。
一方ステップS13において、加重重量小ではない、すなわち加重重量大であると判断
すればステップS15に進み、ステップS15では、ROMから上り坂かつ加重重量大に
対応する正常値範囲を示した異常判定マップ(図5(d))を読み出し、その後ステップ
S22に進む。
一方、ステップS12において、車両が平坦な道を走行している状態であると判断すれ
ばステップS16に進み、ステップS16では、ステップS1で取り込んだ前記車両に加
重された重量を示す信号に基づいて、加重重量が所定重量以下(加重重量小)であるか否
かを判断し、加重重量小であると判断すればステップS17に進み、ステップS17では
、ROMから平坦な道かつ加重重量小に対応する正常値範囲を示した異常判定マップ(図
5(a))を読み出し、その後ステップS22に進む。
一方ステップS16において、加重重量小ではない、すなわち加重重量大であると判断
すればステップS18に進み、ステップS18では、ROMから平坦な道かつ加重重量大
に対応する正常値範囲を示した異常判定マップ(図5(b))を読み出し、その後ステッ
プS22に進む。
一方、ステップS12において、車両が下り坂を走行している状態であると判断すれば
ステップS19に進み、ステップS19では、ステップS1で取り込んだ前記車両に加重
された重量を示す信号に基づいて、加重重量が所定重量以下(加重重量小)であるか否か
を判断し、加重重量小であると判断すればステップS20に進み、ステップS20では、
ROMから下り坂かつ加重重量小に対応する正常値範囲を示した異常判定マップ(図5(
e))を読み出し、その後ステップS22に進む。
一方ステップS19において、加重重量小ではない、すなわち加重重量大であると判断
すればステップS21に進み、ステップS21では、ROMから下り坂かつ加重重量大に
対応する正常値範囲を示した異常判定マップ(図5(f))を読み出し、その後ステップ
S22に進む。
ステップS22では、AFM22から空気流量を示す信号(AFM22の出力値)と、
スロットル開度センサ24からスロットルバルブ23の開度を示す信号(スロットル開度
センサ24の出力値)とを取り込み、次のステップS23では、AFM22の出力値が、
車両の傾斜状態と加重重量とに応じて設定された異常判定マップの正常値範囲内であるか
否かを判断し、AFM22の出力値が、前記異常判定マップの正常値範囲内である(すな
わち正常である)と判断すれば処理を終える一方、前記異常判定マップの正常値範囲内で
はない(すなわち異常である)と判断すればステップS24に進む。
ステップS24では、異常時処理、すなわちAFM22が異常である旨の警告ランプの
点灯や異常コードをマイコン11AのRAMに記録する処理を行い、その後、スロットル
バルブ23の開度から概略の吸入空気量を求めるなどのフェイルセーフ処理によるエンジ
ン制御処理へ進む。
上記実施の形態(2)に係るAFM22の異常検出装置(エンジン制御装置10A)に
よれば、傾斜センサ25により検出された車両の傾斜状態と、重量センサ26により検出
された車両への加重重量とに応じて、AFM22の出力値の正常値範囲が制御され、AF
M22の出力値が正常値範囲制御機能14Aにより制御された正常値範囲内であるか否か
により、AFM22の異常判定が行われる。したがって、車両の傾斜状態と、車両への加
重重量とに応じたAFM22の出力値の正常値範囲を設定することができ、前記正常値範
囲を従来より一層狭めた条件で異常判定を行うことができ、AFM22の異常の検出精度
をさらに高めることができる。
また、正常値範囲制御機能14Aが、予めROMに記憶された6つ異常判定マップ(正
常値範囲パターン)の中から車両の傾斜状態と車両への加重重量とに対応した異常判定マ
ップを選択する制御を行うものであるので、車両の傾斜状態と車両への加重重量とに対応
した異常判定マップの制御を効率よく行うことができる。
なお上記実施の形態(2)では、車両の傾斜状態として、上り坂、平坦な道、及び下り
坂の3つ傾斜状態のうちのどの状態であるかを判断し、さらに車両への加重重量が、所定
重量以下であるか否かを判断し、車両の各傾斜状態(すなわち、上り坂、平坦な道、及び
下り坂)と、車両への加重重量の大小とに対応したAFM22の出力値の正常値範囲を示
す異常判定マップを用いて、AFM22の出力値の異常判定を行うようになっているが、
別の実施の形態では、車両の傾斜状態を車両の傾斜度に応じてさらに細かく分類するとと
もに、車両への加重重量もさらに細かく分類し、これら細かく分類された車両の傾斜状態
と車両への加重重量とに対応した異常判定マップを用いて異常判定を行うようにしてもよ
く、かかる構成によれば、異常判定の精度をより一層高めることができる。
また、上記実施の形態(2)では、正常値範囲制御機能14Aが、傾斜センサ25及び
重量センサ26からの信号に基づいて、車両の傾斜状態と、車両への加重重量とを判断、
すなわち、車両が、上り坂、平坦な道、及び下り坂のうちのどの道を走行しているか否か
、及び車両への加重重量の大小を判断し、判断された車両の傾斜状態と車両への加重重量
の大小とに応じてAFM22の出力値の正常値範囲を制御するようになっているが、別の
実施の形態では、正常値範囲制御機能が、傾斜センサ25により検出された車両の傾斜状
態に応じて変化するエンジンにかかる負荷状態、例えば、車両の傾斜度が大きくなる(上
り坂に相当)と、エンジンにかかる負荷が大きくなる、車両の傾斜度が小さくなる(下り
坂に相当)と、エンジンにかかる負荷が小さくなることを検出し、さらに重量センサ26
により検出された車両への加重重量に応じて変化するエンジンにかかる負荷状態、例えば
、車両への加重重量が大きくなると、エンジンにかかる負荷が大きくなる、車両への加重
重量が小さくなると、エンジンにかかる負荷が小さくなることを検出し、検出されたエン
ジンにかかる負荷状態に応じてAFM22の出力値の正常値範囲を上記と同様にして制御
するようにしてもよい。かかる構成によれば、前記エンジンにかかる負荷状態に対応させ
たAFM22の出力値の正常値範囲を設定することができる。
また、上記実施の形態(2)では、正常値範囲制御機能14Aが、予めROMに記憶さ
れた6つの異常判定マップの中から車両の傾斜状態と車両への加重重量とに対応した異常
判定マップを選択する制御を行うようになっているが、別の実施の形態では、予め設定さ
れた基準となる正常値範囲が設定された異常判定マップ(例えば、平坦な道かつ加重重量
小用の異常判定マップ(図5(a))のみをROMに記憶させておき、傾斜センサ25及
び重量センサ26により検出された車両の傾斜状態と車両への加重重量とに対応させて前
記異常判定マップの正常値範囲を適正な範囲に変化させる、例えば、車両の傾斜状態(傾
斜度)に対応させた係数と車両への加重重量に対応させた係数とを用いた演算により適正
な正常値範囲を求めるようにしてもよい。かかる構成によれば、車両の傾斜状態の変化と
車両への加重重量とに対応させて正常値範囲を連続的に変化させて、常に最適な正常値範
囲を設定することができ、AFM22の異常の検出精度を一層高めることができる。
また、上記実施の形態(1)、(2)において、エンジン制御装置が、エアコンのスイ
ッチ信号やシフトレバーの操作信号をさらに取り込む構成とし、エアコンがON操作され
た場合や、前記シフトレバーが操作された場合等、エンジンにかかる負荷が大きくなる場
合に、AFM22の出力値の正常値範囲の下限値を上げて、正常値範囲を一層絞り込む制
御を行う構成とすることもできる。
実施の形態(1)に係るAFMの異常検出装置が採用されたエンジン制御システムの要部を概略的に示したブロック図である。 (a)〜(c)は、実施の形態(1)に係るエンジン制御装置におけるマイコンのROMに予め記憶されているAFMの出力値の正常値範囲を示す異常判定マップを模式的に示した図である。 実施の形態(1)に係るエンジン制御装置におけるマイコンの行うAFMの異常検出処理動作を示したフローチャートである。 実施の形態(2)に係るAFMの異常検出装置が採用されたエンジン制御システムの要部を概略的に示したブロック図である。 (a)〜(f)は、実施の形態(2)に係るエンジン制御装置におけるマイコンのROMに予め記憶されているAFMの出力値の正常値範囲を示す異常判定マップを模式的に示した図である。 実施の形態(2)に係るエンジン制御装置におけるマイコンの行うAFMの異常検出処理動作を示したフローチャートである。 AFMの異常検出のための異常判定マップを模式的に示した図である。
符号の説明
10、10A エンジン制御装置
11、11A マイコン
12 入力IF部
13 出力IF部
14、14A 正常値範囲制御機能
15、15A 異常判定機能
21 吸気管
22 熱線式空気流量計測装置(AFM)
24 スロットル開度センサ
25 傾斜センサ

Claims (8)

  1. エンジンの吸気経路に吸入される空気流量を計測する空気流量計測装置と、エンジンに
    かかる負荷に影響を与える車両状態を検出する手段とを備えた車両に搭載される、前記空
    気流量計測装置の異常を検出するための異常検出装置であって、
    前記車両状態を検出する手段により検出された前記車両状態に応じて、前記空気流量計
    測装置の出力値の正常値範囲を制御する正常値範囲制御手段と、
    前記空気流量計測装置の出力値が前記正常値範囲制御手段により制御された前記正常値
    範囲内であるか否かにより、前記空気流量計測装置の異常判定を行う異常判定手段とを備
    えていることを特徴とする空気流量計測装置の異常検出装置。
  2. 前記正常値範囲制御手段が、予め設定された複数の正常値範囲パターンの中から前記車
    両状態を検出する手段により検出された前記車両状態に対応した正常値範囲パターンを選
    択する制御を行うものであることを特徴とする請求項1記載の空気流量計測装置の異常検
    出装置。
  3. 前記正常値範囲制御手段が、予め設定された基準となる正常値範囲を前記車両状態を検
    出する手段により検出された前記車両状態に対応させて変化させる制御を行うものである
    ことを特徴とする請求項1記載の空気流量計測装置の異常検出装置。
  4. 前記正常値範囲制御手段が、前記車両状態を検出する手段により検出された前記車両状
    態に応じて変化するエンジンにかかる負荷状態を検出し、該検出された前記エンジンにか
    かる負荷状態に応じて、前記空気流量計測装置の出力値の正常値範囲を制御するものであ
    ることを特徴とする請求項1記載の空気流量計測装置の異常検出装置。
  5. 前記正常値範囲制御手段が、予め設定された複数の正常値範囲パターンの中から前記エ
    ンジンにかかる負荷状態に対応した正常値範囲パターンを選択する制御を行うものである
    ことを特徴とする請求項4記載の空気流量計測装置の異常検出装置。
  6. 前記正常値範囲制御手段が、予め設定された基準となる正常値範囲を前記エンジンにか
    かる負荷状態に対応させて変化させる制御を行うものであることを特徴とする請求項4記
    載の空気流量計測装置の異常検出装置。
  7. 前記空気流量計測装置の出力値の正常値範囲が、スロットルバルブの開度を検出する手
    段の出力値との関係を示すものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかの項に記
    載の空気流量計測装置の異常検出装置。
  8. 前記車両状態を検出する手段には、前記車両の傾斜度を検出する手段、前記車両に加重
    された重量を検出する手段、前記車両に設けられたエアコンの操作を検出する手段、及び
    前記車両に設けられたシフトレバーの操作を検出する手段のうちの少なくとも一つが含ま
    れていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかの項に記載の空気流量計測装置の異常
    検出装置。
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