JP2006275197A - 気体ばね式除振装置 - Google Patents

気体ばね式除振装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006275197A
JP2006275197A JP2005096997A JP2005096997A JP2006275197A JP 2006275197 A JP2006275197 A JP 2006275197A JP 2005096997 A JP2005096997 A JP 2005096997A JP 2005096997 A JP2005096997 A JP 2005096997A JP 2006275197 A JP2006275197 A JP 2006275197A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piston
casing
gas spring
spring
vibration isolator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005096997A
Other languages
English (en)
Inventor
Isamu Kawahara
勇 川原
Koji Izumi
孝司 和泉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kurashiki Kako Co Ltd
Original Assignee
Kurashiki Kako Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kurashiki Kako Co Ltd filed Critical Kurashiki Kako Co Ltd
Priority to JP2005096997A priority Critical patent/JP2006275197A/ja
Publication of JP2006275197A publication Critical patent/JP2006275197A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Vibration Prevention Devices (AREA)

Abstract

【課題】ピストンを備えた気体ばねによって被支持体を弾性的に支持する空気ばね式除振装置において、前記ピストンのローリング等を確実に防止しつつ、上下方向の微小振動を低減可能な除振装置を提供する。
【解決手段】ピストン2の下端面bに設けられた略四角柱状のピストン下部材5の各側面5aに、複数の剛性板6a,6a,…と弾性板6b,6b,…とが交互に積層された積層体6,6,…を、その積層方向が水平方向となるように設ける。各積層体6の他端側は、ケーシング1の側面1cの貫通孔1d内に取り付けられる押さえ金具7に連結される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、例えば半導体製造装置や精密計測装置等の機器を気体ばねを介して弾性支持するようにした気体ばね式除振装置に関する。
従来より、積載された機器に伝わる振動を低減するための除振装置として、ピストンとダイヤフラムとによって構成される気体ばねを用いたものが知られている。一般的に、このような気体ばね式除振装置では、ケーシングの上面に開口する開口部近傍にピストンを配設するとともに、該ピストンとケーシングの開口部との間を塞ぐようにダイヤフラムを設けて、前記ケーシング内に気体室を区画することで、前記ピストンの下面が前記気体室内の気体の圧力を受ける気体ばねが構成されるようになっている。
しかしながら、前記ピストンは、ダイヤフラムによってケーシングに連結されていることから、上下方向に変位するだけでなく、水平軸周りにも容易に回動(ローリング)し、搭載機器の重心が高い場合には、この機器の作動に伴い大きな揺れを生じさせるおそれがある。
そのため、従来より、ピストンなどの部材において、その水平方向の変位を規制して上下方向にのみ移動可能とするものが考えられている。例えば特許文献1に開示されるものでは、上架台(ピストンに相当)と下架台との間に気体ばねを設けるとともに、該上架台が下架台に対して上下方向にのみ移動するようにガイド機構を設け、該上架台のローリングやチルト等を確実に防止するようにしている。
実公平4−14508号公報
しかしながら、前記特許文献1のようにガイド機構を設けると、上架台が上下方向及び水平方向に揺れた場合、ガイド機構のガイド部材が相手部材に当接しながら上下動するため、該ガイド部材と相手部材との間に非常に大きな摩擦が生じてしまう。そうすると、前記上架台の上下方向の変位が阻害されて、上下方向の振動を気体ばねによって十分に低減することができないという問題が生じる。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ピストンを備えた気体ばねによって被支持体を弾性的に支持する空気ばね式除振装置において、前記ピストンの支持構造に工夫を凝らして、該ピストンのローリング等を確実に防止しつつ、上下方向の振動を低減可能な除振装置を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明に係る気体ばね式除振装置では、空気ばねのピストンとケーシングとを、上下方向よりも水平方向の剛性が格段に大きい弾性連結部材により連結し、これによりピストンの上下動を阻害することなく、その水平方向への変位を規制するようにした。
具体的には、請求項1の発明では、被支持体の荷重を弾性的に支持する気体ばねのピストンが、該気体ばねのケーシングに対して、上下方向に比べて水平方向の剛性が少なくとも20倍高い弾性連結部材によって連結されているものとする。
この構成により、気体ばねのピストンを、上下方向よりも水平方向の剛性が20倍以上高い弾性連結部材によってケーシングと連結することで、該ピストンの上下方向の変位は許容しつつ、水平方向の変位は実質的に生じないようにすることが可能になる。すなわち、前記ピストンのローリングやチルト等が防止される一方、該ピストンの上下方向の変位は何ら規制されないため、気体ばねとしての機能を損なうことはない。
したがって、前記搭載機器(被支持体)にその作動に伴う水平方向の揺れを生ずることなく、上下方向の振動を確実に低減することのできる除振装置が得られる。
また、上述のように、水平方向の剛性が非常に高い弾性連結部材によって、ピストンの水平方向変位についての共振周波数を高周波数側にずらして、共振の影響を受けない低周波数側の領域を広げることができる。
上述の構成において、前記ケーシングはピストンの周りを囲むように設けられ、前記弾性連結部材は、複数の剛性板と弾性板とが交互に積層された積層体からなり、その積層方向を前記ピストンの径方向に向けて、該ピストンの周りに上方から見て略十字状に4つ設けられているものとする(請求項2の発明)。
これにより、積層体の圧縮方向(水平方向)には高剛性で、剪断方向(上下方向)には低剛性という特性を利用して、上下方向よりも水平方向の剛性が格段に高い弾性連結部材を確実に構成することができる。すなわち、前記積層体は、ピストンの周りに略十字状に配設されるため、該ピストンが水平方向に移動しようとすると、該積層体のうち少なくとも一つが必ず圧縮状態となって、該ピストンのローリング等を阻止する一方、前記積層体の剪断方向の剛性は低いため、前記ピストンの上下動を阻害することがない。
また、前記弾性連結部材は、ピストンの上部及び下部とケーシングとをそれぞれ連結するように、互いに略平行に配設された上下の板ばねからなるものでもよい(請求項3の発明)。このように、水平方向には高剛性で、厚み方向(上下方向)には低剛性という特性を有する板ばねを利用することで、ピストンの上下動を阻害することなく、水平方向への変位のみを規制することができる。しかも、一対の板ばねを、ピストンの上下部とケーシングとの間に平行に設けることで、該ピストンのローリングやチルト等をより確実に防止することが可能となる。
上述のように前記弾性連結部材を上下一対の板ばねによって構成するものにおいて、ケーシングはピストンの周りを囲むように設けられ、一対の板ばねは、それぞれ、前記ピストンに固定される中央部と、前記ケーシングに固定される略リング状の外周部と、それらを連結するように放射状に配置された複数の連結部と、によって構成されるのが好ましい(請求項4の発明)。
上記ピストンの周りに放射状に配置された連結部は、その放射状に延びる方向(水平方向)には高剛性で、厚み方向(上下方向)には極めて剛性の低いものとなるため、上記ピストンの上下方向の変位を阻害することなく、水平方向全方位には実質的に変位が生じないようにすることができる。したがって、ピストンのローリングやチルト等を確実に防止しつつ、搭載機器に伝達される上下方向の振動をより確実に低減することができる。
以上より、本発明に係る気体ばね式除振装置によれば、気体ばねのピストンを、上下方向よりも水平方向の剛性が略20倍以上高い弾性連結部材によってケーシングに連結するようにしたため、前記ピストンの上下方向の変位を妨げることなく、水平方向の変位は実質的に生じないようにすることができる。これにより、前記ピストンのローリング等を確実に防止しつつ上下方向の振動を確実に低減することのできる除振装置が得られる。
また、前記弾性連結部材を、複数の剛性板と弾性板とが交互に積層された積層体や、ピストンの上下部とケーシングとをそれぞれ連結する上下の板ばねによって構成することで、上述の効果をより確実に得ることができる。特に、前記弾性連結部材を板ばねによって構成する場合には、該板ばねを、ピストンに固定される中央部と、ケーシングに固定される外周部と、それらを連結するように放射状に配置される連結部とによって構成することで、上下方向の振動を十分に低減しつつ、ピストンのローリング等をより確実に防止することのできる除振装置が得られる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
(実施形態1)
図1〜3は、本発明の実施形態1に係る除振装置Aの概略構成を示しており、この除振装置Aは、その上に例えば半導体製造装置や計測装置等の精密機器(被支持体)を積載して、それらの機器に床面から上下方向の振動が伝達されないようにしたものである。なお、前記図1は除振装置Aの全体構成を示す斜視図を、図2は後述するトッププレート8を取り外した状態の除振装置Aの上面図を、図3は前記図1におけるIII−III線断面図を、それぞれ示している。
前記除振装置Aは、上方に向かって開口する穴部1bの形成されたケーシング1と、該ケーシング1の開口部1a近傍に配設され、該開口部1aとダイヤフラム3(可撓性部材)によって連結されるピストン2と、を備えており、該ピストン2の上部にボルト締結されたトッププレート8上に前記機器が積載されるようになっている。
詳しくは、前記ケーシング1は、概略直方体形状の部材からなるもので、その上面に上方に向かって開口する穴部1bは、図2及び図3に示すように、その上部が略円形状に、下部が上面視で略十字状に形成されている。そして、図3に示すように、この穴部1bの上部近傍(開口部1a近傍)には、略円柱状のピストン2が位置付けられ、該穴部1bの下部内には、詳しくは後述するが、前記ピストン2の下側に設けられるピストン下部材5を中心に積層ゴム6(積層体)が上面視で略十字状に収容されるようになっている。また、前記ケーシング1の各側面1cには、それぞれ、貫通孔1dが形成されていて、この各貫通孔1d内には、後述するように積層ゴム6を予圧縮状態にするための押さえ金具7が取り付けられるようになっている。
前記ケーシング1の開口部1a近傍に配設されるピストン2は、図2及び図3に示すように、該開口部1aよりも若干小さい径を有する略円柱状に形成されており、その外周には下端側に向かって僅かに縮径するテーパ面2aが形成されている。そして、前記ピストン2の下端面2bから外周側のテーパ面2aの下端側を覆ってさらに外周側に延び、そこから開口部1aの周縁までを閉塞するように、環状のダイヤフラム3が配設されている。すなわち、前記ダイヤフラム3及びピストン2によりケーシング1の開口部1a上端が閉塞されて、該ケーシング1内に空気室S(気体室)が区画され、該ピストン2の下端面2bが空気室Sの空気圧を受けることで、上下方向の荷重を支持する空気ばねが構成されている。
ここで、図1〜3に示すように、前記ケーシング1の側面1cの一つには、前記空気室S内に空気を供給するための吸気ポート11や、該空気室Sから空気を排気するための排気ポート12が設けられていて、これらのポート11,12は、サーボ弁13の制御によって前記空気室S内に空気を供給若しくは該空気室S内から空気を排気するようになっている。これにより、前記空気室S内の空気圧を常時調整することができ、いわゆるアクティブ除振制御が可能になる。さらに、前記側面1cには、上述のポート11,12に並んで、前記空気室Sと図示しない補助タンクの内部空間とを連通するための補助タンク用ポート14も設けられている。この補助タンク用ポート14を用いて前記空気室Sを補助タンクの内部空間と連通させることで、空気量を増大させることができ、除振装置Aのばね定数を適宜変更することが可能になる。
前記ダイヤフラム3は、ポリエステル繊維の織物を補強材として埋設したゴム弾性膜からなり、その中心部分に丸穴が空いたハット状に形成した後に、その周壁部分を途中で湾曲させて下方に折り返すようにして、深皿形状としたものである。すなわち、前記ダイヤフラム3は、帽子の鍔の部分に相当する外周フランジ部3aの内周端縁に連続して、上方に凸に湾曲する環状ロール部3bが形成され、このロール部3bの内周端縁部が前記外周フランジ部3aとほぼ同じ高さ位置まで下方に延び、そこからさらに内周側に向かって、前記丸穴を囲むように内周フランジ部3cが形成されている。
そして、前記ダイヤフラム3の内周フランジ部3cがピストン2の下端面2bに接着される一方、外周フランジ部3aは、ケーシング1の開口部1aの上端面に接着されて、その上部に配設された締め付けリング4がボルト31,31,…(図2参照)によって該ケーシング1に締結されることにより、該締め付けリング4の下面とケーシング1の上端面との間に強固に挟持されている。
そうして、そのように配設されたダイヤフラム3は、環状ロール部3bがピストン2と締め付けリング4との間で上下にうねるようにかつ全周に亘って略均等に大きく撓むことで、ピストン2の上下方向の変位に対して大きな可撓性を有する。なお、前記ダイヤフラム3はピストン2の水平方向の変位に対しては可撓性が極めて小さく、且つ後述するように該ピストン2の下部に設けられるピストン下部5が積層ゴム6によってその水平方向の変位を規制されるため、前記ピストン2は水平方向には殆ど変位しないことになる。
ここで、本実施形態では、上述のように上下動する前記ピストン2の下方向の大変位を規制するために、前記ケーシング1の四隅の上端面上で且つ締め付けリング4の外周側に着座ストッパ15,15,…が設けられている。該各着座ストッパ15は、略直方体形状の金属製の部材で、前記締め付けリング4よりも高さ寸法が大きくなるように形成されていて、図3に示すようにピストン2の上面に配設されたトッププレート8と前記ケーシング1との間に設けられることで、該トッププレート8が下方向へ大きく変位した場合に、該トッププレート8に当接してその変位を止めるようになっている。
なお、前記トッププレート8とケーシング1との間に、該トッププレート8のガイドとして機能する着座位置決め機構16を設けるようにしてもよいし、前記トッププレート8の上方向の最大変位量を調整可能なストッパ機構17を設けるようにしてもよい。詳しくは、このストッパ機構17は、トッププレート8に設けられた穴部(タップ穴)にナット17cによって一端側が固定された寸切りボルト17aと、前記ケーシング1の壁部1cの四隅の高さ方向中央部分のみを切り欠いて形成された上側フランジ部1eの貫通孔に前記寸切りボルト17aの他端側を挿通させた状態で、該上側フランジ部1eの下面側から該ボルト17aに螺合されるナット17b,17bと、によって構成される。この構成により、前記トッププレート8とともにボルト17aが上方へ移動した場合、前記ナット17b,17bが上側フランジ部1eの下面に当接して、該トッププレート8及びボルト17aの上方への変位を所定位置で規制することができる。なお、前記ボルト17aに対するナット17b,17bの締結位置を変化させることで、前記トッププレート8及びボルト17aの上方向への最大変位量を調整することができる。
また、図3に示すように、前記寸切りボルト17aの下端に、穴部(タップ穴)の設けられた押さえ金具19を配設するとともに、その下側に前記ボルト17aを軸方向に付勢するためのコイルばね18を配設し、前記押さえ金具19をその上方からボルト17aに螺合されるナット17dによって固定するようにしてもよい。これにより、前記トッププレート8に連結固定された前記ボルト17aは、コイルばね18によって、上述のダイヤフラム3、空気室S及びピストン2によって構成される空気ばねと並列に弾性支持されることになる。すなわち、上述のようにストッパ機構17にコイルばね18を設けることで、上述のダイヤフラム3、空気室S及びピストン2によって構成される空気ばねよりもばね定数を大きくすることが可能になり、除振装置Aのばね定数の調整が容易になる。
そして、本発明の特徴部分として、前記ピストン2の下端面中央部には、下方に延びるように略四角柱状に形成されたピストン下部材5(延出部)が複数のボルト32,32,…(図1の例では4本)によって締結固定されていて、このピストン下部材5の各側面5aには、それぞれ、外方に向かって延びるように複数の金属製の剛性板6aとゴム状弾性板6b(弾性板)とが水平方向に交互に積層されてなる積層ゴム6がボルト33,33,…によって締結固定されている。該各積層ゴム6の他端側は、それぞれ、前記ケーシング1の各側面1cに形成された貫通孔1d内に配設される押さえ金具7にボルト34,34,…によって連結されていて、該押さえ金具7によって積層方向に圧縮力を受けるようになっている。
詳しくは、前記押さえ金具7は、略円筒状の本体部7aの一端側にフランジ部7bが形成されて、全体として断面略T字状に形成されたもので、前記ケーシング1の貫通孔1d内に配置された状態で、前記フランジ部7bがケーシング1の側面1cに複数のボルト35,35,…によって締結固定される一方、本体部7aの他端側の面が前記積層ゴム6の端面とボルト34,34,…により接合されている。なお、この押さえ金具7の本体部7aと積層ゴム6との間にライナを挟み込むことで、該積層ゴム6に作用する圧縮力を調整して、該積層ゴム6の剛性を調整できるようになっている。
これにより、前記各積層ゴム6は、ピストン下部5の側面5aと前記押さえ金具7との間で水平方向に予圧縮された状態で配設されることになり、積層方向(圧縮方向)には剛性が高く、該積層方向に直行する方向(剪断方向)には剛性が低いという積層ゴムの特性をより確実に発揮させることができる(具体的には、上述の構成により、水平方向の剛性が上下方向よりも略20倍以上高くなる)。
また、前記ピストン下部材5の各側面5aにそれぞれ前記積層ゴム6を設けることで、該ピストン下部材5が水平方向のいずれの方向に移動した場合でも、該積層ゴム6,6,…のうちの少なくとも一つが圧縮力を受け、その圧縮方向の剛性によって前記ピストン下部材5の水平方向への移動が規制されることになる。したがって、前記ピストン2は、水平方向の剛性が高い積層ゴム6によってケーシング1と連結されたピストン下部材5を介して、水平方向の変位が規制されることになる。
ここで、図2に示すように、前記ピストン下部材5は、ケーシング1の穴部1bの下部中央付近に収納される一方、前記積層ゴム6,6,…は、該穴部1bの下部に上面視で略十字状に収納されている。このように、前記ケーシング1の穴部1bに、前記ピストン下部材5及び積層ゴム6,6,…を配置するスペース以外に余分な空間を設けないようにすることで、除振装置Aのばね定数を可能な限り大きくすることができるとともに、前記補助タンク用ポート14によって図示しない補助タンクを連結し、その補助タンクの容量等を変更することで前記除振装置Aのばね定数を広範囲且つ容易に調整する事が可能となる。
以上より、本実施形態によれば、ケーシング1の開口部近傍に配設されるピストン2とダイヤフラム3とによって該ケーシング1内に空気室Sが区画形成され、空気ばねが構成される除振装置Aにおいて、前記ピストン2の下側に設けられる略四角柱形状のピストン下部材5の各側面5aと前記ケーシング1との間に、外方に向かって剛性板6a及びゴム状弾性板6bが交互に積層され、水平方向の剛性が上下方向よりも高い積層ゴム6を設けることで、前記ピストン2の上下方向の変位を規制することなく、水平方向の変位のみを前記積層ゴム6の水平方向の剛性によって規制することができる。これにより、前記ピストン2のローリングやチルト等を確実に防止しつつ、上下方向の振動を前記空気ばねによって十分に低減することができる。
したがって、かなり上側に重心がある機器を搭載した場合でも、該機器に水平方向の揺れを生ずることなく上下方向の振動を確実に低減することのできる除振装置を得ることができる。
(実施形態2)
この実施形態2では、図4〜6に示すように、前記実施形態1とは、ピストンの各側面に積層ゴムを設ける代わりに板ばねを設けた点のみが異なるだけなので、同一の部分には同一の符号を付し、実施形態1と異なる部分についてのみ以下で詳しく説明する。
具体的には、概略直方体形状を有し且つその上面に上方に開口するように略円形状の穴部21bが形成されたケーシング21の開口部21a近傍には、略円筒状のピストン22が配設されていて、その下側には、該ピストン22内を下方から挿通する断面略T字状のピストン押さえ金具25が設けられている。
前記ピストン押さえ金具25は、略円筒状のピストン22内部を挿通する円柱部25aと、該円柱部25aの下端部から全周に亘って径方向外方に延びるフランジ部25bと、からなり、前記円柱部25aの上端面は、ピストン22の上部に配設されるトッププレート28の下面にボルト41,41,…によって接合される一方、前記フランジ部25bの上面は、前記ピストン22の下端面との間にダイヤフラム3の内周フランジ部3cを挟み込むように配設されている。このダイヤフラム3と前記ピストン22及びピストン押さえ金具25とによって、上述の実施形態1と同様、ケーシング21内に空気室S’が区画される。なお、このダイヤフラム3の構造や作用については、上述の実施形態1と同様なので、詳しい説明は省略するが、該ダイヤフラム3の外周フランジ部3aは実施形態1と同様、締め付けリング4によってケーシング21に固定されている。
そして、前記ピストン22とトッププレート28との間及び前記ピストン押さえ金具25とケーシング21の内側底面との間には、それぞれ、厚み方向が上下方向となり且つ互いに略平行になるように略円盤状の板ばね26,27が設けられている。ここで、前記ピストン22の上面及びトッププレート28の下面には、それぞれ、中央部分のみが上方向若しくは下方向に突出するように段差部22a,28aが形成されている一方、前記ピストン押さえ金具25の下面にも、その中央部のみが下方に突出するように段差部25cが形成されている。これらの段差部22a,28a,25cを設けることで、前記ピストン22とトッププレート28との間及び前記ピストン押さえ金具25とケーシング21の内側底面との間にそれぞれ設けられた板ばね26,27が変形を生じる際に、トッププレート28の下面やピストン22の上面、または前記ピストン押さえ金具25の下面に当接して該板ばね26,27の変形が阻害されるのを防止することができる。
前記板ばね26,27は、図7に示すように、それぞれ、貫通穴26d,27dを有する上面視で略円形状の中央部26a,27aと、その外周側を囲むように略リング状に形成された外周部26b,27bと、該中央部26a,27aからそれぞれ径方向外方に向かって放射状に延び、該中央部26a,27aの外周側と外周部26b,27bの内周側とをそれぞれ連結する複数の連結部26c,27cとからなる。このように、中央部26a,27aと外周部26b,27bとをそれぞれ複数の連結部26c,27cによって連結して板ばね26,27を構成することで、厚み方向の剛性が低く、径方向の剛性が高い板ばねを得ることができる。なお、前記板ばね26,27は、中央部26a,27a及び連結部26c,27cがほぼ同一形状に形成される一方、前記外周部26b,27bに関しては、前記ピストン22とトッププレート28との間に配設される上板ばね26のほうが下板ばね27よりも外径が大きくなるように形成されている。
そして、図6(b)に示すように、前記上板ばね26は、その外周部26bがケーシング21の開口端面上に位置付けられ、その上方に配設されるリング部材29の下面と該ケーシング21の開口端面との間でボルト42,42,…によって強固に挟持されている。一方、前記上板ばね26の中央部26aは、その貫通孔26dに前記ピストン押さえ金具25の円柱部25aの上端部を挿通させた状態で、該挿通孔26dの周辺部分が前記トッププレート28及びピストン22の段差部22a,28aに挟持されてボルト43,43,…によって固定されている。ここで、前記上板ばね26の連結部26c同士の間の空間には、図5及び図6に示すように、それぞれ、スペーサ30,30,…が配設されていて、該各スペーサ30は前記ピストン22及びトッププレート28にボルト44,44,…によって締結固定されている。このように、該ピストン22とトッププレート28とをスペーサ30,30,…を介して連結することで、該トッププレート28にかかる搭載機器の重量をピストン22全体で均等に支持することができる。
また、前記板ばね26,27のうち、前記ピストン押さえ金具25とケーシング21の内側底面との間に配設される下板ばね27は、その外周部27bがケーシング21の内側底面にボルト44,44,…によって固定される一方、該下板ばね27の中央部27aは、前記ピストン押さえ金具25の段差部25cにボルト45,45,…によって固定されている。なお、前記下板ばね27の中央部27aに形成された貫通孔27d内には、前記ピストン押さえ金具25の段差部25cに形成された突出部25dが位置付けられる。
これにより、前記ピストン22及びトッププレート28が上下動すると、前記上板ばね26及び下板ばね27はその厚み方向に容易に変形を生じて、空気ばねの上下方向のばね特性にはほとんど影響を与えない一方、該ピストン22及びトッププレート28が水平方向に変位しようとすると、前記上板ばね26及び下板ばね27の径方向の剛性(上下方向の剛性の略20倍以上)によって変位が規制され、該ピストン22及びトッププレート28はほとんど水平方向には変位しない。しかも、前記上板ばね26及び下板ばね27は、それぞれ、ケーシング21内を上下動するピストン22の上方及び下方に設けられていることから、該ピストン22が上下動する際にピストン22にローリングやチルト等を生じさせることがない。
すなわち、上下方向の振動は空気ばねによって十分に低減される一方、水平方向にはピストン22をほとんど変位させないので、ローリングやチルト等が生じるのを防止することができ、これにより、搭載機器に悪影響を与えず、上下方向の振動を確実に低減することのできる除振装置を得ることができる。
(その他の実施形態)
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その他の種々の実施形態を包含するものである。すなわち、前記各実施形態では、ピストン2,22とダイヤフラム3とによって空気ばねを構成するようにしているが、この限りではなく、前記ダイヤフラム3の代わりにピストン2,22が上下動するようなベローズを設けて空気ばねを構成するようにしてもよい。
また、前記実施形態1では、ケーシング1の穴部1bを、その上部は略円形状に、下部は上面視で略十字状にそれぞれ形成しているが、この限りでなく、該穴部1bの下部も上部と同様、略円形状に形成してもよい。
また、前記実施形態1では、ピストン2の下端面2bに別部材である略四角柱状のピストン下部材5をボルト32,32,…によって締結固定するようにしているが、この限りではなく、前記ピストン2と一体に形成するようにしてもよいし、前記ピストン下部材5を略円柱状や多角形状に形成してもよい。
さらに、前記各実施形態では、サーボ弁13を設けて、空気室S内の空気圧を常時、制御できるようにしているが、この限りではない。
本発明の実施形態1に係る除振装置の概略構成を示す斜視図である。 除振装置のトッププレートを取り外した状態の上面図である。 図1のIII−III線断面図である。 実施形態2に係る除振装置の概略構成を示す斜視図である。 除振装置のトッププレートを取り外した状態の上面図である。 除振装置の(a)正面図、(b)図4のVIb−VIb線断面図、である。 (a)上板ばね、(b)下板ばねの構成を示す全体図である。
符号の説明
A 除振装置
S、S’ 空気室
1、21 ケーシング
1a、21a 開口部
1b 穴部
2、22 ピストン
3 ダイヤフラム
5 ピストン下部材
6 積層ゴム(積層体)
6a 剛性板
6b ゴム状弾性板(弾性板)
26 上板ばね(板ばね)
26a 中央部
26b 外周部
26c 連結部
27 下板ばね(板ばね)
27a 中央部
27b 外周部
27c 連結部

Claims (4)

  1. 被支持体の荷重を弾性的に支持する気体ばねのピストンが、該気体ばねのケーシングに対して、上下方向に比べて水平方向の剛性が少なくとも20倍高い弾性連結部材によって連結されていることを特徴とする気体ばね式除振装置。
  2. 請求項1において、
    ケーシングはピストンの周りを囲むように設けられ、
    弾性連結部材は、複数の剛性板と弾性板とが交互に積層された積層体からなり、その積層方向を前記ピストンの径方向に向けて、該ピストンの周りに上方から見て略十字状に4つ設けられていることを特徴とする気体ばね式除振装置。
  3. 請求項1において、
    弾性連結部材は、ピストンの上部及び下部とケーシングとをそれぞれ連結するように、互いに略平行に配設された上下一対の板ばねからなることを特徴とする気体ばね式除振装置。
  4. 請求項3において、
    ケーシングはピストンの周りを囲むように設けられ、
    一対の板ばねは、それぞれ、前記ピストンに固定される中央部と、前記ケーシングに固定される略リング状の外周部と、それらを連結するように放射状に配置された複数の連結部と、によって構成されることを特徴とする気体ばね式除振装置。
JP2005096997A 2005-03-30 2005-03-30 気体ばね式除振装置 Pending JP2006275197A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005096997A JP2006275197A (ja) 2005-03-30 2005-03-30 気体ばね式除振装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005096997A JP2006275197A (ja) 2005-03-30 2005-03-30 気体ばね式除振装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006275197A true JP2006275197A (ja) 2006-10-12

Family

ID=37210154

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005096997A Pending JP2006275197A (ja) 2005-03-30 2005-03-30 気体ばね式除振装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006275197A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012163426A (ja) * 2011-02-07 2012-08-30 West Japan Railway Co 計測装置および除振装置
CN108167365A (zh) * 2018-02-09 2018-06-15 中国工程物理研究院总体工程研究所 一种压紧力可调的径向压紧减振装置

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61126124U (ja) * 1985-01-29 1986-08-08
JPH01307540A (ja) * 1988-06-06 1989-12-12 Takenaka Komuten Co Ltd 制振支持構造
JPH0281936U (ja) * 1988-12-13 1990-06-25
JP2000249185A (ja) * 1999-02-26 2000-09-12 Fujita Corp アクティブ型除振装置
JP2001050334A (ja) * 1999-08-05 2001-02-23 Fujita Corp アクティブ型除振装置
JP2001287641A (ja) * 2000-04-06 2001-10-16 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 鉄道車両用空気バネ
JP2004183763A (ja) * 2002-12-03 2004-07-02 Fujikura Rubber Ltd 除振台装置

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61126124U (ja) * 1985-01-29 1986-08-08
JPH01307540A (ja) * 1988-06-06 1989-12-12 Takenaka Komuten Co Ltd 制振支持構造
JPH0281936U (ja) * 1988-12-13 1990-06-25
JP2000249185A (ja) * 1999-02-26 2000-09-12 Fujita Corp アクティブ型除振装置
JP2001050334A (ja) * 1999-08-05 2001-02-23 Fujita Corp アクティブ型除振装置
JP2001287641A (ja) * 2000-04-06 2001-10-16 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 鉄道車両用空気バネ
JP2004183763A (ja) * 2002-12-03 2004-07-02 Fujikura Rubber Ltd 除振台装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012163426A (ja) * 2011-02-07 2012-08-30 West Japan Railway Co 計測装置および除振装置
CN108167365A (zh) * 2018-02-09 2018-06-15 中国工程物理研究院总体工程研究所 一种压紧力可调的径向压紧减振装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101627241B (zh) 流体控制器
JP5784912B2 (ja) 防振装置
US7125008B2 (en) Air-spring vibration isolation device
JPS6054537B2 (ja) 空気減衰付ゴム支承装置
JPH09291969A (ja) 能動型除振装置の支持装置
JP2006275197A (ja) 気体ばね式除振装置
JP3666484B2 (ja) 液封入式防振装置
JP2006144980A (ja) 防振装置
JPH1030680A (ja) アクティブ型除振装置
JP2007205543A (ja) 除振装置
JP6276774B2 (ja) 空気式支持体
JP3120892U (ja) 防振装置
JP7086718B2 (ja) 気体ばね式防振装置
JP3797891B2 (ja) 気体ばね式除振装置
JP6097638B2 (ja) 気体ばね式除振装置
JP2007321932A (ja) 気体ばね式除振装置
JP2006077395A (ja) 橋梁用支承装置
JP4080854B2 (ja) 除振台装置
WO2023068364A1 (ja) 防振マウント
JP4079072B2 (ja) 能動型流体封入式防振装置
JP2597747Y2 (ja) 空気ばね式防振装置
WO2024161718A1 (ja) 防振支持構造
JP7231999B2 (ja) 動的荷重対応型防振装置
JP4675303B2 (ja) 多段式気体ばね除振装置
JP4915594B2 (ja) 免震装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080214

A977 Report on retrieval

Effective date: 20091210

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20091215

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100413