JP2006274635A - 杭打込姿勢監視装置及び杭打込姿勢監視方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 地中への杭の打込姿勢の精度を確保するための杭打込姿勢監視装置Sであって、杭3の周りで、地盤面に対して略水平に配設される少なくとも二つの計測部材1を有し、計測部材1は略平行な二本の光線を照射する照射手段10を備え、それぞれの計測手段から照射される二本の光線13が互いに交差して、杭3の位置する適正範囲14が形成され、杭3が適正範囲14から外れたときに、杭3が不適性位置にあることを報知する報知手段を備えている。
【選択図】 図1
Description
しかし、上記基礎では、施工に手間を有し、さらに、敷地外に廃棄される残土を多く生じるという問題があった。
このため、杭が適正な姿勢で打ち込まれているか否かを計測する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、照射光と反射光の位置で、杭の姿勢のズレが示されるが、杭の上部側で光による表示がなされるため、作業者にとって見づらいという不都合があった。
このように、本発明の装置は、複数の杭に共通して用いることができるので、コスト面において有利である。
杭打込姿勢監視装置Sは、住宅の基礎等を構成する杭3を地中に打ち込む際に、杭3が鉛直に打ち込まれるように、杭3の姿勢を監視する装置である。
支持台2は図1に示す一部の辺2gがねじ2hにより着脱可能とされているので、杭3の周りに配設するときは、支持台2は辺2gが取り外されたコ字状になっており、杭3の周りにはめ込むように設置される。
辺2gは、設置が終わったあとに、再度取り付けられる。
赤外線センサ10は、赤外線を出射する照射部11と、照射部11に対向して配置される受光部12から構成されている。
本例では、受光部12への赤外線入射がカットされると、検知信号を出力する遮光時オン型の赤外線センサを採用している。
なお、受光部12に赤外線が入射すると検知信号を出力する入光時オン型の赤外線センサを採用することもできる。
これらの気泡管2c、2dにより、支持台2の前後左右の水平を出すことができる。
すなわち、気泡管2c、2dの気泡が基準位置になっているとき、支持台2の上面の水平が保たれることになる。
脚部2eの先端は尖った形状となっており、この脚部2eを地面に対して押し込みながら調整することにより、支持台2の水平を容易に出すことが可能である。
支持台2が水平になることにより、計測部材1が地盤面に対して水平に設置される。
赤外線センサ10は、保持手段20上の任意の位置に取り付け可能とされており、照射部11から照射される二本の光線13の間隔を適宜変更できるように構成されている。
これにより、様々な太さの杭3に対応することが可能となる。
案内部32は外周にねじが切られており、保持手段20の係合部21が、この案内部32に螺合されている。
操作部31を回動操作すると、案内部32に沿って係合部21が移動し、これにより保持手段20の位置調整を行うことができる。
また、図1の上側に示される計測部材1bには、赤外線センサ10の照射部11が配設され、対向する位置に受光部12が配設されている。
また、支持台2の辺2kにも計測部材1を設け、計測部材1bに配設される赤外線センサ10を、受発光可能なタイプとし、赤外線を送受信する構成としても良い。
照射部11は赤外線の発光素子を備えてなり、この照射部11から照射された赤外線により、杭3が位置すべき適正範囲が規定される。
二本の光線13の間隔は、打ち込まれる杭3の直径と同一か、或いは杭3の直径よりも若干広めになるように調整される。若干広めにするときは、杭3のずれ幅の許容範囲になるようにする。
光線13が交差することにより、図1に斜線で示される範囲14が規定される。このように光線13により区画された範囲14が、杭3の位置すべき適正位置となる。
受光部12への赤外線入射がカットされると、検知信号が出力される。
図2は、本実施例で用いられる報知手段としての警報装置5を示す説明図である。
図示されているように、警報装置5は、複数のランプ5cを備えている。ランプ5cは、杭3の姿勢が前後左右のいずれかにずれたかを点灯により示すものである。
赤外線センサ10と警報装置5とは有線または無線で接続されている。
そうすると、受光部12に光線13が入射しなくなる。受光部12は、光線13が入射しなくなった時点で、検知信号を警報装置5へ出力する。
制御部5bは、検知信号に基づいて、ランプ5cを点灯または点滅させる。ランプ5cは四つ設けられており、検知信号に基づいて所定の位置のランプが点灯され、杭3をどの方向に動かせば良いかを導くように構成されている。
鏡9は杭3を映し、杭3の様子をオペレータに伝達するものである。杭打ち機4のオペレータからは、鏡9を介して杭3の状態がわかるようになっている。
オペレータは鏡9を見ながら杭打ち機を操作し、杭3の姿勢を補正する。
ブザー5dは、いずれかの受光部12に光線13が入射しなくなったときに、制御部5bの制御により所定の音声を出力する。
このとき、左、右、前、後それぞれについて、別々の音声を発するようにしても良い。
まず、ステップS1で受光部12から検知信号が出力され、受信部5aに入力される。
次いで、ステップS2で、受信部5aから制御部5bに検知信号が送信される。
ステップS3では、制御部5bにより、いずれの受光部12からの検出であったのかが判断される。
まず、図5に示すように、杭打ち機4のリーダ4aに杭3を装着する。
リーダ4aには駆動部4bが連結され、この駆動部4bにはキャップ4cが設けられている。
杭打ち機4に杭3が装着されたら、杭3を打ち込む所定位置まで杭打ち機4を移動させる。
杭3が立設されたら、図6に示すように、杭3の周りに杭打込姿勢監視装置Sを配設する。なお、図6では理解を容易にするため、赤外線センサ10については、照射部11と受光部12が相対して一つずつ配設された構成として示し、照射部をそれぞれ11a〜11d、受光部をそれぞれ12a〜12dとして図示している。
回転圧入を行っているときに、杭3が傾いて、杭3の姿勢が不適性なものとなると、図7に示すように、光線13が杭3に遮られる。
図7の例では、照射部11a及び照射部11dから照射された光線13が遮られている。
警報装置5では、受光部12a及び受光部12dからの検知信号であることが確認される。
受光部12a及び受光部12dからの検知信号であるということは、すなわち、図7に示すX方向及びY方向に杭3の位置がずれたということである。
警報装置5は、杭3の姿勢を適正位置へ導くようにランプ5cを点灯させる。
このようにして、杭3を鉛直に打ち込むことが可能となる。
杭打ち機4では、受信部4gで検知信号が受信される。さらに、受信部4gからリーダ制御部4fに送信される。
リーダ制御部4fは検知信号を受けると、リーダ4aの姿勢を制御する。
上記制御を可能とするために、リーダ4aの上端部または下端部に、リーダ4aの姿勢変更装置4eが設けられている。
図9及び図10は姿勢変更装置4eの一例を示す説明図である。姿勢変更装置4eは、例えば図9に示すように、リーダ4aの側面に設けられ、リーダ4aを押したり引いたりすることが可能な一対の伸縮部材から構成されている。伸縮部材は油圧等により作動される。
伸縮部材は軸線が直交するように配設され、リーダ4aのX方向及びY方向の位置を調整可能とされている。
なお、リーダ4aの姿勢を変更するのではなく、杭3の姿勢を直接変更する構成としても良い。
なお、杭3の打ち止めは、杭3が所定深さまで打ち込まれた時点でなされる。
本例では、図11乃至図14に示す打止レベル確認装置6を用いて、杭3が適正深さまで打ち込まれたことを確認し、打ち止めを行うようにしている。
打止レベル確認装置6は標尺8と組み合わせて使用されるものであり、図11に示すように、標尺置き台6aと、標尺支持部6bとを備えている。さらに、レベルアーム6cと、差し棒6dとを備えて構成されている。
レベルアーム6cは、ねじ6fを緩めることにより、保持部6gよりも下側に位置する部分が伸縮可能に構成されている。
杭3は、地盤面(設計GL)から出る杭3の頭部が、所定突出量以下となるまで打ち込まれるように規定されている。
しかし、地盤面GLに起伏があっても、全ての場所で、決められた十分な貫入量だけ杭3を打ち込み、さらに、杭3の上端部が同じ高さになるように打ち込まなければならない。
まず、任意の位置にレベル7を設置する。本例では、レベル7を、杭3aが打ち込まれる地盤面上に設置している。
そして、レベル7による視準を行い、任意の高さを設定する。この高さを、第一の基準高さH1とする。
第一の基準高さH1と、距離hと、杭3a〜3cの突出長さA1〜A3との関係は次式のようになる。
本例では、第一の基準高さH1は、この第二の基準高さH3よりも高い位置となるように設定されている。
そして、視準線7aの高さ(すなわち、第一の基準高さH1)に一致する目盛8aを読み取る。この目盛が示す数値は、図13の長さyに該当する。
打止レベル確認装置6において、標尺置き台6aは目盛を付すことが困難な部位であるが、この部位は、その長さlが目盛一つ分となるように形成されている。
目盛6mは一定間隔に整数倍の寸法で設けられている。レベルアーム6c及び保持部6gには、周面上に目盛6mが付されているので、どの位置からでも、目盛を確認することができる。
差し棒6dの先端には着色部6eが設けられており、杭3の打ち止め位置の確認を確実に行えるようになっている。
そして、杭3の印が差し棒6dの位置まで来たときに、杭3の打ち止めを行うようにすれば良い。
差し棒6dは、円筒状の基部6d1と、棒部材6d2とから構成されており、棒部材6d2は、基部6d1から突出可能に構成されている。
本例の打止レベル確認装置6は、レベルアーム6cの他に、もう一本のレベルアーム6hを備えている。
このため、上記実施例における標尺置き台6a及び標尺支持部6bに相当する部材を備えていない。
レベルアーム6hが連結されることにより、標尺8を用いなくても、長さyの値を得ることが可能となる。
また、目盛は一定間隔で色分けされている。例えば、100mmごとに色分けしておけば、色を見るだけで100mm単位の長さを把握することができ、容易に概略長さを把握することができる。
このとき、本例の杭打込姿勢監視装置Sは、ユニット化されているので、容易に運ぶことができる。
さらに、支持台2の辺2gは、支持台2に着脱可能とされている。辺2gは脚部2eの上方に横架された支持棒2jにねじ等により保持される。
これにより、移動中に辺2gを紛失するようなことがなく、好適である。
なお、鏡9は、移動時は支持台2から外しておき、破損を防止するために別途移動するのが望ましい。
2 支持台(支持体)
2a 台座
2b 水準器
2c、2d 気泡管
2e 脚部
2f 支持棒
2g 辺
2h ねじ
2i ハンドル
2j 支持棒
2k 辺
3,3a,3b,3c 杭
4 杭打ち機
4a リーダ
4b 駆動部
4c キャップ
4d 保持部材
4e 姿勢変更装置
4f リーダ制御部
4g 受信部
5 警報装置
5a 受信部
5b 制御部
5c ランプ
5d ブザー
5e 枠体
6 打止レベル確認装置
6a 標尺置き台
6b 標尺支持部
6c レベルアーム
6d 差し棒
6d1 基部
6d2 棒部材
6e 着色部
6f ねじ
6g 保持部
6h レベルアーム
6i 接続部
6m 目盛
7 レベル
7a 視準線
8 標尺
8a 目盛
9 鏡
10 赤外線センサ
11 照射部(照射手段)
12 受光部
13 光線
14 範囲
20 保持手段
21 係合部
30 位置調整手段
31 操作部
32 案内部
A、A1〜A3 杭が地盤面から出る長さ
BM ベンチマーク
F 支点
GL 地盤面
H1 第一の基準高さ
H2 杭の打止高さ
H3 第二の基準高さ
h 第一の基準高さから杭の打止高さまでの距離
s1 視準場所でのBMからGLまでの距離
s2,s3 各地点でのBMからGLまでの距離
S 杭打込姿勢監視装置
Claims (8)
- 地中への杭の打込姿勢の精度を確保するための杭打込姿勢監視装置であって、
前記杭の周りで、地盤面に対して略水平に配設される少なくとも二つの計測部材を有し、
前記計測部材は略平行な二本の光線を照射する照射手段を備え、
前記それぞれの計測手段から照射される二本の光線が互いに交差して、前記杭の位置する適正範囲が形成され、
前記杭が前記適正範囲から外れたときに、前記杭が不適性位置にあることを報知する報知手段を備えたことを特徴とする杭打込姿勢監視装置。 - 前記照射手段に対向する位置に受光手段が設けられ、前記受光手段で前記光線が受光されているか否かにより、前記杭が適正位置にあるか否かが判定されることを特徴とする請求項1記載の杭打込姿勢監視装置。
- 前記報知手段はランプの点灯または点滅による報知を行うことを特徴とする請求項1記載の杭打込姿勢監視装置。
- 前記報知手段は音声による報知を行うことを特徴とする請求項1記載の杭打込姿勢監視装置。
- 前記計測部材は支持体に配設され、ユニット化されていることを特徴とする請求項1記載の杭打込姿勢監視装置。
- 前記二本の光線の間隔は変更可能とされていることを特徴とする請求項1記載の杭打込姿勢監視装置。
- 前記適正範囲から前記杭が外れたときに、前記杭を地中に打ち込む打込手段において前記杭の保持状態の補正制御がなされることを特徴とする請求項1記載の杭打込姿勢監視装置。
- 地中への杭の打込姿勢の精度を確保するための杭打込姿勢監視方法であって、
前記杭を打込位置に立設する工程と、
前記杭の周りに、地盤面に対して略水平に配設される少なくとも二つの計測部材を配設する工程と、
前記計測部材から略平行な二本の光線を照射する工程と、
前記二本の光線が互いに交差して形成される範囲に前記杭が位置するように調整する工程と、
前記杭を地中に打ち込む工程と、
前記杭が地中に打ち込まれるときの姿勢に応じて前記杭が前記範囲から外れたとき、前記杭が不適性位置にあることを報知する工程と、
前記杭の姿勢を補正する工程と、を備えたことを特徴とする杭打込姿勢監視方法。
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