JP2006274635A - 杭打込姿勢監視装置及び杭打込姿勢監視方法 - Google Patents

杭打込姿勢監視装置及び杭打込姿勢監視方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、住宅等の基礎を構成する杭の打込作業を行う際に、杭を正しい姿勢で打ち込むことを可能とする、杭打込姿勢監視装置を提供する。
【解決手段】 地中への杭の打込姿勢の精度を確保するための杭打込姿勢監視装置Sであって、杭3の周りで、地盤面に対して略水平に配設される少なくとも二つの計測部材1を有し、計測部材1は略平行な二本の光線を照射する照射手段10を備え、それぞれの計測手段から照射される二本の光線13が互いに交差して、杭3の位置する適正範囲14が形成され、杭3が適正範囲14から外れたときに、杭3が不適性位置にあることを報知する報知手段を備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は杭打込姿勢監視装置及び杭打込姿勢監視方法に関し、特に、地中に杭を回転圧入する際に杭の鉛直姿勢を確保し、精度良く打ち込むことを可能とする、杭打込姿勢監視装置及び杭打込姿勢監視方法に関する。
住宅等の建物の基礎は、一般に、地盤を掘削し、そこに鉄筋からなる構造体を構築し、型枠を設置した後、コンクリートを打設して形成されている。
しかし、上記基礎では、施工に手間を有し、さらに、敷地外に廃棄される残土を多く生じるという問題があった。
また、リサイクルの観点から見ても、上記従来の基礎では、コンクリート部分と鋼材部分とを分離するのが容易ではなく、鋼材の再利用が難しいという問題があった。
そこで、地盤に鋼製の杭を打ち込み、この杭の上端部に鋼製の基礎横架材が接合されてなる建物基礎の構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−064978号公報
上記特許文献1に開示された基礎構造を採用するときは、杭を所定位置に精度良く打ち込むことが好ましい。
このため、杭が適正な姿勢で打ち込まれているか否かを計測する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2に開示された鋼管杭は、外側に設けられた筒部に姿勢計測装置を備え、筒部の軸心の方向を計測することで、鋼管杭の軸心の向きを把握し、その姿勢を計測するように構成されている。
特開平4−353122号公報(第2頁、図1)
しかし、上記特許文献2に開示された姿勢計測装置は、装置をそれぞれの鋼管杭に取り付ける必要があり、取り付けに手間がかかるとともに、コストが高くなるという問題があった。
また、照射光と反射光の位置で、杭の姿勢のズレが示されるが、杭の上部側で光による表示がなされるため、作業者にとって見づらいという不都合があった。
本発明の目的は、住宅等の基礎を構成する杭の打込作業を行う際に、杭を正しい姿勢で打ち込むことを可能とする、杭打込姿勢監視装置及び杭打込姿勢監視方法を提供することにある。
前記課題は、請求項1に係る杭打込姿勢監視装置によれば、地中への杭の打込姿勢の精度を確保するための杭打込姿勢監視装置であって、前記杭の周りで、地盤面に対して略水平に配設される少なくとも二つの計測部材を有し、前記計測部材は略平行な二本の光線を照射する照射手段を備え、前記それぞれの計測手段から照射される二本の光線が互いに交差して、前記杭の位置する適正範囲が形成され、前記杭が前記適正範囲から外れたときに、前記杭が不適性位置にあることを報知する報知手段を備えた、ことにより解決される。
本発明の杭打込姿勢監視装置は、計測部材から照射される二本の光線により杭が位置すべき適正範囲を形成する。そして、杭が地中に回転圧入されるときに、杭が不適正な姿勢となって適正範囲から外れたときは、このことを報知する機能を有する。
前記照射手段に対向する位置には受光手段が設けられ、前記受光手段で前記光線が受光されているか否かにより、前記杭が適正位置にあるか否かが判定される。
また、本発明の杭打込姿勢監視装置において、前記報知手段はランプの点灯または点滅による報知や、或いは、音声による報知を行う。これらの報知を受けて、即時に杭の姿勢補正を行うことが可能となる。
また、前記計測部材は支持体に配設され、ユニット化されているので、所定の杭の打込作業が終了した後は別の場所に移動させて、別の杭の打ち込み作業に用いることができる。
このように、本発明の装置は、複数の杭に共通して用いることができるので、コスト面において有利である。
前記二本の光線の間隔は変更可能とされている。したがって、様々な杭径に対応することが可能である。
さらに、前記適正範囲から前記杭が外れたときに、前記杭を地中に打ち込む打込手段において前記杭の保持状態の補正制御がなされるようにすると、杭が傾いたときに、自動的に杭の姿勢を補正することができ好適である。
杭の姿勢監視は次の方法により行う。すなわち、本発明の杭打込姿勢監視方法は、地中への杭の打込姿勢の精度を確保するための杭打込姿勢監視方法であって、前記杭を打込位置に立設する工程と、前記杭の周りに、地盤面に対して略水平に配設される少なくとも二つの計測部材を配設する工程と、前記計測部材から略平行な二本の光線を照射する工程と、前記二本の光線が互いに交差して形成される範囲に前記杭が位置するように調整する工程と、前記杭を地中に打ち込む工程と、前記杭が地中に打ち込まれるときの姿勢に応じて前記杭が前記範囲から外れたとき、前記杭が不適性位置にあることを報知する工程と、前記杭の姿勢を補正する工程と、を備えたことを特徴とする。
以上のように、本発明の杭打込姿勢監視装置は、杭の周りに計測部材が配設され、この計測部材から照射される光線で杭の適正位置を区画し、杭が適正位置から外れたときに不適正な姿勢になったとして、ランプの点灯や音声で報知するように構成されている。
作業者は報知を受けて、杭の姿勢が不適性になったことを把握し、杭の姿勢を随時補正することが可能となる。
また、杭打込姿勢監視装置はユニット化されており、複数の杭が打ち込まれる場合に、それぞれの杭の打ち込み位置に簡単に移動することができ、複数の杭の打ち込みに対応することができる。
また、計測部材で限定される適正範囲から前記杭が外れたときに、杭を地中に打ち込む打込手段において杭の姿勢を自動的に補正する制御がなされ、常に適正な姿勢で杭を打ち込むことが可能となる。
以下、本発明の一実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する部材、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
図1乃至図5は、本発明に係る一実施形態を示すものであり、図1は本実施形態に係る杭打込姿勢監視装置の斜視図、図2は報知手段を示す説明図、図3は杭打込姿勢監視装置の構成を示すブロック図、図4は杭打込姿勢監視装置と報知手段での処理の流れを示すフローチャート、図5〜図7は打込姿勢監視装置を用いて杭の姿勢を監視する工程を示す説明図である。
本実施形態の杭打込姿勢監視装置Sは、図1に示すように、計測部材1と、支持体としての支持台2と、を備えている。
杭打込姿勢監視装置Sは、住宅の基礎等を構成する杭3を地中に打ち込む際に、杭3が鉛直に打ち込まれるように、杭3の姿勢を監視する装置である。
杭打込姿勢監視装置Sは、杭3を打ち込む前に、杭3の周りに設置される。
支持台2は図1に示す一部の辺2gがねじ2hにより着脱可能とされているので、杭3の周りに配設するときは、支持台2は辺2gが取り外されたコ字状になっており、杭3の周りにはめ込むように設置される。
辺2gは、設置が終わったあとに、再度取り付けられる。
計測部材1は、赤外線センサ10と、赤外線センサ10の保持手段20と、保持手段20の位置調整手段30と、を備えて構成されている。
赤外線センサ10は、赤外線を出射する照射部11と、照射部11に対向して配置される受光部12から構成されている。
本例では、受光部12への赤外線入射がカットされると、検知信号を出力する遮光時オン型の赤外線センサを採用している。
なお、受光部12に赤外線が入射すると検知信号を出力する入光時オン型の赤外線センサを採用することもできる。
本例では、計測部材1は、支持台2上に三組設けられている。計測部材1は、隣合う計測部材1の照射部11から照射される光線13が、互いに直交するように配設されている。
支持台2には水準器2bが設けられている。水準器2bは、支持台2の水平を測るための気泡管2c、2dを備えている。
これらの気泡管2c、2dにより、支持台2の前後左右の水平を出すことができる。
すなわち、気泡管2c、2dの気泡が基準位置になっているとき、支持台2の上面の水平が保たれることになる。
支持台2は脚部2eに支持されており、この脚部2eに連結された支持棒2fに連結されて、地面から離間して保持されている。
脚部2eの先端は尖った形状となっており、この脚部2eを地面に対して押し込みながら調整することにより、支持台2の水平を容易に出すことが可能である。
支持台2が水平になることにより、計測部材1が地盤面に対して水平に設置される。
赤外線センサ10は保持手段20に保持されている。
赤外線センサ10は、保持手段20上の任意の位置に取り付け可能とされており、照射部11から照射される二本の光線13の間隔を適宜変更できるように構成されている。
二本の光線13は、杭3の径が太くなるほど、間隔を広げて照射されるように設定される。逆に、杭3の径が小さくなるほど、光線の間隔は狭くされる。
これにより、様々な太さの杭3に対応することが可能となる。
また、保持手段20は位置調整手段30に連結されており、位置調整手段30の操作により、位置の微調整を行うことができるように構成されている。
位置調整手段30は、操作部31と案内部32を備えており、この案内部32に保持手段20が取り付けられている。
案内部32は外周にねじが切られており、保持手段20の係合部21が、この案内部32に螺合されている。
操作部31を回動操作すると、案内部32に沿って係合部21が移動し、これにより保持手段20の位置調整を行うことができる。
なお、本例では、図1の左右方向に位置する計測部材1aには、赤外線センサ10として、発光も受光も可能なタイプのものが搭載されている。
また、図1の上側に示される計測部材1bには、赤外線センサ10の照射部11が配設され、対向する位置に受光部12が配設されている。
赤外線センサ10の配置については、上記構成に限らない。例えば、計測部材1aの一方に照射部11を配設し、他方に受光部12を配設した構成としても良い。
また、支持台2の辺2kにも計測部材1を設け、計測部材1bに配設される赤外線センサ10を、受発光可能なタイプとし、赤外線を送受信する構成としても良い。
以下、赤外線センサ10の作用について、より詳細に説明する。
照射部11は赤外線の発光素子を備えてなり、この照射部11から照射された赤外線により、杭3が位置すべき適正範囲が規定される。
照射部11は一対に設けられており、二本の光線13が照射される。光線13は、互いに平行となるように照射される。
二本の光線13の間隔は、打ち込まれる杭3の直径と同一か、或いは杭3の直径よりも若干広めになるように調整される。若干広めにするときは、杭3のずれ幅の許容範囲になるようにする。
隣り合う計測部材1の照射部11から照射される光線13は、互いに直交し、図1に示すように井桁形状を形成する。
光線13が交差することにより、図1に斜線で示される範囲14が規定される。このように光線13により区画された範囲14が、杭3の位置すべき適正位置となる。
照射部11に対向する位置には受光部12が設けられている。受光部12は赤外線の受光素子を備えてなり、赤外線の受光を行う。杭3の姿勢が傾くと、適正範囲12から外れて赤外線を遮ることとなり、受光部12での受光がなされなくなる。
受光部12への赤外線入射がカットされると、検知信号が出力される。
上記検知信号は報知手段に出力され、杭2の姿勢が不適正になったことが報知される。
図2は、本実施例で用いられる報知手段としての警報装置5を示す説明図である。
図示されているように、警報装置5は、複数のランプ5cを備えている。ランプ5cは、杭3の姿勢が前後左右のいずれかにずれたかを点灯により示すものである。
図3は、杭打込姿勢監視装置Sと警報装置5との間での信号のやりとりを示すブロック図である。
赤外線センサ10と警報装置5とは有線または無線で接続されている。
杭3が適正な姿勢を保持しているとき、すなわち、光線13で区画された範囲14内にあるときは、照射部11から照射された全ての光線13が受光部12で受光されている。
杭3が傾くなどして正しい姿勢が保持されなくなると、光線13のいずれかが杭3により遮られる。
そうすると、受光部12に光線13が入射しなくなる。受光部12は、光線13が入射しなくなった時点で、検知信号を警報装置5へ出力する。
警報装置5には、受信部5a及び制御部5bが設けられている。受信部5a及び制御部5bは、例えばワンチップマイクロコンピュータから構成され、警報装置5の枠体5eに設けられている。受光部12から出力された検知信号は、警報装置5の受信部5aに受信され、受信部5aから制御部5bに送信される。
制御部5bでは、受信した検知信号に基づいて、複数の受光部12のうち、いずれの受光部12からの検知信号であったかを判定する。
制御部5bは、検知信号に基づいて、ランプ5cを点灯または点滅させる。ランプ5cは四つ設けられており、検知信号に基づいて所定の位置のランプが点灯され、杭3をどの方向に動かせば良いかを導くように構成されている。
警報装置5は、杭打ち機のオペレータが視認できる場所に設置されている。オペレータはランプ5cの点灯を見ることにより、杭3をどの方向に姿勢変更すれば良いかを知ることができる。
本例の杭打込姿勢監視装置Sは、図1に示すように鏡9を備えている。
鏡9は杭3を映し、杭3の様子をオペレータに伝達するものである。杭打ち機4のオペレータからは、鏡9を介して杭3の状態がわかるようになっている。
オペレータは鏡9を見ながら杭打ち機を操作し、杭3の姿勢を補正する。
なお、本例では、杭3の補正が必要となったときに、ランプ5cの点灯にあわせて、ブザー5dを鳴らすようにしている。
ブザー5dは、いずれかの受光部12に光線13が入射しなくなったときに、制御部5bの制御により所定の音声を出力する。
このとき、左、右、前、後それぞれについて、別々の音声を発するようにしても良い。
図4は警報装置5が作動するときの処理の流れを示すフローチャートである。
まず、ステップS1で受光部12から検知信号が出力され、受信部5aに入力される。
次いで、ステップS2で、受信部5aから制御部5bに検知信号が送信される。
ステップS3では、制御部5bにより、いずれの受光部12からの検出であったのかが判断される。
次いで、ステップS4で警報装置5が作動される。本例では、検知信号を発した受光部12の位置に応じて、杭3をどの方向に動かせば良いかを示すランプ5cが点灯される。
次に、図5〜図7に基づいて、上記構成からなる杭打込姿勢監視装置Sを用いて、地中に打ち込まれる杭3の姿勢を監視する方法を説明する。
まず、図5に示すように、杭打ち機4のリーダ4aに杭3を装着する。
リーダ4aには駆動部4bが連結され、この駆動部4bにはキャップ4cが設けられている。
このキャップ4cに、杭3の頭部が接続される。また、杭3の下端部は、保持部材4dにより保持され、振れ止めが図られる。
杭打ち機4に杭3が装着されたら、杭3を打ち込む所定位置まで杭打ち機4を移動させる。
次いで、杭3の打込位置に杭3を立設させる。杭3は水準器等を用いて鉛直に立設される。
杭3が立設されたら、図6に示すように、杭3の周りに杭打込姿勢監視装置Sを配設する。なお、図6では理解を容易にするため、赤外線センサ10については、照射部11と受光部12が相対して一つずつ配設された構成として示し、照射部をそれぞれ11a〜11d、受光部をそれぞれ12a〜12dとして図示している。
杭打込姿勢監視装置Sは、支持台2が地盤面に対して略水平になるように配設される。また、照射部11a〜11dから照射される光線13により区画される範囲14に杭3が位置するように、照射部11a〜11d及び受光部12a〜12dの位置が調整される。
杭打込姿勢監視装置Sが設置されたら、杭打ち機4により、地中へ向けて杭3を回転圧入する。
回転圧入を行っているときに、杭3が傾いて、杭3の姿勢が不適性なものとなると、図7に示すように、光線13が杭3に遮られる。
図7の例では、照射部11a及び照射部11dから照射された光線13が遮られている。
受光部12a及び受光部12dに光線13が入射しなくなると検知信号が出力され、警報装置5に入力される。
警報装置5では、受光部12a及び受光部12dからの検知信号であることが確認される。
受光部12a及び受光部12dからの検知信号であるということは、すなわち、図7に示すX方向及びY方向に杭3の位置がずれたということである。
警報装置5は、杭3の姿勢を適正位置へ導くようにランプ5cを点灯させる。
受光部12aからの検知があった場合は「後」を示すランプが点灯され、受光部12bからの検知があった場合は「前」を示すランプが点灯され、受光部12cからの検知があった場合は「右」を示すランプが点灯され、受光部12dからの検知があった場合は「左」を示すランプが点灯される。
図7の場合は、ランプ5cは、「左」と「後」を示すものが点灯される。杭打ち機4のオペレータは警報装置5の報知を受けて、杭打ち機4のリーダ4aの傾きを調整し、杭3の姿勢を補正する。
以上のように、杭打込姿勢監視装置Sによって杭3の姿勢が監視され、杭3の適正な姿勢を常に保ちながら、杭3の打込作業が行われる。
このようにして、杭3を鉛直に打ち込むことが可能となる。
図8乃至図10に、他の実施例を示す。本実施例では、杭3の姿勢が不適性になったときに、受光部12から検知信号が出力され、この検知信号が杭打ち機4に有線または無線で送信され、杭3の姿勢が自動的に補正されるものである。
図8は、杭打込姿勢監視装置Sと杭打ち機4との間での信号のやりとりを示すブロック図である。
杭打ち機4では、受信部4gで検知信号が受信される。さらに、受信部4gからリーダ制御部4fに送信される。
リーダ制御部4fは検知信号を受けると、リーダ4aの姿勢を制御する。
例えば、図7の状況では、リーダ制御部4fは、リーダ4aを左方向及び後ろ方向に姿勢変更する。
上記制御を可能とするために、リーダ4aの上端部または下端部に、リーダ4aの姿勢変更装置4eが設けられている。
姿勢変更装置4eは、X方向及びY方向にリーダ4aを移動させ、リーダ4aの姿勢を変更するものである。
図9及び図10は姿勢変更装置4eの一例を示す説明図である。姿勢変更装置4eは、例えば図9に示すように、リーダ4aの側面に設けられ、リーダ4aを押したり引いたりすることが可能な一対の伸縮部材から構成されている。伸縮部材は油圧等により作動される。
伸縮部材は軸線が直交するように配設され、リーダ4aのX方向及びY方向の位置を調整可能とされている。
或いは、姿勢変更装置4eとして、図10に示すように、リーダ4aの上端部または下端部に、支点Fで軸支されており、支点F回りに所定向きに回動することにより、リーダ4aの姿勢を変更可能な機構を設けても良い。
なお、リーダ4aの姿勢を変更するのではなく、杭3の姿勢を直接変更する構成としても良い。
本実施例において、リーダ4aまたは杭3の姿勢を補正するために、どれくらいの移動量で動かせば良いかについては、杭打込姿勢監視装置S側に、図示しないずれ量検出センサを設けておき、このセンサで検出された杭3の移動量に対応して予め決めておくと良い。
以上のようにして、杭3は適正な姿勢で地中に打ち込まれる。
なお、杭3の打ち止めは、杭3が所定深さまで打ち込まれた時点でなされる。
本例では、図11乃至図14に示す打止レベル確認装置6を用いて、杭3が適正深さまで打ち込まれたことを確認し、打ち止めを行うようにしている。
打止レベル確認装置6は、図1に示すように、杭打込姿勢監視装置Sの支持台2に設置されている。
打止レベル確認装置6は標尺8と組み合わせて使用されるものであり、図11に示すように、標尺置き台6aと、標尺支持部6bとを備えている。さらに、レベルアーム6cと、差し棒6dとを備えて構成されている。
レベルアーム6cは、ねじ6fを緩めることにより、保持部6gよりも下側に位置する部分が伸縮可能に構成されている。
ここで、杭3の打止レベルについて、図12に基づいて説明する。
杭3は、地盤面(設計GL)から出る杭3の頭部が、所定突出量以下となるまで打ち込まれるように規定されている。
図12では、説明のために起伏を大げさにして図示しているが、図示のように建築現場の地盤面GLは全ての場所で同一であるとは限らない。
しかし、地盤面GLに起伏があっても、全ての場所で、決められた十分な貫入量だけ杭3を打ち込み、さらに、杭3の上端部が同じ高さになるように打ち込まなければならない。
図12の例では、最も低い地盤面に打ち込まれる杭3aを基準とし、杭3aの頭部が所定長さ以下となるように、杭3aが地面から出る長さを設定している。図12では杭3aの地面から出る長さはAとして設定されている。この長さAは規定された基準長さ以内に収まるものである。
その他の杭3b、3cが打ち込まれる地盤面は、杭3aが打ち込まれる地盤面よりも高いので、杭3bの地盤面からの突出長さA、杭3cの地盤面からの突出長さAのいずれも、規定された基準長さ内に収まることとなる。
打止レベル確認装置6は、各杭3a〜3cに対して、各杭3a〜3cが打止レベルに達したとき、差し棒6dが杭3a〜3cの上端部を差すように設置される。
打止レベル確認装置6の設置は次のようにして行う。
まず、任意の位置にレベル7を設置する。本例では、レベル7を、杭3aが打ち込まれる地盤面上に設置している。
そして、レベル7による視準を行い、任意の高さを設定する。この高さを、第一の基準高さHとする。
図12に示すように、各地点では、杭3の打止高さH(図12では杭3の上端部)は、第一の基準高さHから距離hだけ下がった位置になっている。
第一の基準高さHと、距離hと、杭3a〜3cの突出長さA〜Aとの関係は次式のようになる。
Figure 2006274635
なお、BM(ベンチマーク)は建物の各部の高さを定める基準となる高さであり、本例ではBMの高さを、第二の基準高さHとしている。
本例では、第一の基準高さHは、この第二の基準高さHよりも高い位置となるように設定されている。
上記式1のうち、H±(視準場所でのBMからGLまでの距離)の演算からは、第一の基準高さHから、第二の基準高さHまでの距離、すなわち図12に示す距離Lが算出される。
さらに、距離Lに、各地点での第二の基準高さHからGLまでの距離を加減算し、杭3の突出長さA1〜3を減算することにより、距離hが得られる。
次式より距離hが算出される。
Figure 2006274635
なお、別の場所でも、次式により、距離hを求めることができる。
Figure 2006274635
打止レベル確認装置6を設置するときは、図13に示すように、打止レベル確認装置6の標尺置き台6aに標尺8を乗せ、標尺支持部6bで支持して垂直に立てる。
そして、視準線7aの高さ(すなわち、第一の基準高さH)に一致する目盛8aを読み取る。この目盛が示す数値は、図13の長さyに該当する。
次に、打止レベル確認装置6のレベルアーム6cを伸縮させ、打止レベル確認装置6の全長zと、上記長さyを加算した長さが、高さhになるように調整する。
打止レベル確認装置6の全長は、レベルアーム6c及び保持部6gに付された目盛6mにより、容易に把握することができる。
打止レベル確認装置6において、標尺置き台6aは目盛を付すことが困難な部位であるが、この部位は、その長さlが目盛一つ分となるように形成されている。
目盛6mは一定間隔に整数倍の寸法で設けられている。レベルアーム6c及び保持部6gには、周面上に目盛6mが付されているので、どの位置からでも、目盛を確認することができる。
そして、y+z=hになるポイントで、ねじ6fを締めて、レベルアーム6cを固定する。
このときの差し棒6dの差す位置が、杭3の打ち止めレベルとなる。すなわち、杭3の上端部が差し棒6dの位置まで来たときに、杭3の打ち止めがなされる。
差し棒6dの先端には着色部6eが設けられており、杭3の打ち止め位置の確認を確実に行えるようになっている。
なお、杭3の上端ではなく、杭3の外周面に印を付けておき、この印の位置を杭3の打止高さHとし、差し棒6dと印とが一致したときに、杭3の打ち止めを行うようにしても良い。
この場合は、打止レベル確認装置6を設置するときに、杭3の上端部から印位置までの長さ分だけ、差し棒6dの位置を下げて設置すれば良い。
そして、杭3の印が差し棒6dの位置まで来たときに、杭3の打ち止めを行うようにすれば良い。
なお、本例の差し棒6dは、異なる径の杭3に対応するために、伸縮自在に構成されている。
差し棒6dは、円筒状の基部6dと、棒部材6dとから構成されており、棒部材6dは、基部6dから突出可能に構成されている。
杭3の径が太くなるほど、棒部材6d基部6d内に収納され、差し棒6dは短くされる。逆に、杭3の径が細くなるほど、棒部材6dは杭3側に延出される。
図14は、打止レベル確認装置6の他の実施例を示す説明図である。
本例の打止レベル確認装置6は、レベルアーム6cの他に、もう一本のレベルアーム6hを備えている。
本例の打止レベル確認装置6は標尺8を用いない構成とされている。
このため、上記実施例における標尺置き台6a及び標尺支持部6bに相当する部材を備えていない。
レベルアーム6cは、上記実施例と同様に、ねじ6f及び保持部6gを備え、保持部6gよりも下側に位置する部分が伸縮可能とされている。
レベルアーム6hは、打止レベル確認装置6を設置するときのみ、接続部6iを介してレベルアーム6cに連結される。
レベルアーム6hが連結されることにより、標尺8を用いなくても、長さyの値を得ることが可能となる。
レベルアーム6c及び6hには、周面上に目盛が付されているので、どの位置からでも、目盛を確認することができる。
また、目盛は一定間隔で色分けされている。例えば、100mmごとに色分けしておけば、色を見るだけで100mm単位の長さを把握することができ、容易に概略長さを把握することができる。
図14に示す打止レベル確認装置6を使用する場合、杭打ちの初期段階、すなわち、杭打込姿勢監視装置Sを設置している段階では、レベルアーム6hを外しておく。こうすれば、打止レベル確認装置6が杭打ち作業の邪魔になることがない。
そして、杭3がある程度打ち込まれ、打ち止め位置を確認する必要が生じた段階で、レベルアーム6hを接続し、打止レベル確認装置6の設置を行えば良い。
杭3の打ち込みが終わったら、杭打込姿勢監視装置Sを別の場所に移動させて、別の杭3の打ち込みを行う。
このとき、本例の杭打込姿勢監視装置Sは、ユニット化されているので、容易に運ぶことができる。
本例の杭打込姿勢監視装置Sは、図15に示すように、計測部材1、支持台2、脚部2e、支持棒2f、打止レベル確認装置6が一体とされているので、容易に移動することが可能である。
また、杭打込姿勢監視装置Sには、運搬を容易に行うことができるように、脚部2eの上方にハンドル2iが設けられている。
さらに、支持台2の辺2gは、支持台2に着脱可能とされている。辺2gは脚部2eの上方に横架された支持棒2jにねじ等により保持される。
これにより、移動中に辺2gを紛失するようなことがなく、好適である。
なお、鏡9は、移動時は支持台2から外しておき、破損を防止するために別途移動するのが望ましい。
本発明に係る杭打込姿勢監視装置の斜視図である。 報知手段を示す説明図である。 杭打込姿勢監視装置の構成を示すブロック図である。 杭打込姿勢監視装置と報知手段での処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の打込姿勢監視装置を用いて杭の姿勢を監視する工程を示す説明図である。 本発明の打込姿勢監視装置を用いて杭の姿勢を監視する工程を示す説明図である。 本発明の打込姿勢監視装置を用いて杭の姿勢を監視する工程を示す説明図である。 杭打込姿勢監視装置と杭打ち機との間での信号のやりとりを示すブロック図である。 杭打ち機のリーダの姿勢変更装置の一例を示す説明図である。 杭打ち機のリーダの姿勢変更装置の一例を示す説明図である。 打止レベル確認装置の斜視図である。 杭の打止レベルの説明図である。 打止レベル確認装置の設置方法を示す説明図である。 打止レベル確認装置の他の実施例を示す説明図である。 移動時の杭打込姿勢監視装置を示す説明図である。
符号の説明
1 計測部材
2 支持台(支持体)
2a 台座
2b 水準器
2c、2d 気泡管
2e 脚部
2f 支持棒
2g 辺
2h ねじ
2i ハンドル
2j 支持棒
2k 辺
3,3a,3b,3c 杭
4 杭打ち機
4a リーダ
4b 駆動部
4c キャップ
4d 保持部材
4e 姿勢変更装置
4f リーダ制御部
4g 受信部
5 警報装置
5a 受信部
5b 制御部
5c ランプ
5d ブザー
5e 枠体
6 打止レベル確認装置
6a 標尺置き台
6b 標尺支持部
6c レベルアーム
6d 差し棒
6d 基部
6d 棒部材
6e 着色部
6f ねじ
6g 保持部
6h レベルアーム
6i 接続部
6m 目盛
7 レベル
7a 視準線
8 標尺
8a 目盛
9 鏡
10 赤外線センサ
11 照射部(照射手段)
12 受光部
13 光線
14 範囲
20 保持手段
21 係合部
30 位置調整手段
31 操作部
32 案内部
A、A〜A 杭が地盤面から出る長さ
BM ベンチマーク
F 支点
GL 地盤面
第一の基準高さ
杭の打止高さ
第二の基準高さ
h 第一の基準高さから杭の打止高さまでの距離
視準場所でのBMからGLまでの距離
,s 各地点でのBMからGLまでの距離
S 杭打込姿勢監視装置

Claims (8)

  1. 地中への杭の打込姿勢の精度を確保するための杭打込姿勢監視装置であって、
    前記杭の周りで、地盤面に対して略水平に配設される少なくとも二つの計測部材を有し、
    前記計測部材は略平行な二本の光線を照射する照射手段を備え、
    前記それぞれの計測手段から照射される二本の光線が互いに交差して、前記杭の位置する適正範囲が形成され、
    前記杭が前記適正範囲から外れたときに、前記杭が不適性位置にあることを報知する報知手段を備えたことを特徴とする杭打込姿勢監視装置。
  2. 前記照射手段に対向する位置に受光手段が設けられ、前記受光手段で前記光線が受光されているか否かにより、前記杭が適正位置にあるか否かが判定されることを特徴とする請求項1記載の杭打込姿勢監視装置。
  3. 前記報知手段はランプの点灯または点滅による報知を行うことを特徴とする請求項1記載の杭打込姿勢監視装置。
  4. 前記報知手段は音声による報知を行うことを特徴とする請求項1記載の杭打込姿勢監視装置。
  5. 前記計測部材は支持体に配設され、ユニット化されていることを特徴とする請求項1記載の杭打込姿勢監視装置。
  6. 前記二本の光線の間隔は変更可能とされていることを特徴とする請求項1記載の杭打込姿勢監視装置。
  7. 前記適正範囲から前記杭が外れたときに、前記杭を地中に打ち込む打込手段において前記杭の保持状態の補正制御がなされることを特徴とする請求項1記載の杭打込姿勢監視装置。
  8. 地中への杭の打込姿勢の精度を確保するための杭打込姿勢監視方法であって、
    前記杭を打込位置に立設する工程と、
    前記杭の周りに、地盤面に対して略水平に配設される少なくとも二つの計測部材を配設する工程と、
    前記計測部材から略平行な二本の光線を照射する工程と、
    前記二本の光線が互いに交差して形成される範囲に前記杭が位置するように調整する工程と、
    前記杭を地中に打ち込む工程と、
    前記杭が地中に打ち込まれるときの姿勢に応じて前記杭が前記範囲から外れたとき、前記杭が不適性位置にあることを報知する工程と、
    前記杭の姿勢を補正する工程と、を備えたことを特徴とする杭打込姿勢監視方法。
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