JP2006274323A - 高硬度で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼粉末及び高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材並びにそれらの製造方法 - Google Patents

高硬度で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼粉末及び高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材並びにそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高硬度・強靱で優れたナノ結晶合金鋼粉末及びそのバルク材並びにそれらの製造方法の提供
【解決手段】固溶形窒素と固溶形炭素とを合わせて0.01〜2.5%(質量)含有し、かつ固溶形炭素の質量CSSと固溶型窒素の質量NSSの比CSS/NSSが0.3〜1.0であるナノ結晶合金鋼粒子の集合体よりなる合金鋼バルク材であって、同バルク材の靱性向上促進物質として窒素に加え炭素を存在させてなるものである。
鉄とクロム、ニッケル、マンガン又は炭素となどの合金鋼形成成分の各微粉末を窒素源となる物質とともに混合し、メカニカルアロイング(MA)することによって、高窒素濃度のナノ結晶合金鋼粉末を製造した後、同合金鋼粉末を放電プラズマ焼結、鍛造、圧延等で固化成形してナノ結晶合金鋼バルク材となす。

Description

本発明は、ナノ結晶合金鋼粉末及びナノ結晶合金鋼バルク材に関し、特に高硬度で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼粉末及び高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材並びにそれらの製造方法に関する。
鉄鋼材料の強さ及び硬さは、窒素(N)、炭素(C)などの侵入型元素の固溶量によって大きく左右され、特にオーステナイト系ステンレス鋼においては、固溶Nの増加とともに、オーステナイト相内の自由電子密度が上がりこれによって、窒素(N)が0.5〜0.6%(質量)付近の濃度までは固相内により強固な金属結合が醸成されて、オーステナイト自体の強さと靭性を著しく向上させることが知られている。
一方、また鉄鋼材料も含め、金属材料の強さ、硬さはホール・ペッチの関係式が示すように、結晶粒径dが小さくなるほど増大し、このような強さの粒径依存性は、ナノサイズレベルの結晶粒径になっても結晶粒径dが50〜100nm付近までは同様に成立するので、結晶粒径をナノサイズレベルまで超微細化することは、金属材料を強化する上で、極めて重要な手段の一つとみられている。
従って、結晶粒のナノレベルまでの微細化による結晶粒微細化強化と前記のような窒素(N)、炭素(C)などの侵入型元素による固溶化強化との組み合わせにより、従来の技術では達成できない強さと靭性を兼ね備えたバルク材料の開発が可能となる。
さらに又、ナノサイズレベルまで結晶粒径dが下がると、このような材料では、微細結晶粒超塑性特性を示すようになるので、例えば、ナノ結晶オーステナイト・フェライト2相ステンレス鋼のような異相組織からなる材料が得られれば、このような材料ではオーステナイト、フェライト各相の化学組成・結晶構造が異なるため、超塑性を示す温度でも粒界移動が難しくなり、結晶粒成長速度が極端に遅くなって、常温において超硬質なナノ結晶粉末材料のような場合でも、目標とする構造材料の形状に容易に成形加工が実現しやすくなる。
なお、Cr、Moを多く含む高硬質な合金鋼、例えば高濃度のCr、Mn、Ni、Nを含む超二相ステンレス鋼(Super duplex stainless steel)を溶解法によって製造することは、マクロ偏析のような欠陥発生のため極めて難しい。
従って、このような材料については、欠陥のない均一なバルク材を得るには、いわゆるP/M−HIP法などの適用が有効であり、そのためには、まず均一で良質な粉末を提供することが極めて重要となる。
一般に、鉄鋼材料も含め、金属材料では、その強度を上げると、靭性が低下するので、これらを両立させることは不可能である。
しかし、オーステナイト系ステンレス鋼では、前項に記載したように、窒素Nが固溶すると、Nの濃度が0.5〜0.6%(質量)付近までは、オーステナイト相の自由電子密度が増加して、相内に、より強固な金属結合状態が醸成され、オーステナイト相自体が安定化して強度ばかりでなくその靭性も著しく増大する。
また、NはCrの拡散係数を大きく低下させ、結晶粒界への窒化物等の偏析を遅延ないし抑制するので、粒界の劣化を防ぐ。
従ってNが固溶すると、結晶粒内も結晶粒界もともに強化されるため、強くて靭いものとなる。
しかし、Nのような効果も、その濃度が0.5〜0.6%(質量)を越えると、Nの増加とともに自由電子密度が大きく低下するようになり、それに伴って、その靭性が落ちてくる。
そのため、Nのような侵入型元素の濃度をさらに上げ、靭性の低下を伴わない状態でその強度を増大させることが大きな課題となっている。
通常、溶解法によって製造されているオーステナイト系ステンレス鋼の結晶粒径dは、数μm〜数10μmであり、後処理によっても結晶粒径dをナノサイズのオーダまで微細化することは極めて難しい。そのため、結晶粒の微細化については、関係各方面において、精力的にその研究が進められているが、現在のところ、満足し得るナノサイズレベルでの超微細化した材料の提供はなされていない。
また、高N濃度のオーステナイト鋼は、現在多くはN2ガス雰囲気中での溶解・凝固法によって製造されているが、この方法では、目標とするN濃度が高い場合や、δフェライト(Nの溶解度がほとんどゼロに近い)の生成を伴う場合は、雰囲気中のN2ガス圧を上げる必要が生ずるため、高温高圧という作業上及び安全上の難点がある上、特に大型品を作る場合には、材料中に内在されるマクロ偏析も大きな問題となってくる。
さらにまた、高濃度のNや、合金元素を多く含むナノ結晶オーステナイト鋼は、高硬度で強靱な性質を持っているので、その成形加工(粉体の固化成形処理・固化成形体(バルク材)の変形加工)については、例えば前項に記載の微細結晶粒超塑性を利用するような技術を開発することも一つの重要な課題となっている。
本発明は、上記課題を解決するもので、下記の発明である。
本発明は、基本的には、元素状の金属粉末と、これに他の元素、化合物等を添加したオーステナイト系材料の混合粉末をボールミル等を用いたメカニカルアロイング(MA)又はメカニカルミリング(MM)処理により、ナノ結晶オーステナイト鋼粉末となし、次いでこうして得られるナノ結晶粉末の固化成形処理により、オーステナイト鋼固化成形体(バルク材)における結晶粒超微細化強化を効果的に発現させ、さらに窒素と炭素との複合添加によって、同オーステナイト相内の自由電子密度を上げ、より強固な金属結合状態を醸成させて、NとCとを合わせて、1%(質量)以上の高濃度の場合でも高い強度と靭性を兼ね備えた新規なバルク材を提供することである。
本発明は又、2相ステンレス鋼のような昇温過程でも結晶粒の成長が起こりにくい粉末材料については、微細結晶粒超靭性を利用した固化成形処理法によって、そのバルク材を提供することである。
まず、鉄とクロム、ニッケル、マンガン又は炭素などの元素状混合粉末をN源となる物質とともに、ボールミル等を用いたメカニカルアロイング(MA)処理して、高濃度のNとCを固溶した高硬度なナノ結晶オーステナイト鋼又はオーステナイト・フェライト2相鋼粉末となし、次いで、このナノ結晶粉末の熱間での固化成形又は超塑性温度域での固化成形によって、高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材の新規な製造方法を提供するものである。
すなわち、本発明は、下記構成の高硬度で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼粉末及び高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材並びにそれらの製造方法あるいは用途である。
〔1〕 固溶型窒素Nssと固溶型炭素Cssとを合わせて0.01〜2.5質量%含有し、かつ固溶型炭素Cssの質量と固溶型窒素Nssの質量の質量比Css/Nssが0.3〜1.0であるナノ結晶合金鋼粒子の集合体よりなることを特徴とする高硬度で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼粉末。
〔2〕 固溶型窒素Nssと固溶型炭素Cssとを合わせて0.01〜2.5質量%含有し、かつ固溶型炭素Cssの質量と固溶型窒素Nssの質量の質量比Css/Nssが0.4〜0.65であるナノ結晶合金鋼粒子の集合体よりなることを特徴とする高硬度で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼粉末。
〔3〕 前項〔1〕又は〔2〕に記載のナノ結晶合金鋼粒子の集合体を構成する各ナノ結晶相の強化物質として、同結晶相内にナノメートルサイズ(1〜10nm)の粒状ないし球状に近い(1)金属又は半金属の窒化物、(2)金属又は半金属の炭化物、(3)金属又は半金属の炭窒化物、又は(4)金属又は半金属の酸化物から選ばれた1又は2以上の化合物を分散・析出させてなることを特徴とする高硬度で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼粉末。
〔4〕 前項〔3〕に記載の窒化物、炭化物、炭窒化物又は酸化物を構成する金属又は半金属が、鉄、クロム、バナジウム、チタン、ジルコニウム、モリブデン、ニオブ、タンタル、タングステン、イットリウム、ニッケル、コバルト、アルミニウム、ケイ素又はホウ素から選ばれるいずれか1つ又は2つ以上からなることを特徴とする高硬度で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼粉末。
〔5〕 前項〔3〕に記載の窒化物、炭化物、炭窒化物又は酸化物が、ナノ結晶合金鋼中に含有されるクロム、バナジウム、チタン、ジルコニウム、モリブデン、ニオブ、タンタル、タングステン、イットリウムのような高融点金属元素が0.1〜10質量%含有される場合に形成され、それらの高融点金属元素がその一部が単体で存在する状態及び/又は他の前記窒化物、炭化物、炭窒化物、又は酸化物と共存の状態で存在するものであることを特徴とする高硬度で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼粉末。
〔6〕 前記ナノ結晶合金鋼粒子の集合体よりなる合金鋼粉末が、分散・析出物質及び/又は結晶粒成長抑制物質として、(1)クロム、バナジウム、チタン、ジルコニウム、モリブデン、ニオブ、タンタル、タングステン、イットリウム、ニッケル、コバルト、アルミニウム、ケイ素又はホウ素から選ばれるいずれか1種又は2種以上、又は(2)前記各元素の窒化物、炭化物、炭窒化物又は酸化物のいずれか1種又は2種以上(3)あるいは前記(1)と(2)の双方を含有してなることを特徴とする前項〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の高硬度で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼粉末。
〔7〕 ナノ結晶合金鋼粒子集合体よりなる粉末材料が、(1)鉄−クロム−ニッケル系、鉄−クロム−マンガン系のオーステナイト鋼、又は(2)鉄−クロム系のオーステナイト鋼、あるいは(3)鉄−クロム−ニッケル系、鉄−クロム−マンガン系のオーステナイト・フェライト2相鋼であることを特徴とする前項〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載の高硬度で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼粉末。
〔8〕 ナノ結晶合金鋼粒子が、塊状体、片状体、粒状体又は粉状体の合金鋼形成成分の物質を、窒素源となる物質とともにボールミル等を用いてメカニカルアロイング(MA)することによって得られたものであることを特徴とする前項〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の高硬度で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼粉末。
〔9〕 ナノ結晶合金鋼粒子が、塊状体、片状体、粒状体又は粉状体の普通炭素鋼、合金鋼、白鋳鉄、ねづみ鋳鉄、まだら鋳鉄、球状黒鉛鋳鉄、合金鋳鉄、他の合金元素又は合金のいずれか1つ又は2つ以上の物質から選ばれたナノ結晶合金鋼の構成物質を、窒素源となる物質とともに、ボールミル等を用いたメカニカルアロイング(MA)又はメカニカルミリング(MM)することによって得られたものであることを特徴とする前項〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の高硬度で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼粉末。
〔10〕 固溶型窒素Nssと固溶型炭素Cssとを合わせて0.01〜2.5質量%含有し、かつ固溶型炭素Cssの質量と固溶型窒素Nssの質量の質量比Css/Nssが0.3〜1.0であるナノ結晶合金鋼粒子の集合体よりなるナノ結晶合金鋼粉末が、
メカニカルアロイング(MA)又はメカニカルミリング(MM)によって得られるナノ結晶粒子集合体(粉体)間の固化成形過程での原子的結合(atomic bonding)促進物質として、(1)チタン、ジルコニウム、アルミニウム、ランタン、セリウムから選ばれる1種又は2種以上の金属元素0.1〜5.0質量%、又は(2)アルミカルシウム、アルミジルコニウム、アルミマグネシウム、カルシウムシリコン、フェロチタンの合金、あるいは(3)前記(1)と(2)の金属元素及び合金を0.2〜5.0質量%を、MA又はMM処理の前又は同処理の途中の過程で粉末材料中に含有させてなるものであることを特徴とする前項〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載の高硬度で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼粉末。
〔11〕 固溶型窒素Nssと固溶型炭素Cssとを合わせて0.01〜2.5質量%含有し、かつ固溶型炭素Cssの質量と固溶型窒素Nssの質量の質量比Css/Nssが0.3〜1.0であるナノ結晶合金鋼粒子の集合体よりなるナノ結晶合金鋼粉末が、
その固化成形体(バルク材)の遅れ破壊抑制・防止物質として、MA用又はMM用粉末材料中に、チタン、ジルコニウム、アルミジルコニウム、又はフェロチタンから選ばれる1つ又は2つ以上を合わせて0.2〜5.0質量%を含有させてなるものであることを特徴とする前項〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載の高硬度で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼粉末。
〔12〕 前項〔1〕〜〔11〕のいずれか1項に記載のナノ結晶合金鋼粉末の多数個が固結されてなることを特徴とする高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材。
〔13〕 前項〔12〕に記載のバルク材が、クロム−ニッケル系又はクロム−マンガン系のオーステナイト鋼バルク材であり、同バルク材が固溶型窒素Nssと固溶型炭素Cssとを合わせて0.01〜2.5質量%含有し、かつ固溶型炭素Cssの質量と固溶型窒素Nssの質量の質量比Css/Nssが0.3〜1.0であり、そのナノ結晶の結晶粒径が50〜1000nmであることを特徴とする高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材。
〔14〕 前項〔12〕に記載のバルク材が、クロム−ニッケル系又はクロム−マンガン系のオーステナイト鋼バルク材であり、同バルク材が固溶型窒素Nssと固溶型炭素Cssとを合わせて0.01〜2.5質量%含有し、かつ固溶型炭素Cssの質量と固溶型窒素Nssの質量の質量比Css/Nssが0.4〜0.65であり、そのナノ結晶の結晶粒径が50〜1000nmであることを特徴とする高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材。
〔15〕 ナノ結晶の結晶粒径が75〜500nmであることを特徴とする前項〔13〕又は〔14〕に記載の高硬度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材。
〔16〕 ナノ結晶の結晶粒径が100〜300nmであることを特徴とする前項〔13〕又は〔14〕に記載の高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材。
〔17〕 前項〔12〕に記載のバルク材が、オーステナイト相とフェライト相から構成される2相ステンレス鋼(complex stainless steel又はdual stainless steel)バルク材であり、同バルク材が固溶型窒素Nssと固溶型炭素Cssとを合わせて0.01〜1.2質量%含有し、かつ固溶型炭素Cssの質量と固溶型窒素Nssの質量の質量比Css/Nssが0.3〜1.0であり、
そのナノ結晶の結晶粒径が50〜1000nmであることを特徴とする高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材。
〔18〕 前項〔12〕に記載のバルク材が、オーステナイト相とフェライト相から構成される2相ステンレス鋼(complex stainless steel又はdual stainless steel)バルク材であり、同バルク材が固溶型窒素Nssと固溶型炭素Cssとを合わせて0.01〜1.2質量%含有し、かつ固溶型炭素Cssの質量と固溶型窒素Nssの質量の質量比Css/Nssが0.4〜0.65であり、
そのナノ結晶の結晶粒径が50〜1000nmであることを特徴とする高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材。
〔19〕 ナノ結晶の結晶粒径が75〜500nmのであることを特徴とする前項〔17〕又は〔18〕に記載の高硬度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材。
〔20〕 ナノ結晶の結晶粒径が100〜300nmであることを特徴とする前項〔17〕又は〔18〕に記載の高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材。
〔21〕 前項〔12〕に記載のバルク材が、鉄−クロム系オーステナイト鋼バルク材であり、同バルク材がクロムを10〜30%(質量)含有し、固溶型窒素Nssと固溶型炭素Cssとを合わせて0.1〜1.5質量%含有し、かつ固溶型炭素Cssの質量と固溶型窒素Nssの質量の質量比Css/Nssが0.3〜1.0であり、そのナノ結晶の結晶粒径が50〜1000nmであることを特徴とする高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材。
〔22〕 前項〔12〕に記載のバルク材が、鉄−クロム系オーステナイト鋼バルク材であり、同バルク材がクロムを10〜30%(質量)含有し、固溶型窒素Nssと固溶型炭素Cssとを合わせて0.1〜1.5質量%含有し、かつ固溶型炭素Cssの質量と固溶型窒素Nssの質量の質量比Css/Nssが0.4〜0.65であり、そのナノ結晶の結晶粒径が50〜1000nmであることを特徴とする高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材。
〔23〕 ナノ結晶の結晶粒径が75〜500nmであることを特徴とする前項〔21〕又は〔22〕に記載の高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材。
〔24〕 前項〔12〕に記載のバルク材が、鉄−クロム系オーステナイト鋼バルク材であり、同バルク材がクロムを10〜30%(質量)含有し、固溶型窒素Nssと固溶型炭素Cssとを合わせて0.1〜1.5質量%含有し、かつ固溶型炭素Cssの質量と固溶型窒素Nssの質量の質量比Css/Nssが0.3〜1.0であり、そのナノ結晶の結晶粒径が100〜300nmであることを特徴とする高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材。
〔25〕 前項〔12〕に記載のバルク材が、クロム−ニッケル系ナノ結晶オーステナイト鋼バルク材であり、同バルク材のニッケル濃度を25〜35質量%、さらにクロム濃度を30〜40質量%に高濃度化したものであり、延性ー脆性遷移温度(DBTT)を極低温レベルまで低下させたものであることを特徴とする高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材。
〔26〕 前項〔12〕に記載のバルク材が、オーステナイト・フェライト2相鋼のナノ結晶合金鋼バルク材であり、同バルク材におけるフェライト相を40〜60%(体積)に高めることによって、延性−脆性遷移温度(DBTT)を極低温レベルまで低下させることを特徴とする高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材。
〔27〕 前項〔1〕〜〔26〕のいずれか1項に記載のナノ結晶合金鋼における侵入型元素の窒素と炭素との複合添加によって、同合金鋼に含有する高価なクロム、ニッケル又はマンガンの量が2〜5質量%低減されてなることを特徴とする高硬度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼粉末又は高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材。
〔28〕 下記ナノ結晶合金鋼形成成分である塊状体、片状体、粒状体又は粉末をボールミル等を用いてメカニカルアロイング(MA)又はメカニカルミリング(MM)することによって、固溶型窒素Nssと固溶型炭素Cssとを合わせて0.01〜2.5質量%含有し、かつ固溶型炭素Cssの質量と固溶型窒素Nssの質量の質量比Css/Nssが0.3〜1.0であるナノ結晶合金鋼粒子の集合体よりなるナノ結晶合金鋼粉末を得ることを特徴とする高硬度で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼粉末の製造方法。
〔29〕 下記ナノ結晶合金鋼形成成分である塊状体、片状体、粒状体又は粉末を、窒素源となる物質とともにボールミル等を用いてメカニカルアロイング(MA)することによって、固溶型窒素Nssと固溶型炭素Cssとを合わせて0.01〜2.5質量%含有し、かつ固溶型炭素Cssの質量と固溶型窒素Nssの質量の質量比Css/Nssが0.3〜1.0であるナノ結晶合金鋼粒子の集合体よりなるナノ結晶合金鋼粉末を得ることを特徴とする高硬度で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼粉末の製造方法。
〔30〕 下記ナノ結晶合金鋼形成成分である塊状体、片状体、粒状体又は粉末の普通炭素鋼、合金鋼、白鋳鉄、ねずみ鋳鉄、まだら鋳鉄、球状黒鉛鋳鉄、合金鋳鉄、他の合金元素又は合金のいずれか1つ又は2つ以上の物質から選ばれたナノ結晶合金鋼の構成物質をボールミル等を用いてメカニカルアロイング(MA)又はメカニカルミリング(MM)することによって、固溶型窒素Nssと固溶型炭素Cssとを合わせて0.01〜2.5質量%含有し、かつ固溶型炭素Cssの質量と固溶型窒素Nssの質量の質量比Css/Nssが0.3〜1.0であるナノ結晶合金鋼粒子の集合体よりなるナノ結晶合金鋼粉末を得ることを特徴とする高硬度で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼粉末の製造方法。
〔31〕 下記ナノ結晶合金鋼形成成分である塊状体、片状体、粒状体又は粉末の普通炭素鋼、合金鋼、白鋳鉄、ねずみ鋳鉄、まだら鋳鉄、球状黒鉛鋳鉄、合金鋳鉄、他の合金元素又は合金のいずれか1つ又は2つ以上の物質から選ばれたナノ結晶合金鋼の構成物質を、窒素源となる物質とともにボールミル等を用いてメカニカルアロイング(MA)又はメカニカルミリング(MM)することによって、固溶型窒素Nssと固溶型炭素Cssとを合わせて0.01〜2.5質量%含有し、かつ固溶型炭素Cssの質量と固溶型窒素Nssの質量の質量比Css/Nssが0.3〜1.0であるナノ結晶合金鋼粒子の集合体よりなるナノ結晶合金鋼粉末を得ることを特徴とする高硬度で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼粉末の製造方法。
〔32〕 固溶型炭素Cssの質量と固溶型窒素Nssの質量の質量比Css/Nssが0.3〜1.0であるナノ結晶合金鋼粒子の集合体よりなるナノ結晶合金鋼粉末を得ることを特徴とする前項〔28〕〜〔31〕いずれか1項に記載の高硬度で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼粉末の製造方法。
〔33〕 窒素源又は窒素源及び炭素源となる物質が、窒化鉄、窒化クロム、窒化マンガンなどの金属窒化物、シアン化ナトリウム(NaCN)、黄血塩のようなシアン化合物、N2ガス、NH3ガス、メタンガス、ブタンガス、都市ガスなどガスから選択される1種又は2種以上であることを特徴とする前項〔28〕〜〔32〕のいずれか1項に記載の高硬度で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼粉末の製造方法。
〔34〕 メカニカルアロイング(MA)又はメカニカルミリングを施す雰囲気が、(1)アルゴンガスなどの不活性ガス、(2)N2ガス、(3)NH3ガス、(4)メタンガス、(5)ブタンガス又は(6)都市ガスから選ばれるいずれか1種又は(1)〜(6)から選ばれる2種以上の混合ガスの雰囲気であることを特徴とする前項〔28〕〜〔33〕のいずれか1項に記載の高硬度で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼粉末の製造方法。
〔35〕 前項〔1〕〜〔11〕いずれか1項に記載のナノ結晶合金鋼粉末を、
空気中又は酸化抑制雰囲気中あるいは真空中で、(1)冷間プレス成形、(2)冷間等方加圧成形(CIP)、(3)放電プラズマ焼結(SPS)、(4)ホットプレス、(5)熱間等方加圧焼結(HIP)、(6)押出成形、(7)鍛造、(8)圧延、(9)スエージングの(1)〜(9)から選択される1つ又は2つ以上の組み合わせによる固化成形又は爆発成形などの固化成型処理をし、その後、急冷又は空冷することにより、固溶型窒素と固溶型炭素とを合わせて0.01〜2.5質量%含有し、かつ固溶型炭素Cssの質量と固溶型窒素Nssの質量の質量比Css/Nssが0.3〜1.0であるナノ結晶合金鋼粒子の集合体よりなるナノ結晶合金鋼バルク材となすことを特徴とする高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材の製造方法。
〔36〕 前項〔7〕〜〔11〕のいずれか1項に記載のクロム−ニッケル系又はクロム−マンガン系ナノ結晶オーステナイト合金鋼粉末を、軟鋼などからつくられた金型又は金属カプセルに真空封入して、これを熱間鍛造又は熱間押出にて固化成形し、次いで圧延加工処理した後、急冷することにより、固溶型窒素と固溶型炭素とを合わせて0.2〜1.5質量%含有し、かつ固溶型炭素Cssの質量と固溶型窒素Nssの質量の質量比Css/Nssが0.3〜1.0であり、結晶粒径が50〜1000nmのオーステナイトナノ結晶の集合体よりなるナノ結晶オーステナイト鋼バルク材となすことを特徴とする高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材の製造方法。
〔37〕 前項〔7〕〜〔11〕のいずれか1項に記載のオーステナイト・フェライト2相鋼粉末を軟鋼などを用いた金型又は金属カプセルに真空封入して、これを熱間鍛造又は熱間押出にて固化成形し、次いで圧延加工処理した後、急冷することにより、固溶型窒素と固溶型炭素とを合わせて0.1〜1.2質量%含有し、かつ固溶型炭素Cssの質量と固溶型窒素Nssの質量の質量比Css/Nssが0.3〜1.0であり、結晶粒径が50〜1000nmのオーステナイトとフェライトのナノ結晶の集合体よりなるナノ結晶オーステナイト・フェライト2相鋼バルク材となすことを特徴とする高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材の製造方法。
〔38〕 前項〔7〕〜〔11〕のいずれか1項に記載の鉄ークロム系オ−ステナイト鋼粉末を軟鋼などを用いた金型又は金属カプセルに真空封入して、これを熱間鍛造又熱間押出にて固化成形し、次いで圧延加工した後、急冷処理することにより、固溶型窒素と固溶型炭素とを合わせて0.1〜1.5質量%含有し、かつ固溶型炭素Cssの質量と固溶型窒素Nssの質量の質量比Css/Nssが0.3〜1.0であり、結晶粒径が50〜1000nmのオーステナイトナノ結晶の集合体よりなるナノ結晶オーステナイト鋼バルク材となすことを特徴とする高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材の製造方法。
〔39〕 前項〔7〕〜〔11〕のいずれか1項に記載のナノ結晶合金鋼粉末を微細結晶粒超塑性を示す0.5Tm(Tm:合金鋼粉末の融解温度、K)以上の温度域にて放電プラズマ焼結、ホットプレス、圧延、押出、鍛造、熱間等方圧加圧成形(HIP)等の真空熱間固化成形(超塑性固化成形)を行うことによりナノ結晶合金鋼バルク材となすことを特徴とする高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材の製造方法。
〔40〕 前項〔7〕〜〔11〕のいずれか1項に記載のナノ結晶合金鋼粉末を、600〜1250℃の温度での放電プラズマ焼結、ホットプレス、押出、鍛造、熱間等方圧加圧成形(HIP)、圧延等の真空熱間固化成形又は爆発成形などの固化成形処理してナノ結晶合金鋼バルク材となし、その後、前記合金鋼バルク材を微細結晶粒超塑性を示す温度域にて更に所要の形状に成形加工することを特徴とする高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材の製造方法。
〔41〕 前項〔35〕〜〔40〕のいずれかに1項に記載の熱間固化成形温度が600〜1250℃であることを特徴とする高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材の製造方法。
〔42〕 前項〔12〕〜〔27〕のいずれか1項に記載のバルク材(固化成形体)を800〜1300℃の温度にて10分〜3時間以内の時間で焼なました後、直ちに急冷することを特徴とする高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材の製造方法。
〔43〕 固溶型窒素Nssと固溶型炭素Cssとを合わせて0.01〜2.5質量%含有し、かつ固溶型炭素Cssの質量と固溶型窒素Nssの質量の質量比Css/Nssが0.3〜1.0であるナノ結晶合金鋼粒子の集合体よりなるナノ結晶合金鋼粉末に、
メカニカルアロイング(MA)又はメカニカルミリング(MM)によって得られるナノ結晶粒子集合体(粉体)間の固化成形過程での原子的結合促進物質として、チタン、ジルコニウム、ランタン、アルミニウム、セリウム、クロム、ケイ素、又はマンガンから選ばれる1又は2以上の元素、あるいは前記元素を含むアルミカルシウム、アルミジルコニウム、アルミマグネシウム、カルシウムシリコン、又はフェロチタンの合金から選ばれる1つ又は2つ以上を合わせて0.1〜5%(質量)を、MA又はMM処理後の合金鋼粉末中に含有(添加)させ、これを固化成形加工する直前に更に短時間MA又はMM処理してから固化成形加工することを特徴とする高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材の製造方法。
〔44〕 ナノ結晶合金鋼粒子の集合体よりなるナノ結晶合金鋼粉末の固溶型炭素Cssの質量と固溶型窒素Nssの質量の質量比Css/Nssが0.4〜0.65であることを特徴とする前項〔35〕〜〔43〕のいずれか1項に記載の高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材の製造方法。
〔45〕 前項〔1〕〜〔11〕のいずれか1項に記載のナノ結晶合金鋼粉末の熱間固化成形温度への急速加熱及び/又は同熱間固化成形温度保持のため、マイクロ波による加熱方式又は高周波誘導加熱方式を用いることを特徴とする前項〔35〕〜〔44〕のいずれか1項に記載の高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材の製造方法。
〔46〕 前項〔1〕〜〔11〕のいずれか1項に記載のナノ結晶合金鋼粉末の迅速な熱間固化成形処理を行うため、同粉末をマイクロ波加熱加圧焼結又は高周波誘導加熱加圧焼結することによって、ナノ結晶合金鋼のバルク材となすことを特徴とする前項〔35〕〜〔44〕のいずれか1項に記載の高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材の製造方法。
本発明によれば、鉄とクロム、ニッケル、マンガン、炭素などとからなる例えばクロムーニッケル系又はクロムーマンガン系の元素状混合粉末を窒素源物質としての窒化鉄、窒化クロム等とともに、メカニカルアロイング(MA)処理すると、溶解法のような従来の技術では達成できないナノサイズの結晶粒組織をもち、かつ窒素と炭素の固溶により極度に固溶強化されたオーステナイト鋼又はオーステナイト・フェライト2相鋼等の粉末となりこのようなMA処理されて粉末のもつ特性はその固化成形体においてもほぼ保持され、固溶強化と結晶粒微細化強化の相乗効果によって高硬度・高強度で強靱かつ優れた耐食性(耐孔含性)を有する高窒素ナノ結晶オーステナイトステンレス鋼又はナノ結晶オーステナイト・フェライト2相ステンレス鋼材料を容易に製造することができる。
高窒素オーステナイト鋼においては、N濃度が0.5%(質量)付近までは、N濃度の増加とともに、オーステナイト相における自由電子密度が著しく増加して、より強固な金属結合状態が醸成され、原子の短範囲の規則化(short range atomic ordering)即ち、オーステナイト相を構成する各元素のより均一な分布状態が促進されオーステナイト自体が安定化し、オーステナイトの強度の飛躍的な増大ばかりでなく、その靭性(破壊靭性)が大きく向上する。
しかし、窒素Nの濃度が0.5%(質量)付近の臨界濃度を超えると、N濃度の増加とともに、自由電子濃度が減少してくるため、それに伴って破壊靭性も大きく低下する。
このように、Nが臨界温度を超える場合でも、これに炭素Cを若干添加すると、N+C濃度が1.0〜1.2%(質量)程度の高濃度においても破壊靭性の低下を伴うことなく、その強度を増大させることができる。
従って、高N濃度のオーステナイト系ステンレス鋼又はオーステナイト・フェライト2相ステンレス鋼に上記のように炭素を若干添加し、これに前項と同様のMA処理・固化成形技術を適用して、N+Cの複合添加と前記結晶粒超微細化による効果を相乗的に発現させることによって、他の金属材料においては、今まで実現できなかった強くて靭い(高強度・高強靱)特性を兼ね備えたナノ結晶ステンレス鋼を容易に製造することができる。
また、オーステナイト系ステンレス鋼においては、侵入型元素の窒素Nと炭素Cとを複合添加すると、オーステナイトの組成域が広がり、高価なクロム、ニッケル、マンガンなどの濃度を低減することができるので、その実用的意義は極めて大きい。
本発明によれば、例えば、ナノ結晶オーステナイト・フェライト2相ステンレス鋼の場合は、結晶粒が微細であるばかりでなく、両相の化学組成及び結晶構造が異なる結晶から構成されているため、昇温過程においても、その結晶粒成長速度が極めて遅く、T/Tm(T:同ステンレス鋼の昇温過程での温度k、Tm:同ステンレス鋼の融解温度k)が、0.5以上にて、ひずみ速度感受性指数mが、0.3以上となり、微細結晶粒超塑性特性を利用することによって、メカニカルアロイング(MA)処理による上記超硬質な2相ステンレス鋼粉末でも、目標とする形状が複雑なものについても、極めて効果的にその固化成形加工が容易に達成できる。
高窒素オーステナイト系ステンレス鋼では、面心立方晶構造をもちながら、Nが高濃度になると、組成によっては、低温域では温度の低下とおもに、靭性(及び延性)が失われていく、すなわち延性一脆性遷移温度(DBTT)が存在することが報告されている。
本発明によれば、高Nオーステナイト鋼では、Niを25%(質量)以上含む組成にして、これに前記のようなMA処理・固化成形処理技術を適用することによって、低温での靭性の大きな低下を示さないナノ結晶オーステナイト鋼を製造することができる。
さらに又、オーステナイト・フェライト2相ステンレス鋼においては、フェライト相を50%程度含有させ、これへの上記と同様のMA処理・固化成形処理技術の適用によって、低温において大きな靭性低下を示さないナノ結晶2相ステンレス鋼を製造することが可能である。
本発明では、鉄とクロム、ニッケル、マンガン又は炭素などのオーステナイト鋼形成成分の各微粉末を窒素源となる物質とともに、ボールミル等を用いてアルゴンガスなどの雰囲気中にて室温でのメカニカルアロイング(MA)処理を施す。MA処理された粉末は、ボールミルによって付加された機械的エネルギーにより、約15〜25nmの結晶粒径まで容易に超微細化される。
次いで、このようなMA処理粉末を約30mm内径のステンレス鋼チューブに真空封入してから、又はこのようなMA処理粉末を800〜900℃の温度で放電プラズマ焼結(SPS)により固化成形してから、これを800〜1150℃の温度にて鍛造機及び/又は圧延機を用いて熱間固化成形すると、厚さ1〜3mm程度のシートを容易に製造することができる。
本発明では、鉄、クロム、ニッケル、マンガン、炭素などの元素状粉末と窒素源となる窒化クロムなどの粉末とを目標組成となるように調合したFe−Cr−Ni系、Fe−Cr−Mn系、Fe−Cr系材料の混合粉末にボールミルを用いてアルゴンガスなどの雰囲気中にて室温でのメカニカルアロイング(MA)処理を施す。
すると、MA処理された合金粉末はボールミル等によって付加された機械的エネルギーにより、溶解過程を経ないで合金化し、メカニカルアロイング(MA)処理された合金粉末は数nm〜数十nmのレベルまで超微細化して、前記材料の高窒素ナノ結晶合金鋼粉末となる。
次いで、このようなナノ結晶合金粉末を内径35mmの黒鉛ダイスに装填し、真空中にて800〜900℃の温度で放電プラズマ焼結(SPS)処理し、更にこうして固化成形したSPS片を35mm程度の内径のステンレス鋼チューブに真空封入して、900〜1100℃にて圧延機を用いて熱間固化成形すると、50〜150nm程度の結晶粒からなるナノ結晶組織をもつ厚さ2〜3mm程度の高窒素濃度のオーステナイト鋼又はオーステナイト・フェライト2相ステンレス鋼のシートを容易に製造することができる。
前項のようにステンレス鋼チューブに真空封入したSPS片を、まず900〜1100℃に鍛造加工し、次にさらに900℃にて圧延機を用いた熱間固化成形処理を施すと、100〜200nm程度のナノ結晶組織をもつ前項のものに比べて、更に強度特性の優れた高窒素濃度のステンレス鋼シートを容易に製造することができる。
前記の高窒素ナノ結晶合金鋼粉末を、内径60mmのステンレス鋼チューブに真空チューブに真空封入し、これを900〜1000℃の温度域にて熱間押出加工(押出比:15)して、次にこれに前項に記載の鍛造及び圧延加工を加えると、150〜250nm程度のナノ組織をもつ、より優れた強度特性の高窒素濃度のナノ結晶合金鋼シートを容易に製造することができる。
オーステナイト系ステンレス鋼又はオーステナイト・フェライト2相ステンレス鋼において、窒素Nが0.6%(質量)以上の高濃度の場合は、Nの一部を炭素Cに置き換えた組成にすると、N+Cが1%(質量)程度の高濃度域でも、破壊靭性を大きく損なうことなく強くて靭いナノ結晶組織をもつステンレス鋼を製造することができる。
本発明では、メカニカルアロイング(MA)処理したナノ結晶組織のオーステナイト・フェライト2相ステンレス鋼粉末をまず950〜1000℃にて熱間鍛造、熱間等方加圧焼結(HIP)又は放電プラズマ焼結(SPS)処理してプリフォーム(仮成形体)を作り、次いでこれを真空中900〜1000℃の温度において、通常の粉末鍛造よりゆっくりしたひずみ速度にて微細結晶粒超塑性を利用した成形加工(超塑性粉末鍛造)を行うと、目標の形状の構造材を容易に製造することができる。
また、2相ステンレス鋼ナノ結晶粉末を、前記の方法にてプリフォーム体となし、ついで、本材料の有する微細結晶粒超塑性を利用して、これを900〜1000℃の温度域でひずみ速度10-3〜10-2/秒にて変形加工を施すと、容易に目標とするより形状の複雑なバルク材を製造することができる。
本発明では、特にクロムーニッケル系の高窒素オーステナイト鋼材料については、ニッケルを25〜35%(質量)、さらにクロムを30〜40%(質量)程度添加し、これに前記のMA処理・固化成形処理技術を適用すると、低温域における靭性の低下を示さない、すなわち延性・脆性遷移温度(DBTT)が現れない強くかつ靭いナノ結晶オーステナイト鋼を製造することができる。
また、ナノ結晶組織を有するオーステナイト・フェライト2相ステンレス鋼について、フェライト相を40〜60%(体積)程度含有させ、これに前記と同様のMA処理・固化成形処理技術を適用すると、特にフェライト相において結晶粒微細化の効果が発現され、低温での靭性の低下を抑制することができる。
実施例1:
(a)Fe−20Cr−11Ni−0.5N、(b)Fe−20Cr−11Ni−0.8N、(c)Fe−18Cr−8Ni−05N−0.4C、(d)Fe−18Cr−18Mn−2Mo−0.9N及び(e)Fe−15Cr−14Mn−2Mo−0.5N−0.45Cのメカニカルアロイング(MA)粉末試料を放電プラズマ焼結(SPS)加工してから、次に鍛造及び圧延加工を施し、焼なまし後、水冷した各固化成形体の平均結晶粒径d、引張強さσB、伸びδ及びシャルピー衝撃値Eは表1の通りである。(SPS成形温度:900℃、鍛造温度:1000℃、圧延温度900℃、焼なまし:1150℃/20分)
Figure 2006274323
実施例2:
(a)Fe−28Cr−0.9N及び(b)Fe−25Cr−0.5N−0.45Cのメカニカルアロイング(MA)粉末試料に表1の試料の場合と同じ熱間固化成形加工及び熱処理を施した両固化成形体の平均結晶粒径d、引張強さσB、伸びδ及び衝撃値Eは表2の通りである。
Figure 2006274323
実施例3:
(a)Fe−26.5Cr−6Mn−4.5Ni−2Mo−0.35N、(b)Fe−25Cr−5Mn−4Ni−2Mo−0.3N−0.2Cのメカニカルアロイング(MA)粉末試料に表1の試料の場合と同じ熱間固化成形加工及び熱処理を施した両固化成形体の平均結晶粒径d、引張強さσB、伸びδ及び衝撃値Eは表3の通りである。
Figure 2006274323
実施例4:
表1〜3と同じ条件にて、熱間固化成形及び熱処理によって作製した(a)Fe−35Cr−27Ni−1.5Mo−0.4N−0.3C(高Cr高Ni:ナノ結晶オーステナイト鋼バルク材)、(b)Fe−25Cr−6Ni−1.5Mn−4Mo−0.25N−0.18C(ナノ結晶オーステナイト・フェライト2相鋼バルク材)の両固化成形体について、シャルピー衝撃試験を実施したところ、試料(a)、(b)とも液体窒素温度(−195.8℃)においても、22MJ/m2以上の衝撃値を示し、延性ー脆性遷移温度(DBTT)に相当する温度は発現されなかった。
実施例1、表1において、窒素Nが0.5%(質量)含有するオーステナイト鋼試料aでは、引張強さσBが大きい上、、衝撃値Eもかなり高い値を示しているが、Nを0.8%(質量)含有する試料bでは、引張強さσBは大きく上昇するが、Eが大きく低下している。
しかし、試料cのように、侵入型元素として窒素Nのほかに炭素Cを添加すると、引張強さσBばかりでなく、衝撃値Eの値も大きく増大し、高強度で強靱なバルク材となることが明らかである。
また、表1のa、b、cの結果からみて、オーステナイト系材料においては、NとCの複合添加により、効果なニッケルやクロム濃度を大きく低減できることが判明した。
以上と同様の結果は、実施例2、表2に示されるFe−Cr−N系オーステナイト材料、実施例3、表3のFe−Cr−Ni−N系オーステナイト・フェライト2相合金鋼においても同様に認められた。
すなわち、オーステナイト系及びオーステナイト・フェライト2相系のナノ結晶合金鋼は、いずれにおいても、同合金鋼へのNとCとの複合添加は、強さ(σB)ばかりでなく、ねばさ(E)を大きく向上させる上、前記のナノ結晶合金鋼において、高価なクロム、ニッケル、マンガンの濃度を大きく低減できることが解った。

Claims (46)

  1. 固溶型窒素Nssと固溶型炭素Cssとを合わせて0.01〜2.5質量%含有し、かつ固溶型炭素Cssの質量と固溶型窒素Nssの質量の質量比Css/Nssが0.3〜1.0であるナノ結晶合金鋼粒子の集合体よりなることを特徴とする高硬度で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼粉末。
  2. 固溶型窒素Nssと固溶型炭素Cssとを合わせて0.01〜2.5質量%含有し、かつ固溶型炭素Cssの質量と固溶型窒素Nssの質量の質量比Css/Nssが0.4〜0.65であるナノ結晶合金鋼粒子の集合体よりなることを特徴とする高硬度で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼粉末。
  3. 請求項1又は2に記載のナノ結晶合金鋼粒子の集合体を構成する各ナノ結晶相の強化物質として、同結晶相内にナノメートルサイズ(1〜10nm)の粒状ないし球状に近い(1)金属又は半金属の窒化物、(2)金属又は半金属の炭化物、(3)金属又は半金属の炭窒化物、又は(4)金属又は半金属の酸化物から選ばれた1又は2以上の化合物を分散・析出させてなることを特徴とする高硬度で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼粉末。
  4. 請求項3に記載の窒化物、炭化物、炭窒化物又は酸化物を構成する金属又は半金属が、鉄、クロム、バナジウム、チタン、ジルコニウム、モリブデン、ニオブ、タンタル、タングステン、イットリウム、ニッケル、コバルト、アルミニウム、ケイ素又はホウ素から選ばれるいずれか1つ又は2つ以上からなることを特徴とする高硬度で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼粉末。
  5. 請求項3に記載の窒化物、炭化物、炭窒化物又は酸化物が、ナノ結晶合金鋼中に含有されるクロム、バナジウム、チタン、ジルコニウム、モリブデン、ニオブ、タンタル、タングステン、イットリウムのような高融点金属元素が0.1〜10質量%含有される場合に形成され、それらの高融点金属元素がその一部が単体で存在する状態及び/又は他の前記窒化物、炭化物、炭窒化物、又は酸化物と共存の状態で存在するものであることを特徴とする高硬度で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼粉末。
  6. 前記ナノ結晶合金鋼粒子の集合体よりなる合金鋼粉末が、分散・析出物質及び/又は結晶粒成長抑制物質として、(1)クロム、バナジウム、チタン、ジルコニウム、モリブデン、ニオブ、タンタル、タングステン、イットリウム、ニッケル、コバルト、アルミニウム、ケイ素又はホウ素から選ばれるいずれか1種又は2種以上、又は(2)前記各元素の窒化物、炭化物、炭窒化物又は酸化物のいずれか1種又は2種以上(3)あるいは前記(1)と(2)の双方を含有してなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の高硬度で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼粉末。
  7. ナノ結晶合金鋼粒子集合体よりなる粉末材料が、(1)鉄−クロム−ニッケル系、鉄−クロム−マンガン系のオーステナイト鋼、又は(2)鉄−クロム系のオーステナイト鋼、あるいは(3)鉄−クロム−ニッケル系、鉄−クロム−マンガン系のオーステナイト・フェライト2相鋼であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の高硬度で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼粉末。
  8. ナノ結晶合金鋼粒子が、塊状体、片状体、粒状体又は粉状体の合金鋼形成成分の物質を、窒素源となる物質とともにボールミル等を用いてメカニカルアロイング(MA)することによって得られたものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の高硬度で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼粉末。
  9. ナノ結晶合金鋼粒子が、塊状体、片状体、粒状体又は粉状体の普通炭素鋼、合金鋼、白鋳鉄、ねづみ鋳鉄、まだら鋳鉄、球状黒鉛鋳鉄、合金鋳鉄、他の合金元素又は合金のいずれか1つ又は2つ以上の物質から選ばれたナノ結晶合金鋼の構成物質を、窒素源となる物質とともに、ボールミル等を用いたメカニカルアロイング(MA)又はメカニカルミリング(MM)することによって得られたものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の高硬度で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼粉末。
  10. 固溶型窒素Nssと固溶型炭素Cssとを合わせて0.01〜2.5質量%含有し、かつ固溶型炭素Cssの質量と固溶型窒素Nssの質量の質量比Css/Nssが0.3〜1.0であるナノ結晶合金鋼粒子の集合体よりなるナノ結晶合金鋼粉末が、
    メカニカルアロイング(MA)又はメカニカルミリング(MM)によって得られるナノ結晶粒子集合体(粉体)間の固化成形過程での原子的結合(atomic bonding)促進物質として、(1)チタン、ジルコニウム、アルミニウム、ランタン、セリウムから選ばれる1種又は2種以上の金属元素0.1〜5.0質量%、又は(2)アルミカルシウム、アルミジルコニウム、アルミマグネシウム、カルシウムシリコン、フェロチタンの合金、あるいは(3)前記(1)と(2)の金属元素及び合金を0.2〜5.0質量%を、MA又はMM処理の前又は同処理の途中の過程で粉末材料中に含有させてなるものであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の高硬度で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼粉末。
  11. 固溶型窒素Nssと固溶型炭素Cssとを合わせて0.01〜2.5質量%含有し、かつ固溶型炭素Cssの質量と固溶型窒素Nssの質量の質量比Css/Nssが0.3〜1.0であるナノ結晶合金鋼粒子の集合体よりなるナノ結晶合金鋼粉末が、
    その固化成形体(バルク材)の遅れ破壊抑制・防止物質として、MA用又はMM用粉末材料中に、
    チタン、ジルコニウム、アルミジルコニウム、又はフェロチタンから選ばれる1つ又は2つ以上を合わせて0.2〜5.0質量%を含有させてなるものであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の高硬度で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼粉末。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のナノ結晶合金鋼粉末の多数個が固結されてなることを特徴とする高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材。
  13. 請求項12に記載のバルク材が、クロム−ニッケル系又はクロム−マンガン系のオーステナイト鋼バルク材であり、同バルク材が固溶型窒素Nssと固溶型炭素Cssとを合わせて0.01〜2.5質量%含有し、かつ固溶型炭素Cssの質量と固溶型窒素Nssの質量の質量比Css/Nssが0.3〜1.0であり、そのナノ結晶の結晶粒径が50〜1000nmであることを特徴とする高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材。
  14. 請求項12に記載のバルク材が、クロム−ニッケル系又はクロム−マンガン系のオーステナイト鋼バルク材であり、同バルク材が固溶型窒素Nssと固溶型炭素Cssとを合わせて0.01〜2.5質量%含有し、かつ固溶型炭素Cssの質量と固溶型窒素Nssの質量の質量比Css/Nssが0.4〜0.65であり、そのナノ結晶の結晶粒径が50〜1000nmであることを特徴とする高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材。
  15. ナノ結晶の結晶粒径が75〜500nmであることを特徴とする請求項13又は14に記載の高硬度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材。
  16. ナノ結晶の結晶粒径が100〜300nmであることを特徴とする請求項13又は14に記載の高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材。
  17. 請求項12に記載のバルク材が、オーステナイト相とフェライト相から構成される2相ステンレス鋼(complex stainless steel又はdual stainless steel)バルク材であり、同バルク材が固溶型窒素Nssと固溶型炭素Cssとを合わせて0.01〜1.2質量%含有し、かつ固溶型炭素Cssの質量と固溶型窒素Nssの質量の質量比Css/Nssが0.3〜1.0であり、
    そのナノ結晶の結晶粒径が50〜1000nmであることを特徴とする高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材。
  18. 請求項12に記載のバルク材が、オーステナイト相とフェライト相から構成される2相ステンレス鋼(complex stainless steel又はdual stainless steel)バルク材であり、同バルク材が固溶型窒素Nssと固溶型炭素Cssとを合わせて0.01〜1.2質量%含有し、かつ固溶型炭素Cssの質量と固溶型窒素Nssの質量の質量比Css/Nssが0.4〜0.65であり、
    そのナノ結晶の結晶粒径が50〜1000nmであることを特徴とする高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材。
  19. ナノ結晶の結晶粒径が75〜500nmのであることを特徴とする請求項17又は18に記載の高硬度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材。
  20. ナノ結晶の結晶粒径が100〜300nmであることを特徴とする請求項17又は18に記載の高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材。
  21. 請求項12に記載のバルク材が、鉄−クロム系オーステナイト鋼バルク材であり、同バルク材がクロムを10〜30%(質量)含有し、固溶型窒素Nssと固溶型炭素Cssとを合わせて0.1〜1.5質量%含有し、かつ固溶型炭素Cssの質量と固溶型窒素Nssの質量の質量比Css/Nssが0.3〜1.0であり、そのナノ結晶の結晶粒径が50〜1000nmであることを特徴とする高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材。
  22. 請求項12に記載のバルク材が、鉄−クロム系オーステナイト鋼バルク材であり、同バルク材がクロムを10〜30%(質量)含有し、固溶型窒素Nssと固溶型炭素Cssとを合わせて0.1〜1.5質量%含有し、かつ固溶型炭素Cssの質量と固溶型窒素Nssの質量の質量比Css/Nssが0.4〜0.65であり、そのナノ結晶の結晶粒径が50〜1000nmであることを特徴とする高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材。
  23. ナノ結晶の結晶粒径が75〜500nmであることを特徴とする請求項21又は22に記載の高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材。
  24. 請求項12に記載のバルク材が、鉄−クロム系オーステナイト鋼バルク材であり、同バルク材がクロムを10〜30%(質量)含有し、固溶型窒素Nssと固溶型炭素Cssとを合わせて0.1〜1.5質量%含有し、かつ固溶型炭素Cssの質量と固溶型窒素Nssの質量の質量比Css/Nssが0.3〜1.0であり、そのナノ結晶の結晶粒径が100〜300nmであることを特徴とする高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材。
  25. 請求項12に記載のバルク材が、クロム−ニッケル系ナノ結晶オーステナイト鋼バルク材であり、同バルク材のニッケル濃度を25〜35質量%、さらにクロム濃度を30〜40質量%に高濃度化したものであり、延性ー脆性遷移温度(DBTT)を極低温レベルまで低下させたものであることを特徴とする高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材。
  26. 請求項12に記載のバルク材が、オーステナイト・フェライト2相鋼のナノ結晶合金鋼バルク材であり、同バルク材におけるフェライト相を40〜60%(体積)に高めることによって、延性−脆性遷移温度(DBTT)を極低温レベルまで低下させることを特徴とする高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材。
  27. 請求項1〜26のいずれか1項に記載のナノ結晶合金鋼における侵入型元素の窒素と炭素との複合添加によって、同合金鋼に含有する高価なクロム、ニッケル又はマンガンの量が2〜5質量%低減されてなることを特徴とする高硬度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼粉末又は高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材。
  28. 下記ナノ結晶合金鋼形成成分である塊状体、片状体、粒状体又は粉末をボールミル等を用いてメカニカルアロイング(MA)又はメカニカルミリング(MM)することによって、固溶型窒素Nssと固溶型炭素Cssとを合わせて0.01〜2.5質量%含有し、かつ固溶型炭素Cssの質量と固溶型窒素Nssの質量の質量比Css/Nssが0.3〜1.0であるナノ結晶合金鋼粒子の集合体よりなるナノ結晶合金鋼粉末を得ることを特徴とする高硬度で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼粉末の製造方法。
  29. 下記ナノ結晶合金鋼形成成分である塊状体、片状体、粒状体又は粉末を、窒素源となる物質とともにボールミル等を用いてメカニカルアロイング(MA)することによって、固溶型窒素Nssと固溶型炭素Cssとを合わせて0.01〜2.5質量%含有し、かつ固溶型炭素Cssの質量と固溶型窒素Nssの質量の質量比Css/Nssが0.3〜1.0であるナノ結晶合金鋼粒子の集合体よりなるナノ結晶合金鋼粉末を得ることを特徴とする高硬度で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼粉末の製造方法。
  30. 下記ナノ結晶合金鋼形成成分である塊状体、片状体、粒状体又は粉末の普通炭素鋼、合金鋼、白鋳鉄、ねずみ鋳鉄、まだら鋳鉄、球状黒鉛鋳鉄、合金鋳鉄、他の合金元素又は合金のいずれか1つ又は2つ以上の物質から選ばれたナノ結晶合金鋼の構成物質をボールミル等を用いてメカニカルアロイング(MA)又はメカニカルミリング(MM)することによって、固溶型窒素Nssと固溶型炭素Cssとを合わせて0.01〜2.5質量%含有し、かつ固溶型炭素Cssの質量と固溶型窒素Nssの質量の質量比Css/Nssが0.3〜1.0であるナノ結晶合金鋼粒子の集合体よりなるナノ結晶合金鋼粉末を得ることを特徴とする高硬度で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼粉末の製造方法。
  31. 下記ナノ結晶合金鋼形成成分である塊状体、片状体、粒状体又は粉末の普通炭素鋼、合金鋼、白鋳鉄、ねずみ鋳鉄、まだら鋳鉄、球状黒鉛鋳鉄、合金鋳鉄、他の合金元素又は合金のいずれか1つ又は2つ以上の物質から選ばれたナノ結晶合金鋼の構成物質を、窒素源となる物質とともにボールミル等を用いてメカニカルアロイング(MA)又はメカニカルミリング(MM)することによって、固溶型窒素Nssと固溶型炭素Cssとを合わせて0.01〜2.5質量%含有し、かつ固溶型炭素Cssの質量と固溶型窒素Nssの質量の質量比Css/Nssが0.3〜1.0であるナノ結晶合金鋼粒子の集合体よりなるナノ結晶合金鋼粉末を得ることを特徴とする高硬度で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼粉末の製造方法。
  32. 固溶型炭素Cssの質量と固溶型窒素Nssの質量の質量比Css/Nssが0.3〜1.0であるナノ結晶合金鋼粒子の集合体よりなるナノ結晶合金鋼粉末を得ることを特徴とする請求項28〜31のいずれか1項に記載の高硬度で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼粉末の製造方法。
  33. 窒素源又は窒素源及び炭素源となる物質が、窒化鉄、窒化クロム、窒化マンガンなどの金属窒化物、シアン化ナトリウム(NaCN)、黄血塩のようなシアン化合物、N2ガス、NH3ガス、メタンガス、ブタンガス、都市ガスなどガスから選択される1種又は2種以上であることを特徴とする請求項28〜32のいずれか1項に記載の高硬度で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼粉末の製造方法。
  34. メカニカルアロイング(MA)又はメカニカルミリングを施す雰囲気が、(1)アルゴンガスなどの不活性ガス、(2)N2ガス、(3)NH3ガス、(4)メタンガス、(5)ブタンガス又は(6)都市ガスから選ばれるいずれか1種又は(1)〜(6)から選ばれる2種以上の混合ガスの雰囲気であることを特徴とする請求項28〜33のいずれか1項に記載の高硬度で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼粉末の製造方法。
  35. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のナノ結晶合金鋼粉末を、
    空気中又は酸化抑制雰囲気中あるいは真空中で、(1)冷間プレス成形、(2)冷間等方加圧成形(CIP)、(3)放電プラズマ焼結(SPS)、(4)ホットプレス、(5)熱間等方加圧焼結(HIP)、(6)押出成形、(7)鍛造、(8)圧延、(9)スエージングの(1)〜(9)から選択される1つ又は2つ以上の組み合わせによる固化成形又は爆発成形などの固化成型処理をし、その後、急冷又は空冷することにより、固溶型窒素と固溶型炭素とを合わせて0.01〜2.5質量%含有し、かつ固溶型炭素Cssの質量と固溶型窒素Nssの質量の質量比Css/Nssが0.3〜1.0であるナノ結晶合金鋼粒子の集合体よりなる
    ナノ結晶合金鋼バルク材となすことを特徴とする高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材の製造方法。
  36. 請求項7〜11のいずれか1項に記載のクロム−ニッケル系又はクロム−マンガン系ナノ結晶オーステナイト合金鋼粉末を、軟鋼などからつくられた金型又は金属カプセルに真空封入して、これを熱間鍛造又は熱間押出にて固化成形し、次いで圧延加工処理した後、急冷することにより、固溶型窒素と固溶型炭素とを合わせて0.2〜1.5質量%含有し、かつ固溶型炭素Cssの質量と固溶型窒素Nssの質量の質量比Css/Nssが0.3〜1.0であり、結晶粒径が50〜1000nmのオーステナイトナノ結晶の集合体よりなるナノ結晶オーステナイト鋼バルク材となすことを特徴とする高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材の製造方法。
  37. 請求項7〜11のいずれか1項に記載のオーステナイト・フェライト2相鋼粉末を軟鋼などを用いた金型又は金属カプセルに真空封入して、これを熱間鍛造又は熱間押出にて固化成形し、次いで圧延加工処理した後、急冷することにより、固溶型窒素と固溶型炭素とを合わせて0.1〜1.2質量%含有し、かつ固溶型炭素Cssの質量と固溶型窒素Nssの質量の質量比Css/Nssが0.3〜1.0であり、結晶粒径が50〜1000nmのオーステナイトとフェライトのナノ結晶の集合体よりなるナノ結晶オーステナイト・フェライト2相鋼バルク材となすことを特徴とする高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材の製造方法。
  38. 請求項7〜11のいずれか1項に記載の鉄ークロム系オ−ステナイト鋼粉末を軟鋼などを用いた金型又は金属カプセルに真空封入して、これを熱間鍛造又熱間押出にて固化成形し、次いで圧延加工した後、急冷処理することにより、固溶型窒素と固溶型炭素とを合わせて0.1〜1.5質量%含有し、かつ固溶型炭素Cssの質量と固溶型窒素Nssの質量の質量比Css/Nssが0.3〜1.0であり、結晶粒径が50〜1000nmのオーステナイトナノ結晶の集合体よりなるナノ結晶オーステナイト鋼バルク材となすことを特徴とする高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材の製造方法。
  39. 請求項7〜11のいずれか1項に記載のナノ結晶合金鋼粉末を微細結晶粒超塑性を示す0.5Tm(Tm:合金鋼粉末の融解温度、K)以上の温度域にて放電プラズマ焼結、ホットプレス、圧延、押出、鍛造、熱間等方圧加圧成形(HIP)等の真空熱間固化成形(超塑性固化成形)を行うことによりナノ結晶合金鋼バルク材となすことを特徴とする高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材の製造方法。
  40. 請求項7〜11のいずれか1項に記載のナノ結晶合金鋼粉末を、600〜1250℃の温度での放電プラズマ焼結、ホットプレス、押出、鍛造、熱間等方圧加圧成形(HIP)、圧延等の真空熱間固化成形又は爆発成形などの固化成形処理してナノ結晶合金鋼バルク材となし、その後、前記合金鋼バルク材を微細結晶粒超塑性を示す温度域にて更に所要の形状に成形加工することを特徴とする高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材の製造方法。
  41. 請求項35〜40のいずれかに1項に記載の熱間固化成形温度が600〜1250℃であることを特徴とする高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材の製造方法。
  42. 請求項12〜27のいずれか1項に記載のバルク材(固化成形体)を800〜1300℃の温度にて10分〜3時間以内の時間で焼なました後、直ちに急冷することを特徴とする高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材の製造方法。
  43. 固溶型窒素Nssと固溶型炭素Cssとを合わせて0.01〜2.5質量%含有し、かつ固溶型炭素Cssの質量と固溶型窒素Nssの質量の質量比Css/Nssが0.3〜1.0であるナノ結晶合金鋼粒子の集合体よりなるナノ結晶合金鋼粉末に、
    メカニカルアロイング(MA)又はメカニカルミリング(MM)によって得られるナノ結晶粒子集合体(粉体)間の固化成形過程での原子的結合促進物質として、チタン、ジルコニウム、ランタン、アルミニウム、セリウム、クロム、ケイ素、又はマンガンから選ばれる1又は2以上の元素、あるいは前記元素を含むアルミカルシウム、アルミジルコニウム、アルミマグネシウム、カルシウムシリコン、又はフェロチタンの合金から選ばれる1つ又は2つ以上を合わせて0.1〜5%(質量)を、MA又はMM処理後の合金鋼粉末中に含有(添加)させ、
    これを固化成形加工する直前に更に短時間MA又はMM処理してから固化成形加工することを特徴とする高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材の製造方法。
  44. ナノ結晶合金鋼粒子の集合体よりなるナノ結晶合金鋼粉末の固溶型炭素Cssの質量と固溶型窒素Nssの質量の質量比Css/Nssが0.4〜0.65であることを特徴とする請求項35〜43のいずれか1項に記載の高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材の製造方法。
  45. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のナノ結晶合金鋼粉末の熱間固化成形温度への急速加熱及び/又は同熱間固化成形温度保持のため、マイクロ波による加熱方式又は高周波誘導加熱方式を用いることを特徴とする請求項35〜44のいずれか1項に記載の高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材の製造方法。
  46. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のナノ結晶合金鋼粉末の迅速な熱間固化成形処理を行うため、同粉末をマイクロ波加熱加圧焼結又は高周波誘導加熱加圧焼結することによって、ナノ結晶合金鋼のバルク材となすことを特徴とする請求項35〜44のいずれか1項に記載の高強度・強靱で優れた耐食性を有するナノ結晶合金鋼バルク材の製造方法。
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