JP2006274054A - インク組成物及びこれを用いた画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 光硬化型の染料系インク組成物の耐光性を向上させる。
【解決手段】 染料及びカチオン重合開始剤と共に、重合性化合物としてオキシラン基含有化合物(及び好ましくはオキセタン基含有化合物)を含んでいる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、インク組成物及びこれを用いた画像形成方法に関し、詳しくは、記録後の重合硬化が可能で、堅牢な画像の記録に好適なインク組成物及びこれを用いた画像形成方法に関する。
褪色耐性等を有するインクとして、紫外線(UV)照射により硬化し、それ自体UV遮光性を有するUVインクが知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなインクを用いた場合の硬化は、モノマー成分のラジカル重合系を利用した系が汎用されており、モノマー成分としてはアクリレート系モノマーが一般に用いられている(例えば、特許文献2〜4参照)。
上記のように、ラジカル重合反応を利用して硬化させる場合、インク分野においては、ラジカル重合は一般に酸素による重合阻害を受けやすく、また、画像記録を行なうにあたってインクが付与される被記録材の側に酸素遮断機能を有する層等が設けられないのが通例であると共に、インク粘度も低いことから、インクが酸素の存在により受ける重合阻害は大きい。
したがって、一般に酸素存在下で記録を行なうインク分野では、硬化速度が大きく低下したり、硬化後のインク物性、具体的に画像の耐光性が大きく損なわれたりする傾向がある。
そして、色材のうち、染料は光に曝されると褪色しやすいことは広く知られているが、上記のように硬化後の画像の耐光性が不充分であると、画像を長期間安定に保持することはできない。したがって、このようなインクの記録用材料としての商品価値は著しく低下し、実質上画像記録用途には適さない。そのため、インク用の色材には、染料よりも顔料を用いたインクが広く提供されているのが実情である。
一方、カチオン重合反応を利用した硬化は、ラジカル重合反応のような酸素による重合阻害を受けにくいが、一般に重合速度がラジカル重合の場合に比して遅いとの課題がある。そのため、光硬化型の重合形態としては必ずしも適当ではなく、速やかな硬化が要求される用途には広く用いられていない。例えばインク分野では、記録後のインクの速乾性が得られることや、画像記録における技術課題の1つとして記録速度の向上が要請されていること等のほか、記録画像が鮮明で安定であること、等からカチオン重合系よりもラジカル重合系に構成されるのが一般的である。
すなわち、光に曝されると褪色しやすい染料を用いた場合に、上記のように硬化速度が遅いと光照射して硬化が完了するまでの間に染料が褪色してしまい、所望の色相、濃度の鮮明な画像を得ることができない。
ところが、カチオン重合により硬化させた硬化物は、ラジカル重合による硬化物よりも耐光性に優れているという特性を有している。
上記に関連して、オキセタン環やオキシラン環を有する化合物を用いた硬化の速い活性エネルギー線硬化型の組成物が開示されている(例えば、特許文献5〜6参照)。また、このオキセタン環やオキシラン環を有する化合物と共に、顔料を用いた組成物の例もある(例えば、特許文献7参照)。しかしながら、これらはいずれも紙やプラスチックスのコーティング等の速やかな硬化を必要とする用途や色材に顔料を用いたインク用途に係るものであり、重合反応性との関係から硬化性や密着性等の向上を課題として構成されたものに過ぎない。
したがって、依然として色材に染料を用いた場合における、色合い(色相)や色濃度に優れた鮮明な画像の形成、並びに形成画像の耐光性の向上技術については、未だ確立されていないのが現況である。
特開2003−221528号公報 特開2003−246818号公報 特開2003−292855号公報 特開平9−183927号公報 特開平7−53711号公報 特開平7−62082号公報 特開2004−143135号公報
上記のように、ラジカル重合では迅速な硬化が可能であるものの、耐光性が不充分である一方、カチオン重合ではラジカル重合による系よりも耐光性向上の点で有利である。しかし、硬化されるまでの硬化速度が遅いことから、画像の光堅牢性を検討する以前に硬化に要する曝光により褪色してしまい、結果的にこれまでの技術では染料を用いた系において、色相及び色濃度が良好で鮮明な画像の記録が可能であると共に、高度の耐光性を有するように構成する技術が提案されるには未だ至っていない。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、色材として染料を用いた光硬化型のインク組成物において、顔料並みの高度の耐光性を有するインク組成物、並びに該インク組成物が用いられ、色相及び色濃度が良好で鮮明であると共に、耐光性に優れた画像の形成が可能な画像形成方法を提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
本発明は、重合硬化後の画像はラジカル重合によるよりもカチオン重合による場合が光に対する堅牢性に優れること、曝光時のカチオン重合の際の褪色を含めた耐光性向上には、重合性化合物にオキセタン基やオキシラン基を存在させた系が効果的で、特に光で褪色しやすいマゼンタ系染料を用いた系に特に効果的であるとの知見を得、かかる知見に基づいて達成されたものである。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 染料と、オキシラン基含有化合物と、カチオン重合開始剤とを含有することを特徴とするインク組成物である。
<2> オキセタン基含有化合物を更に含む前記<1>に記載のインク組成物である。
<3> 前記オキセタン基含有化合物(p)及び前記オキシラン基含有化合物(q)を含有するときの含有比(p/q;質量比)が、50/50〜95/5である前記<2>に記載のインク組成物である。
<4> 前記染料が油溶性染料である前記<1>〜<3>のいずれか1つに記載のインク組成物である。
<5> 前記油溶性染料は、酸化電位が1.0V(vs SCE)よりも貴である前記<4>に記載のインク組成物である。
<6> 前記油溶性染料が、下記のマゼンタ染料及び/又はその置換体である前記<4>又は<5>に記載のインク組成物である。
Figure 2006274054
<7> インクジェット記録に用いられる前記<1>〜<6>のいずれか1つに記載のインク組成物である。
<8> 前記<1>〜<7>のいずれか1つに記載のインク組成物を用いて被記録材に画像を記録する画像記録工程と、記録された画像に活性エネルギー線を照射して硬化させる画像硬化工程とを含むことを特徴とする画像形成方法である。
<9> 前記画像記録工程は、前記インク組成物を吐出することにより前記画像をインクジェット記録する前記<8>に記載の画像形成方法である。
本発明によれば、色材として染料を用いた光硬化型のインク組成物において、顔料並みの高度の耐光性を有するインク組成物、並びに該インク組成物が用いられ、色相及び色濃度が良好で鮮明であると共に、耐光性に優れた画像の形成が可能な画像形成方法を提供することができる。
以下、本発明のインク組成物、並びにこれを用いた画像形成方法について、詳細に説明する。
<インク組成物>
本発明のインク組成物は、染料とオキシラン基含有化合物(以下、「本発明に係る重合性化合物」ということがある。)とカチオン重合開始剤とを含んでなり、被記録材への画像記録後、活性エネルギー線の照射によって記録画像の硬化が可能なように構成されている。また、好ましくはオキセタン基含有化合物を含んでなり、前記成分以外に更に必要に応じて、本発明に係る重合性化合物及びオキセタン基含有化合物以外の「他の重合性化合物」や各種添加剤等の他の成分を用いて構成することができる。
−オキシラン基含有化合物−
本発明のインク組成物は、重合性化合物として特に、オキシラン基含有化合物の少なくとも一種を含有する。この化合物は、後述するカチオン重合開始剤の作用によって活性エネルギー線の照射時に重合してそれ自体硬化し、しかも硬化反応を短時間で行ない得るため、光褪色しやすい染料の硬化(重合反応)時及び硬化後の画像での褪色防止に特に効果的であり、色合い(色相)や色濃度、鮮明性に優れ、顔料並みの耐光性を有する画像を形成することができる。後述のオキセタン基含有化合物も同様である。
本発明においては、オキシラン基含有化合物を単独で含有して構成されるが、オキシラン基含有化合物及び後述のオキセタン基含有化合物の双方を併用するようにしてもよく、また、オキシラン基含有化合物、あるいはオキシラン基含有化合物及びオキセタン基含有化合物とこれら以外の他の重合性化合物とを併用した構成としてもよい。特に、オキセタン基含有化合物とオキシラン基含有化合物と(必要に応じて他の重合性化合物と)を併用した構成が好ましい。
オキセタン基含有化合物(p)とオキシラン基含有化合物(q)とを併用する場合、硬化後の画像の耐光性をより効果的に向上させ得る点で、含有比p/q(質量比)を50/50〜95/5の範囲とすることが好ましく、67/33〜90/10の範囲とすることが特に好ましい。
〈オキセタン基含有化合物〉
本発明に係るオキセタン基含有化合物は、分子内に少なくとも1つのオキセタン基(オキセタニル基)を含む化合物の中から適宜選択することができる。
例えば、分子中に1つのオキセタン基を有する化合物としては下記一般式(1−a)で表される化合物が好適であり、分子中に2つ以上のオキセタン基を有する化合物としては下記一般式(1−b)で表される化合物が好適である。
Figure 2006274054
まず、一般式(1−a)で表されるオキセタン基含有化合物を説明する。
前記一般式(1−a)において、Zは、酸素原子又は硫黄原子を表し、酸素原子が好ましい。R1aは、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等)、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基、フリル基、又はチエニル基を表し、炭素数1〜6のアルキル基(特にメチル基、エチル基)が好ましい。
2aは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等)、炭素数1〜6のアルケニル基(例えば、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ベンジル基、フルオロベンジル基、メトキシベンジル基、フェノキシエチル基等)、炭素数1〜6のアルキルカルボニル基(例えば、プロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基、ペンチルカルボニル基等)、炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基(例えば、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブチロキシカルボニル基等)、炭素数1〜6のアルコキシカルバモイル基(例えば、エトキシカルバモイル基、プロポキシカルバモイル基、ブチルペンチロキシカルバモイル基等)、等を表す。
前記一般式(1−a)で表されるオキセタン基含有化合物のうち、R1aが低級アルキル基(特にエチル基)であって、R2aが水素原子、ブチル基、フェニル基、ベンジル基であって、Zが酸素原子である態様が特に好ましい。ここで、前記低級アルキル基は、炭素数1〜3のアルキル基をいう(以下同様)。
なお、前記一般式(1−a)で表されるオキセタン基含有化合物は一種単独で用いる以外に、二種以上を併用することもできる。
次に、一般式(1−b)で表されるオキセタン基含有化合物を説明する。
前記一般式(1−b)において、mは2、3又は4を表し、Zは酸素原子又は硫黄原子を表し、前記Zとしては酸素原子が好ましい。
前記一般式(1−b)において、R1bは、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等)、フェニル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基、又はフリル基を表す。
2bは、炭素数1〜12の線形もしくは分岐アルキレン基、線形もしくは分岐ポリ(アルキレンオキシ)基、又は下記一般式(3)、(4)及び(5)からなる群より選択される2価の基を表す。
前記炭素数1〜12の線形もしくは分岐アルキレン基としては、下記一般式(2)で表される基が好ましい。下記一般式(2)中のR3は、メチレン基、エチレン基、又はプロピレン基等の低級アルキレン基を表す。
Figure 2006274054
Figure 2006274054
前記一般式(3)において、nは、0又は1〜2000の整数を表し、R4は炭素数1〜10のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基等)、又は下記一般式(6)で表される基より選択される基を表す。R5は、炭素数1〜10のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基等)を表し、好ましくはメチル基である。
Figure 2006274054
前記一般式(6)において、jは、0又は1〜100の整数を表し、R6は炭素数1〜10のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基等)を表し、好ましくはメチル基である。
Figure 2006274054
前記一般式(4)において、R7は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基等)、炭素数1〜10のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等)、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基等)、又はカルボキシル基を表す。
Figure 2006274054
前記一般式(5)において、R8は、酸素原子、硫黄原子、NH、SO、SO2、CH2、C(CH3)2、又はC(CF3)2を表す。
前記一般式(1−b)で表されるオキセタン基含有化合物のうち、一般式(1−b)において、R1bが低級アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等)を表す態様が好ましく、特に好ましくはエチル基であって、R2bが、一般式(4)のR7が水素原子である基、ヘキサメチレン基、一般式(2)のR3がエチレン基、又は一般式(3)のR5がメチル基でかつR4が一般式(6)のR6がメチル基である基であって、Zが酸素原子であって、mが2である態様が好ましい。
更に、分子中に2以上のオキセタン基を有する化合物としては、下記一般式(7)又は(8)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2006274054
前記一般式(7)において、rは、25〜200の整数を表し、R9は炭素数1〜4のアルキル基又はトリアルキルシリル基を表す。なお、一般式(7)、(8)中のR1及び一般式(7)中のR6は各々、前記一般式(1−b)中のR1b及び前記一般式(6)のR6と同義である。
以下、前記一般式(1−a)又は(1−b)で表されるオキセタン基含有化合物の好ましい具体例〔例示化合物1〜37並びに(a)〜(f)〕を列挙する。但し、本発明においては、これらに制限されるものではない。
Figure 2006274054
Figure 2006274054
Figure 2006274054
Figure 2006274054
上記のオキセタン基含有化合物の合成は、(1)H.A.J.Curless,“Synthetic Organic Photochemistry”,Plenum,New York(1984)、(2)M.Braun,Nachr.Chem.Tech.Lab.,33,213(1985) 、(3)S.H.Schroeter,J.Org.Chem.,34,5,1181(1969) 、(4)D.R.Arnold,Adv.Photochem.,6,301(1968) 、(5)“Heterocyclic Compounds with Three- and Four-membered Rings”,Part Two,Chapter IX,Interscience Publishers,John Wiley & Sons,New York(1964) 、(6)Bull.Chem.Soc.Jpn.,61,1653(1988) 、(7)Pure Appl.Chem.,A29(10),915(1992)、(8)Pure Appl.Chem.,A30(2&3),189(1993) 、(9)特開平6-16804号公報、(10)ト゛イツ特許第1,021,858号、等を参照することができる。
なお、前記一般式(1−b)で表されるオキセタン基含有化合物もまた、一種単独で用いる以外に、二種以上を併用することもできる。
上記のオキセタン基含有化合物のうち、例示化合物(a)、例示化合物(b)、例示化合物(d)、例示化合物(f)が好ましい。
〈オキシラン基含有化合物〉
本発明に係るオキシラン基含有化合物は、分子内に、オキシラン環を有する少なくとも1つのオキシラン基(オキシラニル基)を含む化合物、具体的にはエポキシ樹脂として通常用いられているものの中から適宜選択することができ、モノマー、オリゴマー及びポリマーのいずれであってもよい。
前記オキシラン基含有化合物の具体例としては、従来公知の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂が挙げられる。ここで、エポキシ樹脂とは、モノマー、オリゴマー、又はポリマーをいう。
前記芳香族エポキシ樹脂としては、好適なものとして、少なくとも1つの芳香族核を有する多価フェノール又はそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジ又はポリグリシジルエーテルが挙げられる。例えば、ビスフェノールA又はそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールA又はそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、並びにノボラック型エポキシ樹脂などである。ここで、アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、又はプロピレンオキサイド等が挙げられる。
前記脂環族エポキシ樹脂としては、好適なものとして、少なくとも1つのシクロへキセン又はシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られる、シクロヘキセンオキサイド又はシクロペンテンオキサイド含有化合物が挙げられる。例えば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート等である。
前記脂肪族エポキシ樹脂としては、好適なものとして、脂肪族多価アルコール又はそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル等が挙げられる。例えば、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテル、又は1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリン又はそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール又はそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコール又はそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル等のポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等である。ここで、アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、又はプロピレンオキサイド等が挙げられる。
上記以外に、分子内に1つのオキシラン環を有するモノマーである脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテルやフェノール、クレゾール又はこれらのアルキレンオキサイド付加体のモノグリシジルエーテル等も挙げられる。
なお、前記オキシラン基含有化合物は、一種単独で用いる以外に、二種以上を併用することもできる。
以下、前記オキシラン基含有化合物の好ましい具体例〔例示化合物(i)〜(viii)〕を列挙する。但し、本発明においては、これらに制限されるものではない。
Figure 2006274054
上記のうち、特に好ましいオキシラン基含有化合物は、例示化合物(i)、例示化合物(v)である。
本発明においては、上記のオキセタン基含有化合物とオキシラン基含有化合物との両方を組合せて併用した場合が好ましいが、その組合せの態様として、例えば、前記例示化合物(a)と前記例示化合物(i)を組合せた態様や、前記例示化合物(b)と前記例示化合物(v)を組合せた態様、が耐光性をより効果的に向上させ得る点で特に好ましい。
上記のオキシラン基含有化合物及び/又はオキセタン基含有化合物と共に、公知の他の重合性化合物を併用することも可能である。他の重合性化合物としては、重合性の官能基(重合性基)としてエチレン性二重結合を少なくとも一つ有する化合物であり、重合性基が一つの単官能モノマー及び重合性基を2以上有する2官能以上のモノマーを適宜選択することができる。
重合性基としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基、ビニル基、内部二重結合性基(マレイン酸など)等が挙げられ、重合性の程度やインク組成物の物性等を調整する目的で任意に選択することができ、中でも特に、重合速度や汎用性の観点からアクリロイル基、メタクリロイル基が好ましく、アクリロイル基が特に好ましい。上記より、他の重合性化合物の好ましいものとして、アクリレート類、メタクリレート類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、オレフィン類、スチレン類、ビニルエーテル類が挙げられ、アクリレート類、メタクリレート類が好ましい。
前記オキシラン基含有化合物(並びに必要に応じて含有されるオキセタン基含有化合物及び他の重合性化合物)のインク組成物中における総量(質量)としては、インク組成物の所望とする物性に応じて任意に選択できるが、50〜99質量%の範囲が好ましい。
−カチオン重合開始剤−
本発明のインク組成物は、前記本発明に係る重合性化合物(並びに必要に応じて含有されるオキセタン基含有化合物及び他の重合性化合物)を重合硬化させるカチオン重合開始剤の少なくとも一種を含有する。カチオン重合開始剤は、活性エネルギー線の波長領域に吸収を有し、活性エネルギー線が付与されると活性エネルギー線の作用又は増感色素の電子励起状態との相互作用を経て化学変化を生じ、カチオン種を発生して重合性化合物(すなわちインク組成物)の重合硬化を開始、促進するものである。
本発明において、「活性エネルギー線」は、カチオン重合開始剤からカチオンを生じさせる活性線であり、紫外線(UV光)、可視光線、γ線、α線、X線その他電子線が含まれる。具体的な光源としては、例えば、LD、LED、蛍光灯、低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯、キセノンランプ、ケミカルランプなどを適用することができる。好ましい光源には、LED、高圧水銀灯、メタルハライドランプが挙げられる。
カチオン重合開始剤には、当業者間で公知のものを制限なく使用することができ、例えば、 Bruce M. Monroeら著、Chemical Revue,93,435(1993). や、R.S.Davidson著、Journal of Photochemistry and biology A :Chemistry,73.81(1993). 、J. P. Faussier "Photoinitiated Polymerization-Theory and Applications" :Rapra Review vol.9, Report, Rapra Technology(1998).、M.Tsunooka et al.,Prog.Polym.Sci.,21,1(1996). に記載された化合物や、「イメージング用有機材料」(有機エレクトロニクス材料研究会編、ぶんしん出版(1993年)、p.187〜192参照)に化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物として記載されている化合物が挙げられる。さらに、F. D.Saeva,Topics in Current Chemistry,156,59(1990).、G. G. Maslak, Topics in Current Chemistry, 168, 1 (1993).、H. B. Shuster et al, JACS, 112, 6329 (1990).、I. D. F.Eaton et al, JACS, 102, 3298(1980). 等に記載の、増感色素の電子励起状態との相互作用を経て酸化的もしくは還元的に結合解裂を生じる化合物群も挙げることができる。
好ましいものには、(a)芳香族ケトン類、(b)芳香族オニウム塩化合物、(c)有機過酸化物、(d)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(e)ケトオキシムエステル化合物、(f)ボレート化合物、(g)アジニウム塩化合物、(h)メタロセン化合物、(i)活性エステル化合物、(j)炭素ハロゲン結合を有する化合物、等が挙げられる。
中でも、(b)芳香族オニウム塩化合物、(i)活性エステル化合物が有用である。以下、本発明に有用な前記(b)及び(i)を中心に説明する。
前記(b)芳香族オニウム塩化合物としては、長周期律表の15族、16族、及び17族に属する元素、具体的には、N、P、As、Sb、Bi、O、S、Se、Te、又はIの芳香族オニウム塩が含まれる。例えば、欧州特許104143号明細書、米国特許4837124号明細書、特開平2−150848号公報、特開平2−96514号公報に記載のヨードニウム塩類、欧州特許370693号、同233567号、同297443号、同297442号、同279210号、及び同422570号の各明細書、並びに米国特許3902144号、同4933377号、同4760013号、同4734444号、及び同2833827号の各明細書に記載のスルホニウム塩類、ジアゾニウム塩類(置換基を有してもよいベンゼンジアゾニウム等)、ジアゾニウム塩樹脂類(ジアゾジフェニルアミンのホルムアルデヒド樹脂等)、N−アルコキシピリジニウム塩類等(例えば、米国特許4,743,528号明細書、特開昭63−138345号、特開昭63−142345号、特開昭63−142346号、及び特公昭46−42363号の各公報等に記載のもので、具体的には1−メトキシ−4−フェニルピリジニウム テトラフルオロボレート等)、特公昭52−147277号、同52−14278号、及び同52−14279号の各公報に記載の化合物が好適に挙げられる。
特に、トリアリールスルホニウム塩などの芳香族スルホニウム塩、ジアリールヨードニウム塩などの芳香族ヨードニウム塩、等が好適であり、熱的に比較的安定である点から、芳香族スルホニウム塩が好ましい。
前記芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩を、オニウム塩光反応開始剤として使用する場合は、対アニオンとして、BF4 -、AsF6 -、SbF6 -、PF6 -、PF6 -、B(C65)4 -などが好適に挙げられる。
本発明に係るカチオン重合開始剤としては、溶解性と適度の重合活性を有する点で、芳香族スルホニウムのPF6塩又はSbF6塩が好適である。また、溶解性を改善する点では、芳香族基ヨードニウム塩又は芳香族スルホニウム塩の芳香族基(特にフェニル基)に炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数1〜10のアルコキシ基が少なくとも1つ導入された構造のものが好ましい。また、芳香族スルホニウム塩のPF6塩又はSbF6塩の市販品としては、ユニオンカーバイド日本(株)製のもの、旭電化工業(株)製のアデカオプトマーSPシリーズ(芳香族スルホニウムのPF6塩)などを挙げることができる。
前記芳香族スルホニウム塩は約360nmまでに吸収を有し、前記芳香族ヨードニウム塩は約320nmまでに吸収を有するため、重合硬化させるには、各々の吸収領域の分光エネルギーを含む活性エネルギー線(例えば紫外線)を照射することが好ましい。
前記(i)活性エステル化合物としては、例えば、欧州特許0290750号、同046083号、同156153号、同271851号、及び同0388343号の各明細書、米国特許3901710号、及び同4181531号の各明細書、並びに特開昭60−198538号、及び特開昭53−133022号の各公報に記載のニトロベンズルエステル化合物、欧州特許0199672号、同84515号、同199672号、同044115号、及び同0101122号の各明細書、米国特許4618564号、同4371605号、及び同4431774号の各明細書、並びに特開昭64−18143号、特開平2−245756号、及び特開平4−365048号の各公報に記載のイミノスルホネート化合物、特公昭62−6223号、特公昭63−14340号、及び特開昭59−174831号の各公報に記載の化合物等が挙げられる。
特に、スルホン酸のニトロベンジルエステル等の非イオン性開始剤等が好適である。
また、前記「イメージング用有機材料」(有機エレクトロニクス材料研究会編、ぶんしん出版(1993年))に化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物として記載されている化合物が有用である。
上記以外の例として、加藤清視著「紫外線硬化システム」(株式会社総合技術センター発行(平成元年)、第65〜148頁)に記載の光重合開始剤などを挙げることができる。
また、安定性の観点から、70℃までは分解しない化合物を選択することが望ましい。
カチオン重合開始剤は、一種単独で用いる以外に二種以上を併用するようにしてもよい。
カチオン重合開始剤の含有量としては、既述の本発明に係る重合性化合物(並びに必要に応じて含有されるオキセタン基含有化合物及び他の重合性化合物)とカチオン重合開始剤との総量に対し、0.05〜10質量%の範囲が好ましく、0.1〜5質量%の範囲がより好ましい。該含有量を特に上記範囲とすることで、硬化速度が速く良好な硬化性が得られ、堅牢な画像の記録に効果的であり、また、画像を擦った場合の擦過耐性が悪化することもない。
−染料−
本発明のインク組成物は、染料の少なくとも一種を含有し、可視画像を形成できるように構成したものである。染料には、水溶性染料及び油溶性染料が含まれ、本発明においては油溶性染料が好ましい。
染料としては、従来より公知の染料を適宜選択して用いることができる。具体的には、特開2002−114930号公報の段落[0023]から[0089]に記載されている染料などが挙げられる。
イエロー染料としては、例えば、カップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロン類、ピリドン類、開鎖型活性メチレン化合物類を有するアリール若しくはヘテリルアゾ染料、例えば、カップリング成分として開鎖型活性メチレン化合物を有するアゾメチン染料、例えば、ベンジリデン染料やモノメチンオキソノール染料等のようなメチン染料、例えば、ナフトキノン染料、アントラキノン染料等のキノン系染料などがあり、これ以外の染料としては、キノフタロン染料、ニトロ、ニトロソ染料、アクリジン染料、アクリジノン染料等を挙げられる。
マゼンタ染料としては、例えば、カップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロン類、ピリドン類、ピラゾロトリアゾール類、閉環型活性メチレン化合物類(例えば、ジメドン、バルビツール酸、4−ヒドロキシクマリン誘導体)、電子過剰ヘテロ環(例えば、ピロール、イミダゾール、チオヘン、チアゾール誘導体)、を有するアリール若しくはヘテリルアゾ染料、例えば、カップリング成分としてピラゾロン類、ピラゾロトリアゾール類を有するアゾメチン染料、例えばアリーリデン染料、スチリル染料、メロシアニン染料、オキソノール染料のようなメチン染料、ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウム染料、例えばナフトキノン、アントラキノン、アントラピリドンなどのキノン系染料、例えばジオキサジン染料などのような縮合多環系染料等を挙げることができる。
シアン染料としては、例えば、インドアニリン染料、インドフェノール染料のようなアゾメチン染料、シアニン染料、オキソノール染料、メロシアニン染料のようなポリメチン染料、ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウム染料、フタロシアニン染料、アントラキノン染料、例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピロロピリミジン−オン、ピロロトリアジン−オン誘導体を有するアリール若しくはヘテリルアゾ染料、インジゴ・チオインジゴ染料を挙げることができる。
上記の各染料は、クロモフォアの一部が解離して初めてイエロー、マゼンタ、シアンの各色を呈するものであってもよく、その場合のカウンターカチオンは、アルカリ金属やアンモニウムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム塩のような有機カチオンであってもよく、更にそれらの部分構造を有するカチオンポリマーであってもよい。
本発明に用いることのできる染料は、油溶性のものが好ましい。「油溶性」とは、具体的に、25℃での水への溶解度(水100gに溶解する色素の質量)が1g以下であるものを意味し、好ましくは0.5g以下、より好ましくは0.1g以下である。したがって、いわゆる水に不溶性の油溶性染料が好ましく用いられる。
本発明に用いられる染料は、インク組成物に必要量溶解させるために上記した染料母核に対して油溶化基を導入することも好ましい。
前記油溶化基としては、長鎖もしくは分岐アルキル基、長鎖もしくは分岐アルコキシ基、長鎖もしくは分岐アルキルチオ基、長鎖もしくは分岐アルキルスルホニル基、長鎖もしくは分岐アシルオキシ基、長鎖もしくは分岐アルコキシカルボニル基、長鎖もしくは分岐アシル基、長鎖もしくは分岐アシルアミノ基、長鎖もしくは分岐アルキルスルホニルアミノ基、長鎖もしくは分岐アルキルアミノスルホニル基、並びにこれら長鎖もしくは分岐の基を含むアリール基、アリールオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールカルボニルオキシ基、アリールアミノカルボニル基、アリールアミノスルホニル基、アリールスルホニルアミノ基、等が挙げられる。
また、カルボン酸基やスルホン酸基を有する水溶性染料を、長鎖もしくは分岐アルコール、アミン、フェノール、又はアニリン誘導体を用いて油溶化基であるアルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルアミノスルホニル基、アリールアミノスルホニル基に変換して染料を得るようにしてもよい。
前記油溶性染料としては、融点が200℃以下のものが好ましく、融点が150℃以下のものがより好ましく、融点が100℃以下のものが更に好ましい。油溶性染料として低融点の染料を選択することにより、インク組成物中での染料の結晶析出が抑制され、インク組成物の保存安定性を良化することができる。
また、褪色、特にオゾンなどの酸化性物質に対する耐性や硬化特性を向上させるために、酸化電位が貴である(高い)ことが望ましい。このため、油溶性染料としては、酸化電位が1.0V(vs SCE)よりも貴であるものが好ましい。酸化電位は高い方が好ましく、酸化電位が1.1V(vs SCE)以上のものがより好ましく、1.15V(vs SCE)以上のものが特に好ましい。
イエロー色の染料としては、特開2004−250483号公報に記載の一般式(Y−I)で表される構造の化合物が好ましい。
特に好ましい染料は、特開2004−250483号公報の段落番号[0034]に記載されている一般式(Y−II)〜(Y−IV)で表される染料であり、具体例として特開2004−250483号公報の段落番号[0060]から[0071]に記載の化合物が挙げられる。尚、該公報記載の一般式(Y−I)の油溶性染料はイエローのみでなく、ブラックインク、レッドインクなどのいかなる色のインクに用いてもよい。
マゼンタ色の染料としては、特開2002−114930号公報に記載の一般式(3)、(4)で表される構造の化合物が好ましく、具体例としては、特開2002−114930号公報の段落[0054]〜[0073]に記載の化合物が挙げられる。
特に好ましい染料は、特開2002−121414号公報の段落番号[0084]から[0122]に記載の一般式(M−1)〜(M−2)で表されるアゾ染料であり、具体例として特開2002−121414号公報の段落番号[0123]から[0132]に記載の化合物が挙げられる。尚、該公報記載の一般式(3)、(4)、(M−1)〜(M−2)の油溶性染料はマゼンタのみでなく、ブラックインク、レッドインクなどのいかなる色のインクに用いてもよい。
シアン色の染料としては、特開2001−181547号公報に記載の式(I)〜(IV)で表される染料、特開2002−121414号公報の段落番号[0063]から[0078]に記載の一般式(IV−1)〜(IV−4)で表される染料が好ましいものとして挙げられ、具体例として特開2001−181547号公報の段落番号[0052]から[0066]、特開2002−121414号公報の段落番号[0079]から[0081]に記載の化合物が挙げられる。
特に好ましい染料は、特開2002−121414号公報の段落番号[0133]から[0196]に記載の一般式(C−I)、(C−II)で表されるフタロシアニン染料であり、更に一般式(C−II)で表されるフタロシアニン染料が好ましい。この具体例としては、特開2002−121414号公報の段落番号[0198]から[0201]に記載の化合物が挙げられる。なお、前記式(I)〜(IV)、(IV−1)〜(IV−4)、(C−I)、(C−II)の油溶性染料はシアンのみでなく、ブラックインクやグリーンインクなどのいかなる色のインクに用いてもよい。
−酸化電位−
本発明における染料の酸化電位の値(Eox)は、当業者が容易に測定することができる。この方法に関しては、例えばP.Delahay著"New Instrumental Methods in Electrochemistry"(1954年,Interscience Publishers社刊)や、A.J.Bard他著"Electrochemical Methods"(1980年、John Wiley & Sons社刊)、藤嶋昭他著"電気化学測定法"(1984年、技報堂出版社刊)に記載されている。
酸化電位は、過塩素酸ナトリウムや過塩素酸テトラプロピルアンモニウムといった支持電解質を含むジメチルホルムアミドやアセトニトリルのような溶媒中に、被験試料を1×10-2〜1×10-6モル/リットル溶解して、ボルタンメトリー装置により、作用極として炭素(GC)を、対極として回転白金電極を用いて酸化側(貴側)に掃引したときの酸化波を直線で近似して、この直線と残余電流・電位直線との交点と、直線と飽和電流直線との交点(又はピーク電位値を通る縦軸に平行な直線との交点)とで作られる線分の中間電位値をSCE(飽和カロメル電極)に対する値として測定する。この値は、液間電位差や試料溶液の液抵抗などの影響で、数10ミルボルト程度偏位することがあるが、標準試料(例えばハイドロキノン)を入れて電位の再現性を保証することができる。また、用いる支持電解質や溶媒は、被験試料の酸化電位や溶解性により適当なものを選ぶことができる。用いることができる支持電解質や溶媒については藤嶋昭他著"電気化学測定法"(1984年 技報堂出版社刊)101〜118ページに記載がある。なお、上記の測定溶媒とフタロシアニン化合物試料の濃度範囲においては、非会合状態の酸化電位が測定される。
前記Eoxの値は、試料から電極への電子の移り易さを表し、Eoxの値が大きいほど、つまり酸化電位が貴であるほど、試料から電極への電子の移りにくい、換言すれば酸化されにくいことを表す。
以下、本発明において好適な染料の具体例を示す。但し、本発明においては、これら具体例に限定されるものでない。
Figure 2006274054
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Figure 2006274054
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上記の中でも特に、既述のオキシラン基含有化合物、あるいはオキシラン基含有化合物及びオキセタン基含有化合物と組合せたときの耐光性向上効果に特に優れる点で、下記のマゼンタ染料及びその置換体が最も好ましい。
Figure 2006274054
置換体を形成する置換基としては、例えば、炭素数1〜16の(より好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数0〜16の(より好ましくは炭素数0〜8)の置換もしくは無置換のアミド基、炭素数0〜16の(より好ましくは炭素数0〜8)の置換もしくは無置換のスルホンアミド基等が好適である。次に、好ましい置換体の具体例を以下に示す。但し、本発明においては、これらに限定されるものではない。
Figure 2006274054
染料(特に油溶性染料)のインク組成物中における量としては、インク組成物の全質量(有機溶媒を含む)に対し、0.05〜15質量%が好ましく、0.1〜10質量%が更に好ましく、0.2〜6質量%が特に好ましい。
−添加剤その他−
本発明のインク組成物には、上記の各成分に加え、目的や用途等の必要に応じて、添加剤その他の成分として、増感色素、共増感剤、紫外線吸収剤などを併用することができる。以下、添加剤その他の成分について説明する。
−増感色素−
本発明おいては、カチオン重合開始剤の感度を向上させる目的で、増感色素を添加することができる。以下、増感色素について説明する。
増感色素としては、以下に列挙する化合物類に属しており、且つ350nm〜450nmの波長領域に吸収波長を有するものが挙げられる。
例えば、多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、等)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル、等)、シアニン類(例えば、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン、等)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニ、等ン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー、等)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン、等)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン、等)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム、等)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン、等)、等が挙げられる。
本発明における増感色素としては、下記一般式(vi)〜(x)で表される化合物が好適に挙げられる。
Figure 2006274054
前記一般式(vi)中、A1は硫黄原子又はNR50を表し、R50はアルキル基又はアリール基を表す。L1は隣接するA1及び隣接炭素原子と共に色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表す。R51及びR52は、それぞれ独立に、水素原子又は一価の非金属原子団を表し、R51及びR52は互いに結合して色素の酸性核を形成してもよい。Wは、酸素原子又は硫黄原子を表す。
前記一般式(vii)中、Ar1及びAr2は、それぞれ独立にアリール基を表し、L2による結合を介して連結されている。L2は、−O−又は−S−を表す。Wは、一般式(vi)におけるWと同義である。
前記一般式(viii)中、A2は硫黄原子又はNR59を表し、R59はアルキル基又はアリール基を表す。L3は隣接するA2及び炭素原子と共に色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表す。R53、R54、R55、R56、R57及びR58は、それぞれ独立に一価の非金属原子団の基を表す。
前記一般式(ix)中、A3及びA4は、それぞれ独立に、−S−、−NR62−、又は−NR63−を表し、R62及びR63は、それぞれ独立に、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基を表す。L4及びL5は、それぞれ独立に、A3もしくはA4及び隣接炭素原子と共に色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表す。R60及びR61は、それぞれ独立に水素原子、又は一価の非金属原子団を表し、R60とR61とは互いに結合して脂肪族性又は芳香族性の環を形成してもよい。
前記一般式(x)中、R66は置換基を有してもよい芳香族環又はヘテロ環を表す。A5は、酸素原子、硫黄原子、又はNR67−を表す。R64、R65及びR67はそれぞれ独立に水素原子又は一価の非金属原子団を表す。R67とR64、及びR65とR67とは、それぞれ互いに結合して脂肪族性又は芳香族性の環を形成してもよい。
以下、前記一般式(vi)〜(x)で表される化合物の好ましい具体例を挙げる。但し、本発明においては、これらに限定されるものではない。
Figure 2006274054
Figure 2006274054
Figure 2006274054
前記増感色素は、一種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
増感色素のインク組成物中における含有量としては、インク組成物の着色性の点から、インク組成物の全質量に対して、0.01〜20質量%が好ましく、0.1〜15質量%がより好ましく、更に好ましくは0.5〜10質量%の範囲である。また、前記増感色素(a)と前記カチオン重合開始剤(c)とのインク組成物中における含有比(a/c)は、カチオン重合開始剤の分解率向上と照射した光の透過性の観点から、質量比でa/c=200〜0.5が好ましく、a/c=50〜1がより好ましく、a/c=10〜1.5が更に好ましい。
−共増感剤−
本発明のインク組成物には更に、共増感剤として、感度を一層向上させる、あるいは酸素による重合阻害を抑制する等の作用を有する公知の化合物を加えてもよい。
共増感剤の例としては、アミン類、例えば、M.R.Sanderら著「Journal of Polymer Society」第10巻3173頁(1972)、特公昭44−20189号公報、特開昭51−82102号公報、特開昭52−134692号公報、特開昭59−138205号公報、特開昭60−84305号公報、特開昭62−18537号公報、特開昭64−33104号公報、Research Disclosure 33825号記載の化合物等が挙げられ、具体的には、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチオジメチルアニリン等が挙げられる。
共増感剤の別の例としては、チオール及びスルフィド類、例えば、特開昭53−702号公報、特公昭55−500806号公報、特開平5−142772号公報記載のチオール化合物、特開昭56−75643号公報のジスルフィド化合物等が挙げられ、具体的には、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン、β−メルカプトナフタレン等が挙げられる。
また、共増感剤の別の例としては、アミノ酸化合物(例、N−フェニルグリシン等)、特公昭48−42965号公報記載の有機金属化合物(例、トリブチル錫アセテート等)、特公昭55−34414号公報記載の水素供与体、特開平6−308727号公報記載のイオウ化合物(例、トリチアン等)、特開平6−250387号公報記載のリン化合物(ジエチルホスファイト等)、特願平6−191605号記載のSi−H、Ge−H化合物等が挙げられる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、インク組成物の全質量に対して0.01〜10質量%程度である。
−界面活性剤−
本発明のインク組成物には、界面活性剤を添加することができる。界面活性剤としては、例えば、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載されたものが挙げられる。具体的には、例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第4級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。なお、前記公知の界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。前記有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。前記有機フルオロ化合物としては、例えば、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例、フッ素油)及び固体状フッ素化合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)が含まれ、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭62−135826号の各公報に記載されたものが挙げられる。
−重合禁止剤−
本発明のインク組成物は、重合禁止剤を添加することができる。重合禁止剤としては、フェノール系水酸基含有化合物、およびキノン類、N−オキシド化合物類、ピペリジン−1−オキシルフリーラジカル化合物類、ピロリジン−1−オキシルフリーラジカル化合物類、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン類、およびカチオン染料類からなる群より選択される化合物が好適に挙げられる。
具体的には、ハロイドキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、レゾルシノール、カテコール、t−ブチルカテコール、ハイドロキノンモノアルキルエーテル(例えば、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ハイドロキノンモノブチルエーテル等)、ベンゾキノン、4,4−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2,6,6−テトラメチルピペリジンおよびその誘導体、ジ−t−ブチルニトロキシド、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシドおよびその誘導体等、ピペリジン 1−オキシルフリーラジカル、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシルフリーラジカル、4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシルフリーラジカル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシル フリーラジカル、4−アセトアミド−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシルフリーラジカル、4−マレイミド−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシルフリーラジカル、4−ホスホノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシルフリーラジカル、3−カルボキシ−2,2,5,5−テトラメチルピロリジン 1−オキシルフリーラジカル、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン第一セリウム塩、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩、クリスタルバイオレット、メチルバイオレット、エチルバイオレット、およびビクトリアピュアブルーBOH等が挙げられる。
上記のうち、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ハイドロキノンモノブチルエーテル等のハイドロキノンモノアルキルエーテル、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)等のヒンダートフェノールが好ましい。
重合禁止剤のインク組成物中における含有量としては、インク組成物の全質量に対して、10000〜30000ppmが好ましく、10000〜20000ppmがより好ましく、10000〜15000ppmがより好ましい。
−紫外線吸収剤−
本発明のインク組成物には、得られる画像の耐候性向上、褪色防止の観点から、紫外線吸収剤を添加することができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤などが挙げられる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、インク組成物の全質量に対して0.01〜10質量%程度である。
−酸化防止剤−
本発明のインク組成物には、安定性向上のため、酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤としては、ヨーロッパ公開特許、同第223739号公報、同309401号公報、同第309402号公報、同第310551号公報、同第310552号公報、同第459416号公報、ドイツ公開特許第3435443号公報、特開昭54−48535号公報、同62−262047号公報、同63−113536号公報、同63−163351号公報、特開平2−262654号公報、特開平2−71262号公報、特開平3−121449号公報、特開平5−61166号公報、特開平5−119449号公報、米国特許第4814262号明細書、米国特許第4980275号明細書等に記載のものを挙げることができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、インク組成物の全質量に対して0.01〜10質量%程度である。
−褪色防止剤−
本発明のインク組成物には、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を添加することができる。前記有機系の褪色防止剤としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類、などが挙げられる。また、前記金属錯体系の褪色防止剤としては、ニッケル錯体、亜鉛錯体、などが挙げられ、具体的には、リサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのI〜J項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や、特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を使用することができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、インク組成物の全質量に対して0.01〜10質量%程度である。
−導電性塩類−
本発明のインク組成物には、射出物性の制御を目的として、チオシアン酸カリウム、硝酸リチウム、チオシアン酸アンモニウム、ジメチルアミン塩酸塩などの導電性塩類を添加することができる。
−溶剤−
本発明のインク組成物には、被記録材との密着性を改良するため、極微量の有機溶剤を添加することも有効である。
溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール系溶剤、クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系溶剤、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピルなどのエステル系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤、などが挙げられる。
この場合、耐溶剤性やVOCの問題が起こらない範囲での添加が有効であり、その量はインク組成物の全質量に対して0.1〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜3質量%の範囲である。
−高分子化合物−
本発明のインク組成物には、膜物性を調整するため、各種高分子化合物(ポリマー)を添加することができる。
高分子化合物としては、アクリル系重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シェラック、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類、その他の天然樹脂等が挙げられる。これらは2種以上併用してもよい。
これらのうち、アクリル系のモノマーの共重合によって得られるビニル系共重合が好ましい。更に、高分子結合材の共重合組成として、「カルボキシル基含有モノマー」、「メタクリル酸アルキルエステル」、又は「アクリル酸アルキルエステル」を構造単位として含む共重合体も好適である。
本発明のインク組成物には、上記以外にも必要に応じ、例えば、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのワックス類、ポリオレフィンや、PET等の被記録材への密着性を改善する目的で、重合阻害しないタッキファイヤーなどを含有させることができる。
前記タッキファイヤーとしては、具体的には、特開2001−49200号公報の5〜6pに記載されている高分子量の粘着性ポリマー(例えば、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルキル基を有するアルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数3〜14の脂環属アルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数6〜14の芳香属アルコールとのエステルからなる共重合物)や、重合性不飽和結合を有する低分子量粘着付与性樹脂などが挙げられる。
{インク組成物の好ましい物性}
本発明のインク組成物は、インクジェット記録に適用する場合、吐出性を考慮し、吐出時の温度におけるインク粘度が、5〜30mPa・sであることが好ましく、7〜20mPa・sが更に好ましい。このため、前記範囲になるように適宜組成比を調整し決定することが望ましい。
また、室温(25)でのインク組成物の粘度としては、7〜120mPa・sが好ましく、10〜80mPa・sが更に好ましい。室温での粘度を高く設定することにより、多孔質な被記録材を用いた場合でも、被記録材中へのインク浸透を防ぎ、未硬化モノマーの低減、臭気低減が可能となり、更にインク液滴着弾時のドット滲みを抑えることができ、その結果として画質を改善することができる。
本発明のインク組成物の表面張力としては、20〜40mN/mであることが好ましく、20〜30mN/mであることが更に好ましい。
また、本発明のインク組成物を、ポリオレフィン、PET、コート紙、非コート紙など種々の被記録材に記録する場合、滲み及び浸透の観点から、上記の表面張力は20mN/m以上が好ましく、濡れ性の点では30mN/m以下であることが好ましい。
本発明のインク組成物は、インクジェット記録用のインクとして好適に用いることができる。インクジェット記録方式には特に制限はなく、例えば、静電誘引力を利用してインクを吐出する電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出する音響型インクジェット方式、インクを加熱して気泡を形成し、発生した圧力を利用するサーマル型インクジェット方式、等のいずれであってもよい。なお、前記インクジェット記録方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式、が含まれる。
前記のうち、ピエゾ素子を用いたドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)のインクジェット記録用インクとして好適である。
<画像形成方法>
本発明の画像形成方法は、既述した本発明のインク組成物を用いて被記録材に画像を記録する画像記録工程と、記録された画像に活性エネルギー線(活性線)を照射して硬化させる画像硬化工程とを設けて構成したものである。本発明では、画像硬化工程において活性エネルギー線を利用し、画像記録工程で被記録材に画像記録した後、記録された画像に活性エネルギー線を照射することによって、画像化に寄与する重合性化合物の重合硬化が進行し、良好に硬化され堅牢性の高い画像を形成することができる。
前記画像記録工程においては、インクジェットプリンタによるインクジェット記録方法を適用するのが好ましい。具体的には、前記画像記録工程において、インク組成物を例えばインクジェットプリンタの吐出用ノズルから吐出することによりインク画像をインクジェット記録する態様が好ましい。インクジェット記録方法においては、本発明のインク組成物を用いて被記録材に画像記録を行なうが、その際に使用する(例えばインクジェットプリンタの)インク吐出ノズル等については特に制限はなく、目的や用途等に応じて適宜選択することができる。インクジェット記録方式には特に制限はなく、具体的には既述の通りである。
前記画像硬化工程においては、インク組成物の有する感応波長に対応する波長領域の活性エネルギー線を発する光源を用いて重合硬化を促進する露光処理を行なうことができる。具体的には、250〜450nmの波長領域に属する活性線を発する光源、例えば、LD、LED、蛍光灯、低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯、キセノンランプ、ケミカルランプなどを用いて好適に行なうことができる。好ましい光源には、LED、高圧水銀灯、メタルハライドランプが挙げられる。露光時間及び光量は、本発明に係る重合性化合物やオキセタン基含有化合物等の重合硬化の程度に応じて適宜選択すればよい。
−被記録材−
被記録材としては、インク浸透性の被記録材、及びインク非浸透性の被記録材のいずれも使用可能である。
前記インク浸透性の被記録材としては、普通紙、インクジェット専用紙、コート紙、電子写真共用紙、布、不織布、多孔質膜、高分子吸収体等が挙げられる。これらについては、特開2001−1891549号公報などに「被記録材」として記載されている。
本発明の効果を効果的に発現させる観点からは、インク非浸透性(非吸収性)の被記録材を用いるのが好ましい。前記インク非浸透性の被記録材としては、アート紙、合成樹脂、ゴム、樹脂コート紙、ガラス、金属、陶器、木材等が挙げられる。加えて、各機能を付加する点から、これら材質を複数組み合わせて複合化した基材も使用することができる。
前記合成樹脂としては、いずれの合成樹脂も用いることができるが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブタジエンテレフタレート等のポリエステル樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂;並びに、アクリル樹脂、ポリカーボネート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体等や、ジアセテート、トリアセテート、ポリイミド、セロハン、及びセルロイド等が挙げられる。
合成樹脂を用いた基材の形状やその厚みについては、特に制限はなく、フィルム状、カード状、又はブロック状のいずれでもよく、所望の目的に応じて適宜選定することができる。また、合成樹脂は透明性、不透明性のいずれのものであってもよい。
前記合成樹脂の使用形態としては、いわゆる軟包装に用いられるフィルム状で用いることが好ましい態様の一つであり、各種非吸収性のプラスチック及びそのフィルムを用いることができる。各種プラスチックス製のフィルムとしては、例えば、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルム、PEフィルム、及びTACフィルムを挙げることができる。
前記樹脂コート紙としては、例えば、紙の片面もしくは両面がポリオレフィン樹脂でラミネート等して被覆された紙支持体が挙げられ、特に紙の両面がポリオレフィン樹脂でラミネートされた紙支持体が好ましい。
以上のように、本発明のインク組成物を用いた画像記録(本発明の画像形成方法)によると、高画質でかつ高強度で堅牢な画像を得ることができ、得られた記録物は、画像の耐光性に特に優れたものである。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
下記組成の各成分を攪拌、混合して、本発明のマゼンタインク(1)を得た。なお、本実施例ではp/q=70/30とした。
・OTX−221(下記構造参照) …7g
(東亜合成(株)製;オキセタン基含有化合物)
・セロキサイド 2021A(下記構造参照) …3g
(ダイセル化学工業(株)製;3,4-エホ゜キシシクロヘキセニルメチル-3',4'-エホ゜キシシクロヘキセンカルホ゛キシレート;オキシラン基含有化合物)
・CYRAURE UVI−6992 …0.3g
(ユニオンカーバイド社製;カチオン重合開始剤)
・下記マゼンタ染料M−1(油溶性染料) …0.1g
Figure 2006274054
Figure 2006274054
(実施例2)
実施例1において、OTX−221の7gをOTX−211(東亜合成(株)製;オキセタン基含有化合物)7g(下記構造参照)に代えたこと以外、実施例1と同様にして、本発明のマゼンタインク(2)を得た。なお、本実施例ではp/q=70/30とした。
Figure 2006274054
(実施例3)
実施例1において、OTX−221(7g)及びセロキサイド2021A(3g)を、下記のエポキシ−1(オキシラン基含有化合物)10gに代えたこと以外、実施例1と同様にして、本発明のマゼンタインク(3)を得た。
Figure 2006274054
(比較例1)
実施例1において、OTX−221(7g)及びセロキサイド2021A(3g)を、以下に示す1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA、ダイセル・ユーシービー(株)製;重合性化合物)7g及びカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(6)(KAYARAD DPCA60、日本化薬(株)製;重合性化合物)3gに代え、かつCYRAURE UVI−6992をイルガキュア1870(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)に代えると共に、N−エチルジエタノールアミン0.3gを更に加えたこと以外、実施例1と同様にして、比較のマゼンタインク(4)を得た。
Figure 2006274054
(実施例4)
実施例1において、マゼンタ染料M−1を下記マゼンタ染料M−2(油溶性染料)に代えたこと以外、実施例1と同様にして、本発明のマゼンタインク(5)を得た。なお、本実施例ではp/q=70/30である。
(比較例2)
比較例1において、マゼンタ染料M−1を下記マゼンタ染料M−2(油溶性染料)に代えたこと以外、実施例1と同様にして、比較のマゼンタインク(6)を得た。
Figure 2006274054
(実施例5)
実施例1において、マゼンタ染料M−1を下記マゼンタ染料M−3(油溶性染料)に代えたこと以外、実施例1と同様にして、本発明のマゼンタインク(7)を得た。なお、本実施例ではp/q=70/30である。
(比較例3)
比較例1において、マゼンタ染料M−1を下記マゼンタ染料M−3(油溶性染料)に代えたこと以外、実施例1と同様にして、比較のマゼンタインク(8)を得た。
Figure 2006274054
(画像記録及び評価)
−画像記録−
上記より得た本発明及び比較のマゼンタインク(1)〜(8)の各々を順次、インクジェットプリンタ(印字密度300dpi、打滴周波数1kHz、ノズル数64)に装填し、各インク毎にPETフィルム(50μm厚)上に吐出して色画像の記録を行ない、記録後、UVランプ(Fusion社製)を用いてUV−A(320〜390nm)エネルギー500mJ/cm2となる条件で照射し、濃度約1.0の色画像サンプルを作成した。引き続いて、得られた色画像の各々について、下記のようにして耐光性の評価を行なった。評価結果は下記表1に示す。
−耐光性−
上記のように色画像を記録したPETフィルムに、Xenon Weather−ometer Ci65A(ATLAS社製)を用いて、温度25℃、相対湿度32%の環境条件下で3.8時間ランプを点灯し、その後ランプを消した状態にして温度20℃、相対湿度91%の環境条件下で1時間放置するサイクルを、168時間かけて行なった。このサイクルを行なう前後での各色の色濃度を反射濃度測定計(Xrite938、Xrite社製)にて測定し、各色濃度の残存率(%)を算出した。
−硬化性−
色画像の表面を次のようなタックフリーテストにて評価した。すなわち、記録後照射した直後の硬化皮膜である色画像の表面を指で触れ、表面のベタツキの程度から下記基準にしたがって評価した。ベタツキが少ないほど硬化速度が良好であることを示し、○のみが実用上許容可能な評価である。
〈評価基準〉
○:硬化した。
×:ベタツキがあって、硬化が不充分であった。
Figure 2006274054
前記表1に示すように、マゼンタ染料M−1と共にオキシラン基含有の重合性化合物を用いて構成された本発明のマゼンタインク(1)〜(3)では、オキシラン基を含まない重合性化合物で構成された比較のマゼンタインク(4)に比して、耐光性を飛躍的に向上させることができ、硬化性も良好であった。特に、オキシラン基含有化合物及びオキセタン基含有化合物の双方を併用した場合が、オキシラン基含有化合物を単独で用いた場合と比較して、耐光性の向上により効果的であった。
また、マゼンタ染料M−2、M−2を用いて構成された場合についても同様であった。
なお、上記の実施例で用いたモノマー(1)及び(2)並びにこれらの組合せ以外に、既述のオキシラン基含有化合物の例示化合物、オキセタン基含有化合物の例示化合物を用いた場合、これらを任意に組合せた場合も、上記同様に耐光性、硬化性に優れた色画像を形成することが可能である。

Claims (9)

  1. 染料と、オキシラン基含有化合物と、カチオン重合開始剤とを含有することを特徴とするインク組成物。
  2. オキセタン基含有化合物を更に含む請求項1に記載のインク組成物。
  3. 前記オキセタン基含有化合物(p)及び前記オキシラン基含有化合物(q)を含有するときの含有比(p/q;質量比)が、50/50〜95/5である請求項2に記載のインク組成物。
  4. 前記染料が油溶性染料である請求項1〜3のいずれか1項に記載のインク組成物。
  5. 前記油溶性染料は、酸化電位が1.0V(vs SCE)よりも貴である請求項4に記載のインク組成物。
  6. 前記油溶性染料が、下記のマゼンタ染料及び/又はその置換体である請求項4又は5に記載のインク組成物。
    Figure 2006274054
  7. インクジェット記録に用いられる請求項1〜6のいずれか1項に記載のインク組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のインク組成物を用いて被記録材に画像を記録する画像記録工程と、記録された画像に活性エネルギー線を照射して硬化させる画像硬化工程とを含むことを特徴とする画像形成方法。
  9. 前記画像記録工程は、前記インク組成物を吐出することにより前記画像をインクジェット記録する請求項8に記載の画像形成方法。
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