JP2004042429A - インクジェット記録方法、記録ユニット及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録方法、記録ユニット及びインクジェット記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】乾燥性、インク保存安定性、滲み耐性、印刷後の安定性(耐擦性等)、平滑性を向上し、記録媒体の変形を抑え、記録媒体の種類に関係なく良好な画像が得られ、且つ、安定した高精細な画像を印字出来るインクジェット記録方法、記録ユニット及びインクジェット記録装置を提供することにある。
【解決手段】光重合性化合物、光重合開始剤及び色剤を含有するインク組成物を用いてインク液滴を噴射させ画像形成し、記録媒体上に画像を定着した後、紫外線を照射するインクジェット記録方法であり、前記インク組成物が石油ナフサ系溶剤、芳香族系石油溶剤、脂肪族系石油溶剤、ナフテン系石油溶剤、芳香族炭化水素系溶剤及び脂肪族系溶剤の何れかを含有することを特徴とするインクジェット記録方法。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高精細な画像を吸収性の無い記録媒体上への記録に適したインク組成物を用いるインクジェット記録方法、記録ユニット及びインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来よりインクジェット記録用インク組成物(以下、単にインク組成物、インクともいう)としては、水溶性液体インク組成物が広く使われている。
【0003】
又、室温で固体のワックス等を素材としたホットメルト型インク組成物を用いて、加熱等により液化し、何らかのエネルギーを加えて噴射させ、記録媒体上に付着しつつ冷却固化し記録ドットを形成するホットメルト型インクジェット記録方式が提案されている。
【0004】
このインクは室温で固体状であるため取扱い時に汚れないし、又、溶融時のインクの蒸発量を最小限に出来るためノズルの目詰まりがない。
【0005】
更に、付着後直ちに固化するため滲みもなく、和紙から画用紙、葉書、プラスチックシートといったさまざまな記録媒体を前処理等なしで用いることが出来る等の利点がある。
【0006】
米国特許第4,391,369号、同第4,484,948号には、紙質に関係なく良好な印刷品質を提供するインク組成物が記述されている。
【0007】
又、特開昭56−93776号公報においては、金属面に接着性の良い紫外線硬化樹脂型インク組成物が開示されており、更に、紫外線を露光することによって硬化するインクジェット記録用インクとして、米国特許第4,228,438号に開示されているように、エポキシ変性アクリル樹脂及びウレタン変性アクリル樹脂をバインダーとして使用し、且つ5μm以下の粒子径の顔料を着色成分としたインク、或いは特開昭58−32674号公報に開示されているカチオン重合性のエポキシ樹脂をバインダーに用いたインク、特開平5−186725号公報に記載されている様に、水溶性又は非水溶性染料を使用したものがあり、普通紙、再生紙への印字を容易にしたものが開示されている。
【0008】
しかし、水系インクを印刷に用いた場合、特にインク吸収性のない記録媒体に対しては印刷が困難で、専用紙を使用する場合にも大型のインク乾燥装置が必要であり、又、滲みの問題から高精細印刷は困難で解像度に限界があるため用途が限られる。
【0009】
ワックスを用いたホットメルトタイプのインクはインク吸収性のない記録媒体に対しても印刷は可能で、しかも、高速印刷が可能であるが、耐擦性が非常に低く印刷後の信頼性を得るのが難しかった。又、被写体に付着したインクが盛り上がってしまい、画像品質を上げることが難しい。
【0010】
紫外線等の光で記録液を硬化させる方式は、乾燥時間が非常に短く、又、インク吸収性のない記録媒体に対しては印刷が可能となるが、硬化速度不足による滲みの問題で高精細印刷は困難で解像度に限界があった。又、インクの長期保存が難しい、ヘッド部でのインクの硬化によるヘッドの目詰まりを起こしやすい、更には、紫外線照射による記録媒体の発熱といった問題があった。有機顔料や油性染料を着色剤として用いたインクジェット記録方式は、特に耐光性の点で水性染料を用いたインクジェット記録方式に比べて多くの利点があるので、OA機器、一般家庭用プリンタやファクシミリ等のオフィスプリンタにとどまらず室内外用ポスター、大型看板、車、ガラス、エレベータ、壁及び建物の装飾、更には布へのプリント等へ応用が期待されている。
【0011】
従って、有機顔料を用いたインクジェット記録方式は耐光性の点で優れているので、併せて、乾燥性、インク保存安定性、滲み耐性、印刷後の安定性(耐擦性)、平滑性を向上し、記録媒体の変形を抑え、紙、プラスティックフィルム、金属等の記録媒体の種類(特にインク吸収性のない記録媒体)に関係なく良好な画像が得られ、且つ、安定して高精細な画像を印字出来るインクジェット記録方式が求められていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題を鑑みてなされたものであり、その目的は乾燥性、インク保存安定性、滲み耐性、印刷後の安定性(耐擦性等)、平滑性を向上し、記録媒体の変形を抑え、記録媒体の種類(特にインク吸収性のない記録媒体)に関係なく良好な画像が得られ、且つ、安定した高精細な画像を印字出来るインクジェット記録方法、記録ユニット及びインクジェット記録装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は以下の構成により達成される。
【0014】
光重合性化合物、光重合開始剤及び色剤を含有するインク組成物を用いてインク液滴を噴射させ画像形成し、記録媒体上に画像を定着した後、紫外線を照射するインクジェット記録方法であり、前記インク組成物が石油ナフサ系溶剤、芳香族系石油溶剤、脂肪族系石油溶剤、ナフテン系石油溶剤、芳香族炭化水素系溶剤及び脂肪族系溶剤の何れかを含有することを特徴とするインクジェット記録方法。
【0015】
このインクジェット記録方法の好ましい態様としては、
1)前記光重合性化合物がラジカル重合性化合物であること、2)前記光重合性化合物がカチオン重合性化合物であること、3)前記色剤が油溶性染料であること、4)前記色剤が顔料であること、5)前記インク組成物を40〜100℃に加熱した状態でインク液滴を記録媒体上に噴射させ画像形成すること、6)前記インク液滴を20〜80℃に保たれた記録媒体上に噴射させ画像形成すること、7)インクジェット方式により形成したインク滴を記録媒体に付着させて記録すること、8)インクジェット方式が、圧電体の圧電作用を利用する記録方式であること、9)記録媒体がインク吸収性のないものであること、が挙げられる。
【0016】
又、別の態様として、
10)インクを収容したインク収容部及びインクをインク滴として吐出するためのヘッド部を有する記録ユニットにおいて、前記8)又は9)に記載のインクジェット記録方法を使用することを特徴とする記録ユニット、11)前記ヘッド部が圧電体の圧電作用を利用する方式によりインク吐出を行うことを特徴とする前記10)に記載の記録ユニット、12)前記10)又は11)に記載の記録ユニットが紫外線を照射する手段を具備していることを特徴とするインクジェット記録装置が挙げられる。
【0017】
以下、本発明を更に詳細に述べる。
本発明は、石油ナフサ系溶剤、芳香族系石油溶剤、脂肪族系石油溶剤、ナフテン系石油溶剤、芳香族炭化水素系溶剤及び脂肪族系溶剤の何れかを含有する特定のインク組成物を使用してインクジェット記録を行い、上述の目的を達成したことを特徴とするものである。
【0018】
即ち、本発明者らは、インクジェット記録方式で使用されるインクの溶剤として上記特定の有機溶剤を選択して用いることにより、目的とされる乾燥性、インク保存安定性、滲み耐性、印刷後の安定性、平滑性を向上出来、且つ記録媒体の変形を抑え、記録媒体の種類に関係なく良好な画像が得られ、しかも安定した高精細な画像を印字出来ることを見出し本発明に至ったものである。
【0019】
続いてインク組成物(単にインクともいう)に含有される上記各溶剤について説明する。
【0020】
インクに用いられる溶剤としては、インクジェット記録装置のインク突出ヘッドの特性に適合するように、或いは安全性の観点から種々な溶剤が選択され、場合によっては複数種の溶剤を混合して用いる場合もある。このような溶剤としては1)石油ナフサ系溶剤、2)芳香族系石油溶剤、3)脂肪族系石油溶剤、4)ナフテン系石油溶剤、5)芳香族炭化水素系溶剤及び6)脂肪族系溶剤の何れかを使用することが出来る。それらの代表的な例を以下に挙げる。
1)石油ナフサ系溶剤
ペガゾール(モービル石油)、シェルSBR、シェルゾール(シェル石油製)等
2)芳香族系石油溶剤
ハイソゾール(日本石油製)等
3)脂肪族系石油溶剤
ソルトール(フィリップス石油製)、エクソゾール(エクソン化学製)アイソパー(エクソン製)、IPソルベント(出光石油化学製)等
4)ナフテン系石油溶剤
インクソルベント(三菱石油製)等
5)芳香族炭化水素系溶剤
モノ又はジ置換アルキルナフタレン、ビフェニルのアルキル誘導体、キシリルエタン、フェネチルクメン等
6)脂肪族系溶剤
メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトンアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個のアルキレングリコール類;グリセリン、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレシンル等のリン酸エステル類;フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸オクチルデシル、フタル酸ブチルベンジル等のフタル酸エステル類;オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステル等の脂肪族一塩基酸エステル類;アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸アルキル610、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル等の脂肪族二塩基酸エステル類;アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブチル等のオキシ酸エステル類;塩素化パラフィン、塩素化ビフェニル、2−ニトロビフェニル、ジノニルナフタレン、o−及びp−トルエンスルホンエチルアミド、ショウ脳、アビエチン酸メチル等の可塑剤類等。
【0021】
本発明のインク組成物中の光重合性化合物、光重合開始剤について説明する。
光重合性化合物は、ラジカル重合性化合物、例えば特開平7−159983号、特公平7−31399号、特開平8−224982号、同10−863号、特願平7−231444号等に記載されている光重合性組成物を用いた光硬化型材料と、カチオン重合系の光硬化性樹脂が知られており、最近では可視光以上の長波長域に増感された光カチオン重合系の光硬化性樹脂も例えば、特開平6−43633号、同8−324137号公報等に公開されている。
【0022】
ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物であり、分子中にラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する化合物であればどの様なものでもよく、モノマー、オリゴマー、ポリマー等の化学形態をもつものが含まれる。ラジカル重合性化合物は1種のみ用いてもよく、又目的とする特性を向上するために任意の比率で2種以上を併用してもよい。
【0023】
ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びそれらの塩、エステル、ウレタン、アミドや無水物、アクリロニトリル、スチレン、更に種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等のラジカル重合性化合物が挙げられる。
【0024】
具体的には、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、カルビトールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、エポキシアクリレート等のアクリル酸誘導体、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、アリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ジメチルアミノメチルメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン等のメタクリル誘導体、その他、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物の誘導体が挙げられ、更に具体的には、山下晋三編、「架橋剤ハンドブック」、(1981年大成社);加藤清視編、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」(1985年、高分子刊行会);ラドテック研究会編、「UV・EB硬化技術の応用と市場」、79頁、(1989年、シーエムシー);滝山栄一郎著、「ポリエステル樹脂ハンドブック」、(1988年、日刊工業新聞社)等に記載の市販品もしくは業界で公知のラジカル重合性ないし架橋性のモノマー、オリゴマー及びポリマーを用いることが出来る。
【0025】
上記ラジカル重合性化合物の添加量は好ましくは1〜97質量%であり、より好ましくは30〜95質量%である。
【0026】
ラジカル重合開始剤としては、特公昭59−1281号、同61−9621号、及び特開昭60−60104号等の各公報記載のトリアジン誘導体、特開昭59−1504号及び特開昭61−243807号等の各公報に記載の有機過酸化物、特公昭43−23684号、同44−6413号及び同47−1604号等の各公報並びに米国特許第3,567,453号明細書に記載のジアゾニウム化合物、米国特許第2,848,328号、同第2,852,379号及び同2,940,853号各明細書に記載の有機アジド化合物、特公昭36−22062号、同37−13109号、同38−18015号、同45−9610号等の各公報に記載のオルト−キノンジアジド類、特公昭55−39162号、特開昭59−14023号等の各公報及び「マクロモレキュルス(Macromolecules)」、第10巻、第1307頁(1977年)に記載の各種オニウム化合物、特開昭59−142205号公報に記載のアゾ化合物、特開平1−54440号公報、ヨーロッパ特許第109,851号、ヨーロッパ特許第126,712号等の各明細書、「ジャーナル・オブ・イメージング・サイエンス(J.Imag.Sci.)」、第30巻、第174頁(1986年)に記載の金属アレン錯体、特願平4−56831号明細書及び特願平4−89535号明細書に記載の(オキソ)スルホニウム有機ホウ素錯体、特開昭61−151197号公報に記載のチタノセン類、「コーディネーション・ケミストリー・レビュー(Coordination Chemistry Review)」、第84巻、第85〜第277頁(1988年)及び特開平2−182701号公報に記載のルテニウム等の遷移金属を含有する遷移金属錯体、特開平3−209477号公報に記載の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、四臭化炭素や特開昭59−107344号公報記載の有機ハロゲン化合物等が挙げられる。これらの重合開始剤はラジカル重合可能なエチレン不飽和結合を有する化合物100質量%に対して0.01〜10質量%の範囲で含有されるのが好ましい。
【0027】
次に、カチオン重合性化合物について説明する。
光重合性化合物のうち、カチオン重合性化合物としては、各種公知のカチオン重合性のモノマーが使用出来る。例えば、特開平6−9714号、特開2001−31892、同2001−40068、同2001−55507、同2001−310938、同2001−310937、同2001−220526に例示されているエポキシ化合物(芳香族系、脂環式系、脂肪族系等)、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物等が挙げられる。
【0028】
芳香族エポキシドとして好ましいものは、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノール或いはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジ又はポリグリシジルエーテルであり、例えばビスフェノールA或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールA或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、並びにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
【0029】
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロへキセン又はシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによつて得られる、シクロヘキセンオキサイド又はシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましい。
【0030】
脂肪族エポキシドの好ましいものとしては、脂肪族多価アルコール或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル等があり、その代表例としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテル又は1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリン或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコール或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル等のポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
【0031】
これらのエポキシドのうち、速硬化性を考慮すると、芳香族エポキシド及び脂環式エポキシドが好ましく、特に脂環式エポキシドが好ましい。本発明では、上記エポキシドの1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
【0032】
ビニルエーテル化合物としては、例えばエチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−O−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
【0033】
これらのビニルエーテル化合物のうち、硬化性、密着性、表面硬度を考慮すると、ジ又はトリビニルエーテル化合物が好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。本発明では、上記ビニルエーテル化合物の1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
【0034】
オキセタン化合物は、オキセタン環を有する化合物のことであり、特開2001−220526、同2001−310937に紹介されているような公知のあらゆるオキセタン化合物を使用出来る。
【0035】
オキセタン環を5個以上有する化合物を使用すると、組成物の粘度が高くなるため、取扱いが困難になったり、又組成物のガラス転移温度が高くなるため、得られる硬化物の粘着性が十分でなくなってしまう。本発明で使用するオキセタン環を有する化合物は、オキセタン環を1〜4個有する化合物が好ましい。
【0036】
1個のオキセタン環を有する化合物としては、下記一般式(1)で示される化合物等が挙げられる。
【0037】
【化1】
Figure 2004042429
【0038】
一般式(1)において、Rは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基或いはブチル基等の炭素数1〜6個のアルキル基、炭素数1〜6個のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基、フリル基又はチエニル基である。Rは、メチル基、エチル基、プロピル基或いはブチル基等の炭素数1〜6個のアルキル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基或いは3−ブテニル基等の炭素数2〜6個のアルケニル基、フェニル基、ベンジル基、フルオロベンジル基、メトキシベンジル基或いはフェノキシエチル基等の芳香環を有する基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基或いはブチルカルボニル基等の炭素数2〜6個のアルキルカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基或いはブトキシカルボニル基等の炭素数2〜6個のアルコキシカルボニル基、又はエチルカルバモイル基、プロピルカルバモイル基、ブチルカルバモイル基或いはペンチルカルバモイル基等の炭素数2〜6個のN−アルキルカルバモイル基等である。
【0039】
本発明で使用するオキセタン化合物としては、1個のオキセタン環を有する化合物を使用することが、得られる組成物が粘着性に優れ、低粘度で作業性に優れるため、特に好ましい。
【0040】
次に、2個のオキセタン環を有する化合物として、下記一般式(2)で示される化合物等が挙げられる。
【0041】
【化2】
Figure 2004042429
【0042】
一般式(2)において、Rは前記一般式(1)のRと同義である。Rは、例えば、エチレン基、プロピレン基或いはブチレン基等の線状或いは分枝状アルキレン基、ポリ(エチレンオキシ)基或いはポリ(プロピレンオキシ)基等の線状或いは分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基、プロペニレン基、メチルプロペニレン基或いはブテニレン基等の線状或いは分枝状不飽和炭化水素基、カルボニル基、カルボニル基を含むアルキレン基、カルボキシル基を含むアルキレン基、又はカルバモイル基を含むアルキレン基等である。
【0043】
又、Rは下記一般式(3)、(4)及び(5)で示される基から選択される多価基でもある。
【0044】
【化3】
Figure 2004042429
【0045】
一般式(3)において、Rは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基或いはブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基或いはブトキシ基等の炭素数1〜4個のアルコキシ基、塩素原子或いは臭素原子等のハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、低級アルキルカルボキシル基、カルボキシル基、又はカルバモイル基である。
【0046】
【化4】
Figure 2004042429
【0047】
一般式(4)において、Rは酸素原子、硫黄原子、メチレン基、NH、SO、SO、C(CF又はC(CHである。
【0048】
【化5】
Figure 2004042429
【0049】
一般式(5)において、Rはメチル基、エチル基、プロピル基或いはブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、又はアリール基である。nは0〜2000の整数である。Rはメチル基、エチル基、プロピル基或いはブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、又はアリール基である。Rは下記一般式(6)で示される基から選択される基でもある。
【0050】
【化6】
Figure 2004042429
【0051】
一般式(6)において、Rは、メチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、又はアリール基である。mは0〜100の整数である。
【0052】
2個のオキセタン環を有する化合物の具体例としては、下記化合物等が挙げられる。
【0053】
【化7】
Figure 2004042429
【0054】
例示化合物1は、前記一般式(2)において、Rがエチル基、Rがカルボキシル基である化合物である。又、例示化合物2は、前記一般式(2)において、Rがエチル基、Rが前記一般式(5)でR及びRがメチル基、nが1である化合物である。
【0055】
2個のオキセタン環を有する化合物では、上記した化合物以外の好ましい例として、下記一般式(7)で示される化合物がある。一般式(7)において、Rは、前記一般式(1)のRと同義である。
【0056】
【化8】
Figure 2004042429
【0057】
又、3〜4個のオキセタン環を有する化合物としては、下記一般式(8)で示される化合物等が挙げられる。
【0058】
【化9】
Figure 2004042429
【0059】
一般式(8)において、Rは、前記一般式(1)におけるRと同義である。Rとしては、例えば、下記A〜Cで示される基等の炭素数1〜12の分枝状アルキレン基、下記Dで示される基等の分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基又は下記Eで示される基等の分枝状ポリシロキシ基等が挙げられる。jは、3又は4である。
【0060】
【化10】
Figure 2004042429
【0061】
上記Aにおいて、R10はメチル基、エチル基又はプロピル基等の低級アルキル基である。又、上記Dにおいて、pは1〜10の整数である。
【0062】
3〜4個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、例示化合物3が挙げられる。
【0063】
【化11】
Figure 2004042429
【0064】
更に、上記説明した以外の1〜4個のオキセタン環を有する化合物の例としては、下記一般式(9)で示される化合物が挙げられる。
【0065】
【化12】
Figure 2004042429
【0066】
一般式(9)において、Rは一般式(6)のRと同義である。R11はメチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基又はトリアルキルシリル基であり、rは1〜4である。
【0067】
本発明で使用するオキセタン化合物の好ましい具体例としては、以下に示す化合物がある。
【0068】
【化13】
Figure 2004042429
【0069】
上記オキセタン環を有する化合物の製造方法は特に限定されず、従来知られた方法に従えばよく、例えばパティソン(D.B.Pattison,J.Am.Chem.Soc.,3455,79(1957))が開示している、ジオールからのオキセタン環合成法等がある。又、これら以外にも、分子量1000〜5000程度の高分子量を有する1〜4個のオキセタン環を有する化合物も挙げられる。これらの例として、例えば以下の化合物が挙げられる。
【0070】
【化14】
Figure 2004042429
【0071】
本発明においては、インク吐出時の環境(温度、湿度)による吐出性のバラツキを更に軽減する目的で、少なくとも1種のオキセタン環を1個含有するオキセタン化合物と、少なくとも1種のオキセタン環を複数含有するオキセタン化合物を併用することが好ましい。
【0072】
本発明においては、インクが硬化する際の記録材料の収縮を抑える目的で、光重合性化合物として少なくとも1種のオキセタン化合物と、エポキシ化合物及びビニルエーテル化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物とを含有することが好ましい。
【0073】
インク組成物における色剤としては、従来から知られている染料及び顔料が使用出来る。本発明における色剤としては、顔料がより好ましい。
【0074】
水溶性染料として、例えば、
C.I.ダイレクトブラック−2、−4、−9、−11、−17、−19、−22、−32、−80、−151、−154、−168、−171、−194;
C.I.ダイレクトブルー−1、−2、−6、−8、−22、−34、−70、−71、−76、−78、−86、−112、−142、−165、−199、−200、−201、−202、−203、−207、−218、−236、−287;
C.I.ダイレクトレッド−1、−2、−4、−8、−9、−11、−13、−15、−20、−28、−31、−33、−37、−39、−51、−59、−62、−63、−73、−75、−80、−81、−83、−87、−90、−94、−95、−99、−101、−110、−189;C.I.ダイレクトイエロー−1、−2、−4、−8、−11、−12、−26、−27、−28、−33、−34、−41、−44、−48、−58、−86、−87、−88、−135、−142、−144;
C.I.フードブラック−1、−2;
C.I.アシッドブラック−1、−2、−7、−16、−24、−26、−28、−31、−48、−52、−63、−107、−112、−118、−119、−121、−156、−172、−194、−208;
C.I.アシッドブルー−1、−7、−9、−15、−22、−23、−27、−29、−40、−43、−55、−59、−62、−78、−80、−81、−83、−90、−102、−104、−111、−185、−249、−254;
C.I.アシッドレッド−1、−4、−8、−13、−14、−15、−18、−21、−26、−35、−37、−110、−144、−180、−249、−257;
C.I.アシッドイエロー−1、−3、−4、−7、−11、−12、−13、−14、−18、−19、−23、−25、−34、−38、−41、−42、−44、−53、−55、−61、−71、−76、−78、−79、−122等が挙げられる。
【0075】
油溶性染料としては、分散染料、建染染料、硫化染料、アゾ染料、金属錯塩染料、ナフトール染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、カーボニウム染料、キノイミン染料、シアニン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、ベンゾキノン染料、ナフトキノン染料、ナフタルイミド染料、ペリノン染料、フタロシアニン染料等が挙げられるが、本発明はこれらに限られるものではない。
【0076】
具体的な油溶性染料としては、例えば、C.I.Solvent Yellow 1,2,3,4,6,7,8,10,12,13,14,16,18,19,21,25,25:1,28,29,30,32,33,34,36,37,38,40,42,43,44,47,48,55,56,58,60,62,64,65,72,73,77,79,81,82,83,83:1,85,88,89,93,94,96,98,103,104,105,107,109,112,114,116,117,122,123,124,128,129,130,131,133,134,135,138,139,140,141,143,146,147,148,149,150,151,152,153,157,158,159,160:1,161,162,163,164,165,167,168,169,170,171,172等;C.I.Solvent Red 1,2,3,4,7,8,13,14,17,18,19,23,24,25,26,27,29,30,33,35,37,39,41,42,43,45,46,47,48,49,49:1,52,68,69,72,73,74,80,81,82,83,83:1,84,84:1,89,90,90:1,91,92,106,109,111,117,118,119,122,124,125,127,130,132,135,138,140,143,145,146,149,150,151,152,155,160,164,165,166,168,169,172,175,176,177,179,180,181,182,185,188,189,195,198,202,203,204,205,206,207,208,209,210,212,213,214,215,216,217,218,219,220,221,222,223,224,225,226,227,228,229等;C.I.Solvent Blue 2,4,5,7,10,11,12,14,22,25,26,35,36,37,38,43,44,45,48,49,50,51,59,63,64,66,67,68,70,72,79,81,83,91,94,95,97,98,99,100,102,104,105,108,111,112,116,117,118,122,127,128,129,130,131,132,133,134等;C.I.Solvent Black 3,5,6,7,8,13,22,22:1,23,26,27,28,29,33,34,35,39,40,41,42,43,45,46,47,48,49,50等を挙げることが出来る。
【0077】
これらの油溶性染料の中でも特に、C.I.Solvent Yellow 3,14,16,33,56、C.I.Solvent Red 18,24,27,122,135、C.I.Solvent Blue 14,25,35,48,108、C.I.SolventBlack 3,7,22,34,50は、染料の堅牢性が高いため、好適に用いることが出来る。
【0078】
油溶性染料の好ましい添加量は0.5〜90%、更に好ましくは1〜70%である。
【0079】
水に不溶性染料及び顔料としては、特に限定されるものではないが、有機顔料、無機顔料、着色ポリマー粒子、水不溶性染料、分散染料、油溶性染料等が挙げられる。
【0080】
黒色顔料としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック顔料等が挙げられ、例えば、Raven7000、Raven5750、Raven5250、Raven5000−ULTRAII、Raven3500、Raven2000、Raven1500、Raven1250、Raven1200、Raven1190−ULTRAII、Raven1170、Raven1255、Raven1080、Raven1060(以上、コロンビアン・カーボン社製)、Regal400R、Regal330R、Regal660R、Mogul−L、Black−Pearls−L、Monarch700、Monarch800、Monarch、880、Monarch900、Monarch1000、Monarch1100、Monarch1300、Monarch1400(以上キャボット社製)、Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black 18、ColorBlack FW200、Color Black S150、Color Black S160、Color Black S170、Pritex35、PritexU、Pritex Vrintex140U、Printex140V、Special Black 6、Special Black 5、Special Black 4A、Special Black 4(以上、デグッサ社製)、No.25、No.33、No.40、No.47、No.52、No.900、No.2300、MCF−88、MA600、MA7、MA8、MA100(以上、三菱化学社製)等を使用することが出来る。又、マグネタイト、フェライト等の磁性体微粒子、チタンブラック等を黒色顔料として用いることも出来る。
【0081】
シアン色顔料としては、C.I.ピグメント・ブルー−1、C.I.ピグメント・ブルー−2、C.I.ピグメント・ブルー−3、C.I.ピグメント・ブルー−15、C.I.ピグメント・ブルー−15:1、C.I.ピグメント・ブルー−15:3、C.I.ピグメント・ブルー−15:34、C.I.ピグメント・ブルー−16、C.I.ピグメント・ブルー−22、C.I.ピグメント・ブルー−60等が挙げられる。
【0082】
マゼンタ色顔料としては、C.I.ピグメント・レッド−5、C.I.ピグメント・レッド−7、C.I.ピグメント・レッド−12、C.I.ピグメント・レッド−48、C.I.ピグメント・レッド−48:1、C.I.ピグメント・レッド−57、C.I.ピグメント・レッド−112、C.I.ピグメント・レッド−122、C.I.ピグメント・レッド−123、C.I.ピグメント・レッド−146、C.I.ピグメント・レッド−168、C.I.ピグメント・レッド−184、C.I.ピグメント・レッド−202等が挙げられる。
【0083】
黄色顔料としては、C.I.ピグメント・イエロー−1、C.I.ピグメント・イエロー−2、C.I.ピグメント・イエロー−3、C.I.ピグメント・イエロー−12、C.I.ピグメント・イエロー−13、C.I.ピグメント・イエロー−14、C.I.ピグメント・イエロー−16、C.I.ピグメント・イエロー−17、C.I.ピグメント・イエロー−73、C.I.ピグメント・イエロー−74、C.I.ピグメント・イエロー−75、C.I.ピグメント・イエロー−83、C.I.ピグメント・イエロー−93、C.I.ピグメント・イエロー−95、C.I.ピグメント・イエロー−97、C.I.ピグメント・イエロー−98、C.I.ピグメント・イエロー−114、C.I.ピグメント・イエロー−128、C.I.ピグメント・イエロー−129、C.I.ピグメント・イエロー−151、C.I.ピグメント・イエロー−154等が挙げられる。
【0084】
前記の黒色及びシアン、マゼンタ、イエローの3原色顔料のほか、赤、緑、青、茶、白等の特定色顔料、金、銀色等の金属光沢顔料、無色の体質顔料、プラスチックピグメント等を使用することも出来る。
【0085】
又、上記以外に新たに合成した顔料を用いることも出来る。更に、これらの顔料は、表面処理されたものであってもよい。
【0086】
表面処理方法としては、例えば、アルコール、酸、塩基、シラン化合物等のカップリング剤による処理、ポリマーグラフト化処理、プラズマ処理等が挙げられる。
【0087】
使用される色剤は、有機及び無機不純物の含有量が少ないものが好ましい。一般に市販されている色剤は不純物の含有量が多いので、その精製品を使用することが望ましい。
【0088】
上記インク組成物に用いられる色剤は、インク全質量に対し通常0.1〜30質量%、好ましくは0.4〜10質量%の範囲で使用される。
【0089】
本発明は、分散された顔料を用いることがより好ましい。顔料を分散するために使用される分散剤としては、例えば、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド等の活性剤、或いは、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマル酸、フマル酸誘導体から選ばれた2種以上の単量体からなるブロック共重合体、ランダム共重合体及びこれらの塩を挙げることが出来る。
【0090】
顔料の分散には、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等各種を用いることが出来る。又、遠心分離装置を使用して、或いは、フィルターを使用して顔料分散体から粗粒分を除去することも好ましい。
【0091】
インクに使用する顔料分散体の平均粒径は200nm以下が好ましく、50〜100nmがより好ましい。
【0092】
インクに使用する顔料分散体の添加量は、一般に0.5〜30質量%の範囲にあるのが好ましく、1〜20%の範囲がより好ましい。
【0093】
インクには、必要に応じて、水溶性有機溶剤を添加することが出来る。好ましく用いられる水溶性有機溶媒としては、例えば、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール等)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、スルホン類(例えば、スルホラン等)、尿素、アセトニトリル、アセトン等が挙げられる。
【0094】
インクには、この他に、防腐剤、防黴剤、粘度調整剤等を必要に応じて含有させてもよい。その他の添加剤として、反応希釈剤、充填剤、流動助剤、チキソトロピー剤、湿潤剤、消泡剤、可塑剤のような他の添加剤を含有することが出来る。又、耐光剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、重合禁止剤、腐食防止剤のような安定化剤、又はSi系化合物、ワックス等を添加しても良い。
【0095】
インクのpHは、4〜10であることが好ましい。更に、好ましくは、5〜9である。
【0096】
記録媒体及びヘッドノズル部材に対する濡れ性を考慮すると、インクの表面張力は20〜60mN/mの範囲にあることが必要であり、好ましくは25〜50mN/mの範囲に設定される。インクの表面張力が25mN/m未満であると、ノズルからインクが溢れだしやすくなり、又、60mN/mを越えると乾燥時間が長くなり、生産性上問題である。
【0097】
表面張力を調整するために、必要に応じて、界面活性剤を含有させてもよい。好ましく使用される界面活性剤としては、例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第4級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。これらの中で特に、アニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤が好ましい。
【0098】
インクは30℃での粘度が40〜500mPa・sの液体であることが好ましい。より好ましくは、50〜500mPa・sであり、更に好ましくは100〜500mPa・sである。40mPa・s未満では、滲みが劣化、又、500mPa・sを越えると、画質の平滑性が失われる。
【0099】
次に、本発明のインクジェット記録装置の一例を図1を用いて説明する。図1はインクジェット記録装置の一例の全体構成を示す斜視図である。
【0100】
キャリッジ2にはインクジェットヘッド1が搭載され、このキャリッジ2はプラテン3に対向して平行に設置されたガイドレール4、5に沿って左右に往復運動するよう駆動される。インクジェットヘッド1には記録信号パルスを伝えるフレキシブル基板等による接続線6と、インクタンク8からインクをインクジェットヘッド1へ供給するインクチューブ7が接続されている。記録時にはプラテン3の表面に沿って記録媒体9が逐次上方に移動しつつ副走査が行われている。プラテン3によって記録媒体9が上方に送られ、対向して装着されたインクジェットヘッド1の複数のノズル(図は省略)から画像信号に対応してインク滴を噴射して記録媒体9上に画像を形成する。
【0101】
尚、1はインクジェットヘッドであるが、これに限られず、従来知られている任意の多チャンネルインクジェットヘッドを使用することが出来る。
【0102】
そしてインクジェット装置の開始時や待機時等の非印字時にはキャリッジ2と共にインクジェットヘッド1は対向しているプラテン3の位置から外れ、キャップ20の位置まで移動し、キャップ20がノズルに密着される。
【0103】
図1に示すインクジェット記録装置には、更に記録中もしくは記録後に印字がなされた記録媒体を紫外線照射する装置(手段)が設けられていてもよい。
【0104】
図2は、本発明の記録ユニットの一例を示す平面断面図である。
インクジェット記録を行うには、本発明で規定するインクを40〜100℃に加熱後、何らかの噴射エネルギーを付与することによりインク液滴を15〜40℃に保たれた記録媒体上に噴射させ画像を形成・定着した後、活性光線を付与することが好ましい。ここで、活性光線とは、紫外線のことを言う。
【0105】
「何らかの噴射エネルギーを付与する」とは、インク組成物に圧電体の圧電作用によるエネルギーを付与してインク液滴状にするか、又はインク組成物に熱をかけて気泡を発生させ、その気泡を利用してインク液滴状にする(バブルジェット(R)方法)かして、記録媒体上に噴射させる状況を設定することをいう。
【0106】
インク滴噴射時のインク温度は40〜100℃が好ましく、更に好ましくは50〜100℃である。40℃未満、又は100℃を越えると射出が困難になる。又、記録媒体の温度は20〜80℃であることが好ましい。80℃を越えると画像の滲みの劣化が大きいからである。
【0107】
本発明においては、前述した如く、インクジェットプリンターのインク吐出の駆動力(エネルギー)は、インクに対しての適用範囲が広い高速射出が可能な圧電体の圧電作用を利用する方式が好ましい。この方式は具体的には、例えば特公平4−48622号に記載される様に、圧電性基体上に形成された微細な溝の内部に電極膜が形成され、更に絶縁膜で覆われてインク流路とするインクジェットヘッド方式である。
【0108】
本発明のインクジェット記録方法は、インク組成物を記録媒体に付着させた後に、紫外線照射を行うことを必要としている。この紫外線照射はインク液滴を噴射させた後、340〜380nmの波長の紫外線を0.1〜10秒の間に照射し、その後、280〜340nmの波長の紫外線を10〜1000秒の間に照射することがより好ましい。
【0109】
紫外線照射を行う場合、全紫外線照射量は10〜10000mJ/cmであることが好ましく、より好ましくは100〜1000mJ/cmである。
【0110】
紫外線照射は、メタルハライドランプ、キセノンランプ、カーボンアーク灯、ケミカルランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ等のランプが挙げられ、例えばFusion System社製のHランプ、Dランプ、Vランプ等の市販されているものを用いて行うことが出来る。
【0111】
メタルハライドランプは高圧水銀ランプ(主波長は365nm)に比べてスペクトルが連続しており、200〜450nmの範囲に良好な発光効率を有し、且つ、長波長域でも発光効率が良好である。従って、インク組成物に顔料を使用する場合はメタルハライドランプが適している。
【0112】
紫外線を照射するタイミングは、インク液滴を噴射した0.1〜100秒後に行うことが好ましい。更に好ましくは、1〜10秒後である。
【0113】
紫外線の波長の制御は、紫外線吸収剤等を配合したフィルムに紫外線を透過させることにより行うことが出来る。
【0114】
紫外線吸収剤としては、例えば、サリチル酸フェニルエステル、サリチル酸p−tertブチルフェニルエステル、サリチル酸p−オクチルフェニルエステル等のサリチル酸系化合物を挙げることが出来る。
【0115】
インク吸収性のない記録媒体、インク吸収性の低い記録媒体又はインク非吸収性記録媒体とは、インク吸収性のない基材、インク吸収性の悪い基材、インク非吸収性材料を有する記録媒体、インク吸収性のない基材又はインク吸収性の低い材料(或いは、インク非吸収性材料)からなる表面層(印字層)を有する記録媒体であり、インク吸収性のない材料、インク吸収性の低い材料(或いは、インク非吸収性材料)は、例えば、各種のプラスチックや金属である。
【0116】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施態様に限定されるものではない。尚、以下の「部」は「質量部」を表す。
【0117】
実施例1
《インク組成物の調製》
下記のインク組成物を50℃に加熱して混合攪拌した後、得られた液体を加熱下、フィルターでろ過し、冷却してインク組成物を得た。尚、比較例の固形インクは150℃に加熱、混合を行い作製した。又、比較例の紫外線硬化インクは、加熱せず混合を行い、作製した。
Figure 2004042429
Figure 2004042429
Figure 2004042429
Figure 2004042429
《インクジェット記録》
以下のインクジェットプリンター、記録媒体、及び上記のインクを準備し、検討した結果を以下に示す。
1)インクジェットプリンター
図1タイプのピエゾ式インクジェットプリンター
2)記録媒体
記録媒体は、50μmの厚みのPETシートを使用した。該PETシートは常温(40℃)に保持した。
(出力)
上記の記録媒体及びインクを図1タイプのピエゾ式インクジェットプリンターにセットし、出力評価した。
【0118】
印字時のインク温度は、固形インクは150℃、硬化インク系(比較例)は25℃、本発明で規定するインクは60℃でそれぞれ記録媒体に印字した。
《紫外線照射》
印字出力した後、以下の条件で紫外線を照射した。
【0119】
・340〜400nmの波長の紫外線
・照射ランプはメタルハライドタイプを使用し、照射エネルギーは100mJ/cm、照射タイミングは印字後0.1秒後に行った。
《評価》
引き続き、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
(保存安定性試験)
インク組成物について、60℃恒温槽中に6ケ月間放置した後、以下の評価を行った。
・分散安定性試験
沈澱物、液分離を以下の評価基準で目視にて評価した。
【0120】
◎・・・液分離や沈澱物は確認されない
○・・・僅かに液分離が見られるが、弱い振とうにより元に戻る
△・・・僅かに沈澱が確認される
×・・・液分離及び沈澱が激しく、振とうしても元に戻らない
・物性変化試験
放置前と後で粘度を測定し、その物性変化を以下の評価基準で評価した。尚、粘度は30℃における粘度を回転粘度計(トキメック製EDLモデル)を用いて測定した。
【0121】
◎・・・粘度変化が見られない
○・・・粘度上昇が初期に対して10%未満である
△・・・粘度上昇が初期の10〜50%である
×・・・ゲル或いは固い沈澱を形成している
(プリンター印字性試験)
インク組成物を図1のピエゾ式インクジェットプリンターに用いて、以下の検討を行った。
・連続印字試験
図1のピエゾ式インクジェットプリンターにて100枚連続印字し、印字性を以下の評価基準で目視にて評価した(インク吐出安定性を滲み評価で示す)。
【0122】
◎・・・滲みもなく印字も良好である
○・・・僅かに滲みと印字の乱れが生じる
△・・・滲みはあるが文字の識別は可能である
×・・・滲みで文字の識別が不能である
・再起動試験
図1のピエゾ式インクジェットプリンターにて印字した後に、40℃で1日インクキャップを開放状態で放置して再度印字を行い、インク目詰まり性を印字物にて以下の評価基準で目視評価した。
【0123】
◎・・・目詰まりもなく印字性も良好である
○・・・僅かに抜けが観察出来る
△・・・目詰まりがあるが簡単な復帰操作で印字可能である
×・・・印字が不能である
(画像耐久性試験)
図1のピエゾ式インクジェットプリンターにて印字したベタ部(黒)に対して、スクラッチ強度試験機 HEIDON−18(HEIDON社製)を用い、測定針は0.8mmRのサファイヤ針を用いて測定した。測定は一定荷重で10cmの引掻き試験を3回行い、支持体まで傷が入った箇所が存在しない限度荷重をスクラッチ強度とし、以下の評価基準で評価した。
【0124】
◎・・・200g以上
○・・・150〜200g未満
△・・・100〜150g未満
×・・・100g未満
(基材への影響)
上質紙に図1のピエゾ式インクジェットプリンターにて印字したベタ部(黒)における裏面への裏写りの状況を目視で評価した。
【0125】
◎・・・裏写り無し
○・・・裏写りが僅かにある
△・・・裏写り下限で、実用上使用可能
×・・・裏写りが大きく、使用不可
(平滑性)
図1のピエゾ式インクジェットプリンターにてベタ部(黒)を印字し、紫外線照射を行った後、インク膜厚を測定した。
【0126】
◎・・・厚みが薄く良好
○・・・厚みはあるが高精細印字に問題ない
△・・・厚みの下限
×・・・厚みが、使用不可レベルである
【0127】
【表1】
Figure 2004042429
【0128】
表1から明らかなように、本発明で規定したインクを使用してインクジェット記録を行えば、乾燥性、インク保存安定性、滲み耐性、印刷後の安定性(耐擦性等)、平滑性を向上し、記録媒体の変形を抑えると共にその種類に関係なく良好な画像が得られ、且つ、安定した高精細な画像を印字出来ることが判る。
【0129】
【発明の効果】
本発明によれば、乾燥性、インク保存安定性、滲み耐性、印刷後の安定性(耐擦性等)、平滑性を向上し、記録媒体の変形を抑え、記録媒体の種類(特にインク吸収性のない記録媒体)に関係なく良好な画像が得られ、且つ、安定した高精細な画像を印字出来るという顕著に優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置の一例の全体構成を示す斜視図である。
【図2】記録ユニットの一例を示す平面断面図である。
【符号の説明】
1 インクジェットヘッド
14 流路
15 圧力室
16 ノズル
17 電極
18 圧電素子
19 インク室
20 キャップ
21 排気パイプ
P 圧パルス
B 気泡

Claims (13)

  1. 光重合性化合物、光重合開始剤及び色剤を含有するインク組成物を用いてインク液滴を噴射させ画像形成し、記録媒体上に画像を定着した後、紫外線を照射するインクジェット記録方法であり、前記インク組成物が石油ナフサ系溶剤、芳香族系石油溶剤、脂肪族系石油溶剤、ナフテン系石油溶剤、芳香族炭化水素系溶剤及び脂肪族系溶剤の何れかを含有することを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. 前記光重合性化合物がラジカル重合性化合物であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記光重合性化合物がカチオン重合性化合物であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記色剤が油溶性染料であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のインクジェット記録方法。
  5. 前記色剤が顔料であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のインクジェット記録方法。
  6. 前記インク組成物を40〜100℃に加熱した状態でインク液滴を記録媒体上に噴射させ画像形成することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のインクジェット記録方法。
  7. 前記インク液滴を20〜80℃に保たれた記録媒体上に噴射させ画像形成することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のインクジェット記録方法。
  8. インクジェット方式により形成したインク滴を記録媒体に付着させて記録することを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のインクジェット記録方法。
  9. インクジェット方式が、圧電体の圧電作用を利用する記録方式であることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載のインクジェット記録方法。
  10. 記録媒体がインク吸収性のないものであることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載のインクジェット記録方法。
  11. インクを収容したインク収容部及びインクをインク滴として吐出するためのヘッド部を有する記録ユニットにおいて、請求項9又は10に記載のインクジェット記録方法を使用することを特徴とする記録ユニット。
  12. 前記ヘッド部が圧電体の圧電作用を利用する方式によりインク吐出を行うことを特徴とする請求項11に記載の記録ユニット。
  13. 請求項11又は12に記載の記録ユニットが紫外線を照射する手段を具備していることを特徴とするインクジェット記録装置。
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