JP2006273176A - 車両のシートスライド装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 操作ハンドル構造のレイアウトの自由度を向上させたシートスライド装置を提供する。
【解決手段】 アッパレール2の内部に該アッパレール2とほぼ平行な支持ロッド8を介してロック爪9が一体に設けられており、該ロック爪9をロック解除する方向へ回動させるロック解除手段17を、前記支持ロッド8の端部に形成されると共に押し上げることによりロック爪9を回動させてロック解除を行なうクランク部8aと、操作ハンドル20を操作することにより上動して前記クランク部を回転させる係合部19aと、アッパレール2に形成されて係合部19aをクランク部8aの下方へ導入する導入口2cとにより構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両のシートスライド装置に関し、シートのロック解除のための構造を改良したものである。
自動車のシートには、シートを前後移動させるためのシートスライド装置が設けられている。シートスライド装置は、狭いスペースに設置しなければならなかったり、フロアにレールを埋め込まなければならなかったり、多くの制約下での設置が求められている。
従来の車両のシートスライド装置としては、例えば特許文献1に記載のものが知られている。これは、ロアレール上にスライド自在にアッパレールを設け、該アッパレールの内部にアッパレールと平行に配置した支持ロッドを中心として揺動自在にロック爪を設け、該ロック爪をロックする方向へ回転付勢するばねを設ける一方、該ロック爪をロック解除する方向へ回転させるためにロック解除機構を設けている。該ロック解除機構は、ロック爪と一体に回転する前記支持ロッドをアッパレールの内部に回転自在に支持し、アッパレールの前方まで延長して配置した前記支持ロッドの先端にU字形の連動アームを直角に取り付け、シート下のU字形の操作ハンドルを引き上げることにより車両の左右方向に長い水平軸を中心として回動して引き上げられる部分が連動アームを介して支持ロッドと共にロック爪を回動させるよう構成となっている。
特開2004−196140号公報
ところが、アッパレールの内部に回動自在に設けた支持ロッドは、ロック爪の位置からアッパレールの前方まで延長配置していることから、支持ロッドが長くなるだけでなく、アッパレールの内部の全体を占有して支持ロッドのレイアウトが限定されてしまい、色々な制約に対応できない。例えばロアレールに対するアッパレールの位置、つまりはシートの位置を検出してエアバッグの動作速度を切り換える場合等に、支持ロッドの存在によりレールの内部に位置センサを設置することができない。
そこで本発明は、上記の課題を解決し、ロック機構をレール内にコンパクトに配置できると共に、各種操作レバー構造に対応可能な車両のシートスライド装置を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、車両のフロアに固定されたロアレールに、シートに固定されたアッパレールがスライド自在に組み付けられ、前記ロアレールは上部が開口する略コ字形状に屈曲形成される一方、前記アッパレールは下部が開口する略コ字形状に屈曲形成され、前記アッパレールが前記ロアレールの前記開口部に嵌挿され、前記アッパレールの内部に該アッパレールとほぼ平行な支持ロッドが回動自在に設けられ、該支持ロッドには前記アッパレールを前記ロアレールに対してロックあるいはロック解除するロック爪が一体に形成され、該ロック爪をロックする方向へ付勢する付勢手段が設けられる一方、該付勢手段の付勢力に抗して前記ロック爪をロック解除する方向へ回動させるロック解除手段が設けられた車両のシートスライド装置において、前記ロック解除手段は、前記アッパレールの内部に位置する前記支持ロッドの端部に形成されると共に押し上げることにより前記支持ロッドと共に前記ロック爪を回動させてロック解除を行なうクランク部と、車体の左右方向に沿って設けた水平軸を中心として回動自在な操作ハンドルを操作することにより上動し前記クランク部を押し上げる係合部と、前記アッパレールに形成されて前記係合部を前記クランク部の下方へ導入する導入口とを備えたことを特徴とする。
この発明によれば、操作ハンドルの操作により上動する係合部をアッパレールの導入口より導入して、アッパレールの内部で支持ロッドの端部のクランク部と係合させるので、支持ロッドやロック爪をアッパレールの内部にコンパクトに配置できる。また、操作ハンドルの操作部をアッパレールの導入口より導入して操作するため、操作ハンドルの形状や操作ハンドルのレイアウトの自由度が大きい。
本発明に係る車両のシートスライド装置によれば、操作ハンドルの操作により上動する係合部をアッパレールの導入口から導入してアッパレールの内部で支持ロッドのクランク部と係合させるので、支持ロッドやロック爪をアッパレールの内部にコンパクトに配置できる。そのため、アッパレールの外部に突出する部分がなく、シートスライド装置の配置の自由度が大幅に向上する。また、操作ハンドルの係合部をアッパレールの導入口より導入して支持ロッドを操作するため、操作ハンドルの形状や操作ハンドルのレイアウトの自由度が大きく、各種操作ハンドル構造への対応が容易にできる。
以下、本発明による車両のシートスライド装置の実施の形態を説明する。
(a)実施の形態1
まず、実施の形態1について説明する。シートスライド装置の要部の構成を示す図1と、シートスライド装置の分解斜視図である図2とに示すように、シートスライド装置は、車両のフロアに埋設されるロアレール1と、シートの下面に取り付けられるアッパレール2とを備え、ロアレール1とアッパレール2とが、リテーナ3に保持されたガイドボール4,5を介して長手方向へスライド自在に組み付けられている。
具体的には、ロアレール1は、上部が開口する略コ字形状の基本断面部の側壁上端の内側に下向屈曲部1aが夫々屈曲形成されている。そして、ロアレール1は図示しないボルトを介して車両のフロア21に埋設されている。一方、アッパレール2は、同様の略コ字形状であって下部が開口する基本断面部の側壁下端の外側に上向屈曲部2aが夫々屈曲形成されている。そして、アッパレール2は、ロアレール1の開口部に嵌挿されている。アッパレール2には、図2に示すボルト22を介して図示しないクッションシートが取り付けられている。
このように構成されたロアレール1とアッパレール2との間のレール内には、ロアレール1に対してアッパレール2をスライドさせて固定するためのロック機構6が配置されている。
ロック機構6の構成を以下に説明する。アッパレール2の上壁2dの下面には、軸受プレート7が結合されている。軸受プレート7は、相互に離れた位置に配置され金属板をパイプ状に巻回して構成された一対の軸受部7aと、該一対の軸受部7aと一体形成され、軸受プレート7をアッパレール2に取り付けるための取付部7bとにより構成されている。取付部7bは、孔7cに挿通したリベット11a,11bを介して上壁2dの下面に結合されている。そして、一対の軸受部7aの内部に回動自在に支持ロッド8が挿通されており、該支持ロッド8はアッパレール2とほぼ平行な状態でアッパレール2の内部に支持されている。
支持ロッド8には、アッパレール2を前記ロアレール1に対してロックあるいはロック解除するロック爪9が一体に結合されている。ロック爪9は、4つの爪部9aを有する爪保持部9bと、支持ロッド8の外周面のほぼ半分を囲繞するようにして支持ロッド8に溶接された取付部9cとによって構成されている。ロック爪9は一対の軸受部7aの間の位置で支持ロッド8に溶接されているので、支持ロッド8が一対の軸受部7aから抜け落ちることはない。
ロアレール1に対してアッパレール2をロックするために、前記ロック爪9をロックする方向へ付勢する付勢手段として、板ばね10が設けられている。板ばね10の基端部は、前記リベット11aを取付孔10cに挿通することにより、前記軸受プレート7の下面に結合されている。板ばね10はS字形状に屈曲形成されており、その先端部10aは軸受プレート7に当接し、その中央部は軸受プレート7から離れて押圧部10bとなっている。
板ばね10の押圧部10bと対応する位置である前記ロック爪9の長さ方向での中間位置には、ばね受け部9dが形成されている。即ち、板ばね10にコの字状に切断線を設け、該切断線で囲まれた部分を背面側へ折り曲げることによりばね受け部9dが形成され、該ばね受け部9dの上面に板ばね10の前記押圧部10bが当接している。
ロック爪9により、ロアレール1とアッパレール2とをロックする構成について説明する。アッパレール2の側壁2bおよび前記上向屈曲部2aであってロック爪9の4つの爪部9aと対応する位置には、夫々の爪部9aの先端部と基端部とを保持するための保持孔14,15が夫々4つずつ形成されている。一方、アッパレール2の側壁2bと上向屈曲部2aとの間には、ロアレール1の下向屈曲部1aが位置しており、下向屈曲部1aには保持孔14,15と対応する高さ位置に、アッパレール2の長さ方向に沿って複数の嵌合孔16が形成されている。
前記板ばね10の付勢力に抗して前記ロック爪9をロック解除する方向へ回動させるロック解除手段17が設けられている。即ち、以下のように構成されている。
前記アッパレール2の内部に配置された前記支持ロッド8の車体前側端部にクランク部8aが形成されている。該クランク部8aは、押し上げることにより前記支持ロッド8と共にロック爪9を回動させてロック解除を行なうようにしたものである。そのため、図1(a)に示すようにクランク部8aは、ロック時に支持ロッド8から斜め左下約45度の位置に設定され、押し上げられると支持ロッド8とほぼ同じ高さまで約45度だけ回動してロック解除されるようになっている。
一方、前記リベット11aとリベット11bとは、上壁2dの上面に配置した断面L字形の支持金具13の両端の孔13a,13bに挿通されている。これにより、支持金具13はアッパレール2の上面に結合されている。該支持金具13には、車体の左右方向に沿って設けた水平軸18を介して回動自在にホルダ19が設けられている。ホルダ19の水平軸18よりも車体前方には、下方へ突出する係合部19aが形成されている。図1(a)に示すように係合部19aは斜め右下へ突出して先端部が水平状態になっており、図1(b)中の水平軸18を中心としてホルダ19を時計方向へ回動させると、係合部19aがクランク部8aを上方へ押し上げて支持ロッド8と更にはロック爪9を回動させるようになっている。
シートスライド装置はシートの両側に設けられており、両側のホルダ19を同時に回動させるためにシートの下方にはほぼU字形の操作ハンドル20が設けられている。該操作ハンドル20の両端はシートの後方両側に位置し、操作ハンドル20の両端がホルダ19の前側位置および後側位置から側方の同一方向へ突出する保持部19b,19cに挿入されている。
前記ホルダ19の前記係合部19aをアッパレール2の内部に導入するため、図1(a)に示すように、アッパレール2の上部の隅の位置には導入口2cが形成されている。そして、係合部19aが導入口2cからアッパレール2の内部に導入され、係合部19aがクランク部8aの下方に位置している。前記のように、ロアレール1を車両のフロア21に埋設したので、ロアレール1よりも高い位置に前記操作ハンドル20が配置されている。操作ハンドル20の車両前側を引き上げた際に操作ハンドル20を元の位置へ復帰させるために、復帰ばね12が設けられている。復帰ばね12はホルダ19の前後の端部と係合しており、復帰ばね12の後端部は支持金具13に結合されている。
次に、シートスライド装置の作用を説明する。アッパレール2が任意のスライド位置でロックされているときには、図3,図5に示すようにロック爪9が板ばね10の付勢力を受けて反時計方向へ回動変位しており、このとき、爪部9aは、アッパレール2の保持孔14、ロアレール1の嵌合孔16、アッパレール2の保持孔15の三者に跨って係合している。このため、ロアレール1に対してアッパレール2が固定されている。
図3,図5の状態からアッパレール2のスライド位置を変更する場合には、操作ハンドル20の車体前方位置を上方へ引き上げて回動操作する。すると、図1(b)において水平軸18を中心としてホルダ19が時計方向へ回動し、係合部19aが上昇するため、クランク部8aが板ばね10の付勢力に抗して支持ロッド8を中心として図1(a)の時計方向へ約45度回動し、図4,図6に示すように支持ロッド8と一体のロック爪9が保持孔14,嵌合孔16,保持孔15の三者から引き抜かれる。そのため、ロアレール1に対してアッパレール2が移動可能となり、アッパレール2の自由なスライドが可能となる。この状態においてシートのスライド位置を任意位置に変更し、その後に操作ハンドル20から手を放すと、復帰ばね12の付勢力と板ばね10の付勢力とによってクランク部8aが支持ロッド8を中心として反時計方向へ約45度回動し、図3,図5のようにロック爪9が元の状態に戻り、再び保持孔14,嵌合孔16,保持孔15の三者に跨って係合する。このため、ロアレール1に対してアッパレール2が再びロックされる。
この発明によれば、操作ハンドル20の操作により上動する係合部19aをアッパレール2の導入口2cより導入して、アッパレール2の内部で支持ロッド8の端部のクランク部8aと係合させるので、支持ロッド8やロック爪9をアッパレール2の内部にコンパクトに配置できる。そのため、アッパレール2の外部に突出する部分がなく、シートスライド装置の配置の自由度が大幅に向上する。また、操作ハンドル20と連動するホルダ19の係合部19aをアッパレール2の導入口2cより導入して支持ロッド8を操作するため、操作ハンドル20の形状や操作ハンドル20のレイアウトの自由度が大きい。
そのため、ロアレール1が車両のフロアに埋設されても、操作ハンドル20がシートと床面との間に配置されるので、操作ハンドル20の操作性が良い。
(b)実施の形態2
次に、実施の形態2を説明する。なお、実施の形態2は実施の形態1の一部を変更したものなので、異なる部分のみを説明する。
実施の形態1はロアレール1を車両のフロア21の内部に埋設したものであるが、実施の形態2は図7に示すように、シートクッション23と車両のフロア21との間隔が小さい場合の構成を示すものである。ロアレール1をフロア21の上に取り付けるため、ロアレール1の前方はレッグ24を介してフロア21に取り付けられ、後方はカラー25とロケートピン26とを介してフロア21に取り付けられている。シートクッション23がアッパレール2に直接に取り付けられているため、フロア21とシートクッション23との間に狭い隙間ができるだけとなる。このため、ロアレール1とほぼ同じ高さ位置に操作ハンドル20が配置されている。操作ハンドル20の高さ位置が実施の形態1と異なるので、支持金具13の取り付け状態と、ホルダ19から突出する係合部19aの突出方向が実施の形態1と異なる。
この実施の形態では、ロアレール1が車両のフロア21の高さ位置に配置された場合でも、アッパレール2の導入口2cから導入して支持ロッド8を操作するためのホルダ19の形状を変えることで容易に対応できる。つまり、操作ハンドル20の形状や操作ハンドル20のレイアウトの自由度が大きく、各種操作ハンドル構造への対応が容易となる。
その他の構成,作用は実施の形態1と同じなので説明を省略する。
車両のシートスライド装置の要部に係り、(a)は側面断面図、(b)は正面図(実施の形態1)。 車両のシートスライド装置の斜視図(実施の形態1)。 車両のシートスライド装置のロック時に係り、(a)は側面断面図、(b)は正面図(実施の形態1)。 車両のシートスライド装置のロック解除時に係り、(a)は側面断面図、(b)は正面図(実施の形態1)。 車両のシートスライド装置のロック時の正面図(実施の形態1)。 車両のシートスライド装置のロック解除時の正面図(実施の形態1)。 車両のシートスライド装置を示す断面図(実施の形態2)。 車両のシートスライド装置のロック時の正面図(実施の形態2)。 車両のシートスライド装置のロック解除時の正面図(実施の形態2)。
符号の説明
1…ロアレール
2…アッパレール
2c…導入口
8…支持ロッド
8a…クランク部
9…ロック爪
10…板ばね(付勢手段)
17…ロック解除手段
18…水平軸
19a…係合部
20…操作ハンドル
21…フロア

Claims (1)

  1. 車両のフロアに固定されたロアレールに、シートに固定されたアッパレールがスライド自在に組み付けられ、前記ロアレールは上部が開口する略コ字形状に屈曲形成される一方、前記アッパレールは下部が開口する略コ字形状に屈曲形成され、前記アッパレールが前記ロアレールの前記開口部に嵌挿され、
    前記アッパレールの内部に該アッパレールとほぼ平行な支持ロッドが回動自在に設けられ、該支持ロッドには前記アッパレールを前記ロアレールに対してロックあるいはロック解除するロック爪が一体に形成され、該ロック爪をロックする方向へ付勢する付勢手段が設けられる一方、該付勢手段の付勢力に抗して前記ロック爪をロック解除する方向へ回動させるロック解除手段が設けられた車両のシートスライド装置において、
    前記ロック解除手段は、前記アッパレールの内部に位置する前記支持ロッドの端部に形成されると共に押し上げることにより前記支持ロッドと共に前記ロック爪を回動させてロック解除を行なうクランク部と、車体の左右方向に沿って設けた水平軸を中心として回動自在な操作ハンドルを操作することにより上動し前記クランク部を押し上げる係合部と、前記アッパレールに形成されて前記係合部を前記クランク部の下方へ導入する導入口とを備えたことを特徴とする車両のシートスライド装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109228970A (zh) * 2018-10-19 2019-01-18 湖北航嘉麦格纳座椅系统有限公司 一种座椅总成及座椅调节机构

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