JP2006272315A - 機能性材料およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基材に対する優れた被膜密着性を確保しながら、光触媒活性等のファイバ状物質が有する種々の機能を高い効率で発揮させることができる機能性材料およびその製造方法の提供。
【解決手段】本発明の機能性材料は、基材と、基材の表面に形成される、酸化チタン、チタン水酸化物、チタン酸、およびチタン酸塩からなる群から選択される少なくとも一種を含んでなる緻密層と、緻密層の表面に形成される、酸化チタン、チタン水酸化物、チタン酸、およびチタン酸塩からなる群から選択される少なくとも一種を含んでなるファイバ状物質とを含んでなる。
【選択図】図3

Description

発明の背景
発明の分野
本発明は、様々な機能を有するファイバ状物質をその表面に形成した機能性材料およびその製造方法に関するものであり、具体的には、光触媒性部材、電子放出素子、触媒担体、導電性部材、誘電体、反射防止膜、発光素子、電池材料、プロトン導電材料、エレクトロクロミック素子、フォトクロミック素子、生体親和材料等、様々な分野に応用可能な機能性材料およびその製造方法に関するものである。
背景技術
粒子サイズの小さいファイバ状物質は、通常の等方的な構造の粒子と比較して、大表面積、電荷の高移動度、基板との高い密着強度、生体親和性等、様々な特徴を有することが知られている。粒子サイズの小さいファイバ状物質の代表例としては、カーボンナノチューブが知られており、電子放出素子、二次電子キャパシタ、ドラッグデリバリー材料等、様々な応用が期待されている(例えば、非特許文献1(S. Iijima et al. Nature, 354, 56 (1991) )参照)。
近年、カーボンナノチューブでは達成できないユニークな物性が期待される材料として、中空ファイバ状の酸化チタンまたはチタン酸の粒子が報告されている(例えば特許文献1(特開平10−152323号)および非特許文献2(L. M. Peng et al., Adv. Mater. 14, 1208 (2002))参照)。また、中空ファイバ状の酸化チタンまたはチタン酸粒子の薄膜化も報告されている(例えば、非特許文献3(Z. R. Tian et al., J. Am. Chem. Soc.. 125, 12384 (2003))参照)。
特開平10−152323号公報 S. Iijima et al. Nature, 354, 56 (1991) L. M. Peng et al., Adv. Mater. 14, 1208 (2002) Z. R. Tian et al., J. Am. Chem. Soc.. 125, 12384 (2003)
発明の概要
本発明者らは、今般、基材の表面に、酸化チタン、チタン水酸化物、チタン酸、およびチタン酸塩からなる群から選択される少なくとも一種を含んでなる緻密層を形成し、さらにこの緻密層上に、酸化チタン、チタン水酸化物、チタン酸、およびチタン酸塩からなる群から選択される少なくとも一種を含んでなるファイバ状物質を形成することにより、基材に対する優れた被膜密着性を確保しながら、光触媒活性等のファイバ状物質が有する種々の機能を高い効率で発揮させることができるとの知見を得た。その結果、本発明によれば、上記ファイバ状物質を、光触媒、電子放出素子、発光素子、触媒担体、誘電体、電池材料、プロトン導電材料、生体親和材料、ドラッグデリバリー材料等の種々の用途に応用することができるとの知見も得た。
したがって、本発明は、基材に対する優れた被膜密着性を確保しながら、光触媒活性等のファイバ状物質が有する種々の機能を高い効率で発揮させることができる機能性材料およびその製造方法の提供をその目的としている。
そして、本発明による機能性材料は、
基材と、
該基材の表面に形成される、酸化チタン、チタン水酸化物、チタン酸、およびチタン酸塩からなる群から選択される少なくとも一種を含んでなる緻密層と、
該緻密層の表面に形成される、酸化チタン、チタン水酸化物、チタン酸、およびチタン酸塩からなる群から選択される少なくとも一種を含んでなるファイバ状物質と
を含んでなるものである。
また、本発明による機能性材料の製造方法は、金属チタンを含んでなる基材をアルカリ性水溶液中で反応させて、前記緻密層と前記ファイバ物質とを形成される工程を含んでなるものである。
発明の具体的説明
機能性材料
本発明の機能性材料は、基材と、基材の表面に形成される緻密層と、緻密層の表面に形成されるファイバ状物質とを含んでなる材料である。本発明においてファイバ状物質は、酸化チタン、チタン水酸化物、チタン酸、およびチタン酸塩からなる群から選択される少なくとも一種を含んでなる、ファイバの形状を有する物質であり、特異な光触媒特性、電子放出特性、触媒担体、プロトン導電性材料、生体親和材料、ドラッグデリバリー材料として高い機能を発現することができる。一方、本発明において緻密層は、基材とファイバ状物質との界面に形成される、酸化チタン、チタン水酸化物、チタン酸、およびチタン酸塩からなる群から選択される少なくとも一種を含んでなる緻密な層であり、ファイバ状物質の有する機能を十分に発揮させながら、ファイバ状物質の基材への密着強度を強化する。したがって、上記構成を有する本発明の機能性材料によれば、基材に対する優れた被膜密着性を確保しながら、光触媒活性等のファイバ状物質が有する種々の機能を高い効率で発揮させることができる。
基材
本発明に用いる基材は、本発明の機能性材料が使用される用途等に応じて適宜選択されることができ、特に限定されないが、金属チタンを含んでなるのが好ましい。基材に金属チタンが含有されていると、同じくチタン元素を含有する緻密層との間の密着強度が更に強くなる。この場合、金属チタンは基材の中に練り込んであっても良いし、基材の表面に被膜として形成させても良い。本発明の好ましい態様によれば、基材は金属チタン板であるのが好ましい。この場合、水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液で処理するだけで、容易に、密着性に優れた緻密層およびファイバ状物質の両方を形成させることができる。
緻密層
本発明において緻密層は、基材の表面に形成され、酸化チタン、チタン水酸化物、チタン酸、およびチタン酸塩からなる群から選択される少なくとも一種を含んでなる緻密な層であり、ファイバ状物質の基材への密着強度を強化すると同時に、ファイバ状物質が発現する光触媒特性および電子放出特性等の種々の機能を確保ないし向上することができる。本発明において緻密層を構成する酸化チタンは結晶質および非晶質のいずれであってもよいが、非晶質酸化チタンが好ましい。すなわち、本発明における緻密層は非晶質であるのが好ましい。本発明において、緻密層およびファイバ状物質は、同種および異種の材料のいずれで構成されてもよいが、緻密層はファイバ状物質を実質的に含まない。したがって、ファイバ状物質が層状の皮膜として形成された場合であっても、緻密層はファイバ状物質を含む層と比較して、ファイバ状物質を実質的に含まないより緻密な層として区別される。緻密な層であるか否かの確認は、例えば、機能性材料の破断面を走査型電子顕微鏡画像等の慣用される観察手段により観察し、必要に応じて被膜の空孔率を画像処理によって見積もることにより行うことができる。
本発明の好ましい態様によれば、緻密層の膜厚が1nm〜20μmであるのが好ましく、より好ましくは10nm〜5μmであり、さらに好ましくは50nm〜2μm、最も好ましいのが50nm〜1μmである。このような範囲の膜厚に設計することで、膜強度と透明性を両立することができる。
ファイバ状物質
本発明においてファイバ状物質は、緻密層の表面に形成される、酸化チタン、チタン水酸化物、チタン酸、およびチタン酸塩からなる群から選択される少なくとも一種を含んでなる、ファイバ形状を有する物質である。本発明においてファイバ状物質を構成する酸化チタンは結晶質および非晶質のいずれであってもよいが、結晶質酸化チタンが好ましい。このファイバ状物質は、特異な光触媒特性、電子放出特性、触媒担体、プロトン導電性材料、生体親和材料、ドラッグデリバリー材料として高い機能を発現することができるとともに、化学的安定性が高く、かつ無毒であるとの利点も有する。本発明の好ましい態様によれば、本発明においてファイバ状物質の形状は、ファイバ状物質の径が3〜30nm、長さが50nm〜1μmであるのが、特異な光触媒特性、電子放出特性、触媒担体、プロトン導電性材料、生体親和材料、ドラッグデリバリー材料として高い機能を発現することができ、なおかつ透明性も高いので好ましい。
本発明においてファイバ状物質として使用可能な結晶性酸化チタンの好ましい例としては、ルチル型、アナターゼ型、ブルッカイト型、TiO2(B)が挙げられる。また、酸化チタンは、Ti23やTi35などの還元体あるいは還元体が規則的に配列したマグネリ相を含んでいても構わない。ファイバ状物質として使用可能なチタン酸の好ましい例としては、三チタン酸、四チタン酸、五チタン酸、六チタン酸、七チタン酸、八チタン酸等のプロトンを含む多価チタン酸が挙げられる。ファイバ状物質として使用可能なチタン酸塩の好ましい例としては、チタン酸カリウム、チタン酸カルシウム、チタン酸セシウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸アルミニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の多価チタン酸塩が挙げられる。
本発明の好ましい態様によれば、ファイバ状物質の長軸が基材に対して概ね垂直方向に配向しているのが好ましく、これにより機能性材料において更なる高機能化を実現することができる。例えば、本発明の機能性材料を光触媒性材料として応用する場合、ファイバ状物質により表面粗さが大きくなるため、光照射しない状態でも高い水濡れ性を得ることができる。このため、防曇およびセルフクリーニング効果を長時間持続させることができる。また、本発明の機能性材料を電子放出素子として応用する場合、ファイバ物質により形成される表面の先鋭な形状のため、電子放出のための形状因子が高くなり、高度な電子放出特性を発現することができる。また、本発明の機能性材料は、酸化チタン、チタン水酸化物、チタン酸、およびチタン酸塩からなる群から選択される少なくとも一種を含んでなるため、仕事関数が低く、高性能な電子放出素子として応用することができる。
本発明の好ましい態様によれば、ファイバ状物質が結晶性を有し、その結晶格子内に、チタンイオン合計量に対して10モル%以下のアルカリ金属イオンおよび/またはアルカリ土類金属イオンを含有するのが好ましく、より好ましくは5モル%以下であり、さらに好ましくは実質的に0%である。アルカリ金属およびアルカリ土類金属イオンはキャリアの散乱源ないし再結合センターとして働き、光触媒反応、電子放出能、プロトン導電性を阻害する。したがって、アルカリ金属イオンおよび/またはアルカリ土類金属イオンの含有量を上記範囲内に低減することにより、電子、ホール、イオンの拡散の妨げとなる不純物が少ない方ことが望まれる、光触媒、電子放出素子、プロトン導電膜等のキャリア移動媒体としての用途において、より高度な機能を発現させることができる。
本発明の好ましい態様によれば、ファイバ状物質が中空ファイバであるのが好ましい。このような形状にすることで、更に先端が先鋭化されるので、水濡れ性の暗所維持特性、高度な電子放出特性、および生体組織との高度な親和性を発現する。
本発明の好ましい態様によれば、ファイバ状物質が巻物状の層状のチタン酸またはその塩であるのが好ましい。巻物状の層状のトリチタン酸は、電荷の中性を保つため、層間や内側外側の壁部に水分子が存在しており、暗所での水濡れ性が高い。また、巻物状の層状トリチタン酸の表面は電気化学的に活性なので、巻物状の層間にプロトンやLiイオンのインターカレーションが可能となる。このため、高効率なフォトクロミック、エレクトロクロミック材料や、プロトン導電膜、二次イオンバッテリーなどに応用することが可能となる。本発明の好ましい態様によれば、巻物状の層状のチタン酸の中空ファイバは、3〜8nmの内径、8〜30nmの外径、50nm〜1μmの長さを有するのが好ましい。
本発明の好ましい態様によれば、ファイバ状物質は、層状の皮膜として形成されることができる。この場合、ファイバ状物質を含む被膜の膜厚は3nm〜100μmの範囲であるのが好ましく、より好ましくは10nm〜5μm、さらに好ましくは50nm〜2μm、最も好ましいのは、50nm〜1μmである。このような膜厚範囲とすることで、透明性と高機能を兼ね備えた機能性材料を提供することができる。なお、緻密層とファイバ状物質を含む皮膜との間の界面は明確に分離されている必要はなく、両層の混合層が介在されていても構わない。
本発明の好ましい態様において、緻密層とファイバ状物質とを含む被膜全体の波長500nmにおける透過率が80%以上であるのが好ましい。これにより高い透明性を確保することができ、機能性材料のより広い範囲の用途に応用可能となる。
本発明の好ましい態様によれば、緻密層およびファイバ状物質を含む被膜の少なくともいずれか一方が、バインダーをさらに含んでなることができる。好ましいバインダーの例としては、シロキサン結合を有する物質が挙げられる。これは、シロキサン結合は水との濡れ性に優れ、化学的な安定性や耐候性も高いためである。シロキサン結合を有する物質の好ましい例としては、水ガラス等のアルカリシリケート、コロイダルシリカ、アルミノシリケート化合物が挙げられる。アルミノシリケート化合物はシリケート化合物のSiの一部をAlで置換した化合物であって、更に電荷を補償するためにH+やLi+、Na+、K+、Rb+、Cs+、Fr+などのアルカリ金属イオンやBe2+、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Ra2+などのアルカリ土類金属イオンが含有されていてもよい。上記シリケート結合を有する化合物のSiの一部をAlで置換した物や、ゼオライトなどを使用することができる。
本発明のより好ましい態様によれば、シロキサン結合を有する物質として、シリコーンエマルジョンを用いることができる。シリコーンエマルジョンの好ましい例としては、メチルトリクロルシラン、メチルトリブロムシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリt−ブトキシシラン;エチルトリクロルシラン、エチルトリブロムシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリt−ブトキシシラン;n−プロピルトリクロルシラン、n−プロピルトリブロムシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリイソプロポキシシラン、n−プロピルトリt−ブトキシシラン;n−ヘキシルトリクロルシラン、n−ヘキシルトリブロムシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリイソプロポキシシラン、n−ヘキシルトリt−ブトキシシラン;n−デシルトリクロルシラン、n−デシルトリブロムシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−デシルトリエトキシシラン、n−デシルトリイソプロポキシシラン、n−デシルトリt−ブトキシシラン;n−オクタデシルトリクロルシラン、n−オクタデシルトリブロムシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリエトキシシラン、n−オクタデシルトリイソプロポキシシラン、n−オクタデシルトリt−ブトキシシラン;フェニルトリクロルシラン、フェニルトリブロムシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリt−ブトキシシラン;テトラクロルシラン、テトラブロムシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン;ジメチルジクロルシラン、ジメチルジブロムシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン;ジフェニルジクロルシラン、ジフェニルジブロムシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン;フェニルメチルジクロルシラン、フェニルメチルジブロムシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン;トリクロルヒドロシラン、トリブロムヒドロシラン、トリメトキシヒドロシラン、トリエトキシヒドロシラン、トリイソプロポキシヒドロシラン、トリt−ブトキシヒドロシラン;ビニルトリクロルシラン、ビニルトリブロムシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリt−ブトキシシラン;トリフルオロプロピルトリクロルシラン、トリフルオロプロピルトリブロムシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリイソプロポキシシラン、トリフルオロプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−メタアクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−アミノプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリt−ブトキシシラン;β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシランの部分加水分解物、脱水宿重合物が挙げられる。
本発明の別の好ましい態様によれば、バインダーとして、フッ素樹脂エマルジョンを使用することができる。フッ素樹脂エマルジョンを含む塗膜は化学的安定性が高く、また、耐候性も高く、柔軟性にも優れているとの利点を有する。フッ素樹脂エマルジョンの好ましい例としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー、エチレン−クロロトリフルオロエチレンコポリマー、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテルコポリマー、パーフルオロシクロポリマー、ビニルエーテル−フルオロオレフィンコポリマー、ビニルエステル−フルオロオレフィンコポリマー、テトラフルオロエチレン−ビニルエーテルコポリマー、クロロトリフルオロエチレン−ビニルエーテルコポリマー、テトラフルオロエチレンウレタン架橋体、テトラフルオロエチレンエポキシ架橋体、テトラフルオロエチレンアクリル架橋体、テトラフルオロエチレンメラミン架橋体等フルオロ基を含有するポリマーのエマルジョンが挙げられる。
本発明の好ましい態様によれば、本発明の機能性材料の電荷分離を促進させるため、緻密層およびファイバ状物質の少なくともいずれか一方に、Pt, Pd, Ag, Cu, Au, Ni等の金属を複合させてもよい。上記金属を担持させることによって光励起した電子正孔対が効率的に分離し、親水化活性および酸化分解活性が増大する。特に、AgやCuを担持した場合にあっては、抗菌性や防藻性も発揮させることができる。
本発明の好ましい態様によれば、本発明の機能性材料を可視光での反応活性を発現させたり、表面の固体酸性度をあげるため、ファイバ状物質の酸素位置に酸素以外のアニオンが置換、または格子間に酸素以外のアニオンが割り込み、または粒界部に酸素以外のアニオンが配されてもよい。中空ファイバに導入する好ましいアニオンとしては、窒素が挙げられる。窒素の導入によって、材料表面の固体酸性を高めることができ、カチオン性分子の吸着性を上げることができたり、可視光に応答して光触媒分解活性および親水化活性を発現させる。
製造方法
本発明の機能性材料の製造方法は特に限定されるものではないが、金属チタンを含んでなる基材をアルカリ性水溶液に接触させて反応させることにより簡便に製造することができる。使用可能なアルカリ性水溶液の好ましい例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化セシウム、アンモニア、4級アンモニウム水酸化物等の強アルカリの水溶液が挙げられ、より好ましくは水酸化ナトリウム水溶液である。例えば、金属チタン板を、水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬、あるいは水酸化ナトリウム水溶液を入れた水熱反応容器中で加熱することにより、本発明の機能性材料を製造することができる。水熱反応の際の加熱温度は60℃〜300℃とするのが好ましく、より好ましくは100℃〜200℃とする。このような好ましい反応温度にすることで、ファイバ状物質の結晶性を高め、基材からの脱落を防ぐことができる。また、水熱反応の際の好ましい反応時間は、30分〜48時間であり、より好ましくは1時間〜3時間である。このような工程を経て、基材の表面に緻密層が形成されると同時に、その緻密層の表面にはファイバ状物質がさらに形成される。
本発明の好ましい態様によれば、アルカリ性水溶液中での反応後、基材を酸性水溶液に浸漬する工程がさらに行われるのが好ましい。これにより、水酸化ナトリウム水溶液のような強アルカリ性水溶液を用いた水熱反応の際にファイバ状物質の構造内に取り込まれるナトリウムイオン等の不純物、特にアルカリ金属およびアルカリ土類金属イオン、を低減することができる。このような不純物はキャリアの散乱や再結合センターとして働き、光触媒反応、電子放出能、プロトン導電性を阻害することから、このような不純物の低減により、光触媒、電子放出素子、プロトン導電膜等のキャリア移動媒体としての用途において、より高度な機能を発現させることができる。
本発明において使用可能な酸性水溶液の好ましい例としては、硝酸、塩酸、硫酸、過塩素酸、フッ酸、臭素酸、沃素酸、亜硝酸、酢酸、蓚酸などが挙げられる。また、好ましい酸性水溶液の濃度は、0.001〜10Mであり、より好ましくは0.001〜1Mであり、さらに好ましくは0.01〜0.1Mである。この濃度範囲内であると、激しい発熱を防止して、ファイバ状物質の構造変化を防止することができる。
本発明の好ましい態様によれば、酸性水溶液での処理の後、基材を加熱するのが好ましい。この加熱により、ファイバ状物質の結晶性を高めるとともに、膜強度を上げることができる。ファイバ状物質の結晶構造がチタン酸の場合、結晶構造を維持したまま結晶性を高めるのに好ましい加熱温度は、50〜350℃である。また、ファイバ状物質の結晶構造がチタン酸構造で、結晶構造をアナターゼ型やB型の酸化チタンに相転移させたい場合の好ましい加熱温度は、350〜600℃である。高温に上げ過ぎるとファイバ状物質が破壊されてしまう。本発明の別の好ましい態様によれば、この加熱処理は、酸性水溶液の処理を行わずに、アルカリ性の水溶液中で反応させた後に直接行ってもよい。
用途
本発明による機能性材料は、基材に対する優れた被膜密着性を確保しながら、光触媒活性等のファイバ状物質が有する種々の機能を高い効率で発揮させることができる。このため、本発明による機能性材料は、光触媒性部材、電子放出素子、触媒担体、導電性部材、誘電体、反射防止膜、発光素子、電池材料、プロトン導電材料、エレクトロクロミック素子、フォトクロミック素子、生体親和材料等へ応用に適している。
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
例1:機能性材料の作製
基材として金属チタン板(ニラコ(株)製、厚さ:0.1mm 純度:99.99%)を用意した。この金属チタン板を15×50mmの大きさに切り、7枚の試料片#1〜#7を用意した。各試料片についてエタノールを用いて超音波洗浄を10分間行い、表面の油分を除去した。テフロン製の水熱反応容器(100ml)に10MのNaOH80g(Ti基板が浸る程度)を入れ、各試料片を容器に立てかけるように沈めた。テフロン容器をステンレス容器で密閉し、各試料片について、下記表1に示される時間および温度でNaOHと反応させた。反応後、上記ステンレス容器を水中で冷却し、試料片を純水で洗浄した。この洗浄は、洗浄水が中性になることを確認できるまで行い、その後、室温で乾燥した。乾燥して得られた試料片#6および#7を0.1M硝酸中に10分間浸漬して酸処理を行った後、純水で洗浄した。さらに、試料片#5〜#7について、大気中、表1に示される温度で加熱処理を行った。
比較例として、アナターゼ型の酸化チタンゾル(石原産業、STS−01)を純水で濃度1wt%まで希釈して、金属チタン板上にディップコートにて成膜した。このとき、ディップコートの引き上げ速度は30cm/minとした。成膜後、室温で乾燥した。
作製した機能性材料の製造条件を表1に示す。
例2:機能性材料の特性分析
まず、例1で作製した試料片#1〜#7をシリコンの無反射試料板に接着させ、X線回折装置(XRD:マックサイエンス、MXP−18)によって結晶構造を分析した。X線源としてはCu Kα線を用い、斜入射計測法(入射角:0.5°)にて、2θを5°〜60°の範囲でスキャンした。その結果、試料片#1〜#6において、金属チタンからの回折とチタン酸構造の回折が確認された。具体的には、反応温度が高く、反応時間が長いほど回折強度が大きくなり、また、加熱処理を行うことで結晶性が高まるためシャープな回折ピークが観察された。一方、試料片#7では、チタン酸構造とアナターゼ型酸化チタンおよびTiO2(B)構造の回折が確認された。
次に、得られた部材の組成を、EPMA(島津製作所(株)製、EPMA−8705)によって分析した。この結果、酸処理を行わなかった試料片#1〜#5ではチタンに対する元素比で約5%のナトリウムの存在が確認されたのに対し、酸処理を行った試料片#6および#7ではナトリウム元素を確認できなかった。したがって、酸処理工程によりナトリウムイオンを除去できることが明らかとなった。
さらに、試料片表面の微細組織を走査型電子顕微鏡(日立製作所(株)製、SEM S−800)で観察したところ、図1に示される画像が観察された。図1から明らかなように、試料片#1〜#7の表面において、ファイバ状物質の形成が確認された。なお、反応温度が高く、反応時間が長いほど、ファイバ状物質の長さが長くなる傾向にあった。
また、試料片#2表面の微細組織の鳥瞰図(10°傾けた状態)を走査型電子顕微鏡(日立製作所(株)製、SEM S−5200)で観察したところ、図2(a)および(b)に示される画像が観察された。図2に示されるように、基板とファイバ状物質を含む被膜との間に、緻密な層が形成されていることが確認された。ファイバ状物質を含む被膜の厚さは600nm、緻密な層の厚さは100nm程度であった。前記XRDの計測から、#2試料からは基板である金属チタンからの回折と、ファイバ状物質であるチタン酸の回折のみしか観察されなかったため、この緻密な層は非晶質であることが示唆された。また、被膜表面を観察したところ、中空ファイバが基材に対して概ね垂直方向に配向した構造も確認できた。
また、試料片#3および#4の剥離した皮膜の断面を、走査型電子顕微鏡(日立製作所(株)製、SEM S−5200)で観察したところ、それぞれ、図3(a)および(b)ならびに図4(a)〜(c)に示される画像が観察された。試料片#3にあっては、試料片#2と同様に、緻密な非晶質の層上にファイバ状物質を含む層が形成されていることが確認された。なお、緻密な層の厚さは600nmであり、ファイバ状物質を含む層の厚さは500〜800nmであった。図4(a)および(b)に示されるように、試料片#4にあっては、緻密な層の厚さが約1μm、ファイバ状物質を含む層の厚さが約5μmであった。また、図4(c)に示されるように、試料片#4に含まれるファイバ状物質に中空構造のファイバが含まれることも確認された。
例3:光誘起親水化特性の評価
例1で作製された試料片#1〜#4について、作製後直ちに清浄な暗所に保管した場合における水との接触角の変化と、その後紫外線を照射した場合における水との接触角の変化を測定した。接触角の測定は、接触角計(協和界面科学社製、CA−X150)を用いて行った。また、紫外線の照射は、10Wのブラックライト(東芝製)を用いて、1.0mW/cmの紫外線照度で行った。紫外線照度の測定は、紫外線照度計(トプコン製、UVR−2)を用いて行った。
試料片作製後直ちに清浄な暗所に保管した場合における水との接触角の変化は、図5に示される通りであった。図5に示されるように、本発明の機能性材料である試料片#1〜#4は、比較例のアナターゼ型酸化チタンと比較して、暗所でも高い親水性を維持していることが分かった。また、試料片#1〜#4の比較から、水熱反応温度が高く、時間が長いほど親水性の暗所維持特性に優れていることも分かった。一方、上記暗所での測定後、引き続き紫外線を照射した場合における接触角の変化は、図6に示される通りであった。図6に示される通り、試料片#1〜#4および比較例はいずれも紫外線の照射によって親水化することが明らかである。
例4:酸化分解活性の評価(メチレンブルーの分解)
試料片#2、#5、#6、および#7を1cm角に切り、ガラス板に貼り付け、0.01mMのメチレンブルー水溶液に2時間浸漬し、乾燥した。紫外線の照射は、10Wのブラックライト(東芝製)を用いて、4mW/cm2の紫外線照度で1分間行った。紫外線照度の測定は、紫外線照度計(トプコン製、UVR−2)を用いて行った。還元による脱色分の色戻りを考慮して、紫外線照射後、暗所に1.5時間保管した後、吸光度を測定した。吸光度の測定は、分光光度計(島津製作所、UV−3150)の拡散反射測定ユニットを用いて、500nm〜650nmの波長域で行った。測定された吸光度からメチレンブルーを吸着させる前の試料の吸光度を減じたものを、試料片に吸着した分のメチレンブルーの吸光度として評価した。そして、この吸光度を500nm〜650nmにわたって積分した積算吸光度を測定した。この値が大きいほど、メチレンブルーの脱色が顕著であることを意味するので、光触媒活性が高いと言える。
得られた紫外線照射前後における積算吸光度の減少量は、図7に示される通りであった。図7に示されるように、試料片#2、#5、#6、および#7の全試料片において、光触媒による酸化分解活性が認められた。特に、酸処理を行わずに熱処理した試料片#5よりも、酸処理を行った後に熱処理した試料片#6および#7の方が、高い分解活性を有していた。例2の結果で判明した通り、酸処理によりファイバ状物質の構造内に存在するナトリウムが除去されるため、試料片#6および#7にあっては、この不純物の除去により光触媒活性が向上したものと考えられる。
例5:透明機能性材料の作製
基材としてサファイア板(オルベパイオニア社製、5インチ(127mm)、A面)を用意した。このサファイア板のA面上に膜厚180nmの金属チタンをスパッタ法によって成膜して、4枚の試料片#8〜11を得た。テフロン製の水熱反応容器(100ml)に10MのNaOH80g(Ti基板が浸る程度)を入れ、試料片#10および#11を容器に立てかけるように沈めた。テフロン容器をステンレス容器で密閉し、120℃で2時間、NaOHと反応させた。反応後、上記ステンレス容器を水中で冷却し、試料片#10および#11を純水で洗浄した。この洗浄は、洗浄水が中性になることを確認できるまで行い、その後、室温で乾燥した。乾燥して得られた試料片#10および#11を0.1M硝酸中に10分間浸漬して酸処理を行った後、純水で洗浄した。さらに、試料片#9および#11について、大気中、500℃で加熱処理を行った。
作製した機能性材料の製造条件の詳細を表2に示す。
例6:透明機能性材料の特性分析
まず、例5で試料片#8〜#11について、X線回折装置(XRD:マックサイエンス、MXP−18)によって結晶構造を分析した。X線源としてはCu Kα線を用い、斜入射計測法(入射角:0.5°)にて、2θをスキャンした。その結果は、図8に示される通りであった。図8に示される結果から、試料片#8では金属チタンが、試料片#9では金属チタンとルチル型酸化チタンとの混合相が、試料片#10ではチタン酸構造が、試料片#11ではアナターゼ構造が、それぞれ確認された。
次に、試料片#8〜#11表面の破断面を走査型電子顕微鏡(日立製作所(株)製、SEM S−5200)で観察したところ、それぞれ、図9に示される画像が観察された。図9に示されるように、試料片#10および#11において、表面にファイバ状物質が基板に対して垂直方向に配向していること、および基板とファイバ状物質を含む被膜との間に、緻密な層が形成されていることが確認された。緻密層の厚みは200〜250nmであり、ファイバ状物質を含む層の厚みは200〜300nmであった。
次に、試料片#10、#11に含まれるファイバ状物質が中空構造であるかどうかを検証するため、ファイバ状物質の断面を薄片化した試料を透過型電子顕にて観察した。薄片試料化にはイオンミリング(Gatan社製、PIPS691)を用いた。透過型電子顕微鏡(日立製、H−9000UHR)によって、加速電圧300kVにて薄片化した試料を観察した。結果を図10に示すが、いずれも中空構造であることがあきらかになった。
さらに、得られた薄膜の光透過率を分光光度計(島津製作所製、UV−3150)で測定したところ、図11に示される通りの結果が得られた。すなわち、波長500nmでの透過率は、試料片#8が0%、#9が0%、#10が84.6%、#11が79.2%であった。一方、サファイア基板の透過率を測定したところ85.9%であった。そして、上記薄膜の透過率から基材における吸収および反射を差し引いた透過率は、試料片#10が98.3%、#11が93.3%となり、いずれも高い透明性を示した。なお、試料片#11はアナターゼ型酸化チタンになっているため、試料片#10よりもバンド間遷移による波長が長波長側にシフトしていた。
例7:光誘起親水化特性の評価
例5で作製された試料片#8〜#11について、作製後直ちに清浄な暗所に保管し、その後紫外線を照射し、更にその後清浄な暗所に保管しながら、薄膜の水との接触角を測定した。接触角の測定は、接触角計(協和界面科学社製、CA−X150)を用い、紫外線の照射は、10Wのブラックライト(東芝製)を用い、紫外線照度を1.0mW/cm2となるように照射した。紫外線照度の測定は、紫外線照度計(トプコン製、UVR−2)を用いた。
測定された接触角の変化は図12に示される通りであった。図12に示されるように、試料片#10および#11は低い接触角を長期間維持した。また、図11に示される試料片#10および#11の紫外線照射時における接触角の変化の拡大図を図13に示す。図13に示されるように、試料片#11の方がアナターゼ型酸化チタンに結晶化しているために試料片#10よりも親水化速度が速かった。
例2において観察された、本発明の試料片#1〜#7表面の各走査型電子顕微鏡画像である。 例2において観察された、本発明の試料片#2表面の微細組織の鳥瞰図(10°傾けた状態)の走査型電子顕微鏡画像である。(a)は25000倍の画像であり、(b)は90000倍の画像である。 例2において観察された、本発明の試料片#3の剥離した皮膜の断面の、走査型電子顕微鏡画像である。(a)は10000倍の画像であり、(b)は(a)において円で囲まれた部分の、45000倍の拡大画像である。 例2において観察された、本発明の試料片#4の剥離した皮膜の、走査型電子顕微鏡画像である。(a)は試料片#4の剥離した皮膜の断面の画像であり、(b)は(a)に示される緻密層とファイバ状物質を含む層との界面の拡大画像であり、(c)は(a)に示されるファイバ状物質の拡大画像である。 例3において測定された、本発明の試料片#1〜#4および比較例の試料片の、暗所における水との接触角の経時変化を示す図である。 例3において測定された、本発明の試料片#1〜#4、比較例の試料片、およびチタン基板における、紫外線照射による水との接触角の経時変化を示す図である。 例4において測定された、本発明の試料片#2、#5、#6、および#7のメチレンブルー分解活性を示す図であり、具体的には、分解活性を示す指標として紫外線照射前後における積算吸光度の減少量を示す。 例6において測定された、本発明の試料片#8〜#11のX線回折パターンを示す図である。 例6において観察された、本発明の試料片#8〜#11表面の破断面の走査型電子顕微鏡画像である。 例6において観察された、本発明の試料片#10、#11の断面を薄片化した試料の走査型電子顕微鏡画像である。 例6において測定された、本発明の試料片#8〜#11およびサファイア基板の光透過率を示す図である。 例7において測定された、本発明の試料片#8〜#11の、水との接触角の経時変化を示す図である。 図11に示される試料片#10および#11の、紫外線照射時における水との接触角の経時変化の拡大図である。

Claims (21)

  1. 基材と、
    該基材の表面に形成される、酸化チタン、チタン水酸化物、チタン酸、およびチタン酸塩からなる群から選択される少なくとも一種を含んでなる緻密層と、
    該緻密層の表面に形成される、酸化チタン、チタン水酸化物、チタン酸、およびチタン酸塩からなる群から選択される少なくとも一種を含んでなるファイバ状物質とを含んでなる、機能性材料。
  2. 前記ファイバ状物質が、3〜30nmの直径および50nm〜1μmの長さを有する、請求項2に記載の機能性材料。
  3. 該ファイバ状物質の長軸が基材に対して概ね垂直方向に配向している、請求項1または2に記載の機能性材料。
  4. 前記ファイバ状物質が結晶性を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の機能性材料。
  5. 前記結晶性を有するファイバ状物質が、その結晶格子内に、チタンイオン合計量に対して10モル%以下のアルカリ金属イオンおよび/またはアルカリ土類金属イオンを含有する、請求項1〜4に記載の機能性材料。
  6. 前記ファイバ状物質が中空ファイバである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の機能性材料。
  7. 前記中空ファイバが巻物状の層状のチタン酸またはその塩である、請求項6に記載の機能性材料。
  8. 前記中空ファイバが、3〜8nmの内径、8〜30nmの外径、50nm〜1μmの長さを有する、請求項6または7に記載の機能性材料。
  9. 前記緻密層の膜厚が1nm〜20μmである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の機能性材料。
  10. 前記緻密層が非晶質である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の機能性材料。
  11. 前記ファイバ状物質が、3nm〜100μmの厚さを有する被膜を形成してなる、請求項1〜10のいずれか一項に記載の機能性材料。
  12. 前記緻密層と前記ファイバ状物質とを含む被膜全体の波長500nmにおける透過率が80%以上である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の機能性材料。
  13. 前記基材が金属チタンを含んでなる、請求項1〜12のいずれか一項に記載の機能性材料。
  14. 前記緻密層および前記ファイバ状物質の少なくともいずれか一方が、バインダーをさらに含んでなる、請求項1〜13のいずれか一項に記載の機能性材料。
  15. 前記機能性材料が光触媒性部材である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の機能性部材。
  16. 請求項1〜15のいずれか一項に記載の機能性材料の製造方法であって、
    金属チタンを含んでなる基材をアルカリ性水溶液に接触させて反応させ、前記緻密層と前記ファイバ物質とを形成される工程を含んでなる、製造方法。
  17. 前記アルカリ性水溶液中での反応が、強アルカリ性水溶液中、60〜300℃で行われる、請求項16に記載の製造方法。
  18. 前記アルカリ性水溶液中での反応が、強アルカリ性水溶液中、100〜200℃で行われる、請求項16に記載の製造方法。
  19. 前記アルカリ性水溶液中での反応後、前記基材を酸性水溶液に漬浸する工程をさらに含んでなる、請求項16〜18のいずれか一項に記載の製造方法。
  20. 前記酸性水溶液に浸漬された基材を加熱する工程をさらに含んでなる、請求項19に記載の製造方法。
  21. 前記加熱が50〜600℃で行われる、請求項20に記載の製造方法。
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