JP2006272295A - 多孔質粉体の製造方法、多孔質粉体及びその用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】 汚泥焼却灰の有効な再利用を図り、均一で優れた調湿性を有する多孔質粉体を製造効率よく連続的に製造することができ、環境的にも問題がない、優れた調湿材料として適用することができる多孔質粉体の製造方法及び当該方法により得られた多孔質粉体、調湿材料を提供する。
【解決手段】 多孔質粉体の製造方法は、密閉型混練機を用いて、汚泥焼却灰と酸水溶液との接触により酸処理を行い、次いで中和剤により中和処理を行うことを密閉状態で連続的に実施し、具体的には、汚泥焼却灰と酸水溶液との混練工程Aと、該混練工程Aによる酸処理物と中和剤との混練工程Bとを同一軸上に配置し、該同一軸の上流から下流に向かって該汚泥焼却灰及び該酸処理物を連続的に送出しながら該混練工程A及びBを行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、多孔質粉体の製造方法、多孔質粉体及びその用途に関し、特に、汚泥焼却灰を用いて連続的に効率よく製造することできる、調湿性にすぐれた多孔質粉体の製造方法、当該方法により製造された調湿性にすぐれた多孔質粉体、当該多孔質粉体を調湿材料として用いる用途に関するものである。
近年、下水道の普及に伴い下水処理量は年々増加しており、それとともに発生する汚泥量も着実に増加してきている。
かかる増大する汚泥を処理するために、汚泥を減量化(減容化)することが行われており、そのため汚泥を焼却処理したり、汚泥を溶融処理したりすることが実施されている。
特に汚泥の焼却処理が積極的に行われており、それに伴い焼却灰の発生量も増加している。
このような現状下では、発生した汚泥や当該汚泥を焼却した焼却灰のほとんどが最終処分場で埋め立て処分されており、処分地の制約が大きい大都市のみならず、新たに下水処理を開始した中小都市においても莫大な埋め立て費用が大きな問題となっている。
そのため、例えば汚泥の焼却灰を加圧成形した後焼成してレンガを製造したり、前記焼却灰を加圧造粒して人造骨材にしたり、また、当該焼却灰を溶融して得られたスラグを路盤材に利用する技術等が提案されているが、その適用には限界がある。
また、最近、生活環境の快適性、具体的には快適な居住空間を実現するために住居の気密性が高くなってきている。
かかる居住空間の気密性を高めた結果、屋外と屋内で温度差が生じ、特に冬期の結露により、カビ、ダニが発生し、室内の汚れだけでなく、人体に対してもアレルギーを引き起こす等の問題が生じている。
これらの問題を解決すべく、調湿性にすぐれた建材の開発が進められている。
従来より、吸放湿性材料、例えば調湿性を有する材料として、木質系の建材を使用することによりこれらの問題を緩和してきたが、近年木材資源の高騰により、かかる木質系建材は非常にコスト高の材料となっており、使用が難しくなっている。
また、例えば、無機質系建材では、珪藻土、ゾノトライト、トバモライト等を主成分とするものが開発されているが、より安価に製造でき、所望する高い調湿性を得ることは難しく、より調湿性の高い材料の開発が望まれている。
かかる点に鑑み、特開2000−263012号公報には、汚泥焼却灰に、硫酸水溶液を添加後、乾燥することにより、BET比表面積が6.5m/g以上の多孔質粉体を製造する方法が開示されており、かかる方法によって得られた多孔質粉体は、調湿材料または脱臭剤として利用できることが記載されている。
更に、特開2002−79081号公報には、汚泥焼却灰に、塩酸水溶液又は硝酸水溶液を添加後、乾燥することにより、BET比表面積が7m/g以上の多孔質粉体を製造する方法が開示されており、かかる方法は、更に中和処理(水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム又は消石灰)をすることにより、製造設備の耐酸性対策が不要となり、また弱アルカリ性とすることでカビの発生を抑制できることが記載されている。
かかる方法により得られた多孔質粉体は、調湿材料または脱臭剤として利用することができることも記載されている。
また、特開2004−136189号公報には、汚泥焼却灰を酸処理(硫酸水溶液、塩酸水溶液又は硫酸水溶液)および中和処理(水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム又は消石灰)して得られた処理物を押し出し成形し、多孔質粒状成形体を製造する方法、及び当該方法により得られた多孔質粉体成形体を、調湿材料または脱臭剤として利用することが記載されている。
しかし、これら従来の多孔質粉体は、その製造にあたり、酸処理、中和処理および処理物の排出が開放型でバッチ式により製造しているため、作業性が劣り、製造効率が極めて悪く、反応性の優れる均一な特性を有する多孔質粉体を常時製造することは困難であるという問題があり、更に、混練時に発生する水蒸気および酸性ガスが大気中に拡散してしまい、酸処理効果を低減させるだけでなく、作業環境を悪化させていた。
特開2000−263012号公報 特開2002−79081号公報 特開2004−136189号公報
従って、本発明の目的は、上記問題点を解決し、汚泥焼却灰の有効な再利用を図り、優れた調湿材料として適用することができる、多孔質粉体の製造方法及び当該方法により得られた多孔質粉体を提供することである。
更に本発明の目的は、上記目的に加えて、均一で優れた調湿性を有する多孔質粉体を製造効率よく連続的に製造することができ、環境的にも問題がない、多孔質粉体の製造方法及び当該多孔質粉体を提供することである。
また、本発明の他の目的は、上記本発明の多孔質粉体を用いて、吸放湿性能に優れる調湿材料を提供することである。
本発明は、汚泥焼却灰を密閉型混練機を用いて酸処理及び中和処理を施して、更には、酸処理及び中和処理に用いる酸水溶液及び中和剤の添加を行うタイミングを図ることにより、上記課題が達成できることを見出し、達成するにいたった。
すなわち、本発明の多孔質粉体の製造方法は、密閉型混練機を用いて、汚泥焼却灰と酸水溶液との接触により酸処理を行い、次いで中和剤により中和処理を行うことを密閉状態で連続的に実施することを特徴とするものである。
更に好適には、前記本発明の多孔質粉体の製造方法において、汚泥焼却灰と酸水溶液との混練工程Aと、該混練工程Aによる酸処理物と中和剤との混練工程Bとを同一軸上に配置し、該同一軸の上流から下流に向かって該汚泥焼却灰及び該酸処理物を連続的に送出しながら該混練工程A及びBを行うことを特徴とする。
より好適には、上記本発明の多孔質粉体の製造方法において、該混練工程A及びBは、それぞれ汚泥焼却灰及び該酸処理物の送出密度が最も高い位置において、酸水溶液及び中和剤が投入されることを特徴とする。
更に、上記本発明の多孔質粉体の製造方法において、密閉型混練機は、二軸押し出し混練機であることが望ましい。
本発明の多孔質粉体は、上記本発明の製造方法により得られるものであることを特徴とする。
また、本発明の調湿材料は、前記多孔質粉体を有効成分とする調湿材料である。
本発明のように、多孔質粉体の製造方法は、密閉型混練機を用いて、汚泥焼却灰と酸水溶液との接触により酸処理を行い、次いで中和剤により中和処理を行うことを密閉状態で連続的に実施することにより、酸処理効果の低減を抑え、作業環境を改善することが可能となる。
しかも、汚泥焼却灰と酸水溶液との混練工程Aと、該混練工程Aによる酸処理物と中和剤との混練工程Bとを同一軸上に配置し、該同一軸の上流から下流に向かって該汚泥焼却灰及び該酸処理物を連続的に送出しながら該混練工程A及びBを行うため、酸処理及び中和処理において、十分かつ均一な混練処理を行うことができると共に、同一軸上に配置されているため、汚泥焼却灰や酸処理物を該軸方向に搬送するだけで、円滑かつ連続的に、良質な多孔質粉体を製造することが可能となる。
さらに、該混練工程A及びBは、それぞれ汚泥焼却灰及び該酸処理物の送出密度が最も高い位置において、酸水溶液及び中和剤が投入されているため、汚泥焼却灰や酸処理物が固体であり、他方、酸水溶液が液体、中和剤が液体(あるいはスラリー状)又は固体であるように、異なる相状態の材料同士であるにも拘らず、両者をより均一に混ぜ合わせることが可能となり、質の高い多孔質粉体を製造することができる。
また、上記密閉型混練機に二軸押し出し混練機を用いることで、より十分かつ均一な混練を実現できる。
本発明の製造方法により得られた多孔質粉体は、空孔や特性が均質であり、多孔質粉体として優れた特性を有するものである。
さらに、この多孔質粉体を調湿材料の有効成分として用いることにより、良好でかつ安定した調湿効果を発揮することが可能となる。
本発明を好適例により説明するが、これらに限定されるものではない。
本発明の多孔質粉体の製造方法は、密閉型混練機を用いて、汚泥焼却灰と酸水溶液との接触により酸処理を行い、次いで中和剤により中和処理を行うことを密閉状態で連続的に実施するものであり、当該多孔質粉体の製造方法において、特に、汚泥焼却灰と酸水溶液との混練工程Aと、該混練工程Aによる酸処理物と中和剤との混練工程Bとを同一軸上に配置し、該同一軸の上流から下流に向かって該汚泥焼却灰及び該酸処理物を連続的に送出しながら該混練工程A及びBを行う方法である。
そして、該混練工程A及びBは、それぞれ汚泥焼却灰及び該酸処理物の送出密度が最も高い位置において、酸水溶液及び中和剤が投入されるものである。
本発明の製造方法において使用する原料汚泥焼却灰としては、下水処理場で発生する汚泥を焼却した汚泥焼却灰の他に、し尿、家庭用雑排水、産業用排水処理等によって発生した汚泥の焼却灰等があげられ、これらは、一般に処理場で含水率60〜90質量%程度まで脱水処理された汚泥を焼却したものである。
本発明においては、これらの焼却灰をいずれも使用でき、1種または混合して用いてもよい。
特に、下水処理場で発生する汚泥量は、前記したように年々下水道の普及とともに増加しているので、本発明の方法は、汚泥の有効な再利用として極めて有用である。
また一般に、焼却灰には、高分子凝集剤を使用した汚泥を焼却したものと、石灰系凝集剤を使用した汚泥を焼却したものがあるが、減容化対策から最近では高分子凝集剤を使用したものが多く、本発明においては両者とも利用が可能ではあるが、石灰系凝集剤を使用した場合は石灰が多量に生成されるため、あまり好ましくない。
汚泥焼却灰の形態は、酸添加により十分な溶解反応が行われ、最終的に均質な多孔質粒状体が得られれば特に制限はされず、粉末等の成形されていないものに限らず、ペレット状、板状、錠剤状等に成形されたものでも酸添加による接触処理が可能であり、本発明の方法において使用することができる。
汚泥焼却灰に添加される酸水溶液としては、硫酸水溶液、塩酸水溶液、硝酸水溶液等の鉱酸を用いることが好ましく、これらの硫酸水溶液、塩酸水溶液又は硝酸水溶液としては、市場で入手しうる市販品や、金属精錬工業等から発生する廃硫酸、廃塩酸、廃硝酸等の水溶液も使用することもできる。
使用する酸水溶液の濃度としては、特に限定されないが、0.1〜13規定程度とするのが通常である。
また、汚泥焼却灰に添加される酸水溶液の添加量としては、100%の酸(硫酸、塩酸、硝酸等)に換算して、汚泥焼却灰100重量部に対し、0.5質量部以上、好ましくは4.0〜25質量部添加する。
これは、4.0質量部未満では、溶解反応が十分でないため、得られる多孔質粉体の調湿性能が劣る場合があり、一方、25質量部を超えて添加すると、乾燥後に表面が固くなり、多孔質化が阻害されて、得られる吸放湿性能が低下する場合があるからである。
また、添加混練時の温度は10〜90℃程度が、反応を促進する面から好ましい。
このように、汚泥焼却灰に、酸水溶液を添加して混合又は混練することにより、焼却灰表面が浸漬状態になり、焼却灰中に含有されている酸可溶性成分が溶解除去されて、酸処理物を多孔質化することができる。
焼却灰と酸水溶液との混練時間は、汚泥焼却灰の特性に応じて、任意に設定することができる。
かかる酸処理混練時間を変化させることにより細孔径分布を変化させることが可能である。すなわち、混練時間を長くすることにより、例えば、10nm以下、特に6nm以下の微細な細孔容積を更に増加させることが可能であり、これらの微細な細孔容積が増加するほど、水蒸気の吸放湿性能を高めることができる。
通常、酸水溶液添加後、0.1時間〜10日程度、好ましくは、0.1時間〜1日程度とするのが適当である。
次いで、得られた酸処理物を中和処理する。
これは、多孔質の粉体とする場合、そのままでは、粉体製造設備の耐酸性対策が必要となるからであり、これらの問題は、当該中和処理を行うことにより解決できる。
上記中和処理は、汚泥焼却灰に酸水溶液を添加し接触処理した後、中和剤を添加してpHを5.5〜9.0程度にすることにより行われる。
中和剤としては、例えば、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カルシウム(Ca(OH))、消石灰、アンモニア、CaCOを主成分とするライムストーン(石灰岩)、コーラルサンド等のアルカリ性の材料を挙げることができ、特に、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、消石灰等が好適である。
また、中和剤の添加量は、処理物がpH5.5〜9.0となるように添加する。
このように、酸処理物に、中和剤を添加して混合又は混練することにより、粉体製造設備の耐酸性対策が不必要となり、多孔性が良好な粉体を得ることができる。
より具体的に、本発明の多孔質粉体の製造方法及び製造装置について説明する。
良質な多孔質粉体を製造するには、汚泥焼却灰と酸水溶液との混合・混練作業、酸処理された汚泥焼却灰(酸処理物)と中和剤との混合・混練作業を、十分に行うと共に連続的に処理する必要がある。
また、酸処理効果を低減を防止し、作業環境を良好に保つためには、混練時に発生する水蒸気および酸性ガスが大気中に拡散することを抑制する必要がある。
このような観点から、本発明者らは本発明の多孔質粉体の製造方法は、密閉型混練機により行われることが適し、特に、混練機構として二軸押し出し混練機が最も好ましいことを見出した。
好適な二軸押し出し混練機の具体的構成としては、スクリュー本数が2本または3本であり、二本軸は、平行なタイプあるいはコニカルなタイプでスクリューが軸を斜交させたもののいずれでも可能である。
また、スクリューフライトは、かみ合い型又は非かみ合い型のいずれでも可能であるが、前者の方が混練効果が大きいので好ましい。
スクリュー回転方向は、同方向又は異方向のいずれでも可能であるが、前者の方が混練効果が大きいので好ましい。
このような二軸押し出し混練機を用いて、当該押し出し混練機の同一軸上に沿って、汚泥焼却灰投入部、酸水溶液投入部、中和剤投入部を、押し出し方向の上流側から下流に向かって順次配置して、それぞれ、汚泥焼却を投入し、上記した酸水溶液を用いて酸処理を行い、上記中和剤を用いて中和処理を行う。
本発明の方法においては、各前記処理を密閉状態で連続して実施して、混練機全体の密閉度を高めることが必要であり、このため、各投入部には以下のような構造を採用する。
汚泥焼却灰投入部では、汚泥焼却灰をサークルフィーダーやロータリーフィーダーなどの定量供給機により、二軸押し出し混練機に投入する。
酸水溶液投入部では、上記硫酸水溶液、塩酸水溶液または硝酸水溶液などの酸水溶液を定量ポンプで注入する。
また、中和剤投入部では、水酸化ナトリウム水溶液または水酸化カルシウム又は消石灰のスラリーなどの中和剤を定量ポンプで注入する。
なお、これらの投入部の機構は、全て自動化することが可能であり、これらの機構を用いて、二軸押し出し混練機を含む多孔質粉体の製造工程全体を自動化することも可能となる。
二軸押し出し混練機の同一軸上に沿って汚泥焼却灰や酸処理物が連続的に搬送されているが、これら搬送物の送出密度は通常一定では無く、主に搬送に寄与する部分と混練に居する部分とがある。
二軸押し出し混練機に対する酸水溶液投入部及び中和剤投入部の配置位置は、汚泥焼却灰及び酸処理物である搬送物の送出密度が最も高い位置に配置されることが好ましい。
搬送物の送出密度が高い場所は、最も搬送物が集中している場所であり、二軸押し出し混練機内のシリンダー全体に搬送物が詰まっている場所でもある。
このような場所では、投入される液体(スラリー状を含む)や固体は、搬送物に強く押し付けられ、搬送物と均一に混じり合うことが可能となる。
また、シリンダーの周囲からこれらの酸水溶液や中和剤が投入されるため、搬送物とシリンダーと隙間にこれらの投入物が入り込み、搬送物とシリンダーとの摩擦力を緩和し、円滑な搬送を実現するための潤滑作用も期待できる。
搬送物の送出密度が高い場所とは、スクリューの軸に対する角度が直角に近づく場所であり、同一軸方向で搬送部分と混練部分とが分けられる場合には、混練部分に入る入口部分などがこれに該当する。
二軸押し出し混練機の下流端から押し出された処理物は、このまま乾燥・粉砕して多孔質粉体として使用される。また、押し出された処理物を成形機に入れ、成形後乾燥して使用することも可能である。
また、直接乾燥しても良いし、一旦水洗後濾過しその残留物を乾燥しても良い。
一旦水洗後乾燥することにより処理物表面の不純物等を除去することが可能であり、吸着性能も向上する。
乾燥方法としては、特に制限はないが、例えば、回転ドラム式乾燥機、パドル式乾燥機、流動層式乾燥機、気流乾燥機、遠心薄膜式乾燥機等を用いた乾燥方法が挙げられ、下水処理場で現状使用している乾燥機を用いた乾燥方法でも十分に対応可能である。また、乾燥温度は、90〜300℃が好ましい。
乾燥後の含水率は、5質量%以下が好ましく、絶乾状態が特に優れた効果を示す。乾燥が不十分では細孔容積が減少すると共に水分の吸放湿性能が低下してしまう。
ここで、含水率は、「下水試験方法(1997年度版)第4章第6節蒸発残留物及び含水率」に準拠して、乾燥前の試料重量と、105〜110℃で2時間乾燥後の試料重量とを測定し、(乾燥前の重量−乾燥後の重量)/(乾燥前の重量)に対する百分率で表される。
以上、本発明の多孔質粉体の製造方法により、得られた乾燥処理物である多孔質粉体は、汚泥焼却灰に対する酸処理および中和処理効果が十分に発揮されたものであり、極めて微細な細孔容積が増大された多孔質であるため吸湿性が高く、又放湿性も良好であるため、吸放湿性能が従来のものより向上した調湿材料として、好適に利用することができる。
本発明を次の実施例、比較例及び試験例により一層具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
実施例1
下水汚泥焼却灰として、高分子凝集剤を添加後脱水した汚泥を、流動床型焼却炉にて焼却したものを使用し、密閉型混練機であるディスクニーダー(TNHW−100型:ホンダ鉄工社製)を用いて、当該下水汚泥焼却灰を上流側から導入して送出し、塩酸を、当該下水汚泥焼却灰の送出密度がもっとも高い箇所で、当該下水汚泥焼却灰(乾燥灰)100重量部に対して、塩酸を100%塩酸に換算して20重量部添加し、十分に混練して酸処理を施した。
次いで、密閉状態のまま連続して、酸処理物を送出して酸処理物の送出密度がもっとも高い箇所で、当該下水汚泥焼却灰(乾燥灰)100重量部に対して、28.6%水酸化ナトリウム溶液を52.5重量部添加し、十分に混練して中和処理を施した後、下流側に送出し、これを105℃で2時間保持して乾燥させ、多孔質粉体を得た。
多孔質粉体の含水率は、0質量%であった。
比較例1
ニーダー(KDAJ−200型:不二パウダル社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、多孔質粉体を製造した。得られた多孔質粉体の含水率は0質量%であった。
試験例
上記実施例1及び比較例1で得られた多孔質粉体の吸放湿試験を、次の方法により、行った。
シャーレに入れた試料5gを、飽和溶液法により相対湿度(RH)を調節したデシケータ内に静置して行った。
具体的には、20℃の恒温室において、このデシケータの底に塩類飽和溶液を入れることにより相対湿度50%の環境を設定し、水分吸着量がほぼ平衡に達する24時間吸湿後の重量(事前調湿)を測定し、次いで前記平衡状態に達した各試料を、前記と同様に、20℃の恒温室において、このデシケータの底に塩類飽和溶液を入れることにより相対湿度90%の環境を設定し、0時間、3時間後、6時間後、24時間後の吸湿後の重量を測定して、吸湿試験を行った。
次いで、吸湿試験後の試料を同様に、20℃の恒温室において、相対湿度50%の環境を設定したデシケータに移して、0時間、3時間後、6時間後、24時間後の放湿後に試料を秤量して、放湿試験を行った。
その試験結果を図1に示す。
但し、最初に試料を20℃の恒温室において相対湿度50%の環境を設定して24時間静置した事前調湿後の試料の重量を重量変化率100%として表して、各吸湿過程及び放出過程における各試料の重量変化率で表示した。
図1から、実施例1で得られた多孔質粉体は、比較例1で得られた多孔質粉体と比較して、重量変化率が大きく、吸放湿性能が向上していることがわかる。
これは、実施例1の方法のほうが、混練効果が大きいために、反応性が向上し、微細な孔が多く増えて、吸放湿性能が向上したと考えられる。
本発明の多孔質粉体は、調湿材料のみならず、悪臭ガス吸着材としても有効に適用することができる。
多孔質粉体の吸放湿性能を示した線図。

Claims (6)

  1. 密閉型混練機を用いて、汚泥焼却灰と酸水溶液との接触により酸処理を行い、次いで中和剤により中和処理を行うことを密閉状態で連続的に実施することを特徴とする、多孔質粉体の製造方法。
  2. 請求項1記載の多孔質粉体の製造方法において、汚泥焼却灰と酸水溶液との混練工程Aと、該混練工程Aによる酸処理物と中和剤との混練工程Bとを同一軸上に配置し、該同一軸の上流から下流に向かって該汚泥焼却灰及び該酸処理物を連続的に送出しながら該混練工程A及びBを行うことを特徴とする、多孔質粉体の製造方法。
  3. 請求項2記載の多孔質粉体の製造方法において、該混練工程A及びBは、それぞれ汚泥焼却灰及び該酸処理物の送出密度が最も高い位置において、酸水溶液及び中和剤が投入されることを特徴とする、多孔質粉体の製造方法。
  4. 請求項1〜3いずれかの項記載の多孔質粉体の製造方法において、密閉型混練機は、二軸押し出し混練機であることを特徴とする、多孔質粉体の製造方法。
  5. 請求項1〜4いずれかの項記載の製造方法により得られる多孔質粉体。
  6. 請求項5記載の多孔質粉体を有効成分とする調湿材料。
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