JP2006270664A - 周波数誤差検出装置 - Google Patents

周波数誤差検出装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006270664A
JP2006270664A JP2005087497A JP2005087497A JP2006270664A JP 2006270664 A JP2006270664 A JP 2006270664A JP 2005087497 A JP2005087497 A JP 2005087497A JP 2005087497 A JP2005087497 A JP 2005087497A JP 2006270664 A JP2006270664 A JP 2006270664A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
frequency error
code
symbol
cumulative addition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005087497A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4621046B2 (ja
Inventor
Jun Satsumabayashi
純 薩摩林
Takeshi Koarai
健 小洗
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Radio Co Ltd
Original Assignee
Japan Radio Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Radio Co Ltd filed Critical Japan Radio Co Ltd
Priority to JP2005087497A priority Critical patent/JP4621046B2/ja
Publication of JP2006270664A publication Critical patent/JP2006270664A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4621046B2 publication Critical patent/JP4621046B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)

Abstract

【課題】変調方式で定められた位相遷移の真値に基づいて定まる周波数誤差よりも大きい周波数誤差を検出することが可能な周波数誤差検出装置を提供する。
【解決手段】A/D変換部14は、無線回路部12から入力されたI信号およびQ信号にn倍サンプルを施して、周波数制御部20および制御符号列抽出部16に入力する。制御符号列抽出部16は、入力された信号からシンボル点の位相遷移の累積加算値が周期性を有するI’信号およびQ’信号を抽出し、周波数誤差信号生成部18に入力する。周波数誤差信号生成部18は、I’信号およびQ’信号に基づいて周波数誤差信号を生成して周波数制御部20に入力する。周波数制御部20は、周波数誤差信号に基づいて、入力されたI信号およびQ信号が呈するシンボル点の位相誤差を補償する。
【選択図】図1

Description

本発明は、変調信号の周波数誤差を検出する周波数誤差検出装置に関する。
ディジタル変調方式を採用する無線通信機器に組み込まれる受信装置は、ディジタル直交変調信号(以下、単に直交変調信号とする。)を復調するディジタル復調部を備える。直交変調信号は、ディジタル符号による情報単位として定義されたシンボル符号を、搬送波の位相または位相変化、または振幅に対応付けたものである。直交変調信号を複素ベクトルによって表すと、その複素ベクトルの成分値はシンボル符号を対応付ける周期、すなわちシンボル周期に従って、予め定義された座標値に所定の時間滞留しつつ変化する。
一般に、受信装置は、直交検波器によって直交変調信号から同相成分信号(以下、I信号とする。)および直交成分信号(以下、Q信号とする。)を抽出する。I信号の値を横軸、Q信号の値を縦軸としたシンボル平面上に、I信号の値およびQ信号の値をプロットして時間変化に対する軌跡を描くと、その軌跡は直交変調信号を表す複素ベクトルが複素平面上で描く軌跡と相似形となる。すなわち、シンボル平面上において原点を基準にして描かれたベクトル軌跡は、直交変調信号の複素ベクトルが描く軌跡を写像したものであるといえる。このことから、本明細書では、シンボル平面上でI信号およびQ信号によって描かれるベクトル軌跡の偏角を、シンボル平面上での位相と称することとする。また、I信号およびQ信号によって描かれる軌跡が、シンボル周期ごとにシンボル平面上でとり得る座標点をシンボル点と、シンボル平面上でシンボル点を表すベクトルの偏角をシンボル点の位相と称することとする。
ディジタル復調部はI信号およびQ信号が呈するシンボル点の位相等に基づいてシンボル符号を再現した後、同期検波や遅延検波等の符号検波、誤り訂正等を行い、シンボル周期ごとに得られるシンボル符号からディジタル符号を得て、これを時系列で配置したディジタル信号を出力する。
直交変調信号の周波数には、直交変調信号の送信元の装置の周波数精度が十分でないこと、電磁波の伝搬路の非線形性等によって惹き起こされる周波数誤差が含まれる。そして、この周波数誤差はシンボル点の位相の誤差となって現れ、ディジタル符号の復号誤りの原因となる。したがって、周波数誤差が大きいと抽出されるディジタル信号の誤り率が増加する傾向が強くなるため、ディジタル復調部が符号検波以降の処理を行うためには、含まれる周波数誤差をなるべく小さくすることが好ましいといえる。
誤り率は、携帯電話端末等の無線通信機器の受信状態の良好度を示す指標であり、受信感度、妨害波耐性等の受信性能は誤り率を以て定義されることが一般的である。例えば、受信感度は、誤り率が所定値以下であることを保証することのできる受信信号電力に基づいて定義され、妨害波耐性は、あるレベルの受信信号が受信されているときに、誤り率が所定値以下であることを保証することのできる妨害波電力を以て定義される。したがって、周波数誤差を小さく抑え、誤り率の増加傾向を抑えることによって受信性能を向上することができるといえる。
そこで、同期検波や遅延検波等の符号検波を行う符号検波部の前段には、周波数誤差信号生成部および周波数制御部を設け、周波数誤差信号生成部においてI信号およびQ信号によって周波数誤差信号を生成し、それに基づいて、周波数制御部がI信号およびQ信号が呈するシンボル点の位相誤差を補償する構成とすることが一般的である。ここで、シンボル点の位相誤差は周波数誤差に起因するものである。また、周波数誤差信号とは周波数誤差に関する情報を有する信号をいう。
図6にディジタル復調部の一部の構成を示す。ここでは、変調方式として、±π/2で位相が遷移するMSK変調方式(Minimum Shift Keying)を採用する場合について考える。
周波数誤差信号生成部42は入力されたI信号およびQ信号に基づいて、隣接するシンボル点間の位相遷移Δθを算出し、(1)式に従って周波数誤差Δfを算出する。
(数1)
Δf=(2Δθ+π)/(4πT) (1)
ここに、Tはシンボル点を直交変調信号の位相変化に対応付ける際の周期、すなわちシンボル周期である。(1)式によって周波数誤差Δfを算出することができる理由については後述する。
周波数誤差信号生成部42は、周波数誤差Δfの情報を有する周波数誤差信号を生成して周波数制御部20に入力する。周波数制御部20は、別途入力されているI信号およびQ信号が呈するシンボル点の位相誤差を、周波数誤差信号生成部42から入力された周波数誤差信号に基づいて補償し、位相誤差が補償されたI信号およびQ信号を符号検波部22に入力する。符号検波部22は、周波数制御部20から入力されたI信号およびQ信号からディジタル信号を抽出して出力する。
このような構成によれば、周波数制御部20において周波数誤差に起因するシンボル点の位相誤差が補償されるため、誤り率の増加傾向が抑えられ、受信性能を向上させることができる。
次に、(1)式によって周波数誤差Δfを算出することができる理由について説明する。Δθは、位相遷移の真値Δθmと周波数誤差に起因する位相誤差Δθfによって(2)式のように表される。
(数2)
Δθ=Δθm+Δθf (2)
(2)式の右辺において周波数誤差に関係する項はΔθfのみである。したがって、Δθmを消去してΔθとΔθfとの関係を導出すれば、Δθを用いてΔθfを算出することができ、Δθfから更に周波数誤差を算出することができる。このような方針の下で(2)式の両辺を2倍すると(3)式のようになる。
(数3)
2Δθ=2Δθm+2Δθf=2Δθf+π、または2Δθf−π (3)
ここで、(3)式の中央の式から右辺に至る計算においては、(3)式の中央の式のΔθmが、π/2または−π/2の値のいずれかの値をとることを用いた。更に(3)式の両辺にπを加えると、(4)式が得られる。
(数4)
2Δθ+π=2Δθf (4)
ここで、(4)式を得る過程では、シンボル平面上においては0と2πは同一の点に縮退しているため、2πを0に置き換えることが可能であることを用いている。
(4)式をΔθfについて解き、Δθfと周波数誤差Δfとの間には次の(5)式のような関係があることを用いれば、(1)式が得られる。
(数5)
Δf=Δθf/(2πT) (5)
なお、次の文献には、入力信号の中のある程度離れた位置に配置された2つのシンボルセットに基づいて周波数誤差を検出し、当該周波数誤差に基づいて入力信号の周波数を制御する手段を備えた無線通信装置が開示されている。
特開2004−140790号公報
図6に示す周波数誤差信号生成部42において検出することができる周波数誤差の範囲は、|Δf|<1/(4T)である。すなわち、シンボル周期の逆数の4分の1の周波数ずれまでしか検出することができない。その理由を次に示す。
(4)式は、ΔθとΔθfとの間には、2Δθ+π=2Δθfの関係があることを示し、これは隣接するシンボル点間の位相遷移Δθを2倍し、その値にπを加算すれば周波数誤差に起因する位相誤差を2倍した値が一義的に定まることを意味する。ところが、2Δθfを2で除す際には、−π<2Δθf<0の領域が−π/2<Δθf<0の領域に、0<2Δθf<πの領域が0<Δθf<π/2の領域にそれぞれ写像され、とり得る値の範囲が半分になることに注意しなければならない。すなわち、Δθfのとり得る値の範囲は2Δθfのとり得る値の範囲の半分となり、次の(6)式が成立する。
(数6)
−π/2<Δθf<π/2 (6)
これに(5)式を適用することで、検出することのできる周波数誤差の範囲が次の(7)式のように求まる。
(数7)
−1/(4T)<Δf<1/(4T) (7)
したがって、(1)式に従って周波数誤差を算出し、それを補償することとした場合、補償することのできる周波数誤差はシンボル周期の逆数の4分の1の周波数であることとなる。(7)式で表される周波数誤差の範囲は、変調方式によって定まる固有の値であり、位相遷移の真値Δθmがπ/2または−π/2のいずれかの値をとることに基づくものである。
周波数誤差に起因するI信号およびQ信号が呈するシンボル点の位相誤差を小さく抑え、誤り率の増加傾向を抑えることによって受信性能を向上することができることは上述の通りである。近年においては、通信周波数割り当ては過密状態にあり、相互変調や混変調等による受信妨害に対しては十分な耐性が要求される。また、ディジタル機器等の普及により、ディジタル信号の高調波雑音に対する耐性も高めておく必要がある。このような状況を鑑みると、携帯電話端末等の無線通信機器に用いられるディジタル復調部は、(7)式で表される程度の周波数誤差を検出し、補償するだけでは不十分であるといえる。
本発明はこのような課題に対してなされたものであり、変調方式で定められた位相遷移の真値に基づいて定まる周波数誤差よりも大きい周波数誤差を検出することが可能な周波数誤差検出装置を提供する。
本発明は、符号列によって変調された変調信号の周波数誤差を検出する周波数誤差検出装置であって、前記符号列を構成する符号をシンボル点の位相遷移に対応付けた符号対シンボル信号を、前記変調信号から抽出する符号対シンボル信号抽出部を含み、前記符号列は、当該符号列を構成する符号に対応付けられたシンボル点の位相遷移の累積加算値が予め定められた周期ごとに同一の値をとるという規則性を有し、周波数誤差検出装置は、符号対シンボル信号が呈するシンボル点の位相遷移について累積加算を行う累積加算部を含み、累積加算部は、前記予め定められた周期にわたる累積加算を行い、周波数誤差検出装置は、累積加算部が累積加算を行った結果に基づいて変調信号の周波数誤差を検出することを特徴とする。
また、本発明に係る周波数誤差検出装置においては、前記符号列は、当該符号列を構成する符号に対応付けられたシンボル点の位相遷移の累積加算値が任意のタイミングで予め定められた周期ごとに同一の値をとるという規則性を有する構成とすることが好適である。
また、本発明に係る周波数誤差検出装置においては、符号対シンボル信号抽出部は、前記符号をシンボル点の位相遷移に対応付けた時間間隔より短い時間間隔で符号対シンボル信号をサンプリングした値を出力する構成とすることが好適である。
本発明によれば、変調信号の位相遷移の真値に基づいて定まる周波数誤差よりも大きい周波数誤差を検出することが可能となる。その結果、従来よりも大きい周波数誤差を補償することが可能なディジタル復調部を実現することができるため、受信性能を向上した受信装置を実現することができる。
図1に本発明の実施形態に係る受信装置の構成を示す。この受信装置は、携帯電話端末等の無線通信機器の受信手段として組み込まれるものである。本発明は、一般的なFSK変調(Frequency Shift Keying)あるいはPSK変調(Phase Shift Keying)が施された信号を受信する受信装置に適用可能であるが、ここでは、FSK変調方式の特殊な態様であるMSK変調方式で変調された直交変調信号を受信する場合を考える。
受信信号入力端10から入力された直交変調信号は無線回路部12に入力される。無線回路部12は、入力された直交変調信号を増幅して周波数変換を行った後、直交検波を施すことによってI信号およびQ信号を抽出してA/D変換部14に入力する。
A/D変換部14は、入力されたI信号およびQ信号の単位シンボル周期をn倍サンプル(nは自然数)してディジタル信号に変換し、ディジタル信号としてのI信号およびQ信号を制御符号列抽出部16および周波数制御部20に入力する。
制御符号列抽出部16は、入力されたI信号およびQ信号から制御符号列の情報を有する信号を抽出する。ここで、制御符号列抽出部16に入力される信号と制御符号列との関係について説明する。制御符号列抽出部16に入力される信号は、図2に示すようなフレーム符号列30を構成する符号をシンボル符号ごとにI信号の振幅およびQ信号の振幅に反映させたものである。一つのフレーム符号列30は複数のスロット符号列32から構成され、一つのスロット符号列32は更に制御符号列34a、および情報符号列34bから構成される。そして、各スロット符号列32の後端には、スロット符号列32の終端であることを示すガードピリオド34cが設けられている。図2では一つのフレーム符号列30がk個(kは2以上の自然数)のスロット符号列32から構成される場合を示している。一般的な無線通信システムでは、複数のフレーム符号列30が連なって更に大きな符号列が構成されるが、ここでは説明を簡単にするため、フレーム符号列30、スロット符号列32、制御符号列34a、情報符号列34b、およびガードピリオド34cの関係を示すこととする。このように、フレーム符号列30を複数のスロット符号列32に分割することで時間領域分割多重通信が可能となる。一つの無線通信機器に対しては一つのスロット符号列32が割り当てられ、無線通信機器の各々は、自らに割り当てられたスロット符号列32に対してのみ通信処理を行う。また、制御符号列34aは、無線通信機器が自らの動作タイミングを決定するための制御情報を有し、情報符号列34bは通信対象に関する情報を有する。
無線通信機器が自らのスロット符号列32を取得するおおよそのタイミングは、スロット符号列32の集まりであるバーストの立ち上がりを検出することで取得しており、受信装置が自らのスロット符号列32を取得するタイミングを予め認識している必要はない。
バーストの立ち上がりの検出は電力値の検出に基づいて行う。図2に示すようにガードピリオド34cの大部分は熱雑音程度の電力値を呈し、その値はバーストが有する電力値よりも小さい。そこで、制御符号列抽出部16は、電力値の小さいガードピリオド34cと情報符号列34bの境界で双方の電力値の比をとり、その比が予め定められた閾値を超えた場合、バーストの立ち上がりであるとみなす。このようにバーストの立ち上がりを検出することで、スロット符号列32を取得するための概ね正確なタイミングを把握することができ、制御符号列34aを検出することができる。
フレーム符号列30、およびスロット符号列32は、「0」または「1」で表される符号が、シンボル符号単位でシンボル周期間隔で配列されたものである。ここでは、1つのシンボル符号に一桁の符号を割り当てることとする。したがって、ある一つの符号から次の符号へ至るまでの時間は1シンボル周期であり、ここではA/D変換部14によってn倍サンプルされているため、一つの符号から次の符号へ至るまでの間には、n個のサンプル値がA/D変換部14から出力されることとなる。直交変調では、符号が「0」であればシンボル平面上のシンボル点をπ/2だけ回転させ、符号が「1」であればシンボル平面上のシンボル点を−π/2だけ回転させる。逆に直交復調の観点からは、シンボル点がπ/2だけ回転した場合には、符号「0」が取得され、シンボル点が−π/2だけ回転した場合には、符号「1」が取得されることになる。
制御符号列抽出部16は、割り当てられたスロット符号列32において制御符号列34aが現れるタイミングを把握し、制御符号列34aに対応するI信号およびQ信号を抽出する。この制御符号列34aを構成する符号のパターン、ならびに制御符号列34aを構成する符号とI信号およびQ信号が呈するシンボル点の位相遷移Δφとの対応関係は、システムにおいて予め定義されている。図3(a)には制御符号列34aを構成する符号のパターンの例を、図3(b)には制御符号列34aを構成する符号とI’信号およびQ’信号が呈するシンボル点の位相遷移Δφとの対応関係を示す。ここでは、「1」に対してΔφ=−π/2を、「0」に対してΔφ=π/2を対応付けている。
このような対応付けの下、シンボル点の位相遷移の累積加算値ΣΔφと、I’信号およびQ’信号の正規化振幅とを対応付けて表したものが図3(c)である。例えば、図3(c)のシンボル番号0からシンボル番号3のようにシンボル点の位相遷移の累積加算値ΣΔφが変化する場合は、図3(d)のシンボル番号0からシンボル番号3で示される点のようにシンボル点が移動する。ここで、I’信号およびQ’信号のプライム記号は、制御符号列34aに対応する信号であることを意味し、A/D変換部14から入力されたI信号およびQ信号と区別するために付している。
制御符号列34aを構成する符号のパターンは、I’信号およびQ’信号が呈するシンボル点の位相遷移の累積加算値ΣΔφの規則性に着目して定義されている。図4は、制御符号列34aを構成する符号のパターンが予め適切に定義されているという条件の下、シンボル点の位相遷移の累積加算値ΣΔφをグラフに示したものである。図4から明らかなように、シンボル点の位相遷移の累積加算値ΣΔφは16シンボルの周期を有する。これは、ある時点のシンボル点の位相角を零とし、そこから16シンボルにわたってシンボル点の位相遷移を累積加算するとその結果が零になることを意味する。このような周期性は、自らを構成する符号に対応付けたシンボル点の位相遷移の累積加算値が周期性を有するよう、制御符号列34aを構成する符号を定義することで実現することができる。本実施形態では、制御符号列34aに定義づけられたこのような規則性を利用して周波数誤差を算出する。
また、先の説明では、バーストの立ち上がりを検出することでスロット符号列32を取得するための概ね正確なタイミングを把握することができ、制御符号列34aを検出することができる点について触れた。ここで、制御符号列34aは、任意のタイミングで16シンボル点間の累積加算値が同一となるという特徴を有しているので、制御符号列34aを検出したタイミングにずれがあっても周波数誤差の検出が可能である。
制御符号列抽出部16は、入力されたI信号およびQ信号からI’信号およびQ’信号を抽出し、周波数誤差信号生成部18に入力する。周波数誤差信号生成部18は、I’信号およびQ’信号のシンボル点の一つを基準にし、そこから16シンボルにわたってシンボル点の位相遷移の累積加算値Φを算出する。各サンプル点間での位相遷移をΔφi(iは1から16nまでの整数であり、nはシンボル周期間でのサンプル数である。)とすれば、シンボル点の位相遷移の累積加算値Φは次の(8)式のようにして算出される。
(数8)
Φ=ΣΔφi (8)
ここに、Σはi=1からi=16nまでについて加算合計を行うことを意味するものであり、以降の式において同じとする。周波数誤差信号生成部18は、更に次の(9)式に基づいて周波数誤差を算出する。
(数9)
Δf=Φ/(32πT) (9)
周波数誤差信号生成部18は、(9)式に従って算出した周波数誤差の情報を含む周波数誤差信号を周波数制御部20に入力する。周波数制御部20は、別途入力されているI信号およびQ信号が呈するシンボル点の位相誤差を、周波数誤差信号生成部18から入力された周波数誤差信号に基づいて補償し、位相誤差が補償されたI信号およびQ信号を符号検波部22に入力する。符号検波部22は、周波数制御部20から入力されたI信号およびQ信号からディジタル信号を抽出して出力する。
上述のように、本実施形態では、n倍サンプルされたI信号およびQ信号から、制御符号列34aの符号を反映させたI’信号およびQ’信号を抽出し、I’信号およびQ’信号が呈するシンボル点の位相遷移の累積加算値に基づいて周波数誤差を算出している。このように周波数誤差を算出することで、変調方式で定められた位相遷移に基づいて定まる周波数誤差よりも大きい周波数誤差を検出することが可能となる。その理由について以下に説明する。
I’信号およびQ’信号が呈する各サンプル点間での位相遷移Δφiを真値Δφmiと周波数誤差に起因する位相誤差Δφfとに分けて(8)式を書き表すと次の(10)式のようになる。
(数10)
Φ=ΣΔφi=Σ(Δφmi+Δφf)=Σ(Δφmi)+Σ(Δφf) (10)
ここで、(10)式の右辺の第1項、は制御符号列34aの性質により零となる。したがって、シンボル点の位相遷移の累積加算値Φは、周波数誤差に起因する位相誤差Δφfの寄与分のみとなり、Φは次の(11)式のように表される。
(数11)
Φ=Σ(Δφf)=16nΔφf (11)
上述の(9)式は、(11)式をΔφfについて解き、更に次の(12)式の関係を用いて得られるものである。
(数12)
Δf=nΔφf/(2πT) (12)
次に、(9)式に従って検出することのできる周波数誤差の範囲について検討する。Δφmiは、π/(2n)または−π/(2n)のいずれかの値のみしかとりえないため、Δφiは(13)式のように表される。
(数13)
Δφi=Δφmi+Δφf
=Δφf+π/(2n)またはΔφf−π/(2n) (13)
ここで、Δφfは任意の範囲で値をとり得る一方、Δφiは周波数誤差検出に際して−π<Δφi<πの範囲での値しか許されない。これはΔφiがシンボル平面上において実際に測定すべき値であるためである。すなわち、理論的には任意のΔfに対して、−jπ<Δφi<jπ(jは自然数)の範囲でΔφiの値を対応させることができるが、シンボル平面は1枚であるためjの値を特定できないため、j=1であるとみなしてΔφiの定義される範囲を−π<Δφi<πとしているためである。したがって、Δφiがπ以上となる範囲でのΔφfの値は検出することが不可能となるため、(13)式のΔφi=Δφf+π/(2n)が成立する場合においては、次の(14)式で定まる範囲がΔφfを検出することが不可能な範囲となる。
(数14)
Δφf≧π−π/(2n) (14)
また、Δφiが−π以下となる範囲でのΔφfの値もまた検出することが不可能であるため、(13)式のΔφi=Δφf−π/(2n)が成立する場合においては、次の(15)式で定まる範囲がΔφfを検出することが不可能な範囲となる。
(数15)
Δφf≦−π+π/(2n) (15)
(13)式の右辺のいずれもが成立するためには、Δφfを検出することが可能な範囲は(14)式および(15)式の和集合を除いた範囲となるため、次の(16)式または(17)式で表されることとなる。
(数16)
−π+π/(2n)<Δφf<π−π/(2n) (16)
(数17)
−π+|Δφmi|<Δφf<π−|Δφmi| (17)
この式は、周波数誤差に起因する位相誤差を検出することが可能な範囲が、単位サンプル点間での位相遷移の2倍だけ、シンボル平面上から侵食されることを意味している。これを別の観点から捉えると、シンボル平面上を一回転する範囲内の値によって位相角を表現することができる範囲の境界点は±πであるが、その点から単位サンプル点間の位相遷移だけ前後する範囲については、シンボル平面上を一回転する範囲内の値によって一意に定まらないという不確定性が生じるということができる。この不確定性とは、例えばΔφfが−π+|Δφmi|の値をとったときに、π+|Δφmi|との区別が付かない、あるいはΔφfが−π−|Δφmi|の値をとったときに、π−|Δφmi|との区別が付かないようなことをいう。
ここで、周波数誤差ΔfとΔφfとの間には上述の(12)式のような関係があるため、周波数誤差の検出可能範囲は次の(18)式で表されることとなる。
(数18)
−(2n−1)/(4T)<Δf<(2n−1)/(4T) (18)
(18)式によれば、サンプル数nを大きくする程、大きな周波数誤差を検出することが可能であることがわかる。これは、周波数誤差に起因する位相誤差Δφfを検出することが可能な範囲が、サンプル点間の位相遷移の絶対値|Δφmi|が小さい程広くなるためであり、|Δφmi|はサンプル数nを大きくする程小さくなるためである。
(18)式を、従来の周波数誤差信号生成部42において検出することのできる周波数誤差の範囲を表す(7)式と比較すると、(2n−1)/(4T)/(1/4T)=2n−1より、本実施形態では2n−1倍大きな周波数誤差を検出することが可能となるといえる。
なお、ここでは、制御符号列34aとして図3(a)に示す符号列を例としてとりあげた。この符号列は、図5(a)に示すGSM(Global System for Mobile Communications)において定義されている26ビットの原制御符号列36(トレーニングシーケンス)において、隣接する符号間に排他的論理和を施して配列したものである。図5(b)はそのような配列によって得られた制御符号列34aを示している。本発明は図3(a)あるいは図5(b)に示す制御符号列34aを適用する実施形態に限定されるものではなく、符号に対応付けたシンボル点の位相遷移の累積加算値が周期性を有するという規則性を有する限り、どのような符号列に対しても適用可能である。
ここで、図5(b)に示す制御符号列34aを導出する際に、トレーニングシーケンスの隣接する符号間に排他的論理和を施して配列したことの理由は、「符号変化」に対応付けたシンボル点の位相遷移の累積加算値が周期性を持つ、という規則性をトレーニングシーケンスが有するためである。したがって、トレーニングシーケンスの隣接する符号間に排他的論理和を施して配列した符号列は、「符号」に対応付けたシンボル点の位相遷移の累積加算値が周期性を持つものといえる。このような規則性によって、ある時点のシンボル点の位相角を零とし、そこからシンボル点の位相遷移を累積加算していき、位相遷移の累積加算値の1周期分だけ累積加算したところでその値を零とすることが可能となる。すなわち、(10)式に示されるように各サンプル点間での位相遷移Δφiに基づく値から、周波数誤差に起因する位相誤差Δφfに基づく値を抽出することが可能となるわけである。
制御符号列抽出部16がI’信号およびQ’信号を抽出する際には、より迅速な処理が可能であることが好ましい。そこで、図2のスロット符号列32を構成する制御符号列34aに、符号に対応付けたシンボル点の位相遷移の累積加算値が周期性を有するような符号列そのものを配置しておく。そのような性質を有する符号列であれば、位相遷移の累積加算値に周期性を持たせることが可能となり、(10)式に示されるように各サンプル点間での位相遷移Δφiに基づく値から、周波数誤差に起因する位相誤差Δφfに基づく値を分離することが可能となる。このようなスロット符号列32の符号配置設計は、無線通信システム設計の段階において行っておこくことが好ましい。
本発明の実施形態に係る受信装置の構成を示す図である。 フレーム符号列、スロット符号列、制御符号列、情報符号列、およびガードピリオドを示す図である。 制御符号列、シンボル点の位相遷移、位相遷移の累積加算値、I’信号およびQ’信号の規格化振幅値、ならびにシンボル点が移動する様子を示す図である。 シンボル点の位相遷移の累積加算値を示す図である。 原制御符号列(GSMにおいて定義されているトレーニングシーケンス)と、それに基づいて配列された制御符号列との関係を示す図である。 ディジタル復調部の一部の構成を示す図である。
符号の説明
10 受信信号入力端、12 無線回路部、14 A/D変換部、16 制御符号列抽出部、18,42 周波数誤差信号生成部、20 周波数制御部、22 符号検波部、30 フレーム符号列、32 スロット符号列、34a 制御符号列、34b 情報符号列、34c ガードピリオド、36 原制御符号列。

Claims (3)

  1. 符号列によって変調された変調信号の周波数誤差を検出する周波数誤差検出装置であって、
    前記符号列を構成する符号をシンボル点の位相遷移に対応付けた符号対シンボル信号を、前記変調信号から抽出する符号対シンボル信号抽出部を含み、
    前記符号列は、当該符号列を構成する符号に対応付けられたシンボル点の位相遷移の累積加算値が予め定められた周期ごとに同一の値をとるという規則性を有し、
    周波数誤差検出装置は、
    符号対シンボル信号が呈するシンボル点の位相遷移について累積加算を行う累積加算部を含み、
    累積加算部は、前記予め定められた周期にわたる累積加算を行い、
    周波数誤差検出装置は、
    累積加算部が累積加算を行った結果に基づいて変調信号の周波数誤差を検出することを特徴とする周波数誤差検出装置。
  2. 請求項1に記載の周波数誤差検出装置であって、
    前記符号列は、当該符号列を構成する符号に対応付けられたシンボル点の位相遷移の累積加算値が任意のタイミングで予め定められた周期ごとに同一の値をとるという規則性を有することを特徴とする周波数誤差検出装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の周波数誤差検出装置であって、
    符号対シンボル信号抽出部は、前記符号をシンボル点の位相遷移に対応付けた時間間隔より短い時間間隔で符号対シンボル信号をサンプリングした値を出力することを特徴とする周波数誤差検出装置。
JP2005087497A 2005-03-25 2005-03-25 周波数誤差検出装置および受信装置 Expired - Fee Related JP4621046B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005087497A JP4621046B2 (ja) 2005-03-25 2005-03-25 周波数誤差検出装置および受信装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005087497A JP4621046B2 (ja) 2005-03-25 2005-03-25 周波数誤差検出装置および受信装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006270664A true JP2006270664A (ja) 2006-10-05
JP4621046B2 JP4621046B2 (ja) 2011-01-26

Family

ID=37206130

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005087497A Expired - Fee Related JP4621046B2 (ja) 2005-03-25 2005-03-25 周波数誤差検出装置および受信装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4621046B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03128550A (ja) * 1989-07-17 1991-05-31 Nec Corp 直交検波方法および直交検波器
JPH09298460A (ja) * 1996-05-02 1997-11-18 Nec Corp ディジタルpll回路及びその起動方法
JP2001523909A (ja) * 1997-11-17 2001-11-27 テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) 周波数オフセットを評価する方法、及び装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03128550A (ja) * 1989-07-17 1991-05-31 Nec Corp 直交検波方法および直交検波器
JPH09298460A (ja) * 1996-05-02 1997-11-18 Nec Corp ディジタルpll回路及びその起動方法
JP2001523909A (ja) * 1997-11-17 2001-11-27 テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) 周波数オフセットを評価する方法、及び装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4621046B2 (ja) 2011-01-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN111095883B (zh) 在正交时频空间信号接收器中实现同步
US6535549B1 (en) Method and apparatus for carrier phase tracking
JP4979413B2 (ja) パルス無線受信装置
TWI650983B (zh) 數位無線電傳輸
US8275077B1 (en) Coherent demodulation of ais-GMSK signals in co-channel
JP2008543119A (ja) 改良型精密座標回転による数値計算(cordic)プロセッサ
JP2004007692A (ja) 周波数オフセット推定器
US10855494B2 (en) Transmitter and receiver and corresponding methods
JP4199269B2 (ja) 送信装置、受信装置、送信方法及び受信方法
US7724856B2 (en) Clock recovery circuit and receiver using the circuit
US7751518B2 (en) System and method for executing preamble detection, symbol timing recovery, and frequency offset estimation
JP4621046B2 (ja) 周波数誤差検出装置および受信装置
TW201631939A (zh) 相域之最大可能序列偵測
CN115174326A (zh) 高速跳频msk信号的突发检测与相干解调装置及方法
JP3498600B2 (ja) キャリア位相推定装置とキャリア位相推定装置を用いた復調器
JP3973332B2 (ja) ディジタル変復調の同期方式
JP2005252441A (ja) デジタル変調信号評価装置
RU2371845C1 (ru) Радиоприемник цифровой информации
JP5556409B2 (ja) 無線受信装置およびその伝搬路推定方法
KR101648516B1 (ko) 제로크로싱복조를 이용한 보정용 fsk 수신기 및 이의 제어방법
US8472909B2 (en) Filter device for detecting and/or removing erroneous components in and/or from a signal
JP5274353B2 (ja) 変調諸元推定回路、変調方式識別装置および変調諸元推定方法
JP4849037B2 (ja) 自動周波数制御方法と装置
JP2009296252A (ja) 変調方式識別回路および受信装置
KR101660875B1 (ko) 제로크로싱복조 기반 수신기 및 이의 구동 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080226

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100715

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100803

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101001

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101026

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101029

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131105

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees