JP2006267423A - 帯電ロール - Google Patents

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Abstract

【課題】 帯電ロール自体の軽量化を図りつつ、より一層高い高周波域の交流電圧が印加されても、帯電音の発生を有利に防止乃至は抑制し得る帯電ロールを提供すること。
【解決手段】 軸体の周りに導電性基層が設けられ、更に該導電性基層の外周面上に、表皮構成層が形成されて構成され、像担持体に外周面を接触せしめた状態で、直流電圧と交流電圧とを重ね合わせて印加せしめることにより、該像担持体の表面を帯電させるようにした帯電ロールにおいて、前記軸体として、tanδが0.1〜0.9である弾性体を中空部内に充填せしめてなる金属パイプを用いた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子写真方式を利用した複写機やプリンター、ファクシミリ等の画像形成装置において、電子写真感光体や静電記録誘電体等からなる像担持体を帯電せしめるために用いられる帯電ロールに関するものである。
従来より、電子写真方式を利用した複写機やプリンター、ファクシミリ等の画像形成装置においては、感光体(ドラム)等の像担持体を帯電ロールの外周面に接触せしめて、かかる像担持体の表面を帯電させる、所謂ロール帯電方式が採用されてきている。
そして、そのような接触帯電方式に係るロール帯電方式に用いられる帯電ロールとしては、一般に、軸体(芯金)の周りに、導電性ゴム組成物からなる導電性ベース層(基層)が所定の厚さで設けられ、そして該導電性ベース層の外周面上には、必要に応じて、導電性ゴム材料からなる軟化剤移行防止層や、半導電性ゴム材料からなる抵抗調整層、保護層等が、順次、積層形成せしめられてなる構造のものが、採用されている。
また、帯電ロールを用いて、実際に、像担持体の表面を帯電せしめる方式としては、例えば、図1に示される如く、帯電ロール2の外周面を像担持体(感光ドラム)4の表面に接触せしめた状態で、該帯電ロール2に、直流電源6及び交流電源8から直流電圧と交流電圧(正弦波)とを重ね合わせて印加し、そして像担持体4を回転させることにより、該像担持体4表面の全面に、電荷を付与するようにしたものが、知られている。
このような帯電方式が採用される場合には、帯電ロール2に交流電圧が印加されていることによって、像担持体4表面上の帯電の安定化が有利に図られ得るのであるが、帯電ロール2に直流電圧と交流電圧とを重ね合わせて印加すると、その交流電界により、帯電ロール2と像担持体4との間に、交流の極性変化(周波数)に従って互いに引き合う力が生ぜしめられ、それによって、像担持体4が不可避的に振動させられ、帯電ロール2と像担持体4とが共鳴して、「ピー」という騒音が発生する。また、そのような像担持体4の振動は、印加される交流電圧の周波数が高くなるに従って増大せしめられる傾向があるために、解像度の高度化による画像品質の向上やコピー乃至はプリント速度の高速化の要求に対応すべく、高周波数の交流電圧が印加される高性能複写機や高性能プリンター等においては、かかる像担持体4の振動がより激しく生ぜしめられ、それによって、より大きな騒音が発生するといった問題が惹起せしめられているのである。
そこで、そのような帯電ロール2による、像担持体4表面の帯電時に生ぜしめられる騒音、所謂帯電音の発生を防止するための対策として、従来から、帯電ロール2の硬度を低下せしめることや、像担持体4の内部に、樹脂や金属等からなる「おもり」を入れて、共振点をずらすこと等が考えられ、これにて、帯電音の低減が実際に行なわれている。
しかしながら、帯電ロール2を低硬度化する対策にあっては、かかる帯電ロール2に、低周波数の交流電圧が印加される場合において、ある程度の効果は発揮されるものの、高周波数の交流電圧が印加される場合には、その効果が極めて乏しかったのであり、印加される交流電圧の周波数によって、帯電音の発生防止効果に大きな格差があったのである。また一方、像担持体4の内部に、おもりを導入する対策にあっては、上記対策よりも、効果的に帯電音の発生が防止され得るものの、「おもり」が部品の一つとして必要となる上に、このおもりを、像担持体4の内部に導入する工程が必要となり、多大な手間が掛かるといった欠点を有するものであったのである。加えて、そのような「おもり」を入れることによって、像担持体4全体が重くなり、これを駆動させるために、画像形成装置の消費電力の低減が実現され得ない等の問題を内在していたのである。
また、かかる帯電ロールによる帯電音を低減するために、特開平5−165303号公報(特許文献1)においては、帯電部材の像担持体への接触帯電部の主要部を、所定厚さの円筒状紙管から構成してなる接触帯電装置が明らかにされており、更に、特開平6−208278号公報(特許文献2)においては、像担持体表面、転写材裏面等に当接して、その面を帯電させるためのローラ状の接触タイプの帯電装置において、その内部を中空乃至はスポンジ状の柔軟な材料で構成して、帯電音の発生を有効に抑制し得るようにした構造も、提案されているのであるが、それらの対応策にあっても、近年におけるOA機器の高性能化に伴なう、更なる高周波数の交流電圧の採用に基づいて発生する帯電音の低減化には、未だ充分なものではなく、更に有効な帯電音低減対策が求められている。
特開平5−165303号公報 特開平6−208278号公報
ここにおいて、本発明は、そのような事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、帯電ロール自体の軽量化を図りつつ、より一層高い高周波域の交流電圧が印加されても、帯電音の発生を有利に防止乃至は抑制し得る帯電ロールを提供することにある。
そして、本発明にあっては、かかる課題の解決のために、軸体の周りに導電性基層が設けられ、更に該導電性基層の外周面上に、表皮構成層が形成されて構成され、像担持体に外周面を接触せしめた状態で、直流電圧と交流電圧とを重ね合わせて印加せしめることにより、該像担持体の表面を帯電させるようにした帯電ロールにおいて、前記軸体として、tanδが0.1〜0.9である弾性体を中空部内に充填せしめてなる金属パイプを用いたことを特徴とする帯電ロールを、その要旨とするものである。
なお、かくの如き本発明に従う帯電ロールの好ましい態様の一つによれば、前記弾性体は、防振ゴム材料であることが望ましく、そして、そのような防振ゴム材料の採用によって、本発明の目的とする高周波領域での帯電音の低下を、より一層有利に実現することが出来るのである。
また、本発明に従う帯電ロールの他の望ましい態様によれば、前記導電性基層が、導電性弾性体材料にて形成されている。なお、この弾性体材料としては、一般に、ゴム材料が用いられる他、他のエラストマー材料であっても何等差支えなく、また、それら材料の発泡体であっても、更には非発泡体(ソリッド)のものであっても、有利に用いることが出来る。
さらに、本発明に従う帯電ロールの好ましい態様の更に他の一つによれば、前記表皮構成層は、半導電性ゴム材料からなる抵抗調整層にて構成される他、前記導電性基層の外周面上に設けられた、半導電性ゴム材料からなる抵抗調整層と、該抵抗調整層の外周面上に形成された、軟質樹脂材料からなる保護層とから構成されている形態が、採用されることとなる。
このように、本発明に従う帯電ロールにあっては、その軸体として、中実の金属棒体や中空の金属パイプを、そのまま用いるものではなく、かかる金属パイプの中空部内に、所定の損失係数(tanδ)を有する弾性体が充填せしめられているところから、そのような弾性体による減衰作用によって、像担持体と帯電ロールとの間に惹起される振動が、更に効果的に低減せしめられることとなるのであり、以て、帯電音の発生を有利に抑制乃至は防止し得るのである。
しかも、帯電ロールの軸体が、金属パイプとされていることにより、必然的に、軸体自体の軽量化が図られ得、帯電ロールとしての重量の低減が有利に実現され得ると共に、従来の如き帯電音の低減対策、例えば、像担持体の内孔内にアルミ棒等のおもりを挿入したりする必要もなくなるところから、像担持体の構成部品の部品点数の増加や、像担持体の内孔内へのおもりの挿入作業を行なうことによる、像担持体の生産性の低下、更には、像担持体の重量増加に起因した、画像形成装置の駆動時における消費電力の増加等の問題を惹起することも、有利に回避され得ることとなる。
ところで、図2には、本発明に従う帯電ロールの一例が、軸心に直角な方向の断面において示されている。そして、そこに例示の帯電ロール10においては、導電性の軸体12の外周面上に、ロール径方向の内側から外側に向かって、導電性基層14、抵抗調整層16、及び保護層18が、それぞれ所定の厚さで、順次、一体的に積層形成されている。即ち、かかる帯電ロール10にあっては、軸体12の周りに形成された導電性基層14の外周面上に、更に、抵抗調整層16と保護層18の2層構造からなる表面構成層が形成されて、構成されているのである。
より具体的には、先ず、導電性基層14が、従来と同様に、導電性の弾性体にて構成されてなる形態とされている。そして、この導電性弾性体を与える弾性体材料としては、導電性基層14を形成するのに、従来から用いられるものと同様なもの、例えば、エチレン−プロピレン−ジエン−3元共重合体ゴム(EPDM)、エチレンプロピレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ニトリルゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、ポリノルボルネンゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム等の合成ゴムや、天然ゴム等、従来から公知の各種のゴム材料が、単独で、若しくは2種以上組み合わされて、用いられる。また、そのような弾性体材料には、導電性フィラーとして、カーボンブラック、グラファイト、金属粉、導電性金属酸化物(例えば、導電性酸化錫、導電性酸化チタン、導電性酸化亜鉛)等の電子導電体等が、従来と同様な配合比率をもって配合されて、体積抵抗率が、一般に106 Ωcm以下程度に調整されると共に、プロセスオイルや液状ポリマー等の軟化剤が多量に配合されて、ゴム硬度(HS:JIS A)が0.5〜40°程度にまで低く調整された導電性弾性体材料が、導電性基層14の形成材料として、用いられる。これによって、帯電ロール10に対して低硬度乃至は柔軟性と導電性が付与せしめられているのである。なお、そのような導電性基層14の形成材料には、従来より公知の加硫剤、加硫助剤、充填剤、加工助剤等の各種の配合剤や添加剤等が、必要に応じて、通常の配合比率を以て、更に添加、混合せしめられ得ることは、言うまでもないところである。また、ここでは、導電性基層14は、非発泡形態の導電性弾性体材料にて形成されているが、よく知られているように、そのような導電性弾性体材料を発泡せしめて、その発泡体にて形成されていても、何等差支えない。
そして、そのような導電性基層14の外周面上には、表皮構成層が、ここでは、2層構造において形成されているのである。即ち、表皮構成層は、抵抗調整層16と保護層18とから構成され、その内側層を構成する抵抗調整層16は、帯電ロール10の電気抵抗が適正な範囲に制御されて、優れた耐電圧性(耐リーク性)が実現され得るように、半導電性を有する非発泡形態の弾性体にて構成されている。このような抵抗調整層16を与える形成材料としては、従来から用いられる、例えば、ニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合ゴム等のゴム材料に、導電剤、好ましくはイオン導電剤や帯電防止剤等が配合されて、体積抵抗率が、一般に107 〜1010Ωcm程度に調整されてなる形成材料が使用される。ここで、イオン導電剤としては、トリメチルオクタデシルアンモニウムパークロレート、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド等の第4級アンモニウム塩や、過塩素酸リチウム、過塩素酸カリウム等の過塩素酸塩が、また、帯電防止剤としては、テトラアルキルアンモニウム塩、リン酸エステル、脂肪族アルコールサルフェート塩、脂肪族多価アルコール、BN錯体等が、それぞれ適宜に選択され、それらが従来と同様な配合比率において、用いられることとなる。また、そのような形成材料たるゴム組成物には、従来より公知の加硫剤、加硫助剤、充填剤、加工助剤等の各種の配合剤や添加剤等が、必要に応じて、従来と同様な配合割合にて、それぞれ配合されることとなる。
また、表皮構成層の外側層を構成する保護層18は、上記した抵抗調整層16の外周面上に、軟質樹脂材料にて一体的に形成されている。この軟質樹脂材料も、保護層18を形成するのに、従来から用いられているものと同様なものが使用される。即ち、N−メトキシメチル化ナイロン、ブチラール樹脂、ウレタン樹脂、4フッ化エチレン−フッ化ビニリデン共重合体、4フッ化エチレン−フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体等の熱可塑性樹脂材料が用いられ、また、特開平10−90972号公報や特開2001−154456号公報等に開示の如き、フッ素変性アクリレート系樹脂や、これにフッ素化オレフィン系樹脂及び/又は非(フッ素変性)アクリレート系樹脂を組み合わせてなる樹脂材料が用いられることとなる。そして、それらの樹脂材料に、前述せる如き電子導電剤等の導電剤が配合されて、体積抵抗率が、一般に107 〜1010Ωcm程度に調整され、更に、イソシアネート系架橋剤等、公知の架橋剤、更には、各種の配合剤、添加剤等が、必要に応じて、従来と同様な配合割合にて、それぞれ配合されてなる樹脂組成物が、保護層18の形成材料として用いられる。これによって、帯電ロール10の内部から表面への各種配合材等の滲み出しが、より効果的に防止され得ると共に、ロール表面の粘着性が有利に小さく為され得て、像担持体に対する汚染や固着が、効果的に阻止され得るようになっている。
なお、前記した導電性基層14や抵抗調整層16の種類等によって、像担持体に対する汚染や固着が有利に阻止され得るようになっている場合等にあっては、かかる保護層18を、必ずしも設ける必要はない。即ち、表皮構成層を、抵抗調整層16のみにて構成してもよいのである。また、導電性基層14を与える材料に配合される軟化剤等の添加剤の染み出しの阻止のために、従来と同様な軟化剤移行防止層を設けたり、更に他の層を必要に応じて介在させて、表皮構成層を構成することも可能である。
また、かかる帯電ロール10の各層の厚さは、その用途等によって、適宜に決定されるところであるが、通常、導電性基層14は、1〜10mm、好ましくは2〜6mm程度の厚さで、また抵抗調整層16は、30〜1000μm程度、好ましくは100〜800μm程度の厚さで、更に保護層18は、1〜20μm程度の厚さで、それぞれ形成されることとなる。
そして、かくの如き構成の帯電ロール10には、更に、本発明に従って、その導電性の軸体(芯金)12に、工夫が加えられているのである。即ち、図2から明らかな如く、軸体12は、鉄やステンレス等からなる導電性の金属パイプ20と、その中空部内に充填せしめられてなる、tanδ(損失係数)が0.1〜0.9である弾性体22とから、構成されているのである。ここで、かかる弾性体22としては、前記した導電性基層14や抵抗調整層16の形成材料として例示した各種のゴム材料の他、公知の各種のエラストマー材料を挙げることが出来るが、特に本発明にあっては、損失弾性率を貯蔵弾性率乃至は動的弾性率にて除して得られるtanδ(損失係数)が、0.1〜0.9の範囲内にある、好ましくは0.1〜0.5の範囲内にある弾性体22が用いられるのであり、そして、そのような特性を有する弾性体22が充填せしめられていることによって、中空の金属パイプ20のみを用いる場合に比べても、更に、帯電音の低減をより一層効果的に図り得るのである。
また、本発明にあっては、それら弾性体22を与える材料の中でも、特に、防振ゴム材料を用いることが望ましく、それによって、高周波数の交流印加による振動を効果的に吸収して、帯電音の低減を有利に図り得るのである。
なお、ここで、かかる弾性体22のtanδが、0.1よりも小さくなり過ぎると、弾性的挙動が大となって、有効な振動低減、ひいては帯電音の低減を図ることが困難となるからであり、また、0.9よりも大きくなり過ぎると、防振材となる弾性体22の内部減衰が大きくなり、共振時の伝達率が低くなるが、高周波側の振動絶縁性が悪くなる等という問題を惹起して、有効な帯電音の低減を図り難くなるのである。このため、本発明にあっては、好ましくは0.1〜0.5、より好ましくは0.2〜0.4のtanδを有する弾性体22が、有利に用いられることとなる。
また、この弾性体22は、所定の金属パイプ20の中空部内に、隙間なく充填せしめられて、目的とする軸体12とされるのであるが、そのような弾性体22は、金属パイプ20の内面に対して固着されていても、金属パイプ20内に非接着状態において挿入されていても、何等差支えない。尤も、非接着状態で挿入される場合にあっても、振動が加わった際にパイプ内面との間に隙間が生じないように、金属パイプ20内に密に充填せしめられていることが望ましく、また接着剤等によって部分的に固定されていることも、有効である。
そして、かくの如き構成を有する帯電ロール10にあっては、所定のtanδの弾性体22が中空部内に充填されてなる金属パイプ20にて構成される軸体12上に、ロール径方向の内側から外側に向かって、導電性基層14、抵抗調整層16、及び保護層18が、順次設けられてなる構成によって、低硬度乃至は柔軟性と良好な導電性並びに優れた耐電圧性(耐リーク性)が付与されたものとされていると共に、像担持体の外周面との接触状態下で、像担持体との間で惹起される振動が、金属パイプ20内に充填された特定の弾性体22の存在によって、効果的に吸収され得て、かかる振動の低減が有利に図られ得るのであり、以て、共鳴によって惹起される帯電音の発生が、極めて効果的に防止乃至は抑制され得ることとなるのである。
このため、上述せる如き帯電ロール10を採用すれば、軸体12として、中空の金属パイプ20を用いているところから、帯電ロール10自体の軽量化が効果的に図られ得ると共に、従来より帯電音対策として行なわれてきた、像担持体内部への錘の挿入が不要となり、以て、部品点数及び作業工数の低減も図られ得ると共に、画像形成装置の消費電力の削減も、有利に実現され得るといった利点も、併せて享受され得るのである。
そして、かくの如き本発明に従う帯電ロールは、電子写真方式を利用した複写機やプリンター、ファクシミリ等の画像形成装置、特に、直流電圧と交流電圧とを重ね合わせて、印加せしめる帯電方式を採用する画像形成装置において、電子写真感光体や静電記録誘電体等からなる像担持体を帯電させるために、有利に用いられることとなる。
以上、本発明の代表的な実施形態について詳述してきたが、それは、あくまでも、例示に過ぎないものであって、本発明は、そのような実施形態に係る具体的な記述によって、何等限定的に解釈されるものではないことが、理解されるべきである。
例えば、上記の実施形態に係る帯電ロール10において、その導電性基層14や抵抗調整層16や保護層18は、何れも、公知の層形成法、例えば、成形型を用いた成形、チューブ状成形物の外挿、コーティング等の手法によって、適宜に形成され得るものであり、また、金属パイプ20内への弾性体22の充填方法にあっても、弾性体22を形成し得る原料を、金属パイプ20の中空部内に注入乃至は挿入して、加硫し、加硫や反応などを惹起せしめることにより、金属パイプ20内に弾性体22を形成する方法や、別途形成された弾性体22を金属パイプ20の中空部内に挿入乃至は圧入して、充填せしめる方法等が、適宜に採用されることとなる。
また、直流電圧に重畳されるように印加せしめられる交流電圧(バイアス)は、正弦波に何等限定されるものではなく、矩形波、三角波、鋸歯状波等であっても、何等差支えなく、更に、公知の電圧印加形態が、適宜に採用されるものである。
その他、一々列挙はしないが、本発明が、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、またそのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、何れも、本発明の範疇に属するものであることは、言うまでもないところである。
(1)軸体(12)の準備
図2に示される帯電ロールにおける軸体(12)として、ニッケルメッキを施した鉄製のパイプ(外径:6mm、内径:4mm)を用い、その中空部内に、下記の如きtanδの異なる各種の弾性体材料(イ)乃至(ヘ)を注入乃至は押し込み、加熱硬化(加硫乃至はウレタン化)せしめることにより、それぞれ異なるtanδを有する弾性体(22)を充填せしめた。また、比較のために、軸体(12)として、ニッケルメッキを施した鉄製の中実棒体(外径:6mm)を準備した。
イ)tanδ=0.1弾性体組成
EPDM 100重量部
ステアリン酸 1重量部
亜鉛華 5重量部
タルク 50重量部
白鉛華CC 40重量部
軟化剤 20重量部
アクリルエステル 3重量部
パーオキサイド 3.2重量部
ロ)tanδ=0.2弾性体組成
EPDM 100重量部
亜鉛華 5重量部
ステアリン酸 1重量部
老化防止剤 1重量部
粘着付与剤 1重量部
カーボンFEF 85重量部
パラフィンオイル 55重量部
加硫促進剤M 1重量部
加硫促進剤TT 3.5重量部
硫黄 0.5重量部
ハ)tanδ=0.3弾性体組成
エピクロルヒドリンゴム 100重量部
ステアリン酸 0.5重量部
亜鉛華 5重量部
ハイドロタルサイト 5重量部
加硫促進剤(サンセラーCZ−G) 1.07重量部
加硫促進剤(ノクセラーBZ−P) 0.49重量部
硫黄 1重量部
ニ)tanδ=0.4弾性体組成
EPDM 100重量部
酸化亜鉛 3重量部
シリカ 20重量部
加硫促進剤(ノクセラーTT) 0.5重量部
加硫促進剤(ノクセラーTZ) 1.5重量部
加硫促進剤(ノクセラーDM) 0.5重量部
硫黄 1.5重量部
ホ)tanδ=0.5弾性体組成
水素化ニトリルゴム 100重量部
酸化亜鉛 5重量部
加硫促進剤(ノクセラーTT) 0.4重量部
加硫促進剤(ノクセラーPZ) 1.5重量部
加硫促進剤(ノクセラーDM) 0.5重量部
硫黄 0.5重量部
ヘ)tanδ=0.9弾性体組成
MDI(4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート)の43.41重量部とP BA(ポリブチレンアジペート)の56.59重量部とを反応させて得られるポリイ ソシアネート成分と、PBAの71.47重量部と1,4−ブタンジオールの5.3 4重量部とトリメチロールプロパンの4.29重量部とを混合して得られるポリオー ル成分と、そのようなポリウレタンゴム原料の硬化触媒としての、N−ヒドロキシプ ロピルトリメチルアンモニウム−2−エチルヘキサノエートの300ppmとを、そ れぞれ準備した。
(2)帯電ロール(10)の作製
また、下記の配合組成に従って、導電性基層形成材料、抵抗調整層形成材料、及び保護層形成材料を、それぞれ、調製した。なお、保護層形成材料については、メチルアルコールに溶解せしめて、所定粘度のコーティング液として調製した。
−導電性基層形成材料の配合組成−
スチレン−ブタジエンゴム 100重量部
カーボンブラック 25重量部
酸化亜鉛 5重量部
ステアリン酸 1重量部
プロセスオイル 130重量部
硫黄 0.3重量部
加硫促進剤(ノクセラーDM) 1.5重量部
加硫促進剤(ノクセラーTS) 0.6重量部
−抵抗調整層形成材料の配合組成−
エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合ゴム 100重量部
微粉シリカ 10重量部
トリメチルオクタデシルアンモニウムパークロレート 0.2重量部
ステアリン酸 1重量部
クレー 30重量部
鉛丹 5重量部
エチレンチオウレア 1.5重量部
−保護層形成材料の配合組成−
N−メトキシメチル化ナイロン 100重量部
導電性酸化錫 60重量部
クエン酸 1重量部
次いで、かかる導電性基層形成材料と抵抗調整層形成材料を用いて、2層押出装置により押出成形を行なって、内側層が導電性基層形成材料からなり、外側層が抵抗調整層形成材料からなる積層チューブを成形した。その後、かくして得られた積層チューブの内孔内に、先に準備された各種の軸体を、それぞれ挿入し、その状態で、それら積層チューブと軸体とを円筒状金型内にセットした後、加熱して、加硫操作を行なうことにより、かかる軸体の外周面上に、それぞれ、非発泡形態の厚さ約3mmの導電性基層と厚さ約500μmの抵抗調整層とが、一体的に積層形成されてなるゴムロールを作製した。そして、かかるゴムロールを脱型した後、コーティング液として調製された前記保護層形成材料を用いて、ディッピング法によるコーティング操作を行なって、該ゴムロールの外周面上に、厚さ約10μmの保護層を一体的に積層形成して、目的とする各種の帯電ロールA〜Hを得た。
そして、この得られた各種の帯電ロールA〜Hについて、帯電音の発生状態を、特開平9−258524号公報に示される帯電音試験法に従って、調べた。即ち、レーザービームプリンター[レーザージェット4プラス:ヒューレットパッカード(株)製]のカートリッジ容器内の現像部と感光体内部のアルミニウム製円筒棒を取り外す一方、かかるカートリッジ容器内に各帯電ロールを取り付け、更に、信号発生器[NF1731:NF回路設計ブロック(株)製]を高圧アンプに接続すると共に、該高圧アンプをアースさせた状態で、高圧ケーブルにてカートリッジ容器の電極端子に接続した。そして、感光体を30rpmにて回転させる一方、帯電ロールに2kVp-p −600Vの電圧を、2400Hz〜3400Hzの間で周波数を変化させつつ印加して、感光体を帯電させ、その際に生ずる帯電音を、それぞれの周波数毎に、感光体と帯電ロールの当接位置と水平で且つ感光体の軸方向と直角になる方向において、かかる当接位置から100mm離隔した位置で、リニアコーダが接続された騒音計により測定した。なお、騒音レベルはA特性にて評価し、その結果を、下記表1に示した。また、損失係数:tanδの測定は、東洋精機株式会社製ロータレスレオメータRLM−1を使用し、10Hz、25℃での値を測定することにより、行なった。
Figure 2006267423
かかる表1の結果から明らかなように、帯電ロールの軸体(12)として、中実の棒状体や鉄製パイプを用いた場合(帯電ロールG及びH)よりも、tanδが0.1〜0.9の弾性体を充填せしめてなる鉄製パイプを用いた場合(帯電ロールA、B、C、D、E及びF)の方が、交流電圧の周波数の変化に拘わらず、音圧レベルが低くなっており、これにより、本発明によれば、優れた帯電音の防止乃至は抑制作用が効果的に発揮され得るものであることを認めた。
像担持体の表面に対するロール帯電方式の一例を概略的に示す説明図である。 本発明に従う帯電ロールの一例を示す横断面説明図である。
符号の説明
2 帯電ロール 4 像担持体
6 直流電源 8 交流電源
10 帯電ロール 12 軸体
14 導電性基層 16 抵抗調整層
18 保護層 20 金属パイプ
22 弾性体

Claims (5)

  1. 軸体の周りに導電性基層が設けられ、更に該導電性基層の外周面上に、表皮構成層が形成されて構成され、像担持体に外周面を接触せしめた状態で、直流電圧と交流電圧とを重ね合わせて印加せしめることにより、該像担持体の表面を帯電させるようにした帯電ロールにおいて、
    前記軸体として、tanδが0.1〜0.9である弾性体を中空部内に充填せしめてなる金属パイプを用いたことを特徴とする帯電ロール。
  2. 前記弾性体が、防振ゴム材料である請求項1に記載の帯電ロール。
  3. 前記導電性基層が、導電性弾性体材料にて形成されている請求項1又は請求項2に記載の帯電ロール。
  4. 前記表皮構成層が、半導電性ゴム材料からなる抵抗調整層にて構成されている請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の帯電ロール。
  5. 前記表皮構成層が、前記導電性基層の外周面上に設けられた、半導電性ゴム材料からなる抵抗調整層と、該抵抗調整層の外周面上に形成された、軟質樹脂材料からなる保護層とから構成されている請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の帯電ロール。
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