JP2004245935A - 帯電ロール - Google Patents

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Toshiaki Naito
敏明 内藤
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Abstract

【課題】帯電音の発生が、より有利に防止乃至は抑制され得る帯電ロールを提供する。
【解決手段】軸体12の周りに設けられた導電性基層14の外周面上に、半導電性弾性体材料からなる抵抗調整層16を積層形成すると共に、かかる抵抗調整層16の内周面に、軸方向において全長に連続して延びる凹溝18を、周方向に所定の距離を隔てて複数形成することにより、それら複数の凹溝18のうちの周方向に隣り合うもの同士の間に、軸方向において全長に連続して延びる、弾性変形可能な突条20を、それぞれ一体的に設けて構成した。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、電子写真方式を利用した複写機やプリンター、ファクシミリ等の画像形成装置において、電子写真感光体や静電記録誘電体等からなる像担持体を帯電させるために用いられる帯電ロールに関するものである。
【0002】
【背景技術】
従来から、電子写真方式を利用した複写機やプリンター、ファクシミリ等の画像形成装置においては、帯電ロールが感光体(ドラム)等の像担持体に接して回転するように設けられ、かかる像担持体表面を帯電せしめるようにした構造のものがある。即ち、そのような帯電ロールは、静電潜像の形成される像担持体に対する帯電方式の一つであるロール帯電方式において用いられるものであって、像担持体表面に電圧印加した帯電ロールを押し当てて、接触せしめつつ、それら像担持体と帯電ロールとが、相互に回転するようにすることによって、像担持体表面を帯電せしめるようになっている。
【0003】
そして、そのような帯電ロールにあっては、導電体たる軸体(芯金)の周りに、所定の導電性フィラーが含有せしめられた、低硬度のゴム材料等からなる導電性基層が、所定の厚さで設けられると共に、かかる導電性基層の外周面上に抵抗調整層が設けられ、更に必要に応じて、それら導電性基層と抵抗調整層との間に電極層が、また抵抗調整層の外周面上に保護層が、それぞれ積層形成されてなる構造が、一般に採用されている。
【0004】
ところで、上記のような構造とされた帯電ロールを用いて、実際に、像担持体の表面を帯電せしめる方法の一つとして、帯電ロールに直流電圧と交流電圧を重ね合わせて印加する電圧印加方式を採用してなる方法がある(例えば、特許文献1参照)。即ち、この方法は、帯電ロールの外周面を像担持体の表面に接触せしめた状態で、かかる帯電ロールに、直流電源及び交流電源から、直流電圧と交流電圧(正弦波)とを重ね合わせて印加して、像担持体を回転させることにより、像担持体表面の全面に、電荷を付与するようにしたものである。
【0005】
このような帯電方法が採用される場合、帯電ロールに交流電圧が印加されていることによって、像担持体表面上の帯電の安定化が有利に図られ得るのであるが、その反面、近年における複写機やプリンター等の高性能化に伴って、以下の如き問題が生ぜしめられている。
【0006】
すなわち、よく知られているように、帯電ロールに直流電圧と交流電圧とを重ね合わせて印加すると、その交流電界により、帯電ロールと像担持体との間に、交流の極性変化(周波数)に従って互いに引き合う力が生ぜしめられ、それによって、像担持体が振動させられ、また、その振動の周波数は、交流電圧の周波数の上昇に伴って大きくなる。そして、そのような像担持体の振動は、交流電圧の周波数が200Hz程度までは、その振動周波数が可聴領域の範囲からはずれた400Hz程度が主体となるため、特に問題とならないのであるが、交流電圧の周波数が200Hzを越えるようになると、像担持体の振動周波数が可聴領域内に達し、そして交流電圧の周波数がそれよりも更に上昇するに従って、像担持体が、事務機に要求される音圧レベルを上回る騒音を伴って、激しく振動せしめられることとなる。そのため、解像度の高度化による画像品質の向上やコピー乃至はプリント速度の高速化の要求に対応すべく、2000Hz程度までの高い周波数の交流電圧が印加される高性能複写機や高性能プリンター等においては、像担持体の振動がより激しく生ぜしめられ、それによって、大きな騒音が発生するといった問題が惹起されていたのである。
【0007】
そこで、そのような帯電ロールによる像担持体表面の帯電時に生ぜしめられる騒音、所謂帯電音の発生を防止乃至は低減せしめるための対策として、従来から、円筒形形状を呈する像担持体の内孔内に、その内径と略同一外径を有するアルミ棒等を挿入、装着せしめて、像担持体の重量の増大を図ることにより、像担持体の振動を抑制させること等が考えられ、また、実際にも行なわれている。
【0008】
しかしながら、かくの如き帯電音防止対策を実施する場合には、アルミ棒を新たに用いる分だけ、像担持体の構成部品の部品点数が増加するだけでなく、そのようなアルミ棒を像担持体の内孔内に挿入するための余分な作業を行なわなければならなかったのであり、また、アルミ棒の挿入によって重量が増大せしめられた像担持体を駆動させるのに、より大きな力が必要となり、それによって、画像形成装置の駆動時における消費電力が増加せしめられるといった不具合も、生じていたのである。
【0009】
一方、帯電音の防止乃至は抑制には、帯電ロールの硬度を低下せしめることが有効であることも知られており、この低硬度化による帯電音防止対策が講じられた帯電ロールとして、導電性基層の外周面に、複数の凹部が、形状、大きさ、配列において、所定の規則性をもって設けられてなる構造の帯電ロールがある(例えば、特許文献2参照)。
【0010】
すなわち、この帯電ロールにあっては、導電性基層の外周面に、複数の凹部が設けられていることによって、かかる導電性基層の表層部の硬度が低減せしめられて、帯電ロール全体の低硬度化が図られおり、また、そのような複数の凹部が所定の規則性を備えた形状と大きさと配列とを有するように構成されていることによって、例えば、それら複数の凹部が無秩序に設けられている場合に比して、導電性基層における凹部の形成部位と非形成部位との間での体積抵抗の違いに起因した、像担持体に対する帯電ムラが可及的に抑制されて、形成される画像における濃度ムラの発生が有利に防止され得るようになっているのである。そして、このような帯電ロールを用いることによって、円筒形形状を呈する一般的な像担持体の使用が可能となり、以て、内孔内にアルミ棒が挿入されてなる像担持体の使用によって生ずる、前述せる如き種々の問題が一挙に解消され得ることとなるのである。
【0011】
ところが、導電性基層の外周面に複数の凹部が設けられてなる帯電ロールにあっては、導電性基層が、内部に気泡が何等存在しない、所謂ソリッドタイプのものに限定されてしまうため、内部に多数の気泡が存在せしめられた発泡タイプの導電性基層が軸体の周りに設けられて、より十分に低硬度化された帯電ロールにおいて得られるメリットが享受不可能となるといった問題が、内在していたのである。
【0012】
【特許文献1】
特開昭63−149668号公報
【特許文献2】
特開平8−179589号公報
【0013】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、上述せる如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、装着される画像形成装置における像担持体の構造や、軸体の周りに設けられる導電性基層の構造を何等制限することなく、帯電音の発生を有利に防止乃至は抑制し得るようにした帯電ロールの改良された構造を提供することにある。
【0014】
【解決手段】
そして、本発明にあっては、かかる課題の解決のために、軸体の周りに導電性基層が設けられ、更に、該導電性基層の外周面上に、抵抗調整層が形成されて構成され、像担持体に外周面を接触せしめた状態で、直流電圧と交流電圧とを重ね合せて印加せしめることにより、該像担持体の表面を帯電させるようにした帯電ロールにおいて、前記抵抗調整層を半導電性弾性体材料にて構成すると共に、かかる抵抗調整層の内周面に、軸方向において全長に連続して延びる凹溝を、周方向に所定の距離を隔てて複数形成することにより、それら複数の凹溝のうちの周方向に隣り合うもの同士の間に、軸方向において全長に連続して延びる、弾性変形可能な突条を、それぞれ一体的に設けて構成したことを特徴とする帯電ロールを、その要旨とするものである。
【0015】
すなわち、この本発明に従う帯電ロールにあっては、所定の画像形成装置に装着された状態下で、像担持体の外周面に接触せしめられる表皮層を構成する抵抗調整層の内周面に、軸方向に連続して延びる、弾性変形可能な突条が一体的に設けられると共に、複数の凹溝が、かかる突条の両サイドにおいて、軸方向に連続して延びるように形成されているところから、像担持体表面の帯電時において像担持体が振動せしめられた際に、抵抗調整層の内周面に設けられた突条が、かかる像担持体の振動に伴って、両サイドに位置する凹溝内に、一部の部位をはみ出させつつ、柔らかいばね特性をもって弾性変形せしめられ得るのであり、そして、そのような突条の弾性変形によって、像担持体の振動が有利に吸収され得て、かかる像担持体の振動の低減が、効果的に図られ得るのである。
【0016】
しかも、かかる帯電ロールにおいては、単に、抵抗調整層に突条や凹溝が設けられているだけで、軸体の周りに設けられる導電性基層に対して、何等、特別な構造が付与されるものでないため、導電性基層の構造に制限が加えられることがなく、それによって、かかる導電性基層として、ソリッドタイプと発泡タイプの両方のタイプが自由に選択され得ることとなり、以て、例えば、導電性基層がソリッドタイプに限定されることによって、導電性基層を発泡タイプとした際に得られる、多量の軟化剤を含有せしめることなく、従って、軟化剤等のロール表面への滲み出し等を惹起せしめることなく低硬度乃至は柔軟性が付与され得る等といったメリットが享受不可能となる等といった問題の発生が、効果的に解消され得るのである。
【0017】
また、本発明に係る帯電ロールにあっては、上述せる如く、抵抗調整層の外周面に突条や凹溝が設けられていることによって、像担持体の振動の吸収が図られているところから、像担持体に対しても、何等特別な構造を強いるものではないのであり、そのため、例えば、像担持体の内孔内にアルミ棒等を挿入、装着せしめて、像担持体の重量の増大を図ることにより、像担持体の振動を抑制せしめる場合とは異なって、像担持体の構成部品の部品点数の増加や、像担持体の内孔内へのアルミ棒の挿入作業を行なうことによる像担持体の生産性の低下、更には像担持体の重量増加に起因した、画像形成装置の駆動時における消費電力の増加等の問題が生ずることが、有利に回避され得るのである。
【0018】
従って、このような本発明に従う帯電ロールにあっては、装着される画像形成装置における像担持体の構造や、軸体の周りに設けられる導電性基層の構造を制限することによって生ずる数々の問題を悉く解消しつつ、帯電音の発生を、極めて有利に防止乃至は抑制し得ることとなったのである。
【0019】
なお、かくの如き本発明に従う帯電ロールの好ましい態様の一つによれば、前記凹溝が、10〜2000μmの深さと、10〜500μmの開口幅と、20〜1000μmのピッチとを有して構成されると共に、該凹溝の底部を与える前記抵抗調整層部分の厚さが10〜1000μmとされることとなる。
【0020】
このような構成を有する帯電ロールにあっては、抵抗調整層の内周面に一体形成される突条が、接触せしめられる像担持体の振動を十分に吸収可能な弾性変形量を確保し得る高さもって構成され得ると共に、そのような突条の形成によって生ずる、帯電ロール全体における周方向の体積抵抗のムラが可及的に小さく為され得るのであり、それによって、帯電ロールにて帯電せしめられる像担持体の帯電ムラに起因する画像の濃度ムラの発生を効果的に防止しつつ、帯電音の発生を、より有利に防止乃至は抑制することが可能となるのである。
【0021】
【発明の実施の形態】
ところで、図1には、本発明に従う構造を有する帯電ロールの一例が、軸心に直角な方向の断面において示されている。この例示の帯電ロール10は、金属製の軸体12を有しており、その外周面上に、導電性基層14が設けられ、更に、この導電性基層14の外周面上に、抵抗調整層16が形成されている。即ち、かかる帯電ロール10にあっては、軸体12の周りに、ロール径方向の内側から外側に向かって、導電性基層14と抵抗調整層16とが、それぞれ、所定の厚さにおいて、順次、一体的に積層形成されてなる構造を有して、構成されているのである。
【0022】
より具体的には、上記導電性基層14は、所定厚さの導電性弾性体にて形成されている。そして、そのような導電性弾性体を与える弾性体材料としては、ヘタリ等が防止され、且つ導電性基層14の硬度が低く調整され得る、公知の各種ゴム材料、例えば、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体ゴム、エチレンプロピレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ニトリルゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、ポリノルボルネンゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム等の合成ゴムや、天然ゴムのうちの何れか1種を単独で用いて、若しくはそれらの2種以上を組み合わせて、混合せしめてなるゴム材料が用いられるのである。そして、そのようなゴム材料に、導電性フィラーとして、カーボンブラック、グラファイト、金属粉、導電性金属酸化物(例えば、導電性酸化スズ、導電性酸化チタン、導電性酸化亜鉛)等の電子導電剤等が従来と同様な配合比率をもって配合されて、体積抵抗率が一般に10 Ωcm以下程度に調整されると共に、プロセスオイルや液状ポリマー等の軟化剤が多量に配合されて、硬度が、有利には、10〜40度(Hs:JIS A)以下程度にまで低く調製された導電性ゴム材料が、導電性基層14の形成材料として、用いられるのである。
【0023】
これによって、帯電ロール10に対して、低硬度乃至は柔軟性と導電性とが付与せしめられるようになっているのである。なお、そのような導電性基層14の形成材料には、従来より公知の加硫剤、加硫助剤、充填剤、加工助剤等の各種の配合剤や添加剤等が、必要に応じて、通常の配合比率をもって、更に添加、混合せしめられる。
【0024】
一方、抵抗調整層16は、非発泡性の半導電性ゴム材料にて形成されている。この非発泡性の半導電性ゴム材料としては、抵抗調整層16の形成材料として従来から用いられるものと同様なもの、例えば、ニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合ゴム等のゴム材料に、導電剤、好ましくはイオン導電剤や、帯電防止剤等が配合されて、体積抵抗率が一般に10 〜1010Ωcm程度に調製され、更には公知の各種の配合剤や添加剤等が、従来と同様な配合割合にて、それぞれ配合されてなる材料が使用される。また、かかる形成材料に配合されるイオン導電剤としては、トリメチルオクタデシルアンモニウムパークロレート、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド等の第4級アンモニウム塩や、過塩素酸リチウム、過塩素酸カリウム等の過塩素酸塩等が、更に帯電防止剤としては、テトラアルキルアンモニウム塩、リン酸エステル、脂肪族アルコールサルフェート塩、脂肪族多価アルコール、BN錯体等が、それぞれ、適宜に選択され、それらが、従来と同様な配合比率にて、用いられることとなる。
【0025】
このような材料を用いて、抵抗調整層16が形成されていることによって、帯電ロール10の電気抵抗が適正な範囲に制御されて、耐電圧性(耐リーク性)が高められ得るようになっているのである。
【0026】
そして、この軸体12の外周面上に、導電性基層14と抵抗調整層16とが、順次、一体的に積層されてなる帯電ロール10にあっては、従来ロールと同様に、像担持体の外周面に接触せしめられるように、所定の画像形成装置に装着されて、直流電源及び交流電源から、直流電圧と交流電圧とが重ね合わされて印加された状態で、像担持体の回転に伴って、それと相対回転せしめられることにより、像担持体表面の全面を帯電させ得るようになっているのである。なお、このような帯電ロール10では、内部から表面への各種配合剤等の滲み出しを防止すると共に、ロール表面の粘着性を低下させて、像担持体に対する汚染や固着等を阻止することを目的として、抵抗調整層16の外周面上に、公知の材料からなる保護層が設けられていても、何等差し支えないのである。
【0027】
ところで、図1からも明らかなように、本実施形態の帯電ロール10にあっては、特に、抵抗調整層16の内周面に、ロール軸方向において全長に連続して延びる、矩形状(台形状)の断面形状と所定の深さとを有する凹溝18が、ロール周方向に一定の距離を隔てて、複数形成されている。そして、そのような複数の凹溝18が形成されていることによって、抵抗調整層16の内周面における、ロール周方向に隣り合う凹溝18同士の間に、矩形状(台形状)の断面形状と各凹溝18の深さに対応した高さを有し、且つそれら各凹溝18の側面にて、ロール周方向に対向位置する二つの側面が構成された突条20が、ロール軸方向において全長に連続して延びるようにして、それぞれ一ずつ、一体的に設けられている。
【0028】
すなわち、換言すれば、ここでは、抵抗調整層16の内周面に、ロール軸方向において全長に連続して延びる突条20の複数が、ロール周方向に一定の距離を隔てて、一体形成されていると共に、それら各突条20におけるロール周方向の両サイドに、各突条20に沿って、ロール軸方向の全長に連続して延びる凹溝18が、それぞれ一つずつ設けられているのである。なお、各凹溝18や各突条20の形状は、例示のものに、何等限定されるものではない。
【0029】
そして、そのような抵抗調整層16の内周面に設けられた突条20にあっては、抵抗調整層16が導電性ゴム材料にて形成されていることによって、外力が加えられた際に、弾性変形せしめられ得るようになっており、しかも、そのような弾性変形状態下で、一部の部位が、両サイドに位置する各凹溝18内にはみ出され得るようになっているために、柔らかいばね特性が発揮され得るように構成されているのである。
【0030】
かくして、本実施形態の帯電ロール10にあっては、図2及び図3に示されるように、像担持体22の外周面に接触せしめられた状態下での、像担持体22表面の帯電時において、像担持体22が振動せしめられた際に、抵抗調整層16の内周面に設けられた複数の突条20が、像担持体22から、その振動に伴って加えられる外力によって、両サイドに位置する凹溝18内に、一部の部位をはみ出させつつ、側方に膨出するように弾性変形せしめられた状態(図3に示される状態)と、その弾性変形が復元せしめられた状態(図2に示される状態)とを繰り返しながら変形せしめられ、以て、そのような突条20の弾性変形時において、柔らかいばね特性が発揮され得るようになっている。そして、かくの如き突条20の繰り返し弾性変形によって、像担持体22の振動が吸収されて、かかる像担持体22の振動の低減が、効果的に図られ得るようになっているのである。
【0031】
なお、かくの如き弾性変形作用を発揮する突条20と、その両サイドに位置する凹溝18の形状は、何等限定されるものではないが、かかる凹溝18は、好ましくは、深さ:dが10〜2000μm程度、ロール周方向の開口幅:wが10〜500μm程度、及びピッチ:pが20〜1000μm程度とされる。
【0032】
何故なら、凹溝18の深さ:dが上記の範囲を下回る場合には、突条20の高さが低くなって、突条20の十分な弾性変形量を確保することが難しくなるために、そのような突条20の弾性変形によって、像担持体22の振動を十分に吸収することが困難となって、かかる像担持体22の振動の低減によって得られる、後述する如き帯電音の防止乃至は抑制効果が不十分なものとなってしまうからである。また、凹溝18の開口幅:wとピッチ:pとが、それぞれ、上記の範囲を下回る場合には、凹溝18が小さくなってしまうために、例えば、突条20が、その一部を、両サイドに位置する凹溝18内にはみ出させつつ弾性変形せしめられた際に、各凹溝18内で、隣り合う突条20のはみ出し部分同士が干渉して、各突条20のばね特性が硬くなってしまうことがあり、そうなると、凹溝18の深さ:dが小さい場合と同様に、突条20の弾性変形による像担持体22の振動の低減作用、ひいてはそれによって得られる帯電音の防止乃至は抑制効果が不十分なものとなってしまうからである。
【0033】
一方、凹溝18の深さ:dと開口幅:wとピッチ:pとが、それぞれ、上記の範囲を上回る場合には、抵抗調整層16における突条20の形成部位と非形成部位との間での体積抵抗に大きな差異が生じ、そのために、帯電ロール10の周方向における体積抵抗のバラツキが大きくなって、そのような帯電ロール10にて帯電せしめられた像担持体に帯電ムラが生じ、その結果として、画像形成装置において、濃度ムラのある画像が出力される恐れが大きくなるといった不具合が生ずることとなる。それ故に、凹溝18の深さ:dと開口幅:wとピッチ:pとが、それぞれ、上記の範囲の上限値以下となっていることが、望ましいのである。
【0034】
また、抵抗調整層16における、凹溝18の底部を与える部分の厚さ:tも、抵抗調整層16の厚さや凹溝18の大きさ等に応じて、適宜に変更されるものであるが、有利には、10〜1000μm程度とされる。何故なら、かかる厚さ:tが、上記の範囲を下回る場合、抵抗調整層16における、凹溝18の底部を与える部分が薄くなり過ぎて、帯電ロール10を像担持体22に押し付けるように接触させた際に、帯電ロール10の外周面(抵抗調整層16の外周面)における凹溝18の内側角部に対応した部位に、角部が生じて、かかる帯電ロール10の外周面の形状が多角形に近い形状となる。そして、そのために、像担持体22の帯電時に、像担持体22が、その回転に伴って、帯電ロール10に対して、面接触と線接触を繰り返しながら接触せしめられることとなり、それによって、それら帯電ロール10と像担持体22との間のニップ幅にバラツキが発生して、像担持体22の帯電ムラが生ぜしめられ、その結果として、形成される画像に濃度ムラが惹起される恐れがあるからである。また、抵抗調整層16における、凹溝18の底部を与える部分の厚さ:tが、上記の範囲を上回る場合、今度は、かかる部分が過剰に厚くなり、そのために、凹溝18同士の間に突条20が形成されているにも拘わらず、像担持体22の振動時に、抵抗調整層16全体において、突条20が何等設けられていない場合と同様な変形が生じ、それによって、突条20の弾性変形に基づいて発揮される像担持体22の振動低減効果を十分に確保することが、困難となるからである。
【0035】
而して、かくの如き構造とされた本実施形態の帯電ロール10を作製するに際しては、例えば、先ず、導電性基層14を形成する、前述せる如き導電性ゴム材料や導電性ゴム発泡体材料等が用いられて、金型成形等の公知の成形手法によって、軸体12の周りに導電性基層14が成形されてなるベースロールが形成される。
【0036】
一方、それとは別に、抵抗調整層16を形成する、前述せる如き非発泡性の半導電性ゴム材料と所定の押出成形機とが用いられ、非発泡性の半導電性ゴム材料が、押出成形により、所定厚さのチューブ形状に成形される。このとき、押出成形機に装備される押出用ダイスとして、外周面に、軸方向に連続して延びる凸部と凹部とが、周方向に交互に設けられてなるマンドレルを内部に有するダイスが用いられることにより、抵抗調整層16を与えるチューブの内周面に、凹溝18と突条20とが、容易に形成されることとなる。
【0037】
そして、上述のようにして形成されたベールロールの外側層を構成する導電性基層14の周りに、非発泡性の半導電性ゴム材料からなるチューブが外挿され、かかる導電性基層14の外周面の全面を覆うように被せらて、内周面に複数の凹溝18と複数の突条20とが周方向に隣り合って設けられた抵抗調整層16が、導電性基層14の外周面上に形成され、以て目的とする帯電ロール10が、完成せしめられるのである。なお、かかる帯電ロール10における導電性基層14や抵抗調整層16のそれぞれの厚さは、その用途等によって、適宜に決定されるところである。
【0038】
なお、ベースロールの導電性基層14の周りに、抵抗調整層16を与えるチューブを被せて、それらを一体化させる方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、かかる抵抗調整層16の形成材料たる非発泡性の半導電性ゴム材料として、熱収縮性を有する材料を用い、この材料にて、抵抗調整層16を与えるチューブを、ベースロールの外径よりも、やや大きめの内径を有するように成形し、そして、かかるチューブを、ベースロールの導電性基層14に被せた後、加熱することにより熱収縮させて、ベースロールの導電性基層14の外周面に密着させ、以て導電性基層14の外周面上に、抵抗調整層16を一体的に積層せしめる方法が、採用される。
【0039】
また、別の方法としては、抵抗調整層16を与えるチューブを、ベースロールの外径よりも、やや小さめの内径を有するように成形し、そして、かかるチューブの内部に圧力空気を送り込んで、その内径を一時的に広げながら、ベースロールの導電性基層14に被せた後、圧力空気の送込みを停止して、チューブをベースロールの導電性基層14の外周面に密着させ、以て導電性基層14の外周面上に、抵抗調整層16を一体的に積層せしめる方法も、採用され得るのである。
【0040】
このように、本実施形態の帯電ロール10にあっては、像担持体22の外周面との接触状態下で、像担持体22が振動せしめられた際に、抵抗調整層16の内周面に設けられた複数の突条20が、両サイドに位置する凹溝18内に、一部の部位をはみ出させつつ、柔らかいばね特性をもって弾性変形せしめられることによって、像担持体22の振動が吸収されて、かかる振動の低減が効果的に図られ得るのであり、従って、そのような像担持体22の激しい振動によって発生する帯電音を、極めて有利に防止乃至は抑制することが可能となったのである。
【0041】
しかも、かかる帯電ロール10においては、上述の如き帯電音の発生の防止のために、導電性基層14に対して、何等特別な構造が付与されることがなく、それ故に、帯電ロール10に対する要求特性等に応じて、導電性基層14の構造が、ソリッド構造と発泡構造のうちから自由に選択可能となるといった利点が得られるのである。
【0042】
また、本実施形態の帯電ロール10にあっては、抵抗調整層16の外周面に、突条20や凹溝18が設けられていることによって、像担持体22の振動の吸収が図られて、帯電音の発生が防止され得るようになっているところから、このような帯電ロール10を用いれば、例えば、帯電音の発生を防止するために、像担持体22の内孔内にアルミ棒等を挿入して、像担持体22の重量を増大させるようなことを行なう必要が有利に皆無ならしめられ得るのであり、それによって、そのような像担持体22に対する特別な構造を付与する際に惹起される種々の問題も、悉く解消され得ることとなるのである。
【0043】
【実施例】
以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべきである。
【0044】
実施例 1
先ず、下記の配合に従って、導電性基層形成材料と抵抗調整層形成材料とを、それぞれ調製した。
導電性基層形成材料の配合組成
スチレンブタジエンゴム 100重量部
カーボンブラック 25重量部
酸化亜鉛 5重量部
ステアリン酸 1重量部
プロセスオイル 130重量部
硫黄 0.3重量部
ジベンゾチアゾールジスルフィド(加硫促進剤) 1.5重量部
テトラメチルチウラムモノサルファイド(加硫促進剤) 0.6重量部
抵抗調整層形成材料の配合組成
エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合ゴム 100重量部
微粉シリカ〔ニップシールVN3:日本シリカ(株)製〕 10重量部
トリメチルオクタデシルアンモニウムパークロレート 0.2重量部
ステアリン酸 1重量部
クレー 〔デキシークレー:白石カルシウム(株)製〕 30重量部
鉛丹 5重量部
エチレンチオウレア 1.5重量部
【0045】
次いで、かくして調製された導電性基層形成材料と、公知の円筒金型と、ニッケルメッキを施した鉄製で、予め所定の導電性接着剤にて表面が接着処理された軸体(外径:6mm)とを用い、円筒金型内に、軸体をセットした後、かかる導電性基層形成材料を注入した。その後、それらを加熱して、導電性基層形成材料に対する加硫操作を行なって、軸体の外周面上に、導電性基層が形成されてなるベースロールを作製した。なお、かくして形成された導電性基層の厚さを2mmとして、ベースロールの全体の外径を10mmとした。
【0046】
一方、上述せるようにして調整された抵抗調整層形成材料と、外周面に、軸方向に連続して延びる凸部と凹部とが、周方向に交互に設けられてなるマンドレルを内部に有するダイスを備えた、公知の押出成形機とを用い、かかる押出成形機に抵抗調整層形成材料を供給して、押出成形を行なうと共に、加熱による加硫操作を行なって、内周面に、軸方向において全長に連続して延びる凹溝が、周方向に一定の距離を隔てて複数形成されると共に、それら複数の凹溝のうちの周方向に隣り合うもの同士の間に、軸方向において全長に連続して延びる、弾性変形可能な突条がそれぞれ一体的に設けられた、抵抗調整層を与えるチューブを成形した。
【0047】
なお、かくして成形されたチューブの厚さを1mmとすると共に、その内径を9.9mmとした。また、かかるチューブの内周面に形成された凹溝の深さ:dを500μmとすると共に、その周方向における開口幅:wを500μmとし、更に、かかる凹溝のピッチ:pを1000μmとした。また、このチューブにおける凹溝の底部を与える部分の厚さ:tを500μmとした。
【0048】
そして、上述のようにして成形された、抵抗調整層を与えるチューブの内部に圧力空気を送り込んで、その内径を10mmを越える大きさに一時的に広げながら、円筒金型内から離型したベースロールの導電性基層に被せた後、チューブ内への圧力空気の送込みを停止して、チューブをベースロールの導電性基層の外周面に密着させた。これによって、導電性基層の外周面上に、抵抗調整層が一体的に積層形成されてなり、且つかかる抵抗調整層の内周面に、軸方向において全長に連続して延びる凹溝が、周方向に一定の距離を隔てて複数形成されると共に、それら複数の凹溝のうちの周方向に隣り合うもの同士の間に、軸方向において全長に連続して延びる、弾性変形可能な突条がそれぞれ一体的に設けられた、目的とする帯電ロール(実施例1)を作製した。なお、この実施例1の帯電ロールの外径は12mmとなっていた。
【0049】
実施例 2
実施例1と同様な配合組成とされた導電性基層形成材料と抵抗調整層形成材料形成材料とを用いて、実施例1と同様に方法により、ベースロールを作製すると共に、内周面に、複数の凹溝と複数の突条とが設けられた、抵抗調整層を与えるチューブを成形した。その後、それら作製乃至は成形されたベースロールと抵抗調整層を与えるチューブとを用い、実施例1と同様な方法で、ベースロールにおける導電性基層の外周面上に、チューブを被せて、密着せしめ、以て、軸体の周りに設けられた導電性基層の外周面上に、抵抗調整層が一体的に積層されてなり、且つ抵抗調整層の内周面に、複数の凹溝と複数の突条とが一体的に設けられた、目的とする帯電ロール(実施例2)を得た。
【0050】
なお、導電性基層の厚さを2.4mmとすると共に、ベースロール全体の外径を10.8mmとし、また、抵抗調整層を与えるチューブの厚さは600μmとして、その内径は10.7mmとした。更に、かかるチューブの内周面に形成された凹溝の深さ:dを100μmとすると共に、その周方向における開口幅:wを50μmとし、また、かかる凹溝のピッチ:pを100μmとした。また、このチューブにおける凹溝の底部を与える部分の厚さ:tを500μmとした。
【0051】
実施例 3
実施例1と同様な配合組成とされた導電性基層形成材料と抵抗調整層形成材料形成材料とを用いて、実施例1と同様に方法により、ベースロールを作製すると共に、内周面に、複数の凹溝と複数の突条とが設けられた、抵抗調整層を与えるチューブを成形した。その後、それら作製乃至は成形されたベースロールと抵抗調整層を与えるチューブとを用い、実施例1と同様な方法で、ベースロールにおける導電性基層の外周面上に、チューブを被せて、密着せしめ、以て、軸体の周りに設けられた導電性基層の外周面上に、抵抗調整層が一体的に積層されてなり、且つ抵抗調整層の内周面に、複数の凹溝と複数の突条とが一体的に設けられた、目的とする帯電ロール(実施例3)を得た。
【0052】
なお、導電性基層の厚さを0.7mmとすると共に、ベースロール全体の外径を7.4mmとした。また、抵抗調整層を与えるチューブの厚さは2300μmとして、その内径は7.3mmとした。更に、かかるチューブの内周面に形成された凹溝の深さ:dを1800μmとすると共に、その周方向における開口幅:wを400μmとし、また、かかる凹溝のピッチ:pを1000μmとした。また、このチューブにおける凹溝の底部を与える部分の厚さ:tを500μmとした。
【0053】
比較例 1
先ず、実施例1と同様な配合組成にて、導電性基層形成材料と抵抗調整層形成材料を調製した。その後、実施例1と同様に方法により、導電性基層形成材料と円筒金型とを用いて、ベースロールを作製した。一方、抵抗調整層形成材料と、外周面が平滑な円筒面とされたマンドレルを内部に有するダイスを備えた、公知の押出成形機とを用い、かかる押出成形機に抵抗調整層形成材料を供給して、押出成形を行なうと共に、加熱による加硫操作を行なって、内周面と外周面とが、何れも、平滑な円筒面とされた、抵抗調整層を与えるチューブを成形した。
【0054】
その後、それら作製乃至は成形されたベースロールと抵抗調整層を与えるチューブとを用い、実施例1と同様な方法で、ベースロールにおける導電性基層の外周面上に、チューブを被せて、密着せしめ、以て、軸体の周りに設けられた導電性基層の外周面上に、抵抗調整層が一体的に積層されてなり、且つ抵抗調整層の内周面が平滑な円筒面とされた、目的とする帯電ロール(比較例1)を得た。なお、導電性基層と抵抗調整層のそれぞれの厚さ、及び帯電ロールの外径は、実施例1と同一とした。
【0055】
そして、かくして得られた4種類の帯電ロール(実施例1〜3及び比較例1)を用いて、以下の方法により、各ロールの使用時における帯電音と画像形成性能とを、それぞれ、調べた。その結果を、下記表1に併せて示した。
帯電音
無響室内において、各帯電ロールを、回転可能に設置された感光体の外周面に押し当てた状態で、回転可能に設置し、感光体を、45rpmの回転速度で回転駆動させることにより、各帯電ロールを連れ回り周りさせた状態で、交流2kVpp 、直流−600Vの電圧を、300〜3600Hzの間で、300Hz毎に交流電圧の周波数を変化させつつ印加して、感光体を帯電させ、その際に生ずる帯電音を、種々の周波数毎に、感光体と各帯電ロールの接触部から30cm離隔した位置で、騒音計〔NL01A:リオン(株)製〕により測定した。
画像形成性能
レーザービームプリンター〔レーザーショットLBPA404E:キャノン(株)製〕に、各帯電ロールを取り付けて、15℃×10%RHの環境下で、ハーフトーン画像をそれぞれプリントアウトし、濃度ムラによる画像欠陥の有無を視認した。画像欠陥が生じないものを○、それが多少生じたものを△、それが際だって生じたものを×として、それぞれ評価した。
【0056】
【表1】
Figure 2004245935
【0057】
かかる表1からも明らかなように、実施例1及び実施例2の帯電ロールと比較例1の帯電ロールとを比較すると、それらは、何れも、画像形成性能において良好な評価が為されてはいるものの、帯電音については、交流電圧の周波数の変化に拘わらず、実施例1と実施例2の帯電ロールが、比較例1の帯電ロールよりも明らかに低い値となっていることが認められる。また、実施例3の帯電ロールと比較例1の帯電ロールを比較すると、画像形成性能において、実施例3の帯電ロールの評価が多少劣るものの、帯電音については、交流電圧の周波数の変化に拘わらず、実施例3の帯電ロールが、比較例1の帯電ロールよりも明らかに低い値となっていることが認められる。
【0058】
これらの事実は、帯電ロールにおいて、抵抗調整層の内周面に、軸方向において全長に連続して延びる凹溝を、周方向に所定の距離を隔てて複数形成すると共に、それら複数の凹溝のうちの周方向に隣り合うもの同士の間に、軸方向において全長に連続して延びる、弾性変形可能な突条を、それぞれ一体的に設けることによって、交流電圧の周波数に何等影響されることのない、優れた帯電音の防止乃至は抑制作用が発揮され得ることを、如実に示しており、また、特に、抵抗調整層の内周面に設けられる凹溝の大きさやピッチ等を、特定の範囲内の値とすることによって、優れた帯電音の防止乃至は抑制作用が、良好な画像形成性能を十分に確保した上で、より効果的に発揮され得るようになることも、示しているのである。
【0059】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明に従う帯電ロールにあっては、装着される画像形成装置における像担持体の構造や、軸体の周りに設けられる導電性基層の構造を制限することによって生ずる数々の問題を悉く解消しつつ、帯電音の発生が、極めて有利に防止乃至は抑制され得ることとなったのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う帯電ロールの一例を示す横断面説明図である。
【図2】図1に示された帯電ロールの使用状態を説明するための図であって、帯電ロールを像担持体の外周面に接触位置せしめた状態を示している。
【図3】図1に示された帯電ロールの別の使用状態を説明するための図であって、像担持体の振動によって、帯電ロールの抵抗調整層に一体形成された突条が弾性変形せしめられた状態を示している。
【符号の説明】
10 帯電ロール
12 軸体
14 導電性基層
16 抵抗調整層
18 凹溝
20 突条
22 像担持体

Claims (2)

  1. 軸体の周りに導電性基層が設けられ、更に、該導電性基層の外周面上に、抵抗調整層が形成されて構成され、像担持体に外周面を接触せしめた状態で、直流電圧と交流電圧とを重ね合せて印加せしめることにより、該像担持体の表面を帯電させるようにした帯電ロールにおいて、
    前記抵抗調整層を半導電性弾性体材料にて構成すると共に、かかる抵抗調整層の内周面に、軸方向において全長に連続して延びる凹溝を、周方向に所定の距離を隔てて複数形成することにより、それら複数の凹溝のうちの周方向に隣り合うもの同士の間に、軸方向において全長に連続して延びる、弾性変形可能な突条を、それぞれ一体的に設けて構成したことを特徴とする帯電ロール。
  2. 前記凹溝が、10〜2000μmの深さと、10〜500μmの開口幅と、20〜1000μmのピッチとを有して構成されると共に、該凹溝の底部を与える前記抵抗調整層部分の厚さが10〜1000μmとされている請求項1に記載の帯電ロール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007086607A (ja) * 2005-09-26 2007-04-05 Canon Chemicals Inc 導電性ローラ、その製造方法および画像形成装置

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