JP2006266754A - X線断層撮像方法及びx線断層撮像装置 - Google Patents

X線断層撮像方法及びx線断層撮像装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 被検査体の内部構造データからリングアーチファクトを簡便に除去する。
【解決手段】 回転手段上の回転軸と重ならない位置に配置された被検査体にX線を照射して得られた各投影像を再構成して再構成データを作成し、次に、この再構成データの回転軸と垂直な断面データ31を取得し、この断面データ31において、周縁部から回転軸15まで被検査体自体のデータ7aが存在しない角度範囲θ1を検出し、そして、この被検査体自体のデータ7aが存在しない角度範囲θ1の断面データ(真正断面データ)34を基に、被検査体自体のデータ7aが存在する角度範囲(360°−θ1)について被検査体自体のデータ7aを除いた擬似断面データ35を作成し、上記再構成データの断面データ31と、真正断面データ34及び擬似断面データ35からなる断面データ36との差分を計算し、被検査体自体の内部構造データの断面データ7aを得ることを特徴とする。
【選択図】 図6

Description

本発明は、X線断層撮像方法及びX線断層撮像装置に関し、特にリングアーチファクトからなるノイズ分を除去するのに好適なX線断層撮像方法及びX線断層撮像装置。
従来、半導体素子等の研究開発分野では、微小被検査体内部に存在するひび割れや断線等を検査するため非破壊3次元分析が要求されている。その非破壊3次元分析手法の一つにX線による断層撮像方法がある。このX線断層撮像方法は、X線源(X線管等から構成されるX線発生装置)と、このX線源よりX線焦点を経て照射され被検査体を透過したX線を検出する検出器とを用い、これらX線源及び検出器の間に載置され被検査体の透過X線を検出器により撮像する。そして、撮像した投影像を画像データとして処理し再構成することで内部構造データを作成し、被検査体内部を検査、観察することができる。
より具体的には、被検査体の平面内に多方の角度からX線を照射して、透過X線の強度分布を検出器で検出し測定する。そして、測定された強度分布に基づいて所定の演算を行ない、X線照射平面内での被検査体の断層像(投影像)を取得する。さらに、X線照射平面を所定角度変位ずつ切り替えながら投影像を取得し、取得した複数の投影像を再構成計算して得られる内部構造データより、被検査体の内部構造を3次元的に観察することができるというものである。
上記被検査体の投影像には、X線源や検出器などに起因するノイズ、検出器の各素子のばらつきや欠陥などが反映される。そのため、得られた投影像から被検査体の内部構造データの再構成計算を行なうと、再構成計算結果である内部構造データにリングアーチファクトと呼ばれる同心円状のエラーデータが生じてしまう。
得られた内部構造データから、より精細に被検査体の内部構造を観察できるようにする上で、上記リングアーチファクトの除去が不可欠である。例えば、2次元画像を回転中心軸からの距離rと角度位相θからなるr−θ座標系に変換した上で、フィルタ処理を行ない、アーチファクトを低減する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2001−95793号公報
ところで、特許文献1に記載のものは、回転計測平面に平行なx−y画像をr−θ画像に変換する処理、次にそのr−θ画像からθ方向誤差をr−θ誤差画像として抽出する処理、続いて抽出したr−θ誤差画像をx−y誤差画像に変換する処理、そして上記x−y画像からx−y誤差画像を差し引く処理を有し、複数の複雑な計算処理が必要であるという問題があった。
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、被検査体の内部構造データからリングアーチファクトを簡便に除去することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、X線源と、被検査体の透過X線を撮像する二次元検出手段と、X線源のX線焦点と二次元検出手段との間に配置され、被検査体を載置してX線焦点から二次元検出手段の受光面に降ろした垂線に直交する回転軸を中心に所定角度変位で回転する回転手段と、各角度位相で撮像された複数の投影像を再構成する再構成手段を用い、上記回転手段の回転軸と重ならない位置に配置された被検査体を撮像して得られた各投影像を再構成して再構成データを作成し、次に、この再構成データの回転軸と垂直な断面データを取得し、続いて、この断面データにおいて、周縁部から回転軸まで被検査体自体のデータが存在しない角度範囲を検出し、そして、この被検査体自体のデータが存在しない角度範囲の断面データを基に、被検査体自体のデータが存在する角度範囲について被検査体自体のデータを除いた擬似断面データを作成し、最後に、上記再構成データの断面データと、被検査体自体のデータが存在しない角度範囲の断面データ及び擬似断面データからなる断面データとの差分を計算し、被検査体自体の内部構造データの断面データを得ることを特徴とする。
上述の構成によれば、リングアーチファクトが同心円状であることを利用して、被検査体自体のデータが存在しない角度範囲を検出し、この被検査体自体のデータが存在しない角度範囲の断面データを基に、被検査体自体のデータが存在する角度範囲について被検査体自体のデータを除いた擬似断面データを作成することにより、被検査体自体のデータが存在しない背景としての断面データを擬似的に生成することができる。
本発明によれば、被検査体の存在しない背景としての再構成データの断面データを生成して、被検査体が存在する再構成データの断面データとの差分を取ることにより、被検査体の内部構造データの断面データから簡便にリングアーチファクトを除去することができるという効果がある。
また、複数の断面データを再構成することにより、リングアーチファクトが除去された被検査体の内部構造データの全体像が得られるという効果がある。
以下本発明を実施するための最良の形態の例を説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
すなわち、現在、断層撮像装置の中でも広く用いられているX線による断層撮像装置を例に説明するが、本発明は、X線その他の放射線等を多方向から物体に照射し、その投影像を撮像した複数の投影データより内部構造データを再構成計算する断層撮像装置に適用することができる。
図1A,Bは、本発明に係るX線断層撮像装置の一実施の形態例を示す概略図であり、Aは正面図、Bは側面図を表す。
図1A,Bにおいて、X線管1は例えばコーンビーム状のX線を発生するX線源として機能するX線発生装置である。このX線管1から被検査体7全体にX線を照射し、照射されるX線により被検査体7の投影像の撮像を行い、この被検査体7の透過X線を、二次元検出手段として機能するX線二次元検出器2で検出し投影像を得る。
このX線管1から照射されるX線は、例えば焦点サイズ約1μm以下の極小のX線焦点を形成するよう構成されている。X線の焦点サイズは、X線断層撮像装置の分解能を決定する大きな要素であるため、この数値が小さいほど、より被検査体内部の微少サイズの損傷等を観察でき好ましい。
X線二次元検出器2は、例えば、フラットパネルディテクタ(FPD)より構成され、X線管1のX線焦点から下ろした垂線がX線二次元検出器2の中心に照射されるよう、X線二次元検出器駆動機構14により、左右上下(XYZ方向)への動きを調節することができる。
FPDについては、一例として特開平6−342098号公報(以下、「文献1」という。)に開示されているようなものがある。このFPDは、被写体を透過したX線を光導電層で吸収してX線強度に応じた電荷を発生させ、その電荷量を画素毎に検知するものである。文献1に開示された方式のFPDでは、X線量を画素毎の電荷量に直接変換するため、FPDでの鮮鋭性の劣化が少なく、鮮鋭性に優れた画像が得られる。その他の方式のFPDの例としては、例えば特開平9−90048号公報に開示されているように、X線を増感紙等の蛍光体層に吸収させて蛍光を発生させ、その蛍光の強度を光電変換素子で検知するものなどがある。
蛍光の検知手段としては他に、CCD(Charge Coupled Devices)やC−MOS(Complementary-Metal Oxide Semiconductor)センサを用いる方法などもある。このように、本例のX線二次元検出器2は、被検査体の透過X線を検出し画素毎に処理して画像信号を得られるものであればよい。
回転基台3は被検査体7を載置するとともに、その被検査体7を回転させる回転手段である。以降、回転基台部分を回転させるためのモータ及び後述する軸受け等より構成される回転基台部全体を含めて、回転基台と称する。この回転基台3を自身が回転する回転軸と平行方向、すなわち図1Bに示すように、Z軸方向に移動させるためのZ軸駆動機構3aを備えてなる。さらに、Y軸方向に被検査体7を移動させるためのY軸駆動機構6を備えてなる。被検査体7は回転基台上の保持冶具8にて保持、固定されるようになっている。
上記回転基台3は、空気軸受け4によって支持されており、この空気軸受け4に同軸上に直結された例えば0.2分以下の角度位置決め精度を持つ図示しないサーボモータ、及び回転位相検出手段により、之等サーボモータ及び回転位相検出手段の分解能に応じた各角度変位において、再構成に必要な上記投影データの取り込み期間に同期して静止される。
回転基台3を支持する軸受け4の回転軸は、X線管1の焦点からX線二次元検出器2中心付近へ降ろした垂線と直交している。本例ではこの軸受け4は回転基台3を微少角度変位制御できる空気軸受けよりなるが、これに限るものではなく、回転基台3を支持し滑らかに回転して微少角度変位制御できるものであればよい。
XYテーブル5は、搭載されたX線源のX線管1を、軸受け4の回転軸と直交する平面上で移動させるものである。被検査体7の旋回半径を適宜XYテーブル5にフィードバックし、必要に応じ被検査体7とXYテーブル5を極接近させた状態で投影データを取得することができる。拡大率を支配する一番上位の要素はX線焦点と回転基台3に保持された被検査体7との相互間距離であり、拡大率が大きければ、より微細な部位の内部構造を解析することが可能となる。
除振台10は、上述したX線断層像撮象装置を構成する全ての装置、部材等を載置し、X線照射位置に誤差が生じないよう振動を除去するものである。また、シールドカバー11は鉛等より構成され、X線断層撮像装置の外部にX線が漏れないよう装置全体を覆うものである。
図2は、図1Aの要部の一例を示す図である。
後述するが、回転基台3に載置される被検査体7は、回転基台3の回転中心軸15からずらして載置される。そして、この状態で、被検査体7に対しX線管1からX線が照射され、投影像の撮像が行われる。
次に、上述したX線断層撮像装置のブロック構成の一例について、図3を参照して説明する。
まず、X線管1は、上述したように回転基台3上に載置された被検査体7に対してX線照射するものである。このとき照射されるX線の強度、線質等は、X線制御手段であるX線制御部20を通じて制御操作卓22により制御される。
上記被検査体7を載置する回転基台3の位置、回転角度変位、初期角度位相等は、回転基台3並びにXYステージ5の動きを制御する機構制御手段である機構制御部21を通じて、制御操作卓22により制御される。回転基台3に載置された被検査体7は制御操作卓22からの制御信号により指定された角度位相に回転され、その投影像はX線2次元検出器2により撮像される。
制御操作卓22は、キーボードやマウス等の入力手段、機器動作状態や入力値等を表示するGUI(Graphical User Interface)を備えた表示手段(図示略)が接続されている。また、入力手段からの入力操作信号の処理、及びROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリ(図示略)に格納されたプログラムに従い後述するノイズ除去処理等の演算・制御を行うプロセッサ等からなる制御手段を備える。
さらに、制御操作卓22は、X線管1より出射されるX線のX線強度等の情報を取り込み表示手段に表示し、また、被検査体7の適切な位置出しを行うにあたり機構制御部21を通じて回転基台3に指令を出すなどする。
被検査体7を透過したX線は、X線二次元検出器2で検出される。X線二次元検出器2は、検出したX線の情報である投影像をデジタルデータ化し、デジタルデータである投影データを、大容量の磁気記録装置等からなり撮像記憶手段として機能する投影像記憶部23に送出する。
送出された投影像は(制御操作卓22からの指示により、)、撮像時の角度位相や角度変位、初期角度位相、X線強度等の情報と対応して、投影像記憶部23に保存される。この投影像記憶部23は、投影データを記録できる記録容量を有するものであればこれに限るものではなく、光記録媒体や半導体メモリ等のリムーバブルな記録媒体などを含め、さまざまなものを適用することができる。
そして、投影像記憶部23に記憶された投影データは、これと接続された再構成手段として機能する再構成計算用計算機24に送出される。再構成計算用計算機24では入力された投影データより被検査体の内部構造データを再構成計算し、再構成した内部構造データ(再構成データ)を投影像記憶部23あるいは外部記録媒体等に記憶する。また、図示しない表示メモリを介して表示手段である再構成結果表示装置25に出力し、CRT(Cathode Ray Tube)モニタ等のディスプレイに表示する。
再構成計算用計算機24は、投影データを収集して内部構造データを再構成できるとともに所定の制御を行なう演算・制御能力があればよく、投影像記憶部23ともに制御操作卓22内に構成してもよい。また、再構成結果表示装置25は制御操作卓22の表示手段と共用であってもよい。
以上のような構成により、被検査体7の内部構造データが再構成結果表示装置25に入力されて内部構造が表示される。オペレータ(作業者)は、再構成結果表示装置25に表示された内部構造により、多層膜板や微小な電子部品素子等の被検査体内部のひび割れ及び断線など、欠陥の有無もしくはその状態を視覚的に確認することができる。
次に、上記構成のX線断層撮像装置により行われるX線断層撮像方法について説明する。
本例のX線断層撮像方法は、再構成計算後の内部構造データからリングアーチファクト等を含むノイズ分を除去ないしは低減するノイズ除去処理に係るものである。
図4は、ノイズ除去処理を示すフローチャートである。この図4について、図5〜7を参照して説明する。
従来の撮像方法によれば、被検査体7が載置されている回転基台3を所定の回転角度変位ずつ回転させて一周360枚の投影像を撮像した場合、被検査体7の投影像に、X線管1やX線二次元検出器2などに起因するノイズ、X線二次元検出器2の各素子のばらつきや欠陥などが反映され、再構成計算結果である内部構造データのほぼ全体にリングアーチファクトが生じる。
本発明では、上記リングアーチファクトを除去するため、前準備として、図2に示すように被検査体7の投影像と回転中心軸15が、X線二次元検出器2の受光面に投影されるべき位置に重ならない位置が存在するよう、被検査体7を載置、固定する。すなわち、被検査体7が回転基台3の回転中心軸15上に位置しないよう、回転中心軸15を外して被検査体7を回転基台3上に配置する。
そして、被検査体7が載置されている回転基台3の回転角度変位を例えば1°として、一周360枚の投影像を撮像する。それから、再構成計算用計算機24にて、各角度位相の投影像より内部構造データを再構成する。このとき、被検査体7自体の内部構造データだけでなく、それ以外の部分(例えば、空気に相当する部分)についての再構成計算結果も得られるが、これらを総称して再構成データと称する。
図5は、被検査体7を回転基台3の回転中心軸15から外して載置した場合に得られる再構成データの一例を示す。図5に示すように、再構成データ30は略円柱状であり、その内部には被検査体7の内部構造データである被検査体データ7aが存在する。
図4において、まず、制御操作卓22が、投影像記憶部23等に格納されている被検査体7を対象とした再構成データ30を取得する(ステップS1)。次に、図5に示すように、再構成データ30の回転中心軸15と垂直な平面上のデータ、すなわち断面31のデータを取得する(ステップS2)。
図6A,B,Cは、本発明に係るノイズ除去処理の説明に供する図である。図6Aは再構成データ30の断面31、図6Bはその断面31のノイズデータ部分、図6Cはノイズ除去後の再構成データの断面を示すものである。
図6Aに示すように、再構成データ30の断面31は円形状であり、被検査体データ7aの断面と、リングアーチファクト32を含むノイズデータ33からなる。この断面31において、周縁部から回転中心軸15までノイズのみの領域(角度範囲)を検出する(ステップS3)。図6Aの例では、回転中心軸15を中心とする基準位相からの角度θ1の領域を被検査体データ7aにかからないノイズ部分として検出する。この例では、θ1=90°とする。
次に、検出したノイズ領域のデータ(真正ノイズデータ34)より、被検査体データ7aと重なっている領域(角度範囲)のノイズを擬似的に作成する(ステップS4)。図6Bに示すように、ノイズデータ33の右半円のノイズデータ34を回転中心軸15について180°回転させて、被検査体データ7aが存在する左半円のノイズ部分、すなわちノイズデータ35を擬似的に作成(複製)する。このように、右半円のノイズデータ34と左半円の擬似ノイズデータ35からなる、被検査体データ7aの存在しない背景としての擬似ノイズデータ36を簡単に生成することができる。
そして、再構成データ30の断面31(図6A参照)と、擬似ノイズデータ36(図6B参照)との差分を計算する(ステップS5)。そうして、図6Cに示すような、ノイズが除去された被検査体7の内部構造データである被検査体データ7aの断面を得る。
図7は、被検査体7のノイズ除去前後における実際の内部構造データの一例を示したものである。この図7では、被検査体7の一例として電池を用いた例としている。
図7Aに示すように、ノイズ除去前では、ノイズデータ33と被検査体データ7aが重畳している様子が見られる。
一方、上述方法によるノイズ除去後の状態を表す図7Bでは、被検査体データ7aの存在しない右半円領域37のノイズ部分は完全に除去されていることがわかる。この右半円領域37のノイズ部分については、再構成データ30の断面31に現れる右半円のノイズデータ34を使用して直接ノイズを除去(図6A,B,C参照)しているため、ノイズが完全に除去される。また、図7Bの左半円領域38については、リングアーチファクトが除去されて被検査体データ7aのノイズが著しく低減している。これは、リングアーチファクトが同心円状のノイズである特性を持つので、真性のノイズデータ34から作成される擬似ノイズデータ35も同心円状の縞模様(図6B参照)となり、おおよそのリングアーチファクトが除去できるという理由による。
上述したように、再構成データ30の中心部(回転中心軸15)より被検査体データ7aが存在しない箇所がある再構成データ30の断面31に対しては、被検査体データ7aが存在しない箇所の半径方向の領域から、被検査体データ7aの存在する領域へ回転中心軸15を中心に回転して擬似ノイズデータを展開する。そして、被検査体データ7aの存在しない背景としての再構成データの断面(擬似ノイズデータ36)を生成し、再構成データ30の断面31から背景としての擬似ノイズデータ36を減算することにより、リングアーチファクト32が除去された被検査体7の内部構造データ(被検査体データ7a)の断面を得ることができる。
このように、リングアーチファクトが同心円状のエラーデータである特徴を利用し、被検査体の存在しない背景としての再構成データ(断面)を生成して、被検査体が存在する再構成データ(断面)との差分を取ることにより、被検査体の内部構造データから簡便にリングアーチファクトを除去することができる。
さらに、上記リングアーチファクトを軽減した再構成データの断面を回転中心軸に沿って複数取得し、この複数の再構成データの断面を再構成することにより、リングアーチファクトを軽減した被検査体の内部構造データの全体像を得ることができる。
上述の実施の形態例において、被検査体の内部構造データが存在しない箇所を再構成データ断面全体の半分としたが、再構成データ断面の中心部より被検査体の内部構造データが存在しない領域(真正ノイズデータ)があれば、その真正ノイズデータを同心円状に展開し、擬似ノイズデータを生成するようにしてもよい。
被検査体の内部構造データが存在しない領域が半円ではない、他の再構成データの断面例を、図8に示す。
図8の例では、被検査体がくの字であるために、再構成データの断面31の中心部より被検査体データ7bが存在しない部分は、基準位相からの角度θ2が約90°の範囲となっている。この角度θ2のノイズデータを基に、被検査体データ7bが存在する領域(360°−θ2)における擬似ノイズデータを作成する。そして、被検査体データ7bが存在する領域の擬似ノイズデータを生成した後、再構成データ断面31の被検査体データ7bが存在する領域との差分を取る。
例えば、被検査体データが存在しない領域の角度範囲が90°である場合、その90°の角度範囲のノイズデータを3個複製して合成するだけで、被検査体データが存在する270°(=360°−90°)の角度範囲について容易に擬似ノイズデータを作成することができる。
次に、本発明に係る他の実施の形態例について説明する。
例えば、回転基台3を回転させて一周360枚の投影像を撮像し、各投影像より再構成計算を行ない、得られた内部構造データの精細度を再構成計算結果表示装置25にて観察、評価する。その結果、リングアーチファクトにより、被検査体の内部構造データの信頼度が所望のレベルに達しなかった場合、被検査体の内部構造データを含む再構成データの断面において、中心部(回転中心軸)より被検査体の内部構造データが存在しない領域を検出する。そして、被検査体の内部構造データが存在しない領域と、回転中心軸を中心に回転させた位置にある内部構造データが存在する領域のデータとの差分をとり、リングアーチファクトを軽減した再構成データの断面を得る。
なお、上述の実施の形態例において、回転角度変位を一例として1°に設定したが、被検査体の形状に合わせた値を取っても構わない。例えば、図6の例では、被検査体が存在しない角度θ1の領域については回転基台3の角度変位を5°等に設定し、被検査体が存在する角度(360−θ1)の領域については角度変位1°とする。このようにすることで、希望する角度範囲については精細なデータを得る一方で、それ以外の部分については撮像時間の短縮及び投影像記憶部などのメモリ資源を節約できる。
また、上述の実施の形態例では、回転基台3上に載置された被検査体7を回転させるようにしているが、本発明は、X線管と二次元検出器の間に被検査体が配置され、X線管及び二次元検出器に対して被検査体が相対的に回転するものであればよく、被検査体の周囲をX線管及び二次元検出器が回転する構成のX線断層撮像装置にも適用することができる。
また、本発明は、上述した各実施の形態例に限定されるものではなく、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能であることは勿論である。
本発明の一実施の形態によるX線断層撮像装置を示す概略図であり、Aは正面図、Bは側面図を表す。 本発明の一実施の形態によるX線断層撮像装置の要部の一例を示した図である。 本発明の一実施の形態によるX線断層撮像装置のブロック構成図である。 本発明の一実施の形態によるノイズ除去処理を示すフローチャートである。図である。 本発明の一実施の形態による内部構造データの一例を示す図である。 本発明に係るノイズ除去処理の説明図である。 A,Bは、それぞれノイズ除去処理前後における内部構造データの一例を示す図である。 本発明の一実施の形態による他の内部構造データの一例を示す図である。
符号の説明
1…X線管、2…X線2次元検出器、3…回転基台、7…被検査体、7a,7b…被検査体データ、15…回転中心軸、22…制御操作卓、23…投影像記憶部、24…再構成計算用計算機、25…再構成結果表示装置、30…再構成データ、31…断面、32…アーチファクト、33,36…ノイズデータ、34…ノイズデータ(真正)、35…擬似ノイズデータ、37…右半円領域、38…左半円領域

Claims (6)

  1. X線源と、被検査体の透過X線を撮像する二次元検出手段と、前記X線源のX線焦点と前記二次元検出手段との間に配置され、前記被検査体を載置して前記X線焦点から前記二次元検出手段の受光面に降ろした垂線に直交する回転軸を中心に所定角度変位で回転する回転手段と、各角度位相で撮像された複数の投影像を再構成する再構成手段を用い、前記被検査体の内部構造データを得るX線断層撮像方法であって、
    前記回転手段の回転軸と重ならない位置に配置された被検査体を撮像して得られた各投影像を再構成して再構成データを作成し、
    次に、前記再構成データの前記回転軸と垂直な断面データを取得し、
    続いて、前記断面データにおいて、周縁部から前記回転軸まで前記被検査体自体のデータが存在しない角度範囲を検出し、
    そして、前記被検査体自体のデータが存在しない角度範囲の断面データを基に、前記被検査体自体のデータが存在する角度範囲について前記被検査体自体のデータを除いた擬似断面データを作成し、
    最後に、前記再構成データの断面データと、前記被検査体自体のデータが存在しない角度範囲の断面データ及び擬似断面データからなる断面データとの差分を計算し、
    前記被検査体自体の内部構造データの断面データを得る
    ことを特徴とするX線断層撮像方法。
  2. 前記擬似断面データは、前記被検査体自体のデータが存在する角度範囲において、前記被検査体自体のデータが存在しない角度範囲の断面データの複製を使用して作成される
    ことを特徴とする請求項1に記載のX線断層撮像方法。
  3. 前記被検査体自体の内部構造データの断面データを前記回転軸に沿って複数取得し、該複数の断面データから前記被検査体の内部構造データの全体像を作成する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のX線断層撮像方法。
  4. 前記再構成データの断面データにおいて、前記被検査体自体のデータが存在しない角度範囲が180°である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のX線断層撮像方法。
  5. 前記再構成データの断面データにおいて、前記被検査体自体のデータが存在しない角度範囲が90°である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のX線断層撮像方法。
  6. X線源と、被検査体の透過X線を撮像する二次元検出手段と、前記X線源のX線焦点と前記二次元検出手段との間に配置され、前記被検査体を載置して前記X線焦点から前記二次元検出手段の受光面に降ろした垂線に直交する回転軸を中心に所定角度変位で回転する回転手段と、各角度位相で撮像された複数の投影像を再構成する再構成手段とを備えるX線断層撮像装置であって、
    前記回転手段の回転軸と重ならない位置に配置された被検査体を撮像して得られた各投影像の再構成データについて前記回転軸と垂直な断面データを取得し、次に、前記断面データにおいて、周縁部から前記回転軸まで前記被検査体自体のデータが存在しない角度範囲を検出し、続いて、前記被検査体自体のデータが存在しない角度範囲の断面データを基に、前記被検査体自体のデータが存在する角度範囲について前記被検査体自体のデータを除いた擬似断面データを作成し、そして、前記再構成データの断面データと、前記被検査体自体のデータが存在しない角度範囲の断面データ及び前記被検査体自体のデータを除いた擬似断面データからなる断面データとの差分を計算し、前記被検査体自体の内部構造データの断面データを得る制御手段を有する
    ことを特徴とするX線断層撮像装置。
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