JP2010057572A - X線ct装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】断層像に高輝度領域が存在していても、リングアーチファクトの除去処理の後に新たにアーチファクトの発生を抑制することができ、もって確実にリングアーチファクトの存在しない断層像を得ることのできるX線CT装置を提供する。
【解決手段】互いに対向配置されたX線発生装置1とX線検出器2の対と、これらの間に配置された試料ステージ3とを相対回転させることにより、複数の角度での対象物WのX線投影データを収集し、その投影データを用いて回転軸Rに直交する面に沿った断層像を構築するX線CT装置において、断層像上の高輝度領域を抽出し、その抽出した領域の輝度を低減した後、空間フィルタを用いてリングアーチファクトを抽出し、原断層像からその抽出した画像を減算することにより、空間フィルタによるリングアーチファクトの抽出処理に際して新たなアーチファクトの発生を防止し、確実にリングアーチファクトの存在しない断層像を得ることを可能とする。
【選択図】図1

Description

本発明はX線CT装置に関し、更に詳しくは、断層像に現れるリングアーチファクトを除去ないしは低減することのできるX線CT装置に関する。
X線CT装置においては、一般に、X線発生装置とX線検出器とを対向配置し、これらの間に対象物を載せるための試料ステージを配置するとともに、X線発生装置とX線検出器の対と試料ステージとを相対的に回転させる回転機構を備えた構造を採る。
CT撮影に際しては、X線発生装置からのX線を試料ステージ上の対象物に照射しながら回転機構を駆動し、一定の微小角度刻みでX線検出器の出力、つまり対象物のX線投影データを取り込む。そして、このようにして収集された互いに異なる複数の角度でのX線投影データを用いた再構成演算により、回転機構の回転中心軸に直交する平面に沿った断層像を構築する。
このようなX線CT装置においては、素子の特性のばらつき等に起因して、再構成演算された断層像上にリング状や円弧状の誤差、いわゆるリングアーチファクトが現れることがある。
断層像からリングアーチファクトを除去する方法として、従来、断層像上のリングアーチファクトが、CT撮影時のX線発生装置とX線検出器の対と対象物との相対回転中心に相当する位置を中心としたリング状ないしは円弧状に現れることを利用し、断層像をx−y座標系からr−θ座標系(原点は撮影時における回転中心の位置)に座標変換することにより、原画像のリングアーチファクトが変換後のr−θ画像では直線状に現れるようにし、そのr−θ画像に2次元もしくは1次元フィルタ処理を施すことによってアーチファクトを抽出し、その抽出した像を変換前の断層像(以下、原断層像と称する)から差し引く方法が提案されている(例えば特許文献1,2参照)。
特開2001−95793号公報 特開2006−26390号公報
ところで、以上のような空間フィルタを用いたリングアーチファクトの除去方法によると、例えば実装回路基板など、断層像上に高輝度の部位が存在する場合、当初のリングアーチファクトを除去することができるものの、その除去後に新たなリングアーチファクトが現れることが本発明者の実験によって判明した。すなわち、図7(A)に示すように、断層像上に高輝度の部位Bhが存在する場合、この断層像に現れているリングアーチファクトApを抽出して除去すべく、この断層像に対して空間フィルタ処理を施し、元の断層像から減算すると、同図(B)に示すように、断層像に出現していたリングアーチファクトApはほぼ除去手きるものの、新たな円弧状のアーチファクトAnが現れる。
また、上記した特許文献1および2の提案のうち、特許文献1に記載の提案では、x−y座標系の断層像をr−θ座標系に変換し、そのr−θ座標系の画像上で直線に現れるアーチファクトを抽出した後、その抽出画像をx−y座標系に変換したうえで、原断層像から減算するため、アーチファクトの抽出時の座標系とその抽出されたアーチファクトを除去するときの座標系とが互いに異なることになり、正確にアーチファクトを除去きれないという問題がある。
一方、特許文献2に記載の提案においては、x−y座標系の断層像をr−θ座標系に変換し(これを中間画像と称している)、そのr−θ座標系の中間画像上で直線に現れるアーチファクトを抽出するとともに、その抽出画像を、r−θ座標系の中間画像から減算してアーチファクトを除去した後、x−y座標系に変換するため、アーチファクトの抽出時の座標系とこれを除去するときの座標系とを同一とすることで、上記の問題を解決できるとしている。
しかしながら、この特許文献2に記載の提案においては、x−y座標系からr−θ座標系、r−θ座標系からx−y座標系へと、2度の座標変換を行うため、画像の精度(解像度)が低下してしまうという問題がある。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたもので、その主たる課題は、断層像に高輝度領域が存在していても、リングアーチファクトの除去処理の後に新たにアーチファクトの発生を抑制することができ、もって確実にリングアーチファクトの存在しない断層像を得ることのできるX線CT装置を提供することにある。
加えて、本発明の他の課題は、断層像の座標変換を伴うことなくリングアーチファクトを除去することができ、もって断層像の精度を低下させることなく、確実にリングアーチファクトを除去した断層像を得ることのできるX線CT装置を提供することにある。
上記した主たる課題を解決するため、請求項1に係る発明のX線CT装置は、互いに対向配置されたX線発生装置とX線検出器の間に、対象物を搭載するための試料ステージが設けられ、上記X線発生装置とX線検出器の対と試料ステージとを回転機構により相対的に回転させて収集した複数の回転角度でのX線投影データを再構成することにより、上記回転機構の回転軸に直交する面に沿った断層像を構築するX線CT装置において、上記断層像について、当該断層像上で上記回転機構の回転中心に相当する位置に関連づけたフィルタ処理を含む処理を施すことにより、当該断層像に現れるリングアーチファクトを抽出した画像を生成するリングアーチファクト抽出手段と、そのリングアーチファクトを抽出した画像を、上記断層像から差し引く減算手段を備えるとともに、上記リングアーチファクト抽出手段による処理に供する前の断層像について、当該断層像上であらかじめ設定されている輝度以上の高輝度領域を抽出し、その領域の輝度を低減する処理を施す輝度低減処理手段を備えていることによって特徴付けられる。
ここで、以上の請求項1に係る発明においては、上記輝度低減処理手段は、上記断層像を構成する画素の平均輝度を算出し、その平均輝度よりも高輝度の領域を構成する画素について、その輝度を上記平均輝度に変更する処理を施す構成(請求項2)を採用することができる。
そして、請求項3および4に係る発明は、前記した主たる課題に加えて、他の課題をも解決するものであって、請求項3に係る発明では、上記リングアーチファクト抽出手段として、上記輝度低減処理手段による処理を施された断層像を構成する各画素の画素値を、当該断層像上でCT撮影時における回転機構の回転中心に相当する位置を中心とする扇形状のコンボリューションフィルタカーネルを用いてフィルタ処理を施す手段とすることを特徴としている。
一方、請求項4に係る発明では、上記リングアーチファクト抽出手段を、上記輝度低減処理手段による処理を施された断層像を、当該断層像上で上記回転機構の回転中心に相当する位置を中心に所定角度だけ回転させて各画素値を加算平均する回転加算平均化手段と、その回転加算平均され画像を構成する各画素について、当該画素と上記回転中信徒を結ぶ線に沿う1次元もしくは2次元フィルタ処理を施すフィルタ処理手段とを組み合わせた構成を採用することを特徴としている。
本発明は、各種空間フィルタを用いたリングアーチファクトの抽出の過程で現れる新たなアーチファクトの発生原因を除外し、主たる課題を解決するとともに、リングアーチファクトの抽出・原断層像からの減算によるリングアーチファクトの除去処理そのものについて、従来技術とは異なる手法を採用することにより、他の課題を解決するものである。
すなわち、原断層像のフィルタ処理を含む処理によってリングアーチファクトを抽出する際に、新たに出現するアーチファクトの発生原因は、前記したように原断層像に存在する高輝度領域であることが判明し、この高輝度領域をなくすことによって新たなアーチファクトの発生を防止することができる。そこで、原断層像のフィルタ処理を含むリングアーチファクトの抽出処理の前に、原断層像上であらかじめ設定されている輝度以上の高輝度領域を抽出し、その領域の輝度を低減させ、その後にフィルタ処理を含むリングアーチファクトの抽出処理を行う。これにより、新たなアーチファクトの発生を防止することができる。そして、このようにしてリングアーチファクトを抽出した画像を、原断層像から減算することにより、リングアーチファクトの存在しない断層像が得られる。
高輝度領域の抽出とその領域の輝度低減の具体例としては、請求項2に係る発明のように、断層像全体の画素の平均輝度を算出し、その平均輝度よりも高い輝度の領域(画素群)を高輝度領域として抽出し、その領域(画素)の輝度を平均輝度にまで低下させる方法を採用することができる。
原断層像からリングアーチファクトを抽出する手段として、請求項3に係る発明、あるいは請求項4に係る発明の手段を用いることにより、前記した特許文献1,2に記載された方法に比して、リングアーチファクトを確実に除去し、しかもリングアーチファクトの除去後の断層像を、原断層像により近い正確なものとすることができる。
請求項3に係る発明では、コンボリューションフィルタカーネルを扇形とすることにより、座標変換することなく、リング状ないしは円弧状のアーチファクトを抽出して原断層像から除去することで、特許文献1、2の提案技術に比して、アーチファクトの除去を確実に、かつ、原断層像の解像度を低下させないことを実現している。
すなわち、断層像に現れるリングアーチファクトは、CT撮影時の回転中心に相当する位置を中心とするリング状ないしは円弧状であり、特許文献1,2ではこれを直線状にするために座標変換し、1次元もしくは2次元のマトリクス状のカーネルを用いたフィルタ処理を施し、直線状としたアーチファクトを抽出しているが、請求項4に係る発明では、リングアーチファクトをリング状ないしは円弧状のまま、CT撮影時の回転中心を中心とする扇形のコンボリューションフィルタカーネルを用いることで、そのリング状ないしは円弧状のアーチファクトを抽出することを可能とし、座標変換を伴うことによる解像度の低下を防止することができる。
また、請求項4に係る発明では、同様にリングアーチファクトがCT撮影時の回転中心を中心として現れることを利用し、構築された断層像を当該断層像上でその回転中心に相当する位置を中心として所定の角度にわたって回転加算平均することにより、回転中心に相当する位置を中心とするリングアーチファクトは残り、他の像は平均化されてぼやける。その回転加算平均化された画像構成する各画素について、当該画素と回転中心に相当する位置を結ぶ線に沿った、つまり直径方向に沿う1次元もしくは2次元フィルタを用いて平均化すると、リングアーチファクト以外の像はほぼ消滅し、リングアーチファクトのみが残った像、つまりリングアーチファクトの抽出画像が得られる。この像を原断層像から減算することにより、リングアーチファクトを除去することができ、しかも、座標変換を伴わないので解像度の低下も生じない。
本発明によれば、実装回路基板等を対象物とした場合など、断層像に高輝度領域が存在していても、空間フィルタを用いた処理を含む処理によってその断層像に出現しているリングアーチファクトを抽出したとき、新たなリングアーチファクトが現れることを防止することができる。このようなリングアーチファクトの抽出画像を、原断層像から減算することで、リングアーチファクトの存在しない断層像を確実に得ることができる。
また、請求項3および4に係る発明によると、座標変換を伴うことなく、原断層像に出現しているリングアーチファクトを抽出することができ、断層像の解像度を低下させることなく、確実にリングアーチファクトを除去することができ、新たなアーチファクトの発生を抑制することと併せて、アーチファクトのない高解像度の断層像を得ることができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の実施の形態の構成図である。
X線発生装置1はそのX線光軸が水平方向を向くように配置され、そのX線発生装置1に水平方向に対向してX線検出器2が配置されている。そして、これらの間に、対象物Wを搭載するための試料ステージ3が設けられている。この例においては、試料ステージ3がX線光軸に直交する鉛直の回転軸Rを中心として回転する。また、この試料ステージ3は移動機構(図示略)の駆動によりX線光軸を含む互いに直交する3軸方向に移動させることができ、この移動により撮影倍率や撮影範囲を設定することができる。また、X線発生装置1はコーンビーム状のX線を発生し、X線検出器2は2次元X線検出器である。
CT撮影は、X線発生装置1からのX線を対象物Wに向けて照射しつつ、試料ステージ3を回転させ、その微小回転角度ごとにX線検出器2の出力を収集することによって行われる。
すなわち、CT撮影中においては、試料ステージ3の微小回転角度ごとにX線検出器2の出力が画像データ取り込み回路10を介してデータ記憶部11に取り込まれ、各投影角度でのX線投影データとして記憶される。
CT撮影の終了後、つまり例えば360°分のX線投影データがデータ記憶部11に記憶された時点で、そのX線投影データは再構成演算部12による再構成演算に供される。再構成演算部12では、公知の手法によってX線投影データを再構成することにより、試料ステージ3の回転軸Rに直交する任意のスライス面に沿った断層像を構築する。構築された断層像は、断層像記憶部13に記憶される。
断層像記憶部13に記憶された断層像(原断層像)は、まず、輝度低減処理部14における後述の処理により、当該断層像上に存在する高輝度領域が抽出され、その抽出された領域(画素群)の輝度が低減される。
次に、高輝度領域の輝度が低減された断層像は、フィルタ処理部15で後述するフィルタ処理に供されることにより、断層像に現れているリングアーチファクトが抽出された画像とされ、そのリングアーチファクト抽出画像は、輝度低減処理部14による処理に供される前の断層像、つまり原断層像とともに減算部16に送られる。減算部16では、原断層像からリングアーチファクト抽出画像を減算することにより、原断層像に現れているリングアーチファクトを除去した画像、つまり補正画像を得る。その補正画像は表示器17に表示される。
上記した画像データ取り込み回路10、データ記憶部11、再構成演算部12、断層像記憶部13、輝度低減処理部14、フィルタ処理部15、減算部16および表示器17は、システム制御部18の制御下に置かれている。ここで、これらは実際にはコンピュータとその周辺機器によって構成され、インストールされているプログラムに基づく機能を実現するものであるが、図1では説明の便宜上、その主だった機能ごとのブロックで表している。また、システム制御部18は、前記したX線発生装置1に対して供給すべき管電流および管電圧を制御するX線コントローラ19も制御下においているとともに、試料ステージ3の回転機構並びに移動機構についても、軸制御部20を介して制御する。更に、システム制御部18にはマウスやキーボード、ジョイスティック等からなる操作部21が接続されており、この操作部20の操作によって試料ステージ3を移動させたりX線条件を変更するなど、装置に対する各種指令を与えることができる。
さて、輝度低減処理部14による輝度低減処理について説明すると、この輝度低減処理部14では、原断層像を構成する全画素の輝度値の平均値を算出し、その平均値よりも輝度の高い領域(画素群)を抽出する。そして、その。抽出した領域の輝度値を平均値にまで低減させる。
このような高輝度領域の輝度の低減処理が施された断層像は、次いでフィルタ処理部15におけるフィルタ処理に供される。このフィルタ処理部15では、断層像を構成する各画素の画素値について、当該断層像上の回転軸Rに相当する位置(アイソセンタ)を中心とする扇形状のカーネルを用いたコンボリューションフィルタを用いてフィルタ処理を施す。フィルタカーネルは、図2に模式的に示すように、断層像上で回転軸Rに相当する位置Rを中心とした一定角度θの広がりを持ち、かつ、その位置Rから遠ざかる方向への距離rが一定の扇形状のものとし、フィルタ処理すべき全ての画素について、例えば該当の画素p1,p2を中心とするフィルタカーネルFC1,FC2を当てはめて処理をする。
この扇形状のフィルタカーネルを用いた処理は、例えば前記した特許文献1において、断層像をx−y座標系からr−θ座標系に変換し、その変換後の画像の各画素について矩形のマトリクス状のフィルタカーネルを用いて処理をするのと数学的には等価であり、引用文献1では変換により直線化されたアーチファクトを抽出するのに対し、この実施の形態ではリング状ないしは円弧状のまま抽出することができる。
このようにしてリングアーチファクトを抽出した画像は、減算部16において原断層像から減算する処理に供され、これによってリングアーチファクトを除去ないしは大幅に低減した、いわば補正された画像を得る。
図3は以上の手順を模式的に示す図である。Poは原断層像であり、その原断層像PoにおいてWpは対象物Wの断層像、Bhは高輝度領域、Apはリングアーチファクトを表している。この原断層像Poに輝度低減処理を施して高輝度領域Bhの輝度を低減し、その輝度低減後の画像Pmについて、コンボリューションカーネルFCを用いたフィルタ処理を施すことによって、リングアーチファクトApのみを抽出した抽出画像Ppを得る。その抽出画像Ppを原断層像Poから減算することにより、原断層像Poに現れていたリングアーチファクトApが除去ないしは低減され、補正画像Pcを得ることができる。このとき、フィルタ処理を施す前に、原断層像Po上の高輝度領域Bhの輝度を低減しているため、高輝度領域Bhに起因して新たなアーチファクトが生じることがない。図4に前記した図7(A)に示したものと同じ原断層像をもとに、高輝度領域の輝度低減処理を施した後にフィルタ処理を施してリングアーチファクトを抽出し、原断層像から減算した結果を示すように、新たなアーチファクトの存在はみられない。
また、以上のようなフィルタ処理は、原断層像Poの座標変換を行うことなく、実空間上でフィルタ処理を施してリングアーチファクトを抽出し、その抽出画像をそのまま原断層像から減算することによってリングアーチファクトを除去しているが故に、従来のフィルタ処理によるリングアーチファクトの抽出・除去手法に比して、原断層像の解像度の劣化を伴うことがない。
次に、本発明の他の実施の形態について述べる。図5はその構成図であり、図1に示すものと同じ部材、回路ないしは機能ブロックについては同じ符号を付して示している。この例の特徴は、先の実施の形態における、扇形のコンボリューションフィルタカーネルを用いたフィルタ処理部15に変えてを、加算回転平均化処理部15aと他の種類のフィルタ処理部15bを設けた点にある。
再構成演算部12により再構成されて構築された原断層像について、先の例と同様の輝度低減処理部14によって高輝度領域の輝度を低減した後、回転加算平均化処理部15aでは、その断層像上で試料ステージ3の回転軸Rに相当する位置(アイソセンタ)を中心として、当該断層像を回転加算平均する。その回転量は特に限定されるものではないが、30°〜180°程度の回転加算平均とする。この回転加算平均化処理によって、回転軸Rに相当する位置を中心とするリング状ないしは円弧状のリングアーチファクトは殆ど変化することはないが、それ以外の対象物の断層像は平均化によりぼやけた状態となる。
その回転加算平均化画像は、フィルタ処理部15bにおいて直径方向への平均化処理が施される。すなわち、この例におけるフィルタ処理部15bでは、回転加算平均化画像を構成する各画素について、当該画素と上記のアイソセンタとを結ぶ線に沿った1次元もしくは2次元のフィルタを用いて平均化する。例えば1次元フィルタを用いる場合、直径方向への画素数は5〜20画素程度として平均化する。2次元フィルタを用いる場合には、その両側に数画素程度の同じ画素列を設けたフィルタとする。ここで、画素の配列は互いに直交する2軸方向であり、任意の画素とアイソセンタとを結ぶ線の方向とは殆どの画素について一致しないことになるが、補間計算によって当該画素とアイソセンタとを結ぶ線に沿った画素列を用いてフィルタ処理に供することができる。このフィルタ処理部15bによる、言わば直径方向への平均化処理により、回転加算平均化画像から対象物の断層像はほぼ消滅した状態となり、リングアーチファクトのみが抽出された画像となる。
以上のようにして得られたリングアーチファクトの抽出画像は、減算部16において原断層像から減算する処理に供され、これによってリングアーチファクトを除去ないしは低減した画像が得られる。
図6は以上の過程を模式的に示す図である。この図6において、先の例と同様にPoは原断層像であり、その原断層像PoにおいてWpは対象物Wの断層像、Bhは高輝度領域、Apはリングアーチファクトを表している。この原断層像Poに輝度低減処理を施して高輝度領域Bhの輝度を低減し、その輝度低減後の画像Pmについて、アイソセンタを中心とした所定角度の回転加算平均により、リングアーチファクトApが残り、対象物Wの断層像Wpがぼやけた回転加算平均化画像Paを得る。この回転加算平均化画像,うをフィルタ処理部15における直径方向への平均化処理に供することにより、リングアーチファクトApのみを抽出した抽出画像Ppを得る。その抽出画像Ppを原断層像Poから減算することにより、原断層像Poに現れていたリングアーチファクトApが除去ないしは低減され、対象物Wの断層像のみが残った補正画像Pcが得られる。
この実施の形態においても、フィルタ処理を施す前に、原断層像Po上の高輝度領域Bhの輝度を低減しているため、高輝度領域Bhに起因して新たなアーチファクトが生じることがなく、また、原断層像Poの座標変換を行うことなく、実空間上で回転加算平均とフィルタ処理を施すことでリングアーチファクトを抽出し、原断層像から減算することによってリングアーチファクトを除去しているため、従来のフィルタ処理によるリングアーチファクトの抽出・除去手法に比して、座標変換に伴う画像の精度劣化を生じることなく確実にリングアーチファクトの除去ないしは低減が可能となる。
なお、空間フィルタを用いてリングアーチファクトを抽出する手法としては、前記した特許文献1,2に記載の手法を用いてもよく、この場合においても、原断層像に高輝度領域の存在する場合には、断層像の解像度は低下するものの、空間フィルタ処理によって新たなアーチファクトの発生を防止することができる。
また、以上の各実施の形態においては、高輝度領域の輝度を低減させる方法として、全画素の平均輝度を算出し、その平均輝度よりも高輝度の領域を抽出して、その抽出した領域の輝度を平均輝度にまで低減させた例を示したが、本発明はこれに限定されることなく、あらかじめ設定されている輝度よりも高い輝度を有する領域(画素群)について、新たなアーチファクトの発生の原因とならない程度のあらかじめ設定された輝度にまでその輝度を低減させればよい。
更に、以上の各実施の形態においては、X線発生装置とX線検出器の対に対して試料ステージを回転させた例を示したが、X線発生装置とX線検出器の対を試料ステージを中心として回転させる構成を採ってもよいことは勿論である。
本発明の実施の形態の構成図である。 本発明の実施の形態で用いるフィルタカーネルの模式的説明図である。 本発明の実施の形態におけるリングアーチファクトの抽出と、その抽出されたリングアーチファクトを除去する過程を示す模式図である。 本発明の実施の形態により、高輝度領域の存在する原断層像からリングアーチファクトを除去した後の補正断層像の例を示す図である。 本発明の他の実施の形態の構成図である。 本発明の他の実施の形態におけるリングアーチファクトの抽出と、その抽出されたリングアーチファクトを除去する過程を示す模式図である。 高輝度領域の存在する断層像の例(A)と、その断層像から従来の手法によりリングアーチファクトを除去した後の断層像の例(B)を示す図である。
符号の説明
1 X線発生装置
2 X線検出器
3 試料ステージ
10 画像データ取り込み回路
11 データ記憶部
12 再構成演算部
13 断層像記憶部
14 輝度低減処理部
15 フィルタ処理部
15a 回転加算平均化処理部
15b フィルタ処理部
16 減算部
17 表示器
18 システム制御部
19 X線コントローラ
20 軸制御部
21 操作部
W 対象物

Claims (4)

  1. 互いに対向配置されたX線発生装置とX線検出器の間に、対象物を搭載するための試料ステージが設けられ、上記X線発生装置とX線検出器の対と試料ステージとを回転機構により相対的に回転させて収集した複数の回転角度でのX線投影データを再構成することにより、上記回転機構の回転軸に直交する面に沿った断層像を構築するX線CT装置において、
    上記断層像について、当該断層像上で上記回転機構の回転中心に相当する位置に関連づけたフィルタ処理を含む処理を施すことにより、当該断層像に現れるリングアーチファクトを抽出した画像を生成するリングアーチファクト抽出手段と、そのリングアーチファクトを抽出した画像を、上記断層像から差し引く減算手段を備えるとともに、上記リングアーチファクト抽出手段による処理に供する前の断層像について、当該断層像上であらかじめ設定されている輝度以上の高輝度領域を抽出し、その領域の輝度を低減する処理を施す輝度低減処理手段を備えていることを特徴とするX線CT装置。
  2. 上記輝度低減処理手段は、上記断層像を構成する画素の平均輝度を算出し、その平均輝度よりも高輝度の領域を構成する画素について、その輝度を上記平均輝度に変更する処理を施すことを特徴とする請求項1に記載のX線CT装置。
  3. 上記リングアーチファクト抽出手段が、上記輝度低減処理手段による処理を施された断層像を構成する各画素の画素値を、当該断層像上で上記回転機構の回転中心に相当する位置を中心とする扇形状のコンボリューションフィルタカーネルを用いてフィルタ処理を施す手段であることを特徴とする請求項1または2に記載のX線CT装置。
  4. 上記リングアーチファクト抽出手段が、上記輝度低減処理手段による処理を施された断層像を、当該断層像上で上記回転機構の回転中心に相当する位置を中心に所定角度だけ回転させて各画素値を加算平均する回転加算平均化手段と、その回転加算平均され画像を構成する各画素について、当該画素と上記回転中信徒を結ぶ線に沿う1次元もしくは2次元フィルタ処理を施すフィルタ処理手段によって構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のX線CT装置。
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