JP2006265742A - 紙糸用原紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】 低坪量でも強度があってスリット加工時の断紙トラブルの発生を防ぎ、地合の良好な天然繊維を主とする紙糸用原紙を提供する。
【解決手段】主として天然繊維からなる坪量が5〜40g/mの紙糸用原紙であって、該天然繊維のルンケル比が2.5以下、長さ加重繊維長分布における5mm以上の分画割合が20%以下、長さ加重平均繊維長が2〜4mmである紙糸用原紙。天然繊維の繊維粗度が30mg/100m以下である前項記載の紙糸用原紙。天然繊維がマニラ麻である前項記載の紙糸用原紙。引張強度の縦横比が8以上、かつ縦方向の引裂強度が110mN以上である前項記載の紙糸用原紙。

Description

本発明は、低坪量でも強度があってスリット加工時の断紙トラブルの発生を防ぎ、地合の良好な天然繊維を主とする紙糸用原紙に関する。さらには、強度があり、均一で風合いが良好な紙糸を得ることが可能な紙糸用原紙に関する。
紙布とは、紙を細長いひも状(スリット状)に裁断したものを撚って紙糸とし、得られた紙糸をさらに製織したものであり、古くは鎌倉時代より紙衣として使用されている。また、第一次世界大戦におけるドイツ国の織物原料不足の際には、紙糸の繊維製品の需要の増大に伴い日本各地に工場が設立され、輸出が拡大して産業が急激に発展した時期もあった。しかし、戦後、綿糸、生糸は大暴落し、その代用品であった紙糸の需要は極端に減少して、紙糸紡績工業は衰退し、近年では小規模業者のみが経営を継続している状況となっている。
しかしながら、紙糸は、絹糸のように、その長さで織物や編物を作ることが可能な長繊維(フィラメント)を得る方法として特徴的である。
また、環境意識の高まりと共に、紙糸の特性としての軽さ、毛羽のなさ等、従来の糸にはなかった機能性から、近年、非常に注目が高まっている。
一般に紙糸用原紙は、非木材あるいは木材をソーダ蒸解、サルファイト蒸解、クラフト蒸解法等でパルプ化して化学パルプを得た後に、漂白を行い、ビーター、リファイナー等によって機械的な外力を加えていわゆる叩解を行い、クリーナー、スクリーン等の精選工程で異物を取り除き、目的、用途により適宜薬品を添加した後、円網、短網、傾斜ワイヤー、長網等の抄網を用いる抄紙機を用いて抄紙される。
所望される紙糸用原紙の特性としては、強度、及び、地合が良好で、厚さ等が均一であることが必要である(なお、地合が良好とは、繊維が均一に分散し、紙を透かしてみたときにむらのない紙層の状態をいう)。このような紙糸用原紙をスリット状に裁断して撚糸することによって、均一でムラがなく、強度があり、風合いの良好な紙糸を得ることができる。
一般的な紙糸用原紙の原料としては、例えば三椏、麻類(マニラ麻、サイザル麻、亜麻、大麻、黄麻)、針葉樹が使用可能であるが、その中でも、繊維が比較的長く、強度の強いマニラ麻が好適に使用されている。しかし、このように繊維の長いパルプを原料として抄紙した場合、抄紙工程において、繊維同士のもつれや絡まりが生じやすく、ヨレ(繊維が目視できる大きさの糸状になった物を指す)が発生しやすい。このヨレが紙糸用原紙上に欠点として現れるため、地合の良い均一な紙糸用原紙を得ることが難しい。
ヨレの発生を回避するためは、パルプスラリー濃度を高くする、配管の表面を平滑にして繊維の引っかかりを防止する、スラリーに強い乱流を起こさないようにする等の方法がある。しかしながら、ヨレをなくすることは非常に難しいのが現状である。
一方、ヨレがなく地合の良い均一なシート(紙糸用原紙)を得る方法としては、広葉樹のように短繊維長のパルプ(長さ加重平均繊維長約0.6mm程度)を使用する方法があるが、短い繊維では強い紙糸用原紙、ひいては紙糸を得ることができないという問題がある。
このように、強い紙糸用原紙を得ようとした場合、ヨレがなく地合良好で均一な紙糸用原紙を得ることは困難であった。
また、紙糸用原紙は、紙糸に加工するために、まずスリット状に加工される。スリット状に加工する方法については、特に限定はないが、一例を挙げると、所望の幅にセットした複数の回転刃からなるスリッターを使用して、紙糸用原紙を紙の流れ方向に裁断して細いスリット状として、取扱いやすいようにロール状の巻取とする。紙糸用原紙を裁断して巻き取るために使用する装置としては、例えば特許文献1(特開2003−221149号公報)に示されるものが使用可能である。
上記で得たスリット状の原紙を、さらに紙紐製造機等を用いて撚ることによって紙糸が得られる。
近年では、シャツ、ブラウス、下着類の原糸として使用可能な細い紙糸(180デニール程度)のニーズが高まっている。そのような紙糸を製造するためには従来より低坪量(例えば15g/m以下)の紙糸用原紙を、従来より狭いスリット幅(例えば1.2mm以下)にしなければならないが、このような条件においては、従来の紙糸用原紙では、スリット裁断加工時の断紙トラブルが増加して生産性が大きく低下するという問題があった。
紙の地合と分散性を向上させるために繊維長6mm以上、軸比1000以上を有する長繊維と微細繊維を少なくとも5%配合して抄紙する方法が特許文献2(特許第2983055号公報)に提案されている。
また、乾燥強度、湿潤強度等に優れた紙糸用原紙を得る方法として、アスペクト比が150以上からなる麻パルプ等の天然繊維を50%以上使用して、引張強度の縦横比が7以上からなる紙糸用原紙が特許文献3(特開2003−301397号公報)に提案されている。
特開2003−221149号公報 特許第2983055号公報 特開2003−301397号公報
しかし、特許文献2は、実質的には合成繊維である長繊維を対象としたものであり、天然繊維を素材とする紙糸用原紙を製造する際には適用できるものではない。また微細繊維を配合しなければならないため製造時に手間やコストがかかるという問題がある。従って、天然繊維からなる低坪量の紙糸用原紙を狭いスリット幅で裁断する際の断紙を防止することはできなかった。
また、特許文献3では、使用する原料パルプによっては、繊維長分布における長繊維の分画割合が多くてヨレが生じることや、繊維粗度が大きい場合は緻密な紙層が得られない等の難点があること、また、低坪量の紙糸用原紙や狭小のスリット幅でのスリット加工時の断紙トラブルの改善には不十分であるという問題があった。
本発明は、低坪量でも強度があってスリット加工時の断紙トラブルの発生を防ぎ、地合の良好な天然繊維を主とする紙糸用原紙を提供するものである。さらには、強度があり、均一で風合いが良好な紙糸を得ることが可能な紙糸用原紙を提供するものである。
本発明は上記課題の解決のため、以下の方法をとる。
即ち、本発明の第1は、主として天然繊維からなる坪量が5〜40g/mの紙糸用原紙であって、該天然繊維のルンケル比が2.5以下、長さ加重繊維長分布における5mm以上の分画割合が20%以下、長さ加重平均繊維長が2〜4mmである紙糸用原紙である。
また、本発明の第2は、天然繊維の繊維粗度が30mg/100m以下である本発明の第1記載の紙糸用原紙である。
また、本発明の第3は、天然繊維がマニラ麻である本発明の第1〜2のいずれかに記載の紙糸用原紙である。
また、本発明の第4は、引張強度の縦横比が8以上、かつ縦方向の引裂強度が110mN以上である本発明の第1〜3のいずれかに記載の紙糸用原紙である。
本発明により、低坪量でも強度があってスリット加工時の断紙トラブルの発生を防ぎ、地合の良好な天然繊維を主とする紙糸用原紙を提供することが可能となった。さらには、強度があり、均一で風合いが良好な紙糸を得ることが可能な紙糸用原紙を提供することが可能となった。
本発明について、更に具体的に説明する。
本発明の紙糸用原紙の坪量は、得られる紙糸の強度を保持し、機械による製織作業を容易にするためには、5〜40g/m2の範囲である。特に8〜22g/mが好適である。5g/m2未満であると紙糸用原紙が断紙しやすく操業性に劣り、また得られる紙糸の強度も十分ではない。また40g/m2を超えた場合は、紙糸用原紙より得られる紙糸が硬くなるため、糸としての使用が困難となる。
本発明で使用する天然繊維は、ルンケル比((繊維壁厚×2)÷ルーメン径;繊維内の空腔部分の直径に対する繊維壁厚(×2)の割合を示す)が、2.5以下であることが必要であり、さらには1.3以下であることが好ましい。ルンケル比が2.5を越えた場合には、繊維が剛直であってしなやかさが劣るため、裁断した紙糸用原紙を撚って紙糸にする際に断紙が発生しやすく、また得られた紙糸や、その紙糸を織物にした時にもしなやかさに欠け風合いが劣る。
また、本発明で使用する天然繊維は、長さ加重繊維長分布における5mm以上の分画割合が20%以下であることが必要であり、好ましくは10%以下である。5mm以上の分画割合が20%より大きくなると紙糸用原紙にヨレが多く発生し、地合の良い均一なシートを得ることができなくなる。
また、本発明で使用する天然繊維は、長さ荷重平均繊維長が2〜4mmであることが必要であり、特に2.5〜3.5mmであることが好ましい。4mmを越えた場合には、ヨレが発生しやすくなり、地合の良い均一な紙糸用原紙を得ることができない。また、2mm未満の場合には、紙糸用原紙の強度、さらには、紙糸の強度が劣るため好ましくない。
本発明において使用する天然繊維の繊維粗度は30mg/100m以下が好ましく、18mg/100m以下が特に好ましい。繊維粗度が30mg/100mを越えた場合、細い紙糸を得るために坪量の小さい紙糸用原紙、特に20g/m2以下の紙糸用原紙にした場合に、緻密な紙層が得られなくなってピンホールが増える恐れがあり、このような原紙を紙糸、さらに織物へと加工した場合、風合いが劣るので好ましくない。
本発明で使用可能な原料パルプとしては、三椏、麻類(マニラ麻、サイザル麻、亜麻、大麻、黄麻)、針葉樹が存在するが、このなかでも、マニラ麻は強い紙糸が得られることから好適に用いられる。
蒸解して得られるマニラ麻の長さ加重平均繊維長は約2.5〜4.5mm、ルンケル比は約0.7〜2.5、繊維粗度は約10〜70mg/100mである。また、天然に存在するパルプ繊維の繊維粗度の上限値はおよそ150mg/100mである。なお、マニラ麻は産地、品種、収穫時期、等級等により、繊維長、白色度等に様々な性状を持つことが知られている。
本発明における紙糸用原紙の引張強度の縦横比は8以上が好ましい。縦横比が8未満の場合には、スリット加工性が低下したり、断紙が生じやすくなったり、スリットの刃の磨耗が早くなる可能性がある。また、紙糸に加工した場合、十分な強度が得られないため、その用途に制限を受けることなり、望ましくない。
また、本発明における紙糸用原紙の縦方向の引裂強度は110mN以上が好ましい。110mN未満の場合には、断紙が多く発生する恐れがある。
引裂強度の縦横比が8未満、縦方向の引裂強度が110mN未満の場合に断紙が多くなる理由については、以下のように推測される。
すなわち、紙糸用原紙を紙糸に加工する際には、紙のスリット及び巻取装置(特開2003−221149号公報等に開示)により、原紙をスリット状に裁断した後、巻取り用紙管等にロール状に巻き取られる。この際、スリットされた原紙が均一に巻き取られるように、回転している巻取紙管等に対して、スリットされた原紙が、ガイドによって横方向に往復移動しながら巻き取られて仕上げられるが、かかる製造工程においては、原紙に対して各所で引張、引裂、摩擦等の様々な力が作用するが、これらの力に対して紙力が十分でない場合に断紙が発生する。
本発明者らの研究により、巻取りテンションやテンション変動に対する紙の流れ方向(縦方向)の引張る力に対しては、一般的な紙糸用原紙の縦方向の引張強度で十分であり、ほとんどの断紙は往復運動によりスリット紙に対して横方向に働く力、即ち横方向に引裂く力によって発生することが判明した。横方向の引裂く力に対する原紙の抵抗力の向上には引裂き強度の縦横比を8以上とすることが有効である。また、本発明者らの研究によれば、紙糸用原紙の引裂強さの指標として、紙糸用原紙の縦方向の引裂強度が110mN以上であれば十分に断紙を防止できることが判明した。なお、紙糸原紙の縦横比が8以上の場合、横方向にはきれいに引裂くことができず、横方向の引裂き強度については測定不能である。
本発明の紙糸用原紙において、天然繊維の含有率は50質量%以上を越えることが望ましい。また、本発明の紙糸用原紙には、その目的、用途に応じて適宜、化学繊維を混合使用することができる。
また、本発明の紙糸用原紙を抄造の際には、その目的、用途に応じて、填料、乾燥紙力剤、湿潤紙力剤、耐水化剤、粘剤等を内添または外添することができる。
本発明で使用する耐水剤としては、特に限定はなく、例えば、尿素ホルマリン樹脂、エポキシ化ポリアミド樹脂、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂アクリル酸エステル、メラミン樹脂、ポリアミド−アミンエピクロロヒドリン、ジアルデヒドスターチ、ポリエチレンイミン等が使用可能で、グリオキサル、ガム、マンノガラクタンポリエチレンイミン、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルアルコール、デンプン、カルボキシメチルセルロース、グアーガム、尿素樹脂等の紙力増強剤を併用しても構わない。
また、本発明では耐水剤にさらにカルボキシメチル化グアーガムを含有させることが好ましい。本発明で使用するカルボキシメチル化グアーガムはカチオン性の紙力増強剤、耐水剤と併用すると、湿潤強度が向上し、さらには、優れたアルカリ強度が得られるため、より望ましい。
これらの耐水剤、紙力増強剤、カルボキシメチルグアーガムの添加方法に、特に限定はなく、例えば、水中に分散させた状態のパルプに湿潤紙力増強剤を含む耐水剤を添加してから抄紙する方法、湿潤紙力増強剤を含む耐水剤を既にパルプを抄紙して得られた紙に含浸させたり、塗工機で塗布する方法が挙げられる。なお、含浸させたり、塗工機で塗布する方法については、既にテープになっている紙に適用してもよい。
耐水剤の使用量については、特に限定はないが、パルプから得られる紙1平方メートル当たり、0.015〜1.0含有させるのが好ましい。耐水剤の含有量が0.015g/m未満であると、十分に紙糸に耐水性・耐洗濯性を付与することはできず、毛羽立ちが生じ、紙糸を機械織りまたは機械編みするのが困難となる恐れがある。耐水剤の含有量が1.0g/mを超えると、得られる紙が硬くなり、耐水剤の使用量に応じた耐水性向上の効果は得られなくなるおそれがある。
本発明で使用する天然繊維は、目的、用途に応じて適宜叩解を行う。カナディアンスタンダードフリーネス(CSF)が300〜680mLのものが好ましく使用可能である。CSFが300mLを下回るまで叩解を進めると、微細な繊維が増えるため、引張強さの低下や通気性、水の吸放出性に影響を及ぼす。また、ワイヤー上での脱水性や乾燥性が悪化するため、操業上も好ましくない。逆にCSFが680mLを越えると、十分な引張強さが発現しなく好ましくない。
また、本発明においては、長さ加重繊維長分布における5mm以上の分画割合を低くするために、叩解の方法としては、繊維の切断を主とする遊離状叩解が好ましい。
本発明の紙糸用原紙から得られる紙糸は、通常の糸の染色と同様の方法で、紙糸の状態で任意の色に染色することができる。使用される染料は化学染料、藍のような天然染料、紅花、くちなし等の天然色素のいずれも使用することができる。
以下に実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
尚、実施例、比較例中の%は特に断らない限り質量%を示す。
また、以下の実施例及び比較例において用いたフリーネス、繊維性状の測定方法は次の通りである。
〔フリーネス〕
JIS P 8121のカナダ標準ろ水度試験方法に準じて測定した。
〔繊維長、5mm以上の分画割合〕
JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.52「紙及びパルプの繊維長 試験方法(光学的自動計測法)」に準じてカヤーニFiberlab(バルメットオートメーション社製)を使用して測定した。
〔繊維粗度〕
TAPPI T234hm−84に準じてカヤーニFiberlab(バルメットオートメーション社製)を使用して測定した。
〔ルンケル比〕
繊維壁厚、ルーメン径をカヤーニFiberlab(バルメットオートメーション社製)を使用して測定した後、次式により算出した。
ルンケル比=繊維壁厚(μm)×2/ルーメン径(μm)
<実施例1>
フィリピン産マニラ麻を原料としたサルファイト蒸解パルプを、パルプ濃度2質量%にてダブルディスクリファイナーで叩解し、フリーネス640ml・CSF、長さ加重平均繊維長3.2mm、ルンケル比0.9、繊維粗度18.2mg/100m、長さ加重繊維長における5mm以上の分画割合8.8%の原料を得た。
続いて、ブレンダーにて攪拌しながら、絶乾パルプ質量に対し、湿潤強度剤(WS−547 日本PMC社製、ポリアミド・エピクロロヒドリン樹脂)1.5質量%添加し、白水で希釈後、ファンポンプにて粘剤(PF 住友精化製)を0.5質量%添加し、傾斜ワイヤー型抄紙機にてJ/W比0.5で抄紙し坪量15.3g/mの紙糸用原紙を得た。
<実施例2>
フィリピン産マニラ麻に代えてエクアドル産マニラ麻A(叩解後の繊維性状は、長さ加重平均繊維長3.5mm、ルンケル比2.3、繊維粗度28.3mg/100m、長さ加重繊維長分布における5mm以上の分画割合18.5%)を使用した以外は、実施例1と同様にして、坪量15.5g/mの紙糸用原紙を得た。
<実施例3>
実施例2において、ダブルディスクリファイナーでフリーネス450ml・CSFに叩解し、パルプの長さ加重平均繊維長2.7mm、ルンケル比2.1、繊維粗度18.8mg/100m、長さ加重繊維長分布における5mm以上の分画割合12.2%に調製した以外は実施例2と同様にして、坪量15g.1/mの紙糸用原紙を得た。
<実施例4>
傾斜ワイヤー型抄紙機におけるJ/W比を0.8とした以外は、実施例1と同様にして、坪量15.3g/mの紙糸用原紙を得た。
<比較例1>
フィリピン産マニラ麻に代えてエクアドル産マニラ麻B(叩解後の繊維性状は長さ加重平均繊維長3.8mm、ルンケル比2.3、繊維粗度27.5mg/100m、長さ加重繊維長分布における5mm以上の分画割合23.1%)を使用した以外は、実施例1と同様にして、坪量15.2g/mの紙糸用原紙を得た。
<比較例2>
フィリピン産マニラ麻に代えてエクアドル産マニラ麻C(叩解後の繊維性状は長さ加重平均繊維長4.2mm、ルンケル比2.7、繊維粗度39.5mg/100m、長さ加重繊維長分布における5mm以上の分画割合19.8%)を使用した以外は実施例1と同様にして、坪量15.1g/mの紙糸用原紙を得た。
<比較例3>
フィリピン産マニラ麻に代えて、広葉樹をクラフト蒸解してフリーネスを500ml・CSFとしたパルプ(叩解後の繊維性状は長さ加重平均繊維長0.5mm、ルンケル比1.5、繊維粗度7.6mg/100m、長さ加重繊維長分布における5mm以上の分画割合0%)を使用した以外は、実施例1と同様にして坪量30.0g/mの紙糸用原紙を得た。
〔紙糸用原紙のスリット加工及び撚糸方法〕
実施例及び比較例で得た紙糸用原紙を、特許文献1に記載された紙の裁断巻取装置により1.5mm幅のスリット状に加工してボビンで巻き取りとした後、該スリット状の原紙を、紙紐製造機を用いて長さ1mあたり450回撚糸して、紙糸を作製した。
実施例1〜4、比較例1〜3で得られた紙糸用原紙、及び紙糸について以下の試験及び品質評価を行った。その結果を表1に示す。
(1)紙糸用原紙の引張強さ
JIS P 8113に準じて測定し、kN/mで表した。
(2)紙糸用原紙の引張強度の縦横比
縦方向の引張強度を横方向の引張強度で除して表した。
(3)紙糸用原紙の縦方向の引裂強度
JIS P 8116に準じて測定し、m/Nで表した。
(4)紙糸用原紙の湿潤裂断長
浸漬時間を1分間とする以外は、JIS P 8135に準じて湿潤引張強さを測定し、その強度(kgf)を測定試験片巾(15mm)で除し、さらに調湿坪量(g/m)で除し、さらに1000倍した数値を、湿潤裂断長としてkmで表した。
(5)紙面のヨレによる欠点評価
A3の大きさの紙糸用原紙10枚について、ヨレの存在状態の程度を下記の評価基準で目視判定を行った。
◎:ヨレが全くない
○:ヨレが少々ある
△:ヨレが多くある
×:ヨレが非常に多くある
(6)紙層の緻密さの評価
A3の大きさの紙糸用原紙1枚について、ピンホールの程度を下記の評価基準で目視判定を行った。
◎:非常に少ない
○:少ない
△:多い
×:非常に多い
(7)紙糸の外観の評価
紙糸について下記の評価基準で目視判定を行った。
◎:均一な糸の外観である
○:少々不均一な糸の外観である
△:撚られていない目開き個所が多い
×:撚られていない目開き個所が非常に多い
(8)紙糸の強度
JIS L 1095の7.5に準じて測定した。
(9)スリット断紙回数の評価
ボビン巻取り時のスリット状原紙1000km当りの断紙回数で表した。
Figure 2006265742
表1より明らかなように、実施例1〜4においては、地合いの良好な紙糸用原紙が得られた。該原紙からは均一でむらがなく強度の強い紙糸を得ることができた。特に実施例1〜3においては、断紙がほとんど発生しなかった。一方比較例1〜2においてえた原紙には、紙面にヨレの欠点があり、また原紙を撚糸して得た紙糸は、撚られていない目開き個所が多く、強度も低いものであった。また比較例3は、断紙トラブルが非常に多く、また得られる紙糸の強度も非常に低かった。

Claims (4)

  1. 天然繊維を抄紙した紙糸用原紙において、該天然繊維の長さ加重平均繊維長が2〜4mm、長さ加重繊維長分布における5mm以上の分画割合が20%以下、ルンケル比が2.5以下であることを特徴とする紙糸用原紙。
  2. 天然繊維の繊維粗度が30mg/100m以下であることを特徴とする請求項1記載の紙糸用原紙。
  3. 天然繊維がマニラ麻であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の紙糸用原紙。
  4. 引張強度の縦横比が10以上、かつ縦方向の引裂強度が110mN以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の紙糸用原紙。
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