JP2006265045A - 光学素子成形用型材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガラス材料より成る型母材上に、離型層として形成される窒化硼素膜を型材に密着力良く、更に良好な表面粗さで形成することが可能となる光学素子成形用型材を大幅なコストダウンをして提供すること。
【解決手段】母材の一部に光学素子を成形するためのガラスより成る転写面を有する成形用型において、ガラスより成る転写面に窒化硼素膜を形成する光学素子成形用型の製造方法において、ガラス面より、SiO2、SiO2とSiの混合層、Si、窒化硼素膜を順次積層するように構成し、更に、SiO2とSiの混合層が、表面側方向に、SiO2の比率が小さく、Siの比率が大きくなる傾斜膜であるように構成する。
【選択図】図1
【解決手段】母材の一部に光学素子を成形するためのガラスより成る転写面を有する成形用型において、ガラスより成る転写面に窒化硼素膜を形成する光学素子成形用型の製造方法において、ガラス面より、SiO2、SiO2とSiの混合層、Si、窒化硼素膜を順次積層するように構成し、更に、SiO2とSiの混合層が、表面側方向に、SiO2の比率が小さく、Siの比率が大きくなる傾斜膜であるように構成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、主として、ガラス素材のプレス成形により、レンズ、プリズム等のガラスより成る光学素子を製造する際に使用される光学素子成形用型材の製造方法に関するものである。
ガラス研磨工程を必要とせず、ガラス素材のプレス成形によってレンズを製造する技術は、従来の製造において必要とされた複雑な工程を無くし、簡単且つ安価にレンズを製造することを可能とし、近年レンズのみならず、プリズム、その他のガラスより成る光学素子の製造に使用されるようになった。
このような、ガラスの光学素子のプレス成形に使用される型材に要求される性質としては、硬度、耐熱性、離型性、鏡面加工性等に優れていることが挙げられる。従来、この種の型材として、金属、セラミックス及びそれらをコーティングした材料等、数多くの提案がなされている。
幾つかの例を挙げるならば、特許文献1には、13Crマルテンサイト鋼が、特許文献2には、SiC及びSi3 N4 が、特許文献3には、超硬合金に貴金属をコーティングした材料が、又、特許文献4、特許文献5、特許文献6には、それぞれ、ダイヤモンド薄膜若しくはダイヤモンド状炭素膜が、特許文献7には、硬質炭素膜をコーティングした材料が、又、特許文献8には、窒化硼素膜を形成することが提案されている。
次に、特許文献9には、型母材の材料としても、従来のWCを主成分とする超硬を研削研磨で加工するだけでなく、ガラスより成る成形用型素材を、熱間にて成形母型で押圧成形することにより、成形母型を転写させて光学素子成形用型を得る製造方法が記載されている。又、その改良として、特許文献10には、熱間にて押圧成形したガラスより成る成形用型本体と、耐熱性を有する金属又はセラミックスから成る接合体を、一体的に構成した光学素子成形用型が記載されている。
しかしながら、一般的にダイヤモンド状炭素膜、a−C:H膜、硬質炭素膜を用いた型は、型とガラスとの離型性が良く、ガラスとの融着を起こしにくいが、型と膜の密着性が一般に低く、更に、成形温度が高い場合、Tiを含むガラスの場合、耐久性に問題があった。窒化硼素膜は、ダイヤモンド状炭素膜に比べて、耐熱性、ガラスとの反応性に優れているが、特に、型母材がガラスの場合は、成形操作を数十回以上繰り返して行うと、前記膜が部分的に剥離し、成形品において十分な成形性能が得られないことがある等、耐久性に問題があった。
上記の膜の密着性の問題は、特に、型母材がガラス材料のような場合に顕著である。型母材としてガラス材料を用いることは、材料費が安価であること、更に、加工が容易であること等、コストダウンに非常に有用である。
しかし、窒化硼素膜の形成に硼素含有イオンが関与するためで、ガラス材のような絶縁性材料の場合は、イオンの衝撃の効果が得られないため、膜と型母材の密着性が低下したり、型母材がチャージアップして異常放電が発生して表面の荒れが発生する問題点があった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、ガラス材料より成る型母材上に、離型層として形成される窒化硼素膜を型材に密着力良く、更に良好な表面粗さで形成することが可能となる光学素子成形用型材を大幅なコストダウンをして提供することである。
上記課題を達成するため、請求項1記載の発明は、母材の一部に光学素子を成形するためのガラスより成る転写面を有する成形用型において、ガラスより成る転写面に窒化硼素膜を形成する光学素子成形用型の製造方法において、ガラス面より、SiO2、SiO2とSiの混合層、Si、窒化硼素膜を順次積層するように構成する。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の光学素子成形用型材の製造方法において、SiO2とSiの混合層が、表面側方向に、SiO2の比率が小さく、Siの比率が大きくなる傾斜膜であるように構成する。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の光学素子成形用型材の製造方法において、スパッタ法によりSiO2、SiO2とSiの混合層、Siを形成するように構成する。
請求項4記載の発明は、母材の一部に光学素子を成形するためのガラスより成る転写面を有する成形用型において、ガラスより成る転写面に窒化硼素膜を形成する光学素子成形用型の製造方法において、ガラス面より、SiO2、SiとO(酸素)とN(窒素)の混合層、Si3N4、窒化硼素膜を順次積層するように構成する。
請求項5記載の発明によれば、請求項4記載の光学素子成形用型材の製造方法において、SiとOとNの混合層の混合層が、表面側方向に、Oの比率が小さく、Nの比率が大きくなる傾斜膜であるように構成する。
請求項6記載の発明は、請求項1記載の光学素子成形用型材の製造方法において、スパッタ法によりSiO2、SiとOとNの混合層、Si3N4を形成するように構成する。
請求項7記載の発明は、請求項1及び4記載の光学素子成形用型材の製造方法において、スパッタ法により窒化硼素膜を形成するように構成する。
請求項7記載の発明は、請求項1及び4記載の光学素子成形用型材の製造方法において、スパッタ法により窒化硼素膜を形成するように構成する。
本発明によれば、ガラス材料より成る型母材上に、離型層として形成される窒化硼素膜を型材に密着力良く、更に良好な表面粗さで形成することが可能となり、光学素子成形用型材を大幅なコストダウンをして提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら、具体的に説明する。ここで、本発明の光学素子成形用型の模式的断面を図1に示す。
図1において、11はWCを主成分とする超硬合金であり、12は熱間にて押圧成形したSiO2を含むガラスより成る転写面形状を有する成形用型であり、11より成る超硬合金と接合され、一体的に構成されている。
尚、図1では、凹面が3面ある自由曲面形状のレンズ成形用型を示したが、本発明では、形状に限定されるものではなく、凹凸面レンズ成形用型、非球面レンズ成形用型、シリンドリカルレンズ成形用型等にも使用可能である。
本発明で用いられる転写面がSiO2を含むガラスより成る型母材とは、超硬材料等で作製されたマスター型でプレス成形を行い、多数の型母材を高サイクルタイムで形成することが可能なガラス材料で形成された型母材で、研削研磨による型加工に比較して、加工時間が大幅に短縮できるため、加工費のコストダウンと型加工のリードタイムの短縮が達成される。
又、型母材は、全てがガラスで作成してあるものでも構わない。しかし、機械的強度、ネジ等の機械加工の面で、ガラスと超硬合金の一体型が望ましい。
13はSiO2層、14はSiOX(0<X<2)層、15はSi層、16は窒化硼素膜をスパッタ、CVD、イオンプレーティング法等で順次積層したものである。
図2はSiO2層13、SiOX(0<X<2)層14、Si層15、窒化硼素膜16を形成するスパッタ成膜装置の模式断面図である。これらの形成方法は、
1)真空チャンバー21に型母材22を設置し、型母材22は回転軸23でターゲット24上を回転する。熱伝対25で温度検出を行い、ハロゲンランプ等のヒーター26で300℃まで加熱し、チャンバー内の到達真空度を、1×10−5Pa以下で排気する。
2)アルゴンガスと酸素ガスを導入し、型母材22を回転させ、Si金属ターゲット24に高周波を印加して、原料をプラズマ化し、SiO2層13を0.01〜1μm形成する。
3)アルゴンガスを一定若しくは(徐々に)増加させ、酸素ガスを(徐々に)減少させて、型母材22を回転させ、Si金属ターゲット24に高周波をマッチングボックスを介して印加して、原料をプラズマ化し、SiOX(0<X<2)層(傾斜層)14を0.01〜1μm形成する。
4)酸素ガスを止め、アルゴンガスのみ導入し、型母材22を回転させ、Si金属ターゲット24に高周波を印加して、原料をプラズマ化し、Si層15を0.01〜1μm形成する。
5)アルゴンガスと窒素ガスを導入し、型母材22は図示しない高周波電源により高周波バイアスをマッチングボックスを介して印加しながら回転させ、窒化硼素ターゲット24に高周波をマッチングボックスを介して印加し、原料をプラズマ化し、窒化硼素膜16を0.01〜0.5μm形成する。
1)真空チャンバー21に型母材22を設置し、型母材22は回転軸23でターゲット24上を回転する。熱伝対25で温度検出を行い、ハロゲンランプ等のヒーター26で300℃まで加熱し、チャンバー内の到達真空度を、1×10−5Pa以下で排気する。
2)アルゴンガスと酸素ガスを導入し、型母材22を回転させ、Si金属ターゲット24に高周波を印加して、原料をプラズマ化し、SiO2層13を0.01〜1μm形成する。
3)アルゴンガスを一定若しくは(徐々に)増加させ、酸素ガスを(徐々に)減少させて、型母材22を回転させ、Si金属ターゲット24に高周波をマッチングボックスを介して印加して、原料をプラズマ化し、SiOX(0<X<2)層(傾斜層)14を0.01〜1μm形成する。
4)酸素ガスを止め、アルゴンガスのみ導入し、型母材22を回転させ、Si金属ターゲット24に高周波を印加して、原料をプラズマ化し、Si層15を0.01〜1μm形成する。
5)アルゴンガスと窒素ガスを導入し、型母材22は図示しない高周波電源により高周波バイアスをマッチングボックスを介して印加しながら回転させ、窒化硼素ターゲット24に高周波をマッチングボックスを介して印加し、原料をプラズマ化し、窒化硼素膜16を0.01〜0.5μm形成する。
このようにして得られた、SiO2層、SiOX(0<X<2)層(傾斜層)、Si層、窒化硼素膜の積層物は、SiO2を含むガラス上に、SiO2層13が積層されるため、ガラス12と13の界面での密着性が上がり、SiOX(0<X<2)層(傾斜層)14はSiO2層13とSi層15の密着性を上げる。更に、Si層15は窒化硼素膜16を成膜する際、Si層15の表面にSiN(不飽和)層が形成されるため、密着性が上がる。
16の窒化硼素膜は、立方晶系(c−BN)を有し、高硬度、化学的安定性にも優れ、光学素子成形用離型膜として適している。
又、SiOX(0<X<2)層の代わりに、SiとOとNの混合層を形成しても同様の効果が得られる。
又、これらの成膜法として、スパッタ法で説明したが、公知のCVD、イオンプレーティング法でも可能であり、成膜装置も上記成膜装置に限定されるものではない。
次に、本発明を実施例に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明に係る光学素子成形用型の模式断面図を示すものである。
最初に、WCを主成分とする超硬合金11に、SiO2を含むガラスとしてホウケイ酸ガラス(ガラス転移点=540℃、軟化点=730℃)12より成る転写面形状を有する熱間で押圧成形する。一般的な押圧成形プロセスは、下記の1)〜4)の工程である。
工程1):WCを主成分とする超硬合金11と、SiO2を含むガラス12を熱源により加熱する。
工程2):母型で12のSiO2を含むガラスを11のWCを主成分とする超硬合金に押し付けSiO2を含むガラス12をWCを主成分とする超硬合金11へ融着させる。
工程3):SiO2を含むガラス12に母型の光学機能面を転写させる。
工程4):冷却し母型とSiO2を含むガラス12とを分離させる。
次に、この型母材22を良く洗浄した後、図2に示すスパッタリング装置を用いて光学素子成形面側に、SiO2層13を30nm、SiOX(0<X<2)層14を30nm、Si層15を30nm、図中に記載していないマスフローを介したアルゴンガス、酸素ガス導入口から図3に示した流量の模式図のように制御することにより形成した。流量はチャンバーの大きさ、排気系の能力によって異なる。又、各層の膜厚は、光学素子形状、ガラス材質、成形条件によって異なる。
次に、前記スパッタリング装置を用いて、図中に記載していないマスフローを介したアルゴンガス、窒素ガス導入口から導入して、窒化硼素ターゲット27及び型母材22に図示していない高周波電源からマッチングボックスを介して高周波を印加することにより、窒化硼素膜を100nmの形成した。この硬質炭素膜の平均表面粗さ(Ra)を測定したところ、1.6nmであった。
次に、この光学素子成形用型材を用いて光学レンズの成形を1000ショット行った。成形ガラスは、TiO2を含むリン酸系ガラス(Tg:380℃)で、成形条件は、窒素雰囲気下、プレス温度430℃で行った。成形中、型と成形された光学素子との離型性は良好であった。又、成形後の型表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、膜剥離、クラックの発生、更には、ガラスの融着が認められず、良好な型表面性を有していた。又、成形ガラスレンズも、ガラスの割れが見られず、良好な表面粗さであった。
実施例1において、スパッタリング装置を用いて光学素子成形面側に、SiO2層13を30nm、SiOX(0<X<2)層14を30nm、Si層15を30nm成膜する工程で、図4に示した流量の模式図のように制御することで、SiOX(0<X<2)層14を表面側方向に、Xの値が徐々に2から0に減少している傾斜層にする以外は同様に光学素子成形用型材を製造した。
次に、この光学素子成形用型材を用いて光学レンズの成形を1500ショット行った。成形ガラスは、TiO2を含むリン酸系ガラス(Tg:380℃)で、成形条件は、窒素雰囲気下、プレス温度430℃で行った。成形中、型と成形された光学素子との離型性は良好であった。又、成形後の型表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、膜剥離、クラックの発生、更には、ガラスの融着が認められず、良好な型表面性を有していた。又、成形ガラスレンズも、ガラスの割れが見られず、良好な表面粗さであった。
実施例1において、スパッタリング装置を用いて光学素子成形面側に、SiO2層13を30nm、SiOX(0<X<2)層14を30nm、Si層15を30nm成膜する工程で、図5に示した流量の模式図のように制御することで、SiOX(0<X<2)層14を表面側方向に、Xの値が徐々に2から0に減少している傾斜層にする以外は同様に光学素子成形用型材を製造した。
次に、この光学素子成形用型材を用いて光学レンズの成形を2000ショット行った。成形ガラスは、TiO2を含むリン酸系ガラス(Tg:380℃)で、成形条件は、窒素雰囲気下、プレス温度430℃で行った。成形中、型と成形された光学素子との離型性は良好であった。又、成形後の型表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、膜剥離、クラックの発生、更には、ガラスの融着が認められず、良好な型表面性を有していた。又、成形ガラスレンズも、ガラスの割れが見られず、良好な表面粗さであった。
実施例1において、スパッタリング装置を用いて光学素子成形面側に、SiO2層13を30nm、SiOX(0<X<2)層14を30nm、Si層15を30nm成膜する工程で、図6に示した流量の模式図のように制御することで、SiOX(0<X<2)層14を表面側方向に、Xの値が徐々に2から0に減少している傾斜層にする以外は同様に光学素子成形用型材を製造した。
次に、この光学素子成形用型材を用いて光学レンズの成形を2000ショット行った。成形ガラスは、TiO2を含むリン酸系ガラス(Tg:380℃)で、成形条件は、窒素雰囲気下、プレス温度430℃で行った。成形中、型と成形された光学素子との離型性は良好であった。又、成形後の型表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、膜剥離、クラックの発生、更には、ガラスの融着が認められず、良好な型表面性を有していた。又、成形ガラスレンズも、ガラスの割れが見られず、良好な表面粗さであった。
実施例1において、スパッタリング装置を用いて光学素子成形面側に、SiO2層13を30nm、SiOX(0<X<2)層14を30nm、Si層15を30nm成膜する工程で、図7に示した流量の模式図のように制御することで、SiOX(0<X<2)層14を表面側方向に、Xの値が徐々に2から0に減少している傾斜層にする以外は同様に光学素子成形用型材を製造した。
次に、この光学素子成形用型材を用いて光学レンズの成形を2000ショット行った。成形ガラスは、TiO2を含むリン酸系ガラス(Tg:380℃)で、成形条件は、窒素雰囲気下、プレス温度430℃で行った。成形中、型と成形された光学素子との離型性は良好であった。又、成形後の型表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、膜剥離、クラックの発生、更には、ガラスの融着が認められず、良好な型表面性を有していた。又、成形ガラスレンズも、ガラスの割れが見られず、良好な表面粗さであった。
実施例1において、スパッタリング装置を用いて光学素子成形面側に、SiO2層13を30nm、SiOX(0<X<2)層14を30nm、Si層15を30nm成膜する工程で、図8に示した流量の模式図のように制御することで、SiNy(0<Y<4/3)OX(0<X<2)層14を表面側方向に、Xの値が徐々に2から0に減少し、Yの値が徐々に0から3/4に増加している傾斜層上に、Si3N4層15を30nm成膜するする以外は同様に光学素子成形用型材を製造した。
次に、この光学素子成形用型材を用いて光学レンズの成形を2000ショット行った。
成形ガラスは、TiO2を含むリン酸系ガラス(Tg:380℃)で、成形条件は、窒素雰囲気下、プレス温度430℃で行った。成形中、型と成形された光学素子との離型性は良好であった。又、成形後の型表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、膜剥離、クラックの発生、更には、ガラスの融着が認められず、良好な型表面性を有していた。又、成形ガラスレンズも、ガラスの割れが見られず、良好な表面粗さであった。
<比較例1>
実施例1において、スパッタリング装置を用いて光学素子成形面側に、SiO2層13を30nm、SiOX(0<X<2)層14を30nmを成膜せず、Si層15のみを30nm成膜する以外は同様に光学素子成形用型材を製造した。
成形ガラスは、TiO2を含むリン酸系ガラス(Tg:380℃)で、成形条件は、窒素雰囲気下、プレス温度430℃で行った。成形中、型と成形された光学素子との離型性は良好であった。又、成形後の型表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、膜剥離、クラックの発生、更には、ガラスの融着が認められず、良好な型表面性を有していた。又、成形ガラスレンズも、ガラスの割れが見られず、良好な表面粗さであった。
<比較例1>
実施例1において、スパッタリング装置を用いて光学素子成形面側に、SiO2層13を30nm、SiOX(0<X<2)層14を30nmを成膜せず、Si層15のみを30nm成膜する以外は同様に光学素子成形用型材を製造した。
次に、この光学素子成形用型材を用いて実施例1と同様に光学レンズの成形を行なったが、50ショットで微小な窒化硼素膜16の剥離が多数発生した。
11 WCを主成分とする超硬合金
12 熱間にて押圧成形したSiO2を含むガラスより成る転写面形状を有する成形用型
13 SiO2層
14 SiOX(0<X<2)層
15 Si層
16 硬質炭素膜
21 真空チャンバー
22 型母材
23 回転軸
24 Si金属ターゲット
25 熱伝対
26 ヒーター
27 窒化硼素ターゲット
12 熱間にて押圧成形したSiO2を含むガラスより成る転写面形状を有する成形用型
13 SiO2層
14 SiOX(0<X<2)層
15 Si層
16 硬質炭素膜
21 真空チャンバー
22 型母材
23 回転軸
24 Si金属ターゲット
25 熱伝対
26 ヒーター
27 窒化硼素ターゲット
Claims (7)
- 母材の一部に光学素子を成形するためのガラスより成る転写面を有する成形用型において、ガラスより成る転写面に窒化硼素膜を形成する光学素子成形用型の製造方法において、
ガラス面より、SiO2、SiO2とSiの混合層、Si、窒化硼素膜を順次積層したことを特徴とする光学素子成形用型材の製造方法。 - SiO2とSiの混合層が、表面側方向に、SiO2の比率が小さく、Siの比率が大きくなる傾斜膜であることを特徴とする請求項1記載の光学素子成形用型材の製造方法。
- スパッタ法によりSiO2、SiO2とSiの混合層、Siを形成することを特徴とする請求項1記載の光学素子成形用型材の製造方法。
- 母材の一部に光学素子を成形するためのガラスより成る転写面を有する成形用型において、ガラスより成る転写面に窒化硼素膜を形成する光学素子成形用型の製造方法において、
ガラス面より、SiO2、SiとO(酸素)とN(窒素)の混合層、Si3N4、窒化硼素膜を順次積層したことを特徴とする光学素子成形用型材の製造方法。 - SiとOとNの混合層の混合層が、表面側方向に、Oの比率が小さく、Nの比率が大きくなる傾斜膜であることを特徴とする請求項4記載の光学素子成形用型材の製造方法。
- スパッタ法によりSiO2、SiとOとNの混合層、Si3N4を形成することを特徴とする請求項4記載の光学素子成形用型材の製造方法。
- スパッタ法により窒化硼素膜を形成することを特徴とする請求項4記載の光学素子成形用型材の製造方法。
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