JP2006264226A - インクジェット記録媒体及びインクジェット記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】乾燥装置を備えた輪転方式の高速インクジェットプリンティングシステムにおいて、インク吸収性と画像色彩性に優れ、高速搬送性にも優れた塗工タイプのインクジェット記録媒体を提供すること。
【解決手段】木材繊維からなる支持体の少なくとも片面に2層以上のインク受理性のある塗層を設けてなるインクジェット記録媒体において、支持体に直接塗工されるインク受理性のある塗層が熱可塑性微粒子と結着剤を含有する熱可塑性粒子層であり、インク受理性のある塗層が該熱可塑性微粒子の最低造膜温度未満で形成されることにより課題は達成される。
【選択図】 なし

Description

本発明はインクジェット記録媒体及びインクジェット記録方法に関するものであり、更に詳しくは、乾燥機構を備えた高速インクジェットプリンティングシステムに用いることができるフルカラー印刷用のインクジェット記録媒体及びインクジェット記録方法に関するものである。
インクジェット記録方式は、種々の作動原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙等の記録媒体に付着させて画像や文字等の記録を行なうものである。このインクジェット記録方式は、高速、低騒音、多色化が容易、記録パターンの融通性が大きい、現像−定着が不要等の特徴があり、漢字を含め各種図形及びカラー画像等の記録装置として種々の用途において急速に普及している。又、多色インクジェット方式により形成される画像は、製版方式による多色印刷やカラー写真方式による印画に比較して、遜色のない記録を得ることが可能であり、更に、作成部数が少なくて済む用途においては、写真技術によるものよりも安価であることから、フルカラー画像記録分野にまで広く応用されつつある。
インクジェット記録方式で使用される記録媒体としては、通常の印刷や筆記に使われる上質紙やコーテッド紙を使うべく、装置やインク組成の面から努力がなされてきた。しかし、装置の高速化・高精細化或はフルカラー化等インクジェット記録装置の性能の向上や用途の拡大に伴い、記録媒体に対して、より高度な特性が要求されるようになった。即ち、記録媒体としては、印字ドットの濃度が高く、色調が明るく鮮やかであること、インクの吸収が早くて印字ドットが重なった場合においてもインクが流れ出したり滲んだりしないこと、印字ドットの横方向への拡散が均一で必要以上に大きくなく、且つ周辺が滑らかでぼやけないこと、経時や環境で画質の変化がないこと、例えば、耐光性、耐水性、耐オゾン性に優れていること等が要求される。
さらに最近では、輪転方式の高速インクジェットプリンティングシステム(例えば、特許文献1参照)も開発され、150m/分以上の高速で宛名書き印刷、顧客情報印刷、ナンバリング印刷、バーコード印刷などのオンデマンドプリンティング用途にも利用されつつある。このような用途においては、インクセット性、バーコード読み取り適性、画像耐水性、並びに高速搬送性を兼ね備えた記録媒体が必要である。
インクジェット記録媒体の形態としては、所謂、上質紙・ボンド紙などに代表される普通紙タイプと上質紙などの紙、合成紙、合成樹脂フィルムなどの支持体上にインク受理層を設けた塗工紙タイプに大別される。
輪転方式の高速インクジェットプリンティングシステムにおいて、これまでは普通紙タイプの記録媒体によるモノクロ印刷やスポットカラー印刷が主流であったが、プリンタヘッド開発技術の進歩により、今後はパーソナライズ印刷分野のフルカラー化が期待される。フルカラー化に伴い普通紙タイプのインクジェット記録媒体では画像濃度も低く、十分な色再現が出来ない。そこでフルカラー用途には高速インクジェットプリンティングに適した塗工紙タイプの記録媒体が要求されている。
塗工タイプのインクジェット記録媒体は、支持体上に設けられたインク受理層の特性が印字品質に直接影響することから、インク吸収性に対しては顔料の比表面積や形状の選択、色彩性や色再現性等については顔料の透明性や屈折率の検討、画像品質に対しては塗層構造や表面形状等、用紙の波打ち等の改善については水中伸度、合成繊維やガラス繊維の配合といった種々の検討、更には塗工方法等について種々検討がなされてきた。
従来からインクジェット記録方式では、インクとして水性或は油性の溶媒中に染料や顔料を溶解あるいは分散させたインクが使用されてきた。中でも各種の水溶性染料を水または水と有機溶媒との混合物に溶解させた水溶性染料インクが主流である。水溶性染料インクはインクジェット記録装置のインク吐出ヘッドのメンテナンス性に優れており、また、印字後の発色性、解像力等に優れている。しかし、高速インクジェットプリンティングシステムにおいては印刷後にインクを乾燥する工程があり、木材繊維からなる支持体を使用した場合、水溶性染料インクで印刷された部分に波打が起こり、さらに熱による急速乾燥により部分的に収縮して支持体にシワを発生し、発生したシワにより紙切れ等の高速搬送トラブルを発生したり、輪転方式での印刷物の巻き姿の崩れ等の問題を発生することがある。
乾燥機構を備えた高速インクジェットプリンティングシステムでのシワ発生に関係する用紙の波打ちを回避する手段として、支持体を十分に厚くして支持体の伸縮を抑える方法などが一般に行われるが、支持体の剛性で対応するにはかなり厚さが必要となり、記録媒体の柔軟性が欠如し、搬送性が低下する場合がある。そこで、支持体の伸縮を抑えるために支持体を二層化する方法(例えば、特許文献2参照)が開示されているが、最近のフルカラー化によるインク吐出量の増加に対しては完全に波打を回避することは難しい。また、支持体表面にバリア層を設けたり、支持体表面にインクが浸透しないように耐水化する方法(例えば、特許文献3参照)が開示されているが、これらの手法では記録媒体のインク吸収容量が低下し、インクの溢れや滲みが発生し、良好な画像を得ることは難しい。
特開2000−141618号公報 特開平6−155893号公報 特開平10−46498号公報
上記したように、従来の塗工紙タイプのインクジェット記録媒体の場合、乾燥装置を備えた輪転方式の高速インクジェットプリンティングシステムでの使用は想定されておらず、印刷された部分の支持体が熱による急速乾燥により部分的に収縮して発生する支持体のシワ発生に対する対策がとられていない状況である。
本発明の目的は、乾燥装置を備えた輪転方式の高速インクジェットプリンティングシステムにおいて、インク吸収性と画像色彩性に優れ、高速搬送性にも優れた塗工タイプのインクジェット記録媒体を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記課題を達成するために鋭意研究した結果、木材繊維からなる支持体上の少なくとも片面に2層以上のインク受理性のある塗層を設けてなるインクジェット記録媒体において、支持体に直接塗工されるインク受理性のある塗層が熱可塑性微粒子と結着剤を含有する熱可塑性粒子層であり、インク受理性のある塗層が該熱可塑性微粒子の最低造膜温度未満で形成することによって、前記目的を達成できるインクジェット記録媒体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
熱可塑性粒子層の塗工量が2g/m2以上10g/m2以下であると好ましい。
熱可塑性微粒子の最低造膜温度は50℃以上140℃以下であると好ましい。
熱可塑性微粒子がポリオレフィン系熱可塑性微粒子であると好ましく、更にポリオレフィン系熱可塑性微粒子がポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体のいずれかであるとより好ましい。
また、本発明はこれらのインクジェット記録媒体を用い、インクジェット記録した直後にインクを乾燥する工程を用する印刷方式により記録物を作製するインクジェット記録方法である。
支持体上に2層以上のインク受理性のある塗層を設けてなるインクジェット記録媒体において、木材繊維からなる支持体上に熱可塑性微粒子と結着剤からなるインク受理性のある熱可塑性粒子層を形成することによって、インク吸収性と画像色彩性に優れたインクジェット画像が得られ、乾燥装置を備えた高速プリンティングシステムにおいても画像部の乾燥ジワの発生は改善され、シワによる搬送トラブルを防止する事が出来る。
以下、本発明のインクジェット記録媒体について、詳細に説明する。本発明のインクジェット記録媒体は、乾燥機構を備えた高速インクジェットプリンティングシステムに使用する記録媒体であって、木材繊維からなる支持体の少なくとも片面に2層以上のインク受理性のある塗層を設けてなるインクジェット記録媒体である。支持体に直接塗工されるインク受理性のある塗層が熱可塑性微粒子と結着剤を含有する熱可塑性粒子層であり、インク受理性のある塗層が熱可塑性微粒子の最低造膜温度未満で形成してなる。また、熱可塑性粒子層の上に形成されるインク受理性のある塗層は顔料粒子と結着剤を含有することが好ましい。(以下インク受理層と記す)
本発明において、支持体の上に直接塗工される熱可塑性微粒子と結着剤からなる熱可塑性粒子層やインク受理層は熱可塑性微粒子の最低造膜温度未満で形成するため、熱可塑性粒子層は完全な膜を形成していないのでインク吸収性を有する層を形成する。そのため印刷時のインク吸収性を阻害することはなく、支持体の上に形成された2層以上のインク受理性のある塗層は、インク吸収性に優れ、良好な品質の印刷画像を形成することができる。
本発明の効果が発現する機構は次のように推測する。インク受理性のある熱可塑性粒子層は完全な膜を形成していないものの、支持体に一部融着しているために印刷後のインク乾燥工程におれる熱収縮を緩和する働きがあり、印刷乾燥時の熱によりさらに熱可塑性粒子の融解が進み、乾燥時の支持体木材繊維の熱収縮を押さえ、支持体のシワの発生を抑制する効果が発現すると考える。
本発明の熱可塑性微粒子と結着剤からなる熱可塑性粒子層について鋭意研究した結果、熱可塑性粒子層の塗工量は2g/m2以上10g/m2以下が好ましいことが判った。2g/m2より少ないと印刷後のインク乾燥時の木材繊維の熱収縮を緩和する働きが不十分となることがありシワ発生防止効果が弱くなる。また、10g/m2より多くなるとインク吸収性に影響することがあり、熱可塑性粒子層の上にインク受理層を設けた時にベタ画像の均一性がなくなり、画像品質に悪影響を与えることが判った。熱可塑性粒子層の形成のし易さから熱可塑性微粒子の最低造膜温度は50℃以上140℃以下が好ましい。また、原因は定かではないが、熱可塑性微粒子がポリオレフィン系熱可塑性微粒子であり、該ポリオレフィン系熱可塑性微粒子がポリエチレンまたはエチレン−プロピレン共重合体であれば、シワ発性の防止効果が大きいことが判った。
本発明で使用できる熱可塑性微粒子としては、例えばポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリメトキシスチレン、ポリクロルスチレン等のポリモノビニリデン芳香族、ポリ塩化ビニル、ポリビニルシクロヘキサン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン等のポリオレフィン及びポリハロオレフィン類、ポリメタクリレート、ポリクロルアクリレート、ポリメチルメタクリレート等のα、β−エチレン性不飽和酸のエステル類の重合体等及びこれらの共重合体等が挙げられる。より好ましくは、ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィンである。
熱可塑性微粒子は、通常平均粒子径(直径)0.01μm〜20μmのものが使用され、特に平均粒子径0.1μm〜10μmのものが好ましく使用される。直径が0.01μmより小さいと形成される空隙が小さくなりすぎ、インクの吸収性を低下させる傾向がある。また、20μmより大きいと熱可塑性粒子層の上に形成するインク受理層の形成に影響を与え、画質が低下する傾向を示す。
熱可塑性微粒子の最低造膜温度(MFT)は、50℃以上、140℃以下であることが好ましい。最低造膜温度(MFT)が50℃に満たない場合は、支持体に塗工液を塗工し、乾燥する際に緻密な被膜となりやすく、多孔性を得るのが困難となり、インク吸収性が低下する傾向がある。また、最低造膜温度(MFT)が140℃を超える場合は、塗工時のの加熱処理温度を高くする必要があり、樹脂の分解や変色等の問題が発生する。
一般に熱可塑性微粒子は低温域で高い弾性率を示し、ガラス転移温度(Tg)付近でゴム状にその状態を変化する。多くの熱可塑性微粒子はこのTg付近で造膜を開始し、さらに高温域では流動化する。大部分の熱可塑性微粒子の最低造膜温度(MFT)はほぼTgと一致する。
熱可塑性粒子層で使用される結着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、酸化澱粉、エーテル化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、シリル変性ポリビニルアルコール等;無水マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス;アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体、アクリル酸又はメタクリル酸の重合体又は共重合体等のアクリル系重合体ラテックス;エチレン酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス;或いはこれらの各種重合体のカルボキシル基等の官能基含有単量体による官能基変性重合体ラテックス;メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化合成樹脂系等の水性バインダー;ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂等の合成樹脂系バインダーを挙げることができる。これらの結着剤は、単独または複数を併用してもよく、通常は熱可塑性微粒子に対して1〜30質量%を添加して使用され、好ましくは3〜20質量%である。上記の添加量の範囲未満では熱可塑性微粒子の接着性が悪化する傾向になり、添加量の範囲より多くなるとインク吸収性を低下する傾向を示すので好ましくない。
熱可塑性微粒子と結着剤を含有する熱可塑性粒子層の塗工方法としては、例えば、スライドホッパー方式、カーテン方式、エクストルージョン方式、エアーナイフ方式、ロールコーティング方式、ロッドバーコーティング方式等の通常用いられている各種塗工方式が挙げられるが、本発明ではこれらに限定されるものではない。
塗工後に乾燥する手段としては、一般の公知の方法を用いることができ、限定されない。例えば、熱源により発生した加熱空気を送風した加温器内に搬送する方法、ヒーター等の熱源近傍を通過させる方法等がある。塗工層表面の温度が熱可塑性微粒子の最低造膜温度(MFT)未満の温度で乾燥を行うことができればどんな方法でもよく、好ましくはMFT−10℃以上からMFT未満の温度で乾燥を行うことができればよい。
本発明においては、熱可塑性微粒子と結着剤を含有する熱可塑性粒子層の上に形成されるインク受理層は、インクを吸収・保持して画像が形成される層であり、顔料と結着剤を主体としてなる多孔質層であることが好ましい。
インク受理層に使用される顔料としては、公知の顔料を一種類以上用いることができる。例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、チタンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、ゼオライト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなどの無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリスチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂などの有機顔料などが挙げられる。上記の中でもインク受理層の主体成分として含有する顔料としては多孔性無機顔料が好ましく、多孔性合成非晶質シリカ、多孔性炭酸マグネシウム、多孔性アルミナが挙げられ、特に細孔容量の大きい多孔性合成非晶質シリカが好ましい。
インク受理層に使用する結着剤としては、例えば、澱粉およびその変性物、ゼラチンおよびそれらの変性物、カゼイン、プルラン、アラビアゴム、カラヤゴム、アルブミン等の天然高分子樹脂またはこれらの誘導体、ポリビニルアルコールまたはそのカチオン変性物や、シラノール変性物、SBRラテックス、NBRラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体や、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のラテックス類、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等のビニルポリマー、ポリエチレンイミン、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、無水マレイン酸の重合体またはその共重合体等を挙げることができ、単独または二種以上を組み合わせて使用してもよい。
インク受理層に含有される結着剤の配合量は、顔料の全固形分に対して、3〜70質量%、好ましくは5〜50質量%であり、3質量%より少ないとインク受理層の塗層強度が不足しやすくなり、70質量%を越えるとインク受理層のインク吸収性に影響を与え、画像品質に滲みなどの悪影響を与えることがある。
インク受理層には、顔料および結着剤に加え、必要に応じて、界面活性剤、着色染料、着色顔料、インク染料の定着剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤等の公知の各種添加剤を使用することもできる。
熱可塑性粒子層の上に設けられるインク受理層の塗工量(乾燥固形分)としては、5g/m2以上30g/m2以下が好ましい。塗工量が5g/m2より少なくなるとインク受理層のインク吸収性に影響を与え、画像品質に滲みなどの悪影響を与えることがある。また、塗工量が30g/m2より多くなると熱可塑性粒子層との接着性が不良になったり、インク受理層にヒビ割れが発生したりすることがある。このインク受理層はインク吸収性・インク発色性等のインクジェット記録媒体としての適性と品質を向上させる塗工層であり、一層でもよいし、目的に応じて複数のインク受理層を設けてもよい。
インク受理層の塗工方法としては、例えば、スライドホッパー方式、カーテン方式、エクストルージョン方式、エアーナイフ方式、ロールコーティング方式、ロッドバーコーティング方式等の通常用いられている各種塗工方式が挙げられるが、本発明ではこれらに限定されるものではない。
また、塗工後に乾燥する手段としては、一般の公知の方法を用いることができ、限定されない。例えば、熱源により発生した加熱空気を送風した加温器内に搬送する方法、ヒーター等の熱源近傍を通過させる方法等がある。塗工層表面の温度が熱可塑性微粒子の最低造膜温度(MFT)未満の温度で乾燥を行うことができればどんな方法でもよく、好ましくはMFT−10℃以上からMFT未満の温度で乾燥を行うことができればよい。
本発明のインクジェット記録媒体の支持体としては、木材繊維主体の紙、または木材繊維を主体としたシート状物質を挙げることができる。紙の場合に使用される木材パルプは、NBKP、LBKP、NBSP、LBSP、GP、TMPなどの他に、古紙パルプが挙げられ、必要に応じて単独あるいは併用して用いられる。
なお、本発明で言う古紙パルプの原料としては、(財)古紙再生促進センターの古紙標準品質規格表に示されている、上白、罫白、クリーム白、カード、特白、中白、模造、色白、ケント、白アート、特上切、別上切、新聞、雑誌などが挙げられる。さらに具体例としては、情報関連用紙である非塗工コンピュータ用紙、感熱紙、感圧紙などのプリンター用紙、およびPPC用紙などのOA古紙、アート紙、コート紙、微塗工紙、マット紙などの塗工紙、あるいは上質紙、色上質、ノート、便箋、包装紙、ファンシーペーパー、中質紙、新聞用紙、更紙、スーパー掛け紙、模造紙、純白ロール紙、ミルクカートンなどの非塗工紙などの紙や板紙の古紙で、化学パルプ紙、高歩留りパルプ含有紙などが使用されるが、印字、複写、印刷、非印刷を問わず特に限定されるものではない。
本発明において、紙料中には、その他の添加剤として、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤などを本発明の所望の効果を損なわない範囲で、適宜配合することもできる。
本発明のインクジェット記録媒体支持体の抄紙方法において、抄紙機は、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、コンビネーション抄紙機、丸網抄紙機、ヤンキー抄紙機など製紙業界で公知の抄紙機を適宜使用できる。
本発明における支持体には、帯電防止性、搬送性、カール防止性、筆記性、糊付け性等のために、各種のバックコート層を塗設することができる。バックコート層には、無機帯電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バインダー、ラテックス、硬化剤、顔料、滑剤、界面活性剤等を適宜組み合わせて含有させることができる。
本発明に用いる支持体の厚さについては特に制限する必要はないが、ハンドリング性とプリンタの通紙適性から、50〜300μm程度のものが好ましい。
実施例
以下に本発明の実施例をあげて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また、実施例及び比較例において「部」及び「%」は、特に明示しない限り質量部及び質量%を示す。なお、配合において示す部数は実質成分(固形分)の数量である。
<支持体の作製>
濾水度450mlCSFのLBKP70部、濾水度450mlCSFのNBKP30部から成る木材パルプ100部に、軽質炭酸カルシウム/重質炭酸カルシウム/タルクの比率が30/35/35の顔料5部、市販アルキルケテンダイマー0.1部、市販カチオン系アクリルアミド0.03部、市販カチオン化澱粉10部、硫酸バンド0.5部を水に混合し、スラリーを調製後、長網抄紙機を用いて坪量70g/m2で抄造し、市販酸化澱粉をインクラインドサイズプレスで乾燥付着量5g/m2を付着させて乾燥して支持体を得た。
<インク受理層塗工液>
合成非晶質シリカ(ファインシールX37B:株式会社トクヤマ製)100部、ポリビニルアルコールのシラノール変性物(R1130:クラレ株式会社製)30部、カチオン性ポリマー(スミレーズレジン1001:住友化学工業株式会社製)20部を水に混合し、固形分濃度16%に調整して塗工液を得た。
熱可塑性微粒子としてポリゾールAT−2000(スチレン・アクリル系共重合体、MFT=85℃:昭和高分子株式会社製)100部、結着剤としてスミカフレックスS−400(エチレン・酢酸ビニル系共重合体エマルジョン:住友化学工業株式会社製)20部を水に混合し、固形分濃度を25%に調整して塗工液を作製した。塗工液を乾燥後の塗工量が6g/m2になるように上記支持体の一方の面にエアーナイフコーターで塗工し、乾燥して熱可塑性粒子層を設けた。この時、乾燥時の熱可塑性粒子層の表面温度は80℃であった。さらにインク受理層塗工液を乾燥後の塗工量が10g/m2になるように熱可塑性粒子層の上にエアーナイフコーターで塗工し、乾燥してインク受理層を設けた。この時、乾燥時のインク受理層の表面温度は80℃であった。次にこれをスーパーカレンダー処理して本発明のインクジェット記録媒体の巻き取りを得た。
実施例1における熱可塑性微粒子をアクアテックスMC−4400(エチレン・酢酸ビニル系共重合体、MFT=85℃:中央理化工業株式会社)に替える以外は、実施例1と同様の方法で実施例2のインクジェット記録媒体の巻き取りを得た。
実施例1における熱可塑性微粒子をアクアテックスAC−3100(エチレン・メタクリル酸系共重合体、MFT=90℃:中央理化工業株式会社製)に替える以外は、実施例1と同様の方法で実施例3のインクジェット記録媒体の巻き取りを得た。
実施例1における熱可塑性微粒子をポリオレフィン系熱可塑性微粒子のケミパールWP−100(ポリプロピレン、MFT=142℃:三井化学株式会社製)に替え、乾燥時の熱可塑性粒子層及びインク受理層の表面温度が135℃であった以外は、実施例1と同様の方法で実施例4のインクジェット記録媒体の巻き取りを得た。
実施例1における熱可塑性微粒子をポリオレフィン系熱可塑性微粒子のケミパールM−200(ポリエチレン、MFT=105℃:三井化学株式会社製)に替え、乾燥時の熱可塑性粒子層及びインク受理層の表面温度が95℃であった以外は、実施例1と同様の方法で実施例5のインクジェット記録媒体の巻き取りを得た。
実施例1における熱可塑性微粒子をポリオレフィン系熱可塑性微粒子のケミパールA−100(エチレン・プロピレン系共重合体、MFT=85℃:三井化学株式会社製)に替える以外は、実施例1と同様の方法で実施例6のインクジェット記録媒体の巻き取りを得た。
実施例5における結着剤をヨドゾールAD−81B(スチレン・アクリル系共重合体エマルジョン:日本エヌエスシー株式会社製)に替える以外は、実施例5と同様の方法で実施例7のインクジェット記録媒体の巻き取りを得た。
実施例5における結着剤をモビニール760H(酢酸ビニル・アクリル系共重合エマルジョン:クラリアントポリマー株式会社製)に替える以外は、実施例5と同様の方法で実施例8のインクジェット記録媒体の巻き取りを得た。
実施例5における熱可塑性粒子層の塗工量を1g/m2とする以外は、実施例5と同様の方法で実施例9のインクジェット記録媒体の巻き取りを得た。
実施例5における熱可塑性粒子層の塗工量を12g/m2とする以外は、実施例5と同様の方法で実施例10のインクジェット記録媒体の巻き取りを得た。
(比較例1)
実施例1における熱可塑性微粒子をアクアテックスES−50(アクリル・スチレン系共重合体、MFT=28℃:中央理化工業株式会社製)に替える以外は、実施例1と同様の方法で比較例1のインクジェット記録媒体の巻き取りを得た。
(比較例2)
実施例1の熱可塑性微粒子を使用しない以外は、実施例1と同様の方法で比較例2のインクジェット記録媒体の巻き取りを得た。
(比較例3)
実施例7の熱可塑性微粒子を使用しない以外は、実施例7と同様の方法で比較例3のインクジェット記録媒体の巻き取りを得た。
(比較例4)
実施例8の熱可塑性微粒子を使用しない以外は、実施例8と同様の方法で比較例4のインクジェット記録媒体の巻き取りを得た。
<試験方法>
上記により得られたインクジェット記録媒体について、高速インクジェット印刷機VX5000(CMYK4色インク、スピード150m/分、マイクロ波乾燥装置付き:Kodak Versamark社製)を用いて印刷を行い、記録媒体のインク吸収性、印刷物の画像品質(文字画像解像性、ベタ画像の均一性)、巻き取りの巻き姿(写真画像部の膨れ)及びベタ画像部のシワ発生の状況について評価を行った。
記録媒体のインク吸収性
文字・写真画像を被記録媒体上に印刷し、インクの溢れ程度を目視で判定してインク吸収性を評価した。A,Bが実用できるレベルである。
(1)インク吸収性
A:インク吸収性良好。
B:インク吸収性やや劣るが実用上問題が無い。
C:インク吸収性が悪く、滲みが発生する。
D:インク吸収性が悪く、滲みが大きい。
印刷物の品質
文字・写真画像を被記録媒体上に印刷し、文字画像解像性、巻き取りにしたときの写真画像部の膨れを目視で判定して評価した。A,Bが実用できるレベルである。
(2)文字画像解像性
A:解像性良好。
B:解像性やや劣るが実用上問題が無い。
C:解像性性が悪く、画像がややぼやける。
D:解像性が悪く、画像のぼやけが大きい。
(3)巻き取りの膨れ
A:膨れがない。
B:僅かに写真画像部に膨れがあるが実用上問題がない。
C:写真画像部に膨れがあり、巻き取りにシワが発生する。
ベタ画像部のシワ発生と均一性
インク打ち込み量がC(シアン)インク50%、M(マゼンタ)インク50%、Y(イエロー)インク50%からなるCMY150%ベタ画像(2cm x 3cm)とC(シアン)インク45%、M(マゼンタ)インク45%、Y(イエロー)インク45%からなるCMY135%ベタ画像(2cm x 3cm)を印刷・乾燥し、ベタ画像部に発生するシワの有無と均質性を目視で判定した。CMY150%ベタ画像による評価は厳しい評価であり、CMY135%ベタ画像でシワの発生がなければ実用上問題がないレベルであるため、A,Bが実用できるレベルであると判定した。
(4)シワ発生状況
A:CMY150%、CMY135%共にシワの発生なし。
B:CMY150%はシワの発生あり、CMY135%はシワの発生なし。
C:CMY150%、CMY135%共にシワの発生あり。
(5)ベタ画像の均一性
A:ベタ画像部にムラがない。
B:僅かにベタ画像部にムラがあるが実用上問題がない。
C:ベタ画像部にムラが認められる。
D:ベタ画像部に多くのムラが認められる。
Figure 2006264226
評価:
表1より明らかなように、本発明の実施例4〜8のインクジェット記録媒体はインク吸収性が良く、シワの発生も改善され、巻き取りの姿も良好である。本発明の実施例1〜3については、若干インク吸収性が劣るが、実用上問題のないレベルである。本発明の実施例9、10のように熱可塑性粒子層の塗工量が少なくても、多くても、画像品質にやや悪影響を与える結果となった。本発明に対して最低造膜温度が低い熱可塑性微粒子を使用した比較例1や熱可塑性微粒子を使用していない比較例2〜4のインクジェット記録媒体では、インク吸収性が悪く、シワの発生も多くあり、実用不可のレベルであった。

Claims (6)

  1. 印字部のインクを乾燥するための乾燥機構を備えた高速インクジェットプリンティングシステムに使用する記録媒体であって、木材繊維からなる支持体の少なくとも片面に2層以上のインク受理性のある塗層を設けてなるインクジェット記録媒体において、支持体に直接塗工される該インク受理性のある塗層が熱可塑性微粒子と結着剤を含有する熱可塑性粒子層であり、インク受理性のある塗層が該熱可塑性微粒子の最低造膜温度未満で形成してなることを特徴とするインクジェット記録媒体。
  2. 該熱可塑性粒子層の塗工量が2g/m2以上10g/m2以下であることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録媒体。
  3. 該熱可塑性微粒子の最低造膜温度が50℃以上140℃以下であることを特徴とする請求項1または2記載のインクジェット記録媒体。
  4. 該熱可塑性微粒子がポリオレフィン系熱可塑性微粒子である請求項1〜3のいずれか一項記載のインクジェット記録媒体。
  5. 該ポリオレフィン系熱可塑性微粒子がポリエチレンまたはエチレン−プロピレン共重合体である請求項4記載のインクジェット記録媒体。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項記載のインクジェット記録媒体を用い、インクジェット記録した直後にインクを乾燥する工程を有する印刷方式により記録物を作製することを特徴とするインクジェット記録方法。
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JP2009226886A (ja) * 2008-03-25 2009-10-08 Fujifilm Corp 画像形成方法および画像形成装置

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