JP2006263453A - クッションシート及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造スピードを高めることができて、生産性を向上させることができるとともに、良好な滑り性、触感及び通気性を確保することができるクッションシート及びその製造方法を提供する。
【解決手段】クッションシート本体12の表面に溶融状態の繊維状合成樹脂13を布引するように接着硬化させることにより、低摩擦層14を形成する。繊維状合成樹脂13の太さは、10〜600μmの範囲内で設定する。繊維状合成樹脂13の接着量は、クッションシート本体12の1平方メートル当たり5〜100gの範囲内、好ましくは10〜40gの範囲内で設定する。
【選択図】図1

Description

この発明は、例えば車両の座席を覆う表皮材等に用いられるクッションシート、及びそのクッションシートの製造方法に関するものである。
従来、車両の座席を覆う表皮材としては、例えば図6に示すような3層構造のものが多用されている。すなわち、この表皮材31は、ファブリック等よりなる繊維質シート32の裏面に軟質ウレタンフォーム等よりなるクッションシート33を貼り合わせ、そのクッションシート33の裏面にトリコットや不織布等よりなる裏基材34を貼り合わせて構成されている。この構成において、裏基材34はクッションシート33の裏面の滑り性を高めて、表皮材31の縫製時や縫製後の座席のクッション本体への装着時等における作業の容易性を図るために設けられている。
しかしながら、この従来の表皮材31においては、クッションシート33の裏面全体に亘ってフレームラミネート等により裏基材34が貼り合わされているため、表皮材31の通気性が損なわれるという問題があった。また、繊維質シート32及びクッションシート33と裏基材34との伸び率が異なるため、表皮材31を座席クッションに装着した際に、表皮材31に折れ皺が発生し易いという問題もあった。さらに、クッションシート33の裏面に対する裏基材34の貼り合わせを、専用工程にてフレームラミネート等により行う必要があるため、工数が増えて、製造が面倒になり、コスト高になるものであった。
これらのような問題に対処するため、例えば特許文献1に開示されるようなクッションシートが従来から提案されている。すなわち、このクッションシート35においては、図7に示すように、通気性シート材36の裏面にホットメルト接着剤37が溶融状態でTダイから押し出されて所定のパターンを形成するように散点状に塗布され、多数のドットよりなる接着剤層38が形成されている。そして、この散点状の接着剤層38により、クッションシート35自体の通気性が確保されるとともに、図6に示す表皮材31の裏基材34と同程度の滑り性が確保されるとしている。
特開2000−107471号公報
特許文献1の従来のクッションシート35においては、前述のように、接着剤層38を所定パターンの散点状に形成する必要がある。このため、ホットメルト接着剤37の塗布スピードをある程度以上高めることができない。無理に塗布スピードを高くすると、ドットの配列が崩れて、所要の滑り性等を確保することができず、縫製作業等に支障をきたすことになる。
また、この従来のクッションシート35では、通気性シート材36上にホットメルト接着剤37が散点状に塗布されるため、ドットの部分のみに接着剤が大量に集中して存在することになり、接着剤37が通気性シート材36中に染み込み易い。このため、クッションシート35内に染み込んで滑り性の向上に寄与しない接着剤37の割合が高くなり、結果として接着剤37の使用量が多くなって、コスト高になる。さらに、接着剤37が通気性シート材36中に染み込むことにより、通気性シート材36が硬くなって、クッションシート35の触感が低下するばかりでなく、通気性の低下を招くということにもなる。
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、製造スピードを高めることができて、生産性を向上させることができるとともに、良好な滑り性、触感及び通気性を確保することができるクッションシート及びその製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載のクッションシートに係る発明は、請求項1に記載の発明においては、クッションシート本体の表面に繊維状合成樹脂を布引きするように接着することにより、低摩擦層を形成したことを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明においては、請求項1に記載の発明において、前記クッションシート本体は、多孔質材であることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明においては、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記繊維状合成樹脂は、10〜600μmの範囲内の太さであることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明においては、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記繊維状合成樹脂は、15〜400μmの範囲内の太さであることを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明においては、請求項1〜請求項4のうちのいずれか一項に記載の発明において、前記低摩擦層を形成する繊維状合成樹脂は、1平方メートル当たり5〜100gの範囲内の量であることを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明においては、請求項1〜請求項4のうちのいずれか一項に記載の発明において、前記低摩擦層を形成する繊維状合成樹脂は、1平方メートル当たり10〜40gの範囲内の量であることを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明においては、請求項1〜請求項6のうちのいずれか一項に発明において、繊維状合成樹脂は、クッションシート本体上で、不規則に延長及び湾曲されて低摩擦層を形成することを特徴とするものである。
請求項8に記載の発明においては、請求項1〜請求項7のうちのいずれか一項に記載の発明において、繊維状合成樹脂は、それらの間に隙間が形成された状態でクッションシート本体上に設けられていることを特徴とするものである。
請求項9に記載の発明においては、請求項1〜請求項8のうちのいずれか一項に記載の発明において、繊維状合成樹脂は、湿気硬化型樹脂よりなることを特徴とするものである。
クッションシートの製造方法に係る請求項10に記載の発明においては、クッションシート本体の表面に溶融状態の繊維状合成樹脂を布引きするように接着硬化させることにより、低摩擦層を形成することを特徴とするものである。
請求項11に記載の発明においては、請求項10に記載の発明において、繊維状合成樹脂を、半硬化状態でクッションシート本体上に添着することにより、繊維状合成樹脂が設けられていることを特徴とするものである。
請求項12に記載の発明においては、請求項10または請求項11に記載の発明において、溶融状態の合成樹脂を、クッションシート本体から離れた位置に配置された口金の複数のノズル溝から空気流とともに押し出して、クッションシート本体上に設けられていることを特徴とするものである。
請求項13に記載の発明においては、請求項12に記載の発明において、前記空気流を乱流状態にして、押し出された繊維状合成樹脂が揺らぐようにすることを特徴とするものである。
(作用)
請求項1に記載の発明においては、クッションシート本体の表面に繊維状合成樹脂を布引きするように接着することにより、低摩擦層を形成しているため、散点状の接着剤層を所定の塗布パターンで形成している従来構成とは異なり、配列乱れという問題にはかかわりがなく、従って、製造スピードを高めて、生産性を向上させることができる。また、繊維状合成樹脂は散点状ではないので、部分的に集中することがないため、クッションシート本体中に染み込むことはほとんどなく、そのクッションシート本体の表面に沿って塗布状態で接着されるため、触感や通気性の低下を招くおそれがなく、良好な触感、通気性及び滑り性を確保することができる。
請求項2に記載の発明においては、多孔質材よりなるクッションシート本体が具有する触感や通気性を損なうことなく、良好な触感及び通気性のクッションシートを得ることができる。
請求項3及び請求項4に記載の発明においては、所定範囲内の太さの繊維状合成樹脂を用いることにより、繊維状合成樹脂をクッションシート本体中に染み込むことはほとんどなく、そのクッションシート本体の表面に沿って布引きさせることができる。
請求項5及び請求項6に記載の発明においては、クッションシート本体の単位面積当たりでの繊維状合成樹脂の接着量を所定範囲内に設定することにより、通気性を確保しつつ滑り性を高めることができる。
請求項7に記載の発明においては、繊維状合成樹脂を不規則に布引きすればよく、その繊維状合成樹脂よりなる低摩擦層をクッションシート本体の表面に、極めて簡単に形成することができる。
請求項8に記載の発明においては、繊維状合成樹脂間に隙間が形成されているため、良好な通気性や触感を確保できる。
請求項9に記載の発明においては、低摩擦層形成後の加熱に際して、繊維状合成樹脂が再溶融するのを抑制できる。
請求項10に記載の発明においては、前記請求項1に記載の作用と同様の作用を得ることができる。
請求項11に記載の発明においては、繊維状合成樹脂が半硬化状態であるため、クッションシート本体に染み込むのを抑制できる。
請求項12に記載の発明においては、クッションシート本体から離れた位置の口金の複数のノズル溝から、溶融状態の合成樹脂を空気流とともに押し出すことにより、クッションシート本体の表面に複数の繊維状合成樹脂を高能率で布引きさせることができる。
請求項13に記載の発明においては、繊維状合成樹脂をクッションシート本体上で、不規則に延長及び湾曲されて低摩擦層を形成することができる。
以上のように、この発明によれば、製造スピードを高めることができて、生産性を向上させることができるとともに、良好な滑り性、触感及び通気性を確保することができる。
以下に、この発明の一実施形態を、図1〜図5に基づいて説明する。
図1に示すように、この実施形態のクッションシート11では、クッションシート本体12(例えば、株式会社イノアックコーポレーション製 品番:EL−67F 厚さ1.5〜4mm)が軟質ウレタンフォーム等の多孔質材により所定厚さに形成されている。クッションシート本体12の表面の一側面には、複数条の繊維状合成樹脂13を不規則に、かつ連続して延長及び湾曲させた状態で接着することにより、静摩擦係数の低い低摩擦層14が形成されている。この低摩擦層14を形成している繊維状合成樹脂13は、それらの間に隙間が形成された状態でクッションシート本体12上に布引するように接着されている。従って、繊維状合成樹脂13間にはクッションシート本体12の表面が露出している。
この繊維状合成樹脂13としては、空気中の湿気に反応して硬化する樹脂,例えばポリウレタン系のホットメルト湿気硬化型樹脂(例えば、日立化成ポリマー株式会社製のポリウレタン系ホットメルト湿気硬化型樹脂:ジフェニルメタンジイソシアネートMDIタイプ 品番:YR067)が用いられている。
また、前記繊維状合成樹脂13の太さは、直径10〜600μmの範囲内で設定されており、13〜400μmの範囲内が好ましく、15〜400μmがさらに好ましい。この場合、繊維状合成樹脂13の太さが10μmを下回ると、低摩擦層14の形成厚さが薄くなって、クッションシート11の表面の滑り性が悪くなる。これに対して、繊維状合成樹脂13の太さが600μmを越えると、低摩擦層14の形成厚さが厚くなったり、繊維状合成樹脂13がクッションシート本体12中に多量に染み込んだりして、クッションシート11の触感や通気性が低下する。
さらに、前記クッションシート本体12の表面に対する繊維状合成樹脂13の接着量は、クッションシート本体12の1平方メートル当たり5〜100gの範囲内、好ましくは10〜40gの範囲内で設定されている。この場合、繊維状合成樹脂13の接着量が5gを下回ると、低摩擦層14の形成密度が低くなって、クッションシート11の表面の滑り性が悪くなる。これに対して、繊維状合成樹脂13の接着量が100gを越えると、低摩擦層14の形成密度が高くなって、クッションシート11の通気性が悪くなる。
次に、前記のような構成のクッションシート11の製造装置について説明する。
図3〜図5に示すように、この製造装置においては、支持プレート16の下面に一対の口金プレート17,18が接合固定されている。口金プレート17,18には口金19が形成され、その口金19の対向面には樹脂供給口20及び空気供給口21,22が形成されている。支持プレート16及び口金プレート17,18には、樹脂供給口20に連通する複数の樹脂注入孔23、及び各空気供給口21,22に連通する複数の空気導入孔24,25が形成されている。
前記口金19の対向面間には、ノズルプレート26が配設されている。ノズルプレート26には、樹脂供給口20及び空気供給口21,22と対応するように、上下方向に延びる複数のノズル溝27が所定間隔おきに形成されている。このノズルプレート26のノズル溝27は、溝幅が0.4mm程度の細幅状となるように形成されている。
そして、この製造装置により、クッションシート本体12の表面に低摩擦層14を形成する場合には、図3及び図4に示すように、クッションシート本体12が口金19から所定距離離れた位置において、前記ノズル溝27の配列方向と直交する方向に送り移動される。この状態で、各樹脂注入孔23から樹脂供給口20に供給される溶融状態の合成樹脂が、複数のノズル溝27からクッションシート本体12の表面に向かって押し出される。なお、各樹脂注入孔23に対する溶融合成樹脂の供給は、図示しない経路を介して行われる。
溶融合成樹脂がクッションシート本体12に対して押し出されるとき、各空気導入孔24,25から両空気供給口21,22に供給される空気が、各ノズル溝27から溶融合成樹脂とともにクッションシート本体12の表面側に噴き出される。これにより、各ノズル溝27から押し出される合成樹脂が所定太さの繊維状に細く引き伸ばされて繊維状合成樹脂13となる。しかも、噴出空気流が乱流となって、引き延ばされた繊維状合成樹脂13がランダムに揺らぐ。このため、クッションシート本体12の表面に複数条の繊維状合成樹脂13が不規則に、かつ連続して延長及び湾曲させた状態で布引きするように接着硬化される。その結果、クッションシート本体12の表面に低摩擦層14が形成される。
この場合、繊維状合成樹脂13はクッションシート本体12上に不規則に供給されるものであるため、クッションシート本体12の送り速度を速めて、加工速度を速めたとしても、それにあわせてノズル溝27からの繊維状合成樹脂13の押し出し速度を速めればよく、前記従来技術とは異なり、配列乱れのような問題は生じない。
また、繊維状合成樹脂13が湿気硬化型により形成されるとともに、製造装置の口金19とクッションシート本体12との間に所定距離が設けられているため、繊維状合成樹脂13は半硬化状態でクッションシート本体12上に布引きするように設けられる。このため、繊維状合成樹脂13がクッションシート本体12内に染み込むのを抑制できる。
そして、このように製造されたクッションシート11を車両の座席の表皮材として使用する場合には、後工程においてクッションシート本体12の低摩擦層14と反対側の表面に、ファブリックやポリ塩化ビニールシート等よりなる繊維質シート被せる。この繊維質シートは、接着剤を用いて接着させてもよい。この場合、繊維状合成樹脂13として湿気硬化型の樹脂が用いられているので、繊維質シートの接着に熱を用いた場合、繊維状合成樹脂13は、その熱によって再活性するおそれを抑制できる。
以上のように、この実施形態のクッションシートでは、その表面に繊維状合成樹脂よりなる低摩擦層14が設けられているため、クッションシート11の縫製等の後工程において、良好な滑り性を確保できて、効率的な作業を実行できる。
また、低摩擦層14を構成する繊維状合成樹脂13はそれらの間に隙間が形成されているため、このクッションシート11を座席に用いた場合、通気性や良好な触感を確保でき、快適に使用できる。
さらに、クッションシート本体12上に低摩擦層14が存在するための従来の裏打ち材が不要になるため、クッションシート11として部品点数を削減できるばかりでなく、低摩擦層14は、従来の裏打ち材と異なり、クッションシート11の表面に、添着状態で接着されているため、クッションシート本体12の伸縮性を阻害することがほとんどなく、クッションシート本体12や同クッションシート本体12上の表皮のしわの発生を抑制できる。
そして、このクッションシート11の製造方法に際しては、クッションシート本体12の表面に繊維状合成樹脂13が不規則な状態で布引き状に設けられることにより、低摩擦層14を形成している。このため、通気性シート材の表面に散点状の接着剤層を所定の塗布パターンで形成している従来構成とは異なり、製造スピードを高めることができて、生産性を向上させることができる。
しかも、この低摩擦層14を形成する製造装置を、クッションシート本体12を所定の厚さにスライス加工する加工工程中に付設することにより、クッションシート本体12のスライス加工及び低摩擦層14の形成加工を連続して行うことができて、生産性を大幅に向上させることができ、しかも生産設備の大規模化をさけることができる。
また、このクッションシート11の製造方法では、クッションシート本体12から離れた位置の口金19の複数のノズル溝27から、溶融状態の合成樹脂を空気流とともに同時に押し出すことにより、クッションシート本体12の表面全体に複数の繊維状合成樹脂13を布引きするように接着している。このため、クッションシート本体12の表面全体に対して複数の繊維状合成樹脂13を高能率で均一に接着させることができる。
さらに、クッションシート本体12の表面に塗布する繊維状合成樹脂13が所定の細さの繊維状になっているため、体積に比して表面積の割合が高く、そのため、前述のように繊維状合成樹脂13は半硬化の状態でクッションシート本体12の表面に至る。このため、繊維状合成樹脂13がクッションシート本体12中に染み込むことはほとんどなく、クッションシート本体12の表面に沿って接着させることができる。よって、繊維状合成樹脂13の使用量を削減できるとともに、クッションシート本体12中への合成樹脂13の染み込みを抑制して、クッションシート11の触感や通気性が低下するおそれを防止することができ、触感、通気性及び滑り性の良好なクッションシート11を得ることができる。
以上に述べた実施形態は以下の効果を奏する。
・ クッションシート本体12の表面の良好な滑り性を確保できて、縫製等の作業を効率的に実行できる。
・ 通気性や良好な触感を確保できる。
・ クッションシート11として裏打ち材が不要になるため、部品点数を削減できる。
・ クッションシート11の表面のしわの発生を抑制でき、外観を向上できる。
・ 散点状の接着剤層を所定の塗布パターンで形成している従来構成とは異なり、製造スピードを高めることができて、生産性を向上でき、コストダウンが可能になる。
・ 繊維状合成樹脂13がクッションシート本体12中に染み込むことはほとんどなく、繊維状合成樹脂13の使用量を削減できて、コストダウンが可能になるとともに、触感、通気性及び滑り性の良好なクッションシート11を得ることができる。
前記実施形態に従って製造されたクッションシート11の実施例1〜4と、比較例1,2との比較結果を以下に示す。
まず、実施例1〜4のクッションシート11は、以下のようにして製造される。すなわち、クッションシート本体12として、厚さ2.5mmの株式会社イノアックコーポレーション製のウレタン発泡体シート(商品番号EL−67F)を長さ1300×幅320に切断する。そして、このクッションシート本体12を搬送速度30m/minに設定された搬送ローラコンベア上に設置する。一方、前述した製造装置を稼動し、ノズルから日立化成ポリマー株式会社製のポリウレタン系ホットメルト湿気硬化型樹脂(ジフェニルメタンジイソシアネートMDIタイプ品番:YR067)よりなる繊維状合成樹脂13を摂氏130度のホットエアとともに吐出して、搬送されるクッションシート本体12上に布引き状に接着させる。なお、実施例1〜4の製造装置のノズルは、クッションシート本体12に対して非接触で、かつ一定幅で塗布を行う。
比較例1のクッションシートは、実施例1〜4と同様なクッションシート本体を有し、そのクッションシート本体の表面に対して、株式会社ノードソン社のコーティング・コート塗装装置(品番:BC62)を用いて、日立化成ポリマー株式会社製のポリウレタン系ホットメルト湿気硬化型樹脂、YR067を目付量10g/m塗布したものである。
また、比較例2のクッションシートは、実施例1〜4と同様なクッションシート本体を有し、そのクッションシート本体の表面に対して、ナイロンよりなるトリコットニット(株式会社桐生トリコット製、品番:15d)を裏基布として貼付したものである。
そして、以上のような実施例1〜4及び比較例1,2のクッションシートを基材1〜4にそれぞれ載置して、実施例1〜4のクッションシート11の前記繊維状合成樹脂13の接着面,比較例1,2のスプレー塗装面あるいはトリコットニット貼付面と、基材1〜4との間の静摩擦係数及び動摩擦係数をJIS K 7125に定める摩擦試験方法に従って測定した。ここで、前記基材1〜4は以下の通りである。
基材1:メラミン樹脂塗装合板
基材2:密度0.047g/cmの高弾性ポリウレタンモールド製車両座席用座部発泡体
基材3:密度0.028g/cmの高弾性ポリウレタンモールド製車両座席用発泡体
基材4:密度0.024〜0.030g/cmのポリウレタン・ホットモールド製車両座席用発泡体
摩擦試験方法の測定結果を表1に示す。なお、表1において、実施例1〜4の目付量は、繊維状合成樹脂13の接着量を表し、例えば、目付量10は、10g/mを表す。
Figure 2006263453
ここで、コーティング・コートとは、Tダイによりホットメルト接着剤を押し付けて塗布する工法をいう。Tダイの先端と被着物との距離、樹脂粘度、吐出圧力等を制御することで、粘稠なホットメルト樹脂の塗布形状を、直線状から破線状へと変化させて、裏面低摩擦層を形成する。
表1から明らかなように、いずれの基材1〜4においても、静摩擦係数及び動摩擦係数の双方において、実施例1〜4が比較例1,2を下回り、滑り性において実施例1〜3が比較例1,2を凌駕することは明らかである。
加えて、実施例1〜4においては、シート本体12に接着した繊維状合成樹脂13の直径を測定した。具体的には、倍率が50倍である顕微鏡を用い、任意に選択した30本の繊維状合成樹脂13の直径の最小値、最大値、及び平均値を測定した。測定結果を表1の下段に示す。ここで、実施例1及び2においては、繊維状合成樹脂13の直径の最小値、平均値、及び最大値の全てが15〜400μmの範囲内である。そのため、実施例1及び2は、繊維状合成樹脂13の直径の最大値が400μを超えている実施例3及び4に比べて少ない合成樹脂材料で実施例3及び4と同程度の滑り性を確保することができ、実施例3及び4に比べて製造コストを低減することができるとともに合成樹脂の接着の作業性を良好にすることができる。
(変更例)
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 前記実施形態において、クッションシート本体12上に繊維状合成樹脂13を連続的に供給することなく、所定長さに分断して供給すること。
・ 繊維状合成樹脂13を規則的なパターンを有するようにクッションシート本体12上に塗布すること。例えば、繊維状合成樹脂13を格子状や縞状あるいは螺旋状をなすように塗布すること。この場合、クッションシート本体12の送り速度が速くても、繊維状合成樹脂13の供給量を増加させれば、問題なく対応できる。
・ 繊維状合成樹脂13をスプレーにより形成すること。すなわち、繊維状合成樹脂13となる溶融状態の合成樹脂をスプレーによりクッションシート本体12上に供給すれば、短い多数の繊維状合成樹脂13がクッションシート本体12上に添着状態で塗布される。
・ 繊維状合成樹脂13として熱硬化性樹脂を用い、その繊維状合成樹脂13のクッションシート本体12上への供給を加熱雰囲気中で行って繊維状合成樹脂13を加熱硬化させること。
・ 繊維状合成樹脂13として、紫外線硬化型樹脂を使用すること。従って、この場合には、ノズル溝27からの繊維状合成樹脂13に対して紫外線を照射する装置を設けるのが好ましい。
・ 前記実施形態のクッションシート11を、車両の座席の表皮材の他に、例えばカメラや顕微鏡等の精密機器類の保護収納ケース等、他の用途に用いること。
・ 繊維状合成樹脂13を成形した後に、加熱工程を設けない場合は、繊維状合成樹脂13として湿気等に対して反応しない非反応型の熱可塑性樹脂(具体的には、例えば、日立化成ポリマー株式会社製:品番#9618)を使用すること。このようにすれば、作業終了時の空気遮断処理、長期休業時の洗浄剤交換等の設備維持の手間を低減することができる。
一実施形態のクッションシートを示す要部斜視図。 図1のクッションシートの部分拡大断面図。 図1のクッションシートの製造装置を示す斜視図。 図3の製造装置の要部側断面図。 図3の製造装置の分解斜視図。 従来の表皮材を示す要部斜視図。 従来のクッションシートを示す要部斜視図。
符号の説明
11…クッションシート本体、12…クッションシート本体、13…繊維状合成樹脂、14…低摩擦層、16…支持プレート、17,18…口金プレート、19…口金、26…ノズルプレート、27…ノズル溝。

Claims (13)

  1. クッションシート本体の表面に繊維状合成樹脂を布引きするように接着することにより、低摩擦層を形成したことを特徴とするクッションシート。
  2. 前記クッションシート本体は、多孔質材であることを特徴とする請求項1に記載のクッションシート。
  3. 前記繊維状合成樹脂は、10〜600μmの範囲内の太さであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のクッションシート。
  4. 前記繊維状合成樹脂は、15〜400μmの範囲内の太さであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のクッションシート。
  5. 前記低摩擦層を形成する繊維状合成樹脂は、1平方メートル当たり5〜100gの範囲内の量であることを特徴とする請求項1〜請求項4のうちのいずれか一項に記載のクッションシート。
  6. 前記低摩擦層を形成する繊維状合成樹脂は、1平方メートル当たり10〜40gの範囲内の量であることを特徴とする請求項1〜請求項4のうちのいずれか一項に記載のクッションシート。
  7. 繊維状合成樹脂は、クッションシート本体上で、不規則に延長及び湾曲されて低摩擦層を形成することを特徴とする請求項1〜請求項6のうちのいずれか一項に記載のクッションシート。
  8. 繊維状合成樹脂は、それらの間に隙間が形成された状態でクッションシート本体上に設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項7のうちのいずれか一項に記載のクッションシート。
  9. 繊維状合成樹脂は、湿気硬化型樹脂よりなることを特徴とする請求項1〜請求項8のうちのいずれか一項に記載のクッションシート。
  10. クッションシート本体の表面に溶融状態の繊維状合成樹脂を布引きするように接着硬化させることにより、低摩擦層を形成することを特徴とするクッションシートの製造方法。
  11. 繊維状合成樹脂を、半硬化状態でクッションシート本体上に添着することにより、繊維状合成樹脂が設けられていることを特徴とする請求項10に記載のクッションシートの製造方法。
  12. 溶融状態の合成樹脂を、クッションシート本体から離れた位置に配置された口金の複数のノズル溝から空気流とともに押し出して、クッションシート本体上に設けることを特徴とする請求項10または請求項11に記載のクッションシートの製造方法。
  13. 前記空気流を乱流状態にして、押し出された繊維状合成樹脂が揺らぐようにすることを特徴とする請求項12に記載のクッションシートの製造方法。
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