JP2006261104A - 色変換膜およびこれを備えた多色発光装置 - Google Patents

色変換膜およびこれを備えた多色発光装置 Download PDF

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隆之 島村
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Abstract

【課題】色変換効率を向上させた色変換膜および前記色変換膜を有する多色発光装置を提供する。
【解決手段】下記化学式(I)で表されるピロリドン基を有する有機溶媒(A成分)と、光学活性もしくは不活性の透光性モノマーもしくはオリゴマーもしくはポリマーを一種類含む樹脂群(B成分)と一種類の蛍光体(C成分)とを含有する色変換材料組成物から形成されている。
Figure 2006261104

【選択図】なし

Description

本発明は、色変換膜およびこれを備えた多色発光装置に関する。
近年、情報通信の発展に伴い、情報を視覚化する電子ディスプレイデバイスが注目されている。電子ディスプレイデバイスには、陰極線管(CRT)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、液晶ディスプレイ(LCD)などが挙げられる。
ここで電子ディスプレイデバイスのフルカラー化の方法としては、主に3つの方式が検討されている。第一の方式は、多色の発光部分を平面的に分離配置してそれぞれ発光させる方法である。しかしこの方法は、3種の発光材料をマトリクス状に高精細に配置することが必要であり、発光材料によっては技術的に困難を伴い、かつ安価に作ることはさらに困難である。
第二の方式は、白色で発光するバックライトにカラーフィルタを用いRGBの3原色を透過させる方式である。しかしこの方法では、各画素において取り出される光のエネルギーは、白色バックライトの高々3分の1に過ぎず、エネルギー効率が低いという問題がある。
第三の方式は、単一色の光を複数の色変換膜(例えばカラーフィルタや蛍光体)が受光して、分解または変換して異なる発光をさせる方式が挙げられる。この方式は、発光部材を分離配置する必要が無いため製造プロセスが容易であり、かつ光のロスが少ないためエネルギー効率が良いという利点があるため、フルカラー化の手法として有望視されている。
色変換膜のパターニング方法としては、蛍光体を光硬化性樹脂に分散させた色変換材料組成物、をスピンコート法などで成膜した後、フォトリソグラフィー法でパターニングする方法、もしくはスクリーン印刷法などが挙げられる。色変換材料組成物の例としては、特許文献1に開示されているように、メタクリル酸エステル−メタクリル酸共重合体からなるバインダー樹脂と、少なくとも1種類の蛍光色素と、光重合可能なエチレン性不飽和基を有するモノマー及び/又はオリゴマーとを含有する組成物が挙げられる。また他の例としては、特許文献2に開示されているように、光硬化性または光熱硬化性樹脂と、有機蛍光色素と、ヒドロキシル基およびカルボニル基からなる群から選択される基を含む高沸点溶媒を含有する組成物が挙げられる。
特開2003−64135号公報 特許3463866号公報
しかし、前記の従来技術は色変換効率に劣るという問題がある。その理由を以下に述べる。一般に蛍光体は濃度が高くなると、吸収した励起エネルギーを同種の蛍光体間で移動を繰り返すうち発光することなく失活する、濃度消光と呼ばれる現象がおこる。そのため蛍光体は媒体中に適度に分散される必要がある。しかし前記の従来技術では、蛍光体の分散性が低いため色変換効率が低くなってしまう。
本発明は前記従来の問題を解決するため、色変換効率を向上させた色変換膜およびそれを備えた多色発光装置を提供する。
本発明の色変換膜は、下記一般式(I)で表されるピロリドン基を有する有機溶媒(A成分)と、光学活性もしくは不活性の透光性モノマーもしくはオリゴマーもしくはポリマーを少なくとも一種類含む樹脂群(B成分)と少なくとも一種類の蛍光体(C成分)とを含有する色変換材料組成物から形成されたことを特徴とする。
Figure 2006261104
前記色変換膜は、前記A成分を前記色変換膜の重量を基準にして0.01〜50重量%含有するとより好ましい。
本発明の別の色変換膜は、前記一般式(I)で表されるピロリドン基および光重合可能なエチレン性不飽和基を有するモノマー(D成分)と、光重合可能なエチレン性不飽和基を有する透光性のモノマーもしくはオリゴマーを少なくとも一種類含む樹脂群(E成分)と少なくとも一種類の蛍光体(C成分)とを含有する色変換材料組成物から形成されたことを特徴とする。
前記色変換膜は、前記D成分を前記色変換膜の重量を基準にして0.01〜50重量%含有するとより好ましい。
本発明の多色発光装置は、発光装置とその上の透光性基板とを含む多色発光装置であって、前記色変換膜を前記発光装置と前記透光性基板との間に介在させ、多色発色を可能にしたことを特徴とする。
本発明の色変換膜は、蛍光体が良分散されており濃度消光を低減しているため、色変換効率を向上させた色変換膜および多色発光装置を提供できる。
〔第一実施形態〕
本発明の色変換膜は、一般式(I)で表されるピロリドン基を有する有機溶媒(A成分)と、光学活性もしくは不活性の透光性モノマーもしくはオリゴマーもしくはポリマーを少なくとも一種類含む樹脂群(B成分)と少なくとも一種類の蛍光体(C成分)とを含有する色変換材料組成物から形成されている。
本発明の色変換膜は、B成分から形成されるマトリックス樹脂がA成分の溶媒を含有し、さらにC成分の蛍光体が分散されているものである。一般に蛍光体の分散にはマトリクス樹脂が適度な極性を有していることが必要であるが、その中で極性基であるピロリドン基含む有機溶媒をマトリクス樹脂が含有している場合に極めて蛍光体の分散性が良くなり、その結果本発明の色変換膜は色変換効率が向上する。
以下各成分について詳しく述べる。A成分はピロリドン基を有する有機溶媒であれば何れも該当するが、例えばN−メチル−2−ピロリドンおよびその誘導体が挙げられる。N−メチル−2−ピロリドンおよびその誘導体は、下記一般式(II)(式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基)で表される。
Figure 2006261104
A成分の含有量は色変換膜全体に対して0.01〜50重量%であることが望ましい。A成分含有量が0.01重量%未満であると蛍光体分散性向上の効果が低い。またピロリドン基は親水性のため、A成分が50重量%を超えた色変換組成物から生成される色変換膜は、水分を吸着しやすい。一般に蛍光体は水分に弱いものが多いため、水分の吸着は色変換効率の低下を招く。
B成分に用いられるモノマーの例としては、アクリレート、メタクリレート、ビニルモノマーなどが挙げられ、より具体的にはアリルメタクリレート、ブタンジオールモノアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ジシクロペンタニルジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、塩化ビニル、酢酸ビニル、スチレンなどが挙げられる。B成分のオリゴマーの例としては、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリエステルアクリレート、ビニルエステルなどが挙げられる。またB成分に用いられるポリマーの例としては、特開2003−64135号公報に開示されているようなメタクリル酸エステル−メタクリル酸共重合体をはじめ、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂などが挙げられる。これらは、単独もしくは混合物として用いてよい。フォトリソグラフィー法を用いてパターニングを行う場合は、光学活性の樹脂群を用いる必要があり、さらにアルカリ水溶液を用いて現像を行う場合には、前記樹脂群がアルカリ可溶である方が好ましい。
C成分の蛍光体には、蛍光色素もしくは蛍光顔料が用いられる。緑色の蛍光を発する蛍光色素の例としては、3−(2’−ベンゾチアゾリル)−7−N,N−ジエチルアミノクマリン(クマリン540)などのクマリン系色素、ソルベントイエロー11などのナフタルイミド系染料が挙げられる。赤色の蛍光を発する蛍光色素の例としては、ローダミン6Gなどのローダミン系色素、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチルリル)−4H−ピラン(DCM)などのシアニン系色素などが上げられる。蛍光顔料の例としては、蛍光染料をベンゾグアナミン樹脂などに練り込んで顔料化した有機蛍光顔料、もしくはSrGa24:EuやCaS:Euなどの無機蛍光顔料が挙げられる。これらの蛍光体は、必要に応じて単独または混合して用いてよい。固形物換算で色変換膜全体を100重量%とした時、蛍光体(C成分)は0.1〜70重量%含むのが好ましい。
本発明の色変換膜を形成するための色変換材料組成物は、必要に応じて光重合開始剤又は増感剤を加えることができる。この光重合開始剤又は増感剤は、B成分の光硬化反応に用いられるだけでなく、必要に応じて配合される(メタ)アクリルモノマーや(メタ)アクリルオリゴマーなどの光重合性不飽和化合物の重合開始剤としても用いられる。この光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類等が好適に使用される。
これらを具体的に例示すると、アセトフェノン類としてはアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン等が挙げられ、ベンゾフェノン類としてはベンゾフェノン、p,p’−ビスジメチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。これらの光重合開始剤や増感剤は、その1種のみを単独で使用できるが、2種以上を組合わせて使用することもできる。
また、それ自体では光重合開始剤や増感剤として作用しないが、上記の化合物と組合わせて使用すると光重合開始剤や増感剤の能力を増大させ得る化合物を添加することもできる。そのような化合物としては、例えば、ベンゾフェノンと組み合わせて使用すると効果のあるトリエタノールアミンなどの第3級アミンを挙げることができる。
本発明の色変換膜を形成するための色変換材料組成物には、さらに必要に応じて硬化促進剤、熱重合禁止剤、可塑剤、充填剤、溶剤、消泡剤、レベリング剤などの添加剤を配合することができる。硬化促進剤としては、例えば、過安息香酸誘導体,過酢酸,ベンゾフェノン類等があり、熱重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン,ハイドロキノンモノメチルエーテル等があり、可塑剤としては、例えば、ジブチルフタレート,ジオクチルフタレート,トリクレジル等があり、充填剤としては、例えば、グラスファイバー,シリカ,マイカ,アルミナ等があり、また、消泡剤やレベリング剤として、例えば、シリコン系,フッ素系,アクリル系の化合物等が好適に使用される。
さらに、色変換材料組成物への前記各種添加成分は、色変換膜の製造方法に応じては、溶剤に溶解させることがある。溶剤は、例えばケトン類、セロソルブ類又はラクトン類等が使用され、具体的には、ケトン類としてはメチルエチルケトン,メチルイソブチルケトン及びシクロヘキサノン等が挙げられ、セロソルブ類としてはメチルセロソルブ,エチルセロソルブ,ブチルセロソルブ及びセロソルブアセテート等が挙げられ、ラクトン類としてはγ−ブチロラクトン等が好ましい。
本発明の色変換膜は、光源からの光を吸収し、より長波長の光を発光するものであり、前記色変換材料組成物を用い、これを硬化させたり、フォトリソグラフィー法などにより形成される。特にフォトリソグラフィー法により形成されることが好ましい。本発明の色変換膜を製造するには、常法によればよく、まず上記感光性の色変換材料組成物を溶液にして基板表面に塗布し、次にプレキュアにより溶媒の大部分を除去(プリベーク)した後、得られる皮膜の上にフォトマスクをあて、活性光線を照射して露光部を硬化させ、さらに弱アルカリ水溶液を用いて未露光部を溶出させる現像を行うことによりパターンを形成し、さらに後乾燥としてポストベークを行なう。
本発明の色変換膜を形成するための色変換材料組成物を塗布する基板としては、400〜700nmの可視領域の光の透過率が50%以上であり、平滑な基板が好ましい。具体的には、ガラス基板やポリマー板が使用される。本発明の色変換料組成物の溶液を基板に塗布する方法としては、公知の溶液浸漬法、スプレー法の他、ローラーコーター機、ランドコーター機やスピナー機を用いる方法など何れの方法も使用できる。これらの方法により、所望の厚さに塗布した後、溶剤の大部分を除去する(プリベーク)ことにより、被膜が形成される。
このプリベークはオーブン、ホットプレート等によって加熱することにより行なわれる。プリベークにおける加熱温度及び加熱時間は、使用する溶剤に応じて適宜選択され、例えば、80〜150℃の温度で1〜30分間行なわれる。また、プリベーク後に行なわれる露光は、露光機により行なわれ、フォトマスクを介して露光することによりパターンに対応した部分のレジストのみを感光させる。露光機及び露光照射条件は適宜選択することができるが、照射する光は、例えば、可視光線、紫外線、X線及び電子線などが使用できる。照射量は、特に制限されないが、例えば、1〜3000mJ/cm2の範囲で選択される。
露光後のアルカリ現像は、露光されない部分のレジストを除去する目的で行なわれ、この現像によって所望のパターンが形成される。このアルカリ現像に適した現像液としては、例えば、アルカリ金属やアルカリ土類金属の炭酸塩の水溶液などが使用できる。特に、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウムなどの炭酸塩を1〜3重量%含有する弱アルカリ水溶液を用いて10〜50℃、好ましくは20〜40℃の温度で現像するのがよく、市販の現像機や超音波洗浄機などを用いて微細な画像を精密に形成することができる。
このようにして現像した後、通常は、80〜170℃、10〜120分の条件で熱処理(ポストベーク)が行なわれる。このポストベークは、パターニングされた色変換膜と基板との密着性を高めるために行なわれる。これはプリベークと同様に、オーブン、ホットプレート等により加熱することにより行なわれる。本発明のパターニングされた色変換膜は、以上の各工程を経て、所謂フォトリソグラフィー法により形成される。
本発明の色変換膜の膜厚は、入射光を所望の波長に変換するのに必要な膜厚を適宜選ぶ必要があるが、通常は1〜100μmの範囲で選ばれる。特に1〜20μmの膜厚が好適である。また、所望の波長を得るためにカラーフィルターを併設し、色純度を調整することができる。カラーフィルターとしては、例えばペリレン系顔料,レーキ顔料,アゾ系顔料,キナクリドン系顔料,アントラキノン系顔料,アントラセン系顔料,イソインドリン系顔料,イソインドリノン系顔料,フタロシアニン系顔料,トリフェニルメタン系塩基性染料,インダンスロン系顔料,インドフェノール系顔料,シアニン系顔料,ジオキサジン系顔料等を単独及びこれらの2種以上の混合物からなる色素、又は色素をバインダー樹脂中に溶解又は分解させた固体状態のものを好適に使用することができる。
本発明の色変換膜を、実際に用いる場合の構成の例を以下に示す。
(1)光源/色変換膜(2)光源/基板/色変換膜(3)光源/色変換膜/基板(4)光源/透光性基板/色変換膜/基板(5)光源/色変換膜/カラーフィルター(6)光源/基板/色変換膜/カラーフィルター(7)光源/色変換膜/基板/カラーフィルター(8)光源/基板/色変換膜/基板/カラーフィルター(9)光源/基板/色変換膜/カラーフィルター/基板(10)光源/色変換膜/カラーフィルター/基板等である。以上の構成を用いる際に、各構成要素は順次積層してもよく、貼り合わせを行ってもよい。この色変換膜の積層の手順には特に制限はなく、どちらからでもよく、左から右に作製しても、右から左に作製してもよい。
この色変換膜の光源としては、無機ELが薄型で面発光であり、かつ長寿命である点から好ましいが、有機EL、LED,PDPなどの光源も利用できる。
次に本発明に用いられる無機EL素子の代表的な構成について述べる。無機EL素子は、対向する2つの電極間に少なくとも発光層を備える。前記電極の少なくとも一つは透明電極である必要があり、前記透明電極には、厚みが0.1〜0.5μmのインジウム−スズ酸化物合金(ITO)からなる透明電極層を用いる。前記発光層は、無機又は有機の蛍光体等の発光物体を層状にしたものである。前記発光層の両側又は片側には電気絶縁層(誘電体層)を配置してもよい。無機蛍光体の場合は、対向する2つの電極間に誘電体層を設け、キャパシターの原理を用いて電界により蛍光体からなる発光層を発光させる。誘電体層としては、Y23,Li2O,MgO,CaO,BaO,SrO,Al23,SiO2,MgTiO3,CaTiO3,BaTiO3,SrTiO3,ZrO2,TiO2,B23,PbTiO3,PbZrO3,及びPbZrTiO3(PZT)から選ばれる少なくとも1種類を使用できる。さらに、両電極間には強誘電体層を介在させ、さらに発光効率を上げる手段を講じてもよい。
発光層に使用可能な発光物質としては、例えばZnS:Ag,ZnS:Cu,ZnS:Mn,SrS:Ce:Eu,ZnS:Sm:Cl,CaS:Eu,ZnS:Tb:F,CaS:Ce,ZnMgS:Mn,CaGa24:Ce,SrS:Cu,CaS:Pb,BaAl24:Eu,Y23:Eu,Ca2Ge27:Mn等の蛍光体として一般に知られているものを用いることができる。
〔第二実施形態〕
本実施形態の色変換膜は一般式(I)で表されるピロリドン基および光重合可能なエチレン性不飽和基を有するモノマー(D成分)と、光重合可能なエチレン性不飽和基を有する透光性のモノマーもしくはオリゴマーを少なくとも一種類含む樹脂群(E成分)と少なくとも一種類の蛍光体(C成分)とを含有する色変換材料組成物から形成されている。
本実施形態の色変換膜は、D成分とE成分が共重合して形成されたマトリックス樹脂中に蛍光体が分散されているものである。第一実施形態では、A成分とB成分は混在しているだけで、化学的に結合していない。そのため、A成分の量が経時変化をするため、蛍光体の分散性も経時変化する。しかし、本実施形態の色変換膜は、ピロリドン基を有するD成分がE成分と化学的に結合するため、分散性の経時変化が少ない利点がある。
以下各成分について詳しく述べる。なお、第一実施形態と異なるD成分およびE成分のみ詳細を述べ、他成分および製造プロセスは第一実施形態と同一のため詳細を省略する。D成分はピロリドン基および光重合可能なエチレン性不飽和基を有するモノマーであれば何れも該当するが、例えばN−ビニル−2−ピロリドンおよびその誘導体が挙げられる。N−ビニル−2−ピロリドンおよびその誘導体は、下記一般式(III)(式中、R2は水素原子もしくは炭素数1〜10のアルキル基)で表される。
Figure 2006261104
D成分の添加量は色変換材料組成物全体に対して0.01〜50重量%であることが望ましい。D成分添加量が0.01重量%未満であると蛍光体分散性向上に効果が無い。またピロリドン基は親水性のため、D成分が50重量%を超えた色変換組成物から生成される色変換膜は、水分を吸着しやすい。一般に蛍光体は水分に弱いものが多いため、水分の吸着は色変換効率の低下を招く。
E成分の光重合可能なエチレン性不飽和基を有するモノマーの例としては、アクリレート、メタクリレート、ビニルモノマーなどが挙げられ、より具体的にはアリルメタクリレート、ブタンジオールモノアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ジシクロペンタニルジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、塩化ビニル、酢酸ビニル、スチレンなどが挙げられる。E成分の光重合可能なエチレン性不飽和基を有するオリゴマーの例としては、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリエステルアクリレート、ビニルエステルなどが挙げられる。これらの化合物は、1種または2種以上併用して使用できる。さらに、加えてB成分で挙げたような、光学活性もしくは不活性の透光性モノマーもしくはオリゴマーもしくはポリマーを添加してもよい。
次に、本発明具体的な実施例を用いて説明する。なお、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(1)色変換組成物の作成
以下の成分を40℃で20分混合し、色変換組成物を得た。
(a)A成分
N−メチル−2−ピロリドン 1g
(b)B成分
トリメチロールプロパントリアクリレート(東亞合成株式会社製M−309) 1.3g
エポキシアクリレートオリゴマー(昭和高分子株式会社製 リポキシSP−2600) 3g
(c)C成分
クマリン540 (Exciton社製) 24mg
(d)溶媒
プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート 2g
(e)その他
光重合開始材 イルガキュアー369(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製) 0.1g
(2)色変換膜および無機ELの作成
大きさ縦:50mm、横:50mmの透明ガラス基板上に、スクリーン印刷法により前記色変換組成物を縦:20mm、横:15mmの大きさで成膜した。その後100℃、10分のプリベークを行い、200mJ/cm2の紫外光(波長365nm)を照射した後に120℃、10分の熱処理を施し、膜厚15μmの色変換膜を得た。
以下図面を用いて説明する。図1は本発明の実施例1における多色発光装置の断面図である。透光性基板1の上に色変換膜2が形成されている。それと別プロセスにて作成された無機ELである発光部材10を重ね合わせた。
図2は本発明の一実施例における無機ELの発光部材10を示す断面図である。まず、Al23から成る厚み1mmの背面基板11の上に0.5μmの厚みの銅配線からなる背面電極12を形成した。その上に、厚み30μmのBaTiO3からなる誘電体層13と、厚み0.6μmのBaTiO3有機酸からなる平滑層14と、その上に厚み0.6μmのBaAl24:Euからなる蛍光体発光層15と、厚み0.5μmのAl23からなる拡散防止層16を形成した。その上に厚み0.5μmのインジウム−スズ酸化物合金(ITO)層(屈折率n=2.1)からなる透明電極17を形成した。
(実施例2)
色変換組成物が下記成分を40℃で20分混合して得られたものである他は、実施例1と同様にして色変換膜および多色発光装置を作成した。
(a)A成分
N−メチル−2−ピロリドン 1g
(b)B成分
トリメチロールプロパントリアクリレート(東亞合成株式会社製M−309) 1.3g
エポキシアクリレートオリゴマー(昭和高分子株式会社製 リポキシSP−2600) 3g
(c)C成分
蛍光顔料 (シンロイヒ社製 FZ−5005) 1g
(d)溶媒
プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート 2g
(e)その他
光重合開始材 イルガキュアー369(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製) 0.1g
(実施例3)
色変換組成物が下記成分を40℃で20分混合して得られたものである他は、実施例1と同様にして色変換膜および多色発光装置を作成した。
(a)D成分
N−ビニル−2−ピロリドン(東亞合成株式会社製M−150) 1g
(b)E成分
トリメチロールプロパントリアクリレート(東亞合成株式会社製M−309) 1.3g
エポキシアクリレートオリゴマー(昭和高分子株式会社製 リポキシSP−2600) 3g
(c)C成分
クマリン540 (Exciton社製) 24mg
(d)溶媒
プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート 2g
(e)その他
光重合開始材 イルガキュアー369(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製) 0.1g
(実施例4)
色変換組成物が下記成分を40℃で20分混合して得られたものである他は、実施例1と同様にして色変換膜および多色発光装置を作成した。
(a)D成分
N−ビニル−2−ピロリドン(東亞合成株式会社製M−150) 1g
(b)E成分
トリメチロールプロパントリアクリレート(東亞合成株式会社製M−309) 1.3g
エポキシアクリレートオリゴマー(昭和高分子株式会社製 リポキシSP−2600) 3g
(c)C成分
蛍光顔料 (シンロイヒ社製 FZ−5005) 1g
(d)溶媒
プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート 2g
(e)その他
光重合開始材 イルガキュアー369(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製) 0.1g
(比較例1)
色変換組成物が下記成分を40℃で20分混合して得られたものである他は、実施例1と同様にして色変換膜および多色発光装置を作成した。
(a)A成分
なし
(b)B成分
トリメチロールプロパントリアクリレート(東亞合成株式会社製M−309) 1.3g
エポキシアクリレートオリゴマー(昭和高分子株式会社製 リポキシSP−2600) 3g
(c)C成分
クマリン540 (Exciton社製) 24mg
(d)溶媒
プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート 2g
ジエチレングリコールモノエチルエーテル1g
(e)その他
光重合開始材 イルガキュアー369(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製) 0.1g
(比較例2)
色変換組成物が下記成分を40℃で20分混合して得られたものである他は、実施例1と同様にして色変換膜および多色発光装置を作成した。
(a)A成分
なし
(b)B成分
トリメチロールプロパントリアクリレート(東亞合成株式会社製M−309) 1.3g
エポキシアクリレートオリゴマー(昭和高分子株式会社製 リポキシSP−2600) 3g
(c)C成分
蛍光顔料 (シンロイヒ社製 FZ−5005) 1g
(d)溶媒
プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート 2g
ジエチレングリコールモノエチルエーテル1g
(e)その他
光重合開始材 イルガキュアー369(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製) 0.1g
(評価)
各実施例および比較例にて作成された多色発光装置をそれぞれ1kHz、実効電圧200Vの交流電圧を印加して点灯状態にして、図1に示すように、色変換膜2から得られた光3bの輝度と、色変換膜2を通らずに得られた発光部材10からの光4aの輝度を測定した。測定には、スペクトロメータ(MCPD−2000:大塚光学株式会社製)を用いた。下記の計算式で色変換膜2の色変換効率を算出した。
色変換効率(%)=(色変換膜2を通して得られる透過光の輝度/色変換膜2を通らずに得られる透過光の輝度)×100
得られた結果を表1に示す。実施例1および実施例3と比較例1とを比較した場合、A成分を有する実施例1およびD成分を有する実施例3の方が比較例1より色変換効率は高かった。同様にA成分を有する実施例2およびD成分を有する実施例4の方が比較例2より色変換効率は高かった。
Figure 2006261104
表1から明らかなとおり、本発明の実施例の色変換効率は比較例に比べて約20〜30%向上していた。
図1は本発明の一実施形態の多色発光装置を示す断面図である。 図2は本発明の一実施形態の多色発光装置の無機ELである発光部材を示す断面図である。
符号の説明
1 透光性基板
2 色変換膜
3a 色変換膜に入射する発光部材からの光
3b 色変換膜から得られた光
4a 色変換膜を通らずに得られた発光部材からの光
10 発光部材
11 背面基板
12 背面電極
13 誘電体層
14 平滑層
15 蛍光体発光層
16 拡散防止層
17 透明電極

Claims (9)

  1. 下記化学式(I)で表されるピロリドン基を有する有機溶媒(A成分)と、光学活性もしくは不活性の透光性モノマー、オリゴマー及びポリマーから選ばれる少なくとも一種類含む樹脂群(B成分)と、少なくとも一種類の蛍光体(C成分)とを含有する色変換材料組成物から形成されたことを特徴とする色変換膜。
    Figure 2006261104
  2. 前記色変換膜の重量を基準にして前記A成分を0.01〜50重量%含有する請求項1に記載の色変換膜。
  3. 前記式(I)のピロリドン基を有する有機溶媒(A成分)は、下記一般式(II)(式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基)で示される請求項1に記載の色変換膜。
    Figure 2006261104
  4. 下記一般式(I)で表されるピロリドン基および光重合可能なエチレン性不飽和基を有するモノマー(D成分)と、光重合可能なエチレン性不飽和基を有する透光性のモノマーもしくはオリゴマーを少なくとも一種類含む樹脂群(E成分)と少なくとも一種類の蛍光体(C成分)とを含有する色変換材料組成物から形成されたことを特徴とする色変換膜。
    Figure 2006261104
  5. 前記D成分を前記色変換膜の重量を基準にして0.01〜50重量%含有する請求項4に記載の色変換膜。
  6. 前記式(I)のピロリドンおよび光重合可能なエチレン性不飽和基を有するモノマー(D成分)は、下記一般式(III)(式中、R2は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基)で示される請求項4に記載の色変換膜。
    Figure 2006261104
  7. 発光装置とその上の透光性基板とを含む多色発光装置であって、
    前記透光性基板の表面に下記化学式(I)で表されるピロリドン基を有する有機溶媒(A成分)と、光学活性もしくは不活性の透光性モノマー、オリゴマー及びポリマーから選ばれる少なくとも一種類含む樹脂群(B成分)と、少なくとも一種類の蛍光体(C成分)とを含有する色変換材料組成物から形成された色変換膜が配置され、
    前記色変換膜を前記発光装置と前記透光性基板との間に介在させ、多色発色を可能にしたことを特徴とする多色発光装置。
    Figure 2006261104
  8. 発光装置とその上の透光性基板とを含む多色発光装置であって、
    前記透光性基板の表面に下記一般式(I)で表されるピロリドン基および光重合可能なエチレン性不飽和基を有するモノマー(D成分)と、光重合可能なエチレン性不飽和基を有する透光性のモノマーもしくはオリゴマーを少なくとも一種類含む樹脂群(E成分)と少なくとも一種類の蛍光体(C成分)とを含有する色変換材料組成物から形成された色変換膜が配置されており、
    前記色変換膜を前記発光装置と前記透光性基板との間に介在させ、多色発色を可能にしたことを特徴とする多色発光装置。
    Figure 2006261104
  9. 前記D成分を前記色変換膜の重量を基準にして0.01〜50重量%含有する請求項8に記載の多色発光装置。
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WO2014208491A1 (ja) * 2013-06-27 2014-12-31 シャープ株式会社 波長変換フィルタ、波長変換基板及び有機elディスプレイ
JP2016071360A (ja) * 2014-09-26 2016-05-09 東友ファインケム株式会社Dongwoo Fine−Chem Co., Ltd. 自発光感光性樹脂組成物、それにより製造された色変換層を含む表示装置

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