JP2006260788A - 燃料電池システムにおける反応ガスの保温および加熱 - Google Patents

燃料電池システムにおける反応ガスの保温および加熱 Download PDF

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Abstract


【課題】 燃料電池システムにおいて、反応ガスの流路内における水の凍結によって生じうる弊害を低減する技術を提供する。
【解決手段】 この燃料電池システムは、燃料電池と、燃料電池に供給され、または燃料電池から排出される反応ガスが流れる反応ガス流路と、燃料電池を冷却した冷却水が流れる冷却水路と、を備える。そして、冷却水路は、反応ガス流路の少なくとも一部を覆うように構成される。このような態様とすることで、燃料電池システムの反応ガス流路を冷却水で保温または加熱することができる。よって、燃料電池システムにおいて、反応ガスの流路内における水の凍結によって生じうる弊害を低減することができる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、燃料電池システムにおいて、反応ガスの流路内における水の凍結によって生じうる弊害を低減する技術に関する。
従来より、燃料ガスと酸化ガスとを反応させて発電を行う燃料電池システムが開発されている。電解質膜による燃料電池においては、電解質膜を通じてカソード側で生じた水がアノード側に浸透する。このため、燃料電池システムの燃料ガス循環経路内には、水が存在する。特許文献1の燃料電池システムは、燃料ガス循環経路に設けられた気液分離器により、燃料ガス循環経路内の過剰な水を系外に排出している。
特開2002−289237号公報 特開2002−216812号公報 特開第2854087号公報 特開2000−306593号公報
しかし、特許文献1の技術においては、すべての燃料ガス循環経路内の水を完全に除去しうるものではない。そして、除去しきれなかった燃料ガス循環経路内の水が、低温環境下で燃料電池システムの運転を停止しているときに配管内で凍結し、運転再開時に燃料ガスの流通を阻害する可能性がある。このような問題は、酸化ガスの排出経路についても同様に生じる。
本発明は、上記の問題点を取り扱うためになされたものであり、燃料電池システムにおいて、反応ガスの流路内における水の凍結によって生じうる弊害を低減する技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、燃料電池システムにおいて、以下のような構成を採用する。すなわち、この燃料電池システムは、燃料電池と、燃料電池に供給され、または燃料電池から排出される反応ガスが流れる反応ガス流路と、燃料電池を冷却した冷却水が流れる冷却水路と、を備える。そして、冷却水路は、反応ガス流路の少なくとも一部を覆うように構成される。
このような態様とすれば、燃料電池システムの反応ガス流路を冷却水で保温または加熱することができる。よって、燃料電池システムにおいて、反応ガスの流路内における水の凍結によって生じうる弊害を低減することができる。
なお、冷却水路は、冷却水を冷却するための冷却部と、燃料電池と冷却部との間に設けられる冷却水滞留部であって、冷却水路の燃料電池に接続されている部分に比べて断面積が大きい冷却水滞留部と、を有している態様とすることができる。そして、燃料電池システムは、反応ガス流路の少なくとも一部が冷却水滞留部内を通るような構成とすることができる。このような態様とすれば、燃料電池における反応によって温度が上昇した冷却水の熱を、効率的に反応ガスに伝えることができる。なお、冷却水滞留部は、燃料電池に近接して設けられていることが好ましい。
また、燃料電池システムは、さらに、反応ガスとしての水素ガスを貯蔵する水素貯蔵部を備える態様とすることができる。そして、反応ガス流路は、水素貯蔵部から供給される水素ガスを燃料電池に向かって流通させる反応ガス供給路と、燃料電池から排出される水素ガスの少なくとも一部を再び燃料電池に供給する反応ガス循環路と、を備える態様とすることができる。そのような態様において、反応ガス循環路の少なくとも一部が冷却水路に覆われていることが好ましい。
このような態様とすれば、燃料電池内において水を含んだ水素ガスが流通する反応ガス循環路を、冷却水で保温または加熱することができる。よって、反応ガス流路のうち水の凍結が起こりやすい流路を保温または加熱することで、水の凍結によって生じうる弊害を効果的に低減することができる。
なお、冷却水路は、冷却水を冷却するための冷却部と、冷却部から排出される冷却水を再び燃料電池に供給する冷却水循環路と、冷却水を冷却部を通さずに再び燃料電池に供給する冷却部迂回路と、冷却部および冷却部迂回路への冷却水の流通を選択的に遮断することができる流路切換部と、を備える態様とすることができる。そのような態様においては、燃料電池システムが発電を行わないときには、流路切換部によって冷却部への冷却水の流通を遮断することが好ましい。
このような態様とすることで、燃料電池システムが発電を行わないときには、冷却水が冷却部で冷却されるのを防止することができる。よって、燃料電池システムが発電を行わないときにも冷却水が冷却部を流通する態様に比べて、燃料電池システムの反応ガス流路を長時間、高温の冷却水で保温または加熱することができる。
なお、反応ガス循環路を構成する管の表面の60%以上が冷却水路に覆われていることが好ましい。このような態様とすれば、反応ガス循環路を構成する管の表面から放出される熱を低減することができる。その結果、水の凍結によって生じうる弊害を効果的に低減することができる。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、燃料電池、燃料電池を動力源とする原動機等の形態で実現することができる。
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.第1実施例:
A1.装置の全体構成:
A2.運転停止時および運転開始時の燃料ガスの温度:
B.第2実施例:
C.第3実施例:
D.変形例:
A.第1実施例:
A1.装置の全体構成:
図1は、本発明の第1実施例である燃料電池システム10の構成の概略を表すブロック図である。燃料電池システム10は、発電の本体である燃料電池22と、燃料電池22に供給する水素を貯蔵する水素タンク23と、燃料電池22に圧縮空気を供給するためのエアコンプレッサ24と、を備えている。燃料電池22としては種々の種類の燃料電池を用いることが可能であるが、本実施例では、燃料電池22として固体高分子型燃料電池を用いている。この燃料電池22は、複数の単セルを積層したスタック構造を有している。
水素タンク23は、例えば、高圧水素を貯蔵する水素ボンベとすることができる。あるいは、水素吸蔵合金を内部に備え、水素吸蔵合金に吸蔵させることによって水素を貯蔵するタンクとしても良い。水素タンク23に貯蔵された水素ガスは、水素ガス供給路60に放出された後、圧力調整弁62によって所定の圧力に調整されて、燃料電池22のアノードに供給される。なお、水素ガス供給路60には、FC入口シャットバルブ61が設けられている。アノードから排出されるアノード排ガスは、アノード排ガス路63に導かれて再び水素ガス供給路60に流入する。このように、アノード排ガス中の残余の水素ガスは流路内を循環して再度電気化学反応に供される。アノード排ガスを循環させるために、水素ガス供給路60には、ポンプモータ65aを備える水素ポンプ65が設けられている。
また、アノード排ガス路63には、気液分離器27が設けられている。電気化学反応の進行に伴ってカソードでは水が生じる。カソードで生じた水は、電解質膜を介してアノード側のガス内にも導入される。この水は、燃料電池22内のアノード側の電極に付着し、電極と水素ガスとの接触を阻害する。その結果、燃料電池22における電気化学反応が阻害され、燃料電池22の出力電圧が低下してしまう。これを「フラッディング」という。本実施例の燃料電池システム10では、このフラッディングを防止するため、アノード排ガス中に溜まった水蒸気を、気液分離器27によってアノード排ガス路63中において凝縮させ、系外に排出する。なお、ここでいう「系」とは、燃料電池に燃料ガスを供給する燃料ガス供給路60と、燃料電池22内の燃料ガスの流路と、燃料電池22から排出されるアノード排ガスを再び燃料ガス供給路60に供給するアノード排ガス路63と、から構成されるガス流路をいう。
なお、アノード排ガス中の水は、気液分離器27によって完全に除去されるわけではない。このため、アノード排ガス路63のうち気液分離器27から水素ガス供給路60との合流箇所までの部分、および水素ガス供給路60のうちアノード排ガス路63との合流箇所から燃料電池22側の部分60jにおいては、流通するガスは少量の水を含む。
気液分離器27には、開閉弁50が設けられており、さらに開閉弁50を介して気液排出路64が接続されている。そして、気液排出路64は、希釈器26に接続されている。開閉弁50を開状態とすることで、気液分離器27内で凝縮された水、およびアノード排ガス路63を流通するアノード排ガスの一部が、希釈器26を通じて大気中に排出される。
本実施例の燃料電池システム10は、アノード排ガス路63を水素ガス供給路60に接続して、アノード排ガスを再び電気化学反応に供する構成となっている。燃料電池22においては、カソード側からアノード側に電解質膜を通じて窒素が浸透する。このため、燃料電池22とアノード排ガス路63との間で水素ガスを循環させると、時間の経過とともに、アノード側の窒素濃度が上昇する。そこで、燃料電池システム10では、所定の時間間隔で開閉弁50を介して、アノード排ガスの一部を流路外に排出している。こうすることによって、アノード排ガス路63内の不純物濃度の低下を図り、アノードに供給するガス中の窒素等の不純物濃度の上昇を防止している。
エアコンプレッサ24は、加圧した空気を酸化ガスとして酸化ガス供給路67を介して燃料電池22のカソードに供給する。エアコンプレッサ24が空気を圧縮する際には、フィルタを備えたマスフロメータ28を介して、外部から空気を取り込む。カソードから排出されるカソード排ガスは、カソード排ガス路68に導かれて外部に排出される。
カソード排ガス路68には、前述の希釈器26が設けられている。希釈器26には、気液分離器27に接続された開閉弁50ならびに気液排出路64を介してアノード排ガスが流入する。希釈器26に流入したアノード排ガスは、希釈器26においてカソード排ガスと混合されることによって希釈される。その後、混合されたアノード排ガスとカソード排ガスとは、カソード排ガス路68から大気中に排出される。
燃料電池システム10は、さらに、燃料電池22の運転温度が所定温度となるように燃料電池22を冷却するための冷却部40を備えている。冷却部40は、冷却水路41と、冷却ポンプ42と、ラジエータ29とを備えている。冷却水路41は、燃料電池22の内部とラジエータ29との間で冷却水が循環するように、冷却水を導く流路である。なお、冷却水はエチレングリコールと水の混合物であり、純粋な水ではなく、いわゆる不凍液である。冷却ポンプ42は、冷却水路41内で冷却水を循環させる。ラジエータ29は、冷却ファンを備えており、燃料電池22内を経由して昇温した冷却水を冷却する。なお、燃料電池22の発電を停止しているときには、制御部70は、冷却ポンプ42を停止する。その結果、冷却水の循環も停止される。
図2は、冷却水路41の熱交換部41tの構成を模式的に示す斜視図である。冷却水路41は、燃料電池22の下流であってラジエータ29の上流の位置に、熱交換部41tを有する(図1参照)。熱交換部41tは、冷却水路41と燃料電池22との接続部分など、冷却水路41の他の部分に比べて内部の断面積が大きく設けられている。このため、熱交換部41tでは、冷却水の流速が遅くなり、冷却水が滞留する。なお、この熱交換部41t内の冷却水は、ラジエータ29によって冷やされる前の冷却水である。図1においては、熱交換部41tは、燃料電池22からやや離れて記載されているが、実際には、熱交換部41tは燃料電池22に近接して設けられており、燃料電池22と熱交換部41tの間の部分の冷却水路41はごく短い。
熱交換部41tの内部には、水素ガス供給路60およびアノード排ガス路63の一部がそれぞれ通っている。すなわち、水素ガス供給路60およびアノード排ガス路63は、それぞれ一部が冷却水路41の熱交換部41tで覆われている。なお、図2においては、冷却水路41内を通る冷却水、水素ガス供給路60を通る水素ガス、およびアノード排ガス路63内を通るアノード排ガスの流通方向を、それぞれ矢印Aw,Ah,Aheで示している。
水素ガス供給路60のうち、アノード排ガス路63との合流箇所から燃料電池22までの部分を、第1の循環路60jとする(図1参照)。本実施例においては、第1の循環路60jの一部が冷却水路41の熱交換部41tに覆われている。このため、水を含むアノード排ガスが環流される第1の循環路60j、およびその内部のガスは、冷却水によって暖められる。なお、第1の循環路60jと区別するため、水素ガス供給路60のうち、水素タンク23からアノード排ガス路63との合流箇所までの部分を、新規ガス供給路60pとして図1に示す。
アノード排ガス路63のうち、燃料電池22から気液分離器27までの部分を第2の循環路63wとする(図1参照)。本実施例においては、第2の循環路63wを構成する配管のうち熱交換部41t内に位置する配管の表面積は、第2の循環路63w全体の表面積の約70%である。また、水素ガスを循環させるアノード排ガス路63および第1の循環路60jを構成する配管のうち、熱交換部41t内に位置する配管の表面積は、第1の循環路60jとアノード排ガス路63全体の表面積の約65%である。
既述したエアコンプレッサ24や冷却ポンプ42、あるいはラジエータファンや流路に設けた弁など、燃料電池22の発電に伴って動作する装置を、以後、燃料電池補機と呼ぶ。これらの燃料電池補機は、燃料電池22から電力を供給されて動作する。
燃料電池22には、燃料電池22から電力を供給される電力消費装置である負荷装置30が接続されている。負荷装置30には、たとえば、燃料電池22から電力を供給されて動作する電動機が含まれる。なお、図1では、負荷装置30は、燃料電池システム10から独立した負荷として表わしているが、この負荷装置30には、既述した燃料電池補機も含まれる。すなわち、図1では、エアコンプレッサ24等の燃料電池補機を含めて、燃料電池22から電力を供給される装置を負荷装置30として表す。
燃料電池システム10は、さらに、燃料電池システム10の各部の動きを制御する制御部70を備えている。制御部70は、マイクロコンピュータを中心とした論理回路として構成される。詳しくは、制御部70は、予め設定された制御プログラムに従って所定の演算などを実行するCPUと、CPUで各種演算処理を実行するのに必要な制御プログラムや制御データ等が予め格納されたROMと、同じくCPUで各種演算処理をするのに必要な各種データが一時的に読み書きされるRAMと、各種の信号を入出力する入出力ポート等を備える。
この制御部70は、燃料電池システム10の各部に設けられた電流計35、電圧計36、インピーダンス計37、温度センサ43,66a,66bなど(図1参照)の各センサの検出信号や、負荷装置30における負荷要求に関する情報を取得する。また、制御部70は、燃料電池システム10が備えるポンプや流路に設けられた弁やラジエータファンなど、燃料電池22の発電に関わる各部に駆動信号を出力する。なお、図1では、燃料電池システム10の構成要素と制御部70との間で信号のやり取りがなされる様子を表すために、制御部70を燃料電池システム10の外部に記載している。
A2.運転停止時および運転開始時の燃料ガスの温度:
図3は、実施例の燃料電池システム10の運転停止後の水素ガスの温度Thi1、アノード排ガスの温度Tho1、および冷却水温Tw1を示すグラフである。図3において、縦軸は温度(℃)である。そして、横軸は、燃料電池システム10の運転停止後の経過時間である。Toは、外気温である。水素ガス供給路60の水素ガスの温度Thi1は、冷却水路41の熱交換部41tと燃料電池22との間の水素ガス供給路60に設けられた温度センサ66a(図1参照)によって測定される。また、アノード排ガス路63のアノード排ガスの温度Tho1は、燃料電池22と熱交換部41tとの間のアノード排ガス路63に設けられた温度センサ66bによって測定される。なお、冷却水温Tw1は、燃料電池22と熱交換部41tとの間の冷却水路41に設けられた温度センサ43によって測定される。
図4は、比較例の燃料電池システムの運転停止後の水素ガスの温度Thi2、アノード排ガスの温度Tho2、および冷却水温Tw2を示すグラフである。比較例の燃料電池システムは、水素ガス供給路やアノード排ガス路の配管を覆う冷却水路41の熱交換部41tを有していない。その結果、比較例の燃料電池システムにおいては、水素ガス供給路およびその中を通る水素ガス、ならびにアノード排ガス路およびその中を通るアノード排ガスは、冷却水から水素ガス供給路やアノード排ガス路の配管を介して熱を受け取ることがない。比較例の燃料電池システムの他の点は、実施例の燃料電池システム10(図1参照)と同じである。また、図4の各グラフの温度も、実施例の燃料電池システム10と同じ箇所にそれぞれ設けられた温度センサによって測定される。
図3に示すように、実施例の燃料電池システム10においては、燃料電池22の運転によって暖められた冷却水の温度Tw1は、外気温が0℃以下の場合であっても、燃料電池22の運転停止後、急速には低下しない。すなわち、冷却水の温度Tw1は、燃料電池22の運転停止後、徐々に低下する。よって、熱交換部41tを通じて冷却水から熱を供給される水素ガスおよびアノード排ガスの温度Thi1,Tho1も徐々に低下する。
また、水素ガス供給路60は、一部が冷却水路41の熱交換部41tに覆われている。このため、水素ガス供給路60のうち熱交換部41tに覆われている部分については、水素ガス供給路60の配管から直接外部に熱が放出されない。すなわち、単に水素ガス供給路60の一部が冷却水路41と接触している態様に比べて、熱が外部に放出されにくい。よって、この点からも、水素ガス供給路60およびその内部の水素ガスの温度の急速な低下が防止される。
同様に、アノード排ガス路63は、一部が冷却水路41の熱交換部41tに覆われている。このため、アノード排ガス路63のうち熱交換部41tに覆われている部分については、アノード排ガス路63の配管から直接外部に熱が放出されない。すなわち、単にアノード排ガス路63の一部が冷却水路41と接触している態様に比べて、熱が外部に放出されにくい。よって、この点からも、アノード排ガス路63およびその内部のアノード排ガスの温度の急速な低下が防止される。
その結果、本実施例においては、水素ガス供給路60の水素ガスの温度Thi1およびアノード排ガス路63のアノード排ガスの温度Tho1は、外気温が0℃以下の場合であっても、燃料電池システム10の運転停止後、急速に0℃以下に低下しない。よって、実施例の燃料電池システム10においては、外気温が0℃以下の環境下において運転を停止しても、水素ガス供給路60内およびアノード排ガス路63内において水分が凍結して、運転再開時にガスの流通を阻害するという問題が生じにくい。
一方、比較例の燃料電池システムにおいては、水素ガスおよびアノード排ガスが配管を通して冷却水から熱を受け取らない。また、比較例の燃料電池システムにおいては、水素ガス供給路およびアノード排ガス路が、冷却水路41の熱交換部41tに覆われていない。このため、燃料電池システムの運転停止後は、水素ガス供給路およびアノード排ガス路から直接熱が放出される。このため、比較例の燃料電池システムにおいては、図4に示すように、水素ガスおよびアノード排ガスの温度Thi2,Tho2は、燃料電池22の運転停止後、急速に低下して外気温に近づき、氷点下となる。よって、比較例の燃料電池システムにおいては、水素ガス供給路内およびアノード排ガス路内において水分が凍結し、運転再開時にガスの流通を阻害するという問題が生じやすい。
図5は、実施例の燃料電池システム10を氷点下で長時間放置した後、運転を再開したときの水素ガスの温度Thi1、アノード排ガスの温度Tho1、および冷却水温Tw1を示すグラフである。各グラフの温度は、図3の場合と同様にして測定される。
図5に示すように、実施例の燃料電池システム10においては、燃料電池22の運転によって暖められた冷却水の温度は、外気温が0℃以下の場合であっても、急速に上昇する。そして、熱交換部41tを通じて冷却水から熱を供給される水素ガスおよびアノード排ガスの温度Thi1,Tho1も急速に上昇する。すなわち、実施例においては、水素ガス供給路60の水素ガスの温度Thi1およびアノード排ガス路63のアノード排ガスの温度Tho1は、外気温が0℃以下の場合であっても、燃料電池システム10の運転再開後、短時間で0℃以上となる。
また、水素ガス供給路60とアノード排ガス路63は、一部が冷却水路41の熱交換部41tに覆われている。このため、単に水素ガス供給路60やアノード排ガス路63の一部が冷却水路41と接触している態様に比べて、熱交換部41tから受け取った熱が外部に放出されにくい。よって、本実施例においては、この点からも、水素ガス供給路60、アノード排ガス路63およびそれらの内部のガスが効率的に加熱される。
よって、本実施例においては、水素ガス供給路60内およびアノード排ガス路63内において水分が凍結していた場合にも、その氷は燃料電池システム10の運転再開後、短時間で融解する。よって、水素ガス供給路60内およびアノード排ガス路63内の氷が運転時にガスの流通を阻害する、という問題による影響を低減することができる。
図6は、比較例の燃料電池システムを氷点下で長時間放置した後、運転を再開したときの水素ガスの温度Thi2、アノード排ガスの温度Tho2、および冷却水温Tw2を示すグラフである。比較例の燃料電池システムにおいては、水素ガス供給路およびアノード排ガス路は、冷却水から熱を供給されることがない。このため、比較例の燃料電池システムにおいては、図6に示すように、水素ガスおよびアノード排ガスの温度Thi2,Tho2は、燃料電池システムの運転再開後、0℃以上となるまでに長時間を要する。よって、比較例の燃料電池システムにおいては、水素ガス供給路内およびアノード排ガス路内において凍結していた水分がガスの流通を阻害するという問題が生じやすい。
なお、本実施例においては、水分を含む燃料ガスが循環するアノード排ガス路63および第1の循環路60jの一部が、冷却水路41の熱交換部41tで覆われている(図1参照)。そして、アノード排ガス路63および第1の循環路60jを構成する配管のうち熱交換部41t内に位置する配管の表面積の割合は、約60%である。このため、燃料電池システム10の運転時には、水分を含む燃料ガスが流通する配管(アノード排ガス路63および第1の循環路60j)を、冷却水を利用して効率的に加熱することができる。そして、燃料電池システム10の運転停止時には、水分を含む燃料ガスが流通する配管を、冷却水を利用して効率的に保温することができる。
また、本実施例においては、気液分離器27で水が除かれる前のアノード排ガスが流通する第2の循環路63wが、冷却水路41の熱交換部41tで覆われている(図1参照)。そして、第2の循環路63wを構成する配管のうち熱交換部41t内に位置する配管の表面積の割合は、約75%である。このため、水素ガスが流通する流路のうちもっとも水分を多く含むガスが流れる第2の循環路63wを、冷却水で効率的に保温し、加熱することができる。
B.第2実施例:
図7は、本発明の第2実施例である燃料電池システム10bの構成の概略を表すブロック図である。第2実施例の燃料電池システム10bの冷却水路41bは、燃料電池22の下流であってラジエータ29の上流の位置に、冷却水タンク44を備えている。冷却水タンク44は、所定量の冷却水を蓄えているタンクである。そして、気液分離器27でアノード排ガスから分離された生成水が、開閉弁50および気液排出路64bを介して冷却水タンク44に供給される。また、冷却水路41bは、三方弁41cと、ラジエータ29を迂回するバイパス路41dとを備えている。第2実施例の燃料電池システム10bの他の点は、第1実施例の燃料電池システム10(図1参照)と同じである。
燃料電池22から排出された冷却水が冷却水タンク44に送られ、また、冷却水タンク44からラジエータ29に冷却水が送られる。その後、ラジエータ29で冷却された冷却水は、冷却水路41b2を通って、燃料電池22に戻される。すなわち、冷却水タンク44は、冷却水路の一部である。なお、冷却水タンク44内の冷却水は、ラジエータ29によって冷やされる前の冷却水である。
冷却水タンク44の内部には、水素ガス供給路60およびアノード排ガス路63の一部がそれぞれ通っている。すなわち、水素ガス供給路60およびアノード排ガス路63は、それぞれ一部が冷却水タンク44で覆われている。
このような構成においても、第1実施例と同様に以下のような効果が奏される。すなわち、水素ガス供給路60の水素ガスの温度Thi1およびアノード排ガス路63のアノード排ガスの温度Tho1は、外気温が0℃以下の環境下において燃料電池システム10の運転停止した後、急速に0℃以下に低下しない(図3参照)。よって、外気温が0℃以下の環境下において燃料電池システム10bの運転を停止しても、水素ガス供給路60内およびアノード排ガス路63内において水分が凍結して、運転再開時にガスの流通を阻害するという問題が生じにくい。
また、外気温が0℃以下の環境下で燃料電池システム10bの運転を開始する際にも、水素ガス供給路60の水素ガスの温度Thi1およびアノード排ガス路63のアノード排ガスの温度Tho1は、冷却水から熱を受け取ることによって短時間で0℃以上となる(図5参照)。よって、水素ガス供給路60内およびアノード排ガス路63内に氷が存在する場合にも、その氷が運転時にガスの流通を阻害するという問題の影響を低減することができる。
図8は、冷却水路の切り替えの処理を示すフローチャートである。第2実施例においては、制御部70は、燃料電池22で発電を行っているか否かに応じて、冷却水路を切り換える。ステップS10では、制御部70は、燃料電池22において発電を行っているか否かを判定する。燃料電池22において発電を行っているときには、制御部70は、三方弁41cを制御して、冷却水をラジエータ29に流通させる(ステップS20)。そして、バイパス路41dを遮断して、バイパス路41dには冷却水を流通させない。このため、燃料電池22において発電を行うときには、冷却水はラジエータ29で冷却させる。
一方、制御部70は、燃料電池22において発電を行わないときには、三方弁41cを制御して、冷却水路をバイパス路41dにつなげる(ステップS30)。そして、ラジエータ29に向かう冷却水路を遮断して、ラジエータ29には冷却水を流通させない。このため、燃料電池22において発電を行うときには、冷却水の熱はラジエータ29を通じて放出されない。
第2実施例においても、第1実施例と同様に、発電停止時には冷却水は循環されない。このため、発電停止時には、冷却水を循環させている発電時と同程度に冷却水が冷却されるわけではない。しかし、冷却水が積極的に循環されないにしても、燃料電値22の発電停止時にラジエータ29に冷却水が流通しうる状態となっていると、以下のような問題が発生しうる。すなわち、ラジエータ29で熱を放出した冷えた冷却水が、伝導によって、または冷却水路41b内を流通することによって、冷却水路41b内の他の冷却水から熱を奪う可能性がある。
しかし、第2実施例の燃料電池システム10bは、燃料電池22において発電を行わないときには、ラジエータ29に向かう冷却水路を遮断することによって(ステップS30参照)、冷却水が全体としてラジエータ29によって冷却されるのを防止している。その結果、水素ガスおよびアノード排ガスは、燃料電池22の運転停止時において長時間、高温を保っている冷却水によって、熱交換部41tを通じて暖められる。このため、第2実施例によれば、外気温が0℃以下の環境下において燃料電池システム10の運転停止した後も、長い時間にわたって水素ガス供給路60内およびアノード排ガス路63内における水の凍結を防止することができる。
C.第3実施例:
第1および第2実施例では、水素ガス供給路60とアノード排ガス路63とが冷却水路41に覆われていた。しかし、第3実施例の燃料電池システムでは、それらに加えて、カソード排ガス路68も冷却水路41cに覆われている。他の点は、第1実施例の燃料電池システム10と同じである。
図9は、第3実施例の燃料電池システムの冷却水路41cの熱交換部41t3を示す斜視図である。各符号の表記は、図2と同じである。ただし、矢印Aaeは、カソード排ガスの流通方向を示す矢印である。第1実施例の熱交換部41tはほぼ円筒形の管であったが(図2参照)、第3実施例の熱交換部41t3はほぼ直方体の外形形状をしている。熱交換部41t3は、冷却水路41cの一部である。そして、第1実施例の熱交換部41tと同様、燃料電池22の下流であってラジエータ29の上流の位置に設けられている。
熱交換部41t3の内部には、水素ガス供給路60およびアノード排ガス路63の一部がそれぞれ通っている。そして、カソード排ガス路68の一部も、熱交換部41t3の内部を通っている。すなわち、水素ガス供給路60、アノード排ガス路63およびカソード排ガス路68は、それぞれ一部が冷却水路41cに覆われている。
このような構成においても、第1実施例と同様に以下のような効果が奏される。すなわち、外気温が0℃以下の環境下において運転を停止しても、水素ガス供給路60内およびアノード排ガス路63内において水分が凍結して、運転再開時にガスの流通を阻害するという問題が生じにくい。また、外気温が0℃以下の環境下で燃料電池システム10の運転を開始する際に、水素ガス供給路60内およびアノード排ガス路63内の氷が運転時にガスの流通を阻害する、という問題による影響を低減することができる。
さらに、第3実施例においては、外気温が0℃以下の環境下において燃料電池システム10の運転停止した後、カソード排ガス路68内のカソード排ガスの温度も、急速に0℃以下に低下しない。よって、外気温が0℃以下の環境下において運転を停止しても、カソード排ガス路68内において、カソード排ガスに含まれる水分が凍結して、運転再開時にカソード排ガスの流通を阻害するという問題が生じにくい。
また、外気温が0℃以下の環境下で燃料電池システム10の運転を開始する際にも、カソード排ガス路68のカソード排ガスの温度は、冷却水から熱を受け取ることによって短時間で0℃以上となる。よって、カソード排ガス路68内に氷が存在する場合にも、運転時にカソードガスの流通を阻害する、という問題の影響を低減することができる。
D.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
D1.変形例1:
上記実施例では、水素ガス供給路60、アノード排ガス路63、およびカソード排ガス路68は、いずれも冷却水路の一部であって同一の筐体である熱交換部41t、冷却水タンク44、または熱交換部41t3に覆われていた。しかし、水素ガス供給路60、アノード排ガス路63、およびカソード排ガス路68は、他の態様で冷却水路41によって覆われていてもよい。たとえば、冷却水路41が枝分かれしており、それぞれの枝に熱交換部がもうけられ、水素ガス供給路60、アノード排ガス路63、およびカソード排ガス路68が、各枝の熱交換部に覆われているような構成とすることもできる。たとえば、水素ガス供給路60、アノード排ガス路63、およびカソード排ガス路68をそれぞれ二重の管で構成し、その外側部分に冷却水が流通するような態様とすることができる。
また、上記実施例においては、冷却水路41のうち、水素ガス供給路60、アノード排ガス路63、およびカソード排ガス路68がその内部を通る部分は、他の部分に比べて断面積が大きい態様であった。しかし、冷却水路41の、水素ガス供給路60、アノード排ガス路63、またはカソード排ガス路68がその内部を通る部分は、他の部分と同じ断面積で設けられていてもよい。
上記実施例においては、冷却水路41のうち、水素ガス供給路60、アノード排ガス路63、およびカソード排ガス路68がその内部を通る部分において冷却水の流れる方向は、各ガスの流れる方向と平行であった。しかし、冷却水路41の態様はこれに限られず、冷却水が各ガスの流れる方向と交わる方向に流れる態様とすることもできる。
すなわち、燃料電池システムは、燃料電池に供給され、または燃料電池から排出される反応ガスが流れる反応ガス流路の少なくとも一部を、冷却水路が覆う態様とすることができる。なお、冷却水路が反応ガス流路を「覆う」とは、反応ガス流路と冷却水路とをある同一平面で切断したときに、反応ガス流路の断面の全周が冷却水路で囲まれているような平面が存在することをいう。
D2.変形例2:
上記実施例においては、水分を含む燃料ガスが流通するアノード排ガス路63および第1の循環路60jの一部が、それぞれ冷却水路41の熱交換部41tで覆われていた。そして、それらを構成する配管のうち熱交換部41t内に位置する配管の表面積の割合は、約65%であった。しかし、冷却水路、アノード排ガス路および水素ガス供給路は、他の構成とすることもできる。ただし、燃料ガスを循環させる配管のうち、冷却水路内に位置する配管の表面積の割合は、50%以上であることが好ましい。そして、その割合は、60%以上であることがより好ましく、70%以上であることがさらに好ましい。
また、上記実施例においては、第2の循環路63wの一部が、冷却水路41の熱交換部41tで覆われていた。第2の循環路63wは、アノード排ガス路63のうち、燃料電池22から気液分離器27までの部分を構成する流路である。そして、第2の循環路63wを構成する配管のうち熱交換部41t内に位置する配管の表面積の割合は、約70%であった。しかし、冷却水路、アノード排ガス路は、他の構成とすることもできる。ただし、気液分離器27で水が除かれる前のアノード排ガスが流通する流路のうち、冷却水路内に位置する配管の表面積の割合は、60%以上であることが好ましい。そして、その割合は、70%以上であることがより好ましく、75%以上であることがさらに好ましい。
D3.変形例3:
上記実施例においては、水素ガス供給路60、アノード排ガス路63、およびカソード排ガス路68の一部が冷却水路41内を通っていた。これに対して、燃料電池システムは、酸化ガス供給路67が冷却水路41内を通る態様とすることもできる。そのような態様とすれば、燃料電池システムの運転停止時に酸化ガス供給路67内の空気が含む水分の凍結を防止し、また、燃料電池システムの運転開始後、凍結した水分を早期に融解することができる。なお、冷却水路41および酸化ガス供給路67について各種の態様を取りうることは、変形例1で述べた水素ガス供給路60、アノード排ガス路63、およびカソード排ガス路68の場合と同様である。
冷却水路に覆われた反応ガス流路を介して燃料電池に供給され、または燃料電池から排出されるガスは、水素や空気以外のガスとすることもできる。たとえば、燃料電池システムは、酸化ガスとしての酸素を供給するガス流路を冷却水で覆っている態様とすることもできる。すなわち、燃料電池システムは、燃料電池に供給されまたは燃料電池から排出される反応ガスが流通する反応ガス流路の少なくとも一部を、冷却水路が覆っている態様であればよい。
D4.変形例4:
上記実施例においては、酸化ガスはエアコンプレッサ24によって燃料電池22に供給されていた(図1および図7参照)。しかし、燃料電池システム10は、エアコンプレッサ24に代えてブロワで酸化ガスとしての空気を燃料電池22に供給する態様とすることもできる。そのような態様においては、エアコンプレッサで酸化ガスを供給する態様に比べて、一般に酸化ガスおよびカソード排ガスの温度が低くなる。よって、そのような態様においては、特に、カソード排ガス路68および酸化ガス供給路67が冷却水路41によって覆われる態様とすることが好ましい。
D5.変形例5:
上記実施例においては、冷却水を冷却するためのラジエータ29は、冷却ファンを備えていた。しかし、冷却水を冷却するための構成は他の態様とすることもできる。たとえば、他の構造物に熱を伝導させて逃がすような構成であってもよいし、冷却用のフィンを備えており外気にさらされている構造であってもよい。
また、上記実施例においては、冷却水は、エチレングリコールと水の混合物であったが、プロピレングリコールと水の混合物など、他の構成であってもよい。また、「冷却水」は、H2Oを含まないものであってもよい。すなわち、冷却水は熱を伝えることができる液体であればよい。
本発明の実施例である燃料電池システム10の構成の概略を表すブロック図である。 冷却水路41の熱交換部41tを示す斜視図である。 実施例の燃料電池システム10の運転停止後の水素ガスの温度Thi1、アノード排ガスの温度Tho1、および冷却水温Tw1を示すグラフである。 比較例の燃料電池システムの運転停止後の水素ガスの温度Thi2、アノード排ガスの温度Tho2、および冷却水温Tw2を示すグラフである。 実施例の燃料電池システム10を氷点下で長時間放置した後、運転を再開したときの水素ガスの温度Thi1、アノード排ガスの温度Tho1、および冷却水温Tw1を示すグラフである。 比較例の燃料電池システムを氷点下で長時間放置した後、運転を再開したときの水素ガスの温度Thi2、アノード排ガスの温度Tho2、および冷却水温Tw2を示すグラフである。 本発明の第2実施例である燃料電池システム10bの構成の概略を表すブロック図である。 冷却水路の切り替えの処理を示すフローチャートである。 第3実施例の燃料電池システムの冷却水路41cの熱交換部41t3を示す斜視図である。
符号の説明
10,10b…燃料電池システム
22…燃料電池
23…水素タンク
24…エアコンプレッサ
26…希釈器
27…気液分離器
28…マスフロメータ
29…ラジエータ
30…負荷装置
35…電流計
36…電圧計
37…インピーダンス計
40…冷却部
41,41b,41b2,41c…冷却水路
41t,41t2,41t3…熱交換部
42…冷却ポンプ
43…温度センサ
44…冷却水タンク
50…開閉弁
60…水素ガス供給路(燃料ガス供給路)
61…FC入口シャットバルブ
62…圧力調整弁
63…アノード排ガス路
64,64b…気液排出路
65…水素ポンプ
65a…ポンプモータ
66a…温度センサ
66b…温度センサ
67…酸化ガス供給路
68…カソード排ガス路
70…制御部
Aw…冷却水が流れる方向を示す矢印
Ah…水素ガスが流れる方向を示す矢印
Ahe…アノード排ガスが流れる方向を示す矢印
Thi1…実施例における、熱交換部41tと燃料電池22との間の水素ガスの温度
Thi2…比較例における、熱交換部41tと燃料電池22との間の水素ガスの温度
Tho1…実施例における、熱交換部41tと燃料電池22との間のアノード排ガスの温度
Tho2…比較例における、熱交換部41tと燃料電池22との間のアノード排ガスの温度
Tw1…実施例における燃料電池22の出側の冷却水温
Tw2…比較例における燃料電池22の出側の冷却水温

Claims (4)

  1. 燃料電池システムであって、
    燃料電池と、
    前記燃料電池に供給され、または前記燃料電池から排出される反応ガスが流れる反応ガス流路と、
    前記燃料電池を冷却した冷却水が流れる冷却水路と、を備え、
    前記冷却水路は、前記反応ガス流路の少なくとも一部を覆う、燃料電池システム。
  2. 請求項1記載の燃料電池システムであって、
    前記冷却水路は、
    前記冷却水を冷却するための冷却部と、
    前記燃料電池と前記冷却部との間に設けられた前記冷却水路の前記燃料電池に接続されている部分に比べて断面積が大きい冷却水滞留部と、を有しており、
    前記反応ガス流路の少なくとも一部が前記冷却水滞留部内を通る、燃料電池システム。
  3. 請求項1記載の燃料電池システムであって、さらに、
    前記反応ガスとしての水素ガスを貯蔵する水素貯蔵部を備え、
    前記反応ガス流路は、
    前記水素貯蔵部から供給される前記水素ガスを前記燃料電池に向かって流通させる反応ガス供給路と、
    前記燃料電池から排出される前記水素ガスの少なくとも一部を再び前記燃料電池に供給する反応ガス循環路と、を備え、
    前記反応ガス循環路の少なくとも一部が前記冷却水路に覆われている、燃料電池システム。
  4. 請求項1記載の燃料電池システムであって、
    前記冷却水路は、
    前記冷却水を冷却するための冷却部と、
    前記冷却部から排出される前記冷却水を再び前記燃料電池に供給する冷却水循環路と、
    前記冷却水を前記冷却部を通さずに再び前記燃料電池に供給する冷却部迂回路と、
    前記冷却部および前記冷却部迂回路への前記冷却水の流通を選択的に遮断することができる流路切換部と、を備え、
    前記流路切換部は、前記燃料電池システムが発電を行わないときには、前記冷却部への前記冷却水の流通を遮断する、燃料電池システム。
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