JP5112804B2 - 燃料電池システム - Google Patents
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Description
また、加湿装置は一般に熱容量が大きく燃料電池の運転停止後でも高温に維持されているため、加湿装置からアノードオフガス排出配管への熱伝達を十分に行うことが可能になる。したがって、アノードオフガス排出配管内の凍結を抑制することができる。
(燃料電池システム)
図1は、第1実施形態に係る燃料電池システムの概略構成を示すブロック図である。燃料電池システム100は、カソードガスとアノードガスを供給し発電を行う燃料電池1を備えている。燃料電池1は、単位燃料電池(以下「単位セル」という。)を多数積層して電気的に直列接続したものである。単位セルは、膜電極構造体の両側にセパレータを配置したサンドイッチ構造をなす。詳述すると、膜電極構造体は、例えばフッ素系電解質材料等からなる固体高分子電解質膜(電解質膜)の両側にアノード電極とカソード電極を配置して構成されている。その膜電極構造体のアノード電極に面してアノード側セパレータが配置され、両者間にアノードガス流路51が形成されている。また膜電極構造体のカソード電極に面してカソード側セパレータが配置され、両者間にカソードガス流路52が形成されている。
水素タンク130から供給された水素ガスは、レギュレータ(不図示)により減圧された後、エゼクタ106を通り、アノードガス供給配管113から燃料電池1のアノードガス流路51に供給される。アノードオフガスは、アノード循環路111を通って前記エゼクタに吸引され、水素タンク130から供給される水素ガスと合流し、再び燃料電池1に供給されて循環するようになっている。
エアポンプ102により加圧された空気は、加湿器103で加湿されて、カソードガス供給配管121から燃料電池1のカソードガス流路52に供給される。この空気中の酸素が酸化剤として発電に供された後、燃料電池1からカソードオフガスとして排出される。カソードオフガス排出配管122は、上述した加湿器103を通り、電磁駆動式の背圧弁104を介して、希釈器140に接続されている。希釈器140は、アノードオフガスとカソードオフガスとを混合することにより、未反応の水素ガスを含むアノードオフガスをカソードオフガスで希釈して、外部に排出する。
図2(a)は第1実施形態における配管隣接部の斜視図であり、図2(b)は図2(a)のA−A線における断面図である。図2(a)に示すように、カソードガス供給配管121およびカソードオフガス排出配管122は、加湿器103に接続されている。
図2(b)に示すように、加湿器103は、金属材料等により円筒状に形成されたハウジング103aを備えている。ハウジング103aの内部には、中空糸膜からなる複数のチューブ103bが設けられている。このチューブ103bの内部をカソードガスが流通し、チューブ103bの外部であってハウジング103aの内部をカソードオフガスが流通するようになっている。チューブ103bを構成する中空糸膜は、ガスを透過することなく水分のみを透過する性質を有する。そのため、カソードオフガスに含まれる水分が中空糸膜を透過してカソードガスに受け渡され、カソードガスが加湿されるようになっている。
図3(a)に示すように、気温が氷点下の状態で燃料電池の暖機運転を開始すると、電気化学反応に伴う発熱により燃料電池の温度は上昇する。ところが、アノードオフガスはアノード循環路を循環しアノードオフガス排出配管に排出されないので、従来技術ではアノードオフガス排出配管の温度上昇速度が遅くなる。これに対して本実施形態では、カソードオフガスが流通するカソードオフガス排出配管122からアノードオフガス排出配管112に熱伝達が行われるので、アノードオフガス排出配管112の温度上昇速度が早くなる。したがって、アノードオフガス排出配管112の内部の凍結を迅速に解消することが可能になり、燃料電池1の通常運転を早期に開始することができる。
図4は、第2実施形態に係る燃料電池システムの概略構成を示すブロック図である。上述した第1実施形態では、加湿器103に沿って配管隣接部160が形成されていたが、第2実施形態では、希釈器140の上流側のカソードオフガス排出配管122に沿って配管隣接部160が形成されている点で相違している。すなわち第2実施形態では、希釈器140の上流側のカソードオフガス排出配管122に沿ってアノードオフガス排出配管112を配置することで、配管隣接部160が形成されている。なお第1実施形態と同様の構成となる部分については、その詳細な説明を省略する。
図5(b)に示すように、配管隣接部160では、カソードオフガス排出配管122とアノードオフガス排出配管112とが接触している。これにより、カソードオフガス排出配管122からアノードオフガス排出配管112に熱伝達が行われ、アノードオフガス排出配管112の内部の凍結を抑制することができる。
この変形例のように、両配管122,112を離間配置した場合でも、両配管122,112を連結部材164により連結することで、両配管122,112の熱交換が可能になる。したがって、アノードオフガス排出配管112の内部の凍結を抑制することができる。
図7は、第3参考形態に係る燃料電池システムの概略構成を示すブロック図である。上述した第1実施形態では、加湿器103に沿って配管隣接部160が形成されていたが、第3参考形態では、加湿器103の上流側のカソードオフガス排出配管122に沿って配管隣接部160が形成されている点で相違している。なお第1実施形態と同様の構成となる部分については、その詳細な説明を省略する。
図8(b)に示すように、配管隣接部160では、カソードオフガス排出配管122とアノードオフガス排出配管112とが接触している。これにより、カソードオフガス排出配管122からアノードオフガス排出配管112に対して熱伝達が行われ、アノードオフガス排出配管112の内部の凍結を抑制することができる。
例えば、加湿器の構造は上記以外の他の構造とすることも可能である。
Claims (4)
- カソードガスおよびアノードガスを導入して発電を行う燃料電池と、
前記燃料電池から排出されたアノードオフガスを前記燃料電池に再度供給するアノード循環路と、
前記アノード循環路内のガスを、前記燃料電池の運転状態に応じて外部に排出するアノードオフガス排出配管と、
前記燃料電池から排出されたカソードオフガスを外部に常時排出するカソードオフガス排出配管と、
を有する燃料電池システムにおいて、
前記アノードオフガス排出配管および前記カソードオフガス排出配管が相互に熱交換を行うように隣接配置されてなる配管隣接部をさらに有し、
前記カソードガスと前記カソードオフガスとの間で水分交換を行う加湿装置を有し、
前記配管隣接部は、前記加湿装置および前記アノードオフガス排出配管が隣接配置されてなることを特徴とする燃料電池システム。 - 前記配管隣接部を覆うように、断熱部材が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
- 前記配管隣接部の下流側に、前記カソードオフガスおよび前記アノードオフガスを混合希釈して外部に排出する希釈装置を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料電池システム。
- 前記加湿装置は、ハウジングと、前記ハウジングの内部に設けられた複数の中空糸膜とを備え、前記中空糸膜の内部を前記カソードガスが流通し、前記中空糸膜の外部であって前記ハウジングの内部を前記カソードオフガスが流通することを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の燃料電池システム。
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