JP2006258544A - トナー混練物の評価方法、該評価方法を用いた静電荷現像用トナーの製造方法、製造装置およびそれにより得られた静電荷現像用トナー、ならびにそれを用いた現像方法。 - Google Patents

トナー混練物の評価方法、該評価方法を用いた静電荷現像用トナーの製造方法、製造装置およびそれにより得られた静電荷現像用トナー、ならびにそれを用いた現像方法。 Download PDF

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Abstract

【課題】 分散性の評価方法として精度が高く、個人差のない評価法を開発することにより、金属酸化物を用いたトナーの最適な分散条件を規定し、安全で、低温定着で、トナー搬送性に問題がなく、ドット再現性の良い高画質がいつでも得られるトナーを安定して生産できること、および、そのような評価方法を採用することにより得られたドット再現性の良い高画質の画像が形成できる低温定着性を有する静電荷現像用トナーを提供すること。
【解決手段】 少なくとも樹脂、顔料、電荷制御剤からなるトナー混練物に波長1.54ÅのX線(CuKα線)を照射し、2θ(θ:ブラッグ角度)=32.9±0.5degの範囲内にあるX線回折パターンのピークのピーク積分強度を測定し、そのピーク積分強度によりトナー混練物の分散性を評価することを特徴とする静電荷現像用トナーの評価方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、トナー混練物の評価方法、該評価方法を用いた静電荷現像用トナーの製造方法、製造装置およびそれにより得られた静電荷現像用トナー、ならびにそれを用いた現像方法に関する。
複写機やプリンタなどの画質は、高画質化が進んでおり、最近では細かいドットの再現性が非常に重要になって来ている。このドットの再現性は、トナーや現像剤の帯電量などの他に流動性に非常に影響され、細かい潜像部に均一なトナー層または現像剤層を安定して供給すること、搬送することが必要になって来ている。
また、高画質化が進むにつれて、それに用いられるトナーにおいては、小粒径化、高機能化が進んでいる。そのため、トナーの構造が複雑になってきており、従来より作製時細かいの制御が必要となってきている。特に、トナーの流動性はドット再現性の他に種々の画像品質に影響を与えるため、トナー流動性を悪化させないトナー分散性の評価が必要とされている。
また、トナーの作製法が粉砕方式から重合法等の他の方式に変化したとき、製造条件に対しての流動特性の変化が大きく、粉砕方式の場合に比較して、細かい作製時のコントロールおよび評価が必要となっている。
一方、黒色顔料として通常カーボンブラックが用いられているが、本材料は発ガン性があるとの問題が指摘されており、それに変わる材料の検討が急がれている。その候補として金属酸化物が検討されている。金属酸化物の場合、比重が大きいためトナーにする場合の分散性という面で新たな評価技術が必要になっている。
また、トナーの低温定着化や定着のオイルレス化が進んでくるとともに、トナーの母体組成や構造が複雑になり、トナーの流動性に非常に影響を及ぼすようになる。そのため、従来よりも精度の高い構造制御が必要になり、それに応じて感度の高い分散性評価法が必要とされている。
トナーの分散性に関する従来技術である特許文献1には、OHP上のトナー定着像の吸光度の変化を調べることによりトナーの顔料の分散性を評価している。しかし、この評価方法では毎回トナーの定着像をOHP上に作成する必要があり、定着条件によって左右されるという問題点をかかえている。特許文献2ではトナー混合品からなるペレットの比重を測定して、分散性を評価することが示されているが、この方式の場合には、測定バラツキが大きく、分解能が問題となる。特許文献3では、添加剤の無機元素をEPMA−WDSを用いて測定し、基準の試料からのX線強度比によりトナーの分散性を評価しているが、トナー内部の詳細な分散性までは評価できない。
特に、トナーの分散性が問題としてクローズアップされるようになったのは、トナーの低温定着化や定着のオイルレス化が進み始めてからである。こうした低温定着化に関しては、バインダー中にガラス転移温度でシャープメルト性を有する特定の非オレフィン系結晶性重合体を添加する試み(特許文献4)がある。また、同じくシャープメルト性を有する結晶性ポリエステルを用いる試み(特許文献5、6)がある。しかし、ガラス転移温度でシャープメルト性を有する結晶性ポリエステルは、混練時の品温がガラス転移温度以上であると、混練剪断力を小さくし、ワックスの分散性や結晶性ポリエステル樹脂自身の分散性を悪化させやすい。特に、弾性成分の少ない樹脂を使用するフルカラートナーでは、分散性の悪化が顕著となる。そのため、ワックス分散性の悪化による流動性の低下や結晶性ポリエステル樹脂の分散性の悪化による透明性の低下という問題を生じやすくなる。また、結晶性ポリエステル樹脂は、結晶性を有しないポリエステル樹脂以上に粉砕性が悪く、粉砕法では小粒径化に対して課題がある。
特開平9−204488号公報 特開昭62−156540号公報 特開2001−109186号公報 特開昭62−63940号公報 特許第2931899号公報 特開2001−222138号公報
本発明の第1の目的は、分散性の評価方法として精度が高く、個人差のない評価法を開発することにより、金属酸化物を用いたトナーの最適な分散条件を規定し、安全で、低温定着で、トナー搬送性に問題がなく、ドット再現性の良い高画質がいつでも得られるトナーを安定して生産できるようにする点にある。
本発明の第2の目的は、そのような評価方法を採用することにより得られたドット再現性の良い高画質の画像が形成できる低温定着性を有する静電荷現像用トナーを提供する点にある。
本発明の第1は、少なくとも樹脂、顔料からなるトナー混練物に波長1.54ÅのX線(CuKα線)を照射し、2θ(θ:ブラッグ角度)=32.9±0.5degの範囲内にあるX線回折パターンのピークのピーク積分強度を測定し、そのピーク積分強度によりトナー混練物の分散性を評価することを特徴とする静電荷現像用トナーの評価方法に関する。
本発明の第3は、前記トナー混練物が顔料としてFe酸化物およびTi酸化物を含むものである請求項1記載の静電荷現像用トナーの評価方法に関する。
本発明の第3は、請求項1または2記載の評価方法により得られたピーク積分強度の値が1000〜15000countsであるトナー混練物を用いたことを特徴とする静電荷現像用トナーに関する。
本発明の第4は、トナー粒子の重量平均粒径が4〜8μmである請求項3記載の静電荷現像用トナーに関する。
本発明の第5は、トナー粒子の平均円形度が0.9〜0.99である請求項3または4記載の静電荷現像用トナーに関する。
本発明の第6は、トナー粒子に外添する成分の粒子は平均粒径20〜200nmのものである請求項3〜5いずれか記載の静電荷現像用トナーに関する。
本発明の第7は、樹脂の少なくとも1種類が、下記一般式(1)
(式中、n、mは繰り返し単位の数であり、RおよびRは水素および炭化水素基よりなる群からそれぞれ独立して選ばれた基である。)
で示される結晶性ポリエステルである請求項3〜6いずれか記載の静電荷現像用トナーに関する。
本発明の第8は、請求項1または2記載のトナー混練物の評価方法を利用することを特徴とする静電荷現像用トナーの製造方法に関する。
本発明の第9は、トナー粒子製造用原料を混練、溶融するための手段、混練溶融物を圧延、冷却、粉砕する手段、粉砕されたトナー混練物の1部を抜きとる手段、他の粉砕されたトナー混練物をつぎの工程に供給する手段および前記1部抜きとったトナー混練物のX線回折パターンのピークのピーク積分強度を測定し、それによりトナー混練物の分散性を評価する手段を有することを特徴とする請求項3〜7いずれか記載の静電荷現像用トナーの製造装置に関する。
本発明の第10は、請求項3〜7いずれか記載の静電荷現像用トナーが充填されていることを特徴とするトナーカートリッジまたはプロセスカートリッジに関する。
本発明の第11は、請求項3〜7いずれか記載の静電荷現像用トナーを用いて、接触または非接触現像を行うことを特徴とする1成分現像方法に関する。
本発明の第12は、ドクターローラおよび/または供給ローラを用いた請求項11記載の1成分現像方法に関する。
本発明の第13は、ACバイアス電圧成分を印加する請求項11または12記載の1成分現像方法に関する。
本発明の第14、請求項3〜7いずれか記載の静電荷現像用トナーと平均粒径20〜70μmのキャリアを用いて現像することを特徴とする2成分現像方法に関する。
本発明の第15は、ACバイアス電圧成分を印加する請求項14記載の2成分現像方法に関する。
本評価法は、トナー混練物に波長1.54ÅのX線(CuKα線)を照射し、そのX線回折パターンを測定し、2θ(θ:ブラッグ角度)=32.9±0.5degの範囲内にあるピークのピーク積分強度の違いにより分散性を評価するものである。
X線を用いるため、透過性に優れており、非破壊分析に適している。そのため、トナー混練物そのものを調整等を一切せずに測定できる。つまり、生産ラインなどの検査したい部分へそのまま展開ができる評価法である。
本発明の評価方法に用いる1つの具体的装置の構成は、図1に示す。まず、X線管球からX線を発生させる。X線管球は電子を高速でターゲット陰極に衝突させ、X線を発生させるものである。ターゲット陰極の物質としてCr、Fe、Co、Ni、Cu、Moなどが用いられるが、本発明では波長が短いCuターゲットを用いた。Cuターゲットを用いた場合、種々の特性X線が発生するが、本発明ではKα線を用いた。そのときの波長は1.54Åである。X線はスリット(ダイバージェンシースリット)を介して試料表面に照射される。試料に入射したX線はトナー混練物内部の構造に対応したブラッグの回折現象を起こし、反射X線としてスリット(レシービングスリット,スキャッタースリット)を介して計数管に入射する。計数管として、ガイガー計数管、比例計数管、シンチレーション計数管等あるが、本発明ではシンチレーション計数管を用いた。計数管で発生し、増幅されたパルスは波高分析器にて処理され、計数回路で検出される。装置の構成としては、本方式は一例であり、他の計数管等を採用しても良い。測定は、ゴニオメータを用いて、試料への入射角度を低速(0.5〜10deg/min)で変えて、そのときの試料(トナー混練物)からの反射X線強度を測定し、評価する。
トナー混練物の試料は、試料を直接試料台上に接着手段等を用いて固定し、測定する。試料の分散状態の違いを(構造に対応した)試料固有のブラッグ角度θでのX線回折ピーク強度特性の変化として測定する。トナー混練物試料は表面に凹凸がなく、スムーズな面をもつもので、カール等の変形のないものが適している。測定はスキャン角度2θを10deg〜50degの範囲で変化して、X線回折強度測定を行なう。本発明では、トナー混練物中の金属酸化物の分散状態を調べる。Fe酸化物及びTi酸化物からなる金属酸化物の回折ピークは、2θ=32.9±0.5degに現われる。そのため、スキャン角度2θを10deg〜40degの範囲に狭めて測定しても良い。この2θ=32.9±0.5degに現われるFe酸化物及びTi酸化物からなる金属酸化物のX線回折ピークは、トナー混練物を構成している特に樹脂の中に分散している状態によって変化し、大きい塊が所々に存在しているような分散状態の悪い場合にはX線回折ピークは大きくなり、非常に細かく均一に分散している場合にはX線回折ピークは小さくなる。また、X線回折ピークの大きさの評価は、ピークの積分値を用いる。これは、ピーク強度を用いた場合、データのバラツキが大きくなり、測定の正確性や再現性に問題が生じたためである。X線回折ピークのピーク積分強度を評価に用いた場合には、測定のバラツキは小さくなり、安定した評価が実現できた。測定は1回でも良いが、2回以上繰返して行ない、その平均で評価した方が適している。トナー混練物の試料厚みが薄いときなどはX線が透過して、試料ホルダーの下地等の影響を受けるので注意しないといけない。
しかし、測定系、測定条件等に関してはこの限りではない。
本発明の静電荷現像用トナー粒子は、ドット再現性の良い高画質画像を実現するために、トナー粒子の重量平均粒径が4〜8μmであることが必要である。本トナー粒子の重量平均粒径は4〜8μmであり、さらに好ましくは5〜7μmである。重量平均粒径4μm未満では長期間の使用でのトナー粒子飛散による機内の汚れ、低湿環境下での画像濃度低下、感光体クリーニング不良等という問題が生じやすく、人体への影響も懸念される。また重量平均粒径が8μmを超える場合では100μm以下の微小スポットの解像度が充分でなく非画像部への飛び散りも多く画像品位が劣る傾向となる。
本トナー粒子を用いる現像剤は、高画質画像を実現するために、キャリアの平均粒径が20〜70μmであることが必要である。キャリアの平均粒径が20〜70μmの範囲にあると、現像機内部のトナー濃度が2〜10重量%の範囲内において、トナー粒子の帯電量をより均一にすることができる。20μmより小さくなるとキャリア粒子の感光体上への付着等が生じやすく、さらにトナー粒子との撹拌効率が悪くなりトナーの均一な帯電量が得られにくくなる。逆に、キャリアの平均粒径が70μmを超える場合では、細かい画像再現性が悪くなり、高画質は得られない。
トナー粒子および現像剤の詳細を以下に示す。
本発明のトナー製造に用いる樹脂としては、とくに制限はないがポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、スチレンアクリル樹脂、スチレンメタクリレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレンブタジエン樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン樹脂、シリコン樹脂、ブチラール樹脂、テルペン樹脂、ポリオール樹脂等がある。
前記ポリスチレン樹脂のようなビニル樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体:スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロロメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体:ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル等がある。これらの樹脂は単独でも併用でも良い。
ポリエステル樹脂としては以下のA群に示したような2価のアルコールと、B群に示したような二塩基酸塩からなるものであり、さらにC群に示したような3価以上のアルコールあるいはカルボン酸を第三成分として加えてもよい。
A群:エチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3,3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2,0)−2,2′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等。
B群:マレイン酸、フマール酸、メサコニン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタール酸、イソフタール酸、テレフタール酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、リノレイン酸、またはこれらの酸無水物または低級アルコールのエステル等。
C群:グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3価以上のアルコール、トリメリト酸、ピロメリト酸等の3価以上のカルボン酸等。ポリオール樹脂としては、エポキシ樹脂と2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物、もしくはそのグリシジルエーテルとエポキシ基と反応する活性水素を分子中に1個有する化合物と、エポキシ樹脂と反応する活性水素を分子中に2個以上有する化合物を反応してなるものなどがある。
ポリエステル樹脂は、結晶性ポリエステルを用いても良い。結晶性を有し、分子量分布がシャープでかつその低分子量分の絶対量を可能な限り多くした脂肪族系ポリエステルであることが好ましい。この樹脂はガラス転移温度(Tg)において結晶転移を起こすと同時に、固体状態から急激に溶融粘度が低下し、紙への定着機能を発現する。この結晶性ポリエステル樹脂の使用により、樹脂のTgや分子量を下げ過ぎることなく低温定着化を達成することができる。そのため、Tg低下に伴なう保存性の低下はない。また、低分子量化に伴なう高すぎる光沢や耐オフセット性の悪化もない。したがってこの結晶性ポリエステル樹脂の導入は、トナーの低温定着性の向上に非常に有効である。
本発明のトナーおいて、低温定着性を発現し、耐ホットオフセット性を確保するためには、トナー中の樹脂および離型剤の合計量に対して、結晶性ポリエステルの含有量は1〜50重量%であり、離型剤の含有量は2〜15重量%であることが好ましい。結晶性ポリエステルの含有量が1重量%未満の場合は低温定着性に効果がなく、50重量%を超える場合はホットオフセット性が悪化する。離型剤含有量が2重量%未満の場合は、耐オフセット性に効果がない場合があり、15重量%を超える場合には、トナー流動性の低下が生じる。
樹脂は従来からカラートナーに用いられているポリエステル樹脂または/およびポリオール樹脂等がある。ポリエステル樹脂やポリオール樹脂は、従来多用されてきたスチレン−アクリル系樹脂よりも低温定着性に優れ、耐熱保存性も比較的良いため適している。しかし、ポリエステル樹脂やポリオール樹脂は、スチレン−アクリル系樹脂に比べると、離型剤の分散性が悪い。分散性が悪いと、粉砕時に樹脂とワックスの界面に粉砕応力が集中し易いため、樹脂と離型剤の界面で粉砕され易く、粉砕されたトナーの表面には添加した離型剤の割合以上に離型剤が露出して、トナーの流動性を悪くしていた。
前記結晶性ポリエステル樹脂の分子構造については、限定的でないが、ポリエステル樹脂の結晶性および軟化点の観点から、炭素数2〜6のジオール化合物、特に1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールおよびこれらの誘導体を含有するアルコール成分と、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、およびこれらの誘導体を含有する酸成分とを用いて合成される下記一般式(1)で表される結晶性ポリエステル
(式中、n、mは繰り返し単位の数であり、RおよびRは水素および炭化水素基よりなる群からそれぞれ独立して選ばれた基である。)
を含有することが好ましい。また、ポリエステル樹脂の結晶性および軟化点の観点から、非線状のポリエステルを合成するためにアルコール成分にグリセリン等の3価以上の多価アルコールを追加し、酸成分に無水トリメリット酸などの3価以上の多価カルボン酸を追加して縮重合を行っても良い。前記RやRは〔0016〕のB群で述べているとおり、水素やアルキル基、および芳香族基などの炭化水素基よりなる群から選ばれた基である。
結晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は耐熱保存性が悪化しない範囲で低いことが望ましく、80〜130℃の範囲にあることが好ましい。ガラス転移温度(Tg)が80℃未満の場合は耐熱保存性が悪化し、現像装置内部の温度でブロッキングが発生しやすくなり、130℃を超えるの場合には定着下限温度が高くなるため低温定着性が得られなくなる。結晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、示差熱分析装置(DSC)による2nd昇温時の吸熱ピーク温度である。
本発明で用いる顔料としては以下のものが用いられるが、顔料のうちの少なくとも1種類がFe酸化物及びTi酸化物からなる金属酸化物である。
黒色顔料としては、カーボンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、アニリンブラック等のアジン系色素、金属塩アゾ色素、金属酸化物、複合金属酸化物が挙げられる。
金属酸化物顔料としてはFe酸化物及びTi酸化物からなる金属酸化物,Gd酸化物やFe酸化物からなる金属酸化物,Mn酸化物及びFe酸化物からなる金属酸化物等を用いる。これらの金属酸化物はスピネル構造をしており、基本的には下式の組成からなる。
(AO)・Fe
(A:Ti、Gd、Mn、Feよりなる群から選ばれた元素である)
しかし、実際には反応が不充分だったりして、粒界にTi酸化物、Gd酸化物、Mn酸化物、Fe酸化物等が偏析するような形で存在していることが多いが、その場合でも本材料として使用することができる。
Fe酸化物及びTi酸化物からなる金属酸化物の場合には、FeOやTiOの量を増すことにより非磁性化し、黒色顔料として用いる。
(AO)x・(Fe2−x
(A:TiまたはFe)
上式においては、1≦X<2の条件を満たす必要がある。作製法は以下のようにした。
Ti酸化物、Fe酸化物を秤量し、ボールミルを用いて混合する。次に電気炉等により600〜1000℃で2〜5時間仮焼し、その仮焼物をボールミルに投入し、粉砕した。得られた粉末を粉末プレス機にて圧力成形して板状にし、この成形物を電気炉等にて1100〜1300℃で2〜5時間焼成した。この焼成物をカッターで切断し、粗粉砕、微粉砕し、分級機により所定の粒度に分級して、Ti酸化物とFe酸化物からなる金属酸化物の粒子を得た。
Ti酸化物とFe酸化物からなる金属酸化物粒子の平均粒径は0.01〜0.2μmである。Ti酸化物とFe酸化物からなる金属酸化物粒子の平均粒径が0.01μmより小さい場合には凝集等が生じやすく適しておらず、0.2μmより大きい場合には着色力が低下して適していない。
Fe酸化物及びGd酸化物からなる金属酸化物の場合には
GdxFe(3−x)
(式中、0.25≦x≦2である。)
Gd組成が0.5より少ない場合には、強い磁気特性を持つようになり、粒子同士が凝集しやすくなり、高画質には適していない。Gd組成が2より大きくなるとスピネル構造がこわれ、安定した材料が得られなくなる。
本発明の特徴は、Gd組成に応じて磁気特性が変化するため、1成分用の磁性トナーから1成分、2成分用の非磁性トナーの両方の作製が可能である。Gd組成が増えるにつれて磁気特性は低下し、強磁性から非磁性に変化する。磁性トナーとして用いる場合にはGd組成xが0.25≦x<0.5である必要がある。非磁性トナーとして用いる場合には、0.5≦x≦2である必要がある。Gd酸化物とFe酸化物からなる金属酸化物の作製法としては、以下のような方法などがある。
Gd酸化物、Fe酸化物を秤量し、ボールミルを用いて混合する。次に電気炉等により600〜1000℃で2〜5時間仮焼し、その仮焼物をボールミルに投入し、粉砕した。得られた粉末を粉末プレス機にて圧力成形して板状にし、この成形物を電気炉等にて1100〜1300℃で2〜5時間焼成した。この焼成物をカッターで切断し、粗粉砕、微粉砕し、分級機により所定の粒度に分級して、Gd酸化物とFe酸化物からなる金属酸化物の粒子を得た。
Gd酸化物とFe酸化物からなる金属酸化物粒子の平均粒径は0.01〜0.2μmである。Gd酸化物とFe酸化物からなる金属酸化物粒子の平均粒径が0.01μmより小さい場合には凝集等が生じやすく適しておらず、0.2μmより大きい場合には着色力が低下して適していない。
Gd酸化物は安定した材料であり、人体にも安全であることがわかっており、医療用に用いられたりしている。そのため、Gd酸化物とFe酸化物からなる金属酸化物は全く人体には安全な材料である。
また、これらの材料に下記式で示される第3添加物を添加しても良い。
Gdx(Fe1−y3−x
(式中、0.25≦x≦2,0≦y≦0.5である。)
第3添加物は、磁気特性が強すぎる場合に添加したり、耐久性を補強する場合などに添加したりする。添加剤量は、上式中のy量に相当する。添加量を多くすると分離相が出来たりして、構造的に安定な材料を作製することが難しくなる。そのため、添加量yは0.5以下にする必要がある。
静電荷現像用トナーにおいては、良好な顔料の均一分散が必須となり、顔料を直接大量の樹脂中に投入するのではなく、一度高濃度に顔料を分散させたマスターバッチを作製し、それを希釈する形で投入する方式が用いられている。この場合、一般的には、分散性を助けるために溶剤が使用されていたが、環境等の問題があり、本発明では水を使用して分散させた。水を使用する場合、マスターバッチ中の残水分が問題にならないように、温度コントロールが重要になる。
本発明の静電荷現像用トナーには電荷制御剤をトナー粒子内部に配合(内添)してもよいが、場合によりトナー粒子と混合(外添)して用いても良いし、内添と外添を併用しても良い。表面に付着または固着させる場合は平均粒径20〜200nmの電荷制御剤である必要がある。電荷制御剤によって、現像システムに応じた最適の電荷量コントロールが可能となる。
トナー粒子を正電荷性に制御するものとして、ニグロシンおよび四級アンモニウム塩、トリフェニルメタン系染料、イミダゾール金属錯体や塩類を、単独あるいは2種類以上組み合わせて用いることができる。また、トナー粒子を負電荷性に制御するものとしてサリチル酸金属錯体や塩類、有機ホウ素塩類、カリックスアレン系化合物等が用いられる。
また、本発明における静電化現像用トナーには定着時のオフセット防止のために離型剤を内添することが可能である。離型剤としては、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックスなどの天然ワックス、モンタンワックスおよびその誘導体、パラフィンワックスおよびその誘導体、ポリオレフィンワックスおよびその誘導体、サゾールワックス、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキルリン酸エステル等がある。これら離型剤の融点は65〜90℃であることが好ましい。この範囲より低い場合には、トナーの保存時のブロッキングが発生しやすくなり、この範囲より高い場合には定着ローラー温度が低い領域でオフセットが発生しやすくなる場合がある。
離型剤等の分散性を向上させるなどの目的のために、離型剤分散用添加剤を加えても良い。離型剤分散用添加剤としては、スチレンアクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、スチレンメタクリレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレンブタジエン樹脂、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、テルペン樹脂、ポリオール樹脂等があり、それぞれの樹脂を2種以上混合した物でも良い。
また、本トナー粒子に粉砕性を向上させるために粉砕助剤を含ませても良い。本材料としては、ビニルトルエン、α−メチルスチレンおよびイソプロペニルトルエンからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマーの重合体を含む樹脂等である。本重合体はビニルトルエン、α−メチルスチレンまたはイソプロペニルトルエンの単独重合体であってもよいし、これらのモノマー同志の共重合体であってもよい。これらの重合体にはスチレン以外の他のモノマーが共重合されていないのが好ましいが、本発明の目的を損なわない範囲でスチレン以外の他のモノマーが共重合されていてもよい。
スチレンの含有量は共重合体を構成する全モノマーに占めるスチレンの割合として50モル%以下、好ましくは40〜20モル%であることが望ましい。これらの樹脂は脆いために、結晶性ポリエステルと組み合わせて使用すると、結晶性ポリエステルの結晶性に起因する不十分な粉砕性を向上させることが出来る。
本発明に係るトナー粒子を作製する方法としては、粉砕法、重合法(懸濁重合、乳化重合分散重合、乳化凝集、乳化会合等)等があるが、これらの作製法に限るものではない。
粉砕法の一例としては、まず、前述した樹脂、着色剤としての顔料または染料、電荷制御剤、離型剤、その他の添加剤等をヘンシェルミキサーの如き混合機により充分に混合した後、バッチ式の2本ロール、バンバリーミキサーや連続式の2軸押出し機、連続式の1軸混練機等の熱混練機を用いて構成材料をよく混練し、圧延冷却後、切断を行なう。このようにして得られたトナー混練物の分散性を本評価法を用いて評価する。この場合、抜き取り検査で、試料を直接図1に示す評価装置の試料ホルダーに取付け測定を行なう。スキャン角度2θは10deg〜40degの範囲で変化して測定する。測定回数は2回とし、その平均値で評価する。その後、切断後のトナー混練物は破砕を行ない、ハンマーミル等を用いて粗粉砕し、更にジェット気流を用いた微粉砕機や機械式粉砕機により微粉砕し、旋回気流を用いた分級機やコアンダ効果を用いた分級機により所定の粒度のトナー粒子に分級する。その後、混合機により無機粒子などからなる添加剤をトナー粒子表面に付着もしくは固着させる。
X線回折パターンにおいて、2θ(θ:ブラッグ角度)=32.9±0.5degの範囲内にあるピーク積分強度は、樹脂や顔料等からなるトナー混練物の分散状態と相関があり、ピーク積分強度の変化を評価することによりトナー混練物の分散状態変化を調べることができる。つまり、トナー混練物中にFe酸化物及びTi酸化物からなる金属酸化物が細かく均一に分散している場合には、個々の微粒子がランダムに配向しているためにブラッグ反射強度が小さくなり、トナー混練物中にFe酸化物及びTi酸化物からなる金属酸化物が粗く大きなクラスターのような状態で不均一に分散している場合には、そのクラスターからの規則的な配向による大きいブラッグ反射強度が得られる。
X線回折を用いた評価法の特徴は、以下のようになり、非破壊で迅速に評価でき、簡単に測定できるため、個人差の無い測定が出来ることにある。
(i)非破壊分析ができる。
(ii)非接触分析ができる。
(iii)試料をそのまま測定できる。
そのため、オンライン計測も可能であり、製造工程の中での各工程間に設置して、工程途中での品質評価ができる。例えば、図3のように混練・圧延冷却工程を経た後、次工程へ混練試料を搬送する途中に、試料を抜取り測定室やX線回折測定装置などの測定ゾーンを設けておき、あるタイミングでシャッターを開閉して、一定量の試料を測定部へ搬送する。その測定部の試料室の内部の試料ホルダーに試料を取付け、そのトナー試料にX線を照射し、反射光を検出して、2θ=32.9±0.5degの範囲内にあるピーク積分強度を測定する。測定が終了したら、その試料は別の経路で元の試料の中に戻す。評価の結果、その数値が予め定めた設定範囲を外れていた場合、試料を粉砕工程へは回さず、トナーの再処理工程へ回す。また、これらの機能をもったトナー評価装置を単独に開発段階の評価装置として使うことも可能である。
トナー混練物の場合、図4に示すようにスキャン角度2θ=10deg〜50degの範囲に何本かの回折ピークが表れる。これらの回折ピークはトナー混練物を構成している物質(特に、結晶構造をもつ物質)固有のピークであり、その回折ピーク位置(2θ)での回折ピークのピーク積分強度変化を調べる。トナー混練物を構成するFe酸化物及びTi酸化物からなる金属酸化物の回折角度2θは、33deg付近,35.5deg付近,40.5deg付近、49deg付近,53.5deg付近に存在する。そのどちらの回折ピークを用いても良いが、ピーク強度が大きく、感度の高い33deg付近の回折ピークを用いて評価するようにした。但し、評価にはどの回折ピークを用いても良いし、全体の回折パターンを用いても良い。
トナー混練物の分散状態は、粉体の流動性と密接な関係があり、トナー混練物の分散性が良い場合には、流動性を阻害する金属酸化物、結晶性PESや離型剤が細かい状態でトナー粒子の中に存在しているため、トナー粒子表面に大きく存在することは無く、1個1個の粉体粒子が動きやすいために流動性は良くなる。つまり、トナー粒子の搬送性が良くなるので、細かい現像部での再現性等が良くなり、高画質を実現できる。逆にトナー混練物の分散性が悪い場合には、流動性を阻害する金属酸化物、結晶性PESや離型剤がトナー粒子表面に大きな塊の一部として存在することが多く、1個1個の粉体粒子が動きにくくなるため、流動性は悪くなる。そのため、トナーの現像部での搬送性が悪くなり、画質低下が生じる。前述したように、本発明の評価法では、以下のような関係で分散性を評価出来る。
分散性が良い場合→トナー混練物のX線回折パターンにおいて、2θ=32.9±0.5degの範囲内にあるX線回折ピーク積分強度は小さくなる。
分散性が悪い場合→トナー混練物のX線回折パターンにおいて、2θ=32.9±0.5degの範囲内にあるX線回折ピーク積分強度は大きくなる。
トナー混練物の分散性は、トナー作製工程の中の混練工程によりほとんど決まる。つまり、顔料や電荷制御剤などを樹脂の中に分散させる状態によって、その後の工程でできるトナー粒子の流動性や帯電特性などが大きく変化する。
トナー混練物の分散状態は、混練工程での混練条件(仕込み量、回転数、温度、混練時間等)によって変化する。そのため、分散性には混練条件が重要な役割を果たし、混練工程後の分散性の評価が重要となる。
トナー混練物の分散性をX線回折を用いた本方式により評価し、ドット再現性との関係を調べた結果、ドット再現性が良いトナーは、「2θ=32.9±0.5degの範囲内にあるX線回折ピークのピーク積分強度が、1000〜15000counts好ましくは7000〜14000counts、とくに好ましくは8000〜13000countsである。」ということが分かった。
2θ=32.9±0.5degの範囲内にあるX線回折ピークのピーク積分強度が、1000counts未満では、トナーの分散性以外の帯電特性等が悪くなり画質低下が生じ、15000countsより大きくなれば分散性が低下し、画像濃度が低下し、トナー流動性が悪くなり、画質低下が生じる。
なお、2θ=35〜36deg付近の回折ピークを用いて評価するようにしても良いし、全体の回折パターンを用いても良い。
混練工程後、切断後のトナー混練物は破砕を行ない、ハンマーミル等を用いて粗粉砕し、更にジェット気流を用いた微粉砕機や機械式粉砕機により微粉砕し、旋回気流を用いた分級機やコアンダ効果を用いた分級機により所定の粒度に分級する。その後、混合機により無機粒子などからなる添加剤を粒子表面に付着もしくは固着させる。さらに250メッシュ以上の篩を通過させ、粗大粒子、凝集粒子を除去し本発明のトナー粒子を得る。
高画質を実現するためには静電荷現像用トナーの平均円形度が0.9〜0.99である必要がある。トナー粒子の形も非常に静電荷現像用トナーの流動性に影響を与え、平均円形度が0.9〜0.99の範囲に入っている球に近いものは静電荷現像用トナーの流動性に優れ、高画質を実現できる。なお、トナー粒子の円形度はフロー式粒子像分析装置FPIA−1000(東亜医用電子株式会社)により平均円形度として計測した。
また、本評価法は他の重合法などで作製した粒子の分散性の評価にも使える。
例えば、本発明のトナー混練物はつぎのようにして製造できる。例えば、有機溶媒中に少なくとも、イソシアネート基を含有するポリエステル系プレポリマーが溶解し、顔料系着色剤が分散し、離型剤が溶解ないし分散している油性分散液を水系媒体中に無機微粒子及び/又はポリマー微粒子の存在下で分散させるとともに、この分散液中で該プレポリマーをポリアミン及び/又は活性水素含有基を有するモノアミンと反応させてウレア基を有するウレア変性ポリエステル系樹脂を形成させ、このウレア変性ポリエステル系樹脂を含む分散液からそれに含まれる液状媒体を除去することにより得られる。
ウレア変性ポリエステル系樹脂において、そのTgは40〜65℃、好ましくは45〜60℃である。その数平均分子量Mnは2500〜50000、好ましくは2500〜30000である。その重量平均分子量Mwは1万〜50万、好ましくは3万〜10万である。
このトナーは、該プレポリマーと該アミンとの反応によって高分子量化されたウレア結合を有するウレア変性ポリエステル系樹脂をバインダー樹脂として含む。そして、そのバインダー樹脂中には着色剤が高分散している。
得られた乾燥後のトナー粒子粉体を風力分級し、上記最適な混合条件により混合機により無機微粒子などからなる添加剤を粒子表面に付着もしくは固着させる。また、電荷制御剤を乾燥後のトナー粉体表面に打込んで、固着注入させても良い。さらにその後、無機微粒子などからかる添加剤を粒子表面に付着もしくは固着させても良い。電荷制御剤を表面に打込むことにより、トナーの帯電量の制御がしやすくなる。
混合したり、固着注入したりする具体的手段としては、高速で回転する羽根によって粉体混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に粉体混合物を投入し、加速させ、粒子同士または複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などがある。装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して、粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などがあげられる。
これらの場合には、造粒後の検査等に適用できる。
さらに本発明の静電荷現像用トナーを2成分現像剤として使用する場合は、後述する磁性キャリアと所定の混合比率で混合することによって2成分現像剤とする。
本発明の静電荷現像用トナーは、接触または非接触現像方式に使用する1成分または2成分現像剤として用いる。接触または非接触現像方式は色々な公知のものが使用される。例えば、アルミスリーブを用いた接触現像法、導電性ゴムベルトを用いた接触現像法、アルミ素管の表面にカーボンブラック等を含む導電性樹脂層を形成した現像スリーブを用いる非接触現像法等がある。また、本発明の静電荷現像用トナーを用いた現像時にACバイアス電圧成分を印加すると、現像効率が向上し、画像特性が向上する。
また、1成分現像方式において、トナー供給部の出口にトナー層を均一にするためのローラー状のブレードやトナーを供給するための供給ローラを設けた現像方式に、本発明の静電荷現像用トナーを用いることを特徴とする。このような方式の場合には、感光体へのフィルミングだけではなく、ドクターローラや供給ローラへのフィルミングが発生する。このため、トナー層が均一に形成できないばかりかトナー帯電が不均一になり、トナー電荷量も小さくなる。このため現像不良が生じる。
しかし本発明の静電荷現像用トナーを用いると、ドクターローラや供給ローラへのフィルミングは発生せず、安定した現像が行なわれ、耐久特性に優れた方式となる。(図5参照)
本発明の静電荷現像用トナーは流動性に優れているため、カートリッジ容器に入れて保管することが十分可能であり、カートリッジ容器から現像部へトナー搬送するような構成の装置にも適している。
カートリッジ容器としては、静電荷現像用トナーを充填するトナーカートリッジと、少なくとも感光体と現像手段を具備し、現像手段のトナー収容部に静電荷現像用トナーを充填するプロセスカートリッジとを挙げることができ、通常これらのトナーカートリッジ又はプロセスカートリッジを画像形成装置に装着して、画像形成が行なわれる。
また、磁性トナーとする場合には、トナー粒子の中に磁性体の微粒子を内添すれば良い。磁性体としては、フェライト、マグネタイト、鉄、ニッケル、コバルト、それらの合金などの強磁性体等が考えられる。磁性体の平均粒径は0.1〜1μmが好ましい。磁性体の含有量はトナー100重量部に対して、10から70重量部であることが好ましい。
2成分現像剤に使用されるキャリアとしては公知のものが使用可能であり、例えば鉄粉、フェライト粉、ニッケル粉、マグネタイト粉の如き磁性粒子あるいはこれら磁性粒子の表面をフッ素系樹脂、ビニル系樹脂、シリコーン系樹脂等で処理したもの、あるいは磁性粒子が樹脂中に分散されている磁性粒子分散樹脂粒子等が挙げられる。これら磁性キャリアの平均粒径は20〜70μmが良い。20μm以下ではキャリア粒子の感光体上への付着など生じやすく、トナーとの撹拌効率が悪くなり、トナーの均一な帯電が得られにくくなる。また、70μmをこえた場合には、細かい画像再現性が悪化する。
また、前述したように本発明の2成分現像剤は流動性向上剤として無機微粉体をトナーに添加(外添)して用いることが可能である。無機微粉体の平均粒径は20〜200nmが好ましく、20nm未満になると処理制御が難しくなり、200nmより大きくなると流動性を悪くする。
本発明の無機微粉体としてはSi、Ti、Al、Mg、Ca、Sr、Ba、In、Ga、Ni、Mn、W、Fe、Co、Zn、Cr、Mo、Cu、Ag、V、Zr等の酸化物や複合酸化物が挙げられる。これらのうち二酸化珪素(シリカ)、二酸化チタンチタニア)、アルミナの微粒子が好適に用いられる。
無機微粉体はトナーに対して0.1〜2重量%使用されるのが好ましい。0.1重量%未満では、トナー凝集を改善する効果が乏しくなり、2重量%を超える場合は、細線間のトナー飛び散り、機内の汚染、感光体の傷や摩耗等の問題が生じやすい傾向がある。
さらに、疎水化処理剤等により表面改質処理することが有効である。疎水化処理剤の代表例としては以下のものが挙げられる。
ジメチルジクロルシラン、トリメチルクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルジクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、p−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、クロルメチルトリクロルシラン、ヘキサフェニルジシラザン、ヘキサトリルジシラザン等。
また、本発明の現像剤には、実質的な悪影響を与えない範囲内で更に他の添加剤、例えばテフロン(登録商標)粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末の如き滑剤粉末;あるいは酸化セリウム粉末、炭化珪素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末などの研磨剤;あるいは例えばカーボンブラック粉末、酸化亜鉛粉末、酸化スズ粉末等の導電性付与剤を現像性向上剤として少量用いることもできる。
(1)トナー混練物の分散性を、波長1.54ÅのX線(CuKα線)を照射して、その2θ=32.9±0.5degの範囲内にある回折ピークのピーク積分強度を測定し、そのピーク積分強度の違いにより、速く、精度良く、個人差の無い測定ができる測定方法を開発した。(2)この測定方法を活用して作った本発明の静電荷現像用トナーを用いると画像濃度が高く、ドット再現性の良い高画質製品が得られる。(3)本発明により人体にやさしいトナーを安定して生産できるようにした。
以下、実施例を説明するが、これは本発明をなんら限定するものではない。なお、今回は組成および混練条件を変化したトナーを作製し、トナー分散性として本評価法を用いて評価(評価条件を以下に示す。)し、画像濃度及びドット再現性を画像のザラツキ感として5段階評価(ランク1:悪い→ランク5:良い)した。また、2万枚のランニング耐久試験を行ない、現像部でのブロッキング等のトナー搬送性の不具合点を評価した。不具合点の無かった場合を○、不具合点のあった場合を×として評価した。
・X線源:CuKα線
・管電圧:40kV
・管電流:40mA
・スキャン角度2θ:10〜50deg
・スキャン速度:2deg/min
なお、以下の配合における部数は全て重量部である。
実施例1
樹脂 ポリエステル樹脂 90部
結晶性ポリエステル樹脂 10部
(Tg=110℃)
顔料 (Ti−O)・Fe 25部
帯電制御剤 サルチル酸亜鉛塩 5部
離型剤 低分子量ポリエチレン 5部
上記原材料をミキサーで十分に混合した後、2軸押出し機により以下の条件で溶融混練した。
混練温度 :125℃
混練回転数:80rpm
その後、混練物を圧延冷却後カッターミルで粗粉砕し、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕後、旋回式風力分級装置を用いて、重量平均粒径が6.5μmの粒度分布に分級した。このようにして得られたトナー粒子(母体着色粒子)100部に対して、以下の混合条件にて添加剤を混合し、静電荷現像用トナーを作製した。
添加剤 シリカ微粉末(20nm) 1.2部
酸化チタン微粉末(60nm) 0.3部
混合回転数 800rpm
混合時間 120sec
混合機 スーパーミキサー
一方、本トナー混練物のX線回折測定を行ない、2θ=32.9±0.5degの範囲内にあるピークのピーク積分強度の値を求めた結果、表1のようになった。また、得られた静電荷現像用トナーを潜像担持体がOPCドラム感光体でクリーニング方式がブレードクリーニングである複写機にセットし、画像評価およびランニング実験を行なった。その結果を表1に示す。本トナー粒子の平均円形度は0.93であった。
実施例2
実施例1と同様の原材料をミキサーで十分に混合した後、2軸押出し機により以下の条件で溶融混練した。
混練温度 :125℃
混練回転数:120rpm
その後、混練物を圧延冷却後カッターミルで粗粉砕し、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕後、旋回式風力分級装置を用いて、重量平均粒径が6.5μmの粒度分布に分級した。このようにして得られたトナー粒子(母体着色粒子)100部に対して、以下の混合条件にて添加剤を混合し、静電荷現像用トナーを作製した。
添加剤 シリカ微粉末(20nm) 1.2部
酸化チタン微粉末(60nm) 0.3部
混合回転数 800rpm
混合時間 120sec
混合機 スーパーミキサー
一方、本トナー混練物のX線回折測定を行ない、2θ=32.9±0.5degの範囲内にあるピークのピーク積分強度の値を求めた結果、表1のようになった。また、得られた静電荷現像用トナーを潜像担持体がOPCドラム感光体でクリーニング方式がブレードクリーニングである複写機にセットし、画像評価およびランニング実験を行なった。その結果を表1に示す。本トナー粒子の平均円形度は0.93であった。
実施例3
実施例1と同様の原材料をミキサーで十分に混合した後、2軸押出し機により以下の条件で溶融混練した。
混練温度 :90℃
混練回転数:160rpm
その後、混練物を圧延冷却後カッターミルで粗粉砕し、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕後、旋回式風力分級装置を用いて、重量平均粒径が6.5μmの粒度分布に分級した。このようにして得られたトナー粒子(母体着色粒子)100部に対して、以下の混合条件にて添加剤を混合し、静電荷現像用トナーを作製した。
添加剤 シリカ微粉末(20nm) 1.2部
酸化チタン微粉末(60nm) 0.3部
混合回転数 800rpm
混合時間 120sec
混合機 スーパーミキサー
一方、本トナー混練物のX線回折測定を行ない、2θ=32.9±0.5degの範囲内にあるピークのピーク積分強度の値を求めた結果、表1のようになった。また、得られた静電荷現像用トナーを潜像担持体がOPCドラム感光体でクリーニング方式がブレードクリーニングである複写機にセットし、画像評価およびランニング実験を行なった。その結果を表1に示す。本トナー粒子の平均円形度は0.93であった。
実施例4
実施例1と同様の原材料をミキサーで十分に混合した後、2軸押出し機により以下の条件で溶融混練した。
混練温度 :125℃
混練回転数:160rpm
その後、混練物を圧延冷却後カッターミルで粗粉砕し、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕後、旋回式風力分級装置を用いて、重量平均粒径が6.5μmの粒度分布に分級した。このようにして得られたトナー粒子(母体着色粒子)100部に対して、以下の混合条件にて添加剤を混合し、静電荷現像用トナーを作製した。
添加剤 シリカ微粉末(20nm) 1.2部
酸化チタン微粉末(60nm) 0.3部
混合回転数 800rpm
混合時間 120sec
混合機 スーパーミキサー
一方、本トナー混練物のX線回折測定を行ない、2θ=32.9±0.5degの範囲内にあるピークのピーク積分強度の値を求めた結果、表1のようになった。また、得られた静電荷現像用トナーを潜像担持体がOPCドラム感光体でクリーニング方式がブレードクリーニングである複写機にセットし、画像評価およびランニング実験を行なった。その結果を表1に示す。本トナー粒子の平均円形度は0.93であった。
比較例1
実施例1と同様の原材料をミキサーで十分に混合した後、2軸押出し機により以下の条件で溶融混練した。
混練温度 :160℃
混練回転数:160rpm
その後、混練物を圧延冷却後カッターミルで粗粉砕し、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕後、旋回式風力分級装置を用いて、重量平均粒径が6.5μmの粒度分布に分級した。このようにして得られたトナー粒子(母体着色粒子)100部に対して、以下の混合条件にて添加剤を混合し、静電荷現像用トナーを作製した。
添加剤 シリカ微粉末 1.2部
酸化チタン微粉末 0.3部
混合回転数 800rpm
混合時間 120sec
混合機 スーパーミキサー
一方、本トナー混練物のX線回折測定を行ない、2θ=32.9±0.5degの範囲内にあるピークのピーク積分強度の値を求めた結果、表1のように本発明の規定外のものであった。また、得られた静電荷現像用トナーを潜像担持体がOPCドラム感光体でクリーニング方式がブレードクリーニングである複写機にセットし、画像評価およびランニング実験を行なった。その結果を表1に示す。
実施例5
樹脂 ポリエステル樹脂 80部
結晶性ポリエステル樹脂 20部
(Tg=110℃)
顔料 (Ti−O)・Fe 25部
帯電制御剤 サルチル酸亜鉛塩 5部
離型剤 低分子量ポリエチレン 5部
上記原材料をミキサーで十分に混合した後、2軸押出し機により以下の条件で溶融混練した。
混練温度 :125℃
混練回転数:80rpm
その後、混練物を圧延冷却後カッターミルで粗粉砕し、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕後、旋回式風力分級装置を用いて、重量平均粒径が6.5μmの粒度分布に分級した。このようにして得られたトナー粒子(母体着色粒子)100部に対して、以下の混合条件にて添加剤を混合し、静電荷現像用トナーを作製した。
添加剤 シリカ微粉末(20nm) 1.2部
酸化チタン微粉末(60nm) 0.3部
混合回転数 800rpm
混合時間 120sec
混合機 スーパーミキサー
一方、本トナー混練物のX線回折測定を行ない、2θ=32.9±0.5degの範囲内にあるピークのピーク積分強度の値を求めた結果、表1のようになった。
上記作製法で得られた静電荷現像用トナーとキャリアをキャリア97.5部に対し、2.5部の割合で混合し、2成分現像剤を作製した。得られた現像剤を潜像担持体がOPCドラム感光体でクリーニング方式がブレードクリーニングである複写機にセットし、画像評価およびランニング実験を行なった。その結果を表1に示す。本トナー粒子の平均円形度は0.93であった。
実施例6
実施例5と同様の原材料をミキサーで十分に混合した後、2軸押出し機により以下の条件で溶融混練した。
混練温度 :125℃
混練回転数:120rpm
その後、混練物を圧延冷却後カッターミルで粗粉砕し、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕後、旋回式風力分級装置を用いて、重量平均粒径が6.5μmの粒度分布に分級した。このようにして得られたトナー粒子(母体着色粒子)100部に対して、以下の混合条件にて添加剤を混合し、静電荷現像用トナーを作製した。
添加剤 シリカ微粉末(20nm) 1.2部
酸化チタン微粉末(60nm) 0.3部
混合回転数 800rpm
混合時間 120sec
混合機 スーパーミキサー
一方、本トナー混練物のX線回折測定を行ない、2θ=32.9±0.5degの範囲内にあるピークのピーク積分強度の値を求めた結果、表1のようになった。
上記作製法で得られた静電荷現像用トナーとキャリア(65μm)をキャリア97.5部に対し、2.5部の割合で混合し、2成分現像剤を作製した。得られた現像剤を潜像担持体がOPCドラム感光体でクリーニング方式がブレードクリーニングである複写機にセットし、画像評価およびランニング実験を行なった。その結果を表1に示す。本トナー粒子の平均円形度は0.93であった。
実施例7
実施例5と同様の原材料をミキサーで十分に混合した後、2軸押出し機により以下の条件で溶融混練した。
混練温度 :90℃
混練回転数:160rpm
その後、混練物を圧延冷却後カッターミルで粗粉砕し、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕後、旋回式風力分級装置を用いて、重量平均粒径が6.5μmの粒度分布に分級した。このようにして得られたトナー粒子(母体着色粒子)100部に対して、以下の混合条件にて添加剤を混合し、静電荷現像用トナーを作製した。
添加剤 シリカ微粉末(20nm) 1.2部
酸化チタン微粉末(60nm) 0.3部
混合回転数 800rpm
混合時間 120sec
混合機 スーパーミキサー
一方、本トナー混練物のX線回折測定を行ない、2θ=32.9±0.5degの範囲内にあるピークのピーク積分強度の値を求めた結果、表1のようになった。
上記作製法で得られた静電荷現像用トナーとキャリア(65μm)をキャリア97.5部に対し、2.5部の割合で混合し、2成分現像剤を作製した。得られた現像剤を潜像担持体がOPCドラム感光体でクリーニング方式がブレードクリーニングである複写機にセットし、画像評価およびランニング実験を行なった。その結果を表1に示す。本トナー粒子の平均円形度は0.93であった。
実施例8
実施例5と同様の原材料をミキサーで十分に混合した後、2軸押出し機により以下の条件で溶融混練した。
混練温度 :125℃
混練回転数:160rpm
その後、混練物を圧延冷却後カッターミルで粗粉砕し、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕後、旋回式風力分級装置を用いて、重量平均粒径が6.5μmの粒度分布に分級した。このようにして得られたトナー粒子(母体着色粒子)100部に対して、以下の混合条件にて添加剤を混合し、静電荷現像用トナーを作製した。
添加剤 シリカ微粉末(20nm) 1.2部
酸化チタン微粉末(60nm) 0.3部
混合回転数 800rpm
混合時間 120sec
混合機 スーパーミキサー
一方、本トナー混練物のX線回折測定を行ない、2θ=32.9±0.5degの範囲内にあるピークのピーク積分強度の値を求めた結果、表1のようになった。
上記作製法で得られた静電荷現像用トナーとキャリア(65μm)をキャリア97.5部に対し、2.5部の割合で混合し、2成分現像剤を作製した。得られた現像剤を潜像担持体がOPCドラム感光体でクリーニング方式がブレードクリーニングである複写機にセットし、画像評価およびランニング実験を行なった。その結果を表1に示す。本トナー粒子の平均円形度は0.93であった。
比較例2
実施例5と同様の原材料をミキサーで十分に混合した後、2軸押出し機により以下の条件で溶融混練した。
混練温度 :160℃
混練回転数:160rpm
その後、混練物を圧延冷却後カッターミルで粗粉砕し、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕後、旋回式風力分級装置を用いて、重量平均粒径が6.5μmの粒度分布に分級した。このようにして得られたトナー粒子(母体着色粒子)100部に対して、以下の混合条件にて添加剤を混合し、静電荷現像用トナーを作製した。
添加剤 シリカ微粉末 1.2部
酸化チタン微粉末 0.3部
混合回転数 800rpm
混合時間 120sec
混合機 スーパーミキサー
一方、本トナー混練物のX線回折測定を行ない、2θ=32.9±0.5degの範囲内にあるピークのピーク積分強度の値を求めた結果、表1のように本発明の規定外のものであった。
上記作製法で得られた静電荷現像用トナーとキャリアをキャリア97.5部に対し、2.5部の割合で混合し、2成分現像剤を作製した。得られた現像剤を潜像担持体がOPCドラム感光体でクリーニング方式がブレードクリーニングである複写機にセットし、画像評価およびランニング実験を行なった。その結果を表1に示す。
表1の結果から分かるように、トナー混練物の2θ=32.9±0.5degの範囲内にあるX線回折ピークのピーク積分強度とドット再現性およびランニング特性との間に相関があり、図2の結果を参的しても、ドット再現性の良い高画質を得るために必要な、分散性の良いトナーを得るためには、2θ=32.9±0.5degの範囲内にあるX線回折ピークのピーク積分強度が、1000〜15000countsのものであることが必要である。ピーク積分強度が大きい場合にはドット再現性およびランニング特性とも悪くなるといえる。
本発明に用いるトナー混練物の評価方法に用いる1つの測定装置の概略図を示す。 波長1.54ÅのX線に照射し、2θ=32.9±0.5degの範囲内にあるX線回折パターンのピーク積分強度とサラツキ感を通したドット再現性との関係を示す図である。 本発明の評価方法を利用したトナー製造装置の1例を示すモデル図である。 本発明の1つのトナー混練物が示すX線回析パターンを示す図である。 本実施例で用いた現像装置の概略図である。

Claims (15)

  1. 少なくとも樹脂、顔料からなるトナー混練物に波長1.54ÅのX線(CuKα線)を照射し、2θ(θ:ブラッグ角度)=32.9±0.5degの範囲内にあるX線回折パターンのピークのピーク積分強度を測定し、そのピーク積分強度によりトナー混練物の分散性を評価することを特徴とする静電荷現像用トナーの評価方法。
  2. 前記トナー混練物が顔料としてFe酸化物およびTi酸化物を含むものである請求項1記載の静電荷現像用トナーの評価方法。
  3. 請求項1または2記載の評価方法により得られたピーク積分強度の値が1000〜15000countsであるトナー混練物を用いたことを特徴とする静電荷現像用トナー。
  4. トナー粒子の重量平均粒径が4〜8μmである請求項3記載の静電荷現像用トナー。
  5. トナー粒子の平均円形度が0.9〜0.99である請求項3または4記載の静電荷現像用トナー。
  6. トナー粒子に外添する成分の粒子は平均粒径20〜200nmのものである請求項3〜5いずれか記載の静電荷現像用トナー。
  7. 樹脂の少なくとも1種類が、下記一般式(1)
    (式中、n、mは繰り返し単位の数であり、RおよびRは水素および炭化水素基よりなる群からそれぞれ独立して選ばれた基である。)
    で示される結晶性ポリエステルである請求項3〜6いずれか記載の静電荷現像用トナー。
  8. 請求項1または2記載のトナー混練物の評価方法を利用することを特徴とする静電荷現像用トナーの製造方法。
  9. トナー粒子製造用原料を混練、溶融するための手段、混練溶融物を圧延、冷却、粉砕する手段、粉砕されたトナー混練物の1部を抜きとる手段、他の粉砕されたトナー混練物をつぎの工程に供給する手段および前記1部抜きとったトナー混練物のX線回折パターンのピークのピーク積分強度を測定し、それによりトナー混練物の分散性を評価する手段を有することを特徴とする請求項3〜7いずれか記載の静電荷現像用トナーの製造装置。
  10. 請求項3〜7いずれか記載の静電荷現像用トナーが充填されていることを特徴とするトナーカートリッジまたはプロセスカートリッジ。
  11. 請求項3〜7いずれか記載の静電荷現像用トナーを用いて、接触または非接触現像を行うことを特徴とする1成分現像方法。
  12. ドクターローラおよび/または供給ローラを用いた請求項11記載の1成分現像方法。
  13. ACバイアス電圧成分を印加する請求項11または12記載の1成分現像方法。
  14. 請求項3〜7いずれか記載の静電荷現像用トナーと平均粒径20〜70μmのキャリアを用いて現像することを特徴とする2成分現像方法。
  15. ACバイアス電圧成分を印加する請求項14記載の2成分現像方法。
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