JP2006259140A - 静電荷現像用トナーの流動性評価方法、評価装置、それを利用して得られた静電荷現像用トナー、その製造方法、それを収容したカートリッジ容器およびそれを用いた現像方法 - Google Patents

静電荷現像用トナーの流動性評価方法、評価装置、それを利用して得られた静電荷現像用トナー、その製造方法、それを収容したカートリッジ容器およびそれを用いた現像方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 新規な流動性の精度の高い、個人差のない評価法および評価装置の提供、およびこの評価方法と評価装置を用いることにより、圧密状態が変化してもトナー搬送性に問題がなく、ドット再現性の良い高画質がいつでも得られるトナーを作製し、安定して生産できるようにする点。
【解決手段】 少なくとも樹脂、顔料からなる平均円形度が0.88〜0.95の粉状体の表面に添加剤を付着または固着させて得られた粉体を容器内に充填し、これを予め圧密状態にした後、容器内の粉体相中に円錐ロータを回転させながら侵入速度5mm/分で深さ20mmまでを侵入させたときに発生するトルクTと空間率εとの関係がT÷ε=−20〜−10mNmになるようにしたことを特徴とする静電荷現像用トナー。
【選択図】 なし

Description

本発明は、静電荷現像用トナーの流動性評価方法、評価装置、それを利用して得られた静電荷現像用トナー、その製造方法、それを収容したカートリッジ容器およびそれを用いた現像方法に関する。
複写機やプリンタなどの画質は、高画質化が進んでおり、最近では細かいドットの再現性が非常に重要になって来ている。このドットの再現性は、トナーや現像剤の帯電量などの他に流動性に非常に影響され、細かい潜像部に均一なトナー層または現像剤層を安定して供給すること、搬送することが必要になって来ている。特に、一成分現像方式においては、非常に薄い層を常に安定に現像ローラ上に設ける必要があり、トナーの流動性が重要となってきている。
また、高画質化が進むにつれて、それに用いられるトナーにおいては、小粒径化、高機能化が進んでいる。そのため、トナーの構造が複雑になってきており、従来より細かい作製時の制御が必要となってきている。特に、トナーの流動性はドット再現性の他に種々の画像品質に影響を与えるため、評価の面では個人差のない、精度の高い評価法が必要とされている。
また、トナーの作製法が粉砕方式から重合法等の他の方式に変化したとき、製造条件に対しての流動特性の変化が大きく、粉砕方式の場合に比較して、細かい作製時のコントロールおよび評価が必要となっている。
さらに、トナーの低温定着化や定着のオイルレス化が進んでくるとともに、トナーの母体組成や構造が複雑になり、トナーの流動性にも影響を及ぼすようになる。そのため、従来よりも精度の高い構造制御が必要になり、それに応じて感度の高い流動性評価法が必要とされている。このような流動性評価法としては下記のようなものがある。
磁場で印加されたロートの挟部をトナーが通過して落下するのに要する時間を測定することにより電子写真用現像機内の現像剤の流動性を正確に評価する方法は特許文献1に開示されている。
また、傾斜可能な板の上にトナーを載せ、板を徐々に傾けていき、流れ始めるときと流れ終えたときの角度を測定することにより現像剤の流動性を評価する方法は特許文献2に記載されている。
さらに、特許文献3には、篩を何段かに重ねて、その上にトナーを投入して篩部分に水平方向と垂直方向の振動を与え、一定時間後の各篩部に残ったトナー量に予め設定された係数を乗算して算出する方法が開示されている。しかし、この方法では、データのバラツキが大きく、測定者による差があり、細かいトナー間の流動性の違いを評価することができなかった。
特開平01−203941号公報 特開平04−116449号公報 特開2000−292967号公報
本発明の目的は、新規な流動性の精度の高い、個人差のない評価法および評価装置を提供すること、およびこの評価方法と評価装置を用いることにより、圧密状態が変化してもトナー搬送性に問題がなく、ドット再現性の良い高画質がいつでも得られるトナーを作製し、安定して生産できるようにする点にある。
本発明の第1は、少なくとも樹脂、顔料からなる平均円形度が0.88〜0.95の粉状体の表面に添加剤を付着または固着させて得られた粉体を容器内に充填し、これを予め圧密状態にした後、容器内の粉体相中に円錐ロータを回転させながら侵入速度5mm/分で深さ20mmまでを侵入させたときに発生するトルクTと空間率εとの関係がT÷ε=−20〜−10mNmになるようにしたことを特徴とする静電荷現像用トナーに関する。
本発明の第2は、少なくとも樹脂、顔料からなる粉状体の表面に平均粒径10〜200nmの少なくとも二酸化珪素からなる添加剤を1.0〜2.0重量部付着または固着させたものである請求項1記載の静電荷現像用トナーに関する。
本発明の第3は、圧密状態にしたときの粉体相の空間率が0.4〜0.75である請求項1記載の静電荷現像用トナーに関する。
本発明の第4は、少なくとも樹脂、顔料からなる粉状体の中に電荷制御剤が含有されているものである請求項1記載の静電荷現像用トナーに関する。
本発明の第5は、少なくとも樹脂、顔料からなる粉状体が熱による表面処理によって作製されたものである請求項1記載の静電荷現像用トナーに関する。
本発明の第6は、少なくとも樹脂、顔料からなる粉状体が重合法によって作製されたものである請求項1記載の静電荷現像用トナーに関する。
本発明の第7は、少なくとも樹脂、顔料からなる粉状体の表面に付着または固着した添加剤が平均粒径10〜200nmの二酸化チタンを含むものである請求項1記載の静電荷現像用トナーに関する。
本発明の第8は、少なくとも樹脂、顔料からなる粉状体の表面に付着または固着した添加剤が平均粒径10〜200nmの電荷制御剤からなるものである請求項1記載の静電荷現像用トナーに関する。
本発明の第9は、少なくとも樹脂、顔料からなる粉状体中に離型剤が含有されているものである請求項1記載の静電荷現像用トナーに関する。
本発明の第10は、少なくとも樹脂、顔料および離型剤からなる粉状体中に離型剤の分散剤を含んでいるものである請求項9記載の静電荷現像用トナーに関する。
本発明の第11は、樹脂及び顔料を予め混練させた組成物を用いて作製したものである請求項1記載の静電荷現像用トナーに関する。
本発明の第12は、トナーの重量平均粒径が4〜8μmである請求項1記載の静電荷現像用トナーに関する。
本発明の第13は、頂角が30〜120°である円錐ロータを用いたものである請求項1記載の静電荷現像用トナーに関する。
本発明の第14は、粉体との接触表面に溝が切ってある円錐ロータを用いたものである請求項1記載の静電荷現像用トナーに関する。
本発明の第15は、請求項1において、回転数が0.1〜10r.p.mである円錐ロータを用いたものである請求項1記載の静電荷現像用トナーに関する。
本発明の第16は、請求項1〜15いずれか記載の静電荷現像用トナーを用いて、接触または非接触現像を行なうことを特徴とする1成分現像方法に関する。
本発明の第17は、ドクターローラおよび/または供給ローラを用いるものである請求項16記載の1成分現像方法に関する。
本発明の第18は、請求項1〜15いずれか記載の静電荷現像用トナーと粒径20〜70μmのキャリアを用いて現像することを特徴とする2成分現像方法に関する。
本発明の第19は、請求項16〜18いずれか記載の1成分現像方法または2成分現像方法において、ACバイアス電圧成分を印加して現像することを特徴とする現像方法に関する。
本発明の第20は、請求項1〜15いずれか記載の静電荷現像用トナーが収容されていることを特徴とするトナーカートリッジまたはプロセスカートリッジに関する。
本発明の第21は、圧密ゾーンと測定ゾーンよりなる静電荷現像用トナーの流動性評価装置であって、圧密ゾーンは、トナーを入れる容器、該容器を上下させる昇降手段、前記容器内のトナーのための圧密化手段を含み、測定ゾーンは、円錐の頂点から底辺に向かって溝が切られている円錐ロータ、前記圧密ゾーンで圧密化された前記容器内のトナー粉体相に、回転している該円錐ロータを侵入または退出させる手段、該円錐ロータにかかるトルクを測定する手段を含むものであることを特徴とする静電荷現像用トナーの流動性評価装置に関する。
本発明の第22は、前記円錐ロータの頂角が30〜120°である請求項21記載の静電荷現像用トナーの流動性評価装置に関する。
本発明の第23は、請求項21または22いずれか記載の静電荷現像用トナーの流動性評価装置を用いて、静電荷現像用トナーの流動性を評価するにあたり、トナー層の圧密状態が、トナー層の空間率として0.4〜0.75であり、回転している円錐ロータの回転数が0.1〜10r.p.mであり、そのトナー層への侵入速度を0.2〜100mm/分としたことを特徴とする静電荷現像用トナーの流動性評価方法に関する。
本発明の第24は、少なくとも樹脂と顔料からなる原料を混合、溶融、固化、粉砕して得られたトナー粉体を用いて静電荷現像用トナーを製造する方法において、前記トナー粉体の1部を採取し、請求項23記載の静電荷現像用トナーの流動性評価方法によりその流動性を評価し、その結果をフィードバックすることを特徴とする静電荷現像用トナーの製造方法に関する。
本評価法は、粉体相中に円錐ロータを回転させながら、侵入(下降)させたり、引抜(アップ)いたりさせ、そのときに円錐ロータにかかるトルクを測定し、そのトルクの値により流動性を評価するものである。円錐ロータの形状はどんなものでも良いが、円錐の頂角が30〜120°であるものが適している。円錐の頂角が30°より小さいとトナー粉体相との抵抗が小さいため、トルクや荷重が小さく、細かい流動性の違いを評価できない。逆に、頂角が120°より大きい場合には、トナー粉体相を押さえつける方向の力が大きくなり、トナー粒子の変形が生じやすくなり、トナー流動性の評価には適していない。円錐ロータの長さは、トナー粉体相の中に円錐ロータ表面が連続的に存在するような、十分な長さが必要である。また、円錐ロータ表面には溝が切ってある方が良い。円錐ロータの材質面とトナー粒子との摩擦(成分)を測定するのではなく、トナー粒子とトナー粒子との摩擦(成分)を測定する方が良い。そのためには、円錐ロータが回転しながらトナー粉体相の中に侵入していくとき、円錐ロータ表面に切ってある溝の中にトナー粒子が入り込んできて、その入り込んだトナー粒子と周りのトナー粒子との摩擦状態を測定するようにした方が適している。この溝の形状は問わないが、円錐ロータの材質面とトナー粒子との接触が小さくなるように工夫する必要がある。
一例を図2に示す。これは、円錐の頂点からまっすぐ底辺方向に溝を切ったもので、その溝の断面が三角形の凹凸からなるのこぎり歯形状をしている。この場合、円錐ロータ材質面とトナー粒子との接触は、三角溝の山の先端部分のみとなる。ほとんどが溝に入り込んだトナー粒子とその周辺のトナー粒子との接触となる。円錐ロータの材質は何でも良いが、加工しやすくて、表面が固く、変質しない材質が良い。また、帯電性を帯びない材質が適している。この一例としては、SUS、Al、Cu、Au、Ag、黄銅等がある。
トナー粉体のトルクおよび荷重は、円錐ロータの回転数や円錐ロータの侵入速度により変化する。本測定では測定の精度を上げるために、トナー粒子同士の微妙な接触状態が測定出来るように、円錐ロータの回転数や侵入速度を下げて測定するようにした。そのため、測定条件は以下のようにすることが好ましい。
・円錐ロータの回転数:0.1〜10r.p.m
・円錐ロータの侵入速度:0.2〜100mm/分
円錐ロータの回転数が0.1r.p.mより小さい場合はトナー粉体相の微妙な状態の影響を受けやすいため、トルク測定バラツキの問題が生じ、測定には適していない。10r.p.mより大きい場合はトナーの飛び散り等が生じて、安定に測定できないので適していない。円錐ロータの侵入速度が0.2mm/分より遅い場合はトナー粉体相の微妙な状態の影響を受けやすく、測定バラツキの問題が生じるため測定には適していない。100mm/分より速い場合はトナー粉体相が圧密状態になりやすく、トナー変形等の影響が出てくるので、流動性評価には適していない。
装置の構成は図1のようになり、それは圧密ゾーンと測定ゾーンから成っている。圧密ゾーンは、粉体(トナー)を入れる容器、その容器を上下させる昇降ステージ、圧密させるピストン、そのピストンに荷重を加えるおもり等から構成される。なお、本構成は一例であり、本発明を限定するものではない。また、圧密ゾーンが無くても良い。本構成では、粉体を入れた試料容器を上昇させ、圧密用のピストンに接触させ、さらに上昇させてピストンにおもりの荷重が全てかかるようなおもりが支持板より浮いた状態になるようにし、一定時間放置する。その後、粉体を入れた容器が載せてある昇降ステージを下げて、ピストンを粉体表面から離す。ピストンは、どんな材質でも良いが、粉体を押付ける表面の表面性がスムーズである必要がある。そのため、加工しやすくて、表面が固く、変質しない材質が良い。また、帯電による粉体付着が無いようにする必要があり、導電性の材質が適している。この材質の一例としては、SUS、Al、Cu、Au、Ag、黄銅等がある。
円錐ロータの形は、前述したように頂角が30〜120°のものが良い(図2参照)。円錐ロータの長さは、円錐ロータ部分が十分トナー相の内部まで入るようにする。溝の形状は、どのような形状でも良いが、円錐ロータを交換したためにトルクや荷重の値が再現しなくなるということがないように注意しないといけない。そのためには、円錐ロータの溝形状は単純で、同じ形状のロータが何度でも造れる形の方が良い(図3参照)。容器の材質については問わないが、粉体との帯電による影響が出ないように導電性の材質が適している。また、粉体を入れ替えながら測定するため、汚れを少なくするために表面が鏡面に近いものが良い。容器のサイズは重要であり、円錐ロータが回転しながら侵入するときに容器の壁の影響がでないように円錐ロータの直径に対して大き目の(直径)サイズを選択する。
トルクを測定するためのトルクメータは高感度タイプのものが良く、とくに非接触方式のものが適している。ロードセルは荷重レンジが広く、分解能の高いものが適している。位置検出器はリニアスケール、光を用いた変位センサ等があるが、精度的に0.1mm以下の仕様が適している。昇降機は、サーボモータやステッピングモータを用いて、精度良く駆動できるものが良い。また、図1に示すように容器の下にロードセルを設けて、容器にかかる荷重変化を測定しても良い。
測定は、容器にトナーを一定量投入し、本装置にセットする。まず、実際の測定に入る前にトナー粉体相を加圧して、圧密状態を作り出し、その圧密状態のトナー相に円錐ロータを回転させながら下降、侵入させトルク測定を行なう。しかし、トルク測定に入るときには、決められた回転数、侵入速度で行なう。円錐ロータの回転方向は任意である。円錐ロータの侵入距離は、浅いとトルクの値が小さく、データの再現性等に問題が生じるため、データの再現性のある領域まで深く円錐ロータを侵入させた方が良い。実験結果では5mm以上侵入させればほぼ安定した測定が可能になった。測定モードは、どのような条件でも可能であるが、例として以下のような測定モードがある。
(1)容器にトナーを充填する。
(2)トナー粉体相を加圧して、圧密状態を作り出す。
(3)円錐ロータを回転させながら侵入させ、そのときのトルクを測定する。
(4)円錐ロータがトナー表面層から予め設定した深さ迄侵入したところで、侵入動作
を止める。
(5)円錐ロータを引抜く動作を開始する。
(6)円錐ロータの先端がトナー粉体相表面から抜け、完全にフリーになった時点(最
初のホームポジション)で円錐ロータの引抜き動作を停止し、回転も止める。
以上の(1)〜(6)の操作を繰返して、測定を行なう。連続的に行なっても良い。
また、別の測定法としては、トナー粉体相を測定前に加振器により振動を与えて安定化させ、その安定化したトナー粉体相を加圧し圧密状態にし、圧密状態のトナー粉体相に回転させながら円錐ロータを侵入させ、そのときのトルクを測定し、予め設定した深さ迄到達したら侵入動作を止め、その後円錐ロータを最初の位置(ホームポジション)迄アップさせる。
また、別な方法としては圧密状態のトナー粉体相に、円錐ロータを侵入させて、予め設定したトルク値になるまでの深さを調べる方法等がある。
圧密状態は、一般的に空間率の変化として評価できる(粉体工学ハンドブック参照)。本評価法では、圧密状態を変化させて、空間率を評価し、そのときのトルクを求めて、トルク−空間率特性を求めた。
流動性評価法では、トナー粉体相の空間率が重要になり、実験結果では空間率は0.4以上のとき安定して測定が可能であった。0.4未満では圧密状態の微妙な条件の違いがトルクに影響を及ぼし、安定した測定が困難であった。トナー粉体相の空間率の範囲としては、種々な測定法の場合を含めて、0.4〜0.75であった。0.75より大きい場合にはトナーが飛散し、測定には適していない。さらに、本発明では、圧密状態による流動性の違いを評価する最適な空間率の範囲として0.52〜0.62を選定した。
しかし、測定系、測定条件等に関してはこの限りではない。
本評価法に用いるトナーは、高画質画像を実現するために、トナーの平均粒径が4〜8μmであることが必要である。本トナーの重量平均粒径は4〜8μmであり、さらに好ましくは5〜7μmである。重量平均粒径4μm未満では長期間の使用でのトナー飛散による機内の汚れ、低湿環境下での画像濃度低下、感光体クリーニング不良等という問題が生じやすく、人体への影響も懸念される。また重量平均粒径が8μmを超える場合では100μm以下の微小スポットの解像度が充分でなく非画像部への飛び散りも多く画像品位が劣る傾向となる。
本トナーを用いる現像剤は、高画質画像を実現するために、キャリアの平均粒径が20〜70μmであることが必要である。キャリアの平均粒径が20〜70μmの範囲にあると、現像機内部のトナー濃度が2〜10重量%の範囲内において、トナーの帯電量をより均一にすることができる。20μmより小さくなるとキャリア粒子の感光体上への付着等が生じやすく、さらにトナーとの撹拌効率が悪くなりトナーの均一な帯電量が得られにくくなる。逆に、キャリアの平均粒径が70μmを超える場合では、細かい画像再現性が悪くなり、高画質は得られない。
円錐ロータの回転数は0.1〜10r.p.mとし、円錐ロータの侵入速度は5mm/分とした。測定は、円錐ロータを回転させながら侵入させ、5mm以上の予め設定した侵入距離を経た後は侵入を止め、その後円錐ロータを引抜き、元の初期位置に戻す。この円錐ロータのトナー粉体相への侵入時のトルクをトナー相の圧密状態を変えて測定し、トナーのトルク−空間率特性を評価する。
本評価法でトナー流動性を評価した場合には、測定値(トルク−空間率特性)とトナー流動性の安定性が以下のような関係になる。
トルク−空間率特性の傾きが小さい場合、圧密状態による流動性の変化が小さい。
トルク−空間率特性の傾きが大きい場合、圧密状態による流動性の変化が大きい。
円錐ロータを用いた本評価法の特徴は、以下のようになり、抜取り試料をそのまま迅速に、簡単に測定できるため、個人差の無い、精度の高い測定が出来ることにある。
(i)非破壊検査である。
(ii)試料をそのまま測定できる。
(iii)短時間で測定できる。
(iv)誰にでも簡単に測定できる。
そのため、製造ラインでの計測も可能であり、製造工程の中での各工程間に設置して、工程途中での品質評価ができる。例えば、混合工程を経た後、次工程へ粉体試料を搬送する途中に、試料抜取り・測定ゾーンを設けておき、あるタイミングでシャッターを開閉して、一定量の試料を測定部へ搬送する。その測定部の先端部はSUS等でできた容器になっており、そのまま本評価方法にて測定する。または、その容器を近くの別の場所にある本評価装置へ持っていき、試料ステージへのせて本評価方法にて測定する。評価の結果、その数値が予め定めた設定範囲を外れていた場合、試料を充填工程へは回さず、トナーの再処理工程へ回す。これらの仕組みは、混合工程前の工程である粉砕・分級工程後の検査、混合工程の後にある風篩工程後の検査、充填前の検査等に適用できる(図6参照)。
また、これらの機能をもったトナー評価装置を単独に開発段階の評価装置として使うことも可能である。
トナーの場合、前述の通り本評価法でのトルク−空間率特性の測定値は流動性の安定性を示しており、定量的な評価が可能となる。今までの従来の評価法では、トナー間の違いは評価出来るが、トナーの種類が違うと同じ土俵では評価できないという問題があった。しかし、本評価法で測定した値は、空間率を変化した粉体特性であり、トナーの種類が変わっても粒径が変わっても同じ土俵で評価出来る値であり、非常に汎用的な評価値になる。
トナー粉体相中での円錐ロータの移動時のトルク特性は、粉体の流動性と密接な関係があり、粉体の流動性が良い場合には1個1個の粉体粒子間の付着力が小さいために動きやすく、その粉体相内で円錐ロータを動かしてもトルクは小さい。しかし、逆に粉体の流動性が悪い場合には、1個1個の粉体粒子間の付着力が大きいために動きにくく、その粉体相内で円錐ロータを移動した場合には円錐ロータにかかるトルクは大きくなる。特に、この現象はトナー中に離型剤等を入れた場合に微妙な変化として現れ、1個1個の粉体粒子間の付着力は圧密状態でより顕著に現れる。そのため、圧密状態を変化してトナー流動性を評価する必要がある。
よって、本発明の評価法では、以下のような関係で流動性を評価出来る。
トナーの流動性は、トナー作製工程の中の混合工程によりほとんど決まる。つまり、無機粒子などからなる添加剤をトナー粒子表面に付着もしくは固着させる状態によって、トナー粒子の流動性は大きく変化する。特に、圧密状態が変化しても安定した流動性を得るためには、添加剤をトナー粒子表面に固着させるようにする工夫が必要となる。
トナーの混合状態は、混合工程での混合条件(仕込み量、回転数、混合時間等)によって変化する。特に、添加剤をトナー粒子表面へ固着させるような場合には従来より混合機の回転数を上げるなど混合条件を変化させる必要がある。混合機の回転数を変化した場合のトルク−空間率特性の変化を図4に示す。混合機回転数が非常にトルク−空間率特性に影響を与えることが分かる。このように、流動性には混合条件が重要な役割を果たし、混合工程後の流動性の評価が重要となる。
プリンタや複写機において、高画質化を実現するためには、非常に微小なドット再現性を高める必要がある。それを実現するためには、非常に微小な潜像に対して忠実なトナー現像が必要となる。この忠実な現像を可能にするためには、現像域に均一なトナーブラシを搬送、供給する必要がある。そのためには、トナー帯電量が適度な条件であることが必要であるが、常に安定して現像域に均一なトナーブラシが供給できるようなトナーの動き易さ、搬送のし易さが非常に重要となる。つまり、微小なドット再現性を上げるためには、トナーの流動性を上げることが必要になる。特に、一成分系トナーにおいては、トナー粒子の形状をも考慮して流動性を上げる必要がある。
本発明者は、いろいろの範囲のトナー平均円形度について調査した結果、トナーの平均円形度が0.88〜0.95のトナー流動性がその安定性の点で優れていることが判った。すなわち、流動性はトナー形状によって影響され、トナーの平均円形度が0.88〜0.95である球形に近いトナーの場合には流動性に優れ、ドット再現性に優れた高画質化を実現できることが分かった。なお、トナー粒子の円形度はフロー式粒子像分析装置FPIA−1000(東亜医用電子株式会社製)により平均円形度として計測した。
その結果、安定した流動性を示し、ドット再現性やトナー搬送性の良いトナーは、円錐ロータ侵入時(5mm/分、20mm侵入時)のトルク−空間率特性の傾きの値が−20〜−10mNmであることが分かった。
また、トナーの粉体相の空間率の範囲としては、0.52〜0.62であった。
なお、評価モードに関しては、他の方法を用いても問題ない。また、評価項目もトルクや荷重以外で、ある荷重になるまでの侵入距離、あるトルクになるまでの侵入距離等であっても良いし、トルクや荷重の積分値を評価しても良い。また、他の評価項目であっても良い。
トナー粒子の形状を制御する方法としては、分級工程後のトナー粒子を回転体の中に入れて高速回転させたり、瞬間的に熱を加えるような工程を介したりして実現できる。
トナー粒子および現像剤の詳細を以下に示す。
本発明のトナーの製造に用いる樹脂としては、とくに制限はないがポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、スチレンアクリル樹脂、スチレンメタクリレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレンブタジエン樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン樹脂、シリコン樹脂、ブチラール樹脂、テルペン樹脂、ポリオール樹脂等がある。
前記ポリスチレン樹脂のようなビニル樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体:スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロロメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体:ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル等がある。これらの樹脂は単独でも併用でもよい。
ポリエステル樹脂としては以下のA群に示したような2価のアルコールと、B群に示したような二塩基酸塩からなるものであり、さらにC群に示したような3価以上のアルコールあるいはカルボン酸を第三成分として加えてもよい。
A群:エチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4ブテンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3,3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2,0)−2,2′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等。
B群:マレイン酸、フマール酸、メサコニン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタール酸、イソフタール酸、テレフタール酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、リノレイン酸、またはこれらの酸無水物または低級アルコールのエステル等。
C群:グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3価以上のアルコール、トリメリット酸、ピロメリト酸等の3価以上のカルボン酸等。ポリオール樹脂としては、エポキシ樹脂と2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物、もしくはそのグリシジルエーテルとエポキシ基と反応する活性水素を分子中に1個有する化合物と、エポキシ樹脂と反応する活性水素を分子中に2個以上有する化合物を反応してなるものなどがある。
ポリエステル樹脂は、結晶性ポリエステルを用いても良い。結晶性を有し、分子量分布がシャープでかつその低分子量分の絶対量を可能な限り多くした脂肪族系ポリエステルであることが好ましい。この樹脂はガラス転移温度(Tg)において結晶転移を起こすと同時に、固体状態から急激に溶融粘度が低下し、紙への定着機能を発現する。この結晶性ポリエステル樹脂の使用により、樹脂のTgや分子量を下げ過ぎることなく低温定着化を達成することができる。そのため、Tg低下に伴なう保存性の低下はない。また、低分子量化に伴なう高すぎる光沢や耐オフセット性の悪化もない。したがってこの結晶性ポリエステル樹脂の導入は、トナーの低温定着性の向上に非常に有効である。
本発明のトナーおいて、低温定着性を発現し、耐ホットオフセット性を確保するためには、トナー中の樹脂および離型剤の合計量に対して、結晶性ポリエステルの含有量は1〜50重量%であり、離型剤の含有量は2〜15重量%であることが好ましい。結晶性ポリエステルの含有量が1重量%未満の場合は低温定着性に効果がなく、50重量%を超える場合はホットオフセット性が悪化する。離型剤含有量が2重量%未満の場合は、耐オフセット性に効果がない場合があり、15重量%を超える場合には、トナー流動性の低下が生じる。
樹脂は従来からカラートナーに用いられているポリエステル樹脂または/およびポリオール樹脂等がある。ポリエステル樹脂やポリオール樹脂は、従来多用されてきたスチレン−アクリル系樹脂よりも低温定着性に優れ、耐熱保存性も比較的良いため適している。しかし、ポリエステル樹脂やポリオール樹脂は、スチレン−アクリル系樹脂に比べると、離型剤の分散性が悪い。分散性が悪いと、粉砕時に樹脂とワックスの界面に粉砕応力が集中し易いため、樹脂と離型剤の界面で粉砕され易く、粉砕されたトナーの表面には添加した離型剤の割合以上に離型剤が露出して、トナーの流動性を悪くしていた。
前記結晶性ポリエステル樹脂の分子構造については、限定的でないが、ポリエステル樹脂の結晶性および軟化点の観点から、炭素数2〜6のジオール化合物、特に1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールおよびこれらの誘導体を含有するアルコール成分と、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、およびこれらの誘導体を含有する酸成分とを用いて合成される下記一般式(1)で表される脂肪族系ポリエステル
(ここでn、mは繰り返し単位の数である。R、Rは炭化水素基である。)
を含有することが好ましい。また、ポリエステル樹脂の結晶性および軟化点の観点から、非線状のポリエステルを合成するためにアルコール成分にグリセリン等の3価以上の多価アルコールを追加し、酸成分に無水トリメリット酸などの3価以上の多価カルボン酸を追加して縮重合を行っても良い。
結晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は耐熱保存性が悪化しない範囲で低いことが望ましく、80〜130℃の範囲にあることが好ましい。ガラス転移温度(Tg)が80℃以下の場合は耐熱保存性が悪化し、現像装置内部の温度でブロッキングが発生しやすくなり、130℃の場合には定着下限温度が高くなるため低温定着性が得られなくなる。結晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、DSCによる2nd昇温時の吸熱ピーク温度である。
本発明トナーで用いる顔料としてはとくに制限はなく、例えば以下のものを用いることができる。
黒色顔料の例としては、カーボンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、アニリンブラック等のアジン系色素、金属塩アゾ色素、金属酸化物、複合金属酸化物が挙げられる。
黄色顔料の例としては、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキが挙げられる。
また、橙色顔料の例としては、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGKが挙げられる。
赤色顔料の例としては、ベンガラ、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bが挙げられる。
紫色顔料の例としては、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキが挙げられる。
青色顔料の例としては、コバルトブルー、アルカリブルー、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBCが挙げられる。
緑色顔料の例としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ等がある。
これらは1種または2種以上を使用することができる。
特にカラートナーにおいては、良好な顔料の均一分散が必須となり、顔料を直接大量の樹脂中に投入するのではなく、一度高濃度に顔料を分散させたマスターバッチを作製し、それを希釈する形で投入する方式が用いられている。この場合、一般的には、分散性を助けるために溶剤が使用されていたが、環境等の問題があり、本発明では溶剤を使用せず水を使用して分散させた。水を使用する場合、マスターバッチ中の残水分が問題にならないように、温度コントロールが重要になる。
本発明のトナーには電荷制御剤をトナー粒子内部に配合(内添)してもよいが、場合により、トナー粒子と混合(外添)して用いても良いし、内添と外添を併用してもよい。電荷制御剤によって、現像システムに応じた最適の電荷量コントロールが可能となり、特に本発明では、粒度分布と電荷量とのバランスを更に安定したものとすることが可能である。
トナーを正電荷性に制御するものとして、ニグロシンおよび四級アンモニウム塩、トリフェニルメタン系染料、イミダゾール金属錯体や塩類を、単独あるいは2種類以上組み合わせて用いることができる。また、トナーを負電荷性に制御するものとしてサリチル酸金属錯体や塩類、有機ホウ素塩類、カリックスアレン系化合物等が用いられる。
また、本発明におけるトナーでは、オイルレス定着を実現し、定着時のオフセット防止のために離型剤を内添する。
離型剤としては、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックスなどの天然ワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス、サゾールワックス、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキルリン酸エステル等がある。
これら離型剤の融点は65〜90℃であることが好ましい。この範囲より低い場合には、トナーの保存時のブロッキングが発生しやすくなり、この範囲より高い場合には定着ローラー温度が低い領域でオフセットが発生しやすくなる場合がある。
離型剤等の分散性を向上させるなどの目的の為に、さらには離型剤分散用添加剤を内添しても良い。離型剤分散用添加剤としては、スチレンアクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、スチレンメタクリレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレンブタジエン樹脂、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、テルペン樹脂、ポリオール樹脂等があり、それぞれの樹脂を2種以上混合した物でも良い。
本発明に係るトナーを作製する方法としては、粉砕法、重合法(懸濁重合、乳化重合分散重合、乳化凝集、乳化会合等)等があるが、これらの作製法に限るものではない。
粉砕法の一例としては、まず、前述した樹脂、着色剤としての顔料または染料、電荷制御剤、離型剤、その他の添加剤等をヘンシェルミキサーの如き混合機により充分に混合した後、バッチ式の2本ロール、バンバリーミキサーや連続式の2軸押出し機、連続式の1軸混練機等の熱混練機を用いて構成材料をよく混練し、圧延冷却後、切断を行なう。切断後のトナー混練物は破砕を行ない、ハンマーミル等を用いて粗粉砕し、更にジェット気流を用いた微粉砕機や機械式粉砕機により微粉砕し、旋回気流を用いた分級機やコアンダ効果を用いた分級機により所定の粒度に分級する。その後、混合機により無機粒子などからなる添加剤を粒子表面に付着もしくは固着させる。この混合工程後のトナー粒子の流動性を本評価法を用いて評価する。この場合、抜き取り検査で、試料を試料容器に入れ、加圧等により圧密状態にし、その試料容器を直接図1に示す評価装置の試料台に載せ測定を行なう。円錐ロータの回転数は0.1〜10r.p.mとし、円錐ロータの侵入速度は5mm/分とした。測定は、円錐ロータを回転させながら侵入させ、5mm以上の予め設定した侵入距離を経た後は侵入を止め、その後円錐ロータを引抜き、元の初期位置に戻す。この円錐ロータのトナー粉体相への侵入時のトルクをトナー相の圧密状態を変えて測定し、トナーのトルク−空間率特性を評価する。
本発明に係るトナーを作製する方法としては、粉砕法以外の方法が考えられ、重合法の一例としては、モノマーに着色剤及び電荷制御剤等を添加したモノマー組成物を水系の媒体中で懸濁し重合させることでトナー粒子を得る。造粒法は特に限定されない。
例えば本発明のトナーは、有機溶媒中に少なくとも、イソシアネート基を含有するポリエステル系プレポリマーが溶解し、顔料系着色剤が分散し、離型剤が溶解ないし分散している油性分散液を水系媒体中に無機微粒子及び/又はポリマー微粒子の存在下で分散させるとともに、この分散液中で該プレポリマーをポリアミン及び/又は活性水素含有基を有するモノアミンと反応させてウレア基を有するウレア変性ポリエステル系樹脂を形成させ、このウレア変性ポリエステル系樹脂を含む分散液からそれに含まれる液状媒体を除去することにより得られる。
ウレア変性ポリエステル系樹脂において、そのTgは40〜65℃、好ましくは45〜60℃である。その数平均分子量Mnは2500〜50000、好ましくは2500〜30000である。その重量平均分子量Mwは1万〜50万、好ましくは3万〜10万である。
このトナーは、該プレポリマーと該アミンとの反応によって高分子量化されたウレア結合を有するウレア変性ポリエステル系樹脂をバインダー樹脂として含む。そして、そのバインダー樹脂中には着色剤が高分散している。
得られた乾燥後のトナーの粉体を風力分級し、上記最適な混合条件により混合機により無機微粒子などからなる添加剤を粒子表面に付着もしくは固着させる。また、電荷制御剤を乾燥後のトナー粉体表面に打込んで、固着注入させても良い。さらにその後、無機微粒子などからなる添加剤を粒子表面に付着もしくは固着させても良い。電荷制御剤を表面に打込むことにより、トナーの帯電量の制御がしやすくなる。
混合したり、固着注入したりする具体的手段としては、高速で回転する羽根によって粉体混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に粉体混合物を投入し、加速させ、粒子同士または複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などがある。装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して、粉砕エアー圧力を下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などがあげられる。
これらの方式の場合にも、造粒後の検査、電荷制御剤の処理後の検査、添加剤の混合工程後の検査、混合工程の後にある風篩工程後の検査、充填前の検査等に適用できる。
本トナーは、接触または非接触現像方式に使用する1成分現像剤として用いる。接触または非接触現像方式は色々な公知のものが使用される。例えば、アルミスリーブを用いた接触現像法、導電性ゴムベルトを用いた接触現像法、アルミ素管の表面にカーボンブラック等を含む導電性樹脂層を形成した現像スリーブを用いる非接触現像法等がある。
また、本トナーを用いた現像時にACバイアス電圧成分を印加すると、現像効率が向上し、画像特性が向上する。
また、1成分現像方式において、トナー供給部の出口にトナー層を均一にするためのローラ状のブレードや供給ローラを設けた現像方式に、本トナーを用いる。このような方式の場合には、トナーの流動性が現像ローラ上のトナー層の均一化に大きく影響を与え、且つ耐久特性に影響を与える。耐久特性が悪い場合には、感光体へのフィルミングだけではなく、ドクターローラや供給ローラへのフィルミングが発生する。このため、トナー層が均一に形成できないばかりかトナー帯電が不均一になり、トナー電荷量も小さくなる。このため現像不良が生じる。
しかし本発明のトナーを用いると、トナーが流動性に優れているため、供給ローラやドクターローラを介しての現像ローラ上へのトナー層の均一薄層化が容易に実現でき、常に安定した現像ローラ上へのトナー搬送が可能となる。また、ドクターローラや供給ローラへのフィルミングは発生せず、安定した現像が行なわれ、耐久特性に優れた方式となる(図7参照)。
本トナーは流動性に優れているため、カートリッジ容器に入れて保管することが十分可能であり、カートリッジ容器から現像部へトナー搬送するような構成の装置にも適している。
カートリッジ容器としては、トナーを充填するトナーカートリッジと、少なくとも感光体と現像手段を具備し、現像手段のトナー収容部にトナーを充填するプロセスカートリッジとを挙げることができ、通常これらのトナーカートリッジ又はプロセスカートリッジを画像形成装置に装着して、画像形成が行なわれる。
また、磁性トナーとする場合には、トナー粒子の中に磁性体の微粒子を内添すれば良い。磁性体としては、フェライト、マグネタイト、鉄、ニッケル、コバルト、それらの合金などの強磁性体等が考えられる。磁性体の平均粒径は0.1〜1μmが好ましい。磁性体の含有量はトナー100重量部に対して、10から70重量部であることが好ましい。
また、前述したように本発明のトナーは流動性向上剤として無機微粉体をトナー表面に外添(付着または固着)させる。この無機微粉体の平均粒径は10〜200nmが適している。10nmより小さい粒径の場合には流動性に効果のある凹凸表面を作り出すことが難しく、200nmより大きい粒径の場合には粉体形状がラフになり、トナー形状の問題が生じる。
本発明の無機微粉体としてはSi、Ti、Al、Mg、Ca、Sr、Ba、In、Ga、Ni、Mn、W、Fe、Co、Zn、Cr、Mo、Cu、Ag、V、Zr等の酸化物や複合酸化物が挙げられる。これらのうち二酸化珪素(シリカ)、二酸化チタン(チタニア)、アルミナの微粒子が好適に用いられる。
さらに、疎水化処理剤等により表面改質処理することが有効である。疎水化処理剤の代表例としては以下のものが挙げられる。
ジメチルジクロルシラン、トリメチルクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルジクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、p−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、クロルメチルトリクロルシラン、ヘキサフェニルジシラザン、ヘキサトリルジシラザン等。
無機微粉体はトナーに対して0.1〜2重量%使用されるのが好ましい。0.1重量%未満では、トナー凝集を改善する効果が乏しくなり、2重量%を超える場合は、細線間のトナー飛び散り、機内の汚染、感光体の傷や摩耗等の問題が生じやすい傾向がある。
また、少なくとも樹脂、顔料からなる粉体の表面に電荷制御剤を付着または固着させ、粉体表面形状を小さな周期と大きな周期を持つようにしても良い。電荷制御剤の平均粒径は10〜200nmの小さい粒径のものが最適である。10nmより小さい粒径の場合には流動性に効果のある凹凸表面を作り出すことが難しく、200nmより大きい粒径の場合には粉体形状がラフになり、トナー形状の問題が生じる。電荷制御剤としては、ニグロシンおよび四級アンモニウム塩、トリフェニルメタン系染料、イミダゾール金属錯体や塩類、サリチル酸金属錯体や塩類、有機ホウ素塩類、カリックスアレン系化合物等があり、2種類以上組み合わせたりしても良い。
また、本発明のトナーには、実質的な悪影響を与えない範囲内で更に他の添加剤、例えばテフロン(登録商標)粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末の如き滑剤粉末;あるいは酸化セリウム粉末、炭化珪素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末などの研磨剤;あるいは例えばカーボンブラック粉末、酸化亜鉛粉末、酸化スズ粉末等の導電性付与剤を現像性向上剤として少量用いることもできる。
(1)流動性の精度が高く、個人差のない評価法および評価装置が得られる。
(2)圧密状態が変化してもトナー搬送性に問題がなく、ドット再現性の良い高画質をいつでも与えることのできるトナーが得られる。
以下、実施例を説明するが、これは本発明をなんら限定するものではない。なお、今回は、トナー組成、トナー作製法および混合条件を変化したトナーを作製し、トナー流動性を本評価法を用いて評価し、ドット再現性を画像のザラツキ感として5段階評価(ランク1:悪い→ランク5:良い)した。また、2万枚のランニング耐久試験をOPCを用いた複写機を用いて行ない、現像部でのブロッキング等のトナー搬送性の不具合点を評価した。不具合点の無かった場合を○、不具合点のあった場合を×として評価した。トナーの流動性は、円錐ロータが侵入時のトナー粉体相表面から20mm侵入したときのトルクの値を圧密状態を変化して測定した。トナーの圧密状態は空間率で評価し、トルク−空間率特性の傾きを評価した。圧密荷重及び円錐ロータの評価条件は以下のようにした。トナーの円形度は、フロー式粒子像分析装置FPIA−1000(東亜医用電子株式会社製)により平均円形度として計測した。
・圧密荷重:250〜1500g
・円錐ロータの頂角:60°
・円錐ロータの回転数:1r.p.m
・円錐ロータの侵入速度:5mm/分
なお、以下の配合における部数は全て重量部である。
実施例1
樹脂 ポリエステル樹脂 100部
顔料 カーボンブラック 10部
帯電制御剤 サルチル酸亜鉛塩 5部
上記原材料をミキサーで十分に混合した後、2軸押出し機によりバレル温度100℃混練機回転数100r.p.mで溶融混練した。混練物を圧延冷却後カッターミルで粗粉砕し、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕後、旋回式風力分級装置を用いて、重量平均粒径が6.5μmの粒度分布に分級した。このようにして得られた母体着色粒子100部に対して、以下の混合条件にて添加剤を混合し、トナーを作製した。
添加剤 シリカ微粉末 1.0部
酸化チタン微粉末 0.5部
混合回転数 1000r.p.m
混合時間 150sec
混合機 スーパーミキサー
本トナーを作製した後、本評価法により流動性を測定した結果、表1のようになった。得られたトナーを潜像担持体がOPCドラム感光体でクリーニング方式がブレードクリーニングである複写機にセットし、画像評価実験およびランニング実験を行なった。
その結果を表1に示す。
実施例2
実施例1と同様の原材料、作製方法で混練、粉砕、分級を行ない、重量平均粒径が6.5μmの粒度分布に分級した。
このようにして得られた母体着色粒子100部に対して、以下の混合条件にて添加剤を混合し、トナーを作製した。
添加剤 シリカ微粉末 1.0部
酸化チタン微粉末 0.5部
混合回転数 1100r.p.m
混合時間 150sec
混合機 スーパーミキサー
本トナーを作製した後、本評価法により流動性を測定した結果、表1のようになった。得られたトナーを潜像担持体がOPCドラム感光体でクリーニング方式がブレードクリーニングである複写機にセットし、画像評価実験およびランニング実験を行なった。
その結果を表1に示す。
実施例3
実施例1と同様の原材料、作製方法で混練、粉砕、分級を行ない、重量平均粒径が6.5μmの粒度分布に分級した。
このようにして得られた母体着色粒子100部に対して、以下の混合条件にて添加剤を混合し、トナーを作製した。
添加剤 シリカ微粉末 1.0部
酸化チタン微粉末 0.5部
混合回転数 1200r.p.m
混合時間 150sec
混合機 スーパーミキサー
本トナーを作製した後、本評価法により流動性を測定した結果、表1のようになった。得られたトナーを潜像担持体がOPCドラム感光体でクリーニング方式がブレードクリーニングである複写機にセットし、画像評価実験およびランニング実験を行なった。
その結果を表1に示す。
実施例4
実施例1と同様の原材料、作製方法で混練、粉砕、分級を行ない、重量平均粒径が6.5μmの粒度分布に分級した。その後、熱処理(50℃)を行ない、丸め処理を行なった。
このようにして得られた母体着色粒子100部に対して、以下の混合条件にて添加剤を混合し、トナーを作製した。
添加剤 シリカ微粉末 1.0部
酸化チタン微粉末 0.5部
混合回転数 1200r.p.m
混合時間 150sec
混合機 スーパーミキサー
本トナーを作製した後、本評価法により流動性を測定した結果、表1のようになった。
得られたトナーを潜像担持体がOPCドラム感光体でクリーニング方式がブレードクリーニングである複写機にセットし、画像評価実験およびランニング実験を行なった。
その結果を表1に示す。
比較例1
実施例1と同様の原材料、作製方法で混練、粉砕、分級を行ない、重量平均粒径が6.5μmの粒度分布に分級した。
このようにして得られた母体着色粒子100部に対して、以下の混合条件にて添加剤を混合し、トナーを作製した。
添加剤 シリカ微粉末 1.0部
酸化チタン微粉末 0.5部
混合回転数 670r.p.m
混合時間 120sec
混合機 スーパーミキサー
本トナーを作製した後、本評価法により流動性を測定した結果、表1のようになり、T/εが本発明の範囲外のものとなった。
得られたトナーを潜像担持体がOPCドラム感光体でクリーニング方式がブレードクリーニングである複写機にセットし、画像評価実験およびランニング実験を行なった。
その結果を表1に示す。
実施例5
樹脂 ポリエステル樹脂 100部
着色剤 銅フタロシアニンブルー顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)
3.5部
帯電制御剤 サルチル酸亜鉛塩 5部
離型剤 ライスワックス 5部
上記原材料をミキサーで十分に混合した後、2軸押出し機によりバレル温度90℃、混練機回転数110r.p.mで溶融混練した。混練物を圧延冷却後カッターミルで粗粉砕し、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕後、旋回式風力分級装置を用いて、重量平均粒径が6.5μmの粒度分布に分級した。
添加剤 シリカ微粉末 1.0部
酸化チタン微粉末 0.5部
混合回転数 1000r.p.m
混合時間 150sec
混合機 スーパーミキサー
本トナーを作製した後、本評価法により流動性を測定した結果、表1のようになった。
上記作製法で得られたトナーとキャリアをキャリア97.5部に対し、2.5部の割合で混合し、二成分現像剤を作製した。
得られた現像剤を潜像担持体がOPCドラム感光体でクリーニング方式がブレードクリーニングである複写機にセットし、画像評価実験およびランニング実験を行なった。
その結果を表1に示す。
実施例6
実施例5と同様の原材料、作製方法で混練、粉砕、分級を行ない、重量平均粒径が6.5μmの粒度分布に分級した。
このようにして得られた母体着色粒子100部に対して、以下の混合条件にて添加剤を混合し、トナーを作製した。
添加剤 シリカ微粉末 1.0部
酸化チタン微粉末 0.5部
混合回転数 1100r.p.m
混合時間 150sec
混合機 スーパーミキサー
本トナーを作製した後、本評価法により流動性を測定した結果、表1のようになった。
上記作製法で得られたトナーとキャリアをキャリア97.5部に対し、2.5部の割合で混合し、二成分現像剤を作製した。
得られた現像剤を潜像担持体がOPCドラム感光体でクリーニング方式がブレードクリーニングである複写機にセットし、画像評価実験およびランニング実験を行なった。
その結果を表1に示す。
実施例7
実施例5と同様の原材料、作製方法で混練、粉砕、分級を行ない、重量平均粒径が6.5μmの粒度分布に分級した。
このようにして得られた母体着色粒子100部に対して、以下の混合条件にて添加剤を混合し、トナーを作製した。
添加剤 シリカ微粉末 1.0部
酸化チタン微粉末 0.5部
混合回転数 1200r.p.m
混合時間 150sec
混合機 スーパーミキサー
本トナーを作製した後、本評価法により流動性を測定した結果、表1のようになった。
上記作製法で得られたトナーとキャリアをキャリア97.5部に対し、2.5部の割合で混合し、二成分現像剤を作製した。
得られた現像剤を潜像担持体がOPCドラム感光体でクリーニング方式がブレードクリーニングである複写機にセットし、画像評価実験およびランニング実験を行なった。
その結果を表1に示す。
比較例2
実施例5と同様の原材料、作製方法で混練、粉砕、分級を行ない、重量平均粒径が6.5μmの粒度分布に分級した。
このようにして得られた母体着色粒子100部に対して、以下の混合条件にて添加剤を混合し、トナーを作製した。
添加剤 シリカ微粉末 1.0部
酸化チタン微粉末 0.5部
混合回転数 670r.p.m
混合時間 120sec
混合機 スーパーミキサー
本トナーを作製した後、本評価法により流動性を測定した結果、表1のようになった。
上記作製法で得られたトナーとキャリアをキャリア97.5部に対し、2.5部の割合で混合し、二成分現像剤を作製した。
得られた現像剤を潜像担持体がOPCドラム感光体でクリーニング方式がブレードクリーニングである複写機にセットし、画像評価実験およびランニング実験を行なった。
その結果を表1に示す。
実施例8
(1)トナーバインダーの合成
冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、イソフタル酸276部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧、230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した後、160℃まで冷却して、これに32部の無水フタル酸を加えて2時間反応した。次いで、80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソフォロンジイソシアネート188部と2時間反応を行い、イソシアネート含有プレポリマーIを得た。次いでプレポリマーI267部とイソホロンジアミン14部を50℃で2時間反応させ、重量平均分子量64000のウレア変性ポリエステルIを得た。上記と同様にビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、テレフタル酸276部を常圧下、230℃で8時間重縮合し、次いで10〜15mmHgの減圧で5時間反応して、ピーク分子量5000の変性されていないポリエステルAを得た。ウレア変性ポリエステルI200部と変性されていないポリエステルA800部を酢酸エチル/MEK(1/1)混合溶剤2000部に溶解、混合し、トナーバインダーIの酢酸エチル/MEK溶液を得た。一部減圧乾燥し、トナーバインダーIを単離した。分析の結果Tgは62℃であった。
(2)トナーの作製
トナーバインダーIの酢酸エチル/MEK溶液 240部
ペンタエリスリトールテトラベヘネート(溶融粘度25cps) 20部
銅フタロシアニンブルー顔料(C.I.ピグメントブルー15:3) 4部
カルナウバワックス 40部
上記原材料をビーカー内で、60℃にてTK式ホモミキサーで12000r.p.mで攪拌し、均一に溶解、分散させてトナー材料溶液を作製した。
イオン交換水 706部
ハイドロキシアパタイト10%懸濁液(日本化学工業(株)製スーパタイト10)
294部
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.2部
ビーカー内に上記原材料を入れ均一に溶解した。その後60℃に昇温し、TK式ホモミキサーで12000r.p.mに攪拌しながら、上記トナー材料溶液を投入し10分間攪拌した。ついでこの混合液を攪拌棒および温度計付のフラスコに移し、30℃まで昇温して減圧下で溶剤を除去し、濾別、洗浄、乾燥した後、風力分級し、トナー粒子を得た。重量平均粒径は6.3μmであった。このトナー粒子100部に対して、以下の混合条件にて添加剤を混合し、母体着色粒子を得た。
このようにして得られた母体着色粒子100部に対して、以下の混合条件にて添加剤を混合し、トナーを作製した。
添加剤 シリカ微粉末 1.5部
酸化チタン微粉末 0.5部
混合回転数 1000r.p.m
混合時間 150sec
混合機 スーパーミキサー
本トナーを作製した後、本評価法により流動性を測定した結果、表1のようになった。
上記作製法で得られたトナーとキャリアをキャリア97.5部に対し、2.5部の割合で混合し、二成分現像剤を作製した。
得られた現像剤を潜像担持体がOPCドラム感光体でクリーニング方式がブレードクリーニングである複写機にセットし、画像評価実験およびランニング実験を行なった。
その結果を表1に示す。
実施例9
実施例8と同様の原材料、作製方法で作製、分級を行ない、重量平均粒径が6.3μmの粒度分布に分級した。
このようにして得られた母体着色粒子100部に対して、以下の混合条件にて添加剤を混合し、トナーを作製した。
添加剤 シリカ微粉末 1.5部
酸化チタン微粉末 0.5部
混合回転数 1100r.p.m
混合時間 150sec
混合機 スーパーミキサー
本トナーを作製した後、本評価法により流動性を測定した結果、表1のようになった。
上記作製法で得られたトナーとキャリアをキャリア97.5部に対し、2.5部の割合で混合し、二成分現像剤を作製した。
得られた現像剤を潜像担持体がOPCドラム感光体でクリーニング方式がブレードクリーニングである複写機にセットし、画像評価実験およびランニング実験を行なった。
その結果を表1に示す。
実施例10
実施例8と同様の原材料、作製方法で作製、分級を行ない、重量平均粒径が6.3μmの粒度分布に分級した。
このようにして得られた母体着色粒子100部に対して、以下の混合条件にて添加剤を混合し、トナーを作製した。
添加剤 シリカ微粉末 1.5部
酸化チタン微粉末 0.5部
混合回転数 1200r.p.m
混合時間 150sec
混合機 スーパーミキサー
本トナーを作製した後、本評価法により流動性を測定した結果、表1のようになった。
上記作製法で得られたトナーとキャリアをキャリア97.5部に対し、2.5部の割合で混合し、二成分現像剤を作製した。
得られた現像剤を潜像担持体がOPCドラム感光体でクリーニング方式がブレードクリーニングである複写機にセットし、画像評価実験およびランニング実験を行なった。
その結果を表1に示す。
比較例3
実施例8と同様の原材料、作製方法で混練、粉砕、分級を行ない、重量平均粒径が6.3μmの粒度分布に分級した。
このようにして得られた母体着色粒子100部に対して、以下の混合条件にて添加剤を混合し、トナーを作製した。
添加剤 シリカ微粉末 1.5部
酸化チタン微粉末 0.5部
混合回転数 670r.p.m
混合時間 120sec
混合機 スーパーミキサー
本トナーを作製した後、本評価法により流動性を測定した結果、表1のようになった。
上記作製法で得られたトナーとキャリアをキャリア97.5部に対し、2.5部の割合で混合し、二成分現像剤を作製した。
得られた現像剤を潜像担持体がOPCドラム感光体でクリーニング方式がブレードクリーニングである複写機にセットし、画像評価実験およびランニング実験を行なった。
その結果を表1に示す。
以上の実施例1〜10、比較例1〜3の測定結果を表1に示す。
本発明の静電荷現像用トナーの流動性評価装置の1例を示す斜視図である。 本発明の静電荷現像用トナーの流動性評価装置に用いる円錐ロータの1例を示すものであり(A)は側面図であり、(B)は(A)におけるX−X線断面図である。 本発明の静電荷現像用トナーの流動性評価装置に用いる円錐ロータの他の例を示す図であり、(A)は円錐ロータの1例を図2と同様の部分の断面図で示すものであり、(B)は円錐ロータの他の例を図2と同様の部分の断面図で示すものであり、(C)は図2の円錐ロータの傾斜角を変えたタイプの円錐ロータの側面図である。 実施例と比較例におけるトナーのトルクと空間率の関係を示す図である。 実施例および比較例におけるドット再現性とトルク−空間率(T−ε)特性の傾き(mNm)との関係を示す図である。 本発明の評価装置を利用したトナー製造例を示す概略図である。 本実施例および比較例で用いた現像装置の概略図である。

Claims (24)

  1. 少なくとも樹脂、顔料からなる平均円形度が0.88〜0.95の粉状体の表面に添加剤を付着または固着させて得られた粉体を容器内に充填し、これを予め圧密状態にした後、容器内の粉体相中に円錐ロータを回転させながら侵入速度5mm/分で深さ20mmまでを侵入させたときに発生するトルクTと空間率εとの関係がT÷ε=−20〜−10mNmになるようにしたことを特徴とする静電荷現像用トナー。
  2. 少なくとも樹脂、顔料からなる粉状体の表面に平均粒径10〜200nmの少なくとも二酸化珪素からなる添加剤を1.0〜2.0重量部付着または固着させたものである請求項1記載の静電荷現像用トナー。
  3. 圧密状態にしたときの粉体相の空間率が0.4〜0.75である請求項1記載の静電荷現像用トナー。
  4. 少なくとも樹脂、顔料からなる粉状体の中に電荷制御剤が含有されているものである請求項1記載の静電荷現像用トナー。
  5. 少なくとも樹脂、顔料からなる粉状体が熱による表面処理によって作製されたものである請求項1記載の静電荷現像用トナー。
  6. 少なくとも樹脂、顔料からなる粉状体が重合法によって作製されたものである請求項1記載の静電荷現像用トナー。
  7. 少なくとも樹脂、顔料からなる粉状体の表面に付着または固着した添加剤が平均粒径10〜200nmの二酸化チタンを含むものである請求項1記載の静電荷現像用トナー。
  8. 少なくとも樹脂、顔料からなる粉状体の表面に付着または固着した添加剤が平均粒径10〜200nmの電荷制御剤からなるものである請求項1記載の静電荷現像用トナー。
  9. 少なくとも樹脂、顔料からなる粉状体中に離型剤が含有されているものである請求項1記載の静電荷現像用トナー。
  10. 少なくとも樹脂、顔料および離型剤からなる粉状体中に離型剤の分散剤を含んでいるものである請求項9記載の静電荷現像用トナー。
  11. 樹脂及び顔料を予め混練させた組成物を用いて作製したものである請求項1記載の静電荷現像用トナー。
  12. トナーの重量平均粒径が4〜8μmである請求項1記載の静電荷現像用トナー。
  13. 頂角が30〜120°である円錐ロータを用いたものである請求項1記載の静電荷現像用トナー。
  14. 粉体との接触表面に溝が切ってある円錐ロータを用いたものである請求項1記載の静電荷現像用トナー。
  15. 請求項1において、回転数が0.1〜10r.p.mである円錐ロータを用いたものである請求項1記載の静電荷現像用トナー。
  16. 請求項1〜15いずれか記載の静電荷現像用トナーを用いて、接触または非接触現像を行なうことを特徴とする1成分現像方法。
  17. ドクターローラおよび/または供給ローラを用いるものである請求項16記載の1成分現像方法。
  18. 請求項1〜15いずれか記載の静電荷現像用トナーと粒径20〜70μmのキャリアを用いて現像することを特徴とする2成分現像方法。
  19. 請求項16〜18いずれか記載の1成分現像方法または2成分現像方法において、ACバイアス電圧成分を印加して現像することを特徴とする現像方法。
  20. 請求項1〜15いずれか記載の静電荷現像用トナーが収容されていることを特徴とするトナーカートリッジまたはプロセスカートリッジ。
  21. 圧密ゾーンと測定ゾーンよりなる静電荷現像用トナーの流動性評価装置であって、圧密ゾーンは、トナーを入れる容器、該容器を上下させる昇降手段、前記容器内のトナーのための圧密化手段を含み、測定ゾーンは、円錐の頂点から底辺に向かって溝が切られている円錐ロータ、前記圧密ゾーンで圧密化された前記容器内のトナー粉体相に、回転している該円錐ロータを侵入または退出させる手段、該円錐ロータにかかるトルクを測定する手段を含むものであることを特徴とする静電荷現像用トナーの流動性評価装置。
  22. 前記円錐ロータの頂角が30〜120°である請求項21記載の静電荷現像用トナーの流動性評価装置。
  23. 請求項21または22いずれか記載の静電荷現像用トナーの流動性評価装置を用いて、静電荷現像用トナーの流動性を評価するにあたり、トナー層の圧密状態が、トナー層の空間率として0.4〜0.75であり、回転している円錐ロータの回転数が0.1〜10r.p.mであり、そのトナー層への侵入速度を0.2〜100mm/分としたことを特徴とする静電荷現像用トナーの流動性評価方法。
  24. 少なくとも樹脂と顔料からなる原料を混合、溶融、固化、粉砕して得られたトナー粉体を用いて静電荷現像用トナーを製造する方法において、前記トナー粉体の1部を採取し、請求項23記載の静電荷現像用トナーの流動性評価方法によりその流動性を評価し、その結果をフィードバックすることを特徴とする静電荷現像用トナーの製造方法。
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JP2012194430A (ja) * 2011-03-17 2012-10-11 Ricoh Co Ltd 画像形成装置

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