JP4024694B2 - 粉体評価装置及び静電荷現像用トナー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉体の流動性を評価するための評価装置及びそれを用いて評価したドット再現性の良い高画質の得られる静電荷現像用トナーに関するものである。さらに詳しくは、予め制御して圧密した粉体相中に円錐ロータを回転させながら侵入させ、円錐ロータが粉体相中を移動するときに発生するトルク又は荷重を測定することにより粉体の流動性を評価する評価装置及びそれを用いて製造した静電荷現像用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機やプリンタなどの画質は、高画質化が進んでおり、最近では細かいドットの再現性が非常に重要になって来ている。このドットの再現性は、トナーや現像剤の帯電量などの他に流動性に非常に影響され、細かい潜像部に均一なトナー層又は現像剤層を安定して供給することが必要になって来ている。
【0003】
また、高画質化が進むにつれて、それに用いられるトナーにおいては、小粒径化、高機能化が進んでいる。そのため、トナーの構造が複雑になってきており、従来より細かい作製時の制御が必要となってきている。特に、トナーの流動性はドット再現性の他に種々の画像品質に影響を与えるため、評価の面では個人差のない、精度の高い評価法が必要とされている。
【0004】
また、トナーの作製法が粉砕方式から重合法等の他の方式に変化したとき、製造条件に対しての流動特性の変化が大きく、粉砕方式の場合に比較して、細かい作製時のコントロール及び評価が必要となっている。
【0005】
電子写真関連の従来技術として、磁場が印加されたロートの狭部を通過して落下するのに要する時間を測定することにより、現像機内の現像剤の流動性を正確に評価する方法がある(特許文献1参照)。また、傾斜可能な板の上にトナーを載せ、板を徐々に傾けていき、流れ始めるときと流れ終えたときの角度を測定するものでがある(特許文献2参照)。さらに、篩を何段かに重ねて、その上にトナーを投入して、篩部分に水平方向と垂直方向の振動を与え、一定時間後の各篩部に残ったトナー量に予め設定された係数を乗算して算出する方法がある(特許文献3参照)。また、本発明に関連する特許以外の従来技術として、下記非特許文献1及び2がある。
【0006】
【特許文献1】
特開平01−203941号公報
【特許文献2】
特開平04−116449号公報
【特許文献3】
特開2000−292967号公報
【非特許文献1】
Satoh M.:J.,Soc.Powder Technol.,Japan,31,783-788(1994)
【非特許文献2】
佐藤宗武ら:化学工学論文集 Vol.22,No.6,pp.1435〜1441(1996)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の技術の欄で述べた方式は、データのバラツキが大きく、測定者による差があり、細かいトナー間の流動性の違いを評価することは出来なかった。そこで、本発明は、流動性の精度の高い、個人差のない評価装置を用いることにより、ドット再現性の良い高画質が得られるトナーを作製し、安定して生産できるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討の結果、測定する前の粉体相の状態に注目することにより、本発明の目的を達成した。すなわち、本発明によれば、圧密手段により圧密した粉体相中に円錐ロータを回転させながら侵入させ、円錐ロータが粉体相中を移動するときに発生するトルク又は荷重を測定する装置において、圧密時に圧密速度を制御する手段を備えていることを特徴とする粉体評価装置が提供される。ここで、圧密速度とは、ピストンが粉体相表面に近づく段階から粉体相中に押込んでいく段階の間の速度をいう。
【0009】
本発明では、粉体の流動性を予め圧密条件を制御して圧密状態を作り出し、その圧密状態の粉体相に円錐ロータを回転させながら侵入させ、円錐ロータが粉体相中を移動するときに発生するトルク又は荷重を測定することにより、定量的に、精度良く、個人差がなく評価できるようにし、細かい粉体間の流動性の違いを正確に評価できるようにした。本装置では粉体の圧密状態とトルク又は荷重との関係を測定するため、粉体間の違いを正確に評価できる。本方式では、短時間で粉体相をそのまま測定できるので、製造ラインの中にも導入でき、高品質な粉体を安定して生産できる。
【0010】
本評価装置は、予め粉体相を制御して圧密した後、その圧密した粉体相中に円錐ロータを回転させながら、侵入(下降)させたり、引抜(アップ)いたりさせ、そのときに円錐ロータや粉体相が入っている容器にかかるトルクや荷重を測定し、そのトルクや荷重の値により粉体の流動性を評価するものである。本装置には圧密速度を制御する手段が備え付けられており、圧密条件を制御して圧密した後、その粉体相中に円錐ロータを侵入させ、トルクや荷重を測定するものである。
【0011】
円錐ロータの形状はどんなものでも良いが、円錐の頂角が20〜150°であるものが適している。円錐の頂角が20°より小さいと粉体相との抵抗が小さいため、トルクや荷重が小さく、細かい流動性の違いを評価できない。逆に、頂角が150°より大きい場合には、粉体相を押さえつける方向の力が大きくなり、粉体粒子の変形が生じやすくなり、粉体の流動性の評価には適していない。円錐ロータの長さは、粉体相の中に円錐ロータ表面が連続的に存在するような、十分な長さが必要である。また、円錐ロータ表面には溝が切ってある方が良い。
【0012】
さらに、円錐ロータの材質面と粉体粒子との摩擦成分を測定するのではなく、粉体粒子と粉体粒子との摩擦成分を測定する方が良い。そのためには、円錐ロータが回転しながら粉体相の中に侵入していくとき、円錐ロータ表面に切ってある溝の中に粉体粒子が入り込んできて、その入り込んだ粉体粒子と周りの粉体粒子との摩擦状態を測定するようにした方が適している。この溝の形状は問わないが、円錐ロータの材質面と粉体粒子との接触が小さくなるように工夫する必要がある。一例を図4に示す。これは、円錐の頂点からまっすぐ底辺方向に溝を切ったもので、その溝の断面が三角形の凹凸からなるのこぎり歯形状をしている。この場合、円錐ロータ材質面と粉体粒子との接触は、三角溝の山の先端部分のみとなる。ほとんどが溝に入り込んだ粉体粒子とその周辺の粉体粒子との接触となる。円錐ロータの材質は何でも良いが、加工しやすくて、表面が固く、変質しない材質が良い。また、帯電性を帯びない材質が適している。この一例としては、SUS、Al、Cu、Au、Ag、黄銅等がある。
【0013】
粉体のトルク及び荷重は、円錐ロータの回転数や円錐ロータの侵入速度により変化する。本測定では測定の精度を上げるために、粉体粒子同士の微妙な接触状態が測定できるように、円錐ロータの回転数や侵入速度を下げて測定するようにした。そのため、測定条件は以下の範囲が適していることが分かった。
・円錐ロータの回転数:0.1〜100rpm
・円錐ロータの侵入速度:0.5〜150mm/min
円錐ロータの回転数が0.1rpmより小さい場合は粉体相の微妙な状態の影響を受けやすいため、トルク測定バラツキの問題が生じ、測定には適していない。100rpmより大きい場合は粉体の飛び散り等が生じて、安定に測定できないので適していない。円錐ロータの侵入速度が0.5mm/minより遅い場合は粉体相の微妙な状態の影響を受けやすく、測定バラツキの問題が生じるため測定には適していない。150mm/minより速い場合は粉体相が圧密状態になりやすく、粉体粒子の変形等の影響が出てくるので、流動性評価には適していない。
【0014】
本発明の粉体評価装置の構成は図1のようになり、圧密ゾーンと測定ゾーンから成る。
圧密ゾーンは、粉体を入れる容器、その容器を上下させる昇降ステージ、圧密させるピストン、そのピストンに荷重を加えるおもり等から構成される。なお、本構成は一例であり、本発明を限定するものではなく、例えば圧密手段としてピストンを用いる以外の方法を採用してもよい。本構成では、粉体を入れた試料容器を上昇させ、圧密用のピストンに接触させ、さらに上昇させてピストンにおもりの荷重が全てかかるようにおもりが支持板より浮いた状態になるようにし、一定時間放置する。その後、粉体を入れた容器が載せてある昇降ステージを下げて、ピストンを粉体表面から離す。ピストンが粉体相表面に近づいて接触する際に、粉体相表面の粉体に流れが発生しないようにするために、圧密速度(ピストンが粉体相表面に近づく段階から粉体相中に押し込んでいく段階の間の速度)を制御して、ピストンがゆっくり粉体相表面に接触する(ピストンの粉体相表面への衝突速度を低下させる)ようにする。
【0015】
本発明において圧密速度を制御するには、具体的には、ピストンが粉体相表面に接触する前に、少なくとも2段階以上で高さ変位量に対する圧密速度の関数を変化させる。例えば図3に示すように、圧密の開始点から速度変更点までの範囲では、V1=a1・h+b1という関数で急激に圧密速度を落とし、速度変更点から接触点までの範囲では、V2=a2・h+b2(|a1|>|a2|、b1>b2)という関数でゆっくり圧密速度を落とすようにする。また、他の例としては、速度変更点までは一定の速い圧密速度でピストンを粉体相に近づけ、速度変更点から接触点までの範囲ではV3=a3・h+b3という関数でゆっくり圧密速度を落とすようにしても良い。また、速度変更点を2ヶ所に設けて、3段階で高さ変位量に対する圧密速度の関数を変化しても良い。勿論、一次関数以外の関数を用いても問題無い。そして、最終的にピストンが粉体相表面に接触する際の圧密速度が0.1〜5mm/minになるように制御する必要がある。粉体相表面に対するピストンの圧密速度が0.1mm/minより小さい場合には、圧密に時間がかかりすぎて、測定時間に問題が生じる。粉体相表面に対するピストンの圧密速度が5mm/minより大きい場合には、粉体相表面からの粉体漏れが生じ、圧密状態のバラツキが大きくなり、精度の高い安定した測定ができなくなる。本圧密条件は図2に示すようにPCを用いて制御し、高さ方向への変位量に対して圧密速度が変化するようにした。シーケンサー等を用いる別方式でも良い。
【0016】
測定ゾーンは図1のようになり、粉体を入れる容器、その容器を上下させる昇降ステージ、ステージには荷重を測定するロードセル、粉体のトルクを測定するトルクメータ等から構成される。なお、本構成は一例であり、本発明を限定するものではない。円錐ロータをシャフトの先端に取付け、そのシャフト自体を固定(上下方向の移動に関して)する。粉体を入れた試料容器ステージは昇降機により上下できるようにして、ステージの中央部に粉体を入れた容器を置くようにし、容器を上げることにより、容器の中央に円錐ロータが回転しながら侵入してくるようにする。円錐ロータにかかるトルクは上部にあるトルクメータにより検出し、粉体の入った容器にかかる荷重は容器の下にあるロードセルで検出する。円錐ロータの移動量は位置検出器で行なう。この構成は一例であり、シャフト自体を昇降機により上下させたりするなど他の構成でも良い。
【0017】
円錐ロータの形は例を図4に示すが、前述したように頂角が20〜150°のものが良い。円錐ロータの長さは、円錐ロータ部分が十分粉体相の内部まで入るように長くする必要がある。溝の形状は、どのような形状でも良いが、円錐ロータを交換したためにトルクや荷重の値が再現しなくなるということがないように注意しないといけない。そのためには、図5に示すように、円錐ロータの溝形状は単純で、同じ形状のロータが何度でも造れる形の方が良い。容器の材質については問わないが、粉体との帯電による影響が出ないように導電性の材質が適している。また、粉体を入れ替えながら測定するため、汚れを少なくするために表面が鏡面に近いものが良い。容器のサイズは重要であり、円錐ロータが回転しながら侵入するときに容器の壁の影響がでないように円錐ロータの直径に対して大き目の(直径)サイズを選択する。
【0018】
トルクメータは高感度タイプのものが良く、非接触方式のものが適している。ロードセルは荷重レンジが広く、分解能の高いものが適している。位置検出器はリニアスケール、光を用いた変位センサ等があるが、精度的に0.1mm以下の仕様が適している。昇降機は、サーボモータやステッピングモータを用いて、精度良く駆動できるものが良い。
【0019】
測定は、容器に粉体を一定量投入し、本装置にセットする。その後、圧密ゾーンにて粉体漏れ等の不具合点の無い良好な制御した条件で昇降ステージを上昇させ、一定の荷重のかかっているピストンで粉体表面を押付け、圧密した粉体相状態を作り出す。一定時間圧密した後は、容器を下げ、元の位置に戻す。その際、圧密後の粉体相高さと粉体相の重量から圧密状態を評価する。その後、圧密状態を測定した粉体の入った容器を測定ゾーンの昇降ステージに設置する。この動作は、昇降ステージを回転させることにより、圧密ゾーンから測定ゾーンに移動させても良い。設置後、円錐ロータを回転させながら試料容器中の粉体相の中に侵入させる。トルクや荷重測定に入るときには、決められた回転数、侵入速度で行なう。円錐ロータの回転方向は任意である。円錐ロータの侵入距離は、浅いとトルクや荷重の値が小さく、データの再現性等に問題が生じるため、データの再現性のある領域まで深く円錐ロータを侵入させた方が良い。本発明者らの実験結果では5mm以上侵入させればほぼ安定した測定が可能になった。
【0020】
測定モードは、どのような条件でも可能であるが、例として以下のような測定モードがある。
▲1▼容器に粉体を充填する。
▲2▼制御された圧密条件で圧密を行ない、圧密状態を評価する。
▲3▼円錐ロータを回転させながら侵入させ、そのときのトルク、荷重を測定する。
▲4▼円錐ロータがトナー表面層から予め設定した深さ迄侵入したところで、侵入動作を止める。
▲5▼円錐ロータを引抜く動作を開始する。
▲6▼円錐ロータの先端が粉体相表面から抜け、完全にフリーになった時点(最初のホームポジション)で円錐ロータの引抜き動作を停止し、回転も止める。
以上の▲1▼〜▲6▼の操作を繰返して、測定を行なう。連続的に行なっても良い。
また、別な方法としては圧密状態を評価した粉体相に、円錐ロータを侵入させて、予め設定したトルク値になるまでの深さを調べる方法等がある。しかし、測定系、測定条件等に関してはこの限りではない。
【0021】
また、別の測定方法としては、粉体相を圧密前に加振器(図1参照)により振動を与えて安定化させ、その安定化した粉体相にピストンを押し当て、圧密状態を作り出す。その圧密した粉体相に回転させながら円錐ロータを進入させ、そのときのトルクや荷重を測定し、予め設定した深さまで到達したら進入動作を止め、その後円錐ロータを最初の位置(ホームポジション)までアップさせる。この測定は1回でもよいが、この動作を繰り返して行い、平均的なトルクや荷重を求めることも有効である。
【0022】
圧密状態の評価法としては、空間率を算出する方法がある。本発明の評価装置では、粉体相の空間率が重要になり、本発明者らの実験結果では空間率は0.4以上のとき安定して測定が可能であった。0.4未満では圧密状態の微妙な条件の違いがトルク、荷重に影響を及ぼし、安定した測定が困難であった。粉体相の空間率の範囲としては、種々な測定法の場合を含めて、0.4〜0.7であった。0.7より大きい場合には粉体が飛散し、測定には適していない。なお、空間率は、粉体光学ハンドブックに定義されているものを採用している。
【0023】
後述するように、本発明の装置はトナーの評価に好適である。その際、混合工程後のトナー粒子の流動性を本評価装置を用いて評価する。この場合、抜き取り検査で、試料を試料容器に入れ、その試料容器を直接図1に示す評価装置の試料ステージに載せ、圧密前トナー粉体相の高さ測定を行なった後、トナー粉体相を圧密し、トルク、荷重測定を行なう。円錐ロータの回転数は0.1〜100rpmとし、円錐ロータの侵入速度は0.5〜100mm/minとする。測定は、円錐ロータを回転させながら侵入させ、5mm以上の予め設定した侵入距離を経た後は侵入を止め、その後円錐ロータを引抜き、元の初期位置に戻す。この円錐ロータのトナー粉体相への侵入又は移動させたときのトルク、荷重を測定し、トナーの流動性を評価する。
【0024】
本評価装置でトナー流動性を評価した場合には、測定値(トルク、荷重)とトナー流動性が以下のような関係になる。
トルクが小さい場合、流動性は良い。
トルクが大きい場合、流動性は悪い。
荷重が小さい場合、流動性は良い。
荷重が大きい場合、流動性は悪い。
【0025】
円錐ロータを用いた本評価装置は、以下のような利点があり、抜取り試料をそのまま迅速に、簡単に測定できるため、個人差の無い、精度の高い測定ができる。
▲1▼非破壊検査である。
▲2▼試料をそのまま測定できる。
▲3▼短時間で測定できる。
▲4▼誰にでも簡単に測定できる。
【0026】
そのため、製造ラインでの計測も可能であり、製造工程の中での各工程間に設置して、工程途中での品質評価ができる。例えば、混合工程を経た後、次工程へ粉体試料を搬送する途中に、試料抜取り・測定ゾーンを設けておき、あるタイミングでシャッターを開閉して、一定量の試料を測定部へ搬送する。その測定部の先端部はSUS等でできた容器になっており、そのまま本評価装置にて測定する。又は、その容器を近くの別の場所にある本評価装置へ持っていき、試料ステージへのせて本評価装置にて測定する。測定し終わったトナーは、元の試料の中に戻す。評価の結果、その数値が予め定めた設定範囲を外れていた場合、試料を充填工程へは回さず、トナーの再処理工程へ回す。これらの仕組みは、図8に示すように混合工程前の工程である粉砕・分級工程後の検査、混合工程の後にある風篩工程後の検査、充填前の検査等に適用できる。また、これらの機能をもったトナー評価装置を単独に開発段階の評価装置として使うことも可能である。
【0027】
トナーの場合、前述の通り本評価装置でのトルク、荷重の測定値は流動性を示しており、定量的な評価が可能となる。今までの従来の評価法では、トナー間の違いは評価できるが、トナーの種類が違うと同じ土俵では評価できないという問題があった。しかし、本評価装置で測定した値は、粉体特性としてのトルク値、荷重値であり、トナーの種類が変わっても粒径が変わっても同じ土俵で評価できる値であり、非常に汎用的な評価値になる。また、圧密状態を評価した上での流動性の違いを評価できるため、多面的な評価が可能となる。
【0028】
トナー粉体相中での円錐ロータの移動時のトルク、荷重特性は、粉体の流動性と密接な関係があり、粉体の流動性が良い場合には1個1個の粉体粒子間の付着力が小さいために動きやすく、その粉体相内で円錐ロータを動かしてもトルクは小さく、荷重変化も小さい。しかし、逆に粉体の流動性が悪い場合には、1個1個の粉体粒子間の付着力が大きいために動きにくく、その粉体相内で円錐ロータを移動した場合には円錐ロータにかかるトルクは大きくなり、下方向へ働く力(荷重)も大きくなる。
そのため、本発明の評価法では、以下のような関係で流動性を評価できる。
流動性が良い場合→粉体相内を移動したときのトルク、荷重が小さい。
流動性が悪い場合→粉体相内を移動したときのトルク、荷重が大きい。
【0029】
トナーの流動性は、トナー作製工程の中の混合工程によりほとんど決まる。つまり、無機粒子などからなる添加剤をトナー粒子表面に付着もしくは固着させる状態によって、トナー粒子の流動性は大きく変化する。トナーの混合状態は、混合工程での混合条件(仕込み量、回転数、混合時間等)によって変化する。そのため、流動性には混合条件が重要な役割を果たし、混合工程後の流動性の評価が重要となる。
【0030】
プリンタや複写機において、高画質化を実現するためには、非常に微小なドット再現性を高める必要がある。それを実現するためには、非常に微小な潜像に対して忠実なトナー現像が必要となる。この忠実な現像を可能にするためには、現像域に均一なトナーブラシを供給する必要がある。そのためには、トナー帯電量が適度な条件であることが必要であるが、常に安定して現像域に均一なトナーブラシが供給できるようなトナーの動き易さ、搬送のし易さが非常に重要となる。つまり、微小なドット再現性を上げるためにも、トナーの流動性を上げることが必要になる。
【0031】
そこで、トナーの流動性を円錐ロータを用いた本装置により評価し、ドット再現性との関係を調べた結果、非常に強い相関関係が存在し、トルクや荷重が小さいときにはドット再現性は良くなった。その結果から、ドット再現性が良いトナーは、以下のようなトルク、荷重特性を示すことが分かった。
▲1▼円錐ロータ侵入時(20mm侵入時)のトルクの値が0.1〜8.3mNmである。
▲2▼円錐ロータ侵入時(20mm侵入時)の荷重の値が0.01〜1.14Nである。
このトルクの値及び荷重の絶対値は、それぞれ一方が上記の範囲を満たせば、ドット再現性のよいトナーが実現される。また、この絶対値を示すトナーは、上記のように圧密後のトナーの空間率が0.4〜0.7であるときに特に有用である。
【0032】
なお、評価モードに関しては、他の方法を用いても問題ない。また、評価項目もトルクや荷重を反映させるパラメータであれば、ある荷重になるまでの侵入距離、あるトルクになるまでの侵入距離等であっても良いし、トルクや荷重の積分値を評価しても良い。
混合工程において上述のように本発明の装置で評価した後、250メッシュ以上の篩を通過させ、粗大粒子、凝集粒子を除去し本発明のトナーを得る。
【0033】
本発明のトナーは、高画質画像を実現するためには、重量平均粒径は4〜10μmであり、さらに好ましくは5〜7μmである。重量平均粒径4μm未満では長期間の使用でのトナー飛散による機内の汚れ、低湿環境下での画像濃度低下、感光体クリーニング不良等という問題が生じやすく、人体への影響も懸念される。また重量平均粒径が10μmを超える場合では100μm以下の微小スポットの解像度が充分でなく非画像部への飛び散りも多く画像品位が劣る傾向となる。
【0034】
本トナーを用いる現像剤は、高画質画像を実現するために、キャリアの平均粒径が20〜100μmであることが必要である。キャリアの平均粒径が20〜100μmの範囲にあると、現像機内部のトナー濃度が2〜10重量%の範囲内において、トナーの帯電量をより均一にすることができる。20μmより小さくなるとキャリア粒子の感光体上への付着等が生じやすく、さらにトナーとの撹拌効率が悪くなりトナーの均一な帯電量が得られにくくなる。逆に、キャリアの平均粒径が100μmを超える場合では、細かい画像再現性が悪くなり、高画質は得られない。
【0035】
トナー及び現像剤の詳細を以下に示す。本発明のトナーは少なくとも樹脂、顔料からなり、その中に荷電制御剤及び/又は離型剤を含む。さらには、トナー粉体の表面に無機微粒子等の添加剤が付着又は固着している。
トナーを構成する樹脂としては、ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、スチレンアクリル樹脂、スチレンメタクリレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレンブタジエン樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン樹脂、シリコン樹脂、ブチラール樹脂、テルペン樹脂、ポリオール樹脂等がある。
【0036】
ビニル樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体:スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロロメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体:ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル等がある。
【0037】
ポリエステル樹脂としては以下のA群に示したような2価のアルコールと、B群に示したような二塩基酸塩からなるものであり、さらにC群に示したような3価以上のアルコールあるいはカルボン酸を第三成分として加えてもよい。
【0038】
A群:エチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4ブテンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3,3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2,0)−2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等。
【0039】
B群:マレイン酸、フマール酸、メサコニン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタール酸、イソフタール酸、テレフタール酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、リノレイン酸、又はこれらの酸無水物又は低級アルコールのエステル等。
【0040】
C群:グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3価以上のアルコール、トリメリト酸、ピロメリト酸等の3価以上のカルボン酸等。
【0041】
ポリオール樹脂としては、エポキシ樹脂と2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物、もしくはそのグリシジルエーテルとエポキシ基と反応する活性水素を分子中に1個有する化合物と、エポキシ樹脂と反応する活性水素を分子中に2個以上有する化合物を反応してなるものなどがある。
【0042】
本発明で用いる顔料としては以下のものが用いられる。
黒色顔料としては、カーボンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、アニリンブラック等のアジン系色素、金属塩アゾ色素、金属酸化物、複合金属酸化物が挙げられる。
【0043】
黄色顔料としては、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキが挙げられる。
【0044】
また、橙色顔料としては、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGKが挙げられる。
【0045】
赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bが挙げられる。
【0046】
紫色顔料としては、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキが挙げられる。
青色顔料としては、コバルトブルー、アルカリブルー、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBCが挙げられる。
緑色顔料としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ等がある。
これらは1種又は2種以上を使用することができる。
【0047】
特にカラートナーにおいては、良好な顔料の均一分散が必須となり、顔料を直接大量の樹脂中に投入するのではなく、一度高濃度に顔料を分散させたマスターバッチを作製し、それを希釈する形で投入する方式が用いられている。この場合、一般的には、分散性を助けるために溶剤が使用されていたが、環境等の問題があり、本発明では水を使用して分散させた。水を使用する場合、マスターバッチ中の残水分が問題にならないように、温度コントロールが重要になる。
【0048】
本発明のトナーには電荷制御剤をトナー粒子内部に配合(内添)している。しかし、トナー粒子と混合(外添)して用いても良い。電荷制御剤によって、現像システムに応じた最適の電荷量コントロールが可能となり、特に本発明では、粒度分布と電荷量とのバランスを更に安定したものとすることが可能である。
【0049】
トナーを正電荷性に制御するものとして、ニグロシン及び四級アンモニウム塩、トリフェニルメタン系染料、イミダゾール金属錯体や塩類を、単独あるいは2種類以上組み合わせて用いることができる。また、トナーを負電荷性に制御するものとしてサリチル酸金属錯体や塩類、有機ホウ素塩類、カリックスアレン系化合物等が用いられる。
【0050】
また、本発明におけるトナーには定着時のオフセット防止のために離型剤を内添することが可能である。離型剤としては、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックスなどの天然ワックス、モンタンワックス及びその誘導体、パラフィンワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及びその誘導体、サゾールワックス、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキルリン酸エステル等がある。これら離型剤の融点は65〜90℃であることが好ましい。この範囲より低い場合には、トナーの保存時のブロッキングが発生しやすくなり、この範囲より高い場合には定着ローラー温度が低い領域でオフセットが発生しやすくなる場合がある。
【0051】
離型剤等の分散性を向上させるなどの目的の為に、以下の樹脂を加えても良い。添加する樹脂としては、スチレンアクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、スチレンメタクリレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレンブタジエン樹脂、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、テルペン樹脂、ポリオール樹脂等があり、それぞれの樹脂を2種以上混合した物でも良い。
【0052】
樹脂は、結晶性ポリエステルを用いても良い。結晶性を有し、分子量分布がシャープでかつその低分子量分の絶対量を可能な限り多くした脂肪族系ポリエステルである。この樹脂はガラス転移温度(Tg)において結晶転移を起こすと同時に、固体状態から急激に溶融粘度が低下し、紙への定着機能を発現する。この結晶性ポリエステル樹脂の使用により、樹脂のTgや分子量を下げ過ぎることなく低温定着化を達成することができる。そのため、Tg低下に伴なう保存性の低下はない。また、低分子量化に伴なう高すぎる光沢や耐オフセット性の悪化もない。したがってこの結晶性ポリエステル樹脂の導入は、トナーの低温定着性の向上に非常に有効である。
【0053】
本発明のトナーおいて、低温定着性を発現し、耐ホットオフセット性を確保するためには、トナー中の樹脂及び離型剤の合計量に対して、結晶性ポリエステルの含有量は1〜50重量%であり、離型剤の含有量は2〜15重量%であることが好ましい。結晶性ポリエステルの含有量が1重量%未満の場合は低温定着性に効果がなく、50重量%を超える場合はホットオフセット性が悪化する。離型剤含有量が2重量%未満の場合は、耐オフセット性に効果がない場合があり、15重量%を超える場合には、トナー流動性の低下が生じる。
【0054】
本発明に係るトナーを作製する方法としては、粉砕法、重合法(懸濁重合、乳化重合、分散重合、乳化凝集、乳化会合等)等があるが、これらの作製法に限るものではない。しかし、本評価法は混練り工程や粉砕工程を用いないで作製する重合法やスプレードライ法などで作製したトナー、カプセルトナーにも使用できる。
【0055】
粉砕法の一例としては、まず、前述した樹脂、着色剤としての顔料又は染料、電荷制御剤、離型剤、その他の添加剤等をヘンシェルミキサーの如き混合機により充分に混合した後、バッチ式の2本ロール、バンバリーミキサーや連続式の2軸押出し機、連続式の1軸混練機等の熱混練機を用いて構成材料をよく混練し、圧延冷却後、切断を行なう。切断後のトナー混練物は破砕を行ない、ハンマーミル等を用いて粗粉砕し、更にジェット気流を用いた微粉砕機や機械式粉砕機により微粉砕し、旋回気流を用いた分級機やコアンダ効果を用いた分級機により所定の粒度に分級する。その後、混合機により無機粒子などからなる添加剤を粒子表面に付着もしくは固着させる。この混合工程後のトナー粒子の流動性を、上述のように本評価装置を用いて評価する。
【0056】
本発明に係るトナーを作製する方法としては、粉砕法以外の方法も考えられ、重合法の一例としては、モノマーに着色剤及び電荷制御剤等を添加したモノマー組成物を水系の媒体中で懸濁し重合させることでトナー粒子を得る。造粒法は特に限定されない。
【0057】
例えば本発明のトナーは、有機溶媒中に少なくとも、イソシアネート基を含有するポリエステル系プレポリマーが溶解し、顔料系着色剤が分散し、離型剤が溶解ないし分散している油性分散液を水系媒体中に無機微粒子及び/又はポリマー微粒子の存在下で分散させるとともに、この分散液中で該プレポリマーをポリアミン及び/又は活性水素含有基を有するモノアミンと反応させてウレア基を有するウレア変性ポリエステル系樹脂を形成させ、このウレア変性ポリエステル系樹脂を含む分散液からそれに含まれる液状媒体を除去することにより得られる。
【0058】
ウレア変性ポリエステル系樹脂において、そのTgは40〜65℃、好ましくは45〜60℃である。その数平均分子量Mnは2500〜50000、好ましくは2500〜30000である。その重量平均分子量Mwは1万〜50万、好ましくは3万〜10万である。
【0059】
このトナーは、該プレポリマーと該アミンとの反応によって高分子量化されたウレア結合を有するウレア変性ポリエステル系樹脂をバインダー樹脂として含む。そして、そのバインダー樹脂中には着色剤が高分散している。得られた乾燥後のトナーの粉体を風力分級し、上記最適な混合条件により混合機により無機微粒子などからなる添加剤を粒子表面に付着もしくは固着させる。また、電荷制御剤を乾燥後のトナー粉体表面に打込んで、固着注入させても良い。さらにその後、無機微粒子などからかる添加剤を粒子表面に付着もしくは固着させても良い。電荷制御剤を表面に打込むことにより、トナーの帯電量の制御がしやすくなる。
【0060】
混合したり、固着注入したりする具体的手段としては、高速で回転する羽根によって粉体混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に粉体混合物を投入し、加速させ、粒子同士又は複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などがある。装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して、粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などがあげられる。
【0061】
この混合工程後、所定の流動性が得られているかどうかを評価するために、本評価装置を用いて評価する。これらの方式の場合にも、造粒後の検査、電荷制御剤の処理後の検査、添加剤の混合工程後の検査、混合工程の後にある風篩工程後の検査、充填前の検査等に適用できる。
【0062】
また、流動性はトナー形状によって影響されるが、トナーの平均円形度が0.9〜0.99である非常に球形に近いトナーの場合には流動性に優れ、ドット再現性に優れた高画質化を実現できる。
【0063】
本トナーは、接触又は非接触現像方式に使用する1成分現像剤として用いる。接触又は非接触現像方式は色々な公知のものが使用される。例えば,アルミスリーブを用いた接触現像法、導電性ゴムベルトを用いた接触現像法、アルミ素管の表面にカーボンブラック等を含む導電性樹脂層を形成した現像スリーブを用いる非接触現像法等がある。
さらに2成分現像剤として使用する場合は、後述する磁性キャリアと所定の混合比率で混合することによって2成分現像剤とする。
【0064】
また、1成分現像方式において、トナー供給部の出口にトナー層を均一にするためのローラー状のブレードを設けた現像方式に、本トナーを用いることができる。また、図9のようにドクターローラ及び/又は供給ローラを用いる現像方式に採用しても良い。このような方式の場合には、感光体へのフィルミングだけではなく、ドクターローラや供給ローラへのフィルミングが発生する。このため、トナー層が均一に形成できないばかりかトナー帯電が不均一になり、トナー電荷量も小さくなる。このため現像不良が生じる。しかし本発明のトナーを用いると、ドクターローラや供給ローラへのフィルミングは発生せず、安定した現像が行なわれ、耐久特性に優れた方式となる。
【0065】
また、磁性トナーとする場合には、トナー粒子の中に磁性体の微粒子を内添すれば良い。磁性体としては、フェライト、マグネタイト、鉄、ニッケル、コバルト、それらの合金などの強磁性体等が考えられる。磁性体の平均粒径は0.1〜1μmが好ましい。磁性体の含有量はトナー100重量部に対して、10〜70重量部であることが好ましい。
【0066】
2成分現像剤に使用されるキャリアとしては公知のものが使用可能であり、例えば鉄粉、フェライト粉、ニッケル粉、マグネタイト粉の如き磁性粒子あるいはこれら磁性粒子の表面をフッ素系樹脂、ビニル系樹脂、シリコーン系樹脂等で処理したもの、あるいは磁性粒子が樹脂中に分散されている磁性粒子分散樹脂粒子等が挙げられる。これら磁性キャリアの平均粒径は20〜100μmが良い。好ましくは20〜70μmが良い。また、本発明の2成分現像剤は流動性向上剤として無機微粉体をトナーに添加して用いることが可能である。
【0067】
無機微粉体としてはSi、Ti、Al、Mg、Ca、Sr、Ba、In、Ga、Ni、Mn、W、Fe、Co、Zn、Cr、Mo、Cu、Ag、V、Zr等の酸化物や複合酸化物が挙げられる。これらのうち二酸化珪素(シリカ)、二酸化チタン(チタニア)、アルミナの微粒子が好適に用いられる。さらに、疎水化処理剤等により表面改質処理することが有効である。
【0068】
疎水化処理剤の代表例としては以下のものが挙げられる。ジメチルジクロルシラン、トリメチルクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルジクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、p−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、クロルメチルトリクロルシラン、ヘキサフェニルジシラザン、ヘキサトリルジシラザン等。
【0069】
無機微粉体はトナーに対して0.1〜2重量%使用されるのが好ましい。0.1重量%未満では、トナー凝集を改善する効果が乏しくなり、2重量%を超える場合は、細線間のトナー飛び散り、機内の汚染、感光体の傷や摩耗等の問題が生じやすい傾向がある。
【0070】
また、本発明の現像剤には、実質的な悪影響を与えない範囲内で更に他の添加剤、例えばテフロン(登録商標)粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末の如き滑剤粉末;あるいは酸化セリウム粉末、炭化珪素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末などの研磨剤;あるいは例えばカーボンブラック粉末、酸化亜鉛粉末、酸化スズ粉末等の導電性付与剤を現像性向上剤として少量用いることもできる。
【0071】
また、本トナーは現像時にACバイアス電圧成分を用いて現像する場合に、流動性に優れているため、電界に従って忠実に振動し、細かい潜像に対しての忠実な現像が出来、ドット再現性の良い現像が可能となる。
【0072】
また、本トナーは流動性に優れているため、カートリッジ容器に入れて保管することが十分可能であり、カートリッジ容器から現像部へトナー搬送するような構成の装置にも適している。
【0073】
【発明の実施の形態】
以下、実施例を説明するが、これは本発明をなんら限定するものではない。なお、今回は、トナー組成、トナー作製法及び混合条件を変化したトナーを作製し、トナー流動性を本評価装置を用いて評価した。本発明の評価装置において、圧密条件は図2の2段階の関数変化を採用した。その後、トナーを用いて画像を形成し、ドット再現性を画像のザラツキ感として5段階評価(ランク1:悪い→ランク5:良い)した。また、2万枚のランニング耐久試験をOPCを用いた複写機を用いて行ない、現像部でのブロッキング等のトナー搬送性の不具合点を評価した。不具合点の無かった場合を○、不具合点のあった場合を×として評価した。
【0074】
トナーの流動性は、本評価装置を用いて評価し、円錐ロータがトナー粉体相表面から20mm侵入したときのトルクと荷重の値を測定した。トナーは予め最適な圧密条件(2段階の関数変化、接触時の圧密速度は2mm/min)で圧密状態にし、トナー漏れ及び空間率を測定した後、トルク、荷重を評価した。円錐ロータの評価条件は以下のようにした。尚、評価には空間率が0.53のときのトルク及び荷重を採用した。圧密時のトナー漏れは、トナー漏れの有無で評価した。
・円錐ロータの頂角:50°
・円錐ロータの回転数:2rpm
・円錐ロータの侵入速度:5mm/min
【0075】
なお、以下の配合における部数は全て重量部である。
―実施例1―
樹脂 ポリエステル樹脂 100部
顔料 マゼンタ顔料(C.I.ピグメントレッド57) 4部
帯電制御剤 サリチル酸亜鉛塩 5部
上記原材料をミキサーで十分に混合した後、2軸押出し機によりバレル温度100℃混練機回転数100rpmで溶融混練した。混練物を圧延冷却後カッターミルで粗粉砕し、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕後、旋回式風力分級装置を用いて、平均粒径が6.5μmの粒度分布に分級し、母体着色粒子を得た。
【0076】
さらに、母体着色粒子100部に対して、以下の混合条件にて添加剤を混合し、トナーを作製した。
【0077】
本トナーを作製した後、本評価装置により圧密し、圧密状態(トナー漏れ、空間率)及び流動性を測定した結果、表1のようになった。得られたトナーを潜像担持体がOPCドラム感光体でクリーニング方式がブレードクリーニングである複写機にセットし、画像評価実験を行なった。その結果、画像のドット再現性は5段階評価でランク4であった。
【0078】
―実施例2―
実施例1と同様の原材料、作製方法で混練、粉砕、分級を行ない、平均粒径が6.5μmの粒度分布に分級した。さらに、母体着色粒子100部に対して、以下の混合条件にて添加剤を混合し、トナーを作製した。
【0079】
本トナーを作製した後、本評価装置により圧密し、圧密状態(トナー漏れ、空間率)及び流動性を測定した結果、表1のようになった。また、実施例1と同様に、画像評価実験を行なった。その結果、画像のドット再現性は5段階評価でランク4であった。
【0080】
―実施例3―
実施例1と同様の原材料、作製方法で混練、粉砕、分級を行ない、平均粒径が6.5μmの粒度分布に分級した。さらに、母体着色粒子100部に対して、以下の混合条件にて添加剤を混合し、トナーを作製した。
【0081】
本トナーを作製した後、本評価装置により圧密し、圧密状態(トナー漏れ、空間率)及び流動性を測定した結果、表1のようになった。また、実施例1と同様に、画像評価実験を行なった。その結果、画像のドット再現性は5段階評価でランク5であった。
【0082】
―実施例4―
実施例1と同様の原材料、作製方法で混練、粉砕、分級を行ない、平均粒径が6.5μmの粒度分布に分級した。さらに、母体着色粒子100部に対して、以下の混合条件にて添加剤を混合し、トナーを作製した。
【0083】
本トナーを作製した後、本評価装置により圧密し、圧密状態(トナー漏れ、空間率)及び流動性を測定した結果、表1のようになった。また、実施例1と同様に、画像評価実験を行なった。その結果、画像のドット再現性は5段階評価でランク5であった。
【0084】
―実施例5―
実施例1と同様の原材料、作製方法で混練、粉砕、分級を行ない、平均粒径が6.5μmの粒度分布に分級した。さらに、母体着色粒子100部に対して、以下の混合条件にて添加剤を混合し、トナーを作製した。
【0085】
本トナーを作製した後、本評価装置により圧密し、圧密状態(トナー漏れ、空間率)及び流動性を測定した結果、表1のようになった。また、実施例1と同様に、画像評価実験を行なった。その結果、画像のドット再現性は5段階評価でランク5であった。
【0086】
―比較例1―
実施例1と同様の原材料、作製方法で混練、粉砕、分級を行ない、平均粒径が6.5μmの粒度分布に分級した。さらに、母体着色粒子100部に対して、以下の混合条件にて添加剤を混合し、トナーを作製した。
【0087】
本トナーを作製した後、本評価装置により圧密し、圧密状態(トナー漏れ、空間率)及び流動性を測定した結果、表1のようになった。また、実施例1と同様に、画像評価実験を行なった。その結果、画像のドット再現性は5段階評価でランク3であった。
【0088】
―実施例6―
トナーバインダーの合成
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、イソフタル酸276部及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧,230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した後、160℃まで冷却して、これに32部の無水フタル酸を加えて2時間反応した。次いで、80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソフォロンジイソシアネート188部と2時間反応を行い、イソシアネート含有プレポリマーIを得た。次いでプレポリマーI267部とイソホロンジアミン14部を50℃で2時間反応させ、重量平均分子量64000のウレア変性ポリエステルIを得た。上記と同様にビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、テレフタル酸276部を常圧下、230℃で8時間重縮合し、次いで10〜15mmHgの減圧で5時間反応して、ピーク分子量5000の変性されていないポリエステルAを得た。ウレア変性ポリエステルI200部と変性されていないポリエステルA800部を酢酸エチル/MEK(1/1)混合溶剤2000部に溶解、混合し、トナーバインダーIの酢酸エチル/MEK溶液を得た。一部減圧乾燥し、トナーバインダーIを単離した。分析の結果Tgは62℃であった。
【0089】
上記原材料をビーカー内で、60℃にてTK式ホモミキサーで12000rpmで攪拌し、均一に溶解、分散させてトナー材料溶液を作製した。
【0090】
ビーカー内に上記原材料を入れ均一に溶解した。その後60℃に昇温し、TK式ホモミキサーで12000rpmに攪拌しながら、上記トナー材料溶液を投入し10分間攪拌した。ついでこの混合液を攪拌棒及び温度計付のフラスコに移し、30℃まで昇温して減圧下で溶剤を除去し、濾別、洗浄、乾燥した後、風力分級し、トナー母体粒子を得た。体積平均粒径は6.5μmであった。
【0091】
このトナー母体粒子100部に対して、以下の混合条件にて添加剤を混合し、トナーを得た。
【0092】
本トナーを作製した後、本評価装置により圧密し、圧密状態(トナー漏れ、空間率)及び流動性を測定した結果、表1のようになった。上記作製法で得られたトナーとキャリアをキャリア97.5部に対し、2.5部の割合で混合し、2成分現像剤を作製した。得られた現像剤を潜像担持体がOPCドラム感光体でクリーニング方式がブレードクリーニングである複写機にセットし、画像評価実験を行なった。その結果、画像のドット再現性は5段階評価でランク4であった。
【0093】
―実施例7―
実施例6と同様の原材料、作製方法で粉体の作製、分級を行ない、平均粒径が6.5μmの粒度分布に分級した。さらに、母体着色粒子100部に対して、以下の混合条件にて添加剤を混合し、トナーを作製した。
本トナーを作製した後、本評価装置により圧密し、圧密状態(トナー漏れ、空間率)及び流動性を測定した結果、表1のようになった。また、実施例6と同様に2成分現像剤を作製し、画像評価実験を行なった。その結果、画像のドット再現性は5段階評価でランク5であった。
【0094】
―実施例8―
実施例6と同様の原材料、作製方法で粉体の作製、分級を行ない、平均粒径が6.5μmの粒度分布に分級した。さらに、母体着色粒子100部に対して、以下の混合条件にて添加剤を混合し、トナーを作製した。
【0095】
本トナーを作製した後、本評価装置により圧密し、圧密状態(トナー漏れ、空間率)及び流動性を測定した結果、表1のようになった。また、実施例6と同様に2成分現像剤を作製し、画像評価実験を行なった。その結果、画像のドット再現性は5段階評価でランク5であった。
【0096】
―比較例2―
実施例6と同様の原材料、作製方法で混練、粉砕、分級を行ない、平均粒径が6.5μmの粒度分布に分級した。さらに、母体着色粒子100部に対して、以下の混合条件にて添加剤を混合し、トナーを作製した。
【0097】
本トナーを作製した後、本評価装置により圧密し、圧密状態(トナー漏れ、空間率)及び流動性を測定した結果、表1のようになった。また、実施例6と同様に2成分現像剤を作製し、画像評価実験を行なった。その結果、画像のドット再現性は5段階評価でランク3であった。
【0098】
―実施例9―
樹脂 ポリエステル樹脂 100部
顔料 カーボンブラック 10部
帯電制御剤 サリチル酸亜鉛塩 2部
離型剤 ライスワックス 5部
上記原材料をミキサーで十分に混合した後、2軸押出し機によりバレル温度100℃回転数100rpmで溶融混練した。混練物を圧延冷却後カッターミルで粗粉砕し、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕後、旋回式風力分級装置を用いて、平均粒径が6μmの粒度分布に分級し、トナー母体着色粒子を得た。
【0099】
さらに、母体着色粒子100部に対して、以下の混合条件にて添加剤を混合し、トナーを作製した。
【0100】
本トナーを作製した後、本評価装置により圧密し、圧密状態(トナー漏れ、空間率)及び流動性を測定した結果、表1のようになった。上記作製法で得られたトナーとキャリアをキャリア97.5部に対し、2.5部の割合で混合し、2成分現像剤を作製した。得られた現像剤を潜像担持体がOPCドラム感光体でクリーニング方式がブレードクリーニングである複写機にセットし、画像評価実験を行なった。その結果、画像のドット再現性は5段階評価でランク4であった。
【0101】
―実施例10―
実施例9と同様の原材料、作製方法で混練、粉砕、分級を行ない、平均粒径が6.5μmの粒度分布に分級した。さらに、母体着色粒子100部に対して、以下の混合条件にて添加剤を混合し、トナーを作製した。
【0102】
本トナーを作製した後、本評価装置により圧密し、圧密状態(トナー漏れ、空間率)及び流動性を測定した結果、表1のようになった。また、実施例9と同様に2成分現像剤を作製し、画像評価実験を行なった。その結果、画像のドット再現性は5段階評価でランク5であった。
【0103】
―実施例11―
実施例9と同様の原材料、作製方法で混練、粉砕、分級を行ない、平均粒径が6.5μmの粒度分布に分級した。さらに、母体着色粒子100部に対して、以下の混合条件にて添加剤を混合し、トナーを作製した。
【0104】
本トナーを作製した後、本評価装置により圧密し、圧密状態(トナー漏れ、空間率)及び流動性を測定した結果、表1のようになった。また、実施例9と同様に2成分現像剤を作製し、画像評価実験を行なった。その結果、画像のドット再現性は5段階評価でランク5であった。
【0105】
―比較例3―
実施例9と同様の原材料、作製方法で混練、粉砕、分級を行ない、平均粒径が6.5μmの粒度分布に分級した。さらに、母体着色粒子100部に対して、以下の混合条件にて添加剤を混合し、トナーを作製した。
【0106】
本トナーを作製した後、本評価装置により圧密し、圧密状態(トナー漏れ、空間率)及び流動性を測定した結果、表1のようになった。また、実施例9と同様に2成分現像剤を作製し、画像評価実験を行なった。その結果、画像のドット再現性は5段階評価でランク3であった。
【0107】
【表1】
【0108】
以上の結果から分かるように、トナー粉体相の本評価装置による流動性評価値とドット再現性との間には強い相関関係が存在し、本評価法によりドット再現性を評価できることが分かる。
【0109】
上記のデータをグラフ化して、図6、7に示す。図6、7の結果から、ドット再現性の良い高画質を得るために必要な、流動性の良いトナーを得るためには、以下の条件を満足することが必要である。また、以下の条件のとき、表1から分かるように2万枚のランニング(連続印刷)をしたとき、現像部でのブロッキング等のトナー搬送性の不具合点は生じなかった。
▲1▼円錐ロータ20mm侵入時のトルクの値が0.1〜8.3mNmである。
▲2▼円錐ロータ20mm侵入時の荷重の値が0.01〜1.14Nである。
円錐ロータ侵入時のトルク値が0.1mNm未満では、トナーの流動性以外の帯電特性が悪くなり画質低下が生じ、8.3mNmより大きくなれば流動性が低下し、ドット再現性が悪くなる。円錐ロータ侵入時の荷重値が0.01N未満では、トナーの帯電特性が悪くなり画質低下が生じ、1.14Nより大きくなるとトナーの流動性が低下しドット再現性が悪くなる。
【0110】
【発明の効果】
粉体の流動性を、本評価装置を用いて最適な圧密条件で圧密し、圧密状態を評価した後、粉体相中に円錐ロータを回転させながら侵入させ、円錐ロータが粉体相中を移動するときに発生するトルク又は荷重を測定することにより、粉体の流動性が精度良く、個人差の無い評価ができるようになり、高画質の得られるトナーの条件を精度良く規定し、高画質の得られるトナーを安定して生産できるようにした。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の粉体評価装置の構成の概要を示す図である。
【図2】 本発明の装置の圧密ゾーンの構成を示す図である。
【図3】 高さ変位量に対する圧密速度の変化を表すグラフである。
【図4】 円錐ロータの形の一例を示す図である。
【図5】 他の円錐ロータの形の例(円錐ロータの断面形状の変化、円錐頂角の変化)を示す図である。
【図6】 実施例1〜11及び比較例1〜3の円錐ロータ侵入時のトルクとドット再現性との関係を示すグラフである。
【図7】 実施例1〜11及び比較例1〜3の円錐ロータ侵入時の荷重とドット再現性との関係を示すグラフである。
【図8】 本発明の粉体評価装置を用いたトナー製造装置の例を示す。
【図9】 本発明の粉体評価装置を用いて作製したトナーを使った現像装置の例を示す。
Claims (10)
- 圧密手段により圧密した粉体相中に円錐ロータを回転させながら侵入させ、円錐ロータが粉体相中を移動するときに発生するトルク又は荷重を測定する装置において、該圧密手段がピストンを有し、該ピストンが粉体相表面に衝突するまでの範囲で高さ変位量に対する圧密速度の関数を少なくとも2段階で変化して粉体を圧密することを特徴とする粉体評価装置。
- 上記ピストンが粉体相表面に接触する際の圧密速度が0.1〜5mm/minになるようにして圧密することを特徴とする請求項1に記載の粉体評価装置。
- 円錐ロータの頂角が20〜150°であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の粉体評価装置。
- 円錐ロータの表面に溝が切ってあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の粉体評価装置。
- 円錐ロータの回転数が0.1〜100rpmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の粉体評価装置。
- 円錐ロータの粉体相への侵入速度が0.5〜150mm/minであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の粉体評価装置。
- 圧密する前に容器の下に設けた加振器により粉体相状態を安定化し、その後圧密するようにしたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の粉体評価装置。
- 圧密後の粉体相の空間率が0.4〜0.7になるようにしたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の粉体評価装置。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の流動性評価装置を用いて、トナー製造過程で評価を行い、その評価に基づいてトナーを製造することを特徴とする静電荷現像用トナーの製造装置。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の流動性評価装置を用いて、トナー製造過程で評価を行い、その評価に基づいてトナーを製造することを特徴とする静電荷現像用トナーの製造方法。
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