JP2006257935A - キャニスタユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】 キャニスタと燃料ポンプとを一体化させて省スペース化を図ると共に、取り付けの容易化を図る。
【解決手段】 外壁面2Aと内壁面2Bとを備え、前記内壁面2Bの内側が空洞としてなるケーシング2を有し、外壁面2Aと内壁面2Bとの間を、吸着材を収納する吸着材収納部4とすると共に、内壁面2Bの内側に形成された空洞を、燃料をくみ取る燃料ポンプ7を配置するポンプ設置部5として、キャニスタと燃料ポンプ7とを一体化してユニットとする。そして、前記ケーシング2に、燃料ポンプ7でくみ取る燃料の収納された燃料タンク30の内部に前記ユニットを配置せしめて前記燃料タンク30に取り付ける取付部10を設ける。さらに、ケーシング2の下部に、前記ポンプ設置部5と前記燃料タンクと連通させる連通部2Dを形成すると共に、前記燃料ポンプ7の吸い込み口7aをケーシング2の下部に配置する。
【選択図】 図1
【解決手段】 外壁面2Aと内壁面2Bとを備え、前記内壁面2Bの内側が空洞としてなるケーシング2を有し、外壁面2Aと内壁面2Bとの間を、吸着材を収納する吸着材収納部4とすると共に、内壁面2Bの内側に形成された空洞を、燃料をくみ取る燃料ポンプ7を配置するポンプ設置部5として、キャニスタと燃料ポンプ7とを一体化してユニットとする。そして、前記ケーシング2に、燃料ポンプ7でくみ取る燃料の収納された燃料タンク30の内部に前記ユニットを配置せしめて前記燃料タンク30に取り付ける取付部10を設ける。さらに、ケーシング2の下部に、前記ポンプ設置部5と前記燃料タンクと連通させる連通部2Dを形成すると共に、前記燃料ポンプ7の吸い込み口7aをケーシング2の下部に配置する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、キャニスタと燃料ポンプとを一体化したキャニスタユニットに関する。
従来、自動車では、気化された燃料を吸着させるキャニスタを、燃料タンクとは独立させて設けていた。例えば、エンジンルームの内部や燃料タンク付近の空きスペースを利用して取り付けていた。このような場合、キャニスタを取り付けるために、取り付け用のステー、ボルト、キャッチャーなどを別途取り付けることが必要となる。
また、エンジンルーム内や燃料タンク付近の空きスペースを利用する場合、スペースが小さく、キャニスタの寸法制限が厳しい。
近年、このような問題を解決することも含めて、複数の部品を一体化してモジュール化する手法が採られるようになってきた。
その一例として、特許文献1には、キャニスタ一体ポンプモジュールに関する発明が開示されている。
この特許文献1に開示の発明は、燃料タンクの内部に設けられた燃料ポンプの側方にキャニスタを配置し、両者をシャフトで連結する構成を採用している。そして、燃料タンク内の燃料の残量を測定するフロートを燃料ポンプに取り付け、このフロートをキャニスタとは逆側に突出させると共に、キャニスタとポンプとを接続するホースの取り付け状態に工夫を凝らして、フロートの動きが妨げられないようにしている。
しかしながら、特許文献1に開示された発明は、単にキャニスタと燃料ポンプとをシャフトで連結したに過ぎず、一つのユニットとして構成されているわけではなく、かさばることに変わりない。また、燃料タンクへの取付にも煩わしさがある。
そこで、本発明では、キャニスタと燃料ポンプとを完全に一体化させることができ、スペースをとらず、しかも取り付けもきわめて容易に行えるキャニスタユニットを提供する。
本発明では上記課題を解決するために、外壁面(2A,52,82,122,142)と内壁面(2B,53,83,123,143)とを備え、前記内壁面(2B,53,83,123,143)の内側が空洞としてなるケーシング(2,51,81,121,141)を有し、前記外壁面(2A,52,82,122,142)と前記内壁面(2B,53,83,123,143)との間の部位を、気化された燃料を吸着する吸着材を収納する吸着材収納部(4,54,85,124,144)として構成する一方、前記内壁面(2B,53,83,123,143)の内側に形成された空洞を、燃料をくみ取る燃料ポンプ(7,59,90,130,150)を配置するポンプ設置部(5,56,86,125,146)として構成して、キャニスタと燃料ポンプ(7,59,90,130,150)とを一体化したユニットとして構成し、前記ケーシング(2,51,81,121,141)に、前記燃料ポンプ(7,59,90,130,150)でくみ取られる燃料の収納された燃料タンクの内部にこのユニットを配置させ、しかも、前記ケーシング(2,51,81,121,141)の下部を前記燃料タンクの底部近傍に位置せしめて前記燃料タンクに取り付ける取付部(10,75,110)を設け、前記ケーシング(2,51,81,121,141)の下部に、前記ポンプ設置部(5,56,86,125,146)と前記燃料タンクと連通させる連通部(2D,81A)を形成すると共に、前記燃料ポンプ(5,56,86,125,146)の吸い込み口(7a,58,90a)を前記ケーシング(2,51,81,121,141)の下部に配置したキャニスタユニットを採用することとした。
そして、本発明では上記キャニスタユニットにおいて、前記取付部(10,75,110)は、前記燃料タンクの開口部を閉鎖した状態で前記燃料タンクに固定される蓋部(11,75,97)を具備し、前記ケーシング(2,51,81,121,141)を、この蓋部(11,75,97)に取り付けて構成した。
なお、取付部(10,75,110)の構成としては、ケーシング(51)を蓋部(75)に直付けしてもよいが、次の構成を採用することもできる。
その一つとして、前記取付部(10)は、前記蓋部(11)から前記燃料タンク内に延びて前記ケーシング(2)を連結するアーム(12)を具備し、前記アーム(12)には、前記ケーシング(2)を押圧して、前記燃料タンクにおける前記開口部と対向する壁面に前記ケーシング(2)の底面を接地せしめる付勢部材(17)が取り付けられているキャニスタユニットを挙げることができる。
また、前記取付部(110)は、前記蓋部(97)から前記燃料タンク内に延びて前記ケーシング(81)を連結するアームを具備し、前記ケーシング(81)は、前記アーム(111)に対して揺動されるように枢軸(113)で前記アーム(111)に支持されているキャニスタユニットを採用してもよい。
本発明によれば、キャニスタと燃料ポンプとを一つのケーシングに納めているので、両者を完全に一体化したユニットとすることができる。このため、キャニスタを取り付ける専用の構造が不要となる。また、ユニット化することで、ユニット全体の外形をコンパクトに形成できる。さらに、一体化したユニットにすることで、燃料タンクへの取付を容易に行える。
また、燃料ポンプの周囲が吸着材の収納された部分で囲まれているため、吸着材が吸音材としても機能し、燃料ポンプやプレッシャレギュレータが発する騒音を低減できる。なお、プレッシャレギュレータがエンジン側に設けられている場合には、リターン配管からの流出音を低減する。
加えて、燃料ポンプの作動により発生する熱が吸着材に伝達され、吸着材に吸着された燃料がパージされやすくなる。他方、エンジン停止時には、ガソリンの温度低下に伴ってこのガソリンにより吸着材が冷却され、吸着材が気化した燃料を吸着しやすくなる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態にかかるキャニスタユニット1の内部構造を模式的に示した図である。この図1に示すキャニスタユニット1は、燃料タンク30の上面32に形成された開口部31から挿入され、この開口部31に位置固定されて燃料タンク30の内部に配置される。キャニスタユニット1は、外壁面2A、内壁面2B及び底面板2Cからなり、内壁面2Bの内側が空洞に形成された環状のケーシング2と、このケーシング2を燃料タンク30の前記開口部31に取り付けるための取付部10とを備えている。
ケーシング2の外壁面2Aと内壁面2Bとの間は、活性炭などの吸着材3を収納する吸着材収納部4であり、内壁面2Bの内側はこの燃料タンク30に充填された燃料をくみ取る燃料ポンプ7が設置されるポンプ設置部5である。
また、このケーシング2には、吸着材収納部4の下部の一部につきケーシング2の外部と、内壁面2Aの内側のポンプ設置部5とを連通せしめた燃料導入口2Dが形成されている。この燃料導入口2Dは、燃料タンク30内の燃料をポンプ設置部5へ導入する部位である。この燃料導入口2Dには、内壁面2B側に当該燃料導入口2Dを開閉する開閉板19が設けられており、燃料タンク30内の燃料をポンプ設置部5へ適宜導入させている。なお、この開閉板19は、閉じた状態では内壁面2Bに保持され、導入された燃料がポンプ設置部5から燃料タンク30へ逆流することを防止する逆止弁として機能する。
吸着材収納部4には、パージポート22、チャージポート23及びドレンポート21が設けられており、吸着材収納部4はこれらのポートにより燃料系統と連絡されている。吸着材収納部4に収納される吸着材3としては、活性炭が使用される。この吸着材3は、燃料系統における気化燃料を吸着するものであり、主に停止時に気化燃料を吸着し、走行時に吸着した燃料をパージさせる。これにより、燃料系統に充満する気化燃料の量のバランスを維持し、大気へ気化燃料が排出されることを阻止している。
一方、ポンプ設置部5には、この燃料タンク30に充填されている燃料をくみ取る燃料ポンプ7と、燃料に含まれる不純物を濾過するメインフィルタ8とが設置される。これら燃料ポンプ7及びメインフィルタ8は、ケーシング2の上側に配置された取付部材9に吊り下げられるようにして設けられる。この実施形態にかかるキャニスタユニット1では、取付部材9の下面にメインフィルタ8が取り付けられている。このメインフィルタ8は、その下側の外周部分の一部が切り欠かれており、この切り欠かれた部分に燃料ポンプ7が配置されている。
この燃料ポンプ7の吸い込み口7aは、燃料ポンプ7の下側に設けられており、この吸い込み口7aの先端には、サクションフィルタ6が取り付けられている。このサクションフィルタ6は、燃料タンク30内の燃料に含まれている不純物が燃料ポンプ7に吸い込まれることを防止する。また、この燃料ポンプ7はその周面の一部が、ケーシング2の内壁面と僅かな隙間のみを隔てて配置される。そして、メインフィルタ8は、燃料タンク30の外部へ延びるパイプにより図示しないエンジンと連絡されている。
さらに、メインフィルタ8にはプレッシャレギュレータ25が設けられている。このプレッシャレギュレータ25は、燃料系統へ送り出す燃料の圧力を調整しており、余分な燃料をタンク内に再びリターンさせている。
なお、この図1に示す例では、取付部材9を利用して燃料ポンプ7及びメインフィルタ8を吊り下げるようにして設置しているがこれには限定されず、内壁面2Bや、底面板2Cにブラケットを設け、このブラケットに燃料ポンプ7及びメインフィルタ8を取り付けるように構成してもよい。
そして、ケーシング2を構成する外壁面2Aには、燃料タンク30内に残存する燃料の量を検出する燃料検出ユニット40が設けられている。この燃料検出ユニット40は、外壁面2Aに当該燃料検出ユニット40を取り付けるための支持部43と、この支持部43に基部が回転可能に取り付けられたアーム42と、アーム42の先端に取り付けられたフロート41とから構成されている。
支持部43には取り付け孔が形成されており、アーム42の基部がこの取り付け孔に挿入され、アーム42は、基部を中心として回転するよう支持部43に取り付けられている。一方、アーム42の先端に取り付けられたフロート41は、燃料タンク30内の燃料上に浮かべられるように軽い樹脂材などで形成されている。
この燃料検出ユニット40によれば、フロート41が燃料の液面上に浮かべられるため、燃料タンク30内に残存する燃料の液位により、フロート41は上下に移動する。この移動に伴い、アーム42は支持部43に対して回転される。このアーム42の傾きを支持部43に内蔵されたポテンショメータ(不図示)などで検出してタンク内に残存する燃料の量を検出する。
一方、ケーシング2の上方には、燃料タンク30にこのキャニスタユニット1を位置固定させている取付部10が設けられている。この取付部10は、燃料タンク30の開口部31を閉鎖する蓋部11と、この蓋部11の内面から燃料タンク30の内方に向けて延びる一対のアーム12とを備え、アーム12の下端がケーシング2の上端に連結されている。但し、アームを1本のみ設けることや、3本以上設けることを妨げるものではない。
蓋部11は、上面32に形成された開口部31に位置合わせされ、キャップ34により開口部に締め付けられて固定される。キャップ34は、リング上に形成されており、周縁の内側が開放されている。この開放された部分からは、前述の配管20、ドレンポート21、パージポート22及びチャージポート23が上方に向けて延びている。
一方、アーム12は、軸方向に伸縮可能な構造となっている。例えば、図2に示すように、蓋部11に接続される細長い管体13と、ケーシング2の上端に接続され、管体13の内部に挿入されて管体13の内部を軸方向に移動するロッド15とを具備するシリンダ構造のものが使用される。ロッド15の上部と下部とには、ロッド15が管体13に対してこじれることのないよう、半径方向外側に張り出すピストン16が取り付けられている。ロッド15は、これらピストン16が管体13内周面に案内されて管体13内を移動する。一方、管体13の下端は、ドーナツ状のエンドプレート14で閉鎖されている。このエンドプレート14は、ロッド15に取り付けられた下側のピストン16が当接し、ロッド15が管体13から脱落することを防止するストッパとして機能している。
なお、アーム12は、伸縮可能なものであれば、その機構についてはこの図2に示すものには限定されず、他の機構を備えたものを使用しても構わない。
また、各アーム12の外周部にはコイルスプリング17が、これらアーム12の全長にわたって設けられており、蓋部11の内面とケーシング2の上端とにより圧縮された状態で取り付けられている。このコイルスプリング17は、ケーシング2を燃料タンク30における開口部31を有する上面32と対向する底面33に向けて押圧し、当該キャニスタユニット1の底面を燃料タンク30の底面33に接地させている。このため、燃料ポンプ7の吸い込み口7aは、燃料タンク30の底面33の直近に位置される。このように、燃料ポンプ7の吸い込み口7aが燃料タンク30の底面33の直近に位置されているため、燃料の残量が僅かになった場合であっても、燃料ポンプ7は、燃料を確実にくみ取る。
以上の構成を備えた、キャニスタユニット1によれば、燃料タンク30内の燃料は、ケーシング2に形成された導入口2Dからポンプ設置部5へ適宜導入され、導入された燃料が、燃料ポンプ7の吸い込み口7aからサクションフィルタ6を介して吸い込まれる。そして、燃料ポンプ7からメインフィルタ8へ送られ、配管20を介して図示しないエンジンへ流される。この際、余剰の燃料は、燃料系統へ送り出されることなく、プレッシャレギュレータ25によって、そのままポンプ設置部5へリターンされる。
そして、このようにして燃料タンク30から燃料系統へ送り出される燃料タンク30内の燃料は、燃料検出ユニット40によりその残量が検出され、燃料タンク30内が空となる前に燃料の補充を促すことを可能としている。
また、以上のような構成を具備したキャニスタユニット1は、吸着材3が消音材としても機能する。上述のように、燃料ポンプ7は、吸着材収納部4の内側にて、ケーシング2の上側に設けられた取付部材9にメインフィルタ8を介して吊り下げられている。このため、燃料ポンプ7が発生する騒音は、吸着材3でケーシング2の外に吸着材3により消音される。さらには、キャニスタユニット1自体が燃料タンク30の内部に配置されているため、燃料タンク30も消音部材として機能する。特に、ポンプ設置部5が燃料で満たされている場合には、燃料も消音効果を発揮する。
さらに、燃料ポンプ7は吸着材3に熱を与える熱源としても機能する。キャニスタユニット1を加熱すればこれに伴い内部の燃料が加熱される。このため、自動車の走行時においては、パージ効率が向上する。
なお、図1に示す実施形態のキャニスタユニット1は、ポンプ設置部5に配置されたメインフィルタ8にプレッシャレギュレータ25を設けているが、このプレッシャレギュレータを燃料系統におけるエンジン側に設けてもよい。
図3は、プレッシャレギュレータ(不図示)をエンジン側に設けた場合の配管の設置例を示すものである。
この図3に示す実施形態のキャニスタユニット1Aの基本構造は、図1に示すキャニスタユニット1と同様であるので、重複説明を避けるために同一の部品には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
この実施形態にかかるキャニスタユニット1Aは、燃料ポンプ7でくみ取った燃料を、メインフィルタ8を通して、そのまま燃料系統へ送り出している。そして、エンジン(不図示)へ供給する燃料の圧力は、燃料系統におけるエンジン側に設けられたプレッシャレギュレータ(不図示)で調節される。図3に示す配管27は、図示しないプレッシャレギュレータのリターンポートに接続されており、プレッシャレギュレータによって戻された余剰燃料をポンプ設置部5に案内させるための配管である。
このように、プレッシャレギュレータをエンジン側に設けた場合、余剰燃料をポンプ設置部5に戻すための配管27を設ければよい。
図4は、本発明の第2の実施形態にかかるキャニスタユニット50を示している。このキャニスタユニット50は、アームを介在させることなくケーシング51を取付部としての蓋部75に直に取り付けたものである。
この図4に示すキャニスタユニット50も、燃料タンク30の上面32に形成された開口部31から挿入され、この開口部31に位置固定されて燃料タンク30の内部に配置される。また、蓋部75は、開口部31の位置でキャップ34で締め付けられる。
キャニスタユニット50は、外壁面52と内壁面53とからなり、内壁面53の内側が空洞に形成された環状のケーシング51を具備し、このケーシング51の上面が燃料タンク30の開口部31を閉鎖している蓋部75の内面に直付けされている。このケーシング51は、その高さが、燃料タンク30の高さとほぼ一致するように形成されており、その底部が燃料タンク30の底面33と接近する位置に配されている。
ケーシング51の外壁面52と内壁面53との間は、吸着材55を収納する吸着材収納部54であり、内壁面53の内側はこの燃料タンク30に充填された燃料をくみ取る燃料ポンプ59が設置されるポンプ設置部56である。なお、このケーシング51は底面板を設けておらず、ケーシング51の底部は開放されている。このため、開放されたケーシング51の下部がポンプ設置部56と燃料タンク30とを連通させる連通部として機能する。
吸着材収納部54には、蓋部75を貫通するドレンポート71、パージポート72及びチャージポート73が連通されており、吸着材収納部54はこれらのポートにより燃料系統と連絡されている。なお、この場合も吸着材55としては、活性炭が使用される。
一方、ポンプ設置部56には、この燃料タンク30に充填されている燃料をくみ取る燃料ポンプ59と、燃料ポンプ59から吐出された燃料に含まれる不純物を濾過するメインフィルタ60とが設置される。このメインフィルタ60には、濾過された燃料を送り出す配管70が接続されている。なお、この実施形態にかかるキャニスタユニット50では、ポンプ設置部56の上側が蓋部75で閉鎖されており、これら燃料ポンプ59、プレッシャレギュレータ61及びメインフィルタ60は、この蓋部75に吊り下げられるようにして設けられている。燃料ポンプ59は、その吸い込み口58がケーシング51の下方側に向けられており、その先端にサクションフィルタ57が取り付けられている。そして、サクションフィルタ57は、燃料タンク30の底面33の直近に位置されている。また、この燃料ポンプ59はその周面の一部が、ケーシング51の内壁面と僅かな隙間のみを隔てて配置されている。
なお、この図4に示すキャニスタユニット50は、プレッシャレギュレータ61をメインフィルタ60に設けているが、この形態のキャニスタユニット50についても、図3に示した例と同様に、プレッシャレギュレータを燃料系統におけるエンジン側に設けてもよい。この場合には、プレッシャレギュレータのリターンポートと燃料タンクとを連絡する配管やホースを設ければよい。
そして、ケーシング51を構成する外壁面52には、燃料タンク30内に残存する燃料の量を検出する燃料検出ユニット40が設けられている。この燃料検出ユニット40も、外壁面52に当該燃料検出ユニット40を取り付けるための支持部43と、この支持部43に基部が回転可能に取り付けられたアーム42と、アーム42の先端に取り付けられたフロート41とから構成されている。
次に、図5〜図7を参照しながら本発明の第3の実施形態について説明する。
この実施形態にかかるキャニスタユニットは、ケーシング81が揺動可能に構成されている。
この図5に示すキャニスタユニット80は、ケーシング81と、このケーシング81を燃料タンク30の上面32に対して揺動可能に支持する支持機構110とから構成されている。
このケーシング81も、外壁面82、内壁面83及び底面板84から構成されており、外壁面82と内壁面83との間が吸着材収納部85として構成され、内壁面83の内側がポンプ設置部86として構成されている。また、ケーシング81の底部は底面板84により閉鎖されている。
このケーシング81は、図6に示すように、横断面の形状が「コ」の字状に形成されている。なお、このケーシング81についても、吸着材収納部85の下部の一部につきケーシング81の外部と、ポンプ設置部86とを連通せしめた燃料導入口81Aが形成され、その内壁面83側には、当該燃料導入口81Aを開閉する開閉板87が設けられている。
支持機構110は、開口部31を閉鎖するようにキャップ34で上面32に締め付けられた蓋部97と、この蓋部97の裏面から燃料タンクの内方に延びてその下部がケーシング81の外壁面81に沿うように配された一対のアーム111とを備えている。そして、図7に示すように、アーム111の下端には、アーム111の板圧方向を貫通する孔111aが形成されている。そして、この孔111aに連結ピン113が通されて、ケーシング81がアーム111に連結されている。このため、ケーシング81は、この連結ピン113を軸にアーム111に対して揺動する。なお、この実施形態にかかるキャニスタユニット80についても、アーム111の外面にはコイルスプリング112が取り付けられており、コイルスプリング112が、ケーシング81を燃料タンク30の底面33側に向けて付勢している。
そして、このキャニスタユニット80では、燃料ポンプ90がポンプ設置部86に設けられている一方で、メインフィルタ92がケーシングの上方である蓋部97の裏面に取り付けられている。これら燃料ポンプ90とメインフィルタ92とは、上下に延びる配管94で連絡されている。なお、燃料ポンプ90についても、その吸い込み口90aは下方に向けて延びるように設けられ、その先端にサクションフィルタ91が取り付けられている。そして、サクションフィルタ91は、底面板84の直近に配されている。
この燃料ポンプ90によりくみ取られた燃料は、メインフィルタ92を通り、内部に含まれる不純物が濾過された後に、蓋部97から上方へ延びる配管100により燃料系統へ送り出される。
さらに、メインフィルタ92には、その下面からポンプ設置部86に向けて延びる配管95が設けられており、その下端にプレッシャレギュレータ93が取り付けられている。このプレッシャレギュレータ93は、燃料系統に送られる燃料を流量及び圧力を調整しており、余剰となる燃料をポンプ設置部86へリターンしている。
また、吸着材収納部85には、パージポート102、チャージポート103及びドレンポート101が設けられており、吸着材収納部85はこれらのポートにより燃料系統と連絡される。上述したように、ケーシング81は、アーム111に対して揺動するよう構成されている。このため、この実施形態にかかるパージポート102、チャージポート103及びドレンポート101は、ケーシング81の揺動に伴いその軸方向が湾曲可能な配管によりケーシング81と蓋部97との間を連絡されて設けられている。
そして、当該キャニスタユニット80においても、ケーシング81の外壁面82に、支持部43、この支持部43に基部が回転可能に取り付けられたアーム42、及びアーム42の先端に取り付けられたフロート41とから構成される燃料検出ユニット40が設けられており、燃料タンク30内に残存する燃料の量を検出している。
なお、燃焼効率を向上させるためには、燃料ポンプが発する熱をできるだけ多く吸着材に放射させるようにキャニスタユニットを構成するとよい。この点、図8に示す第4の実施形態にかかるキャニスタユニット120は、燃料ポンプ130がケーシングの内壁面123と僅かな隙間δを隔てた位置に配されている。このため、このキャニスタユニット120では、燃料ポンプ130の作動により発生する熱が吸着材に効率よく伝達され、この熱により、吸着材が加熱されやすく構成されている。
この図8に示すキャニスタユニット120では、燃料ポンプ130の周囲を吸着材収納部124が取り囲むようにしてケーシング121が形成されている。なお、この図8には、ケーシングの下部が開放された形態のものを例として示している。
ケーシング121は、外壁面122と内壁面123とにより円環状に形成され形成された吸着材収納部124を備え、内壁面123の内側がポンプ設置部125として構成されている。吸着材収納部124には活性炭などの吸着材3が収納される。
このポンプ設置部125では、燃料ポンプ130のみが設置され、燃料ポンプ130の外周面と内壁面123との間には、ごく僅かな隙間δのみが形成される。なお、この隙間δを設けることなく、燃料ポンプ130の外周面と内壁面123とを密着させるように構成してもかまわない。このように構成することで、燃料ポンプ130から発生する熱を吸着材収納部42に収納された吸着材3にダイレクトに伝えることができ、効率よくパージさせることができる。
なお、図8には示していないが、このキャニスタユニット120についても、ケーシング121の上側には取付部が設けられる。そして、燃料タンクの開口部に取り付けられることで、燃料タンクに対して位置固定される。この際、ケーシング121はその下部が燃料タンクの底部近傍に位置されるようにて、燃料タンクに取り付けられる。
また、開放されたケーシングの下部がポンプ設置部125と燃料タンクと連通させる連通部として機能する。燃料ポンプ130の吸い込み口は、この開放されたケーシング121の下部に配置される。
さらに、キャニスタユニットを図9に示す第5の実施形態のように形成してもよい。このキャニスタユニット140では、外壁面142と内壁面143により吸着材3の収納される吸着材収納部144が環状に形成されている。また、内壁面143の周方向の一部分に半径方向外側へ窪んだ部分145が形成されている。この窪んだ部分145は、燃料ポンプ150やプレッシャレギュレータ(不図示)がはめ込まれる部分である。このように、キャニスタユニット140のケーシング141を形成することで、内壁面143の内側に形成されるポンプ設置部としてのチャンバ146の容量を多くとることができる。
なお、この場合においても、ケーシング141の下部が燃料タンクの底部近傍に位置されるよう図示しない取付部で燃料タンクに取り付けられる。そして、ケーシングの下部に、ポンプ設置部としてのチャンバ146と燃料タンクと連通させる連通部を形成すると共に、燃料ポンプの吸い込み口をケーシング141の下部に配置する。連通部としては、ケーシング141に燃料導入口を形成させたり、下部を開放させてケーシング141を形成すればよい。
これにより、燃料ポンプ150やプレッシャレギュレータ(不図示)以外に燃料系統に接続される他のソレノイドバルブ等を当該チャンバ146に設置させることが可能となる。
なお、以上に説明したキャニスタユニットにあっては、ケーシングを合成樹脂で成形して製造するほか、金属で形成してもよい。
以上、ケーシングを円環状に形成した場合と、「コ」の字に形成した場合を例に説明したが、これには限定されず、矩形状、半円状等、中央にポンプ設置部としての空洞が形成され、この空洞の回りを吸着材収納部が囲む形態のものを採用することができる。
1,50,80,120,140・・・・・・・キャニスタユニット
2,51,81,121,141・・・・ケーシング
2A,52,82,122,142・・・外壁面
2B,53,83,123,143・・・内壁面
4,54,85,124,144・・・・吸着材収納部
5,56,86,125,146・・・・ポンプ設置部
7,59,90,130,150・・・・燃料ポンプ
10,75,110・・・・・・・・・・取付部
11,75,97・・・・・・・・・・・蓋部
12,111・・・・・・・・・・・・・アーム
17,112・・・・・・・・・・・・・コイルスプリング(付勢部材)
2,51,81,121,141・・・・ケーシング
2A,52,82,122,142・・・外壁面
2B,53,83,123,143・・・内壁面
4,54,85,124,144・・・・吸着材収納部
5,56,86,125,146・・・・ポンプ設置部
7,59,90,130,150・・・・燃料ポンプ
10,75,110・・・・・・・・・・取付部
11,75,97・・・・・・・・・・・蓋部
12,111・・・・・・・・・・・・・アーム
17,112・・・・・・・・・・・・・コイルスプリング(付勢部材)
Claims (4)
- 外壁面と内壁面とを備え、前記内壁面の内側が空洞としてなるケーシングを有し、
前記外壁面と前記内壁面との間の部位を、気化された燃料を吸着する吸着材を収納する吸着材収納部として構成する一方、前記内壁面の内側に形成された空洞を、燃料をくみ取る燃料ポンプを配置するポンプ設置部として構成して、キャニスタと燃料ポンプとを一体化したユニットとして構成し、
前記ケーシングに、このユニットを前記燃料ポンプでくみ取られる燃料の収納された燃料タンクの内部に配置させ、しかも、前記ケーシングの下部を前記燃料タンクの底部近傍に位置せしめて前記燃料タンクに取り付ける取付部を設け、
前記ケーシングの下部に、前記ポンプ設置部と前記燃料タンクと連通させる連通部を形成すると共に、前記燃料ポンプの吸い込み口を前記ケーシングの下部に配置したことを特徴とするキャニスタユニット。 - 前記取付部は、前記燃料タンクの開口部を閉鎖した状態で前記燃料タンクに固定される蓋部を具備し、
前記ケーシングがこの蓋部に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のキャニスタユニット。 - 前記取付部は、前記蓋部から前記燃料タンク内に延びて前記ケーシングを連結するアームを具備し、
前記アームには、前記ケーシングを押圧して、前記燃料タンクにおける前記開口部と対向する壁面に前記ケーシングの底面を接地せしめる付勢部材が取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載のキャニスタユニット。 - 前記取付部は、前記蓋部から前記燃料タンク内に延びて前記ケーシングを連結するアームを具備し、
前記ケーシングは、前記アームに対して揺動されるように枢軸で前記アームに支持されていることを特徴とする請求項2に記載のキャニスタユニット。
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