JP2006256976A - 育毛養毛剤及び育毛養毛方法 - Google Patents

育毛養毛剤及び育毛養毛方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 発毛育毛の効果に優れ、かつ長期にわたる使用に十分耐え得る安全性を備えた、育毛養毛剤及び哺乳類の育毛養毛を促進する育毛養毛方法を提供する。
【解決手段】 毛髪成長期維持タンパク質を有効成分として含有する育毛養毛剤、育毛養毛させたい部分に、毛髪成長期維持タンパク質及び/又は毛髪成長期維持タンパク質の活性化剤を与える育毛養毛方法である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、発毛育毛の効果に優れ、かつ長期にわたる使用に十分耐え得る安全性を備えた、育毛養毛剤及び哺乳類の育毛養毛を促進する育毛養毛方法に関するものである。
人間にとって毛髪は容姿を大きく左右し、美容上非常に重要な位置を占めている。また脱毛症には未だに的確な治療法がなく、脱毛症又はその傾向のある人々の深い悩みの種となっている。脱毛症には先天性と後天性のものがあるが、その発症原因,発生機序について多くの研究がなされてはいるものの不明な点が多く、そのため手探り的に開発された非常に多くの育毛養毛剤が市場に出ているのが現状である。
従来、各種薬剤を配合した様々な養毛化粧料等が提供されている。例えば、ビタミンE、アロキサジン、ピリジンN−オキシド、アデノシン3´,5´−環状一リン酸等の化合物を配合してなる組成物(下記特許文献1〜3参照)、ヨクイニン、イチョウ、カシュウ等の生薬抽出エキスを配合してなる組成物(下記特許文献4〜6参照)が提供されている。その他にも、血流循環改善効果を有するビタミンE類・センブリエキスや、栄養補給剤となるアミノ酸としてシステイン、メチオニンや、女性ホルモン剤であるエストラジオール、エチニルエストラジオール等が育毛養毛剤に配合されている。さらに、これらの有効成分を脱毛の様々な原因に対応して適宜組み合わせた育毛養毛剤が開発されており、脱毛症の予防又は治療に用いられている。
しかしながら、従来の育毛養毛剤は、フケ、カユミの改善や、抜毛等の予防に有効で、発毛や育毛を促進するとされているが、非常に個人差が大きく、作用も十分とはいえないため、さらに優れた育毛養毛効果を有する育毛養毛剤が望まれていた。その原因として、上述の育毛養毛成分は、男性型脱毛の本質的な原因である男性ホルモンが毛に与える悪影響を排除するという観点から見出されてきたものではない。そのような観点から見出されてきた育毛養毛剤の有効成分としては、フィナステリド以外知られていない。
しかしながら、フィナステリドを処方した育毛養毛剤の剤形は経口タイプであり、フィナステリドは男性ホルモンを活性化する酵素である5α−リダクターゼの2型を阻害する物質であるため、生体における男性ホルモンの作用を完全に止めてしまう。そのため、かかる育毛養毛剤を使用した場合、副作用の発生する危険性が懸念される。以上により、発毛育毛の効果に優れ、かつ長期にわたる使用に十分耐え得る安全性を備えた、育毛養毛剤、及び哺乳類の育毛養毛方法が望まれていた。
特開昭64−56608号公報 特開平1−261321号公報 特開平2−204406号公報 特公平1−13451号公報 特開平2−48512号公報 特開平2−48514号公報 特表平9−500090号公報 特開2003−192541号公報 特開2003−81866号公報
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、発毛、育毛、養毛の効果に優れ、かつ長期にわたる使用に十分耐え得る安全性を備えた、育毛養毛剤及び哺乳類の育毛養毛を促進する育毛養毛方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、男性型脱毛の本質的な原因である男性ホルモンにより、その発現が阻害される毛の成長に関与するタンパク質に着目し、本発明をなすに至ったものである。
従って、本発明は、
[1].毛髪成長期維持タンパク質を有効成分として含有する育毛養毛剤、
[2].毛髪成長期維持タンパク質が、アーリーグロースレスポンス1、ウィングレスリレイテッドMMTVインテグレーションサイト4、及びクラステリンの中から選ばれる1種又は2種以上のタンパク質であることを特徴とする[1]に記載の育毛養毛剤、
[3].さらに、有効成分として、毛髪成長期維持タンパク質の活性化剤を含有することを特徴とする[1]又は[2]記載の育毛養毛剤、
[4].毛髪成長期維持タンパク質の活性化剤を有効成分として含有する育毛養毛剤、
[5].活性化剤が、フキタンポポエキス、ベニバナエキス、タイソウエキス、クワエキス及び紅茶エキスから選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする[3]又は[4]記載の育毛養毛剤、
[6].医薬用である[1]〜[5]のいずれかに記載の育毛養毛剤、
[7].毛髪化粧品用である[1]〜[5]のいずれかに記載の育毛養毛剤、
[8].育毛養毛させたい部分に、毛髪成長期維持タンパク質及び/又は毛髪成長期維持タンパク質の活性化剤を与えることを特徴とする育毛養毛方法、
[9].育毛養毛させたい部分において、毛髪成長期維持タンパク質の発現を促進することを特徴とする育毛養毛方法を提供する。
本発明によれば、育毛養毛の効果に優れた、育毛養毛剤及び育毛養毛方法を提供することができる。
ヒトの頭髪は、4〜7年の成長期と呼ばれる毛が成長する期間、2〜3ヶ月の退行期と呼ばれる毛の成長が止まる期間、3〜4年の休止期と呼ばれる毛が抜け落ちる期間、の3つの期間からなる毛周期を営むことが知られている。また、マウスにおいても人と同様、毛周期が存在することが知られているため、前述の育毛養毛成分の多くは、雄のC3Hマウス(7週齢)を用い、小川らの方法(フレグランスジャーナル,Vol.17,No.5,p20−29,1989.参照)で評価されてきた。
本発明者は、上記毛周期の成長期の延長と男性ホルモンとの関連に着目した。すなわち、まず男性ホルモン受容体タンパク質を欠損したマウスと野生型(株)マウスの毛周期に着目した。詳細な解析の結果、男性ホルモン受容体タンパク質を欠損したマウスは、野生型マウスに比べ、毛髪成長期が延長していることが判明した。本現象は男性ホルモン依存的と考えられたため、その背部皮膚における遺伝子発現比較を行い、男性ホルモンによって制御される因子の抽出を試みた。すなわち男性ホルモン受容体タンパク質を欠損したマウスと野生型マウスの背部皮膚で発現している遺伝子についてDNAアレイ解析を用いて網羅的に解析した(DNAアレイ解析に関しては「DNAマイクロアレイ実践マニュアル,岡崎康司/林崎良英、羊土社,2000年」を参照)。
その結果、男性ホルモン受容体タンパク質を欠損したマウスの背部皮膚において、野生型のマウスの背部皮膚と比較して遺伝子発現が遅れて変動する因子群(下記表1)が存在することをつきとめた。この遺伝子発現が遅れて変動している因子群には、アーリーグロースレスポンス1(LocusID:13653)、ウィングレスリレイテッドMMTVインテグレーションサイト4(LocusID:22417)、クラステリン(LocusID:12759)が存在していた。すなわち、上記3つの因子の発現は、毛髪成長期の終了(40日)と同調して発現が低下(半分以下)する。従って、これらに対応するタンパク質は、毛髪成長期の維持機能があると考えられた。本発明において、このような機能を有するたんぱく質を毛髪成長期維持タンパク質という。
Figure 2006256976
本発明の育毛養毛剤は、上記毛髪成長期維持タンパク質を有効成分として含有する育毛養毛剤である。毛髪成長期維持タンパク質は1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。このような育毛養毛剤を、育毛養毛させたい部分に与えることにより、毛髪成長期が延長され、優れた育毛養毛効果が期待される。
上記毛髪成長期維持タンパク質としては、アーリーグロースレスポンス1、ウィングレスリレイテッドMMTVインテグレーションサイト4、クラステリン等が挙げられ、そのホモログも含んでおり、そのアミノ酸配列、およびその遺伝子の塩基配列については公知である。これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。これらのタンパク質は、市販の試薬として取得することができる。また、既知の方法を用いて動物組織から抽出することも可能である。さらに、これらのタンパク質を発現する遺伝子を導入した微生物もしくは動物細胞の培養上清から取得することや、これらのタンパク質を発現する遺伝子を用いて無細胞合成系により取得することもできる。
毛髪成長期維持タンパク質の含有量は、製品形態、使用頻度によるが、育毛養毛剤中0.000001〜0.001質量%が好ましく、より好ましくは0.00001〜0.01質量%である。
毛髪成長期維持タンパク質は生体内に存在するため、外部から投与しなくても、生体内に既に存在する当該タンパク質を活性化する物質を投与するだけでも、一定の育毛養毛効果を得ることが可能である。これは、生体内に存在する毛髪成長期維持タンパク質が、活性化剤によって活性化されることにより、毛髪成長期維持作用が生じるためと推定される。毛髪成長期維持タンパク質活性化としては、毛母細胞の増殖を高める作用、毛髪成長期維持タンパク質の増殖を高める作用、すなわち毛髪成長期維持タンパク質生合成促進作用、毛髪成長期維持タンパク質の遺伝子又はタンパク発現促進等が挙げられる。また、毛髪成長期維持タンパク質とこのタンパク質の活性化剤とを、育毛養毛させたい部分に与えることにより、毛髪成長期が延長され、より優れた育毛養毛効果が期待される。以上により、本発明の育毛養毛剤には、さらに、有効成分として、毛髪成長期維持タンパク質の活性化剤を含有することが好ましい。また、毛髪成長期維持タンパク質の活性化剤だけを有効成分として含有する育毛養毛剤としてもよい。
毛髪成長期維持タンパク質の活性化剤は、いずれかの毛髪成長期維持タンパク質の成長期維持作用を活性化するものであれば、薬理学的、製剤学的、安全性の点から許容される範囲である限り特に制限されない。このような活性化剤としては、特定の植物エキス、合成物等が挙げられる。
上記特定の植物エキスとしては、上記効果を有すれば特に限定されないが、フキタンポポエキス、ベニバナエキス、タイソウエキス、クワエキス及び紅茶エキス等が挙げられ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。これらの植物エキスのなかでも、毛髪成長期維持作用の活性化に優れる点から、フキタンポポエキス、ベニバナエキスが好ましい。
特に、毛髪成長期維持タンパク質がアーリーグロースレスポンス1の活性化剤としては、フキタンポポエキス、ベニバナエキス及びタイソウエキスが好ましく、ウィングレスリレイテッドMMTVインテグレーションサイト4の活性化剤としては、フキタンポポエキス、ベニバナエキス及びタイソウエキスが好ましく、毛髪成長期維持タンパク質がクラステリンの活性化剤としては、フキタンポポエキス、ベニバナエキス、クワエキス及び紅茶エキスが好ましい。
これらの植物エキスは、市販品あるいは公知の方法によって得られたものを使用することができる。この場合、抽出に用いる溶媒としては、水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;プロピレングリコール、ブチレングリコール等の多価アルコール類等が挙げられ、これらを1種単独で又は2種以上混合溶媒として用いることができる。
前記抽出工程における各種条件は、特に制限されるものではないが、通常、抽出原料と前記抽出溶媒との比率は、質量比で抽出原料:抽出溶媒=1:2〜1:50程度の範囲が好ましく、抽出温度としては、5〜80℃の範囲で、1時間〜1週間、抽出溶媒に浸漬あるいは撹拌することによって行うと好適である。なお、抽出pHは、極端な酸性又はアルカリ性でなければ、特に制限はない。
前記抽出溶媒が、水、エタノール、水/エタノール(含水エタノール)等の非毒性の溶媒である場合は、抽出物をそのまま用いてもよく、あるいは希釈液として用いることができる。また、前記抽出物を濃縮エキスとしてもよく、凍結乾燥等により乾燥粉末物にしたり、ペースト状に調製してもよい。なお、他の溶媒を用いた場合は、溶媒を留去後、乾燥分を非毒性の溶媒で希釈して用いることが望ましい。
毛髪成長期維持タンパク質の活性化剤の含有量は、特に制限されるものではないが、通常、育毛養毛剤中(抽出エキスの場合、抽出物として)0.01〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜10質量%である。含有量が少なすぎると十分な効果が期待できず、また多すぎても効果が頭打ちになり、育毛養毛剤の安定性の面で不具合が発生する場合がある。
本発明の育毛養毛剤は、さらに、既存の育毛養毛成分を配合してもよい。既存の育毛養毛成分としては、ペンタデカン酸グリセリド(以下、PDGともいう)、コレウスエキス(特開平09−157136号公報)、ゲンチアナエキス、マツカサエキス、ローヤルゼリーエキス、クマザサエキス(以上、特開平10−45539号公報)等の化学物質及びエキス類を挙げることができる。中でも、育毛養毛効果の点から、PDG、コレウスエキスが好ましい。
既存の育毛養毛成分としては、市販品あるいは公知の方法によって得られたものを使用することができる。特に、エキス類は植物成分の抽出により得ることができる。この場合、抽出に用いる溶媒としては水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;プロピレングリコール、ブチレングリコール等の多価アルコール類等が挙げられ、これらは一種を単独で又は2種以上の混合物として用いることができる。抽出方法は、通常用いられる植物エキスの抽出法等の方法に準じて行えばよく、必要により公知の方法で脱臭、脱色等の処理を施してから用いてもよい。また、市販のエキスも用いることができる。
本発明の育毛養毛剤には、使用目的に応じて、上記育毛養毛成分以外の任意の成分を配合することができる。そのような成分としては、例えば、精製水、エタノール、非イオン性界面活性剤、糖質系界面活性剤及びその他の界面活性剤、セルロース類、油脂類、エステル油、高分子樹脂、色剤、香料、紫外線吸収剤やビタミン類、ホルモン類、血管拡張剤、アミノ酸類、抗炎症剤、皮膚機能亢進剤、角質溶解剤等の薬効成分等を挙げることができる。これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレート等)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油モノ又はイソステアレート、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル(モノミリスチン酸デカグリセリン、モノミリスチン酸ペンタグリセリン)等が、セルロース類としては、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースが、油脂類としては、多価アルコール脂肪酸エステル(トリ−2エチルヘキサン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン酸等)、サフラワー油、月見草油、ホホバ油等が、エステル油としては不飽和脂肪酸アルキルエステル(オレイン酸エチル、リノール酸イソプロピル等)ミリスチン酸メチル、ミリスチン酸イソプロピルが、高分子樹脂としては、両性、カチオン性、アニオン性及びノニオン性ポリマーが、紫外線吸収剤としては、メトキシケイ皮酸オクチル(ネオヘリオパンAV)、オキシベンゾン、ウロカニン酸等が、アミノ酸類としては、メチオニン、セリン、グリシン、シスチン等が、さらに角質溶解剤としては、サリチル酸、レゾルシン等が挙げられる。
本発明の育毛養毛剤は、その形態、調製方法、使用方法などが特に制限されるものではなく、例えば均一溶液、ローション、ジェル、クリーム、エアゾール等の形態として用いることができ、各形態の常法に準じて製造することができる。そして、各形態の常法に従って常用量で使用することによって、優れた育毛養毛効果が速やかに発揮される。なお、エアゾールの形態をとる場合には、上記成分以外に、n−プロピルアルコール又はイソプロピルアルコール等の低級アルコール、ブタン、プロパン、イソブタン、液化石油ガス、ジメチルエーテル等の可燃性ガス、窒素ガス、酸素ガス、炭酸ガス、亜酸化窒素ガス等の圧縮ガスを配合することができる。
本発明の育毛養毛剤は、各種の外用製剤類(動物用に使用する製剤も含む)全般において利用できる。外用製剤としては、医薬品、医薬部外品、化粧料が挙げられ、その適用場所は、全身用、頭皮・頭髪等特に限定されない。この中でも、毛髪化粧品用、医薬品用とすることが好ましい。この場合、本発明の効果を損なわない範囲において、既知の薬効成分を必要に応じて適宜配合することができる。既知の薬効成分としては、例えば抗菌剤、抗炎症剤、保湿剤等が挙げられる。
特に、毛髪化粧品用の剤形としては、シャンプー、リンス、トリートメント、ヘアトニック、ヘアクリームの如くのヘアケア製品に配合した養育毛シャンプー、養育毛リンス、養育毛ヘアリキッド、育毛料、養育毛ヘアクリーム、養毛料、養育毛スプレー、養育毛トニック、養育毛ヘアローション、養育毛ヘアジェル、養育毛ヘアフォーム等、パーマネント液、染毛料等が挙げられる。
本発明の育毛養毛方法は、育毛養毛させたい部分において、毛髪成長期維持タンパク質の発現を促進させる育毛養毛方法、毛髪成長期維持タンパク質及び/又は毛髪成長期維持タンパク質の活性化剤を与えることを特徴とする育毛養毛方法である。男性型脱毛症においては男性ホルモンの影響があり、前述のように、男性ホルモンの作用により毛髪成長期維持タンパク質の遺伝子発現が低下する。この遺伝子発現を促進することにより、育毛養毛が促進される。また、毛髪成長期維持タンパク質及び/又は毛髪成長期維持タンパク質の活性化剤を与えることにより、毛髪成長期維持タンパク質を選択的に増加させたり、このタンパク質の毛髪成長期維持効果を活性化したり、毛髪成長期維持タンパク質の遺伝子発現を促進することができる。これにより、優れた育毛養毛効果が発揮され、かつ長期にわたる使用に十分耐え得る安全性を備えることができる。また、これら毛髪成長期維持タンパク質を制御し、正常な状態に戻すことにより、頭髪を正常な状態に戻すことができる。
毛髪成長期維持タンパク質及び/又は毛髪成長期維持タンパク質の活性化剤を与える方法としては、例えば、毛髪成長期維持タンパク質及び/又は毛髪成長期維持タンパク質の活性化剤を配合した育毛養毛剤を調製し、育毛養毛させたい部分に接触させる、浸透させる等種々の方法が挙げられる。
さらに、男性ホルモンの作用により毛髪成長期維持タンパク質の遺伝子発現が低下することを利用して、育毛養毛剤のスクリーニング方法を提供することができる。例えば、毛包を構成する細胞に、被験物質を接触させ、その際の毛髪成長期維持タンパク質の遺伝子発現量又はタンパク発現量を測定する、育毛養毛剤のスクリーニング方法が挙げられる。遺伝子発現量又はタンパク発現量の測定方法としては、遺伝子発現を毛髪成長期維持タンパク質遺伝子を特異的に検出することができるプライマーを用いたPCR法や、タンパク発現を検出するウェスタンブロッティング法等が挙げられる。
以下、試験例、実施例、比較例及び処方例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において特に明記のない場合は、組成の「%」は質量%である。
[試験例1]
男性ホルモン受容体欠損マウス及び野生型マウスの38、40、42、44、46日齢に達した男性ホルモン受容体欠損マウス及び野生型マウスの背部皮膚を、手術用ハサミを用いて2cm×4cmの大きさに採取し、発現遺伝子を抽出しDNAアレイ解析に供した。なお、毛髪成長期終了は、上記マウス背部の組織切片を作製し、その毛胞の大きさで判断した。毛髪成長期終了は、男性ホルモン受容体欠損マウスが42日齢〜44日齢であるのに対し、野生型マウスが40日齢〜42日齢であり、男性ホルモン受容体欠損マウスには、野生型マウスに比べ毛髪成長期が延長していることが分かった。
各日齢における各因子の発現量を男性ホルモン受容体欠損マウス及び野生型マウスそれぞれで比較した結果、以下に示す因子の発現変動に違いがあることが判明した。表3に、発現量が成長期に対し30%以上減少する日数を示した。アーリーグロースレスポンス1(LocusID:13653)(以下、Egr1と略称)は、野生型マウスでは40日齢から42日齢に移行するときに発現量が減少するのに対し、男性ホルモン受容体欠損マウスでは42日齢から44日齢に移行するときに発現量が減少した。ウィングレスリレイテッドMMTVインテグレーションサイト4(LocusID:22417)(以下、Wnt4と略称)では、野生型マウスでは38日齢から40日齢に移行するときに発現量が減少するのに対し、男性ホルモン受容体欠損マウスでは40日齢から42日齢に移行するときに発現量が減少した。そしてクラステリン(LocusID:12759)(以下、Cluと略称)では、野生型マウスでは40日齢から42日齢に移行するときに発現量が減少するのに対し、男性ホルモン受容体欠損マウスでは42日齢から44日齢に移行するときに発現量が減少していた。このように男性ホルモン受容体欠損マウスにおいて毛髪成長期が延長していたのは、これらの遺伝子群の発現量減少が野生型マウスと比較し、遅れたからであることが判明した。以上のことから、これら遺伝子に対応するEgr1、Wnt4及びクラステリンのタンパク質は、毛髪成長期維持タンパク質であることが判明した。
Figure 2006256976
なお、男性ホルモン受容体欠損マウスは、「H.Kawano:Suppressive function of androgen receptor in bone resorption.,PNAS,August5,2003,vol.100,No.16,9416−9421」、「S.Kato:Androgen receptor structure and function from Knock−out mouse.,Clin Pediatr Endocrinol,2002;11(Suppl18),1−7」に記載の方法に準じて得た。
[試験例2]
フキタンポポ15gを300mLの99%エタノールで、室温で3時間抽出し、フキタンポポエキスを得た。同様にベニバナ、タイソウ及びクワは50%エタノールで抽出し、紅茶は30%エタノールで抽出し、各エキスを得た。これらのエキスを終濃度が0.05%となるように、ヒト毛包由来細胞(ヒト表皮角化細胞:クラボウ製)に添加し24時間培養した。対照として各エキスと同じエタノール濃度のエタノール水溶液を用いて同様に培養した。24時間培養後のEgr1、Wnt4、Cluそれぞれの遺伝子発現量を、各遺伝子を特異的に検出することができるプライマーを用いたPCR法で測定した。結果を、下記評価基準で表3に示す。
〈評価基準〉
◎:対照と比較し30%以上発現量が上昇
○:対照と比較し5〜30%未満発現量が上昇
×:対照と5%未満
Figure 2006256976
表3の結果から、毛髪成長期維持タンパク質の1つであるEgr1の活性化剤として、フキタンポポエキス、ベニバナエキス、タイソウエキスが、また毛髪成長期維持タンパク質の1つであるWnt4の活性化剤として、フキタンポポエキス、ベニバナエキス、タイソウエキスが、さらに毛髪成長期維持タンパク質の1つであるCluの活性化剤として、フキタンポポエキス、ベニバナエキス、タイソウエキス、クワエキス、紅茶エキスが優れた効果を示すことが認められた。
[実施例1〜5、比較例1]
本発明の有効成分の毛包細胞に対する影響を調べるために、ヒト毛包由来細胞の培養系を用いた。ヒト毛包由来細胞(ヒト表皮角化細胞:クラボウ製)に、表4に示した成分(Egr1、Wnt4、Cluは100ng/mL、残りの成分は0.1%エキス質量%)添加し5日間培養した後の細胞増殖率を、対照群(被試験物と同じエタノール濃度のエタノール水溶液)を添加し、同様に培養した場合を100%として測定した。結果を表4に示す。なお、Egr1はシグマアルドリッチジャパン(株)、Cluは、BIOGENESIS LTD.から入手し、Wnt4は発現ベクターを用いて精製したものを用いた。
Figure 2006256976
表4の結果から、本発明の有効成分であるEgr1、Wnt4、Clu、及び前記タンパク質の活性化剤であるフキタンポポエキス、ベニバナエキスを添加した場合に良好な毛包細胞の増殖作用及びその亢進作用が認められた。
[処方例1〜12]
下記に毛髪成長期維持タンパク質、このタンパク質の活性化剤、又はこれらを配合してなる育毛養毛剤の処方例を示す。なお、下記処方例の育毛養毛剤は、それぞれの組成に従い、各剤型の定法に準じて調製した。毛髪成長期維持タンパク質及び植物エキスは、上記試験例と同様のものを用いた。
毛髪成長期維持タンパク質(Egr1、Wnt4、Clu)を配合した育毛養毛剤
Figure 2006256976
毛髪成長期維持タンパク質の活性化剤(フキタンポポエキス、ベニバナエキス)を配合した育毛養毛スプレー
Figure 2006256976
※N−メタクロイルエチル−N,N−ジメチルアンモニウム・α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキル共重合体
なお、希釈用充填液は、上記原液80%、LPG20%を含有する。
Cluと、クワエキス又は紅茶エキスとを配合した育毛養毛トニック
Figure 2006256976
フキタンポポエキス、ベニバナエキス、タイソウエキス、クワエキス又は紅茶エキスを配合した育毛養毛ヘアローション
Figure 2006256976

Claims (9)

  1. 毛髪成長期維持タンパク質を有効成分として含有する育毛養毛剤。
  2. 毛髪成長期維持タンパク質が、アーリーグロースレスポンス1、ウィングレスリレイテッドMMTVインテグレーションサイト4、及びクラステリンの中から選ばれる1種又は2種以上のタンパク質であることを特徴とする請求項1に記載の育毛養毛剤。
  3. さらに、有効成分として、毛髪成長期維持タンパク質の活性化剤を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の育毛養毛剤。
  4. 毛髪成長期維持タンパク質の活性化剤を有効成分として含有する育毛養毛剤。
  5. 活性化剤が、フキタンポポエキス、ベニバナエキス、タイソウエキス、クワエキス及び紅茶エキスから選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項3又は4記載の育毛養毛剤。
  6. 医薬用である請求項1〜5のいずれか1項記載の育毛養毛剤。
  7. 毛髪化粧品用である請求項1〜5のいずれか1項記載の育毛養毛剤。
  8. 育毛養毛させたい部分に、毛髪成長期維持タンパク質及び/又は毛髪成長期維持タンパク質の活性化剤を与えることを特徴とする育毛養毛方法。
  9. 育毛養毛させたい部分において、毛髪成長期維持タンパク質の発現を促進することを特徴とする育毛養毛方法。
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KR20220118677A (ko) * 2021-02-19 2022-08-26 대경대학교 산학협력단 대추 추출물을 포함하는 모발 세정 조성물 및 이의 제조방법

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