JP2006256762A - 給紙装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 原稿のセットを容易且つ確実にするとともに、装置のコストアップを抑制し、且つ装置の小型化を実現する。
【解決手段】 給紙トレイ22と、給紙トレイ22から搬送路26へ原稿を案内する吸入シュート部29と、給紙トレイ22上の原稿を搬送路26へ送り込む吸入ローラ34と、吸入ローラ34近傍のガイド面に当接するように弾性付勢された吸入ニップ片35と、吸入ローラ34から給紙方向へ隔てた位置に配設された分離ローラ36と、分離ローラ36に当接するように弾性付勢された分離ニップ片37と、分離ローラ36に回転力を入力する駆動機構と、吸入ローラ34が所定範囲で空転することを許容し、且つ分離ローラ36の回転を吸入ローラ34に伝達する1周クラッチ65を有する駆動伝達機構63と、吸入ローラ34を1周クラッチ65が許容する空転範囲の給紙逆方向端へ弾性付勢するネジリコイルバネ69とを具備する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、給紙トレイに載置された原稿を分離して搬送路へ給送する給紙装置に関するものである。
従来より、複写機やスキャナ、プリンタ、これら機能を併有する多機能装置等に、給紙トレイから搬送路を経て排紙トレイへ原稿を搬送するADF(Auto Document Feeder)を備えたものが知られている。このようなADFにおいて、給紙トレイに載置された複数枚の原稿や記録用紙を分離して、搬送路へ順次連続的に給送する機構として、給紙装置が設けられている。
例えば、図14に示すような従来のADF90に設けられた給紙装置91は、原稿を載置するための給紙トレイ92に連続して吸入シュート部93が形成され、該吸入シュート部93に、吸入ローラ94、吸入ニップ片95、分離ローラ96及び分離ニップ片97が配設されてなる。
吸入ローラ94は、吸入シュート部93の下側のガイド面に回転可能に配設されている。該吸入ローラ94の対向位置となる吸入シュート部93の上側のガイド面には、吸入ニップ片95が吸入ローラ94に接離可能に配設されており、不図示のバネ材により付勢されて吸入ローラ94と圧接している。給紙トレイ92にセットされた原稿は、吸入ニップ片95により吸入ローラ94側へ付勢され、吸入ローラ94と圧接する最下位置の原稿が、吸入ローラ94の回転を受けて給紙方向へ送り出される。
分離ローラ96は、上記吸入ローラ94から給紙方向へ隔てて、吸入シュート部93の下側のガイド面に回転可能に配設されている。該分離ローラ96の対向位置となる吸入シュート部93の上側のガイド面には、分離ニップ片97が分離ローラ96に接離可能に配設されており、不図示のバネ材により付勢されて分離ローラ96と圧接している。吸入ローラ94により送り出された原稿は、分離ローラ96と分離ニップ片97によりニップされ、分離ローラ96の回転を受けて給紙方向へ更に送り出される。
吸入シュート部93から下流側には、横向き略U字形状の搬送路98が形成されており、該搬送路98に配設された搬送ローラ99及びピンチローラ100により、給紙トレイ92から給送された原稿が搬送路98に沿って搬送される。その搬送過程において、原稿がガイド部材101に案内されてプラテンガラス102上へ搬送され、該プラテンガラス102の下方に配設されたイメージスキャナ103により、プラテンガラス102上を通過する原稿の画像が読み取られる。読取り後の原稿は、搬送路98から排紙トレイ104へ排出される。
前述したように吸入ローラ94の回転により原稿を給紙方向へ送り出すには、給紙トレイ92に原稿をセットする際に、原稿の先端が、吸入ローラ94と吸入ニップ片95とのニップ位置より奥側まで挿入される必要がある。その際、吸入ローラ94と吸入ニップ片95とが圧接していれば、使用者は、吸入ニップ片95を退避させるようにしてニップ位置へ原稿を圧入し、さらに、ニップ状態の原稿を、その表裏面を吸入ローラ94及び吸入ニップ片95に対して摺動させるようにして、押し込むこととなる。
しかし、吸入ローラ94と吸入ニップ片95とのニップ位置で原稿の挿入に抵抗感が生じると、使用者はその位置を挿入限界位置と勘違いして、原稿の挿入を終えてしまうおそれがある。この場合、原稿のセットが未完了となり、吸入ローラ94により原稿を給紙することができない。また、原稿の枚数が少ない場合には、原稿の束に腰がないので、吸入ローラ94と吸入ニップ片95とのニップ位置で原稿が折れ曲がるおそれがある。
このような問題を回避するために、原稿をセットする際には、吸入ローラ94又は吸入ニップ片95のいずれかを退避させて、これらの間に原稿を挿入するための隙間を設けることが、従来よりなされている(例えば、特許文献1参照)。例えば、図に示すように、吸入ローラ94を吸入シュート部93のガイド面に対して出没可能に設け、該吸入ローラ94をソレノイド(不図示)により動作させる手段がある。これによれば、給紙装置91が動作しない状態では、吸入ローラ94を退避させることにより、吸入ニップ片95との間に隙間が形成されるので、原稿の挿抜が容易となる。原稿がセットされた後、給紙を行う際には、吸入ローラ94が突出されて、吸入ニップ片95との間で原稿がニップされる。そして、吸入ローラ94が回転されることにより、最下位置の原稿が給紙方向へ送り出される。
特開2000−296927号公報
しかし、吸入ローラ94を出没させるには、吸入シュート部93に吸入ローラ94を退避させるためのスペースを設けることとなる。また、吸入ローラ94を出没動作させるためのソレノイドを配設するスペースも必要となり、装置を小型化するには好ましくない。また、ソレノイド等の部品が増えるとコストアップが生じ、また、部品点数が増加すると装置の組立作業が煩雑になるという問題もある。
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、原稿のセットを容易且つ確実にするとともに、装置のコストアップを抑制し、且つ装置の小型化を実現できる手段を提供することを目的とする。
本発明に係る給紙装置は、複数枚の給紙すべき用紙を積載可能な給紙トレイと、所定幅を隔てて対向するガイド面を有し、上記給紙トレイから搬送路へ用紙を案内する吸入シュート部と、上記吸入シュート部の一方のガイド面に、そのローラ面の一部を露出して配設され、上記給紙トレイに積載された用紙に当接して該用紙を搬送路へ送り込む第1のローラと、上記吸入シュート部の他方のガイド面に、上記第1のローラ近傍の一方のガイド面に当接又は近接するように進退可能に突設され、常時一方のガイド面に当接又は近接するように弾性付勢された第1の当接部材と、上記吸入シュート部の一方のガイド面であって上記第1のローラから給紙方向へ隔てた位置に、そのローラ面の一部を露出して配設され、該第1のローラが送り込んだ用紙を更に給紙方向へ送り込む第2のローラと、上記吸入シュート部の他方のガイド面に、上記第2のローラに接離可能に突設され、該第2のローラに常時当接するように弾性付勢された第2の当接部材と、上記第2のローラに回転力を入力する駆動機構と、上記第1のローラが所定範囲で空転することを許容し、且つ上記第2のローラの回転を第1のローラに伝達するクラッチを有する駆動伝達機構と、上記第1のローラを、上記クラッチが許容する空転範囲の給紙逆方向端へ弾性付勢する弾性部材と、を具備してなるものである。
使用者は、給紙すべき用紙を、その先端を吸入シュート部に挿入するようにして、給紙トレイ上に載置する。該用紙の先端は第1のローラに当接するが、第1のローラは所定範囲で空転可能であり、その空転範囲の給紙逆方向端に位置しているので、使用者は殆ど抵抗を感じることなく、第1のローラを給紙順方向へ空転させながら該用紙を更に奥部へ挿入できる。また、該用紙の先端は、第1の当接部材とも当接するが、第1の当接部材はガイド面側へ退避可能なので、使用者は、第1の当接部材を退避させて該用紙を更に奥部へ挿入できる。第1のローラ及び第1の当接部材の配設位置から更に奥部へ挿入された用紙の先端は、第2のローラに当接する。第2のローラには駆動機構の負荷が加わっているので、用紙を挿入している使用者に抵抗感が生じ、使用者は、その位置が挿入限界位置と認識する。挿入を終了した用紙が給紙トレイ上に載置されることにより用紙のセットが完了する。
給紙トレイ上に載置された用紙の先端は、第1のローラ及び第1の当接部材の配設位置より奥部へ挿入されており、該用紙が第1の当接部材に押されるようにして、該用紙の一方の面が第1のローラに接触している。この状態で、駆動機構及び駆動伝達機構により第1のローラ及び第2のローラが回転されると、第1のローラと接触している用紙が給紙方向へ送り出されて、第2のローラと第2の当接部材とでニップされ、これらにより更に搬送路へ送り込まれる。
また、前述したように用紙が給紙トレイにセットされると、第1のローラは、空転範囲の給紙逆方向端から給紙順方向へ空転した状態になり、その位置から給紙逆方向へ空転することが可能である。したがって、使用者が用紙を給紙トレイにセットした後、該用紙を吸入シュート部から引き抜く際には、第1のローラは用紙の引き抜きに伴って給紙逆方向へ空転するから、使用者は殆ど抵抗を感じることなく用紙を引き抜くことができる。
また、給紙トレイに載置されたすべての用紙を供給し終えて、駆動機構が停止すると、第1のローラは、弾性部材に付勢されてクラッチが許容する空転範囲の給紙逆方向端へ戻る。したがって、前述と同様にして、再び用紙を給紙トレイにセットすることができる。
また、好ましくは、上記給紙装置において、上記駆動伝達機構のクラッチは、上記第1のローラが略1周空転することを許容する1周クラッチである。
また、本発明は、上記給紙装置において、上記第1の当接部材は、上記第1のローラの軸方向の両端側の一方のガイド面に当接又は近接するものである。該第1の当接部材により、給紙トレイにセットされた用紙が、第1のローラに確実に当接されて、該第1のローラの回転が用紙へ伝達される。また、第1の当接部材は第1のローラと接触しないので、第1のローラが弾性部材に付勢されてクラッチが許容する空転範囲の給紙逆方向端へ戻ることを妨げない。
また、本発明は、上記給紙装置において、上記第1の当接部材は、上記第1のローラの対向位置に配設され、該第1のローラと接触する部分を切り欠いた切欠部を有するパッド状のものである。これにより、第1の当接部材を簡易な構成として、用紙を第1のローラへ確実に接触させることができる。また、第1の当接部材の付勢力の調整が容易である。
また、本発明は、上記給紙装置において、上記第1の当接部材は、上記第1のローラの軸方向の両端側にそれぞれ設けられたパッド状のものである。これにより、第1の当接部材を簡易な構成として、用紙を第1のローラへ確実に接触させることができる。また、第1の当接部材の付勢力の調整が容易である。
また、本発明は、上記給紙装置において、上記第1のローラが同軸線上に隔てて並設され、上記第1の当接部材は、該第1のローラ間の一方のガイド面に当接又は近接するものである。これにより、第1の当接部材を簡易な構成として、用紙を第1のローラへ確実に接触させることができる。また、第1の当接部材の付勢力の調整が容易である。
また、本発明は、上記給紙装置において、上記吸入シュート部の対向するガイド面のいずれか一方を構成し、上記第1のローラ及び上記第2のローラと、上記第1の当接部材及び上記第2の当接部材とが離間するように、吸入シュート部を開放するカバー部材を備えたものである。カバー部材を開くと、吸入シュート部が開放されると共に、第1のローラ及び第2のローラと、第1の当接部材及び第2の当接部材とが離間するので、吸入シュート部における紙詰まりを容易に解消できる。
また、本発明に係る給紙装置は、複数枚の給紙すべき用紙を積載可能な給紙トレイと、所定幅を隔てて対向するガイド面を有し、上記給紙トレイから搬送路へ用紙を案内する吸入シュート部と、上記吸入シュート部の一方のガイド面に、そのローラ面の一部を露出して配設され、上記給紙トレイに積載された用紙に当接して該用紙を搬送路へ送り込む第1のローラと、上記吸入シュート部の他方のガイド面に、上記第1のローラに接離可能に突設され、該第1のローラに常時当接するように弾性付勢された第1の当接部材と、上記吸入シュート部の一方のガイド面であって上記第1のローラから給紙方向へ隔てた位置に、そのローラ面の一部を露出して配設され、該第1のローラが送り込んだ用紙を更に給紙方向へ送り込む第2のローラと、上記吸入シュート部の他方のガイド面に、上記第2のローラに接離可能に突設され、該第2のローラに常時当接するように弾性付勢された第2の当接部材と、上記第2のローラに回転力を入力する駆動機構と、上記第1のローラが所定範囲で空転することを許容し、且つ上記第2のローラの回転を第1のローラに伝達するクラッチを有する駆動伝達機構と、上記第1のローラを、上記クラッチが許容する空転範囲の給紙逆方向端へ弾性付勢する弾性部材と、上記吸入シュート部の対向するガイド面のいずれか一方を構成し、上記第1のローラ及び第2のローラと、第1の当接部材及び第2の当接部材とが離間するように、吸入シュート部を開放するカバー部材と、を具備してなるものである。
使用者は、給紙すべき用紙を、その先端を吸入シュート部に挿入するようにして、給紙トレイ上に載置する。該用紙の先端は第1のローラに当接するが、第1のローラは所定範囲で空転可能であり、その空転範囲の給紙逆方向端に位置しているので、使用者は殆ど抵抗を感じることなく、第1のローラを給紙順方向へ空転させて該用紙を更に奥部へ挿入できる。また、該用紙の先端は、第1の当接部材とも当接するが、第1の当接部材はガイド面側へ退避可能なので、使用者は、第1の当接部材を退避させて該用紙を更に奥部へ挿入できる。第1のローラ及び第1の当接部材の配設位置から更に奥部へ挿入された用紙の先端は、第2のローラに当接する。第2のローラには駆動機構の負荷が加わっているので、用紙を挿入している使用者に抵抗感が生じ、使用者は、その位置が挿入限界位置と認識する。挿入を終了した用紙が給紙トレイ上に載置されることにより用紙のセットが完了する。
給紙トレイ上に載置された用紙の先端は、第1のローラ及び第1の当接部材の配設位置より奥部へ挿入されており、該用紙が第1の当接部材に押されるようにして、該用紙の一方の面が第1のローラに接触している。この状態で、駆動機構及び駆動伝達機構により第1のローラ及び第2のローラが回転されると、第1のローラと接触している用紙が給紙方向へ送り出されて、第2のローラと第2の当接部材とでニップされ、これらにより更に搬送路へ送り込まれる。
また、前述したように用紙が給紙トレイにセットされると、第1のローラは、空転範囲の給紙逆方向端から給紙順方向へ空転した状態となり、その位置から給紙逆方向へ空転することが可能である。したがって、使用者が用紙を給紙トレイにセットした後、該用紙を吸入シュート部から引き抜く際には、第1のローラは用紙の引き抜きに伴って給紙逆方向へ空転するから、使用者は殆ど抵抗を感じることなく用紙を引き抜くことができる。
また、使用者が、紙詰まりの解消のためにカバー部材を開いた際に、第1のローラに触れて空転させたとしても、該第1のローラは、弾性部材に付勢されてクラッチが許容する空転範囲の給紙逆方向端へ戻る。したがって、カバー部材を閉じた後、前述と同様にして、再び用紙を給紙トレイにセットすることができる。
また、好ましくは、上記給紙装置において、上記駆動伝達機構のクラッチは、上記第1のローラが略1周空転することを許容する1周クラッチである。
また、本発明は、上記給紙装置において、上記第1の当接部材は、上記第1のローラの対向位置に配設されたパッド状のものである。これにより、第1の当接部材を簡易な構成として、用紙を第1のローラへ確実に接触させることができる。また、第1の当接部材の付勢力の調整が容易である。
このように本発明に係る給紙装置によれば、給紙トレイにセットする用紙の先端を吸入シュート部に挿入する際に、用紙の先端と当接する第1のローラが所定範囲で空転するので、用紙先端が第1のローラの配設位置を通過する際に使用者は殆ど抵抗を感じることがなく、用紙を挿入限界位置まで確実に挿入することができる。これにより、給紙トレイにセットされた用紙が、第1のローラの回転により給紙方向へ確実に送り出され、用紙の給紙が確実になされる。また、給紙トレイにセットした用紙を抵抗なく引き抜くことができ、その際に用紙を破損することがない。さらに、不意に第1のローラが空転されても、該第1のローラは、弾性部材によりクラッチが許容する空転範囲の給紙逆方向端へ戻るので、常に給紙トレイへの用紙のセットが確実になされる。
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る複合機1の外観構成を示すものである。本複合機1は、スキャナ機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能を一体的に備えた多機能装置(MFD:Multi Function Device)である。複合機1の上部は、原稿の画像を読み取るためのスキャナ部2であり、複合機1の下部は、記録用紙に画像を記録するためのプリンタ部3である。本発明に係る給紙装置は、複合機1のスキャナ部2のADF5として実現されている。したがって、プリンタ機能等は本発明において任意の機構であり、例えば、スキャナ機能のみのスキャナ単体として本発明に係る給紙装置を実現してもよい。また、本実施の形態では、スキャナ部2のADF5に用いる給紙装置として本発明を実施しているが、本発明に係る給紙装置の用途は、スキャナに限定されるものではなく、例えば、プリンタや複写機等において記録用紙や原稿を給紙するための給紙装置として実現できることは当然である。
以下、スキャナ部2の構成について詳述する。
図1に示すように、スキャナ部2は、FBS(Flatbed Scanner)として機能する読取載置台4に対して、オート・ドキュメント・フィーダ(ADF:Auto Document Feeder)5を備えた原稿押さえカバー6が、背面側の蝶番を介して開閉自在に取り付けられてなる。読取載置台4は、複合機1の筐体として構成されており、原稿押さえカバー6と対向する天面にプラテンガラス20(図2参照)が配設されている。また、該プラテンガラス20に対向するようにして、読取載置台4の内部に画像読取ユニット21が内蔵されている。スキャナ部2をFBSとして使用する場合は、原稿押さえカバー6を開いてプラテンガラス20上に原稿を載置し、原稿押さえカバー6を閉じて該原稿をプラテンガラス20上に固定する。その後、画像読取ユニット21をプラテンガラス20に沿って走査させることにより該原稿の画像読取りを行う。
なお、原稿押さえカバー6の下面には、プラテンガラス20上に載置された原稿を押さえるために、スポンジ及び白板等からなる押さえ部材18が配設されている。また、本発明に係る給紙装置においてFBSの機能は任意であり、ADF5のみを備えた複合機1として本発明を実現してもよい。
原稿押さえカバー6には、給紙トレイ22から所定の搬送路26を経て排紙トレイ23へ原稿を連続搬送するADF5が備えられている。該ADF5による搬送過程において、原稿が読取面19を通過し、該読取面19の下方において画像読取ユニット21が該原稿の画像を読み取るようになっている。本発明に係る給紙装置は、このADF5において実現されている。
また、読取載置台4の正面側には、操作パネル7が設けられている。操作パネル7は各種操作ボタンや液晶表示部から構成されており、複合機1は、該操作パネル7からの指示によって動作するようになっている。また、複合機1は、操作パネル7による指示のほか、コンピュータに接続されて該コンピュータからプリンタドライバやスキャナドライバ等を介して送信される指示によっても動作する。
また、複合機1の正面の左上部には、記録媒体である各種小型メモリカードを装填可能なスロット部8が設けられている。該スロット部8に装填された小型メモリカードに記録された画像データを読み出してその画像データに関する情報を液晶表示部に表示させ、任意の画像をプリンタ部3により記録用紙に記録させることができる。このための入力は、上記操作パネル7から行うことができる。
図1,2に示すように、原稿押さえカバー6上に、給紙トレイ22及び排紙トレイ23が上下二段に構成されている。給紙トレイ22は、原稿押さえカバー6の上面と一体に形成されている。ADF5により画像読取りを行う原稿は、複数枚が積層された状態で、給紙方向の先端をADF5に挿入するようにして、給紙トレイ22上に載置される。また、給紙トレイ22には、複合機1の奥行き方向に隔てて一対の原稿ガイド24が、奥行き方向へスライド移動可能に設けられている。該原稿ガイド24は、給紙トレイ22から起立して、給紙トレイ22に載置される原稿の幅方向の位置を規制するものであり、周知の連動機構により、一対のいずれか一方の原稿ガイド24をスライド移動させると、他方の原稿ガイド24も連動して相反する方向へスライド移動する。
すなわち、原稿幅が狭い場合には、複合機1の正面側の一方の原稿ガイド24を背面側へスライド移動させると、これに連動して、背面側の他方の原稿ガイド24は正面側へスライド移動する。これにより、奥行き方向の略中央を中心として、一対の原稿ガイド24により規制される原稿幅を狭くすることができる。逆に、原稿幅が広い場合には、複合機1の正面側の一方の原稿ガイド24を正面側へスライド移動させると、これに連動して、背面側の他方の原稿ガイド24は背面側へスライド移動して、一対の原稿ガイド24により規制される原稿幅を広くすることができる。
上記一対の原稿ガイド24には、給紙トレイ22と上下方向に隔てて排紙トレイ23が一体的に形成されている。ADF5から排紙された原稿は、その両側を排紙トレイ23に担持されて、給紙トレイ22上の原稿と分離した状態で保持される。排紙トレイ23は、排紙方向の長さが原稿の長さより短いので、原稿の排紙方向先端側は、排紙トレイ23から垂れ下がるようにして、給紙トレイ22上に保持される。したがって、給紙トレイ22上の原稿の給紙方向後端部分の上に、排紙トレイ23上の原稿の排紙方向先端部分が重なるが、給紙トレイ22上の原稿の給紙方向先端部分と、排紙トレイ23上の原稿の排紙方向後端部分とは、排紙トレイ23により上下二段に保持されているので、これら原稿が混同することはない。また、排紙トレイ23を短くすることにより、原稿押さえカバー6上に必要な空間を小さくして、複合機1を薄型且つ小型にすることができる。
また、給紙トレイ22のADF5が設けられていない側の端部には、給紙トレイ22の上面から起立する起立姿勢と、給紙トレイ22の上面と一体に倒伏する倒伏姿勢とに姿勢変化する原稿ストッパ25が設けられている。図に示すように、原稿ストッパ25を起立姿勢とすることにより、例えば、給紙トレイ22と同程度の大きさの原稿がADF5から排出された際に、該原稿が原稿ストッパ25により制止され、給紙トレイ22から滑り落ちることが防止される。このように、排出された原稿を原稿ストッパ25で受け止めることにより、給紙トレイ22の面積を小さくすることができ、給紙トレイ22が一体的に形成された原稿押さえカバー6を小型化できる。また、原稿ストッパ25が不要な場合には、倒伏姿勢とすることにより、原稿押さえカバー6から突出せず、梱包時や保管時の複合機1のサイズをコンパクトにできる。
図2に示すように、ADF5の内部には、上記給紙トレイ22と排紙トレイ23とを連結するようにして、搬送路26が横向き略U字形状に形成されている。搬送路26は、原稿押さえカバー6に一体に形成されたADF本体27と、該ADF本体27に開閉自在に設けられたADFカバー28(カバー部材)とによって構成されている。ADF5の吸入シュート部29は、上記給紙トレイ22が延長されるようにして、ADF本体27と一体的に形成されたガイド板30と、ADFカバー28の内側に配設された区画板31とをガイド面として、上下に所定幅の通路として構成されている。
搬送路26は、上記吸入シュート部29から、湾曲部32を経て、排紙シュート部33へ横向き略U字形状に形成されており、湾曲部32及び排紙シュート部33も、ADF本体27、ADFカバー28、区画板31等により、所定幅の通路として連続的に形成されている。したがって、給紙トレイ22にセットされた原稿は、吸入シュート部29に案内されて搬送路26へ給紙され、排紙シュート部33から排紙トレイ23へ排紙される。
上記搬送路26には、原稿を搬送するための搬送手段が配設されている。詳細には、図に示すように、吸入ローラ34(第1のローラ)とこれに圧接する吸入ニップ片35(第1の当接部材)、分離ローラ36(第2のローラ)とこれに圧接する分離ニップ片37(第2の当接部材)、及び搬送ローラ38とこれに圧接するピンチローラ39によって搬送手段が構成されている。なお、搬送手段を構成する各ローラやニップ片の構成は一例であり、ローラの数や配置を変更したり、各ニップ片に代えてピンチローラを用いる等、その他の公知の搬送手段に変更できることは勿論である。
前述した搬送手段のうち、吸入シュート部29に配設された吸入ローラ34、吸入ニップ片35、分離ローラ36、及び分離ニップ片37が本発明に係る給紙装置を構成している。以下、これらの構成について詳述する。
図3は、ADFカバー28を開いた状態の吸入ローラ34、吸入ニップ片35、分離ローラ36、及び分離ニップ片37を示すものである。図2及び図3に示すように、吸入ローラ34は、吸入シュート部29の略中央に、そのローラ面の一部をガイド板30の上面から露出するようにして回転可能に設けられている。また、分離ローラ36は、該吸入ローラ34から給紙方向へ隔てた位置に、同様に、そのローラ面の一部をガイド板30の上面から露出するようにして回転可能に設けられている。これら吸入ローラ34及び分離ローラ36には搬送モータ52(図5参照)からの駆動力が伝達されて、回転駆動されるようになっている。この駆動機構及び駆動伝達機構については後述する。また、吸入ローラ34及び分離ローラ36は同径であり、同じ周速度で回転される。また、吸入ローラ34への駆動伝達においては1周クラッチ65(図8参照)が介設されており、吸入ローラ34は1周分の空転が可能となっている。
吸入ニップ片35は、上記区画板31の吸入ローラ34の対向位置に、ガイド板30と接離する方向へ揺動可能に設けられている。吸入ニップ片35は、吸入ローラ34の軸方向のローラ幅より幅広のパッド状のものであり、その給紙方向上流側の両側に回動軸40がそれぞれ形成されている。この回動軸40が区画板31の下面に形成されたリブ41に軸支されることにより、給紙方向下流側の端部がガイド板30の上面に接触可能に進退する。また、吸入ニップ片35は、不図示のバネ部材により下方へ弾性付勢されており、原稿をニップしない状態で常時ガイド板30に接触されている。
なお、本実施の形態では、吸入ニップ片35がガイド板30に接触するものとしているが、必ずしもガイド板30に接触させる必要はなく、吸入ローラ34のローラ面の最上位置より下方であれば、ガイド板30に近接させてもよい。また、パッド状の吸入ニップ片35に代えてローラを用いてもよいが、パッド状の当接部材とすることにより、当接部材を簡易且つ省スペースで実現することができ、また、当接部材に付与する弾性付勢力の調整が容易である。
上記吸入ニップ片35の給紙方向下流側の端部において、吸入ローラ34に接触する部分には切欠部42が形成されている。したがって、吸入ニップ片35は、給紙方向下流側へ向かって開放した略コの字形状をなしている。該切欠部42により、吸入ニップ片35は、吸入ローラ34に接触することなく、切欠部42の両側の端部がガイド板30の上面に接触可能となる。したがって、吸入ニップ片35がガイド板30の上面に接触した状態で、吸入ローラ34は空転可能である。
分離ニップ片37は、上記区画板31の分離ローラ36の対向位置に、分離ローラ36と接離する方向へ揺動可能に設けられている。分離ニップ片37は、分離ローラ36の軸方向のローラ幅より若干狭い幅のパッド状のものであり、その給紙方向上流側を回動軸として、給紙方向下流側の端部が分離ローラ36のローラ面に接触可能に進退する。該分離ニップ片37は、不図示のバネ部材により下方へ弾性付勢されており、原稿をニップしない状態で常時分離ローラ36のローラ面に圧接されている。なお、パッド状の分離ニップ片37に代えてローラを分離ローラ36に当接させることとしてもよいが、パッド状の当接部材とすることにより、当接部材を簡易且つ省スペースで実現することができ、また、当接部材に付与する弾性付勢力の調整が容易である。
図2に示すように、搬送ローラ38は、搬送路26の横向き略U字形状の湾曲部32に配設されている。該搬送ローラ38は、そのローラ面が湾曲部32の一部をなす程度の外径のものである。該搬送ローラ38は、上記吸入ローラ34及び分離ローラ36と同様に、搬送モータ52(図5参照)からの駆動力が伝達されて回転駆動される。
搬送ローラ38の周囲には、ピンチローラ39が3箇所に設けられている。各ピンチローラは、その軸がバネ片に弾性付勢されてADF本体27又はADFカバー28に回転自在に支持されて、搬送ローラ38のローラ面に圧接している。そして、搬送ローラ38が回転すれば、これに従動してピンチローラ39も回転する。これらピンチローラ39により、原稿が搬送ローラ38に圧接されて、搬送ローラ38の回転力が原稿に伝達される。
搬送ローラ38の原稿給紙方向下流側には、排紙シュート部33が形成されている。排紙シュート部33は、ADFカバー28の内面と搬送ローラ38とで構成された搬送路26の湾曲部32と連続するようにして、ADFカバー28と区画板31との間に形成されている。したがって、給紙トレイ22から搬送路26へ供給された原稿は、吸入シュート部29、湾曲部32、排紙シュート部33を順次経て、排紙トレイ23に排出される。
ADFカバー28は、図4に示すように、吸入ローラ34より給紙トレイ22側を回動軸として、上方へ回動自在に設けられている。ADFカバー28を開くことにより、吸入シュート部29及び湾曲部32が開放されるとともに、ガイド板30と区画板31とが大きく離間されて、吸入ローラ34及び分離ローラ36と吸入ニップ片35及び分離ニップ片37とが大きく離間される。したがって、ADFカバー28を開くことにより、搬送路26において発生した紙詰まりを解消したり、ADF5の内部のメンテナンスを行うことができる。
図2に示すように、読取載置台4の上面にはプラテンガラス20が配設されている。該プラテンガラス20は、スキャナ部2をFBSとして使用する場合に原稿を載置するものであり、例えば透明なガラス板である。プラテンガラス20の一端側は、上記搬送ローラ38の下方にまで至っており、ADF5を用いて画像読取りを行う際の読取面19をも構成している。
読取載置台4の内部には、画像読取ユニット21が内蔵されている。画像読取ユニット21は、図2に示すように、CISユニット43、キャリッジ44、及び不図示の走査機構から構成されている。CISユニット43は、原稿に光を照射し、該原稿からの反射光を電気信号に変換するいわゆる密着型のイメージセンサであり、搬送ローラ38の対向位置において、搬送ローラ38の軸方向、すなわち原稿の幅方向を読取り方向として配設されている。
上記CISユニット43はキャリッジ44に搭載されてプラテンガラス20に密接しており、キャリッジ44は、不図示の走査機構によりプラテンガラス20の下方を走査可能に設けられている。スキャナ部2をFBSとして使用する場合には、キャリッジ44がプラテンガラス20の下方を走査されることにより、CISユニット43が該プラテンガラス20上に載置された原稿の画像を読み取る。一方、ADF5を使用する場合には、図に示すように、キャリッジ44が読取面19の下方に移動して静止し、CISユニット43が読取面19を通過する原稿の画像を読み取る。
なお、本実施の形態では、スキャナ部2がFBSとしても用いられるものであるから、画像読取ユニット21はプラテンガラス20に沿って走査可能なものとしているが、FBSは任意の機能であり、本発明をADF5のみで画像読取りを行うための給紙装置として実現する場合には、画像読取ユニット21は搬送ローラ38の対向位置に据え置けばよく、走査機構は不要である。また、本実施の形態では、画像読取ユニット21として密着型のCISユニット43を用いているが、例えば、縮小光学系のCCDユニットを用いる等、他の公知の画像読取ユニットを採用することも可能である。
図5は、複合機1の制御部45の構成を示している。該制御部45は、スキャナ部2のみでなくプリンタ部3も含む複合機1の全体動作を制御するものである。しかしながら、本実施の形態においてはプリンタ部3の構成要素は詳述する必要がないので、図5においてはプリンタ部3の構成要素は省略されている。制御部45は、図に示すように、CPU46、ROM47、RAM48、EEPROM49を主とするマイクロコンピュータとして構成されており、バス50を介してASIC(Application Specific Integrated Circuit)51に接続されている。
ROM47には、複合機1の各種動作を制御するためのプログラム等が格納されている。RAM48は、CPU46が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記録する記憶領域又は作業領域として使用される。
ASIC51は、CPU46からの指令に従い、搬送(LF)モータ52に通電する相励磁信号等を生成して、該信号を搬送モータ52の駆動回路53に付与し、該駆動回路53を介して駆動信号を搬送モータ52に通電することにより、搬送モータ52の回転制御を行っている。
駆動回路53は、上記吸入ローラ34、分離ローラ36、及び搬送路ローラ38に接続された搬送モータ52を駆動させるものであり、ASIC51からの出力信号を受けて、搬送モータ52を回転するための電気信号を形成する。該電気信号を受けて搬送モータ52が回転し、該搬送モータ52の回転力がギアや駆動軸等からなる周知の駆動機構を介して、分離ローラ36及び搬送ローラ38へ伝達される。
同様に、ASIC51は、CPU46からの指令に従い、キャリッジ(CR)モータ54に通電する相励磁信号等を生成して、該信号をキャリッジモータ54の駆動回路55に付与し、該駆動回路55を介して駆動信号をキャリッジモータ54に通電することにより、キャリッジモータ54の回転制御を行っている。
駆動回路55は、上記キャリッジ44に接続されたキャリッジモータ54を駆動させるものであり、ASIC51からの出力信号を受けて、キャリッジモータ54を回転するための電気信号を形成する。該電気信号を受けてキャリッジモータ54が回転し、該キャリッジモータの回転力が周知のベルト駆動機構等を介して、キャリッジ44へ伝達されことによりキャリッジ44が走査される。
また、ASIC51には、搬送路26において原稿を検出するためのリードセンサ56や、分離ローラ36及び搬送ローラ38の回転量を検出するためにこれらに設けられたロータリエンコーダ57、キャリッジ44の移動量を検出するためのリニアエンコーダ58が接続されている。
さらに、ASIC51には、搬送路26を搬送される原稿の画像読取りを行うCIS43や、複合機1の操作指示を行うための操作パネル7、各種小型メモリカードが挿入されるスロット部8、パソコン等の外部機器とパラレルケーブルやUSBケーブルを介してデータの送受信を行うためのパラレルインタフェース59及びUSBインタフェース60等が接続されている。さらに、ファクシミリ機能を実現するためのNCU(Network Control Unit)やMODEMも接続されている。
以下、分離ローラ36から吸入ローラ34への駆動伝達機構について詳述する。
図6はガイド板30を除いた状態を示すものであるが、図に示すように、吸入ローラ34及び分離ローラ36は、ガイド板30(図6において不図示)の下方において、ADF本体27に形成された軸支部61にそれぞれ軸支されて、給紙方向に隔てて並設されている。分離ローラ36の軸62には、搬送モータ52からの駆動が入力されている。該軸62の一端側(図手前側)には、搬送モータ52からの駆動を分離ローラ36から吸入ローラ34へ伝達するための駆動伝達機構63が配設されている。
駆動伝達機構63は、図6及び図7に示すように、分離ローラ36の軸62に嵌設されたギア64と、吸入ローラ34の一端側に設けられた1周クラッチ65と、ギア64から1周クラッチ65へ駆動伝達を行う駆動伝達ギア66とから構成されている。ギア64は外周に軸線と平行な歯が形成された平歯車であり、軸62との嵌合部分がD形状に形成されて軸62と一体に回るようになっている。
1周クラッチ65は、図8及び図9に示すように、クラッチギア67及び係止片68を主構成とするものであり、更に、該クラッチギア67と係止片68とを付勢するネジリコイルバネ69(弾性部材)が設けられている。
クラッチギア67は、外周に軸線と平行な歯が形成された平歯車であり、軸線方向に穿設された軸孔70に吸入ローラ34の軸71が挿入されて、該軸71に対して回転自在となっている。また、軸孔70の外周に沿って円弧状に嵌合溝72が軸線方向に貫通するように形成されている。該嵌合溝72は、上記係止片68を嵌挿するためのものであり、係止部73が形成された周方向の一部を残した円弧状に形成されている。
係止部73は、上記係止片68と当接することにより、該係止片68を介して吸入ローラ34に駆動力を伝達するためのものであり、上記嵌合溝72の円弧形状の両端面を構成している。また、係止部73は、係止片68と同じ軸線方向へ鈎状に突出しており、該鈎状部分にネジリコイルバネ69のアーム部75がそれぞれ掛け止められるようになっている。
係止片68は、クラッチギア67が嵌められる吸入ローラ34の一方の端面から軸方向へ突出した棒状の部材である。該係止片68は、クラッチギア67の嵌合溝72と対応する位置から突出しており、嵌合溝72を通り抜けてクラッチギア67から突出する程度の長さである。
図9に示すように、吸入ローラ34の軸71にクラッチギア67が外嵌され、該クラッチギア67の嵌合溝72に係止片68が挿入されるようにして、吸入ローラ34とクラッチギア67とが組み合わされる。図に示すように、クラッチギア67の係止部73に対して、反時計回り方向側の位置に係止片68が当接している状態において、クラッチギア67が反時計回りに回転すると、係止部73が係止片68を反時計回り方向へ押すこととなる。したがって、図に示す係合状態のままで、クラッチギア67と吸入ローラ34とが共に反時計回りに回転する。
一方、クラッチギア67が静止している状態で、吸入ローラ34を反時計回りに回転させると、係止片68は嵌合溝72を摺動するので、クラッチギア67は共に回転せずに静止したままとなる。そして、吸入ローラ34が略1周分回転すると、係止片68が係止部73の時計方向側の位置に到達して当接する。その状態から、更に吸入ローラ34を反時計回りに回転させるには、係止片68が係止部73を反時計回り方向へ押しながら、吸入ローラ34とクラッチギア67とを反時計回り方向へ共に回転させることとなる。
このようにして、クラッチギア67及び係止片68を主構成とする1周クラッチ65は、係止片68がクラッチギア67の嵌合溝72を摺動する略1周分だけ、クラッチギア67の駆動伝達に拘わらず吸入ローラ34の空転を許容するものである。なお、前述では吸入ローラ34及びクラッチギア67が反時計回りに回転する場合について説明しているが、これらが時計回りに回転する場合も、吸入ローラ34は略1周分だけ空転が許容される。
このように組み付けられた吸入ローラ34とクラッチギア67とに、ネジリコイルバネ69が配設されている。図8及び図9に示すように、ネジリコイルバネ69は、コイル部74とアーム部75とからなるものであり、コイル部74が吸入ローラ34の軸71に遊嵌されて、各アーム部75が係止片68と係止部73とにそれぞれ掛止されている。吸入ローラ34とクラッチギア67とはネジリコイルバネ69に弾性付勢されることにより、図9に示すように、弾性付勢力に反する外力を受けなければ、クラッチギア67の係止部73に対して、反時計回り方向側の位置に係止片68が当接する係合状態となる。
図6及び図7に示すように、分離ローラ36の軸62に設けられたギア64と、1周クラッチ65のクラッチギア67との間には、駆動伝達ギア66が介設されている。駆動伝達ギア66は、外周に軸線と平行な歯が形成された平歯車であり、ギア64及びクラッチギア67と噛合している。これにより、ギア64から1周クラッチ65へ駆動伝達がなされる。
以下、上記ADF5を用いた原稿の画像読取りにおける給紙動作について説明する。
ADF5を用いてスキャナ部2により画像読取りを行う場合には、図1に示すように、原稿押さえカバー6を読取載置台4に対して閉じた状態とする。そして、給紙トレイ22に読み取るべき原稿を載置する。該原稿は1枚であっても複数枚であってもよい。例えば、同じサイズの複数枚の原稿の画像読取りを行う場合には、各原稿を重ねて揃え、その一端を給紙トレイ22から吸入シュート部29に挿入する。
吸入シュート部29に挿入された原稿は、まず、吸入ローラ34及び吸入ニップ片35に当接する。図2及び図3に示したように、吸入ニップ片35には切欠部42が形成されているので、吸入ローラ34とは接触していない。したがって、原稿が挿入されていない状態では、吸入ローラ34には外力が負荷されておらず、図6に示したように、ネジリコイルバネ69に弾性付勢されて、クラッチギア67の係止部73に対して、反時計回り方向側の位置に係止片68が当接した係合状態となっている。換言すれば、吸入ローラ34の係止片68は、1周クラッチ65の嵌合溝72が許容する空転範囲の給紙逆方向端に当接している。したがって、吸入ローラ34は給紙方向へ1周分の空転が可能である。
吸入ローラ34及び吸入ニップ片35に当接した原稿は、該吸入ローラ34をネジリコイルバネ69の弾性付勢力に反して給紙方向へ空転させ、且つ吸入ニップ片35をバネ部材の弾性付勢力に反して退避させながら、更に奥へ挿入される。この際、原稿には、ネジリコイルバネ69の弾性付勢力と、吸入ニップ片35を付勢するバネ部材の弾性付勢力とが挿入に対する抵抗力として負荷されるが、これらネジリコイルバネ69及びバネ部材の弾性付勢力を調整することにより、使用者は殆ど抵抗を感じることなく、原稿を更に奥へ挿入することができる。したがって、原稿が吸入ローラ34及び吸入ニップ片35に当接することにより、その位置が挿入限界位置と誤認されることがない。
吸入ローラ34を空転させながら、更に吸入シュート部29の奥部へ挿入された原稿は、つぎに、その先端が、分離ローラ36及び分離ニップ片37に当接する。分離ローラ36の軸62には、搬送モータ52からの駆動伝達機構による負荷があるため、分離ローラ36より奥部へ原稿を挿入するには、その負荷に反して分離ローラ36を回転させるか、分離ローラ36のローラ面上を原稿を摺動させることとなる。該負荷や摺動摩擦により、原稿の挿入に抵抗感が生じ、使用者は、原稿の挿入が完了したと判断する。該原稿を、先端が吸入シュート部29に挿入した状態で給紙トレイ22に載置することにより、原稿のセットが完了する。
つぎに、使用者は、操作パネル7を操作して、原稿の画像読取り開始を複合機1に指示する。操作パネル7には、例えばスタートボタンが設けられており、該スタートボタンを押すことにより、複合機1に画像読取り開始を指示できる。該指示を受けて、複合機1の制御部5は、駆動回路53を介して搬送モータ52を駆動させる。これを受けて、分離ローラ36に搬送モータ52の回転力が入力される。これにより、まず、分離ローラ36が回転し始めるが、原稿の先端は分離ローラ36と分離ニップ片37とでニップされていないので、原稿は給送されずに原稿セット位置に静止する。
前述したように、原稿を挿入する際に吸入ローラ34は給紙方向へ空転されているので、図10に示すように、該空転に伴って係止片68は係止部73から給紙方向へ進んだ位置となっている。この状態で、分離ローラ36の軸62に回転力が入力されると、分離ローラ36と共にギア64も給紙方向へ、すなわち反時計回りに回転する。この回転を受けて、ギア64に噛合している駆動伝達ギア66が時計回りに回転し、該回転を受けて、駆動伝達ギア66と噛合しているクラッチギア67が反時計回りに、すなわち給紙方向へ回転する。
図に示すように、クラッチギア67の係止部73と係止片68とは離れているので、クラッチギア67が回転し始めても、該回転は係止片68に直ぐには伝達されず、クラッチギア67は、吸入ローラ34の軸71を空転する。そして、クラッチギア67が回転し始めて、その係止部73が係止片68と当接する位置まで回転すれば、該係止部73が係止片68を反時計回り方向へ押すようにして回転伝達が開始される。これを受けて、吸入ローラ34が反時計回りに、すなわち給紙方向へ回転する。
吸入ローラ34が回転することにより、吸入ニップ片35の付勢力により吸入ローラ34に圧接されていた原稿は、該回転を受けて給紙方向へ送り出される。詳細には、給紙トレイ22上に載置された原稿の先端は、吸入ローラ34及び吸入ニップ片35の配設位置より奥部へ挿入されている。吸入ニップ片35は、吸入ローラ34には接触していないが、図2及び図3に示すように、吸入ローラ34の軸方向の両端側においてガイド板30に接触している。したがって、原稿は、吸入ローラ34の軸方向両側において、吸入ローラ34が設けられたガイド板30側へ付勢され、吸入ローラ34のローラ面に圧接する。これにより、吸入ローラ34の回転力が確実に原稿に伝達される。
複数枚の原稿は一体として吸入ニップ片35により吸入ローラ34側へ付勢されているが、該吸入ローラ34のローラ面と接触するのは最下位置の原稿のみなので、該原稿が吸入ローラ34の回転力を受けて給紙方向へ送り出される。これにより、原稿の先端が分離ローラ36と分離ニップ片37との間に進入して、これらにニップされる。該原稿は、分離ニップ片37により分離ローラ36のローラ面に圧接されて、分離ローラ36の回転力を受け、さらに給紙方向へ送り出される。上記吸入ローラ34により最下位置の原稿が送り出される際に、静電気等の影響により、その上に積重された原稿が重なるようにして送り出されることがあるが、分離ローラ36と分離ニップ片37との間に複数枚の原稿が進入しても、吸入ローラ34及び分離ローラ36の回転力を直接受けるのは最下位置の原稿のみなので、該原稿のみが複数枚の原稿から分離されて搬送路26へ給送される。
このようにして給送された原稿は、搬送路26に案内されて読取面19へ向かって下方へ搬送される。すなわち、該原稿は、搬送ローラ38と分離ローラ36の直下流側に配設されたピンチローラ39とによってニップされ、該搬送ローラ38の回転力を受けて読取面19へ搬送される。原稿の先端が読取面19へ至るまでの搬送路26において、リードセンサ56により原稿の先端が検出され、搬送ローラ38に回転力を入力する搬送モータ52のエンコーダ量又はステップ数により、該原稿の先端が読取面19に到達したことが判断される。そして、原稿の先端が読取面19に到達すれば、CISユニット43が、読取面19を通過する原稿の画像読取りを開始する。
上記原稿は、CISユニット43により画像読取りが行われながら更に搬送され、原稿の先端側が、搬送ローラ38と読取面19の直下流のピンチローラ39とでニップされ、原稿の後端側が、搬送ローラ38と読取面19の直上流のピンチローラ39とでニップされた状態で、搬送ローラ38の回転力を受けて、湾曲部32に沿って反転するようにしてUターン搬送される。この間も、CISユニット43は、読取面19上を通過する原稿の画像を読み取る。そして、上記リードセンサ56が原稿の後端を検出し、搬送ローラ38に回転力を入力する搬送モータ52のエンコーダ量又はステップ数により、該原稿の後端が読取面19に到達したことが判断される。そして、原稿の後端が読取面19を通過すれば、CISユニット43による画像読取りが終了され、排紙シュート部33から排紙トレイ23へ原稿が排出される。
給紙トレイ22に載置されたすべての原稿を給紙し終えて、搬送モータ52が停止されると、吸入ローラ34は、ネジリコイルバネ69により給紙逆方向へ、すなわち時計回り方向へ付勢される。例えば、搬送ローラ38の周速度が吸入ローラ34の周速度より速い場合には、吸入ローラ34が搬送ローラ38の回転力を受けて搬送される原稿により連れ回りして、係止片68はクラッチギア67の係止部73より進んだ位相で、すなわち係止部73から反時計回り方向へ離れた位置となって回転する場合がある。
このような状態から、原稿の給紙が終了して搬送モータ52が停止すると、吸入ローラ34は、ネジリコイルバネ69に付勢されて給紙逆方向へ、すなわち時計回りに回転する。前述したように、吸入ニップ片35は、給紙トレイ22上に原稿がない場合であっても、吸入ローラ34と接触しないので、吸入ローラ34にはネジリコイルバネ69の弾性付勢力に反する外力は生じない。したがって、吸入ローラ34は、1周クラッチ65が許容する範囲で空転可能である。
吸入ローラ34の回転と共に係止片68も時計回りに回転し、図7に示すように、クラッチギア67の係止部73に反時計回り方向から当接して停止する。これにより、係止片68は、1周クラッチ65の嵌合溝72が許容する空転範囲の給紙逆方向端へ戻る。したがって、再び原稿を給紙トレイ22にセットする際に、吸入ローラ34が給紙方向へ、すなわち反時計回りに略1周分空転が可能となる。これにより、前述と同様に、分離ローラ36及び分離ニップ片37に当接するまで吸入シュート部29に原稿の一端を挿入して、給紙トレイ22上に原稿をセットすることができる。
また、前述したように原稿が給紙トレイ22にセットされると、吸入ローラ34は、例えば図10に示すように、空転範囲の給紙逆方向端から給紙順方向へ空転した状態になる。したがって、その位置から給紙逆方向へ空転することも可能である。例えば、使用者が原稿を給紙トレイ22に一旦セットしたが、原稿を追加する目的等のために、該原稿を吸入シュート部29から引き抜くことがある。このような場合に、原稿の引き抜きに伴って、吸入ローラ34が給紙逆方向へ空転するので、使用者は殆ど抵抗を感じることなく原稿を吸入シュート部29から引き抜くことができる。
また、図3及び図4に示すように、搬送路26において発生した紙詰まりを解消したり、ADF5の内部のメンテナンスを行うために、ADFカバー28が開かれた際に、使用者が、吸入ローラ34に触って回転させてしまうことがあるが、このような場合にも、ネジリコイルバネ69の弾性付勢力を受けて、吸入ローラ34は、1周クラッチ65の嵌合溝72が許容する空転範囲の給紙逆方向端へ戻る。したがって、ADFカバー28を閉じた後に、原稿を給紙トレイ22にセットする際に、吸入ローラ34が給紙方向へ、すなわち反時計回りに略1周分空転が可能となる。これにより、前述と同様に、分離ローラ36及び分離ニップ片37に当接するまで吸入シュート部29に原稿の一端を挿入して、給紙トレイ22上に原稿をセットすることができる。
このように複合機1に実現された給紙装置によれば、給紙トレイ22にセットする原稿の先端を吸入シュート部29に挿入する際に、原稿の先端と当接する吸入ローラ34が略1周分空転可能なので、原稿先端が吸入ローラ34の配設位置を通過する際に、使用者は殆ど抵抗を感じることがなく、原稿を挿入限界位置まで確実に挿入することができる。これにより、給紙トレイ22にセットされた原稿が、吸入ローラ34の回転により給紙方向へ確実に送り出され、搬送路26への原稿の給紙が確実になされる。また、給紙トレイ22にセットした原稿を抵抗なく引き抜くことができ、その際に原稿を破損することがない。さらに、ジャム解除やメンテナンスの際に不意に吸入ローラ34が空転されても、該吸入ローラ34は、ネジリコイルバネ69により1周クラッチ65が許容する空転範囲の給紙逆方向端へ戻るので、その後の給紙トレイ22への原稿のセットが確実になされる。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施の形態について説明する。
本実施の形態は、第1の実施の形態における吸入ニップ片35を変更したものであり、その他の構成は同一である。したがって、変更箇所の構成のみについて詳述する。
図11に示すように、本実施の形態に係る吸入ニップ片76は、区画板31の吸入ローラ34の両端側と対向する位置に、ガイド板30と接離する方向へ揺動可能に一対設けられている。各吸入ニップ片76は、所定幅のパッド状のものであり、その給紙方向上流側の両側に回動軸77がそれぞれ形成されている。この回動軸77が区画板31の下面に形成されたリブ41及び軸支部78に軸支されることにより、給紙方向下流側の端部がガイド板30の上面に接触可能に進退する。また、各吸入ニップ片76は、不図示のバネ部材により下方へ弾性付勢されており、原稿をニップしない状態で常時ガイド板30に接触している。
なお、本実施の形態では、吸入ニップ片76がガイド板30に接触するものとしているが、必ずしもガイド板30に接触させる必要はなく、吸入ローラ34のローラ面の最上位置より下方であれば、ガイド板30に近接させるように設けてもよい。また、パッド状の吸入ニップ片76に代えてローラを用いてもよいが、パッド状の当接部材とすることにより、当接部材を簡易且つ省スペースで実現することができ、また、当接部材に付与する弾性付勢力の調整が容易である。
上記一対の吸入ニップ片76は、吸入ローラ34の軸方向両端側に配設されているので、吸入ローラ34に接触することがない。これにより、吸入ニップ片76がガイド板30の上面に接触した状態で、吸入ローラ34は空転可能である。したがって、上記第1の実施の形態で示したように、吸入シュート部29に原稿がない状態で吸入ローラ34に外力が負荷されず、常に、ネジリコイルバネ69により1周クラッチ65が許容する空転範囲の給紙逆方向端へ戻る。よって、給紙トレイ22への原稿のセットが確実になされる。また、セットされた原稿を給紙する際に、吸入ニップ片76により、原稿を吸入ローラ34のローラ面に確実に接触させることができる。
(第3の実施の形態)
以下、本発明の第3の実施の形態について説明する。
本実施の形態は、第1の実施の形態における吸入ローラ34の配置と吸入ニップ片35とを変更したものであり、その他の構成は同一である。したがって、変更箇所の構成のみについて詳述する。
図12に示すように、本実施の形態では、上記吸入ローラ34が同軸線上に隔てて並設されている。これら吸入ローラ34は、同一軸に設けられており、該軸に分離ローラ36からの回転力が伝達されると、2つの吸入ローラ34が同時に同じ周速度で回転する。図には詳細に示していないが、これら吸入ローラ34のうちいずれか一方に、第1の実施の形態で示した駆動伝達機構63により、1周分の空転を許容して回転力が伝達されている。したがって、駆動伝達される一方の吸入ローラ34が空転可能であれば、他方の吸入ローラ34も同様に空転可能であり、また、一方の吸入ローラ34に駆動伝達されて回転されれば、他方の吸入ローラ34も回転する。
また、図に示すように、本実施の形態に係る吸入ニップ片79は、上記一対の吸入ローラ34間に対向する位置に、ガイド板30と接離する方向へ揺動可能に一対設けられている。吸入ニップ片79は、所定幅のパッド状のものであり、その給紙方向上流側の両側に回動軸80が形成されている。この回動軸80が区画板31の下面に形成された軸支部81に軸支されることにより、給紙方向下流側の端部がガイド板30の上面に接触可能に進退する。また、吸入ニップ片79は、不図示のバネ部材により下方へ弾性付勢されており、原稿をニップしない状態で常時ガイド板30に接触している。
なお、本実施の形態では、吸入ニップ片79がガイド板30に接触するものとしているが、必ずしもガイド板30に接触させる必要はなく、吸入ローラ34のローラ面の最上位置より下方であれば、ガイド板30に近接させるように設けてもよい。また、パッド状の吸入ニップ片79に代えてローラを用いてもよいが、パッド状の当接部材とすることにより、当接部材を簡易且つ省スペースで実現することができ、また、当接部材に付与する弾性付勢力の調整が容易である。
上記吸入ニップ片79は、一対の吸入ローラ34の間に配設されているので、いずれの吸入ローラ34にも接触することがない。これにより、吸入ニップ片79がガイド板30の上面に接触した状態で、吸入ローラ34は空転可能である。したがって、上記第1の実施の形態で示したように、吸入シュート部29に原稿がない状態で吸入ローラ34に外力が負荷されず、常に、ネジリコイルバネ69により1周クラッチ65が許容する空転範囲の給紙逆方向端へ戻る。よって、給紙トレイ22への原稿のセットが確実になされる。また、セットされた原稿を給紙する際に、吸入ニップ片79により、原稿を吸入ローラ34のローラ面に確実に接触させることができる。
(第4の実施の形態)
以下、本発明の第4の実施の形態について説明する。
本実施の形態は、第1の実施の形態における吸入ニップ片35を変更したものであり、その他の構成は同一である。したがって、変更箇所の構成のみについて詳述する。
図13に示すように、本実施の形態に係る吸入ニップ片82は、区画板31の吸入ローラ34の両端側と対向する位置に、吸入ローラ34と接離する方向へ揺動可能に設けられている。吸入ニップ片82は、吸入ローラ34より若干幅の狭いパッド状のものであり、その給紙方向上流側の両側に回動軸83が形成されている。この回動軸83が区画板31の下面に形成された軸支部84に軸支されることにより、給紙方向下流側の端部が吸入ローラ34のローラ面に接触可能に進退する。また、吸入ニップ片82は、不図示のバネ部材により下方へ弾性付勢されており、原稿をニップしない状態で常時吸入ローラ34に接触している。
なお、パッド状の吸入ニップ片82に代えてローラを用いてもよいが、パッド状の当接部材とすることにより、当接部材を簡易且つ省スペースで実現することができ、また、当接部材に付与する弾性付勢力の調整が容易である。
上記吸入ニップ片82は、吸入ローラ34のローラ面に圧接しているので、給紙トレイ22にセットされた原稿を給紙する際に、吸入ニップ片76により、原稿を吸入ローラ34のローラ面に確実に接触させることができる。また、ジャム解除やメンテナンスのためにADFカバー28を開いた際に、使用者が不意に吸入ローラ34に触って空転させたとしても、該吸入ローラ34は、ネジリコイルバネ69により1周クラッチ65が許容する空転範囲の給紙逆方向端へ戻るので、その後の給紙トレイ22への原稿のセットが確実になされる。
なお、本実施の形態では、吸入シュート部29に原稿がない状態で、吸入ニップ片82が吸入ローラ34に圧接しているので、ネジリコイルバネ69による吸入ローラ34の空転を吸入ニップ片82が制止するおそれがある。したがって、例えば、ADF5が原稿を搬送する場合に、吸入ローラ34の周速度より搬送ローラ38の周速度を速くすれば、給紙終了後、吸入ローラ34が1周クラッチ65が許容する空転範囲の給紙逆方向端以外の箇所で制止されるおそれがある。これを解消するために、給紙トレイ22上の原稿を給送し終えた後、搬送モータ52を更に回転させて、吸入ローラ34を1周クラッチ65が許容する空転範囲の給紙逆方向端に位置させることが好適である。
なお、上記各実施の形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る複合機1の外観構成を示す斜視図である。 図2は、ADF5の主要構成を示すA−A断面図である。 図3は、ADFカバー28を開いた状態の吸入ニップ片35付近の構成を示す拡大斜視図である。 図4は、ADFカバー28を開いた状態の原稿押さえカバー6の構成を示す斜視図である。 図5は、制御部45の構成を示すブロック図である。 図6は、駆動伝達機構63の構成を示す拡大斜視図である。 図7は、駆動伝達機構63の構成を示す模式図である。 図8は、1周クラッチ65の構成を示す分解斜視図である。 図9は、1周クラッチ65の構成を示す拡大斜視図である。 図10は、係止片68が先行した状態の駆動伝達機構63を示す模式図である。 図11は、本発明の第2の実施の形態に係る吸入ニップ片76付近の構成を示す拡大斜視図である。 図12は、本発明の第3の実施の形態に係る吸入ニップ片79付近の構成を示す拡大斜視図である。 図13は、本発明の第4の実施の形態に係る吸入ニップ片82付近の構成を示す拡大斜視図である。 図14は、従来の給紙装置91の概略構成を示す図である。
符号の説明
22・・・給紙トレイ
26・・・搬送路
27・・・ADF本体(装置本体)
28・・・ADFカバー(カバー部材)
29・・・吸入シュート部
34・・・吸入ローラ(第1のローラ)
35,76,79,82・・・吸入ニップ片(第1の当接部材)
36・・・分離ローラ(第2のローラ)
37・・・分離ニップ片(第2の当接部材)
42・・・切欠部
52・・・搬送モータ(駆動機構)
53・・・駆動回路(駆動機構)
63・・・駆動伝達機構
65・・・1周クラッチ
69・・・ネジリコイルバネ(弾性部材)

Claims (10)

  1. 複数枚の給紙すべき用紙を積載可能な給紙トレイと、
    所定幅を隔てて対向するガイド面を有し、上記給紙トレイから搬送路へ用紙を案内する吸入シュート部と、
    上記吸入シュート部の一方のガイド面に、そのローラ面の一部を露出して配設され、上記給紙トレイに積載された用紙に当接して該用紙を搬送路へ送り込む第1のローラと、
    上記吸入シュート部の他方のガイド面に、上記第1のローラ近傍の一方のガイド面に当接又は近接するように進退可能に突設され、常時一方のガイド面に当接又は近接するように弾性付勢された第1の当接部材と、
    上記吸入シュート部の一方のガイド面であって上記第1のローラから給紙方向へ隔てた位置に、そのローラ面の一部を露出して配設され、該第1のローラが送り込んだ用紙を更に給紙方向へ送り込む第2のローラと、
    上記吸入シュート部の他方のガイド面に、上記第2のローラに接離可能に突設され、該第2のローラに常時当接するように弾性付勢された第2の当接部材と、
    上記第2のローラに回転力を入力する駆動機構と、
    上記第1のローラが所定範囲で空転することを許容し、且つ上記第2のローラの回転を第1のローラに伝達するクラッチを有する駆動伝達機構と、
    上記第1のローラを、上記クラッチが許容する空転範囲の給紙逆方向端へ弾性付勢する弾性部材と、を具備してなる給紙装置。
  2. 上記駆動伝達機構のクラッチは、上記第1のローラが略1周空転することを許容する1周クラッチである請求項1に記載の給紙装置。
  3. 上記第1の当接部材は、上記第1のローラの軸方向の両端側の一方のガイド面に当接又は近接するものである請求項1又は2に記載の給紙装置。
  4. 上記第1の当接部材は、上記第1のローラの対向位置に配設され、該第1のローラと接触する部分を切り欠いた切欠部を有するパッド状のものである請求項3に記載の給紙装置。
  5. 上記第1の当接部材は、上記第1のローラの軸方向の両端側にそれぞれ設けられたパッド状のものである請求項3に記載の給紙装置。
  6. 上記第1のローラが同軸線上に隔てて並設され、上記第1の当接部材は、該第1のローラ間の一方のガイド面に当接又は近接するものである請求項1又は2に記載の給紙装置。
  7. 上記吸入シュート部の対向するガイド面のいずれか一方を構成し、上記第1のローラ及び第2のローラと、第1の当接部材及び第2の当接部材とが離間するように、吸入シュート部を開放するカバー部材を備えたものである請求項1から6のいずれかに記載の給紙装置。
  8. 複数枚の給紙すべき用紙を積載可能な給紙トレイと、
    所定幅を隔てて対向するガイド面を有し、上記給紙トレイから搬送路へ用紙を案内する吸入シュート部と、
    上記吸入シュート部の一方のガイド面に、そのローラ面の一部を露出して配設され、上記給紙トレイに積載された用紙に当接して該用紙を搬送路へ送り込む第1のローラと、
    上記吸入シュート部の他方のガイド面に、上記第1のローラに接離可能に突設され、該第1のローラに常時当接するように弾性付勢された第1の当接部材と、
    上記吸入シュート部の一方のガイド面であって上記第1のローラから給紙方向へ隔てた位置に、そのローラ面の一部を露出して配設され、該第1のローラが送り込んだ用紙を更に給紙方向へ送り込む第2のローラと、
    上記吸入シュート部の他方のガイド面に、上記第2のローラに接離可能に突設され、該第2のローラに常時当接するように弾性付勢された第2の当接部材と、
    上記第2のローラに回転力を入力する駆動機構と、
    上記第1のローラが所定範囲で空転することを許容し、且つ上記第2のローラの回転を第1のローラに伝達するクラッチを有する駆動伝達機構と、
    上記第1のローラを、上記クラッチが許容する空転範囲の給紙逆方向端へ弾性付勢する弾性部材と、
    上記吸入シュート部の対向するガイド面のいずれか一方を構成し、上記第1のローラ及び上記第2のローラと、上記第1の当接部材及び上記第2の当接部材とが離間するように、吸入シュート部を開放するカバー部材と、を具備してなる給紙装置。
  9. 上記駆動伝達機構のクラッチは、上記第1のローラが略1周空転することを許容する1周クラッチである請求項8に記載の給紙装置。
  10. 上記第1の当接部材は、上記第1のローラの対向位置に配設されたパッド状のものである請求項8又は9に記載の給紙装置。

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