JP2006256591A - 動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法 - Google Patents

動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 駆動軸に制動力を出力している最中に内燃機関の運転を停止させる際に蓄電装置が過充電するのを抑制する。
【解決手段】 モータMG2から駆動軸としてのリングギヤ軸32aに制動力(負のトルク)が出力されている最中にモータMG1によるエンジン22の運転の停止が指示されたとき、エンジン22の燃料をカットし、エンジン22の運転を停止させるためにモータMG1から負のトルクが出力されるようモータMG1を制御すると共にこのときのモータMG1の発電パワーとバッテリ50の入力制限とに基づいてモータMG2から出力される負のトルクが制限されるようモータMG2を制御し、モータMG2に対するトルク制限によって不足するトルクを駆動輪63a,63bに取り付けられたブレーキ装置89a,89bから出力する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、駆動軸に動力を出力する動力出力装置およびこれを搭載し前記駆動軸に車軸が接続されて走行する自動車並びに動力出力装置の制御方法に関する。
従来、この種の動力出力装置としては、プラネタリギヤのサンギヤ,キャリア,リングギヤにそれぞれモータMG1,エンジンのクランクシャフト,駆動軸およびモータMG2が取り付けられ、モータMG1によりエンジンの運転を停止させるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、エンジンの運転停止が指示されたとき、エンジンの燃料噴射を停止すると共にエンジンの回転数が値0近傍となるまでエンジンの回転方向とは逆向きのトルク(制動力)をモータMG1から出力することにより共振現象を生じさせる回転数領域を素早く通過させてエンジンの運転を停止させることができ、エンジンの運転を停止させる際の振動を低減することができるとしている。
特開平10−306739号公報
上述の動力出力装置では、エンジンの運転を停止させる際にモータMG1およびモータMG2と電力をやり取りする蓄電装置(二次電池など)への電力の入力が制限される場合については考慮されていない。例えば、モータMG2の回生制動によって駆動軸に制動力を出力している最中にエンジンの運転を停止させる際には、モータMG2による発電にモータMG1による発電が加わるから、入力制限を超える電力が蓄電手段に入力される場合が生じ、これに対する対策が必要となる。
本発明の動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法は、電動機から駆動軸に制動力を出力している最中でも蓄電装置に過充電を生じさせることなく内燃機関の運転を停止させることを目的の一つとする。また、本発明の動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法は、電動機から駆動軸に制動力を出力している最中でも蓄電装置に過充電を生じさせることなく内燃機関の運転を停止させる際の振動の発生を抑制することを目的の一つとする。さらに、本発明の動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法は、電動機から駆動軸に制動力を出力している最中でも蓄電手段の性能を発揮させて内燃機関の運転を停止させることを目的の一つとする。また、本発明の動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法は、駆動軸の回転が停止しているときに蓄電手段に過充電が生じるのを抑制しながら内燃機関の運転をより適切に停止させることを目的の一つとする。
本発明の動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
本発明の第1の動力出力装置は、
駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
内燃機関と、
発電を伴って前記内燃機関の運転を停止する機関停止手段と、
前記駆動軸に動力を入出力する電動機と、
前記機関停止手段および前記電動機と電力をやり取りする蓄電手段と、
前記電動機から前記駆動軸に制動力を出力している最中に前記内燃機関の運転の停止が指示されたとき、前記蓄電手段の入力制限の範囲内で前記駆動軸に制動力が出力されると共に前記内燃機関の運転が停止されるよう該内燃機関と前記電動機と前記機関停止手段とを制御する機関停止時制御手段と
を備えることを要旨とする。
この本発明の第1の動力出力装置では、電動機から駆動軸に制動力を出力している最中に内燃機関の運転の停止が指示されたとき、蓄電手段の入力制限の範囲内で駆動軸に制動力が出力されると共に内燃機関の運転が停止されるよう内燃機関と電動機と機関停止手段とを制御するから、電動機から駆動軸に制動力を出力している最中でも蓄電装置に過充電を生じさせることなく内燃機関の運転を停止させることができる。もとより、機関停止手段により内燃機関の運転を停止するから、内燃機関の運転を停止する際の振動を抑制することができる。
こうした本発明の第1の動力出力装置において、前記機関停止時制御手段は、前記蓄電手段の入力制限と前記機関停止手段の発電電力とに基づく制限値をもって前記電動機から出力される制動力が制限されるよう該電動機を制御する手段であるものとすることもできる。
また、本発明の第1の動力出力装置において、前記駆動軸に直接または間接に制動力を出力するブレーキ装置を備え、前記機関停止時制御手段は、前記駆動軸に要求される制動力が該駆動軸に出力されるよう前記電動機と前記ブレーキ装置とを制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、駆動軸に要求される制動力に対応しながら内燃機関の運転を停止させることができる。
さらに、本発明の第1の動力出力装置において、前記機関停止時制御手段は、前記電動機から制動力を出力している最中に前記内燃機関の運転の停止が指示されたときには、前記蓄電手段が定格値を超えて入力してもよい超過電力を該蓄電手段の入力制限に設定し、該設定した入力制限の範囲内で前記駆動軸に制動力が出力されると共に前記内燃機関の運転が停止されるよう該内燃機関と前記電動機と前記機関停止手段とを制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、電動機から駆動軸に制動力を出力している最中でも蓄電手段の性能を発揮させて内燃機関の運転を停止させることができる。この場合、前記機関停止時制御手段は、前記内燃機関の運転を停止させる際に前記機関停止手段により発電される電力と前記電動機から入出力される電力とに基づいて前記蓄電手段に入力される電力が前記定格値を超えるか否かを判定し、該蓄電手段に入力される電力が該定格値を超えないと判定したときには該定格値を該蓄電手段の入力制限に設定し該設定した入力制限の範囲内で前記駆動軸に制動力が出力されると共に前記内燃機関の運転が停止されるよう制御し、前記蓄電手段に入力される電力が前記定格値を超えると判定したときには前記超過電力を該蓄電手段の入力制限に設定し該設定した入力制限の範囲内で前記駆動軸に制動力が出力されると共に前記内燃機関の運転が停止されるよう制御する手段であるものとすることもできる。さらにこれらの場合、前記機関停止時制御手段は、前記超過電力として前記蓄電手段に入力してもよい電力の上限を前記蓄電手段の入力制限に設定して制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、蓄電手段の性能を最大限発揮させることができる。
また、本発明の第1の動力出力装置において、前記動力出力装置の運転状態を検出する運転状態検出手段を備え、前記機関停止時制御手段は、前記検出された動力出力装置の運転状態に基づいて該内燃機関の運転を停止させるための停止用制動力を設定し、該設定した停止用制動力が前記機関停止手段から出力されて前記内燃機関の運転が停止されるよう前記機関停止手段を制御する手段であるものとすることもできる。内燃機関の運転を停止させる際の動力出力装置の運転状態により機関停止手段で発電される電力が大小するから、動力出力装置の運転状態を考慮して機関停止手段の停止用制動力を設定することにより、内燃機関の運転を停止させる際に蓄電手段に過充電が生じるのを抑制することができる。この場合、前記運転状態検出手段は、前記動力出力装置の運転状態として前記内燃機関の回転状態,前記蓄電手段の状態,前記駆動軸に要求される制動力,前記駆動軸の回転状態,前記機関停止手段が有する回転軸の回転状態のうちの少なくとも一つを検出する手段であるものとすることもできる。さらにこの場合、前記機関停止時制御手段は、前記内燃機関の回転状態,前記駆動軸の回転状態,前記機関停止手段が有する回転軸の回転状態のうちの少なくとも一つの回転状態として回転数が大きいほど小さくなる傾向に前記停止用制動力を設定して制御する手段であるものとすることもできる。
本発明の第2の動力出力装置は、
駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
内燃機関と、
発電を伴って前記内燃機関の運転を停止する機関停止手段と、
前記駆動軸に動力を入出力する電動機と、
前記機関停止手段および前記電動機と電力をやり取りする蓄電手段と、
前記電動機から前記駆動軸に制動力を出力している最中に前記内燃機関の運転の停止が指示されたとき、前記電動機からの制動力の出力に伴って該電動機で発電されている発電電力に基づいて前記機関停止手段により発電を伴って前記内燃機関の運転を停止させたときに前記蓄電手段に入力される電力が該蓄電手段の入力制限の範囲を超えるか否かを予測し、前記蓄電手段に入力される電力が前記入力制限の範囲を超えないと予測したときには前記駆動軸に制動力が出力されると共に前記内燃機関の運転が停止されるよう該内燃機関と前記電動機と前記機関停止手段とを制御し、前記蓄電手段に入力される電力が前記入力制限の範囲を超えると予測したときには前記停止の指示に拘わらず前記内燃機関の運転の維持をもって前記駆動軸に制動力が出力されるよう該内燃機関と前記電動機と前記機関停止手段とを制御する機関停止時制御手段と
を備えることを要旨とする。
この本発明の第2の動力出力装置では、電動機から駆動軸に制動力を出力している最中に内燃機関の運転の停止が指示されたとき、電動機からの制動力の出力に伴って電動機で発電されている発電電力に基づいて機関停止手段により発電を伴って内燃機関の運転を停止させたときに蓄電手段に入力される電力が蓄電手段の入力制限の範囲を超えるか否かを予測し、蓄電手段に入力される電力が入力制限の範囲を超えないと予測したときには駆動軸に制動力が出力されると共に内燃機関の運転が停止されるよう内燃機関と電動機と機関停止手段とを制御し、蓄電手段に入力される電力が入力制限の範囲を超えると予測したときには停止の指示に拘わらず内燃機関の運転の維持をもって駆動軸に制動力が出力されるよう内燃機関と電動機と機関停止手段とを制御する。したがって、電動機から駆動軸に制動力を出力している最中に内燃機関の運転を停止させる際に蓄電手段に入力制限を超える電力が入力されるのを未然に防止することができる。
こうした本発明の第2の動力出力装置において、前記動力出力装置の運転状態を検出する運転状態検出手段を備え、前記機関停止時制御手段は、前記検出された動力出力装置の運転状態に基づいて前記機関停止手段により前記内燃機関の運転を停止させたときに該機関停止手段で発電される発電電力を推定し、該推定した機関停止手段で発電される発電電力と前記電動機で発電されている発電電力とに基づいて前記蓄電手段に入力される電力が該蓄電手段の入力制限の範囲を超えるか否かを予測する手段であるものとすることもできる。こうすれば、内燃機関の運転を停止させる際に機関停止手段で発電される発電電力を推定するから、蓄電手段に入力される電力がその入力制限の範囲を超えるか否かをより正確に予測することができる。この態様の本発明の第2の動力出力装置において、前記運転状態検出手段は、前記動力出力装置の運転状態として前記内燃機関の出力軸の回転状態,前記駆動軸の回転状態,前記機関停止手段が有する回転軸の回転状態のうちの少なくとも一つを検出する手段であるものとすることもできる。こうすれば、内燃機関の運転を停止させる際に機関停止手段で発電される発電電力をより正確に推定することができる。この場合、前記機関停止時制御手段は、前記検出された前記内燃機関の出力軸の回転状態,前記駆動軸の回転状態,前記機関停止手段が有する回転軸の回転状態のうちの少なくとも一つの回転状態として回転数が大きいほど大きくなる傾向に前記機関停止手段で発電される発電電力を推定する手段であるものとすることもできる。
また、本発明の第2の動力出力装置において、前記機関停止時制御手段は、前記蓄電手段に入力される電力が前記入力制限の範囲を超えると予測されるときには前記内燃機関がアイドリング運転されるよう制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、内燃機関における無駄なエネルギ消費を抑制することができる。
また、本発明の第1または第2の動力出力装置において、前記蓄電手段の状態に基づいて該蓄電手段の入力制限を設定する入力制限設定手段を備えるものとすることもできる。
本発明の第3の動力出力装置は、
駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
内燃機関と、
発電を伴って前記内燃機関の運転を停止する機関停止手段と、
前記駆動軸に動力を入出力する電動機と、
前記機関停止手段および前記電動機と電力をやり取りする蓄電手段と、
前記動力出力装置の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
前記駆動軸の回転が停止している最中に前記内燃機関の運転の停止が指示されたとき、前記検出された動力出力装置の運転状態に基づいて前記内燃機関の運転を停止させるための停止用制動力を設定し、該設定した停止用制動力が前記機関停止手段から出力されて前記内燃機関の運転が停止されるよう該内燃機関と該機関停止手段とを制御する機関停止時制御手段と
を備えることを要旨とする。
この本発明の第3の動力出力装置では、駆動軸の回転が停止している最中に内燃機関の運転の停止が指示されたとき、動力出力装置の運転状態に基づいて内燃機関の運転を停止させるための停止用制動力を設定し、設定した停止用制動力が機関停止手段から出力されて内燃機関の運転が停止されるよう内燃機関と機関停止手段とを制御するから、駆動軸の回転が停止しているときに蓄電手段に過充電が生じるのを抑制しながら内燃機関の運転をより適切に停止させることができる。
こうした本発明の第3の動力出力装置において、前記運転状態検出手段は、前記動力出力装置の運転状態として前記内燃機関の回転状態,前記蓄電手段の状態,前記機関停止手段が有する回転軸の回転状態のうちの少なくとも一つを検出する手段であるものとすることもできる。この場合、前記機関停止時制御手段は、前記内燃機関の回転状態,前記機関停止手段が有する回転軸の回転状態のうちの少なくとも一方の回転状態として回転数が大きいほど小さくなる傾向に前記停止用制動力を設定して制御する手段であるものとすることもできる。
本発明の第1ないし第3の動力出力装置において、前記機関停止手段は、前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸とに接続され、電力と動力の入出力により該内燃機関の運転を停止可能で運転中の該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力可能な電力動力入出力手段であるものとすることもできる。この場合、前記電力動力入出力手段は、前記内燃機関の出力軸と前記電動機の回転軸と第3の回転軸の3軸に接続され、該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づく動力を残余の1軸に入出力させる3軸式の動力入出力手段と、前記第3の回転軸に動力を入出力可能な発電機とを備える手段であるものとすることもできるし、前記電力動力入出力手段は、前記内燃機関の出力軸に接続された第1の回転子と前記駆動軸に接続された第2の回転子とを有し、該第1の回転子と該第2の回転子との電磁的な作用により両回転子を相対的に回転させる対回転子電動機であるものとすることもできる。
本発明の自動車は、
上述した各態様のいずれかの本発明の動力出力装置、即ち、基本的には、駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、内燃機関と、発電を伴って前記内燃機関の運転を停止する機関停止手段と、前記駆動軸に動力を入出力する電動機と、前記機関停止手段および前記電動機と電力をやり取りする蓄電手段と、前記電動機から前記駆動軸に制動力を出力している最中に前記内燃機関の運転の停止が指示されたとき、前記蓄電手段の入力制限の範囲内で前記駆動軸に制動力が出力されると共に前記内燃機関の運転が停止されるよう該内燃機関と前記電動機と前記機関停止手段とを制御する機関停止時制御手段とを備える本発明の第1の動力出力装置、または、駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、内燃機関と、発電を伴って前記内燃機関の運転を停止する機関停止手段と、前記駆動軸に動力を入出力する電動機と、前記機関停止手段および前記電動機と電力をやり取りする蓄電手段と、前記電動機から前記駆動軸に制動力を出力している最中に前記内燃機関の運転の停止が指示されたとき、前記電動機からの制動力の出力に伴って該電動機で発電されている発電電力に基づいて前記機関停止手段により発電を伴って前記内燃機関の運転を停止させたときに前記蓄電手段に入力される電力が該蓄電手段の入力制限の範囲を超えるか否かを予測し、前記蓄電手段に入力される電力が前記入力制限の範囲を超えないと予測したときには前記駆動軸に制動力が出力されると共に前記内燃機関の運転が停止されるよう該内燃機関と前記電動機と前記機関停止手段とを制御し、前記蓄電手段に入力される電力が前記入力制限の範囲を超えると予測したときには前記停止の指示に拘わらず前記内燃機関の運転の維持をもって前記駆動軸に制動力が出力されるよう該内燃機関と前記電動機と前記機関停止手段とを制御する機関停止時制御手段とを備える本発明の第2の動力出力装置、または、駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、内燃機関と、発電を伴って前記内燃機関の運転を停止する機関停止手段と、前記駆動軸に動力を入出力する電動機と、前記機関停止手段および前記電動機と電力をやり取りする蓄電手段と、前記動力出力装置の運転状態を検出する運転状態検出手段と、前記駆動軸の回転が停止している最中に前記内燃機関の運転の停止が指示されたとき、前記検出された動力出力装置の運転状態に基づいて前記内燃機関の運転を停止させるための停止用制動力を設定し、該設定した停止用制動力が前記機関停止手段から出力されて前記内燃機関の運転が停止されるよう該内燃機関と該機関停止手段とを制御する機関停止時制御手段とを備える本発明の第3の動力出力装置を搭載し、前記駆動軸に車軸が接続されて走行する
ことを要旨とする。
この本発明の自動車では、上述した各態様の本発明の動力出力装置を搭載するから、本発明の動力出力装置が奏する効果と同様の効果、例えば、電動機から駆動軸に制動力を出力している最中でも蓄電装置に過充電を生じさせることなく内燃機関の運転を停止させることができる効果や駆動軸に要求される制動力に対応しながら内燃機関の運転を停止させることができる効果,電動機から駆動軸に制動力を出力している最中に内燃機関の運転を停止させる際に蓄電手段に入力制限を超える電力が入力されるのを未然に防止することができる効果、電動機から駆動軸に制動力を出力している最中でも蓄電手段の性能を発揮させて内燃機関の運転を停止させることができる効果、駆動軸の回転が停止しているときに蓄電手段に過充電が生じるのを抑制しながら内燃機関の運転をより適切に停止させることができる効果,内燃機関の運転の停止に伴って蓄電手段に入力制限を超える電力が入力されるのを未然に防止して蓄電手段の不具合の発生を抑制することができる効果などを奏することができる。
本発明の第1の動力出力装置の制御方法は、
内燃機関と、発電を伴って前記内燃機関の運転を停止する機関停止手段と、駆動軸に動力を入出力する電動機と、前記機関停止手段および前記電動機と電力をやり取りする蓄電手段とを備える動力出力装置の制御方法であって、
前記電動機から前記駆動軸に制動力を出力している最中に前記内燃機関の運転の停止が指示されたとき、前記蓄電手段の入力制限の範囲内で前記駆動軸に制動力が出力されると共に前記内燃機関の運転が停止されるよう該内燃機関と前記電動機と前記機関停止手段とを制御する
ことを要旨とする。
この本発明の第1の動力出力装置の制御方法によれば、電動機から駆動軸に制動力を出力している最中に内燃機関の運転の停止が指示されたとき、蓄電手段の入力制限の範囲内で駆動軸に制動力が出力されると共に内燃機関の運転が停止されるよう内燃機関と電動機と機関停止手段とを制御するから、電動機から駆動軸に制動力を出力している最中でも蓄電装置に過充電を生じさせることなく内燃機関の運転を停止させることができる。もとより、機関停止手段により内燃機関の運転を停止するから、内燃機関の運転を停止する際の振動を抑制することができる。
本発明の第2の動力出力装置の制御方法は、
内燃機関と、発電を伴って前記内燃機関の運転を停止する機関停止手段と、駆動軸に動力を入出力する電動機と、前記機関停止手段および前記電動機と電力をやり取りする蓄電手段とを備える動力出力装置の制御方法であって、
(a)前記動力出力装置の運転状態を検出し、
(b)前記電動機から前記駆動軸に制動力を出力している最中に前記内燃機関の運転の停止が指示されたとき、前記検出された動力出力装置の運転状態に基づいて前記機関停止手段の発電電力を推定し、
(c)該推定した機関停止手段の発電電力と前記電動機から出力している制動力に基づく発電電力とに基づいて前記蓄電手段に入力される電力が該蓄電手段の入力制限の範囲内となると予測されるときには前記駆動軸に制動力が出力されると共に前記内燃機関の運転が停止されるよう該内燃機関と前記電動機と前記機関停止手段とを制御し、前記推定した機関停止手段の発電電力と前記電動機から出力している制動力に基づく発電電力とに基づいて前記蓄電手段に入力される電力が該蓄電手段の入力制限の範囲を超えると予測されるときには前記停止の指示に拘わらず前記内燃機関の運転を維持しながら前記駆動軸に制動力が出力されるよう該内燃機関と前記電動機と前記機関停止手段とを制御する
ことを要旨とする。
この本発明の第2の動力出力装置の制御方法によれば、電動機から駆動軸に制動力を出力している最中に内燃機関の運転の停止が指示されたとき、動力出力装置の運転状態に基づいて機関停止手段の発電電力を推定し、推定した機関停止手段の発電電力と電動機から出力している制動力に基づく発電電力とに基づいて蓄電手段に入力される電力が蓄電手段の入力制限の範囲内となると予測されるときには駆動軸に制動力が出力されると共に内燃機関の運転が停止されるよう内燃機関と電動機と機関停止手段とを制御し、推定した機関停止手段の発電電力と電動機から出力している制動力に基づく発電電力とに基づいて蓄電手段に入力される電力が蓄電手段の入力制限の範囲を超えると予測されるときには停止の指示に拘わらず内燃機関の運転を維持しながら駆動軸に制動力が出力されるよう内燃機関と電動機と機関停止手段とを制御する。したがって、電動機から駆動軸に制動力を出力している最中に内燃機関の運転を停止させる際に蓄電手段に入力制限を超える電力が入力されるのを未然に防止することができる。
本発明の第3の動力出力装置の制御方法は、
内燃機関と、発電を伴って前記内燃機関の運転を停止する機関停止手段と、駆動軸に動力を入出力する電動機と、前記機関停止手段および前記電動機と電力をやり取りする蓄電手段とを備える動力出力装置の制御方法であって、
(a)前記蓄電手段の状態に基づいて該蓄電手段の入力制限を設定し、
(b)前記電動機から前記駆動軸に制動力を出力している最中に前記内燃機関の運転の停止が指示されたとき、前記電動機からの制動力の出力に伴って該電動機で発電されている発電電力に基づいて前記機関停止手段により発電を伴って前記内燃機関の運転を停止させたときに前記蓄電手段に入力される電力が前記設定された蓄電手段の入力制限の範囲を超えるか否かを予測し、前記蓄電手段に入力される電力が前記入力制限の範囲を超えないと予測したときには前記駆動軸に制動力が出力されると共に前記内燃機関の運転が停止されるよう該内燃機関と前記電動機と前記機関停止手段とを制御し、前記蓄電手段に入力される電力が前記入力制限の範囲を超えると予測したときには前記停止の指示に拘わらず前記内燃機関の運転の維持をもって前記駆動軸に制動力が出力されるよう該内燃機関と前記電動機と前記機関停止手段とを制御する
ことを要旨とする。
この本発明の第3の動力出力装置の制御方法によれば、蓄電手段の状態に基づいて蓄電手段の入力制限を設定し、電動機から駆動軸に制動力を出力している最中に内燃機関の運転の停止が指示されたとき、電動機からの制動力の出力に伴って電動機で発電されている発電電力に基づいて機関停止手段により発電を伴って内燃機関の運転を停止させたときに蓄電手段に入力される電力が設定された蓄電手段の入力制限の範囲を超えるか否かを予測し、蓄電手段に入力される電力が入力制限の範囲を超えないと予測したときには駆動軸に制動力が出力されると共に内燃機関の運転が停止されるよう内燃機関と電動機と機関停止手段とを制御し、蓄電手段に入力される電力が入力制限の範囲を超えると予測したときには停止の指示に拘わらず内燃機関の運転の維持をもって駆動軸に制動力が出力されるよう内燃機関と電動機と機関停止手段とを制御する。したがって、電動機から駆動軸に制動力を出力している最中に内燃機関の運転を停止させる際に蓄電手段に入力制限を超える電力が入力されるのを未然に防止することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態としての動力出力装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。第1実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに取り付けられた減速ギヤ35と、この減速ギヤ35に接続されたモータMG2と、動力出力装置全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン22の運転状態を検出する各種センサからの信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構60およびデファレンシャルギヤ62を介して、最終的には車両の駆動輪63a,63bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、バッテリECU52では、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)も演算している。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。また、ハイブリッド用電子制御ユニット70からは、駆動輪63a,63bに取り付けられたブレーキ装置89a,89bの図示しないアクチュエータへの駆動信号が出力ポートを介して出力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された第1実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
次に、こうして構成された第1実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に、モータMG2から駆動軸としてのリングギヤ軸32aに制動力を出力している最中にエンジン22の運転を停止させる際の動作について説明する。図2は、第1実施例のハイブリッド自動車20のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行されるエンジン停止時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、エンジン22の運転の停止が指示されたときに所定時間毎(例えば、8msec毎)に繰り返し実行される。ここで、エンジン22の運転停止の指示は、バッテリ50の残容量(SOC)が十分な状態で要求動力がエンジン停止用に定められている所定動力未満になったときや運転者がイグニッションスイッチ80をオフしたときなどの所定のエンジン停止条件が成立したときに行なわれる。
エンジン停止時制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accやブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速V,エンジン22の回転数Ne,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,バッテリ50の入力制限Winなどのデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、エンジン22の回転数Neは、図示しない回転数センサにより検出されたものをエンジンECU24から通信により入力するものとした。モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されたモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて演算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。バッテリ50の入力制限Winは、電池温度Tbや残容量SOCに基づいて図示しない入力制限設定処理ルーチンにより設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。入力制限設定処理ルーチンは、実施例では、電池温度Tbに基づいて入力制限Winの基本値を設定すると共に残容量SOCに基づいて補正係数を設定し、入力制限Winの基本値に補正係数を乗じて得られたものを設定するものとした。電池温度Tbと残容量SOCと入力制限Winとの関係を図3に示す。なお、図3(a)は電池温度Tbと入力制限Winの基本値との関係を示し、図3(b)は残容量SOCと補正係数との関係を示す。入力制限Winは、その値が小さくなるほど(絶対値が大きくなるほど)バッテリ50に受け入れ可能な電力が大きくなるよう符号を定めた。
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度AccとブレーキペダルポジションBPと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに要求される要求トルクTr*を設定する(ステップS110)。要求トルクTr*の設定は、実施例では、アクセル開度AccとブレーキペダルポジションBPと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め求めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度AccとブレーキペダルポジションBPと車速Vとが与えられるとマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定することにより行なうものとした。要求トルク設定用マップの一例を図4に示す。なお、要求トルクTr*は、駆動側を正の値と定めたから、制動側は負の値となる。
次に、エンジン22の回転数Neが値0であるか否か即ちエンジン22の運転の停止が完了したか否かを判定する(ステップS120)。いま、エンジン22の運転の停止が指示された直後を考えているから、ステップS120では否定的な判定がなされ、続いて、入力したエンジン22の回転数Neに基づいてエンジン22の運転を停止させるためにモータMG1から出力すべきトルク指令Tm1*を設定すると共に(ステップS130)、要求トルクTr*とトルク指令Tm1*と動力分配統合機構30のギヤ比ρ(サンギヤ31の歯数/リングギヤ32の歯数)と減速ギヤ35のギヤ比Grとに基づいて次式(1)によりモータMG2から出力すべきトルク指令Tm2*を設定する(ステップS140)。図5に、エンジン22の運転を停止させる際における動力分配統合機構30の各回転要素の回転数とトルクの力学的な関係を示す共線図を示す。図中左端のS軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤ31の回転数を示し、C軸はエンジン22の回転数Neであるキャリア34の回転数を示し、R軸はモータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで割った回転数であるリングギヤ32(リングギヤ軸32a)の回転数を示す。図示するように、モータMG1からS軸下向きのトルク(負のトルク)を出力することによりエンジン22の回転を強制的に下げることができる。このとき、共振現象を生じさせるエンジン22の回転数領域を素早く通過させるようにモータMG1のトルク指令Tm1*を設定するものとすれば、エンジン22の運転を停止させる際の振動の発生を低減することができる。トルク指令Tm2*は、式(1)から解るように、モータMG1から負のトルクを出力したときにR軸上に作用する反力(=−Tm1*/ρ)をキャンセルするように設定される。したがって、モータMG1でエンジン22の運転を停止させながらモータMG2でリングギヤ軸32aに要求トルクTr*を出力することができる。なお、図5の共線図では、モータMG1の回転数Nm1は正の値であり回転数とトルクの符号が逆となるから、モータMG1は発電することになる。この状態から、エンジン22の回転数Neが下がってモータMG1の回転数Nm1が負の値となると、回転数とトルクの符号が同一となるからモータMG1は放電することになるが、反力Tm1*/ρをもってモータMG2は発電するから、エンジン22の運転を停止させるためのモータMG1,MG2全体の動作としては発電の動作となる。
Tm2*=(Tr*+Tm1*/ρ)/Gr …(1)
トルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、要求トルクTr*が値0未満であるか否かを判定し(ステップS150)、要求トルクTr*が値0未満でないと判定されると、リングギヤ軸32aに駆動力が要求されていると判断し、燃料カットをエンジンECU24に指示すると共にステップS130,S140で設定したモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信して(ステップS230)、本ルーチンを終了する。トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*,Tm2*でモータMG1,MG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子をスイッチング制御する。
一方、要求トルクTr*が値0未満であると判定されると、リングギヤ軸32aには制動力が要求されていると判断し、設定したトルク指令Tm1*に入力した回転数Nm1を乗じることによりモータMG1でエンジン22の運転を停止する際のモータMG1の発電パワーPm1を計算すると共に(ステップS160)、入力制限Winから発電パワーPm1を減じたものをモータMG2の回転数Nm2で割ってモータMG2から出力してもよいトルクの下限としてのトルク制限Tm2limを設定し(ステップS170)、ステップS140で設定したモータMG2のトルク指令Tm2*とこのトルク制限Tm2limとを比較する(ステップS180)。トルク指令Tm2*がトルク制限Tm2lim以上(トルク指令Tm2*の絶対値がトルク制限Tm2limの絶対値以下)と判定されると、バッテリ50の入力制限Winの範囲内でモータMG1でエンジン22の運転を停止させながらモータMG2で要求トルクTr*をリングギヤ軸32aに出力可能と判断し、トルク指令Tm2*はそのままとしてブレーキ装置89a,89bから出力すべき目標ブレーキトルクTbr*を値0に設定する(ステップS190)。一方、トルク指令Tm2*がトルク制限Tm2lim未満(トルク指令Tm2*の絶対値がトルク制限Tm2limの絶対値よりも大きい)と判定されると、モータMG1でエンジン22の運転を停止させながらモータMG2で要求トルクTr*をリングギヤ軸32aに出力すると入力制限Winを超える過剰な電力がバッテリ50に入力されると判断し、トルク指令Tm2*とトルク制限Tm2limとの偏差に換算係数Kbを乗じたものをブレーキ装置89a,89bの目標ブレーキトルクTbr*に設定すると共に(ステップS200)、トルク制限Tm2limをモータMG2のトルク指令Tm2*に再設定する(ステップS210)。この処理は、バッテリ50の入力制限Winを超える電力に相当する過剰分のモータMG2のトルクをブレーキ装置89a,89bのブレーキトルクに置き換える処理となる。これにより、バッテリ50の入力制限Winの範囲内でモータMG1でエンジン22の運転を停止させながら要求トルクTr*に対応することができる。ここで、換算係数Kbは、モータMG2のトルクをブレーキ装置89a,89bのブレーキトルクに換算するための係数である。
モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*やブレーキ装置89a,89bの目標ブレーキトルクTbr*を設定すると、設定した目標ブレーキトルクTbr*でブレーキ装置89a,89bの図示しないアクチュエータを制御し(ステップS220)、燃料カット指令をエンジンECU24に送信すると共にトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信して(ステップS230)、本ルーチンを終了する。なお、モータMG1,MG2の制御については前述した。
こうして本ルーチンが所定時間毎に繰り返し実行されてエンジン22の回転数Neが引き下げられていき、ステップS120でエンジン22の回転数Neが値0に至ったと判定されると、エンジン22の運転の停止が完了したと判断して、本ルーチンを終了する。これにより、モータ運転モードによる走行に変更されることになる。
以上説明した第1実施例のハイブリッド自動車20によれば、モータMG2から駆動軸としてのリングギヤ軸32aに制動力を出力している最中にエンジン22の運転を停止させる際には、エンジン22の燃料をカットし、エンジン22の運転が停止されるようモータMG1を制御すると共にバッテリ50の入力制限Winの範囲内となるようトルク制限Tm2limをもってトルク指令Tm2*を制限してモータMG2を制御するから、モータMG2からリングギヤ軸32aに制動力を出力している最中であってもバッテリ50を過充電させることなくエンジン22の運転を停止させることができる。しかも、トルク制限Tm2limによりモータMG2のトルク指令Tm2*を制限することによって不足する制動力をブレーキ装置89a,89bからの制動力により賄うから、エンジン22の運転を停止させながらより確実に要求トルクTr*をリングギヤ軸32aに出力することができる。
第1実施例のハイブリッド自動車20では、基本的には、要求トルクTr*のすべてをモータMG2からの制動力により賄うものとしたが、モータMG2からの制動力の一部をブレーキ装置89a,89bからの制動力で賄うものとしてもよい。このとき、要求トルクTr*を出力できればモータMG2とブレーキ装置89a,89bとの分担を如何なる分担比としてもよいが、モータMG2の分担を大きくすることにより、自動車全体のエネルギ効率を向上させることができる。
次に、第2実施例のハイブリッド自動車20Bについて説明する。第2実施例のハイブリッド自動車20Bは、ハイブリッド用電子制御ユニット70における処理が異なる点を除いて第1実施例のハイブリッド自動車20と同一の構成をしている。したがって、第2実施例のハイブリッド自動車20Bの構成のうち第1実施例のハイブリッド自動車20と同一の構成については同一の符号を付し、その説明は重複するから省略する。図6は、第2実施例のハイブリッド自動車20Bのハイブリッド用電子制御ユニット70により実行されるエンジン停止時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、エンジン22の運転の停止が指示されたときに所定時間毎(例えば、8msec毎)に繰り返し実行される。
図6のエンジン停止時制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、図2のエンジン停止時制御ルーチンのステップS100と同様に、アクセル開度AccやブレーキペダルポジションBP,車速V,回転数Ne,Nm1,Nm2,入力制限Winなどのデータを入力し(ステップS300)、入力したアクセル開度AccとブレーキペダルポジションBPと車速Vとに基づいて要求トルクTr*を設定すると共に設定した要求トルクTr*にリングギヤ軸32aの回転数Nrを乗じて要求パワーPr*を設定する(ステップS310)。ここで、リングギヤ軸32aの回転数Nrは、車速Vに換算係数kを乗じることにより求めたり、モータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで割ることにより求めたりすることができる。なお、要求トルクTr*については前述した。
続いて、フラグFの値を調べる(ステップS320)。ここで、フラグFは、エンジン22の運転の停止の適否を判断するためのものであり、デフォルト値としては値0が設定されている。いま、エンジン22の運転の停止が指示された直後を考えているから、ステップS320では肯定的な判定がなされ、次に、要求トルクTr*が値0未満であるか否かを判定し(ステップS330)、要求トルクTr*が値0未満でないと判定されると、リングギヤ軸32aに駆動力が要求されていると判断し、フラグFに値1を設定して(ステップS360)、エンジン22の回転数Neが値0か否かを判定する(ステップS370)。エンジン22の回転数Neが値0にでないと判定されると、図2のステップS130,S140と同様の処理によりトルク指令Tm1*,Tm2*を設定して(ステップS380,S390)、燃料カットをエンジンECU24に指示すると共にトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信して(ステップS400)、本ルーチンを終了する。このようにフラグFに値1が設定されると、エンジン22の運転の停止が実行されることを意味し、次回に本ルーチンが実行されたときにステップS320で否定的な判定がなされ、ステップS370でエンジン22の回転数Neが値0と判定されるまでステップS300〜S320,S370〜S400の処理が繰り返し実行されてエンジン22の回転数Neが引き下げられることになる。エンジン22の回転数Neが値0に至ると、エンジン22の運転の停止が完了したと判断し、フラグFを値0に設定して(ステップS410)、本ルーチンを終了する。
ステップS330で要求トルクTr*が値0未満であると判定されると、リングギヤ軸32aに制動力が要求されていると判断し、入力した車速Vとエンジン22の回転数Neとに基づいてエンジン22の運転を停止させるためにモータMG1,MG2で発電されるパワーとしての停止発電パワーPgstopを推定すると共に推定した停止発電パワーPgstopとステップS310で設定した要求パワーPr*との和により総発電パワーPgtを計算する(ステップS340)。ここで、停止発電パワーPgstopは、実施例では、エンジン22の回転数Neと停止発電パワーPgstopとの関係を予め求めてROM74に記憶しておき、回転数Neが与えられるとマップから対応する停止発電パワーPgstopを導出することにより設定するものとした。このマップの一例を図7に示す。停止発電パワーPgstopは、図示するように、回転数Neが高いほど小さくなる(絶対値が大きくなる)よう設定される。これは、エンジン22の回転数Neが高いほどエンジン22は大きな回転エネルギを持つことから、エンジン22を停止する際の発電パワーは大きくなると考えられることに基づく。
総発電パワーPgtを計算すると、計算した総発電パワーPgtが入力制限Win以上であるか否か(総発電パワーPgtの絶対値が入力制限Winの絶対値以下であるか否か)を判定する(ステップS350)。この判定は、モータMG1でエンジン22の運転を停止させながらモータMG2でリングギヤ軸32aに要求トルクTr*を出力したときにバッテリ50に入力制限Winを超える電力が入力されるか否かを予測するための処理となる。総発電パワーPgtが入力制限Win以上であると判定されると、バッテリ50の入力制限Winの範囲内でモータMG1でエンジン22の運転を停止させながらモータMG2でリングギヤ軸32aに要求トルクTr*を出力可能と判断し、フラグFに値1を設定して(ステップS360)、前述したステップS370以降の処理を行なう。
一方、総発電パワーPgtが入力制限Win以上でないと判定すなわち総発電パワーPgtが入力制限Win未満と判定されると、モータMG1でエンジン22の運転を停止させながらモータMG2でリングギヤ軸32aに要求トルクTr*を出力するとバッテリ50に入力制限Winを超える電力が入力されると判断し、値0をモータMG1のトルク指令Tm1*に設定すると共に(ステップS420)、要求トルクTr*を減速ギヤ35のギヤ比Grで割ったものをモータMG2のトルク指令Tm2*に設定し(ステップS430)、アイドリング運転をエンジンECU24に指示すると共にトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信して(ステップS440)、本ルーチンを終了する。このように、総発電パワーPgtが入力制限Win以上でないときに停止の指示に拘わらずエンジン22の運転を維持することにより、モータMG2の発電を伴ってリングギヤ軸32aに制動力を出力している最中に更にモータMG1,MG2の発電を伴ってエンジン22の運転を停止させることによりバッテリ50に入力制限Winを超える電力が入力されるのを未然に防止しているのである。
以上説明した第2実施例のハイブリッド自動車20Bによれば、モータMG2から駆動軸としてのリングギヤ軸32aに制動力を出力している最中にエンジン22の運転の停止が指示されたとき、予めエンジン22の運転を停止させたときのモータMG1,MG2の発電パワーとしての停止発電パワーPgstopを推定し、推定した停止発電パワーPgstopとリングギヤ軸32aへの要求パワーPr*とに基づいてバッテリ50に入力制限Winを超える電力が入力されるか否かを予測し、バッテリ50に入力制限Winを超える電力が入力されると予測したときには停止の指示に拘わらずエンジン22の運転を維持するから、モータMG2からリングギヤ軸32aに制動力を出力している最中にモータMG1,MG2によりエンジン22の運転を停止させたときでもバッテリ50に入力制限Winを超える電力が入力されるのを未然に防止することができる。しかも、アイドリング運転させることによりエンジン22の運転を維持するから、燃料の消費を最小限に抑えることができる。
第2実施例のハイブリッド自動車20Bでは、エンジン22の回転数Neに基づいて停止発電パワーPgstopを設定するものとしたが、エンジン22の回転数Neに拘わらず所定値を停止発電パワーPgstopに設定するものとしてもよい。
第2実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の回転数Neに基づいて停止発電パワーPgstopを設定するものとしたが、モータMG1の回転数Nm1や車速Vに基づいて停止発電パワーPgstopを設定するものとしてもよい。これは、モータMG1の回転数Nm1に基づいてモータMG1からエンジン22を停止するために必要なトルクを出力したときのモータMG1の発電パワーを推定できることに基づき、車速Vに基づいてモータMG1からのトルクの出力によりリングギヤ軸32aに作用する反力をモータMG2でキャンセルするために必要なモータMG2の発電パワーを推定できることに基づく。
第2実施例のハイブリッド自動車20Bでは、総発電パワーPgtが入力制限Win未満のとき(総発電パワーPgtの絶対値が入力制限Winの絶対値よりも大きいとき)には、停止の指示に拘わらずアイドリング運転させることによりエンジン22の運転を維持するものとしたが、必ずしもアイドリング運転とする必要はなくエンジン22から動力を出力させるものとしてもよい。
次に、第3実施例のハイブリッド自動車20Cについて説明する。第3実施例のハイブリッド自動車20Cもハイブリッド用電子制御ユニット70における処理が異なる点を除いて第1実施例のハイブリッド自動車20と同一の構成をしている。従って、第3実施例のハイブリッド自動車20Cの構成のうち第1実施例のハイブリッド自動車20と同一の構成については同一の符号を付し、その説明は重複するから省略する。図8は、第3実施例のハイブリッド自動車20Cのハイブリッド用電子制御ユニット70により実行されるエンジン停止時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
図8のエンジン停止時制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、図2のルーチンのステップS100,S110の処理と同様に、アクセル開度AccやブレーキペダルポジションBP,車速V,エンジン22の回転数Ne,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,バッテリ50の入力制限Winなどのデータを入力し(ステップS500)、入力したアクセル開度AccとブレーキペダルポジションBPと車速Vとに基づいて前述した図4のマップを用いて要求トルクTr*を設定する(ステップS510)。続いて、図2のルーチンのステップS120〜S140の処理と同様に、入力したエンジン22の回転数Neが値0か否かを判定し(ステップS520)、回転数Neが値0でないときには、回転数Neに基づいて例えば共振現象を生じさせる回転数領域を素早く通過させるためにエンジン22の運転を迅速に停止させるのに必要なモータMG1のトルク指令Tm1*を設定し(ステップS530)、設定したトルク指令Tm1*と要求トルクTr*と動力分配統合機構30のギヤ比ρと減速ギヤ35のギヤ比Grとに基づいて前述した式(1)によりモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する(ステップS540)。
そして、要求トルクTr*が値0未満であるか否か即ち制動力が要求されているか否かを判定し(ステップS550)、要求トルクTr*が値0未満でないと判定されたときには燃料カットの指示をエンジンECU24に送信すると共にステップS530,S540で設定したトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信して(ステップS650)、本ルーチンを終了する。モータMG1,MG2の制御については前述した。
一方、要求トルクTr*が値0未満であると判定されたときには、ステップS530で設定したトルク指令Tm1*に入力した回転数Nm1を乗じてモータMG1の発電パワーPm1を計算すると共にステップS540で設定したトルク指令Tm2*に入力した回転数Nm2を乗じてモータMG2の発電パワーPm2を計算し(ステップS560)、計算した発電パワーPm1と発電パワーPm2との和のパワーとステップS100で定格値として入力した入力制限Winとを比較する(ステップS570)。
発電パワーPm1と発電パワーPm2との和のパワーが入力制限Win以上のときには、モータMG1とモータMG2とにより発電される電力がステップS500で入力した入力制限Win(定格値)の範囲内でバッテリ50に入力されると判断し、目標ブレーキトルクTbr*に値0を設定する(ステップS580)。一方、発電パワーPm1と発電パワーPm2との和のパワーが入力制限Win未満のときには、モータMG1とモータMG2とにより発電される電力が定格値を超えてバッテリ50に入力されると判断し、ステップS100で入力した入力制限Winに所定超過量Wsetを加えたものを新たな入力制限Winに再設定し(ステップS590)、再設定した入力制限WinからモータMG1の発電パワーPm1を減じたものをモータMG2の回転数Nm2で割ってモータMG2から出力してもよいトルクの下限としてのトルク制限Tm2limを設定し(ステップS600)、設定したトルク制限Tm2limとステップS540で設定したトルク指令Tm2*とを比較する(ステップS610)。トルク指令Tm2*がトルク制限Tm2lim以上のときには、モータMG1とモータMG2とにより発電される電力が再設定した入力制限Winの範囲内でバッテリ50に入力されると判断し、目標ブレーキトルクTbr*に値0を設定する(ステップS580)。ここで、所定超過量Wsetは、バッテリ50に定格値を超えて入力してもよい電力量の上限として設定されるものであり、バッテリ50の性能などにより定められる。このように、バッテリ50に定格値を所定超過量Wsetだけ超える電力の入力を許可することにより、リングギヤ軸32aに要求トルクTr*(制動力)を出力しながらエンジン22の運転を迅速に停止させることができる。なお、ステップS610でトルク指令Tm2*がトルク制限Tm2lim未満と判定されたときには、所定超過量Wsetを用いて入力制限Winを再設定したにも拘わらずモータMG1とモータMG2とにより発電される電力が入力制限Winの範囲を超えてバッテリ50に入力されると判断し、図2のステップS200,S210と同様に、トルク指令Tm2*とトルク制限Tm2limとの偏差に換算係数Kbを乗じたものをブレーキ装置89a,89bの目標ブレーキトルクTbr*に設定すると共に(ステップS620)、トルク制限Tm2limを新たなトルク指令Tm2*に再設定する(ステップS630)。
こうして目標ブレーキトルクTbr*とトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、設定した目標ブレーキトルクTbr*でブレーキ装置89a,89bを制御し(ステップS640)、燃料カットをエンジンECU24に指示すると共に設定したトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信して(ステップS650)、本ルーチンを終了する。
こうした処理が繰り返し実行されてステップ520でエンジン22の回転数Neが値0と判定されると、エンジン22の運転停止が完了したと判断して、本ルーチンを終了する。
以上説明した第3実施例のハイブリッド自動車20Cによれば、モータMG2から駆動軸としてのリングギヤ軸32aに制動力を出力している最中にエンジン22の運転の停止が指示されたとき、モータMG1の発電パワーPm1とモータMG2の発電パワーとの和のパワーが定格値としての入力制限Win未満のときには、バッテリ50が定格値を超えて入力してもよい電力量の上限としての所定超過量Wsetを用いてバッテリ50の入力制限Winを再設定し、この再設定した入力制限Winの範囲内で要求トルクTr*がリングギヤ軸32aに出力されると共にエンジン22の運転が停止するようエンジン22やモータMG1,MG2を制御するから、要求トルクTr*(制動力)を駆動軸としてのリン
グギヤ軸32aに出力しながらバッテリ50の性能を発揮させてエンジン22の運転を迅速に停止させることができる。
第3実施例のハイブリッド自動車20Cでは、要求トルクTr*が値0未満のときにエンジン22の運転の停止が指示されたとき、モータMG1の発電パワーPm1とモータMG2の発電パワーPm2との和のパワーが定格値として入力した入力制限Win以上のときにはその入力制限Winをそのまま用いるものとし、発電パワーPm1と発電パワーPm2との和のパワーが定格値として入力した入力制限Win未満のときに所定超過量Wsetを用いて入力制限Winを再設定するものとしたが、要求トルクTr*が値0未満のときにエンジン22の運転の停止が指示されたときには発電パワーPm1と発電パワーPm2との和のパワーが定格値未満か否かに拘わらず所定超過量Wsetを用いて入力制限Winを設定するものとしてもよい。
第3実施例のハイブリッド自動車20Cでは、定格値を超えてバッテリ50に入力してもよい電力量の上限としての所定超過量Wsetを用いて入力制限Winを設定するものとしたが、バッテリ50の状態(例えば、電池温度Tb)に基づいて設定した所定超過量Wsetを用いて入力制限Winを設定するものとしてもよい。
第1ないし第3実施例のハイブリッド自動車20,20Cでは、要求トルクTr*が値0未満のときにエンジン22の運転の停止が指示されたとき、共振現象を生じさせる回転数領域を素早く通過させるためにエンジン22の運転が迅速に停止するようモータMG1のトルク指令Tm1*を設定すると共にバッテリ50の入力制限Winの範囲内で要求トルクTr*がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG2のトルク指令Tm2*を設定してモータMG1,MG2を制御するものとしたが、エンジン22の回転数Neやバッテリ50の入力制限Win,駆動軸としてのリングギヤ軸32aに要求される要求パワーPr*等に基づいてモータMG1のトルク指令Tm1*を設定すると共にバッテリ50の入力制限Winの範囲内で要求トルクTr*がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG2のトルク指令Tm2*を設定してモータMG1,MG2を制御するものとしてもよい。この場合、図2のステップS130や図6のステップS380,図8のステップS530の処理に代えて、例えば、エンジン22の回転数Neに基づいてモータMG1のトルク指令Tm1*の基本値を設定し、入力したバッテリ50の入力制限Winに基づいて補正係数k1を設定すると共に要求トルクTr*にリングギヤ軸32aの回転数Nrを乗じて計算される要求パワーPr*に基づいて補正係数k2を設定し、トルク指令Tm1*の基本値に補正係数k1,k2を各々乗じることによりトルク指令Tm1*を設定することができる。回転数Neとトルク指令Tm1*の基本値との関係の一例を図9に、入力制限Winと補正係数k1との関係の一例を図10に、要求パワーPr*と補正係数k2との関係の一例を図11に示す。図9に示すように、回転数Neが大きいほどトルク指令Tm1*を大きく(絶対値を小さく)するのは、回転数Neが大きいほど同じ制動トルクをモータMG1から出力してもモータMG1で発電される電力が大きくなるためバッテリ50が過充電しやすくなるからであり、図10に示すように、入力制限Winが大きいほど(絶対値が小さいほど)トルク指令Tm1*を大きくするのは、入力制限Winが大きいほどバッテリ50が入力できる電力が小さくなるため過充電しやすくなるからであり、図11に示すように、要求パワーPr*が小さいほど(絶対値が大きいほど)トルク指令Tm1*を大きくするのは、要求パワーPr*が小さいほどモータMG2で発電される電力が大きくなるためバッテリ50が過充電しやすくなるからである。なお、この変形例では、回転数Neと入力制限Winと要求パワーPr*とに基づいてトルク指令Tm1*を設定するものとしたが、これらのうちいずれか一つ又は二つに基づいてトルク指令Tm1*を設定するものとしてもよいし、他の運転状態、例えば、エンジン22の回転数Neに代えて又は回転数Neと共にモータMG1の回転数Nm1や車速Vに基づいて回転数Nm1や車速Vが大きいほど値は大きく絶対値は小さくなる傾向にトルク指令Tm1*を設定するものとしてもよい。また、こうしたモータMG1の制御は、車両が走行しているか否かに拘わらず即ち停車しているときにも実行することができる。この場合のエンジン停止時制御ルーチンの一例を図12に示す。
図12のエンジン停止時制御ルーチンでは、図示するように、車速Vを入力し(ステップS700)、入力した車速Vと車両が停車しているかを判定するための所定車速Vref(例えば、時速5km)とを比較し(ステップS710)、車速Vが所定車速Vref以上と判定されたときには、他の制御、例えば、図2のルーチンや図6のルーチン,図8のルーチンによりエンジン22の運転を停止させる処理を行なって(ステップS720)、本ルーチンを終了する。一方、車速Vが所定車速Vref未満と判定されたときには、エンジン22の回転数Neとバッテリ50の入力制限Winとを入力し(ステップS730)、入力した回転数Neと入力制限Winとに基づいて前述した図9や図10のマップを用いてモータMG1から出力すべきトルク指令Tm1*を設定し(ステップS740)、燃料カットの指示をエンジンECU24に送信すると共にトルク指令Tm1*をモータECU40に送信する(ステップS750)。そして、エンジン22の回転数Neが値0となるまでステップS730に戻ってステップS730〜S750の処理を繰り返し(ステップS760)、回転数Neが値0に至ったときにエンジン22の運転停止が完了したと判断して本ルーチンを終了する。なお、この例では、エンジン22の回転数Neと入力制限Winとに基づいてトルク指令Tm1*を設定するものとしたが、いずれか一方だけに基づいてトルク指令Tm1*を設定するものとしてもよいし、他の運転状態、例えば、エンジン22の回転数Neに代えて又は回転数Neと共にモータMG1の回転数Nm1に基づいて回転数Nm1が大きいほど値は大きく絶対値は小さくなる傾向にトルク指令Tm1*を設定するものとしてもよい。また、この例では、車両が停車しているときにエンジン22の運転の停止が指示されたときのエンジン22を停止させる際の処理として説明したが、この処理を前述したエンジン停止条件によって変えるものとしてもよい。例えば、イグニッションスイッチ80がオフされたことによりエンジン22の運転の停止が指示されたときには図12のステップS740の処理によりエンジン22の回転数Neや入力制限Winに基づいてトルク指令Tm1*を設定してモータMG1によりエンジン22の運転を停止させ、バッテリ50の残容量SOCが十分な状態で要求パワーPr*がエンジン停止用に定められている所定動力未満になったことによりエンジン22の運転の停止が指示されたときにはエンジン22の回転数Neが所定回転数未満のときにはエンジン22の運転を停止させ、回転数Neが所定回転数以上のときには運転の停止の指示に拘わらずエンジン22の運転を停止させないものとしてもよい。
第1実施例のハイブリッド自動車20や第2実施例のハイブリッド自動車20Bでは、モータMG2の動力を減速ギヤ35により変速してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図13の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪63a,63bが接続された車軸)とは異なる車軸(図13における車輪64a,64bに接続された車軸)に接続するものとしてもよい。
第1実施例のハイブリッド自動車20や第2実施例のハイブリッド自動車20Bでは、エンジン22の動力を動力分配統合機構30を介して駆動輪63a,63bに接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図14の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、エンジン22のクランクシャフト26に接続されたインナーロータ232と駆動輪63a,63bに動力を出力する駆動軸に接続されたアウターロータ234とを有し、エンジン22の動力の一部を駆動軸に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230を備えるものとしてもよい。
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、自動車産業に利用可能である。
本発明の一実施形態としての動力出力装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 第1実施例のハイブリッド自動車20のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行されるエンジン停止時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 電池温度Tbと残容量SOCと入力制限Winとの関係を示す説明図である。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 エンジン22の運転を停止させる際の動力分配統合機構30の各回転要素の回転数とトルクの力学的な関係を示す説明図である。 第2実施例のハイブリッド自動車20Bのハイブリッド用電子制御ユニット70により実行されるエンジン停止時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 エンジン22の回転数Neと停止発電パワーPgstopとの関係の一例を示すマップである。 第3実施例のハイブリッド自動車20Cのハイブリッド用電子制御ユニット70により実行されるエンジン停止時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 エンジン22の回転数NeとモータMG1のトルク指令Tm1*の基本値との関係の一例を示すマップである。 入力制限Winと補正係数k1との関係の一例を示すマップである。 要求パワーPr*と補正係数k2との関係の一例を示すマップである。 変形例のエンジン停止時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。 変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。
符号の説明
20,120,220 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35 減速ギヤ、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 ギヤ機構、62 デファレンシャルギヤ、63a,63b 駆動輪、64a,64b 車輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、89a,89b ブレーキ装置、230 対ロータ電動機、232 インナーロータ 234 アウターロータ、MG1,MG2 モータ。

Claims (25)

  1. 駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
    内燃機関と、
    発電を伴って前記内燃機関の運転を停止する機関停止手段と、
    前記駆動軸に動力を入出力する電動機と、
    前記機関停止手段および前記電動機と電力をやり取りする蓄電手段と、
    前記電動機から前記駆動軸に制動力を出力している最中に前記内燃機関の運転の停止が指示されたとき、前記蓄電手段の入力制限の範囲内で前記駆動軸に制動力が出力されると共に前記内燃機関の運転が停止されるよう該内燃機関と前記電動機と前記機関停止手段とを制御する機関停止時制御手段と
    を備える動力出力装置。
  2. 前記機関停止時制御手段は、前記蓄電手段の入力制限と前記機関停止手段の発電電力とに基づく制限値をもって前記電動機から出力される制動力が制限されるよう該電動機を制御する手段である請求項1記載の動力出力装置。
  3. 請求項1または2記載の動力出力装置であって、
    前記駆動軸に直接または間接に制動力を出力するブレーキ装置を備え、
    前記機関停止時制御手段は、前記駆動軸に要求される制動力が該駆動軸に出力されるよう前記電動機と前記ブレーキ装置とを制御する手段である
    動力出力装置。
  4. 前記機関停止時制御手段は、前記電動機から制動力を出力している最中に前記内燃機関の運転の停止が指示されたときには、前記蓄電手段が定格値を超えて入力してもよい超過電力を該蓄電手段の入力制限に設定し、該設定した入力制限の範囲内で前記駆動軸に制動力が出力されると共に前記内燃機関の運転が停止されるよう該内燃機関と前記電動機と前記機関停止手段とを制御する手段である請求項1ないし3いずれか記載の動力出力装置。
  5. 前記機関停止時制御手段は、前記内燃機関の運転を停止させる際に前記機関停止手段により発電される電力と前記電動機から入出力される電力とに基づいて前記蓄電手段に入力される電力が前記定格値を超えるか否かを判定し、該蓄電手段に入力される電力が該定格値を超えないと判定したときには該定格値を該蓄電手段の入力制限に設定し該設定した入力制限の範囲内で前記駆動軸に制動力が出力されると共に前記内燃機関の運転が停止されるよう制御し、前記蓄電手段に入力される電力が前記定格値を超えると判定したときには前記超過電力を該蓄電手段の入力制限に設定し該設定した入力制限の範囲内で前記駆動軸に制動力が出力されると共に前記内燃機関の運転が停止されるよう制御する手段である請求項4記載の動力出力装置。
  6. 前記機関停止時制御手段は、前記超過電力として前記蓄電手段に入力してもよい電力の上限を前記蓄電手段の入力制限に設定して制御する手段である請求項4または5記載の動力出力装置。
  7. 請求項1ないし6いずれか記載の動力出力装置であって、
    前記動力出力装置の運転状態を検出する運転状態検出手段を備え、
    前記機関停止時制御手段は、前記検出された動力出力装置の運転状態に基づいて該内燃機関の運転を停止させるための停止用制動力を設定し、該設定した停止用制動力が前記機関停止手段から出力されて前記内燃機関の運転が停止されるよう前記機関停止手段を制御する手段である
    動力出力装置。
  8. 前記運転状態検出手段は、前記動力出力装置の運転状態として前記内燃機関の回転状態,前記蓄電手段の状態,前記駆動軸に要求される制動力,前記駆動軸の回転状態,前記機関停止手段が有する回転軸の回転状態のうちの少なくとも一つを検出する手段である請求項7記載の動力出力装置。
  9. 前記機関停止時制御手段は、前記内燃機関の回転状態,前記駆動軸の回転状態,前記機関停止手段が有する回転軸の回転状態のうちの少なくとも一つの回転状態として回転数が大きいほど小さくなる傾向に前記停止用制動力を設定して制御する手段である請求項8記載の動力出力装置。
  10. 駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
    内燃機関と、
    発電を伴って前記内燃機関の運転を停止する機関停止手段と、
    前記駆動軸に動力を入出力する電動機と、
    前記機関停止手段および前記電動機と電力をやり取りする蓄電手段と、
    前記電動機から前記駆動軸に制動力を出力している最中に前記内燃機関の運転の停止が指示されたとき、前記電動機からの制動力の出力に伴って該電動機で発電されている発電電力に基づいて前記機関停止手段により発電を伴って前記内燃機関の運転を停止させたときに前記蓄電手段に入力される電力が該蓄電手段の入力制限の範囲を超えるか否かを予測し、前記蓄電手段に入力される電力が前記入力制限の範囲を超えないと予測したときには前記駆動軸に制動力が出力されると共に前記内燃機関の運転が停止されるよう該内燃機関と前記電動機と前記機関停止手段とを制御し、前記蓄電手段に入力される電力が前記入力制限の範囲を超えると予測したときには前記停止の指示に拘わらず前記内燃機関の運転の維持をもって前記駆動軸に制動力が出力されるよう該内燃機関と前記電動機と前記機関停止手段とを制御する機関停止時制御手段と
    を備える動力出力装置。
  11. 請求項10記載の動力出力装置であって、
    前記動力出力装置の運転状態を検出する運転状態検出手段を備え、
    前記機関停止時制御手段は、前記検出された動力出力装置の運転状態に基づいて前記機関停止手段により前記内燃機関の運転を停止させたときに該機関停止手段で発電される発電電力を推定し、該推定した機関停止手段で発電される発電電力と前記電動機で発電されている発電電力とに基づいて前記蓄電手段に入力される電力が該蓄電手段の入力制限の範囲を超えるか否かを予測する手段である
    動力出力装置。
  12. 前記運転状態検出手段は、前記動力出力装置の運転状態として前記内燃機関の出力軸の回転状態,前記駆動軸の回転状態,前記機関停止手段が有する回転軸の回転状態のうちの少なくとも一つを検出する手段である請求項11記載の動力出力装置。
  13. 前記機関停止時制御手段は、前記検出された前記内燃機関の出力軸の回転状態,前記駆動軸の回転状態,前記機関停止手段が有する回転軸の回転状態のうちの少なくとも一つの回転状態として回転数が大きいほど大きくなる傾向に前記機関停止手段で発電される発電電力を推定する手段である請求項12記載の動力出力装置。
  14. 前記機関停止時制御手段は、前記蓄電手段に入力される電力が前記入力制限の範囲を超えると予測されるときには前記内燃機関がアイドリング運転されるよう制御する手段である請求項10ないし13いずれか記載の動力出力装置。
  15. 前記蓄電手段の状態に基づいて該蓄電手段の入力制限を設定する入力制限設定手段を備える請求項1ないし14いずれか記載の動力出力装置。
  16. 駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
    内燃機関と、
    発電を伴って前記内燃機関の運転を停止する機関停止手段と、
    前記駆動軸に動力を入出力する電動機と、
    前記機関停止手段および前記電動機と電力をやり取りする蓄電手段と、
    前記動力出力装置の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
    前記駆動軸の回転が略停止している最中に前記内燃機関の運転の停止が指示されたとき、前記検出された動力出力装置の運転状態に基づいて前記内燃機関の運転を停止させるための停止用制動力を設定し、該設定した停止用制動力が前記機関停止手段から出力されて前記内燃機関の運転が停止されるよう該内燃機関と該機関停止手段とを制御する機関停止時制御手段と
    を備える動力出力装置。
  17. 前記運転状態検出手段は、前記動力出力装置の運転状態として前記内燃機関の回転状態,前記蓄電手段の状態,前記機関停止手段が有する回転軸の回転状態のうちの少なくとも一つを検出する手段である請求項16記載の動力出力装置。
  18. 前記機関停止時制御手段は、前記内燃機関の回転状態,前記機関停止手段が有する回転軸の回転状態のうちの少なくとも一方の回転状態として回転数が大きいほど小さくなる傾向に前記停止用制動力を設定して制御する手段である請求項17記載の動力出力装置。
  19. 前記機関停止手段は、前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸とに接続され、電力と動力の入出力により該内燃機関の運転を停止可能で運転中の該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力可能な電力動力入出力手段である請求項1ないし18いずれか記載の動力出力装置。
  20. 前記電力動力入出力手段は、前記内燃機関の出力軸と前記電動機の回転軸と第3の回転軸の3軸に接続され、該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づく動力を残余の1軸に入出力させる3軸式の動力入出力手段と、前記第3の回転軸に動力を入出力可能な発電機とを備える手段である請求項19記載の動力出力装置。
  21. 前記電力動力入出力手段は、前記内燃機関の出力軸に接続された第1の回転子と前記駆動軸に接続された第2の回転子とを有し、該第1の回転子と該第2の回転子との電磁的な作用により両回転子を相対的に回転させる対回転子電動機である請求項19記載の動力出力装置。
  22. 請求項1ないし21いずれか記載の動力出力装置を搭載し、前記駆動軸に車軸が接続されて走行する自動車。
  23. 内燃機関と、発電を伴って前記内燃機関の運転を停止する機関停止手段と、駆動軸に動力を入出力する電動機と、前記機関停止手段および前記電動機と電力をやり取りする蓄電手段とを備える動力出力装置の制御方法であって、
    前記電動機から前記駆動軸に制動力を出力している最中に前記内燃機関の運転の停止が指示されたとき、前記蓄電手段の入力制限の範囲内で前記駆動軸に制動力が出力されると共に前記内燃機関の運転が停止されるよう該内燃機関と前記電動機と前記機関停止手段とを制御する
    動力出力装置の制御方法。
  24. 内燃機関と、発電を伴って前記内燃機関の運転を停止する機関停止手段と、駆動軸に動力を入出力する電動機と、前記機関停止手段および前記電動機と電力をやり取りする蓄電手段とを備える動力出力装置の制御方法であって、
    (a)前記動力出力装置の運転状態を検出し、
    (b)前記電動機から前記駆動軸に制動力を出力している最中に前記内燃機関の運転の停止が指示されたとき、前記検出された動力出力装置の運転状態に基づいて前記機関停止手段の発電電力を推定し、
    (c)該推定した機関停止手段の発電電力と前記電動機から出力している制動力に基づく発電電力とに基づいて前記蓄電手段に入力される電力が該蓄電手段の入力制限の範囲内となると予測されるときには前記駆動軸に制動力が出力されると共に前記内燃機関の運転が停止されるよう該内燃機関と前記電動機と前記機関停止手段とを制御し、前記推定した機関停止手段の発電電力と前記電動機から出力している制動力に基づく発電電力とに基づいて前記蓄電手段に入力される電力が該蓄電手段の入力制限の範囲を超えると予測されるときには前記停止の指示に拘わらず前記内燃機関の運転を維持しながら前記駆動軸に制動力が出力されるよう該内燃機関と前記電動機と前記機関停止手段とを制御する
    動力出力装置の制御方法。
  25. 内燃機関と、発電を伴って前記内燃機関の運転を停止する機関停止手段と、駆動軸に動力を入出力する電動機と、前記機関停止手段および前記電動機と電力をやり取りする蓄電手段とを備える動力出力装置の制御方法であって、
    (a)前記蓄電手段の状態に基づいて該蓄電手段の入力制限を設定し、
    (b)前記電動機から前記駆動軸に制動力を出力している最中に前記内燃機関の運転の停止が指示されたとき、前記電動機からの制動力の出力に伴って該電動機で発電されている発電電力に基づいて前記機関停止手段により発電を伴って前記内燃機関の運転を停止させたときに前記蓄電手段に入力される電力が前記設定された蓄電手段の入力制限の範囲を超えるか否かを予測し、前記蓄電手段に入力される電力が前記入力制限の範囲を超えないと予測したときには前記駆動軸に制動力が出力されると共に前記内燃機関の運転が停止されるよう該内燃機関と前記電動機と前記機関停止手段とを制御し、前記蓄電手段に入力される電力が前記入力制限の範囲を超えると予測したときには前記停止の指示に拘わらず前記内燃機関の運転の維持をもって前記駆動軸に制動力が出力されるよう該内燃機関と前記電動機と前記機関停止手段とを制御する
    動力出力装置の制御方法。
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