JP2006255866A - 作業工具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】駆動側回転部材121と、駆動側回転部材の回転軸線を貫通した状態で当該駆動回転部材に相対回動可能に嵌合された被動側回転部材123とを有し、駆動側回転部材の回転力は動力伝達部121aと動力受部153の当接状態を介して被動側回転部材123に伝達される。作業工具本体107には、同期回転するときには、当該被動側回転部材の回転を許容し、被動側回転部材が駆動側回転部材に対して相対回動したときには、当該被動側回転部材の回転を固定するロック部材165が設けられる。その保持力を超える外力が被動側回転部材に作用したときには、駆動側回転部材に対する当該被動側回転部材の相対回動を許容する同期回転保持部171を有する。
【選択図】図1
Description
上記形式のスピンドルロック機構の場合、駆動側軸継手の爪部と被動側軸継手の爪部が互いに当接する位置と、ロック部材が被動側軸継手とロックリング間に噛み付く位置との間には、周方向に所定の遊びが必要となる。このため、スピンドルの回転駆動中において、被動側の回転負荷の変化(増減)によってスピンドルの回転が駆動軸の回転よりも速くなったり遅くなったりする。すなわち、上記の遊びに伴いスピンドルと駆動軸との間に相対回動が生じ、その結果、駆動側軸継手の爪部と被動側軸継手の爪部との間で離間動作と当接動作が繰り返されて振動あるいは異音が発生することになる。このことに鑑み、特許文献1では、駆動側軸継手と被動側軸継手との間に、両軸継手の相対回動を抑える、すなわち両軸継手の同期回転を維持するように制動力(保持力)を付加する制動部を設けている。
請求項1に記載の発明によれば、作業工具本体に配置されて駆動源によって回転される駆動側回転部材と、作業工具本体に配置されるとともに駆動側回転部材の回転軸線を貫通した状態で当該駆動回転部材に同軸にて回動可能に嵌合された被動側回転部材と、当該被動側回転部材に径方向に突出状に設けられた動力受部と、駆動側回転部材とともに回転し、動力受部に当接して当該駆動側回転部材の回転力を被動側回転部材に伝達する動力伝達部と、被動側回転部材を介して回転駆動されることで所定の加工作業を遂行する先端工具と、を有する作業工具が構成される。本発明における「駆動源」としては、典型的には、電動モータがこれに該当するが、当該電動モータに限らず、エアモータあるいはエンジン等を広く包含する。また本発明における「作業工具」は、典型的には、先端工具としての砥石の回転動作によって被加工材に研削作業や研磨作業を遂行するディスクグラインダがこれに該当するが、ディスクグラインダに限らず、回転動作を行う先端工具によって被加工材に対し所定の加工作業を遂行する作業工具であれば、広く適用することが可能である。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の作業工具において、駆動側回転部材の軸方向の一端側に動力伝達部と動力受部が配置され、駆動側回転部材の軸方向の他端側に保持部が配置された構成とされる。かかる構成によれば、駆動側回転部材の回転力を被動側回転部材に伝達する機構の配置領域と、駆動側回転部材と被動側回転部材との相対回動を抑える同期回転保持部の配置領域を、駆動側回転部材の軸方向の異なる端部を利用して設定できるため、それぞれにつき広いスペースを用いて組付けることが可能となって組付け性の向上に有効とされる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1に記載の作業工具における動力伝達部、動力受部および同期回転保持部が、駆動側回転部材の軸方向の一端側において概ね同一平面上に位置するように配置された構成とされる。かかる構成としたときは、軸方向長さの短縮化を図る上で有効とされる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれかに記載の作業工具における同期回転保持部は、被動側回転部材の軸方向において互いに対向状に配置された第1および第2の部材を有し、それら第1および第2の部材は、周方向の相対移動に対して抵抗力が作用する抵抗部を介して互いに連接され、これによって駆動側回転部材と被動側回転部材に対して相対回動を抑える保持力が付与される構成としている。本発明における「周方向の相対移動に対して抵抗力が作用する抵抗部を介して互いに連接される」とは、対向状に配置される第1の部材と第2の部材が、凸部と凹部との係合によって抵抗力を付与する態様、対向状に配置される第1の部材と第2の部材が、互いに弾発状に弾性付勢された状態での摩擦接触によって抵抗力を付与する態様、対向状に配置される第1の部材と第2の部材をゴムやバネ等の弾性体を介して連接し、当該弾性体の弾性変形によって抵抗力を付与する態様、等広く包含する。
以下、本発明の第1の実施形態につき、図1〜図13を参照しつつ、詳細に説明する。本実施の形態では、作業工具の一例として、金属、コンクリート、石材等の各種被加工材の研削作業あるいは研磨作業に用いられる手持ち式の電動ディスクグラインダを用いて説明する。図1には電動ディスクグラインダ101の全体構成が縦断面図によって示されている。なお便宜上、図1では後側(図示右側)の一部を省略している。図2は動力伝達機構部を示す縦断面図である。図3は動力伝達機構部の断面構造を示す図であり、図2の断面指示線(A−A線、B−B線)に基づく断面構造が上段と下段にそれぞれ示され、また左側から右側に向って各断面構造部分の作動態様が順次示されており、(I)は加工作業時、(II)は砥石の取り外し時、(III)は砥石の取り付け時を示す。また図4〜図13はそれぞれ動力伝達機構部の各構成部品を示す部品図であり、図4〜図6はギアを示し、図7および図8はスピンドルを示し、図9および図10はロックカムを示し、図11および図12はロックリングを示し、図13はリーフスプリングを示している。
また、スピンドル123の両端部を支持する構成とすることによって、回転力の伝達が安定化し、ギア121およびスピンドル123にかかる力が均等になるため、ギア121の爪部121a、ロックカム151の爪部153、あるいは転動体165等の回転力の伝達に関わる構成部材の寿命を向上できる。
次に本発明の第2の実施形態につき図14および図15を参照して説明する。第2の実施形態は、先端工具としての、例えば砥石141(図1参照)を右回転(正転)および左回転(逆転)することが可能な正逆転モデルでの構造に関するものである。この実施形態では、駆動モータ111(図1参照)によりギア121が右回転されるときには、4つの爪部121a,121bのうち、ギア121の回転軸線を挟んで対向する一方の2つの爪部121aが右回転力伝達用として機能し、他方の2つの2つの爪部121bが転動体165保持用として機能し、そしてギア121が左回転されるときには、爪部121a,121bの機能が逆転する、つまり他方の2つの爪部121bが左回転力伝達用として機能し、一方の2つの爪部121aが転動体165保持用として機能する構成とされる。また同期回転保持部171を構成するリーフスプリング173は、右回転時用のボール保持孔173bと、左回転時用のボール保持孔173cを有する構成とされている。右回転用のボール保持孔173bと左回転用のボール保持孔173cは、周方向に所定の間隔を置いて配置されており、その間隔は、ロックカム151の爪部153と、当該爪部153を挟んで配置されるギア121の爪部121a,121bとの間に設定される周方向間隔に対応する。
また本実施の形態では、リーフスプリング173と当該リーフスプリング173のボール保持孔173bに係合するスチールボール175によって同期回転保持部171を構成するとしたが、これに限定されない。すなわち、ギア121とスピンドル123とに対して、それらの相対回動を抑えることが可能な保持力を作用できる構成であれば差し支えなく、例えばギア121とスピンドル123とをゴムまたはバネ等の弾性体を介して連結する形態、あるいは弾発状に弾性付勢された2つの部材が相互に摩擦接触することで保持力を作用する形態、等が考えられる。したがって、第1の実施形態におけるリーフスプリング173のボール保持孔173b、あるいは第2の実施形態におけるリーフスプリング173の右回転用と左回転用の2つのボール保持孔173b,173cをそれぞれ廃止し、リーフスプリング173のバネ性を利用して当該リーフスプリング173がスチールボール175に面当りで抵抗を与える構成に変更してもよい。
また本実施の形態は、作業工具の一例として研削作業あるいは研磨作業に用いられる電動ディスクグラインダ101の場合で説明したが、これに限られるものではなく、例えばネジ締め工具のように、先端工具の回転動作によって所定の加工作業を行う作業工具であれば、適用することが可能である。
(態様1)
「請求項4に記載の作業工具であって、
前記第1の部材は、前記駆動側回転部材に設けられた球体として構成され、前記第2の部材は、前記被動側回転部材に設けられた板状部材として構成され、前記球体と前記板状部材に設けた球体保持部との係合を介して駆動側回転部材と前記被動側回転部材との相対回動を抑える保持力が付与されることを特徴とする作業工具。」
態様1に記載の発明によれば、簡単な構造の同期回転保持部を提供できる。
103 本体部
105 モータハウジング
107 ギアハウジング
107a 凹部
109 動力伝達機構部
111 駆動モータ(駆動源)
113 回転子
115 モータ軸
117 小ベベルギア
119 冷却ファン
121 ギア(駆動側回転部材)
121a 爪部
121b 爪部
121c ボール取付凹部
123 スピンドル(被動側回転部材)
123a スプライン軸部
125 軸受
126 軸受
131 砥石装着部
133 内側の取付フランジ
135 外側の取付フランジ
141 砥石(先端工具)
143 カバー
151 ロックカム
151a スプライン孔
153 爪部
155 平面カム部
157 サークリップ
159 ワッシャ
161 ロックリング
161a 突起
165 転動体
171 同期回転保持部
173 リーフスプリング
173a スプライン孔
173b ボール保持孔
173c ボール保持孔
175 スチールボール
Claims (4)
- 作業工具本体に配置されて駆動源によって回転される駆動側回転部材と、
前記作業工具本体に配置されるとともに前記駆動側回転部材の回転軸線を貫通した状態で当該駆動回転部材に同軸にて回動可能に嵌合された被動側回転部材と、
前記被動側回転部材に径方向に突出状に設けられた動力受部と、
前記駆動側回転部材とともに回転し、前記動力受部に当接して当該駆動側回転部材の回転力を前記被動側回転部材に伝達する動力伝達部と、
前記被動側回転部材を介して回転駆動されることで所定の加工作業を遂行する先端工具と、
前記作業工具本体に設けられ、前記駆動側回転部材と前記被動側回転部材が前記動力伝達部と前記動力受部との当接状態を介して同期回転するときには、当該被動側回転部材の回転を許容し、前記被動側回転部材が前記駆動側回転部材に対して相対回動したときには、当該被動側回転部材の回転を固定するロック部材と、を有し、
前記駆動側回転部材と前記被動側回転部材が前記動力伝達部と前記動力受部との当接状態を介しての同期回転を維持するように、当該駆動側回転部材と被動側回転部材に対して相対回動を抑えるべく保持力を付加し、前記被動側回転部材に前記保持力を超える周方向の外力が作用したときには、前記駆動側回転部材に対する当該被動側回転部材の相対回動を許容する同期回転保持部が備えられていることを特徴とする作業工具。 - 請求項1に記載の作業工具であって、
前記駆動側回転部材の軸方向の一端側に前記動力伝達部と前記動力受部が配置され、前記駆動側回転部材の軸方向の他端側に前記同期回転保持部が配置されていることを特徴とする作業工具。 - 請求項1に記載の作業工具であって、
前記動力伝達部、前記動力受部および前記同期回転保持部が、前記駆動側回転部材の軸方向の一端側において概ね同一平面上に位置するように配置されていることを特徴とする作業工具。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の作業工具であって、
前記同期回転保持部は、前記被動側回転部材の軸方向において互いに対向状に配置された第1および第2の部材を有し、それら第1および第2の部材は、周方向の相対移動に対して抵抗力が作用する抵抗部を介して互いに連接され、これによって前記駆動側回転部材と前記被動側回転部材に対して相対回動を抑える保持力が付与される構成としたことを特徴とする作業工具。
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