JP2006255753A - 材料供給方法及び材料供給装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 フィーダボックス内での粉末状材料(例えば複合材料粉末)のブリッジの発生や密度のバラツキ等を解消し、円滑かつ均一な充填を実現し、例えば高速成形を可能とする。
【解決手段】 フィーダボックス4内の粉末状材料(複合粉末材料6)をフィーダボックス4の第1の往復運動により金型1のキャビティ空間2内に供給するに際し、フィーダボックス4がキャビティ空間2上に位置する期間に、フィーダボックス4に対して第1の往復運動と同一方向に第2の往復運動を与える。フィーダボックス4に第1の往復運動をさせるカム駆動機構において、カム13の周面に、フィーダボックス4がキャビティ空間2上に位置する期間に対応して凹凸(凸部13e)が形成されている。
【選択図】 図2
【解決手段】 フィーダボックス4内の粉末状材料(複合粉末材料6)をフィーダボックス4の第1の往復運動により金型1のキャビティ空間2内に供給するに際し、フィーダボックス4がキャビティ空間2上に位置する期間に、フィーダボックス4に対して第1の往復運動と同一方向に第2の往復運動を与える。フィーダボックス4に第1の往復運動をさせるカム駆動機構において、カム13の周面に、フィーダボックス4がキャビティ空間2上に位置する期間に対応して凹凸(凸部13e)が形成されている。
【選択図】 図2
Description
本発明は、例えばボンド磁石の成形において磁性粉末と樹脂材料とを混合した複合材料からなる粉末状材料を金型のキャビティ空間内に供給する際に適用される材料供給方法及び材料供給装置に関するものであり、特に高速成形時における粉末状材料の円滑な充填及び成形体密度のムラの抑制を実現するための技術に関する。
例えば磁性粉末(磁石粉末)と樹脂材料とを混合した複合材料からなる樹脂結合型永久磁石(いわゆるボンド磁石)は、焼結磁石に比べて例えば円筒形状等への成形が容易であることから、近年、家電製品や産業機器向けのモータやアクチュエータ等への利用が進んできている。特に、小型のモータやアクチュエータ等においては小型・軽量化が進められており、前記樹脂結合型永久磁石は、この点においても焼結磁石より有利である。
ところで、樹脂結合型永久磁石においても高性能化が進められており、磁性粉末として、従来用いられてきたフェライト磁石粉末に代わり、SmCo系磁石粉末やNdFeB系磁石粉末等の希土類系磁性粉末が使用されるようになってきている。また、さらなるモータの小型化や高性能化等が進むにつれ、使用される樹脂結合型永久磁石には、肉厚を薄くしながら高特性化することが要求されている。
樹脂結合型永久磁石の高性能化には、成形密度を向上する上で有利な圧縮成形が好適であると考えられるが、成形する樹脂結合型永久磁石の肉厚が0.5mm以下になると、圧縮成形が非常に困難になる。その理由としては、金型のキャビティ空間内への粉末状材料(前記複合材料の粉末)の充填性の低下を挙げることができる。圧縮成形に際しては、金型のキャビティ空間内へ粉末状材料を充填する必要があり、いわゆるフィーダボックスを用い、前記キャビティ空間上での往復運動により粉末状材料を擦り切り充填するようにしている。成形する樹脂結合型永久磁石の肉厚が薄くなると、前記キャビティ空間の開口寸法も小さくなり、その結果、粉末状材料の充填性も低下する。粉末状材料の均一充填が行われないと、成形体の密度が均一にならなかったり、粉末状材料の充填量のバラツキに伴い成形体強度やフラックス分布にバラツキが生ずる等の問題が引き起こされるおそれがある。特に、肉厚を薄くし、なおかつ比較的長尺な円筒状(リング状)、あるいは円弧面を持つ形状(瓦状)等の樹脂結合型永久磁石の成形を考えた場合、前記複合材料からなる粉末状材料を円滑にかつ均一に充填することが難しく、磁気特性や圧環強度に優れた樹脂結合型永久磁石を作製することは難しい。
これを解消することを目的として、金型のキャビティ空間内に擦り切り充填する構造において、例えばフィーダボックス内部に内部壁を設けたり、駆動する棒状部材や回転するプロペラ部材等の撹拌手段を配すること等も行われている。フィーダボックス内に前記撹拌手段を設けることによって、キャビティ空間内に都度適当量の粉末状材料を偏りなく均一に供給することができるものと期待される。しかしながら、粉末状材料が収容される空間内に前記撹拌手段を設けた場合、メンテナンス性が悪く、前記棒状部材やプロペラ部材とフィーダボックス壁面との間や駆動部分に粉末状材料の詰まりやカジリ等によって不用意に停止する或いは駆動ムラが発生する等、不具合による稼働率の低下等が問題になるおそれがある。内部壁を設けた場合には、このような障害は回避できるが、これだけでは十分な効果を得ることは難しい。
そこで、前記のようにフィーダボックス内に撹拌手段を設けることなく、金型のキャビティ空間内に複合材料からなる粉末状材料を円滑に充填するための技術が、各方面において検討されている(例えば、特許文献1や特許文献2等を参照)。例えば、特許文献1には、フィーダ駆動装置に給粉部の後退時に給粉部を左右に振りながらダイ上を通過させる機構を設け、ダイの押し型空間に充填された成形粉末の密度を均一にし、成形品の強度を高くすることが開示されている。
特許文献2では、金型のキャビティに向けて給粉シューボックスを移動させると同時に、給粉シューボックスに振動を与えてキャビティに粉末を充填し、キャビティ内の粉末の充填密度を見掛け密度の1.1倍以上としたのち圧縮成形することが提案されている。この特許文献2も、圧縮成形用金型のキャビティに対して粉末を均一に高密度に充填し得るようにし、密度のバラツキが少ない良好な粉末成形品を得ることを目的とするものである。
特開平6−31491号公報
特開平7−164193号公報
前記各特許文献記載の発明のように、フィーダボックス(前記給粉部や給粉シューボックスに相当)に運動を与えることにより、粉末状材料の充填が促進され、均一な充填が可能になり、成形体の密度や強度も均一化されるものと期待される。また、フィーダボックス内部に撹拌手段を設ける必要もないので、メンテナンス性や稼働率等の点でも有利であると考えられる。
しかしながら、前記特許文献1記載の発明や特許文献2記載の発明では、フィーダボックスに運動を与えるための駆動系が別途必要であり、フィーダボックスの構造が複雑化するという課題がある。フィーダボックスには、往復運動のための駆動系が設けられているが、前記各特許文献記載の発明では、これとは別に運動を与えるための駆動系を設けている。例えば、特許文献1記載の発明では、フィーダボックスを往復運動させるための前進・後退用モータの他、左右揺動用モータや偏心カム、引き寄せバネ等を設ける必要がある。特許文献2記載の発明では、フィーダボックスの外周面に振動付与装置を取り付ける必要がある。
また、特許文献1記載の発明のようにフィーダボックスを左右に振ることで運動を付与する機構や、フィーダボックスの外周面に振動付与装置を設置して運動を付与する機構では、フィーダボックス内の粉末状材料に対して必ずしも効果的な衝撃を与えることができないという問題もある。フィーダボックス内の粉末状材料をキャビティに円滑に充填するためには、フィーダボックスに対してある程度の加速度をもって運動を与え、フィーダボックス内の粉末状材料に衝撃を与える必要があるが、特許文献1記載の発明のように偏心カムを利用して左右に揺動させる場合、前記加速度を大きくすることは難しい。一方、特許文献2記載の発明のように、フィーダボックスの外周面に振動付与装置を設置したのでは、内部に収容される粉末状材料に前記振動付与装置によって加えられる振動が十分伝達されず、やはり粉末状材料に十分な加速度、衝撃を与えることは難しい。
本発明は、このような従来技術の有する欠点を解消することを目的に提案されたものであり、装置構成を複雑化することなくフィーダボックス内の粉末状材料に十分な衝撃を与えることができ、例えば高速成形においても均一な充填を実現し、成形体の密度や強度等に均一性の優れた成形体に圧縮成形を可能とする材料供給方法及び材料供給装置を提供することを目的とする。
前述の目的を達成するために、本発明の材料供給方法は、フィーダボックス内の粉末状材料を当該フィーダボックスの第1の往復運動により金型のキャビティ空間内に供給する材料供給方法であって、前記フィーダボックスが前記キャビティ空間上に位置する期間に、フィーダボックスに対して前記第1の往復運動と同一方向に第2の往復運動を与えることを特徴とする。
また、本発明の材料供給装置は、金型のキャビティ空間内に粉末状材料を供給するフィーダボックスと、当該フィーダボックスを第1の往復運動させるカム駆動機構を備え、前記カム駆動機構は、一端に前記フィーダボックスが連結されるアーム部と、前記アーム部の他端が周面に当接された状態で回転するカムとを備え、前記カムには、その周面に前記フィーダボックスがキャビティ空間上に位置する期間に対応して第2の往復運動させる凹凸が形成されていることを特徴とする。
本発明においては、先の特許文献1記載の発明と同様、フィーダボックスに第2の往復運動を与え、中に収容される粉末状材料が円滑に落下し、金型のキャビティ空間内に充填される。その結果、粉末状材料の充填が促進され、均一な充填が可能になり、形状不良の発生を抑えることができる。さらに、成形体密度のムラが無くなり成形体の強度も均一化される。
ただし、本発明と特許文献1記載の発明とでは、第2の往復運動の方向が異なる。特許文献1記載の発明では、フィーダーボックスの往復運動に対して、これとは直交する方向(左右方向)に第2の往復運動させているのに対して、本発明では、第1の往復運動と同じ方向に第2の往復運動させている。前記第2の往復運動の方向の相違により、フィーダボックス内の粉末状材料に対して加えられる加速度(衝撃)が大きく変わり、この加速度の相違により本発明において充填性が大幅に改善される。
具体的には、特許文献1記載の発明のように左右に第2の往復運動をさせる場合、その動きは比較的緩やかなものとなる。内部に粉末状材料が充填されるフィーダボックスの重量等を考えると、当然とも言える。これに対して、本発明のようにフィーダボックスの第1の往復運動の方向に第2の往復運動をさせた場合、いわば急停止と急発進を繰り返したような運動が加わり、フィーダボックス内の粉末状材料には大きな加速度や衝撃が加わる。その結果、例えばフィーダーボックス内で粉末状材料がブリッジングしていたり、または密度バラツキがあるような場合にも、ブリッジングが速やかに解消され、円滑に充填が行われると共に成形体密度のムラが無くなる。
また、前記フィーダボックスを第1の往復運動と同じ方向に第2の往復運動させる場合、装置構成の点でも有利である。例えば、本発明の材料供給装置では、フィーダボックスを第1の往復運動させるためのカム機構において、カムの周面に凹凸を形成するだけで前記第2の往復運動を起こすようにしている。したがって、前記第2の往復運動を付与するためのモータやカム、振動付与装置等を別途用意する必要がなく、装置構成が簡略化される。また、フィーダボックスの駆動部の構造がシンプルであるので、メンテナンス上も有利である。前記第2の往復運動の振動数、振幅或いは加速度などの条件設定は、前記カムの凹凸の付設数、付設間隔或いは凹凸形状(高さや曲率など)を設定するだけでよい。また、この設定を施した種々のカムを交換するだけで条件変更を行なうことができる。
本発明の材料供給方法及び材料供給装置によれば、装置構成を複雑化することなくフィーダボックス内の粉末状材料に十分な運動を与えることができ、例えば高速成形においても均一な充填を実現し、密度や強度の均一性に優れた成形体に圧縮成形が可能である。したがって、例えば前記粉末状材料が磁性粉末と樹脂材料とを混合した複合材料である場合、これを成形することにより磁気特性や強度に優れた樹脂結合型永久磁石(ボンド磁石)を製造することが可能である。
以下、本発明を適用した材料供給方法及び材料供給装置について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下においては、樹脂結合型永久磁石の成形において、磁性粉末と樹脂材料とを混合した複合材料からなる粉末状材料(これ以降では、単に複合材料粉末と称する。)の充填を例にして説明するが、本発明がこれに限定されるものでないことは言うまでもなく、任意の粉末状材料の充填に適用可能である。
樹脂結合型永久磁石は、所定の粒径に粉砕した磁性粉末に樹脂材料を加えて混合し、複合材料粉末とした後、金型のキャビティ空間内に充填し、これを圧縮成形することにより所定の形状に成形される。
ここで、用いる磁性粉末としては、フェライト磁石粉末(例えば、Sr系フェライト粉末やBa系フェライト粉末等)や、希土類金属磁石粉末(例えば、SmCo系、NdFeB系、SmFeN系等)等を挙げることができる。これらの中から要求される特性に応じて選定すればよい。特に、高性能な樹脂結合型永久磁石を作製するためには、希土類金属磁石粉末が好適である。
希土類金属磁石粉末は、希土類元素を主成分とするものであり、磁石組成としては、例えば、R−T−B(Rは希土類元素の1種又は2種以上、但し希土類元素はYを含む概念である。TはFeまたはFe及びCoを必須とする遷移金属元素の1種または2種以上であり、Bはホウ素である。)系希土類金属磁石粉末とする場合、磁気特性等の観点から、例えば希土類元素Rが10〜30原子%、ホウ素Bが2〜28原子%、残部(42〜90原子%)が遷移金属元素Tとなるような組成とすることが好ましい。ここで、Rは、希土類元素、すなわちY、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Yb及びLuから選ばれる1種、または2種以上である。中でも、Ndは、資源的に豊富で比較的安価であることから、主成分をNdとすることが好ましい。
あるいは、添加元素Mを加えて、R−T−B−M系希土類金属磁石粉末とすることも可能である。この場合、添加元素Mとしては、Al、Cr、Mn、Mg、Si、Cu、C、Nb、Sn、W、V、Zr、Ti、Mo、Bi、Ga等を挙げることができ、これらの1種または2種以上を選択して添加することができる。これら添加元素Mの添加量は、残留磁束密度等の磁気特性を考慮して、総量で10原子%以下とすることが好ましい。添加元素Mの添加量が多すぎると、磁気特性が劣化するおそれがある。
前記磁性粉末の形態や粒径等は、任意であり、作製する樹脂結合型永久磁石の形状、寸法、さらには作製する樹脂結合型永久磁石に要求される磁気特性や機械的特性等の性能に応じて選定すればよい。特に、磁性粉末の充填性を高め、例えばリング状に成形した場合の圧環強度を高めるためには、鱗片状の磁性粉末の使用が好ましい。鱗片状の磁性粉末は、互いに重なり合う形で充填され、優れた充填性を発揮する。また、前記磁性粉末の粒径は、平均粒径が10μm〜200μm、最大粒径が500μm以下であることが好ましい。
一方、樹脂材料としては、熱硬化性樹脂が好ましく、例えばエポキシ樹脂やフェノール樹脂等が好適である。勿論、これに限らず、この種の樹脂結合型永久磁石に用いられる樹脂材料として知られるものであれば、いずれも使用可能である。
樹脂結合型永久磁石を製造するに際しては、先ず、混合工程において、前記磁性粉末と樹脂材料とを混合する。前記混合は、例えば有機溶剤によって樹脂材料を希釈し磁性粉末と混合する、いわゆる湿式混合等の方法により行えばよい。この場合、有機溶剤としては、アセトンやトルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の汎用溶剤を用いることができる。
前記混合工程における樹脂材料の添加量としては、磁性粉末に対して樹脂材料を1.0質量%〜5.0質量%とすることが好ましい。前記範囲を超えて樹脂材料が多すぎると、相対的に磁性粉末の占める割合が減少し、十分な磁気特性が得られなくなるおそれがある。逆に、樹脂材料の添加量が少なすぎると、磁性粉末を十分に結着することができなくなる可能性があり、成形される樹脂結合型永久磁石において強度等が問題となるおそれがある。
混合工程の終了の後、必要に応じて分級工程において、所定の粒度範囲にある成形用粉末と、これよりも粒径の大きな粗粉末とに分離する。分級範囲としては、例えば30μm〜150μm(平均粒径100μm程度)であり、粒径が150μmを超える複合材料からなる粉末を粗粉末として分離する。
成形工程では、前記所定の粒度範囲にある複合材料からなる成形用粉末を成形材料(粉末状材料)とし、これを例えば金型を用いて所定の形状に圧縮成形する。このとき、成形する樹脂結合型永久磁石の形状、大きさ等は任意であり、例えば使用されるモータやアクチュエータ等の形状に沿った円筒状(リング状)、あるいは円弧面を持つ形状(瓦状)等が代表的である。特に肉厚が薄く(例えば厚さ0.5mm以下程度)で長尺(例えば長さ3.0mm以上)のリング状磁石[例えば外径寸法(直径)3mm〜5mm程度]とする場合に本発明の適用が有効である。
成形に際して、圧縮成形圧力は、784MPa(8tf/cm2)以上とすることが好ましく、980MPa(10tf/cm2)以上とすることがより好ましい。圧縮成形圧力を高めることにより、樹脂結合型永久磁石の高密度化を実現することができる。
前記圧縮成形に際して、例えば肉厚が薄く長尺状のリング磁石を成形する場合、金型の成形空間(キャビティ)は、開口面積が小さなスリット状の空間となる。このような開口面積が小さいスリット状の空間に複合材料粉末を円滑に充填することは困難である。また、これに加えて、例えば鱗片状の磁性粉末を用い、毎分60個以上、例えば毎分120個というような高速成形を行おうとする場合、複合材料粉末を供給するフィーダボックス内の複合材料粉末にブリッジ等が発生し、前記充填がさらに困難なものとなる。
そこで、本発明においては、前記フィーダボックスを第1の往復運動させて成形空間(金型キャビティ空間)内へ複合材料粉末を充填するに際して、フィーダボックスに前記第1の往復運動の方向と同一方向の第2の往復運動を与え、フィーダボックス内での複合材料粉末のブリッジまたは密度のバラツキを解消するとともに、開口面積が小さな金型キャビティ空間内への複合材料粉末の充填性を円滑かつ均一にする。
図1は、複合材料粉末を成形して樹脂結合型永久磁石とするための成形装置の一例を示すものである。成形工程では、臼型と称される金型1に下パンチが挿入されることにより構成されるキャビティ空間2内にフィーダボックス4内の複合材料粉末6を充填し、圧縮成形を行う。動作としては、フィーダボックス4が金型1のキャビティ空間2内への複合材料粉末6の充填後、キャビティ空間2上から後退し、上下から上パンチ(図示は省略する。)及び下パンチ3が挿入され、これらによって複合材料粉末6の圧縮成形が行われる。
前記金型1のキャビティ空間2内への複合材料粉末6の供給は、フィーダボックス4によって行われる。フィーダボックス4の底面は開放されており、フィーダボックス4を前記キャビティ空間2に対して、第1の往復運動(矢印XF方向の前進及び矢印XB方向の後退)させると、この開放された底面から材料粉末収容空間5内の複合材料粉末6がキャビティ空間2内へ落下し、充填が行われる。
ただし、前記のように複合材料粉末6がフィーダボックス4の材料粉末収容空間5内でブリッジや密度バラツキ等が生じていると、円滑かつ均一な充填が難しい。そこで、フィーダボックス4が前記キャビティ空間2上に位置する期間に、フィーダボックス4に対して前記第1の往復運動と同一方向に第2の往復運動を与え、前記複合材料粉末6の充填を行う。通常、キャビティ空間2の上面の開口寸法よりも前記フィーダボックス4の下面の開口寸法が大であり、前記キャビティ空間2の上面開口と前記フィーダボックス4の下面開口が重なる期間に充填が行われる。そこで、前記開口が重なる期間にフィーダボックス4に第2の往復運動を与え、材料粉末収容空間5の複合材料粉末6が円滑かつ均一に落下するようにする。
このとき、フィーダボックス4に加える第2の往復運動の方向は、前記第1の往復運動と同一の方向とする必要があり、これによりフィーダボックス4をあたかも急停止、あるいは急発進させるような加速度の大きな衝撃を加えることができる。そして、前記加速度の大きな衝撃を与えることで、例えば前記複合材料粉末6のブリッジや密度バラツキ等が解消され、成形材料である複合材料粉末6は、速やかに金型1のキャビティ空間2内へ落下する。
前記第2の往復運動は、前記フィーダボックス4が金型1のキャビティ空間2上で第1の往復運動している間(キャビティ空間2の上面開口とフィーダボックス4の下面開口が重なる期間)に行う必要があり、1回の第1の往復運動につき1回以上、好ましくは3回程度の第2の往復運動を与える。通常、フィーダボックス4はカムによってその動作が制御され、カムを1回転することで、フィーダボックス4の第1の往復運動が1回行われる。後述のように、前記カムの周面に複数の凹凸を設けておけば、この凹凸によってフィーダボックス4に第2の往復運動が加えられ、したがって前記凹凸の数によりフィーダボックス4に与えられる第2の往復運動の回数が決まる。この場合、第1の往復運動1回当たりの第2の往復運動の回数は、1回〜5回とすることが好ましい。これは、1個の成形に5回よりも多くすると高速成形に支障をきたすことになり現実的でないという理由による。
また、前記第2の往復運動により効果的に複合材料粉末6の充填性を改善するためには、前記第2の往復運動の加速度を大きくすることが好ましい。具体的には、前記第2の往復運動による加速度を8〜150m/秒2とすることが好ましい。第2の往復運動の加速度が8m/秒2未満であると、複合材料粉末6に十分な力(衝撃)が加わらず、ブリッジや密度のバラツキ等を解消することができなくなるおそれがある。前記加速度が大きいほど効果が高くなるが、あまり大きくすることは装置構造等を考えた場合に現実的ではなく、したがって実用的には150m/秒2程度が上限になる。
フィーダボックス4による複合材料粉末6の充填の後、充填された複合材料粉末6を上パンチと下パンチ3とで圧縮成形する。これにより、例えばリング状や瓦状等の樹脂結合型永久磁石(ボンド磁石)を成形することが可能になる。
前述のように、本発明では、フィーダボックス4に第1の往復運動と同一方向の第2の往復運動を与えることで、複合材料粉末6の充填を行うようにしている。ここで、フィーダボックス4には、その動作を制御するカムに凹凸を設けることで第2の往復運動を付与することができる。以下、カムに凹凸を設けてフィーダボックス4に第2の往復運動を付与するようにしたフィーダ駆動機構について説明する。
図2は、前記フィーダ駆動機構の概略構造及びその動作を示すものである。フィーダ駆動機構は、基本的には、一端側にフィーダボックス4が連結されたフィーダレバー11、このフィーダレバー11の他端側が固定された回転軸14、更に一端側を前記回転軸14に固定されたカムローラレバー12、前記カムローラレバー12の他端側が周面に当接されたカム13とから構成されている。前記カム13は、その回転角度により前記フィーダレバー11及びカムローラレバー12の動作を制御する。また、特に図示していないが、前記カムローラレバー12をカム13の周面に当接させるための付勢手段を備えている。
前記フィーダレバー11とカムローラレバー12とは、アーム部に相当するものであり、共に回転軸14に固定されており、前記カム13の回転角度に応じて前記カムローラレバー12が動作し前記回転軸14を回動する。前記回転軸14の回動に伴って前記フィーダレバー11も回動し、前記フィーダレバー11の一端側に連結された前記フィーダボックス4を前進あるいは後退させる。カムローラレバー12のカム13と接する部分には、回転可能な当接部材であるカムフォロア15が設けられており、前記カム13の周面に沿って円滑に動作するように構成されている。
前記カム13は、カム軸16を回転中心として回転操作され、ボルト17によってカムホルダに固定することで前記カム軸16に固定されている。また、前記カム13の周面は、大径を有する第1円弧面13a、小径を有する第2円弧面13b、及びこれら円弧面を繋ぐ曲面13c,13dとから構成されており、さらに、小径を有する第2円弧面13bには、第2の往復運動を行わせるために複数(ここでは3つ)の凸部13eが形成されている。
前記小径を有する第2円弧面13bに形成される凸部13eは、前記フィーダボックス4に第2の往復運動を与えるためのもので、前記第2の往復運動の振幅が4〜16mmに設定されている。その振幅は、カム13径や凸部13e前記カム13に設けられた凸部13eの高さ(凹凸量)やアーム部(前記フィーダレバー11やカムローラレバー12)の長さを適宜組み合わせて設定することができる。例えば、振幅を4〜16mm程度に設定するためには、前記フィーダレバー11とカムローラレバー12との長さ比が2倍程度に設定されていれば、凸部13eの高さは例えば2〜8mm程度に設定することができる。また、前記凸部13eの数に応じてフィーダボックス4の第1の往復運動当たりに加えられる第2の往復運動の回数が決まり、本例の場合、フィーダボックス4が第1の往復運動を1回する間に第2の往復運動が3回与えられることになる。
次に、前記カム駆動機構による複合材料粉末6の充填操作について説明する。前記の通り、フィーダボックス4はカム13によって制御される。図2(a)は、前記カムローラレバー12のカムフォロア15がカム13の大径を有する第1円弧面13aに当接している状態を示すものである。この状態では、カムローラレバー12の先端(カムフォロア15)が図中最も右方向に押し付けられた状態となり、これに伴ってフィーダボックス4を連結した一端は回転軸14を中心に図中上方に移動し、これによりフィーダボックス4はキャビティ空間2から後退した位置に移動している。つまりアーム部が回転軸14を中心に反時計周りに回転し、フィーダボックス4は上死点にある状態である。
カム13の回転に伴い、図2(b)に示すように、前記カムフォロア15は、図示していない付勢手段の押し付け力によって先ずカム13の曲面13cに沿って図中左方向に移動する。曲面13cにおいては、カム軸16の中心からの距離が次第に小さくなっており、したがって、これによりカムローラレバー12の先端(カムフォロア15)が図中左方向に向かって移動するとともに、フィーダレバー11が図中下方に向かって移動し、フィーダボックス4がキャビティ空間2に向かって前進する。つまりアーム部が回転軸14を中心に時計周りに回転し、フィーダボックス4が上死点から下死点へ向かって移動している状態である。
さらにカム13が回転すると、前記カムフォロア15はカム13の小径を有する第2円弧面13bに当接し、その結果、フィーダボックス4はキャビティ空間2上に位置することになる。つまりアーム部が回転軸14を中心に更に時計周りに回転し、フィーダボックス4が下死点に移動した状態である。この状態、すなわち、前記カムフォロア15が小径を有する第2円弧面13bに当接している間は、キャビティ空間2の上面開口とフィーダボックス4の下面開口が重なる期間ということになる。
さらにまたカム13が回転すると、前記カムフォロア15は、図2(c)に示すように、カム13の回転に伴って小径を有する第2円弧面13bに形成された凸部13eを順次乗り越えることになるが、凸部13eをカムフォロア15が乗り越えるたびにカムローラレバー12及びフィーダレバー11が回転軸14を中心に回動し、フィーダボックス4に第2の往復運動が伝達される。つまりアーム部が回転軸14を中心に反時計周りの回転と時計周りの回転とを交互に繰り返すこととなり、フィーダボックス4が下死点からキャビティ空間2上を行ったり来たりする状態である。本例の場合、凸部13eが3箇所に形成されているので、フィーダボックス4には3回、第2の往復運動が与えられ、この間に複合材料粉末6の充填が円滑かつ均一に行われる。
前記の後、前記カムフォロア15は、カム13の曲面13dに沿って図中右方向に移動する。曲面13dにおいては、カム軸16の中心からの距離が次第に大きくなっており、したがって、これによりカムローラレバー12の先端(カムフォロア15)が図中右方向に向かって移動するとともに、フィーダレバー11が図中上方に向かって移動し、フィーダボックス4が複合材料粉末6をスリ切りながらキャビティ空間2から後退する。つまりアーム部が回転軸14を中心に反時計周りに回転し、フィーダボックス4が下死点から上死点へ向かって移動している状態である。この後、充填された複合材料粉末6を上パンチと下パンチ3とで圧縮成形すればよい。
図3は、前記カム13が1回転する間のフィーダボックス4の動作を示すものである。図3では、フィーダボックス4下面開口のセンター位置とキャビティ空間2上面開口のセンター位置の相対位置関係を示している。この図3に開示される通り、前記フィーダボックス4がキャビティ空間2上にある期間に、キャビティボックス4には3回、第2の往復運動が加わる。前記第2の往復運動の振動数、振幅或いは加速度などの条件設定は、前記カムの凹凸の付設数、付設間隔或いは凹凸形状(高さや曲率など)を設定するだけでよい。また、この設定を施した種々のカムを交換するだけで条件変更を行なうことができる。
前記カム駆動機構においては、カム13の回転に伴って以上の操作が繰り返され、フィーダボックス4による複合材料粉末6のキャビティ空間2内への充填が行われる。前記カム駆動機構により、フィーダボックス4に対して加速度の大きな衝撃を与えることで、例えばフィーダボックス4内での複合材料粉末6のブリッジや密度バラツキ等が解消され、成形材料である複合材料粉末6を速やかに金型1のキャビティ空間2内に円滑かつ均一に充填することができる。
次に、本発明の具体的な実施例について、実験結果を基に説明する。
実施例1
磁性粉末としてNdFeB系希土類金属磁石粉末[短径20μm、長径100μm(最大径150μm)、厚さ5μm程度の鱗片状粉末]を用い、これにエポキシ樹脂を3質量%加えて複合材料とした。この複合材料を必要に応じて分級工程を行い、所定の粒度範囲にある成形用粉末と、これよりも粒径の大きな粗粉末とに分離する。分級範囲としては、例えば30μm〜150μm(平均粒径100μm程度)であり、粒径が150μmを超える粗粉末として分離するとよい。複合材料からなる成形用粉末を用いて圧縮成形を行った。成形した樹脂結合型永久磁石は、外径3.8mm、内径3.0mm、長さ6.0mmのリング状(肉厚0.4mm)である。
磁性粉末としてNdFeB系希土類金属磁石粉末[短径20μm、長径100μm(最大径150μm)、厚さ5μm程度の鱗片状粉末]を用い、これにエポキシ樹脂を3質量%加えて複合材料とした。この複合材料を必要に応じて分級工程を行い、所定の粒度範囲にある成形用粉末と、これよりも粒径の大きな粗粉末とに分離する。分級範囲としては、例えば30μm〜150μm(平均粒径100μm程度)であり、粒径が150μmを超える粗粉末として分離するとよい。複合材料からなる成形用粉末を用いて圧縮成形を行った。成形した樹脂結合型永久磁石は、外径3.8mm、内径3.0mm、長さ6.0mmのリング状(肉厚0.4mm)である。
成形に際しては、図1に示す成形装置及び図3に示すカム駆動機構を用い、フィーダボックスに第2の往復運動を与えながら金型キャビティへ複合材料粉末(成形用粉末)の充填を行った。フィーダボックスを第1の往復運動させるための軌跡に対応する周面から突出する形で凸部が3箇所に形成されたカムを使用した。前記凸部による振幅は2mmである。これにより充填の際のフィーダボックスは、第1の往復運動の間に第2の往復運動の回数を3回とした。また、この凸部の形成領域はカム回転角度の約1/8(約45°)とした。1個当たりの成形時間は0.5秒に設定したことから、前記第2の往復運動の周波数は48Hzになる
本実施例では、前記のように振幅を2mm(請求の範囲外)に設定し、毎分60個の成形することを試みた。その結果、毎分60個の成形が可能ではあったが、充填性がやや劣ることがわかった。また、成形体密度も5.40g/cm3と、若干の低下が見られた。
実施例2
本実施例では、第2の往復運動の振幅を4mmとし、他は実施例1と同様にして成形を試みた。なお、前記振幅を4mmに設定するためには、例えばフィーダーカムの凹凸量を前記実施例1と同様に2mmとし、従動側とカムフォロア側のレバー比を2倍とすることで実現した。その結果、振幅を4mmに設定することにより毎分60個の成形が可能となり、成形体密度も5.50g/cm3であった。また、成形されたリング状の樹脂結合型永久磁石は、磁気特性や圧環強度、成形体密度(5.45g/cm3以上を達成)に優れたものであった。
本実施例では、第2の往復運動の振幅を4mmとし、他は実施例1と同様にして成形を試みた。なお、前記振幅を4mmに設定するためには、例えばフィーダーカムの凹凸量を前記実施例1と同様に2mmとし、従動側とカムフォロア側のレバー比を2倍とすることで実現した。その結果、振幅を4mmに設定することにより毎分60個の成形が可能となり、成形体密度も5.50g/cm3であった。また、成形されたリング状の樹脂結合型永久磁石は、磁気特性や圧環強度、成形体密度(5.45g/cm3以上を達成)に優れたものであった。
実施例3
本実施例では、第2の往復運動の振幅を4mmとし、他は実施例2と同様にして毎分120個の成形を試みた。その結果、振幅を4mmに設定することにより毎分120個の成形も可能であり、成形体密度も5.52g/cm3であった。また、成形されたリング状の樹脂結合型永久磁石は、磁気特性や圧環強度、成形体密度(5.45g/cm3以上を達成)に優れたものであった。
本実施例では、第2の往復運動の振幅を4mmとし、他は実施例2と同様にして毎分120個の成形を試みた。その結果、振幅を4mmに設定することにより毎分120個の成形も可能であり、成形体密度も5.52g/cm3であった。また、成形されたリング状の樹脂結合型永久磁石は、磁気特性や圧環強度、成形体密度(5.45g/cm3以上を達成)に優れたものであった。
実施例4
本実施例では、第2の往復運動の振幅を16mmとし、他は実施例1と同様にして成形を試みた。なお、前記振幅を16mmに設定するためには、例えばフィーダーカムの凹凸量を8mmとし、従動側とカムフォロア側のレバー比を2倍とすることで実現した。その結果、振幅を16mmに設定することにより毎分120個の成形が可能となり、成形体密度も5.52g/cm3であった。また、成形されたリング状の樹脂結合型永久磁石は、磁気特性や圧環強度、成形体密度(5.45g/cm3以上を達成)に優れたものであった。
本実施例では、第2の往復運動の振幅を16mmとし、他は実施例1と同様にして成形を試みた。なお、前記振幅を16mmに設定するためには、例えばフィーダーカムの凹凸量を8mmとし、従動側とカムフォロア側のレバー比を2倍とすることで実現した。その結果、振幅を16mmに設定することにより毎分120個の成形が可能となり、成形体密度も5.52g/cm3であった。また、成形されたリング状の樹脂結合型永久磁石は、磁気特性や圧環強度、成形体密度(5.45g/cm3以上を達成)に優れたものであった。
比較例1
先の実施例と同様、磁性粉末としてNdFeB系希土類金属磁石粉末[短径20μm、長径100μm(最大径150μm)、厚さ5μm程度の鱗片状粉末]を用い、これにエポキシ樹脂を3質量%加えて複合材料とした。この複合材料を必要に応じて分級工程を行い、所定の粒度範囲にある成形用粉末と、これよりも粒径の大きな粗粉末とに分離する。分級範囲としては、例えば30μm〜150μm(平均粒径100μm程度)であり、粒径が150μmを超える粗粉末として分離するとよい。複合材料からなる成形用粉末を用いて圧縮成形を行った。成形した樹脂結合型永久磁石は、外径3.8mm、内径3.0mm、長さ6.0mmのリング状(肉厚0.4mm)である。
先の実施例と同様、磁性粉末としてNdFeB系希土類金属磁石粉末[短径20μm、長径100μm(最大径150μm)、厚さ5μm程度の鱗片状粉末]を用い、これにエポキシ樹脂を3質量%加えて複合材料とした。この複合材料を必要に応じて分級工程を行い、所定の粒度範囲にある成形用粉末と、これよりも粒径の大きな粗粉末とに分離する。分級範囲としては、例えば30μm〜150μm(平均粒径100μm程度)であり、粒径が150μmを超える粗粉末として分離するとよい。複合材料からなる成形用粉末を用いて圧縮成形を行った。成形した樹脂結合型永久磁石は、外径3.8mm、内径3.0mm、長さ6.0mmのリング状(肉厚0.4mm)である。
カムに凸部を設けずフィーダボックスに第2の往復運動を与えないようにし、第1の往復運動のみでスリ切り充填を行なった。他は実施例と同様に樹脂結合型永久磁石の成形を行った。ただし、成形速度を毎分20個とした。このことにより充填性にほとんど問題はなく、実施例と同様に、磁気特性や圧環強度、成形体密度に優れたものを得ることができた。しかしながら、この場合には、成形速度が遅く、生産性の悪いものであった。
比較例2
前記比較例1と同様、カムに凸部を設けずフィーダボックスに第2の往復運動を与えないようにして、他は実施例と同様に樹脂結合型永久磁石の成形を行った。成形速度は、実施例と同様、毎分120個と設定した。この場合には、金型キャビティへの充填が充分ではなく、変形品が多発し、正常な形態の樹脂結合型永久磁石は、ほとんど成形することができなかった。
前記比較例1と同様、カムに凸部を設けずフィーダボックスに第2の往復運動を与えないようにして、他は実施例と同様に樹脂結合型永久磁石の成形を行った。成形速度は、実施例と同様、毎分120個と設定した。この場合には、金型キャビティへの充填が充分ではなく、変形品が多発し、正常な形態の樹脂結合型永久磁石は、ほとんど成形することができなかった。
以上の各実施例、比較例におけるカムの回転数(毎分の成形個数)、第2の往復運動の振幅、第2の往復運動の回数、第2の往復運動の加速度、成形の際の充填性、成形体の充填密度を表1に示す。この表1からも、本発明の優位性が明らかである。
1 金型、2 キャビティ空間、3 下パンチ、4 フィーダボックス、5 材料粉末収容空間、6 複合材料粉末、11 フィーダレバー、12 カムローラレバー、13 カム、13a 第1円弧面、13b 第2円弧面、13c、13d 曲面、13e 凸部、14 回転軸、15 カムフォロア、16 カム軸、17 ボルト
Claims (10)
- フィーダボックス内の粉末状材料を当該フィーダボックスの第1の往復運動により金型のキャビティ空間内に供給する材料供給方法であって、
前記フィーダボックスが前記キャビティ空間上に位置する期間に、フィーダボックスに対して前記第1の往復運動と同一方向に第2の往復運動を与えることを特徴とする材料供給方法。 - 前記キャビティ空間の上面の開口寸法よりも前記フィーダボックスの下面の開口寸法が大であり、前記キャビティ空間の上面開口と前記フィーダボックスの下面開口が重なる期間に前記第2の往復運動を与えることを特徴とする請求項1記載の材料供給方法。
- 前記第2の往復運動における往復運動の回数を前記第1の往復運動1回当たり1〜5回とすることを特徴とする請求項1または2記載の材料供給方法。
- 前記第2の往復運動における加速度を8〜150m/秒2とすることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の材料供給方法。
- 前記粉末状材料は、磁性粉末と樹脂材料とを混合した複合材料であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の材料供給方法。
- 前記磁性粉末が鱗片状の粉末であることを特徴とする請求項5記載の材料供給方法。
- 金型のキャビティ空間内に粉末状材料を供給するフィーダボックスと、当該フィーダボックスを第1の往復運動させるカム駆動機構を備え、
前記カム駆動機構は、一端に前記フィーダボックスが連結されるアーム部と、前記アーム部の他端が周面に当接された状態で回転するカムとを備え、
前記カムには、その周面に前記フィーダボックスがキャビティ空間上に位置する期間に対応して第2の往復運動させる凹凸が形成されていることを特徴とする材料供給装置。 - 前記カムに設けられた凹凸は、前記フィーダボックスを第1の往復運動させるための軌跡に対応するカム周面から突出する形で凸部が形成されることにより構成されていることを特徴とする請求項7記載の材料供給装置。
- 前記凸部は、複数形成されていることを特徴とする請求項8記載の材料供給装置。
- 前記第2の往復運動の振幅が4〜16mmであることを特徴とする請求項7から9のいずれか1項記載の材料供給装置。
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