以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。先ず、図1乃至図3を参照して実施形態に係るパチンコ機の全体構成について説明する。図1は、パチンコ機を示す正面図である。図2は、本体枠及び前面枠を開放した状態のパチンコ機を示す斜視図である。図3は、パチンコ機1の裏面構成を示す背面図である。
図1及び図2に示すように、遊技機としてのパチンコ機1は、外枠2、本体枠3、遊技盤4、前面枠5等を備えて構成されている。外枠2は、上下左右の枠材によって縦長四角形の枠状に形成され、外枠2の前側下部には、本体枠3の下面を受ける下受板6を有している。外枠2の前面一側には、ヒンジ機構7によって本体枠3が前方に開閉可能に装着されている。また、本体枠3は、前枠体8、遊技盤装着枠9、及び機構装着枠10を合成樹脂材によって一体成形することで構成されている。本体枠3の前側に形成された前枠体8は、外枠2前側の下受板6を除く外郭形状に対応する大きさの矩形枠状に形成されている。なお、本実施形態では、パチンコ機1の正面を視認する視線方向を前側(前面側)とし、これとは反対側(例えば、前枠体8に対する本体枠3側)を後側(背面側)とする。
また、本体枠3は、合成樹脂材によって一体に形成されると共に、前面側に遊技盤装着枠9が背面側に機構装着枠10がそれぞれ形成されている。これによって、合成樹脂製の本体枠3は、従来の前枠(内枠、前面枠等と呼ばれることがある)と、機構板(裏機構板、裏セット板等と呼ばれることがある)との機能を兼ね備えている。
前枠体8の後部に一体的に形成された遊技盤装着枠9には、遊技盤4が前方から着脱交換可能に装着されるようになっている。また、遊技盤装着枠9の左側部には、係合突部33が上下に2つ形成され、遊技盤装着枠9の右側部には、係合凹部(図示しない)が上下に2つ形成されている。また、遊技盤4の盤面(前面)の左側部には係合突部33と対応する係止穴34が上下に2つ形成され、遊技盤4の盤面の右側部には係合凹部と対応する係合フック35が上下に2つ形成されている。係合フック35は、遊技盤4と遊技盤装着枠9とを係脱可能に係止する。
また、遊技盤4の盤面には、外レールと内レールとを備えた案内レール11が設けられ、該案内レール11によって区画された領域が発射された遊技球を落下させる遊技領域12として形成されている。遊技盤装着枠9よりも下方に位置する前枠体8の前側下部の一側寄りには、下部スピーカ14が装着されている。また、前枠体8前面の下部領域内の上側部分には、遊技盤4の発射通路に向けて遊技球を導く発射レール15が傾斜状に装着されている。一方、前枠体8前面の下部領域内の下側部分には、下前面部材16が装着されている。下前面部材16前面のほぼ中央には、下皿17が設けられ、片側寄りには操作ハンドル18が設けられている。
また、本体枠3(前枠体8)のヒンジ機構7が設けられる側とは反対側となる開放側の後面には、外枠2に対して本体枠3を施錠する機能と、本体枠3に対して前面枠5を施錠する機能とを兼ね備えた施錠装置19が装着されている。施錠装置19は、外枠2に設けられた閉止具20に係脱可能に係合して本体枠3を閉鎖状態に施錠する上下複数の本体枠施錠フック21と、前面枠5の開放側の後面に設けられた閉止具22に係脱可能に係合して前面枠5を閉鎖状態に施錠する上下複数の扉施錠フック23とを備えている。
しかして、シリンダー錠24の鍵穴に鍵が挿入されて一方向に回動操作されることで、本体枠施錠フック21と外枠2の閉止具20との係合が解除されて本体枠3が解錠され、これとは逆方向に鍵が回動操作されることで、扉施錠フック23と前面枠5の閉止具22との係合が解除されて前面枠5が解錠されるようになっている。シリンダー錠24の前端部は、パチンコ機1の前方から鍵を挿入して解錠操作が行えるように、前枠体8及び下前面部材16を貫通して下前面部材16の前面に露出して配置されている。
なお、本実施形態では、時計回り方向に鍵を回動操作することで外枠2に対して本体枠3が解錠され、反時計回り方向に鍵を解錠操作することで本体枠3に対して前面枠5が解錠される。このように、回動操作の方向を異ならせるだけで、本体枠3又は前面枠5のいずれかを解錠させることができる。また、施錠装置19は、本体枠3を閉塞状態に施錠したときに、鍵以外の外部操作によって本体枠施錠フック21と外枠2の閉止具20との係合が解除されないように本体枠施錠フック21をロックするロック機構をさらに備えている。しかして、本体枠3を閉塞状態に施錠したときには、ロック機構により本体枠施錠フック21がロックされる。また、本体枠施錠フック21よりも外枠2と本体枠3(前面枠8)との間隙に近い側(図2において右側方)にリブが突設形成され、当該リブにより本体枠施錠フック21が外枠2と本体枠3(前面枠8)との間隙から針金等を差し込んで直接本体枠施錠フック21を操作しようとしてもリブに当接する。従って、外枠2と本体枠3(前面枠3)との間隙から針金等により本体枠3を不正に解錠する不正行為を防止することができる。
本体枠3前面の一側には、ヒンジ機構25によって前面枠5が前方に開閉可能に装着されている。前面枠5は、扉本体フレーム26、上皿28を備えて構成されている。扉本体フレーム26は、プレス加工された金属製フレーム部材によって構成され、前枠体8の上端から下前面部材16の上縁に亘る部分を覆う大きさに形成されている。扉本体フレーム26のほぼ中央には、遊技領域12を前方から透視可能なほぼ円形状の開口窓30が形成されている。また、扉本体フレーム26の後側には、開口窓30よりも大きい矩形枠状をなす窓枠31が設けられ、該窓枠31には、透明板32が装着されている。
なお、本実施形態では、遊技盤4の下方にシリンダー錠24を配置し、遊技盤4の右方に配置された施錠装置19を薄型化することで、遊技盤4に形成された遊技領域12の面積を従来よりも拡大することができ、遊技者の視認に対する興趣を高めることができる。また、遊技領域12の拡大に合わせて前面枠8の開口窓30も拡大され、該前面枠8の剛性が低下することとなるが、上皿28を一体的に構成する前面枠8とすることで、前面枠8の剛性の低下を抑制している。
扉本体フレーム26の前側には、開口窓30の周囲において、下部に上皿28が前面枠8と一体的に設けられ、左右両側部に枠ランプ27が、上部に上部スピーカ29が装着されている。なお、枠ランプ27は、各種遊技内容に応じて点灯・消灯制御され、上部スピーカ29及び下部スピーカ14は、各種遊技内容に応じて複数種類の音出力態様の音出力制御が実行される。このように、各種遊技内容に応じて枠ランプ27の点灯・消灯制御、上部スピーカ29及び下部スピーカ14の音出力制御、を実行することにより演出効果を高め、遊技者の興趣を向上するようになっている。また、上部スピーカ29及び下部スピーカ14では、不正行為が実行されたことを報知する警告音、遊技に関するエラー状態が発生したことを報知する情報音、等の出力も行われる。
次に、本体枠3の裏面構成について説明すると、図3に示すように、本体枠3の裏面には、遊技球を払い出す払出装置100(賞球払出手段)と、遊技島に設置される球揚送装置から供給される遊技球を貯留する球タンク101と、該球タンク101と払出装置100とを接続して球タンク100に貯留される遊技球を流下せしめるタンクレール102と、が配置されている。なお、タンクレール102によって球タンク101と接続される払出装置100は、ユニット状に形成され、タンクレール102からの遊技球を受け入れて遊技球の払い出しを指示する信号に基づいて所定個数(本実施形態では、13個)の遊技球を払い出す。
また、タンクレール102の下方には、基板等が内蔵される基板保護カバー103が設けられている。基板保護カバー103は、タンクレール102から落下した球によってこれら基板類が損傷するのを防止すると共に、各基板への不正行為を防止する役割を担っている。また、基板保護カバー103は、パチンコ機1の背面側に張り出しており、その下方に主基板110が配置されている。また、主基板110の遊技盤4背面側には、サブ統合基板120(図5に符号のみ記載)が配置されている。しかして、主基板110及びサブ統合基板120の上方がパチンコ機1の背面側に張り出した基板保護カバー103によって覆われ、タンクレール102から落下した球によって主基板110及びサブ統合基板120が損傷するのを防止している。
また、本体枠3の裏面下側一側には、発射装置104が取り付けられている。発射装置104は、発射レール15に送られた球を発射する発射ハンマーや該発射ハンマーに往復回動動作を付与する発射モータ等を集約して設けることにより構成され、操作ハンドル18と関連付けられている。また、発射装置104の右側方には、払出制御基板115が設けられている。払出制御基板115は、主基板110からの遊技球の払い出しを指示する信号(球払出信号)を受信したことに基づいて払出装置100を駆動制御する。なお、主基板110は、後述する入賞口スイッチ36,42,63,83,95,96による遊技球の検出信号を受信することで、払出制御基板115に球払出信号を送信する。
次に、遊技盤4に区画形成された遊技領域12内に設けられる各種構成部材について図4を参照して説明する。図4は、遊技盤4を示す正面図である。
図4に示すように、遊技領域12のほぼ中央には、入賞振分装置40が配置されている。入賞振分装置40は、上端位置に配置された入賞口41(球入口)と、該入賞口41に入賞した遊技球を検出する入賞口スイッチ42(図9参照、球検出手段)と、入賞口41に入賞した遊技球を下方に誘導する螺旋形状の誘導通路43と、該誘導通路43の球排出口43aから落下排出された遊技球を視認可能に転動するクルーン転動板44(旋回転動板)と、該クルーン転動板44の球落下口44a(図6参照)から落下排出された遊技球を受け入れる下部空間45と、を備えている。
下部空間45には、モータ46(図8参照)の駆動に基づいて常時時計方向に回転する球受回転体47(球振分手段)が設けられている。球受回転体47の外周部分には、遊技球1個を受け入れる大きさに穿設された切欠部が全周に沿って3つ設けられ、そのうちの1つの切欠部が当選切欠部48を構成し、残り2つの切欠部が落選切欠部49を構成している。そして、当選切欠部48に入った遊技球は、球受回転体47の回転に伴って遊技盤4裏面の特別通路部50(図11参照)に送り込まれ、後述する当選遊技状態を発生させる。一方、落選切欠部49に入った遊技球は、球受回転体47の回転に伴って遊技盤4裏面の排出通路部51(図11参照)に送り込まれて回収される。なお、入賞振分装置40の詳細な構成については後述する。
入賞振分装置40の下方には、上部可変入賞球装置60(可変入賞球装置)が配置され、該上部可変入賞球装置60の下方には、下部可変入賞球装置80(可変入賞球装置)が配置されている。
上部可変入賞球装置60は、当該上部可変入賞球装置60を遊技盤4の表面(遊技領域12)に取り付けるための取付基板61を有している。取付基板61の上側部分には、遊技球1個分の大きさに形成された第1,第4の可変入賞口61a,61dが左右一対に穿設され、取付基板61の下側部分には、遊技球1個分の大きさに形成された第2,第3の可変入賞口61b,61cが左右一対に穿設されている。即ち、第1〜第4の可変入賞口61a〜61d(入賞口)が取付基板61の左上、左下、右下、右上の計4箇所に設けられている。
また、第1,第4の可変入賞口61a,61dが穿設された上側部分と、第2,第3の可変入賞口61b,61cが穿設された下側部分との間に位置する取付基板61の左右両端部には、それぞれ取付基板61の中央に向って下り傾斜した誘導突起61eが突設されている。左側の誘導突起61eは、第2可変入賞口61bの左上の近傍部分に突設されることで、当該誘導突起61e上に流下した遊技球を第2可変入賞口61b側に誘導する。右側の誘導突起61eは、第3可変入賞口61cの右上の近傍部分に突設されることで、当該誘導突起61e上に流下した遊技球を第3可変入賞口61c側に誘導する。
第1〜第4の可変入賞口61a〜61dには、それぞれ開閉部材62(回動部材)が設けられている。開閉部材62は、遊技盤4の裏面に設けられた開放機構及び閉鎖機構(遊技球の重さを物理的に利用した機構、詳細な構造は後述する)によって傾動位置(可変入賞口61a〜61dを開放する位置)と垂直位置(可変入賞口61a〜61dを閉鎖する位置)との間で移行可能になっている。具体的には、前述した当選切欠部48に入って特別通路部50に送り込まれた遊技球が遊技盤4裏面の開放機構を作動することで、第1〜第4の可変入賞口61a〜61dの全ての開閉部材62が垂直位置から傾動位置に移行し、第1〜第4の可変入賞口61a〜61dが開放するようになっている。即ち、開放機構は、特別通路部50に送り込まれた遊技球の作用によって全ての可変入賞口61a〜61dを開放するようになっている。
一方、開放状態にある第1〜第4の可変入賞口61a〜61dにおいて、遊技球が入賞するとその遊技球が遊技盤4裏面の閉鎖機構を作動することで、開閉部材62が傾動位置から垂直位置に移行して第1〜第4の可変入賞口61a〜61dを閉鎖するようになっている。但し、閉鎖機構は、各可変入賞口61a〜61d毎に作用し、第1〜第4の可変入賞口61a〜61dのうち遊技球が入賞した可変入賞口(開閉部材62)のみを閉鎖するようになっている。
また、第1〜第4の可変入賞口61a〜61dの裏面側には、それぞれ入賞した遊技球を個々の方向に誘導する誘導路64〜67(図22(B)参照)が連通して設けられ、各誘導路64〜67には、各可変入賞口61a〜61dに入った遊技球を検出するための入賞口スイッチ63(図22(B)参照)が設けられている。第1可変入賞口61aと連通する誘導路64は、第1可変入賞口61aに入った遊技球を後述する第1入賞球装置91の方向(具体的には、第1チューリップ式入賞口91cの開放機構)に誘導する。第2可変入賞口61bと連通する誘導路65は、第2可変入賞口61bに入った遊技球を後述する第2入賞球装置92の方向(具体的には、第2チューリップ式入賞口92cの開放機構)に誘導する。第3可変入賞口61cと連通する誘導路66は、第3可変入賞口61cに入った遊技球を後述する第3入賞球装置93の方向(具体的には、第3チューリップ式入賞口93cの開放機構)に誘導する。第4可変入賞口61dと連通する誘導路67は、第4可変入賞口61dに入った遊技球を後述する第4入賞球装置94の方向(具体的には、第4チューリップ式入賞口94bの開放機構)に誘導する。
次に、上部可変入賞球装置60の下方に配置された下部可変入賞球装置80について説明する。下部可変入賞球装置80は、当該下部可変入賞球装置80を遊技盤4の表面(遊技領域12)に取り付けるための取付基板81を有している。取付基板81の上側部分には、遊技球1個分の大きさに形成された第5,第8の可変入賞口81a,81dが左右一対に穿設され、取付基板81の下側部分には、遊技球1個分の大きさに形成された第6,第7の可変入賞口81b,81cが左右一対に穿設されている。即ち、上部可変入賞球装置60の第1〜第4の可変入賞口61a〜61dと同様に、第5〜第8の可変入賞口81a〜81d(入賞口)が取付基板81の左上、左下、右下、右上の計4箇所に設けられている。
また、第5,第8の可変入賞口81a,81dが穿設された上側部分と、第6,第7の可変入賞口81b,81cが穿設された下側部分との間に位置する取付基板81の左右両端部には、上部可変入賞球装置60の誘導突起61eと同様に、取付基板81の中央に向って下り傾斜した誘導突起81eが左右一対に突設されている。左側の誘導突起81eは、第6可変入賞口81bの左上の近傍部分に突設されることで、当該誘導突起81e上に流下した遊技球を第6可変入賞口81b側に誘導する。右側の誘導突起81eは、第7可変入賞口81cの右上の近傍部分に突設されることで、当該誘導突起81e上に流下した遊技球を第7可変入賞口81c側に誘導する。
第5〜第8の可変入賞口81a〜81dには、それぞれ遊技盤4の裏面に設けられた開放機構及び閉鎖機構(遊技球の重さを物理的に利用した機構、、詳細な構造は後述する)によって傾動位置(可変入賞口81a〜81dを開放する位置)と垂直位置(可変入賞口81a〜81dを閉鎖する位置)との間で移行可能な開閉部材82が設けられている。第5〜第8の可変入賞口81a〜81dの開放機構は、第1〜第4の可変入賞口61a〜61dの開放機構と同様に、当選切欠部48に入って特別通路部50に送り込まれた遊技球の自重によって作動して開閉部材82を垂直位置から傾動位置に移行することで、第5〜第8の可変入賞口81a〜81dを全て開放する。また、第5〜第8の可変入賞口81a〜81dの閉鎖機構についても、第1〜第4の可変入賞口61a〜61dの閉鎖機構と同様に、各可変入賞口81a〜81d毎に設けられて、第5〜第8の可変入賞口81a〜81dのうち遊技球が入賞した可変入賞口(開閉部材82)のみを閉鎖する。
また、第5〜第8の可変入賞口81a〜81dの裏面側には、それぞれ入賞した遊技球を誘導する誘導路84〜87(図22(B)参照)が連通して設けられ、各誘導路84〜87には、各可変入賞口81a〜81dに入った遊技球を検出するための入賞口スイッチ83(図22(B)参照)が設けられている。但し、各可変入賞口81a〜81dと連通する誘導路84〜87は、それぞれ可変入賞口81a〜81dに入った遊技球をそのままパチンコ機1の裏面側に排出する回収通路228〜231(図22(B)参照)に誘導する。なお、上部可変入賞球装置60及び下部可変入賞球装置80の詳細な構成については後述する。
上部可変入賞球装置60及び下部可変入賞球装置80の左右側方には、第1〜第4の入賞球装置91〜94が設けられている。第1入賞球装置91は、上部可変入賞球装置60の左側方における遊技領域12の側端位置に配置され、第2入賞球装置92は、下部可変入賞球装置80の左側方における近傍位置に配置されている。一方、第3入賞球装置93は、下部可変入賞球装置80の右側方における近傍位置に配置され、第4入賞球装置94は、上部可変入賞球装置60の右側方における遊技領域12の側端位置に配置されている。即ち、第1〜第4の入賞球装置91〜94のうち左右側端に位置する第1,第4の入賞球装置91,94は、第2,第3の入賞球装置92,93に比べて若干高い位置に配置されている。
第1入賞球装置91は、当該第1入賞球装置91を遊技盤4の表面(遊技領域12)に取り付けるための取付基板91aを有している。取付基板91aの上側部分には、入賞口スイッチ95(図5に符号のみ記載)が内臓された第1開放入賞口91bが設けられ、取付基板91aの下側部分には、入賞口スイッチ96(図5に符号のみ記載)が内臓されると共に左右一対の開閉片97を備えた第1チューリップ式入賞口91c(左右一対の開閉片を備えた可変入賞球装置のことであり、以下このような可変入賞球装置をチューリップ式入賞口という)が設けられている。開閉片97は、遊技盤4の裏面に設けられた開放機構及び閉鎖機構(遊技球の重さを物理的に利用した機構)によって傾動位置(第1チューリップ式入賞口91cを開放する位置)と垂直位置(第1チューリップ式入賞口91cを閉鎖する位置)との間で移行可能になっている。
第1チューリップ式入賞口91cの開放機構は、第1開放入賞口91bに入った遊技球の自重によって作動して開閉片97を垂直位置から傾動位置に移行することで、第1チューリップ式入賞口91cを開放する。一方、開放状態にある第1チューリップ式入賞口91cにおいて、遊技球が入賞するとその遊技球が遊技盤4裏面の閉鎖機構を作動することで、開閉片97が傾動位置から垂直位置に移行して第1チューリップ式入賞口91cを閉鎖する。即ち、第1開放入賞口91bに遊技球が入賞すると、その入賞特典として第1チューリップ式入賞口91cが開放され、第1チューリップ式入賞口91cに遊技球が入賞すると第1チューリップ式入賞口91cが閉鎖される。なお、第1チューリップ式入賞口91cの開放機構には、前述した第1可変入賞口61aに入った遊技球も送り込まれるものであり、当該遊技球による作動においても、同様に第1チューリップ式入賞口91cを開放する。即ち、第1チューリップ式入賞口91cは、第1開放入賞口91bへの入賞及び第1可変入賞口61aへの入賞と連動して開放するようになっている。
次に、第2〜第4の入賞球装置92〜94について説明する。但し、第2〜第4の入賞球装置92〜94は、それぞれ第1入賞球装置91と同一の構成部材によって構成される。このため、同一の構成部材における詳細な説明は省略すると共に、同一の構成部材には同一の符号を付して説明を行う。第2入賞球装置92は、当該第2入賞球装置92を遊技盤4の表面(遊技領域12)に取り付けるための取付基板92aを有している。取付基板92aには、第1入賞球装置91の取付基板91aと同様に、入賞口スイッチ95が内臓された第2開放入賞口92bと、入賞口スイッチ96が内臓されると共に左右一対の開閉片97を備えた第2チューリップ式入賞口92cとが設けられている。第2チューリップ式入賞口92cの開放機構は、第1チューリップ式入賞口91cの開放機構と同様に、第2開放入賞口92bに入った遊技球の自重によって作動して開閉片97を垂直位置から傾動位置に移行することで、第2チューリップ式入賞口92cを開放する。
一方、第2チューリップ式入賞口92cの閉鎖機構についても、第1チューリップ式入賞口91cの閉鎖機構と同様に、開放状態にある第2チューリップ式入賞口92cにおいて、遊技球が入賞するとその遊技球が遊技盤4裏面の閉鎖機構を作動することで、開閉片97が傾動位置から垂直位置に移行して第2チューリップ式入賞口92cを閉鎖する。即ち、第2開放入賞口92bに遊技球が入賞すると、その入賞特典として第2チューリップ式入賞口92cが開放され、第2チューリップ式入賞口92cに遊技球が入賞すると第2チューリップ式入賞口92cが閉鎖される。なお、第2チューリップ式入賞口91cの開放機構には、前述した第2可変入賞口61bに入った遊技球も送り込まれるものであり、当該遊技球による作動においても、同様に第2チューリップ式入賞口92cを開放する。即ち、第2チューリップ式入賞口92cは、第2開放入賞口92bへの入賞及び第2可変入賞口61bへの入賞と連動して開放するようになっている。
第3入賞球装置93は、当該第3入賞球装置93を遊技盤4の表面(遊技領域12)に取り付けるための取付基板93aを有している。取付基板93aには、第1入賞球装置91の取付基板91aと同様に、入賞口スイッチ95が内臓された第3開放入賞口93bと、入賞口スイッチ96が内臓されると共に左右一対の開閉片97を備えた第3チューリップ式入賞口93cとが設けられている。第3チューリップ式入賞口93cの開放機構は、第1チューリップ式入賞口91cの開放機構と同様に、第3開放入賞口93bに入った遊技球の自重によって作動して開閉片97を垂直位置から傾動位置に移行することで、第3チューリップ式入賞口93cを開放する。
一方、第3チューリップ式入賞口93cの閉鎖機構についても、第1チューリップ式入賞口91cの閉鎖機構と同様に、開放状態にある第3チューリップ式入賞口93cにおいて、遊技球が入賞するとその遊技球が遊技盤4裏面の閉鎖機構を作動することで、開閉片97が傾動位置から垂直位置に移行して第3チューリップ式入賞口93cを閉鎖する。即ち、第3開放入賞口93bに遊技球が入賞すると、その入賞特典として第3チューリップ式入賞口93cが開放され、第3チューリップ式入賞口93cに遊技球が入賞すると第3チューリップ式入賞口93cが閉鎖される。なお、第3チューリップ式入賞口93cの開放機構には、前述した第3可変入賞口61cに入った遊技球も送り込まれるものであり、当該遊技球による作動においても、同様に第3チューリップ式入賞口93cを開放する。即ち、第3チューリップ式入賞口93cは、第3開放入賞口93bへの入賞及び第3可変入賞口61cへの入賞と連動して開放するようになっている。
第4入賞球装置93は、当該第4入賞球装置93を遊技盤4の表面(遊技領域12)に取り付けるための取付基板94aを有している。取付基板94aには、第1入賞球装置91の取付基板91aと同様に、入賞口スイッチ95が内臓された第4開放入賞口94bと、入賞口スイッチ96が内臓されると共に左右一対の開閉片97を備えた第4チューリップ式入賞口94cとが設けられている。第4チューリップ式入賞口94cの開放機構は、第1チューリップ式入賞口91cの開放機構と同様に、第4開放入賞口94bに入った遊技球の自重によって作動して開閉片97を垂直位置から傾動位置に移行することで、第4チューリップ式入賞口94cを開放する。
一方、第4チューリップ式入賞口94cの閉鎖機構についても、第1チューリップ式入賞口91cの閉鎖機構と同様に、開放状態にある第4チューリップ式入賞口94cにおいて、遊技球が入賞するとその遊技球が遊技盤4裏面の閉鎖機構を作動することで、開閉片97が傾動位置から垂直位置に移行して第4チューリップ式入賞口94cを閉鎖する。即ち、第4開放入賞口94bに遊技球が入賞すると、その入賞特典として第4チューリップ式入賞口94cが開放され、第4チューリップ式入賞口94cに遊技球が入賞すると第4チューリップ式入賞口94cが閉鎖される。なお、第4チューリップ式入賞口94cの開放機構には、前述した第4可変入賞口61dに入った遊技球も送り込まれるものであり、当該遊技球による作動においても、同様に第4チューリップ式入賞口94cを開放する。即ち、第4チューリップ式入賞口94cは、第4開放入賞口94bへの入賞及び第4可変入賞口61dへの入賞と連動して開放するようになっている。
また、遊技領域12には、上記した構成以外にも、一般入賞口37やアウト口38等が設けられている。一般入賞口37は、受け入れた遊技球を遊技盤4裏面に設けられた入賞口スイッチ36(図5に符号のみ記載)に誘導するものであり、入賞振分装置40の上方及び左右側方の計3箇所に配置されている。アウト口38は、遊技領域12の最下端に設けられ、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を受け入れてアウト球として回収する。
次に、パチンコ機1の裏面側に設けられる主基板110及びサブ統合基板120について図5を参照して説明する。図5は、主基板110及びサブ統合基板120を示すブロック図である。
図5に示すように、主基板110は、主制御基板111および払出制御基板115によって構成されている。主制御基板111は、中央演算装置としてのCPU112、読み出し専用メモリとしてのROM113、読み書き可能メモリとしてのRAM114を備えている。CPU112は、ROM113に格納されている遊技制御プログラムを実行することによりパチンコ機1で行われる各種遊技を制御すると共に、払出制御基板115及びサブ統合基板120に送信する信号を作成したりする。また、RAM114には、主制御基板111で実行される種々の処理において生成される各種データや入力信号等の情報が一時的に記憶される。
主制御基板111には、入賞口スイッチ36,42,63,83,95,96、及び当選スイッチ182からの検出信号が入力される。そして、CPU112は、入力された検出信号に応じた処理を実行する。即ち、入力された検出信号に基づいてサブ統合基板120にコマンド信号を出力すると共に、払出制御基板115に球払出信号を出力する。
払出制御基板115は、中央演算装置としてのCPU116、読み出し専用メモリとしてのROM117、読み書き可能メモリとしてのRAM118を備えている。そして、払出制御基板115は、主制御基板111から受信した球払出信号を処理し、払出装置100(払出モータ)に駆動信号を出力する。払出装置100は、駆動信号の入力に基づいて遊技球の払い出しを行う。
サブ統合基板120は、CPU121、ROM122、RAM123を備えている。CPU121は、ROM122に格納されている制御プログラムに従ってコマンド信号を処理する。RAM123には、サブ統合基板120で実行される種々の処理において生成される各種データや入出力信号等の情報が一時的に記憶される。サブ統合基板120は、主制御基板111からのコマンド信号に基づいて装飾ランプ157,169、モータ46、スピーカ14,29を制御する。また、サブ統合基板120には、落選スイッチ181からの検出信号が入力される。
ここで、遊技内容について簡単に説明する。基本的な遊技内容としては、遊技領域12内に打ち込まれた遊技球がいずれかの入賞口に入賞すると(いずれかの入賞口スイッチ36,42,63,83,95,96によって遊技球が検出されると)、その入賞に基づいて所定数の遊技球が払い出される。本実施形態では、入賞口の種類に関わらず、1個の入賞に対して一律13個の遊技球が賞球として払い出される。また、遊技領域12内に打ち込まれた遊技球が入賞振分装置40の入賞口41に入賞した場合、当該遊技球は、誘導通路43を通ってクルーン転動板44上に排出される。その後、遊技球は、クルーン転動板44上を旋回した後に球落下口44aから下部空間45に送り込まれ、常時回転する球受回転体47の回転動作に応じて当選切欠部48又は落選切欠部49のいずれか一方にはまり込む。落選切欠部49に入った遊技球は、球受回転体47の回転に伴って排出通路部51に送り込まれて回収される。一方、当選切欠部48に入った遊技球は、球受回転体47の回転に伴って特別通路部50に送り込まれ、当選遊技状態を発生させる。
当選遊技状態について説明する。当選遊技状態とは、特別通路部50に送り込まれた遊技球の自重によって開放機構を作動して第1〜第8の可変入賞口61a〜61d,81a〜81dを全て開放した状態である。そして、開放状態にある第1〜第8の可変入賞口61a〜61d,81a〜81dにおいて遊技球が入賞すると、入賞した可変入賞口を順次閉鎖していく。また、このとき、第1〜第4の可変入賞口61a〜61dについては、入賞した可変入賞口と対応するチューリップ式入賞口を順次開放する。具体的には、第1可変入賞口61aに入賞があると、当該入賞した遊技球の自重によって開放機構を作動して第1チューリップ式入賞口91cを開放する。第2可変入賞口61bに入賞があると、当該入賞した遊技球の自重によって開放機構を作動して第2チューリップ式入賞口92cを開放する。第3可変入賞口61cに入賞があると、当該入賞した遊技球の自重によって開放機構を作動して第3チューリップ式入賞口93cを開放する。第4可変入賞口61dに入賞があると、当該入賞した遊技球の自重によって開放機構を作動して第4チューリップ式入賞口94cを開放する。
即ち、当選遊技状態が発生した場合には、第1〜第8の可変入賞口61a〜61d,81a〜81d及び第1〜第4のチューリップ式入賞口91c〜94cの計12個の入賞口を開放して、遊技者に入賞機会を多く与えるようになっている。なお、第1〜第4のチューリップ式入賞口91c〜94cは、当選遊技状態が発生していない状態においても、前述したように第1〜第4の開放入賞口91b〜94bへの各入賞と連動して開放するものである。また、当選遊技状態が発生している状態、言い換えれば第1〜第8の可変入賞口61a〜61d,81a〜81dのうちいずれかの可変入賞口が開放している状態で、入賞口41に入賞した遊技球が特別通路部50に送り込まれた場合、開放中の可変入賞口の閉鎖を待つことなく、遊技球が開放機構を作動した時点で、再度全ての可変入賞口61a〜61d,81a〜81dを開放する。
次に、入賞振分装置40の詳細な構成について図6乃至図11を参照して説明する。図6は、入賞振分装置40を示す斜視図である。図7は、入賞振分装置40を示す正面図である。図8は、図7のA−A線断面図である。図9は、図7のB−B線断面図である。図10は、入賞振分装置40の下部空間45に設けられた当選穴178と落選穴177とを示す正面図である。図11は、入賞振分装置40の下部空間45に設けられた特別通路部50と排出通路部51とを示す正面図である。
図6及び図7に示すように、入賞振分装置40は、当該入賞振分装置40を遊技盤4の表面(遊技領域12)に取り付けるための取付基板140(通路取付部材)を有している。取付基板140の外周部分には、遊技領域12にビス止めするための取付穴141が複数穿設されており、内側部分には、上部開口142と下部開口143とが上下二段に穿設されている。取付基板140の前面側には、入賞口41を形成する前面装飾部材144が一体的に取り付けられる一方、取付基板140の裏面側には、入賞振分装置40を構成する各種構成部材を取り付けるための取付フランジ部145が上部開口142及び下部開口143の外周端に沿って一体的に形成されている。
入賞口41が形成される取付基板140上端の裏面側には、図8に示すように、入賞口41に入った遊技球を誘導するための球通路146が形成され、該球通路146の下流端には、入賞口スイッチ42が取り付けられる。入賞口スイッチ42の下方となる上部開口142内には、誘導通路43を形成する通路部材147が取り付けられる。通路部材147は、図9に示すように、螺旋形状の誘導通路43を形成する通路形成部148と、該通路形成部148の裏面に一体的に形成された板状取付部149と、を備える。通路形成部148には、入賞口スイッチ42を通過した遊技球の落下部分に緩衝誘導突起148aが突設されている。この緩衝誘導突起148aは、落下してくる遊技球の衝撃力を弱めてスムーズに誘導通路43に誘導するためのものである。また、通路形成部148の前端部分には、取付基板140に形成された係合凹部150(係合穴)との係合によって通路部材147を取付基板140に取り付ける係合突起151(遊嵌取付部)が突設されている。なお、係合凹部150の横幅寸法は、係合突起151の横幅寸法に比べて大きく設定されており、係合突起151と係合凹部150との係合は、取付基板140に対する通路部材147の上下方向の位置決めを行うと共に前方(図8に示す左方向)への移動を規制するものであり、横方向(図9に示す左右方向)の位置決めは行わない。
板状取付部149は、長方形の板形状をなし、その左右両端部分が取付フランジ部145に穿設された取付切込部152と係合する取付突片部153を構成している。取付突片部153と取付切込部152との係合は、係合突起151と係合凹部150との係合と同様に、取付基板140に対する通路部材147の上下方向の位置決めを行うと共に前方への移動を規制するものであり、横方向の位置決めは行わない。また、板状取付部149の後端部分には、後述する透光装飾板156に穿設された係合穴160と係合する係合突起154(遊嵌取付部)が突設されている。なお、通路形成部148及び板状取付部149を備えた通路部材147は、透明な合成樹脂材料によって一体成形されており、誘導通路43を通過する遊技球は、遊技者側から視認可能となっている。
通路部材147の下方となる上部開口142の下端には、クルーン転動板44を形成する転動板部材155が取り付けられる。転動板部材155は、ほぼ正方形の板形状をなし、その上面には円盤形状をなすクルーン転動板44が凹設されている。クルーン転動板44の板面は、中心に向って徐々に下り傾斜した傾斜面に形成され、その中心部分には、下部空間45と連通する球落下口44aが遊技球1個分の大きさで穿設されている。これにより、入賞口41に入った遊技球は、誘導通路43を螺旋状に転動した後、誘導通路43の球排出口43aからクルーン転動板44上に落下し、円盤形状のクルーン転動板44上を旋回し、最終的に球落下口44aを落下して下部空間45に送り込まれる。
通路部材147の裏面側には、透光性を有する合成樹脂板からなる透光装飾板156と、複数の装飾ランプ157(発光手段)が実装されたランプ基板158と、が設けられる。ランプ基板158は、透光装飾板156の裏面に突設された取付ボス159に一体的にビス止めされる。そして、ランプ基板158を一体的に取り付けた透光装飾板156は、該透光装飾板156の左右両端に突設された取付片部156aが取付フランジ部145に形成された取付ボス145aにビス止めされる。これにより、通路部材147と転動板部材155とが取り付けられた上部開口142には、その後端部分を塞ぐようにして透光装飾板156が取り付けられる。なお、透光装飾板156の裏面側に配置された装飾ランプ157は、各種遊技状態に応じたサブ統合基板120の制御に基づいて点灯・点滅が行われ、透光装飾板156を通して上部開口142内を光装飾する。
また、透光装飾板156(遊嵌取付部)には、取付基板140への取付状態において通路部材147の係合突起154と係合する係合穴160が穿設されている。係合穴160の横幅寸法は、係合突起154の横幅寸法に比べて若干大きく設定されている(図9参照)。このため、係合突起154と係合穴160との係合は、透光装飾板156(即ち、透光装飾板156をビス止めした取付基板140)に対する通路部材147の上下方向の位置決めを行うと共に後方(図8に示す右方向)への移動を規制するものであり、横方向(図9に示す左右方向)の位置決めは行わない。但し、係合穴160と係合突起154との横幅寸法差(隙間)は、前述した係合凹部150と係合突起151との横幅寸法差よりも小さく設定されている。これにより、通路部材147は、係合穴160と係合突起154との横幅寸法差(隙間)だけ左右方向に移動し得る遊びを持って取付基板140に取り付けられることになる。
ここで、上記したような遊びを持った通路部材147の取付構造について説明する。誘導通路43を形成する通路部材147は、前述したように通路形成部148の係合突起151が取付基板140の係合凹部150と横方向(図9に示す左右方向)の遊びを持って係合(遊嵌)されると共に、板状取付部149の取付突片部153及び係合突起154が個々に取付基板140の取付切込部152及び透光装飾板156の係合穴160と横方向(図9に示す左右方向)の遊びを持って係合(遊嵌)されることで、取付基板140に取り付けられる。従って、誘導通路43内を遊技球が通過する際、遊技球の流下によって通路部材147が移動する。即ち、取付基板140における通路部材147の取付位置が変わる。このため、遊技球の流下態様に応じて球排出口43aとクルーン転動板44との相対的な位置関係が変わることとなり、球排出口43aからクルーン転動板44上に排出される遊技球の排出位置を変えることができる。その結果、クルーン転動板44上での遊技球の旋回軌跡を多様化することができ、ひいては遊技球の転動における視覚的な興趣を低下することがない。また、この構成によれば、誘導通路43を形成する通路部材147の取り付けに遊びを設けるという簡単な構成で遊技球の旋回軌跡が多様化できる。
また、上記した遊技球の旋回軌跡を多様化する構成は、その旋回軌跡毎で遊技球が入賞口41に入ってから球落下口44aを落下するまでの時間を異ならせることができる。従って、球振分手段を構成する球受回転体47の当選切欠部48に遊技球が入るタイミングを見計らって遊技者が遊技球の打ち込み操作を行っても、必ずしも遊技球は当選切欠部48に入らなくなる。即ち、遊技球の旋回軌跡を多様化することで、当選切欠部48への遊技球の狙い打ちを阻止することができる。
なお、上記したような遊技球を螺旋状に転動してクルーン転動板44上に落下させる誘導通路43は、様々な流下速度で入賞口41に入った遊技球の速度及び流下方向を整えてクルーン転動板44上に送り込む遊技球の整流機能を持つものであり、このような整流機能を持った中で、クルーン転動板44上に排出される遊技球の排出位置に若干の変化を持たせて、前述したような遊技球の旋回軌跡の多様化を招来すると共に、当選切欠部48への遊技球の狙い打ちを阻止するようになっている。
一方、下部空間45を形成する取付基板140の下部開口143には、該下部開口143内(下部空間45)を遊技者側から視認可能に被覆する透明被覆板161と、該透明被覆板161との間で球落下口44aから送り込まれた遊技球の誘導空間162aを形成する透明仕切板162と、が取り付けられ、該透明仕切板162の裏面側には、球受回転体47を取付基板140に取り付けるための取付部材163と、球受回転体47の上方を覆う被覆部材164と、が設けられる。
透明仕切板162の中央下端部分には、透明仕切板162の裏面側に配置される球受回転体47に誘導空間162a内の遊技球を送り出す送出開口165が穿設されている。送出開口165は、遊技球3個分程度の横幅寸法と遊技球2個程度の縦幅寸法を有した長方形の開口形状をなす。
なお、誘導空間162aの下面は、下部開口143の下辺部分に形成された取付フランジ部145の一部によって構成され、中央及び後側(球受回転体47側)に向って徐々に下り傾斜して形成されている。これにより、誘導空間162a内に送り込まれた遊技球は、自然流下によって送出開口165から球受回転体47側に送り出される。また、誘導空間162a内には、正面から見て円弧形状をなす緩衝突片部166が設けられている。緩衝突片部166は、被覆部材164の前端部分に一体的に形成され、透明仕切板162に穿設された貫通穴を通して誘導空間162a内に配置される。これにより、球落下口44aを落下した遊技球は、一旦、緩衝突片部166で受けられて落下速度を弱めた後に左右いずれかの方向に振り分けられて送出開口165に誘導される。
また、透明被覆板161には、正面から見て送出開口165よりも若干外側となる左右二箇所に操作穴167が穿設されている。操作穴167は、誘導空間162a下端での球詰りを解消するための穴である。具体的には、複数の遊技球が連続的に入賞口41に入ることで誘導空間162aの下端で球詰りが生じるような場合、細長い棒状の操作道具を操作穴167から誘導空間162a内に挿入して球詰りを生じた遊技球を押し込むことで、誘導空間162a下端での球詰りを解消する。
被覆部材164は、透明な合成樹脂材料によって形成され、前述した緩衝突片部166と、正面から見て球受回転体47以外の領域となる部分で透明仕切板162の裏面と当接する装飾面部168と、を備えている。装飾面部168の裏面には、複数の装飾ランプ169(光照射手段)が実装されたランプ基板170が取り付けられている。これにより、装飾面部168の裏面側に配置された装飾ランプ169は、各種遊技状態に応じたサブ統合基板120の制御に基づいて点灯・点滅が行われ、装飾面部168を通して球受回転体47の外周を光装飾する。
取付部材163は、球受回転体47を支承する支承面部171を備えている。支承面部171は、円盤形状をなす球受回転体47よりも若干大きめの凹面形状に形成されており、奥側部分が手前側部分に比べて上方に傾いた傾斜面をなしている。これに伴って、球受回転体47は、奥側部分が手前側部分に比べて上方に傾いて取り付けられ、球受回転体47の外周部分に穿設された3つの切欠部(1つの当選切欠部48と2つの落選切欠部49)が遊技者側から視認し易くなっている。
図10に示すように、支承面部171の中央部分には、球受回転体47の回転軸172を挿通するための挿通穴173が穿設されている。回転軸172は、その上端部分が球受回転体47裏面の中心に一体的に取り付けられ、挿通穴173に設けられた軸支部173aに回転自在に支持されている。一方、回転軸172の下端部分には、ギヤ174が一体的に取り付けられている。ギヤ174には、取付部材163に回転自在に取り付けられたギヤ175が歯合され、該ギヤ175の中心には、球受回転体47の駆動源となるモータ46の駆動軸46aが一体的に取り付けられている。
しかして、モータ46の駆動軸46aが回転することで、ギヤ175が一体的に回転し、ギヤ175の回転と連動してギヤ174が回転する。そして、ギヤ174が一体的に取り付けられた回転軸172が回転することにより、球受回転体47が傾斜した支承面部171上で回転する。なお、モータ46の駆動軸46aは、電源投入後常に一方向に回転するようになっており、これに伴って球受回転体47は、稼動期間中常に一方向(遊技者側から見て時計方向)に回転するように構成されている。
円盤形状をなす球受回転体47の外周部分には、前述したように遊技球1個を受け入れる大きさの切欠となる1つの当選切欠部48と2つの落選切欠部49とが穿設されている。これら3つの切欠部48,49は、球受回転体47の外周に沿って一定間隔を置いて設けられている。即ち、球受回転体47の全周(360°)を三等分した120°の等間隔を置いて3つの切欠部48,49が設けられている。そして、入賞口41に入った遊技球が誘導空間162a内に送り込まれた状態で、いずれかの切欠部48,49が誘導空間162aの下端中央位置に回転すると、当該切欠部に誘導空間162a内の遊技球が入り込む。なお、当選切欠部48の近傍となる球受回転体47の上面部分には、当該切欠部が他の2つの切欠部(落選切欠部49)とは異なることを遊技者に認識させる認識シール(図示しない、例えば「V」の文字が付されたシール(当落判別部))を貼付するための凹部176が形成されている。
当選切欠部48は、その切込寸法(球受回転体47の外周端部から中心方向への切欠寸法)がほぼ遊技球の直径と同一に設定されている。一方、落選切欠部49の切込寸法は、遊技球の直径よりも若干大きめに設定されている。このため、落選切欠部49に入った遊技球は、傾斜した球受回転体47の回転に伴って(落選切欠部49が上方に移動することに伴って)徐々に球受回転体47の中心方向に移動するようになっている。これに対して、当選切欠部48に入った遊技球は、当選切欠部48がいずれの回転位置に移動しても当選切欠部48内で移動することはなく、一定の位置に保持される。
また、支承面部171の左上側部分には、落選穴177が遊技球1個分の大きさに穿設されており、支承面部171の右上側部分には、当選穴178が遊技球1個分の大きさに穿設されている。落選穴177は、挿通穴173に挿通される回転軸172からの距離、即ち球受回転体47の中心からの距離が当選穴178に比べて短い位置に穿設されている。具体的に、落選穴177は、球受回転体47の回転(落選切欠部49の上方移動)に伴って落選切欠部49内で移動した遊技球の位置と対応した箇所に穿設されている。一方、当選穴178は、当選切欠部48内に保持された遊技球の位置と対応した箇所に穿設されている。
しかして、落選切欠部49に入った遊技球は、球受回転体47の回転に伴って徐々に球受回転体47の中心方向に移動し、落選切欠部49が落選穴177の位置まで回転したときに落選穴177に入り込む。一方、当選切欠部48に入った遊技球は、当選切欠部48内で保持されているため(球受回転体47の中心方向に移動しないため)、当選切欠部48が落選穴177の位置まで回転しても落選穴177に入り込むことがない。その後、落選穴177を通過した遊技球は、当選切欠部48が当選穴178の位置まで回転したときに当選穴178に入り込む。
なお、落選穴177の近傍となる支承面部171の上面部分には、落選切欠部49内の遊技球をスムーズに落選穴177に送り込むための誘導溝179が形成されており、当選穴178の近傍となる支承面部171の上面部分には、当選切欠部48内の遊技球をスムーズに当選穴178に送り込むための誘導溝180が形成されている。
また、図11に示すように、落選穴177の下方には、落選穴177に入った遊技球を検出するための落選スイッチ181(排出球検出手段)が設けられ、該落選スイッチ181の下方には、落選スイッチ181を通過した遊技球を回収する前述の排出通路部51が連通して設けられている。一方、当選穴178の下方には、当選穴178に入った遊技球を検出するための当選スイッチ182(特別球検出手段)が設けられ、該当選スイッチ182の下方には、当選スイッチ182を通過した遊技球を第1〜第8の可変入賞口61a〜61d,81a〜81dの開放機構に誘導する前述の特別通路部50が連通して設けられている。なお、当選スイッチ182による遊技球の検出に基づいて、前述した主制御基板111からサブ統合基板120(音発生制御手段)にコマンド信号が出力される。そして、当該コマンド信号の制御に基づいて、スピーカ14,29(音発生手段)から当選遊技状態が発生する旨を遊技者に認識させる効果音が発生されることで、遊技の興趣を向上するようになっている。
ところで、以上説明した球受回転体47により遊技球を特別通路部50又は排出通路部51に振り分ける構成では、誘導空間162a内に複数の遊技球が停留されたときに、当該複数の遊技球を連続的に特別通路部50に誘導して遊技者に不利益感を与えることを回避するようになっている。即ち、前述したように当選遊技状態が発生している状態、言い換えれば第1〜第8の可変入賞口61a〜61d,81a〜81dのうちいずれかの可変入賞口が開放している状態で、遊技球が特別通路部50に送り込まれた場合、開放中の可変入賞口の閉鎖を待つことなく、遊技球が開放機構を作動した時点で、再度全ての可変入賞口61a〜61d,81a〜81dを開放するようになっている。このため、仮に複数の遊技球を連続的に特別通路部50に誘導する構成とした場合には、複数の遊技球が特別通路部50に誘導されたにも拘わらず、結果としては、1個の遊技球が特別通路部50に誘導されたのと同じこと(当選遊技状態が1回だけ発生すること)になってしまい、遊技者に不利益感を与えることになる。
しかしながら、本実施形態の構成によれば、遊技球1個分の大きさの当選切欠部48と落選切欠部49とが外周部分に穿設された球受回転体47を奥側部分が手前側部分に比べて上方に傾くように取り付けると共に、当選切欠部48に入り込んだ遊技球を特別通路部50に送り込む当選穴178を支承面部171の上側部分に穿設している。そして、球受回転体47の当選切欠部48には遊技球1個のみが入り込み、当選切欠部48が当選穴178と一致する位置(上側)まで球受回転体47が回転したときに、当選切欠部48の遊技球を特別通路部50(当選穴178)に送り込むようになっている。このため、誘導空間162a内に複数の遊技球が停留された状態でも、連続的に複数の遊技球を特別通路部50(当選穴178)に送り込むことがないので、遊技者に不利益感を与えることがない。また、誘導空間162a内に4個の遊技球が停留され、1個目の遊技球が特別通路部50に誘導された場合には、その1個目の遊技球によって当選遊技状態を発生させ、2個目3個目の遊技球が排出通路部51に誘導された後に、4個目の遊技球が再度特別通路部50に誘導されることで、その間に閉鎖された可変入賞口(61a〜61d,81a〜81d)を再び開放して当選遊技状態を発生させることができる。
次に、上部可変入賞球装置60及び下部可変入賞球装置80の詳細な構成について図12乃至図19を参照して説明する。但し、上部可変入賞球装置60と下部可変入賞球装置80は、同一の構成部材によって構成されるため、便宜的に上部可変入賞球装置60の構成についてのみ説明を行う。図12は、上部可変入賞球装置60を示す斜視図である。図13は、上部可変入賞球装置60を示す正面図である。図14(A)は、図13のC−C線断面図であり、図14(B)は、図13のD−D線断面図である。図15は、開閉部材62を示す背面斜視図である。図16は、開閉部材62、ストッパー部材204、及び開閉係合部材214を示す背面斜視図である。図17は、後側構成体191の所定部分で切った上部可変入賞球装置60を示す背面図である。図18は、開閉係合部材214による開閉部材62の開閉動作を示す説明図である。図19は、ストッパー部材204による開閉部材62の開放保持動作を示す説明図である。
図12及び図13に示すように、上部可変入賞球装置60は、前記取付基板61を有しており、該取付基板61の外周部分には、遊技領域12にビス止めするための取付穴190が複数穿設されている。取付基板61の前面には、前述したように開閉部材62が個々に開閉自在に取り付けられた第1〜第4の可変入賞口61a〜61dが穿設されると共に、遊技球を第2可変入賞口61b側及び第3可変入賞口61c側に個々に誘導する左右一対の誘導突起61eが突設されている。一方、取付基板61の裏面側には、前述した開閉部材62の開放機構及び閉鎖機構を構成する各種構成部材を収容すると共に各誘導路64〜67を形成する前側及び後側の各構成体191,192が一体的に取り付けられている。
図14(A)に示すように、開閉部材62は、支軸193(開閉支軸)を中心として回動自在に取付基板61に取り付けられる(同図中には、第1,第2の可変入賞口61a,61bと個々に連通する開閉部材62のみを図示)。開閉部材62は、図15に示すように、支軸193が軸支される軸支部194(開閉軸支部)と、可変入賞口(61a〜61b)を開閉する開閉板部195と、を備えている。開閉板部195の裏面は、開放状態で受け入れた遊技球を支承して後方に誘導する支承誘導面196として構成され、該支承誘導面196の下端部分は、軸支部194よりも下方に延設されている。
支承誘導面196の両側端には、それぞれ側壁面が立設されており、一側壁面には、開閉係合部材214との係合によって開閉部材62を開放する開放係合部197が形成されている。また、一側壁面側となる下方への延設部分には、開放係合部197と連続的に閉鎖保持部198が形成されている。閉鎖保持部198は、開閉係合部材214との係合によって開閉部材62の閉鎖状態を保持する。一方、他側壁面側となる下方への延設部分には、ストッパー部材204との係合によって開閉部材62の開放状態を保持する保持係合凹部199が形成されている。保持係合凹部199の側端部分には、開閉検出アーム200が延設されている。開閉検出アーム200は、開閉部材62の開閉動作に応じてフォトセンサ(図示しない)の光送受信部の遮断及び開放を行うことで、開閉部材62の開閉状態を検出する。
開閉板部195の上端部分には、支軸193を中心とした開閉部材62の回動バランスを調節することで、開閉部材62の開閉動作をスムーズに行わせる棒状錘201が埋設されている。即ち、開閉部材62の閉鎖時には、起立状態(垂直位置)にある開閉板部195の上端に棒状錘201が位置することで、開閉部材62の閉鎖状態を保つ一方、開閉部材62の開放時には、傾動する開閉板部195上端の棒状錘201がその重さによって開閉部材62の開放動作を促進する。また、開閉板部195の前面には、開放規制突片202が突設されている。開放規制突片202は、取付基板61の前面に突設された規制凸部61fとの当接によって開閉部材62の開放を規制する。
なお、図15に示す開閉部材62は、正面から見て上部可変入賞球装置60(取付基板61)の右側に配置される可変入賞口(第3可変入賞口61c又は第4可変入賞口61d)と対応する開閉部材であり、正面から見て上部可変入賞球装置60(取付基板61)の左側に配置される可変入賞口(第1可変入賞口61a又は第2可変入賞口61b)と対応する開閉部材は、図15に示す開閉部材62と左右対称な形状をなすものである。即ち、図16に示すように、各可変入賞口61a〜61dに開閉部材62を取り付けた状態で、開放係合部197及び閉鎖保持部198は、上部可変入賞球装置60(取付基板61)の中央側に配置される一方、保持係合凹部199及び開閉検出アーム200は、上部可変入賞球装置60(取付基板61)の外側に配置されるようになっている。
また、上部可変入賞球装置60(取付基板61)の上側に配置される可変入賞口(第1可変入賞口61a及び第4可変入賞口61d)と対応する左右対称の開閉部材62は、それぞれ単一の支軸193によって取付基板61に軸支され、同様に、下側に配置される可変入賞口(第2可変入賞口61b及び第3可変入賞口61c)と対応する左右対称の開閉部材62もそれぞれ単一の支軸193によって取付基板61に軸支される。
前側構成体191には、各可変入賞口61a〜61dと個々に連通する球誘導部203a〜203dが形成されている(図14(A)及び図17参照、但し、図14(A)中には第1,第2の可変入賞口61a,61bと個々に連通する球誘導部203a,203bのみを図示)。各球誘導部203a〜203d内には、それぞれ開閉部材92の開放状態を保持するストッパー部材204が設けられている。ストッパー部材204は、開放中の開閉部材62(支承誘導面196)から送り込まれる遊技球を受ける球受面部205と、該球受面部205の上端に設けられて支軸206(ストッパー支軸)を中心として回動自在にストッパー部材204を前側構成体191に取り付ける軸支部207(ストッパー軸支部)と、を備えている。
球受面部205の一側下端には、前記保持係合凹部199との係合によって開閉部材62の開放状態を保持する係合爪208が形成されている。また、球受面部205の裏面には、支軸206を中心としたストッパー部材204の回動バランスを調節することで、係合爪208と保持係合凹部199との係合状態を確実にする棒状錘209が一体的に取り付けられている。なお、ストッパー部材204は、開閉部材62と同様に、左側の可変入賞口(第1可変入賞口61a及び第2可変入賞口61b)と右側の可変入賞口(第3可変入賞口61c及び第4可変入賞口61d)とで左右対称な形状をなす。また、上側の可変入賞口(第1可変入賞口61a及び第4可変入賞口61d)と対応する左右対称のストッパー部材204は、それぞれ単一の支軸206によって前側構成体191に軸支され、同様に、下側の可変入賞口(第2可変入賞口61b及び第3可変入賞口61c)と対応する左右対称のストッパー部材204もそれぞれ単一の支軸206によって前側構成体191に軸支される。
後側構成体192には、図17に示すように、各球誘導部203a〜203dと個々に連通する球誘導部210a〜210dが形成されており、各球誘導部210a〜210dの球排出口211a〜211dは、それぞれ後側構成体192の左右側壁部分に穿設されている。即ち、左側の可変入賞口(第1可変入賞口61a及び第2可変入賞口61b)と対応する球誘導部210a,210bは、それぞれ可変入賞口に入って各球誘導部203a,203bを通過した遊技球を遊技盤4裏面で左側に誘導する一方、右側の可変入賞口(第3可変入賞口61c及び第4可変入賞口61d)と対応する球誘導部210c,210dは、それぞれ可変入賞口に入って各球誘導部203c,203dを通過した遊技球を遊技盤4裏面で右側に誘導するようになっている。
球誘導部210a〜210dには、それぞれ前記入賞口スイッチ63を取り付けるためのスイッチ取付部212が形成されている。スイッチ取付部212には、入賞口スイッチ63を着脱自在に取り付ける係合爪212aが設けられている。そして、入賞口スイッチ63の後端部と係合爪212aとの係合によって、入賞口スイッチ63の球検出穴63a(図14(A)参照)が各球誘導部210a〜210dと連通して取り付けられることで、球誘導部210a〜210dを通過した遊技球を個々に検出するようになっている。入賞口スイッチ63の球検出穴63aは、各球誘導部210a〜210dの通路断面形状に合った円形状であり、然も、スイッチ取付部212は、球検出穴63aが各球誘導部210a〜210dの通路傾斜に合わせて若干傾くように入賞口スイッチ63を取り付けるようになっている(図17参照)。このため、可変入賞口61a〜61dに入った遊技球は、入賞口スイッチ63による検出と球誘導部210a〜210dの通過がスムーズに行われるようになっている。
なお、前側構成体191に形成された球誘導部203aと後側構成体192に形成された球誘導部210aとにより、第1可変入賞口61aに入った遊技球を第1入賞球装置91の方向(第1チューリップ式入賞口91cの開放機構)に誘導する誘導路64が構成される。前側構成体191に形成された球誘導部203bと後側構成体192に形成された球誘導部210bとにより、第2可変入賞口61bに入った遊技球を第2入賞球装置92の方向(第2チューリップ式入賞口92cの開放機構)に誘導する誘導路65が構成される。前側構成体191に形成された球誘導部203cと後側構成体192に形成された球誘導部210cとにより、第3可変入賞口61cに入った遊技球を第3入賞球装置93の方向(第3チューリップ式入賞口93cの開放機構)に誘導する誘導路66が構成される。前側構成体191に形成された球誘導部203dと後側構成体192に形成された球誘導部210dとにより、第4可変入賞口61dに入った遊技球を第4入賞球装置94の方向(第4チューリップ式入賞口94bの開放機構)に誘導する誘導路67が構成される。
また、後側構成体192の中央(各球誘導部203a,203d間、及び各球誘導部203b,203c間)には、図14(B)及び図17に示すように、上下方向に延びる落下通路213が形成されている。落下通路213上端の開口は、前記特別通路部50からの遊技球を受け入れる球入口213aとして形成され、落下通路213下端の開口は、当該落下通路213を通過した遊技球を下方に排出する球出口213bとして形成されている。即ち、上部可変入賞球装置60の落下通路213は、球入口213aで特別通路部50を通過した遊技球を受け入れ、球出口213bから下部可変入賞球装置80に向けて遊技球を排出する。一方、下部可変入賞球装置80の落下通路213は、球入口213aで上部可変入賞球装置60を通過した遊技球を受け入れ、球出口213bから回収通路232(図22(B)参照)に遊技球を排出する。
落下通路213内には、各球誘導部203a,203d間及び各球誘導部203b,203c間となる上下二箇所にそれぞれ左右対称形状の開閉係合部材214が設けられている。開閉係合部材214は、軸支部214aを備えると共に該軸支部214aが支軸215に回動自在に軸支されることで、支軸215を中心として回動自在に設けられている。各球誘導部203a,203d間の左側の開閉係合部材214は、第1可変入賞口61aと対応するものであり、各球誘導部203a,203d間の右側の開閉係合部材214は、第4可変入賞口61dと対応するものである。一方、各球誘導部203b,203c間の左側の開閉係合部材214は、第2可変入賞口61bと対応するものであり、各球誘導部203b,203c間の右側の開閉係合部材214は、第3可変入賞口61cと対応するものである。
なお、上側の可変入賞口(第1可変入賞口61a及び第4可変入賞口61d)と対応する左右対称の開閉係合部材214は、それぞれ単一の支軸215によって前側構成体191と後側構成体192との間に軸支され、同様に、下側の可変入賞口(第2可変入賞口61b及び第3可変入賞口61c)と対応する左右対称の開閉係合部材214もそれぞれ単一の支軸215によって前側構成体191と後側構成体192との間に軸支される。
開閉係合部材214の軸支部214aには、前側構成体191に形成された球誘導部(203a〜203d)内に配されて開閉部材62の開放係合部197及び閉鎖保持部198と係合する係合突起部216と、後側構成体192に形成された落下通路213内に配されて当該落下通路213内を落下する遊技球と当接する当接部217とが突設されると共に、支軸215を中心とした開閉係合部材214の回動バランスを調節する棒状錘218が埋設されている。なお、当接部217は、落下通路213を落下する遊技球との当接部分が当該遊技球を受け止める球受面として形成されている。棒状錘218は、開閉部材62の開放保持状態が解除されたときに、その自重によって開閉係合部材214を回動して当接部217を落下通路213内で傾動位置から起立位置に移行する。
また、落下通路213の後側内壁面には、落下通路213内を落下する遊技球を受けてこれを当接部217側(落下通路213の前側)に誘導する誘導突起部213cが突設されている(図14(B)及び図17参照)。誘導突起部213cは、上側及び下側の可変入賞口(可変入賞口61a,61d及び可変入賞口61b,61c)と個々に対応するよう上下二箇所に突設されている。
ここで、開閉係合部材214による開閉部材62の開閉動作及びストッパー部材204による開閉部材62の開放保持動作について説明する。先ず、開閉部材62(可変入賞口61a〜61d)の閉鎖状態では、図18(A)のE−E線断面図となる図18(B)に示すように、開閉係合部材214の係合突起部216は、開閉部材62の開放係合部197及び閉鎖保持部198との係合を解除した状態にある。但し、この状態から振動等の外力によって、支軸193を中心として可変入賞口(61a〜61d)を開放する方向(図18(B)の反時計方向)に開閉部材62が回動した場合には、閉鎖保持部198が係合突起部216と係合して開閉部材62の回動を規制することで、可変入賞口(61a〜61d)の閉鎖状態が保持される。即ち、開閉部材62は、閉鎖保持部198と係合突起部216との係合によって若干の遊びを持って閉鎖状態が保持されるようになっている。
また、開閉部材62(可変入賞口61a〜61d)の閉鎖状態では、開閉係合部材214の当接部217は、図14(B)に示すように、落下通路213内で起立位置にある。また、ストッパー部材204の係合爪208は、図19(A)のG−G線断面図となる図19(B)に示すように、開閉部材62の保持係合凹部199との係合を解除した状態にある。
そして、特別通路部50から送り込まれた遊技球が落下通路213内を自然落下によって通過すると、その通過に伴って当該遊技球が当接部217を押し下げて、当接部217を起立位置から傾動位置に移行する。これにより、開閉係合部材214は、支軸215を中心として図18(B)の時計方向(図18(C)の反時計方向)に回動して係合突起部216が押し上げられる。押し上げられた係合突起部216は、開放係合部197と係合することで、図18(A)のF−F線断面図となる図18(C)に示すように、支軸193を中心として開閉部材62を図18(C)の時計方向に回動して可変入賞口(61a〜61d)を開放する。
また、上記した係合突起部216と開放係合部197との係合によって開閉部材62が可変入賞口(61a〜61d)の開放位置まで回動すると、図19(A)のH−H線断面図となる図19(C)に示すように、ストッパー部材204は、棒状錘209による回動バランスに基づいて支軸206を中心として図19(C)の時計方向に回動し、係合爪208が保持係合凹部199と係合する。これにより、開閉部材62は、開放状態が保持される。なお、このような開放状態において、開閉係合部材214は、係合突起部216が開閉部材62の閉鎖保持部198に押し上げられた状態にあり、落下通路213内の当接部217は、押し下げられた位置に保持される。
その後、開放中の可変入賞口(61a〜61d)に遊技球が入賞すると、当該遊技球が開閉部材62の支承誘導面196上を流下して後方(球誘導部203a〜203d内)に送り込まれる。そして、球誘導部(203a〜203d)内に送り込まれた遊技球が球受面部205を後方に押し込むことで、ストッパー部材204が支軸206を中心として図19(C)の反時計方向(図19(B)の時計方向)に回動し、係合爪208と保持係合凹部199との係合を解除して開閉部材62の開放保持状態を解除する。このとき、開閉部材62は、支承誘導面196の下方延設部分(軸支部194よりも下方に延設された部分)となる閉鎖誘導面部に遊技球が転がり込むことで支軸193を中心として図19(B)の反時計方向に回動し、可変入賞口(61a〜61d)を閉鎖する。また、これに伴い、開閉係合部材214は、棒状錘218による回動バランスに基づいて支軸215を中心として図19(B)の時計方向に回動し、当接部217が落下通路213内で起立位置に移行する。
ところで、以上説明した開閉係合部材214による開閉部材62の開放動作において、本実施形態の構成では、遊技球の自重によって開閉部材を開放する従来の構成に比べて、素早いタイミングで開閉部材62を開放するようになっている。具体的には、図20に示すように、遊技球を自然落下させる落下通路213によって球通路を構成すると共に、落下通路213内での当接部217の突出寸法L3を遊技球の直径寸法L2よりも小さく設定している。そして、落下通路213を自然落下する遊技球の衝撃力を当接部217に加えることで開閉係合部材214を回動し、回動する開閉係合部材214の係合突起部216と開閉部材62との係合によって開閉部材62を開放する。
このため、遊技球を当接部217上に載せた後に遊技球の自重によって当接部217を下方に押し込んで開閉部材62を徐々に開放位置に移行するような構成と違い、遊技球の衝撃力が当接部217に加わった瞬間に開閉係合部材214を回動して瞬時に開閉部材62を開放することができる。その結果、素早いタイミングで開閉部材62を開放することができる。また、この構成によれば、当接部217が配される球通路(落下通路213)を傾斜通路とすることなく、然も当接部217を遊技球よりも大きな形状で形成することがないので、可変入賞球装置(上部可変入賞球装置60、下部可変入賞球装置80)の大型化を回避でき、ひいては可変入賞球装置の設計自由度を低下させることがない。
また、落下通路213は、その通路幅寸法L1が遊技球の直径寸法L2(=11mm)よりも若干大きく設定されている。このため、遊技球が落下通路213の内壁に衝突する頻度を軽減することができ、遊技球の落下速度が低下することを極力回避できる。従って、遊技球の自然落下による衝撃力を極力大きな力として当接部217に加わえることができ、より一層素早いタイミングで開閉部材62を開放することができる。なお、落下通路213の通路幅寸法L1は、2個の遊技球が同時に通過することなく、落下通路213内を1個の遊技球がスムーズに通過し得る寸法であればよい。具体的に、実施形態中では、遊技球の直径寸法L2よりも1mm大きい12mmが通路幅寸法L1に設定されている。
また、落下通路213の内壁には、当該落下通路213を落下する遊技球との衝突によって当該遊技球を当接部217の軸支部214a側となる部分に誘導する誘導突起部213cが突設されている。これにより、球入口213aに入った遊技球(図20に示すP1の状態)は、その後、落下通路213内の誘導突起部213cと衝突して(図20に示すP2の状態)、落下方向が鉛直方向から若干傾いた当接部217の軸支部214a側の方向に切り替わり、軸支部214a側となる部分に落下する(図20に示すP3の状態)。このため、遊技球の衝撃力を効率良く開閉係合部材214の回動力に変換することができ(図20に示すP4の状態)、開閉係合部材214の回動速度を高めることで、より一層素早いタイミングでの開閉部材62の開放が可能になる。
また、当接部217は、落下通路213を落下する遊技球との当接部分が当該遊技球を受け止める球受面として形成されると共に、先端側に向って若干下り傾斜して配置されている。言い換えれば、当接部217は、誘導突起部213cと衝突した遊技球の落下方向と垂直面となるように落下通路213内に配置されている。これにより、誘導突起部213cに衝突して落下通路213内での落下方向が鉛直方向から若干軸支部214a側に傾いた遊技球は、球受面に対して直角となる方向で当接部217に当接する。このため、遊技球の衝撃力を効率良く当接部217に加えることができる。
また、誘導突起部213cは、当接部217と対向する落下通路213の内壁面であり、且つ軸支部214aの配置位置よりも上方となる箇所に設けられる。これにより、誘導突起部213cに遊技球を衝突させた後に、当該遊技球を当接部217に誘導することができるので、誘導突起部213cと当接部217との間で遊技球が挟み込まれて落下通路213内で球詰りが生じることを防止できる。なお、実施形態中では、軸支部214aの中心から上方に高さ寸法L4(=11.4mm)の位置に誘導突起部213cが突設されている。
また、落下通路213内で誘導突起部213c上に遊技球が停留して球詰りが生じることを防止できるように、誘導突起部213cの突出寸法L5は、落下通路213の通路幅寸法から遊技球の直径寸法L2を減算した値よりも小さい値に設定されている。具体的に、実施形態中では、誘導突起部213cが突設された部分に対応する通路幅寸法が14mmに設定され、該通路幅寸法から遊技球の直径寸法L2(=11mm)を減算した値は3mmとなる。これに対応して、誘導突起部213cの突出寸法L5は、3mmよりも小さい2mmに設定している。従って、誘導突起部213cの先端部分から対向する落下通路213の内壁面までの寸法L6は、遊技球の直径寸法L2よりも大きい12mmとなる。これにより、遊技球は、誘導突起部213c上に停留することなくスムーズに当接部217上に落下するようになっている。
なお、本実施形態では、遊技球の衝撃力が当接部217に加わることで、開閉係合部材214が破損することを回避するために、高強度を有する材料(例えば、ガラス繊維を含有するポリカーボネイト等)によって開閉係合部材214を形成している。また、遊技球の衝撃力が最も大きくかかる当接部217の球受面の基部(軸支部214a側の部分)の強度を高めるために、球受面の肉厚部分が軸支部214a側から先端側に向けて徐々に細くなるテーパー形状に形成している。
ところで、上記した開閉係合部材214による開閉部材62の開放動作において、落下通路213内を落下する遊技球が当接部217と当接するタイミングで、遊技領域12を流下する遊技球が開閉部材62の前方を通過した場合、開閉部材62前方の遊技球が開閉係合部材214の回動動作に伴う開閉係合部材214(係合突起部216)と開閉部材62(開放係合部197)との係合を妨げることになる。そして、最悪の場合、遊技球が落下通路213を通過したにも拘わらず、開閉部材62が開放しないことが生じる虞がある。そこで、図21に示す変形例の構成とすることで、確実に開閉部材62を開放するようにしてもよい。以下、図21を参照して変形例の構成について説明する。なお、上記した実施形態と同一の構成については、便宜的に同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図21に示すように、落下通路213の後側内壁面(当接部217との対向面となる内壁)には、誘導突起部213cの下方となる部分に押込突起部213dが突設されている。なお、押込突起部213dは、後述する開閉係合部材214’の軸支部214aよりも下方位置に設けられると共に、誘導突起部213cと同様に、上側及び下側の可変入賞口(可変入賞口61a,61d及び可変入賞口61b,61c)と個々に対応するよう上下二箇所に突設されている。実施形態中では、軸支部214aの中心から下方に高さ寸法L7(=3.4mm)の位置に押込突起部213dが突設されている。
一方、変形例の開閉係合部材214’は、開閉係合部材214と同様に、支軸215に回動自在に軸支される軸支部214aを備え、該軸支部214aには、開閉部材62(開放係合部197及び閉鎖保持部198)と係合する係合突起部216と、落下通路213内を落下する遊技球と当接する当接部217’とが突設されると共に、支軸215を中心とした開閉係合部材214の回動バランスを調節する棒状錘218が埋設されている。開閉係合部材214’ の当接部217’は、その上面が凹状の湾曲形状をなし、当接部217’の先端部分は、押込凸部217’aを構成している。
しかして、誘導突起部213cと衝突して当接部217’上に落下した遊技球は、その後の下方落下によって当接部217’を下方に押し下げ、開閉部材62を開放する方向に開閉係合部材214’を回動させる。その後、遊技球は、押込突起部213dとの当接によって軸支部214a側に押し込まれ、開閉係合部材214’を回動する力を強める(図21に示すP5の状態)。また、このとき、当接部217’の先端部分に設けられた押込凸部217’aは、押込突起部213dによって押し込まれた遊技球との当接によって当該遊技球による当接部217’の押し込みを助長する。これにより、遊技球が当接部217’に当接するのと同じタイミングで、閉鎖位置にある開閉部材62の前方に遊技球が落下するような場合(図21に示すP6の状態)でも、押込突起部213dによる遊技球の押し込みによって開閉部材62前方の遊技球を押し払って開閉部材を開放することができる(図21に示すP7,P8の状態)。
なお、押込突起部213dは、開閉部材62が開放位置に移行した状態(図21に示すP8の状態)で、当該押込突起部213dの先端部分から当接部217’が遊技球と当接する当接先端部分(押込凸部217’a)までの寸法L9が遊技球の直径寸法L2(=11mm)よりも若干大きくなる位置に設けられている。これにより、押込突起部213dによる遊技球の押し込みをより効率的に行わせることができる。なお、当接部217’の当接先端部分とは、落下通路213を落下する遊技球が当接部217’と当接する部分において、最も当接部217’の先端部分に近い部分のことをいい、実施形態中では、当接部217’先端の押込凸部217’aとなる。また、実施形態中では、押込突起部213dの先端部分から当接部217’が遊技球と当接する当接先端部分(押込凸部217’a)までの寸法L9が11.3mmとなるように押込突起部213dを設けている。但し、押込突起部213dの突出寸法L8は、1.8mmに設定されている。
次に、遊技盤4裏面での遊技球の球流れについて図22を参照して説明する。図22(A)は球通路カバー体220を示す側面図であり、図22(B)は図22(A)のI−I線断面図である。
図22(A)に示すように、遊技盤4の裏面には、遊技領域12内の各種入賞口に入った遊技球を誘導する球通路が形成された球通路カバー体220が取り付けられている。球通路カバー体220には、図22(B)に示すように、入賞振分装置40の排出通路部51に送り込まれた遊技球を受け入れてこれを回収する回収通路221と、入賞振分装置40の特別通路部50と上部可変入賞球装置60の落下通路213とを連通する連通通路222と、が形成されている。しかして、入賞口41に入った後に球受回転体47の振り分けによって排出通路部51に送り込まれた遊技球は、回収通路221を通って回収される。一方、入賞口41に入った後に球受回転体47の振り分けによって特別通路部50に送り込まれた遊技球は、連通通路222を通って上部可変入賞球装置60の落下通路213(球入口213a)に送り込まれる。
球通路カバー体220における上部可変入賞球装置60の近傍部分には、誘導路64(球排出口211a)から排出された遊技球を第1入賞球装置91側(第1チューリップ式入賞口91cの開放機構)に誘導する第1誘導通路223と、誘導路65(球排出口211b)から排出された遊技球を第2入賞球装置92側(第2チューリップ式入賞口92cの開放機構)に誘導する第2誘導通路224と、誘導路66(球排出口211c)から排出された遊技球を第3入賞球装置93側(第3チューリップ式入賞口93cの開放機構)に誘導する第3誘導通路225と、誘導路67(球排出口211d)から排出された遊技球を第4入賞球装置94側(第4チューリップ式入賞口94cの開放機構)に誘導する第4誘導通路226と、が形成されている。
しかして、当選遊技状態の発生に伴う上部可変入賞球装置60(第1〜第4の可変入賞口61a〜61d)の開放状態において、第1可変入賞口61aに入った遊技球は、誘導路64を通って第1誘導通路223に送り込まれ、該第1誘導通路223を通って第1入賞球装置91側に誘導されることで、第1チューリップ式入賞口91cの開放機構を作動して第1チューリップ式入賞口91cを開放する。第2可変入賞口61bに入った遊技球は、誘導路65を通って第2誘導通路224に送り込まれ、該第2誘導通路224を通って第2入賞球装置92側に誘導されることで、第2チューリップ式入賞口92cの開放機構を作動して第2チューリップ式入賞口92cを開放する。第3可変入賞口61cに入った遊技球は、誘導路66を通って第3誘導通路225に送り込まれ、該第3誘導通路225を通って第3入賞球装置93側に誘導されることで、第3チューリップ式入賞口93cの開放機構を作動して第3チューリップ式入賞口93cを開放する。第4可変入賞口61dに入った遊技球は、誘導路67を通って第4誘導通路226に送り込まれ、該第4誘導通路226を通って第4入賞球装置94側に誘導されることで、第4チューリップ式入賞口94cの開放機構を作動して第4チューリップ式入賞口94cを開放する。なお、第1〜第4のチューリップ式入賞口91c〜94cの開放機構を作動した遊技球は、球通路カバー体220に形成された回収通路(特に符号を付さない)を通って回収される。
また、球通路カバー体220における上部可変入賞球装置60の下方部分には、上部可変入賞球装置60の落下通路213(球出口213b)と下部可変入賞球装置80の落下通路213(球入口213a)とを連通する連通通路227が形成されている。しかして、上部可変入賞球装置60の落下通路213を通過(自然落下)した遊技球は、連通通路227を通ってそのまま自然落下によって下部可変入賞球装置80の落下通路213(球入口213a)に送り込まれる。
球通路カバー体220における下部可変入賞球装置80の近傍部分には、誘導路84から排出された遊技球を受け入れてこれを回収する回収通路228と、誘導路85から排出された遊技球を受け入れてこれを回収する回収通路229と、誘導路86から排出された遊技球を受け入れてこれを回収する回収通路230と、誘導路87から排出された遊技球を受け入れてこれを回収する回収通路231と、が形成されている。
しかして、当選遊技状態の発生に伴う下部可変入賞球装置60(第5〜第8の可変入賞口81a〜81d)の開放状態において、第5可変入賞口81aに入った遊技球は、誘導路84を通って回収通路228に送り込まれ、該回収通路228を通って回収される。第6可変入賞口81bに入った遊技球は、誘導路85を通って回収通路229に送り込まれ、該回収通路229を通って回収される。第7可変入賞口81cに入った遊技球は、誘導路86を通って回収通路230に送り込まれ、該回収通路230を通って回収される。第8可変入賞口81dに入った遊技球は、誘導路87を通って回収通路231に送り込まれ、該回収通路231を通って回収される。
また、球通路カバー体220における下部可変入賞球装置80の下方部分には、下部可変入賞球装置80の落下通路213(球出口213b)から排出された遊技球を受け入れてこれを回収する回収通路232が形成されている。
以上のように、本実施形態の構成によれば、遊技球を自然落下させる落下通路213によって球通路を構成すると共に、落下通路213内での当接部217の突出寸法L3を遊技球の直径寸法L2よりも小さく設定している。そして、落下通路213を自然落下する遊技球の衝撃力を当接部217に加えることで開閉係合部材214を回動し、回動する開閉係合部材214の係合突起部216と開閉部材62との係合によって開閉部材62を開放する。
このため、遊技球を当接部217上に載せた後に遊技球の自重によって当接部217を下方に押し込んで開閉部材62を徐々に開放位置に移行するような構成と違い、遊技球の衝撃力が当接部217に加わった瞬間に開閉係合部材214を回動して瞬時に開閉部材62を開放することができる。その結果、素早いタイミングで開閉部材62を開放することができる。また、この構成によれば、当接部217が配される球通路(落下通路213)を傾斜通路とすることなく、然も当接部217を遊技球よりも大きな形状で形成することがないので、可変入賞球装置(上部可変入賞球装置60、下部可変入賞球装置80)の大型化を回避でき、ひいては可変入賞球装置の設計自由度を低下させることがない。