JP2006253522A - チップホルダー及びチップ処理方法 - Google Patents

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恒 菅野
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Abstract

【課題】 チップホルダーに保持されたチップの洗浄処理の効率を向上させる。
【解決手段】 チップホルダー10はホルダー下板1とホルダー上板2とからなる。ホルダー下板1には、第1の円錐孔12と第2の円錐孔13とから構成される第1の貫通孔が設けられている。ホルダー上板2には、第3の円錐孔22と第4の円錐孔23とから構成される第2の貫通孔が設けられている。ホルダー下板1に設けられた第1の円錐孔12と、ホルダー上板2に設けられた第3の円錐孔22とからなるチップ保持空間121に、被処理物であるチップ4が可動状態で保持されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体製造装置等で用いられるチップホルダーに関するものであり、特に、半導体製造時に洗浄装置で用いられるチップホルダー及びそれを用いたチップ処理方法に関する。
従来、半導体装置は、ウェハと呼ばれる円盤状の半導体基板に形成された後、個々のチップに切断される。この後、個々のチップは純水等によって洗浄された後、乾燥される。
乾燥工程においては、半導体基板が切断されてなる個々のチップは、所定数のチップと嵌合する複数の凹部が形成されたチップホルダーに載置される。チップホルダーに形成された凹部の底部には、バキュームに接続された吸気孔が設けられており、当該吸気孔によって、チップはその裏面側からチップホルダーに吸着固定されることになる。そして、チップホルダーの上方に配置されたノズルよりエアをチップ表面に吹き付けることによって、チップの乾燥が行われる。
しかしながら、前述のチップホルダーを用いた場合、エアが直接吹き付けられるチップの表面の乾燥は十分であるが、チップホルダーへの吸着面となるチップの裏面では乾燥が不完全であり、それによって後工程で障害が生じるという問題がある。
そこで、この問題を解決するために、チップに切り分けられた半導体装置を乾燥処理するためのチップホルダーが、例えば特許文献1において提案されている。
図10(a)〜(c)は、特許文献1に開示された従来のチップホルダーを用いた半導体チップの乾燥方法の各工程を示す断面図であり、図11は当該チップホルダーの構成を示す図である。
まず、図10(a)に示すように、所定の半導体装置製造プロセスを経た半導体基板から切り出され且つその後に洗浄されたチップ31が、その載置部であるチップホルダー32に設けられた第1の貫通孔33内に載置される。ここで、図11に示すように、チップホルダー32には所定数の第1の貫通孔33が形成されていると共に、各第1の貫通孔33には、チップ31の平面形状(四角形状)に応じた4つのテーパ面34a〜34dがそれぞれ形成されている。すなわち、このテーパ面34a〜34dのそれぞれにチップ31の下面の4つのエッジ(4辺)がそれぞれ当接する状態でチップ31は第1の貫通孔33内に載置される。また、テーパ面34a〜34dのそれぞれには、チップホルダー32の厚さ方向に溝35a〜35dが形成されている。
尚、テーパ面34a〜34dの傾き、つまりテーパ角度は、載置される半導体チップ31の大きさに対応して決められる。具体的には、第1の貫通孔33内に載置されたチップ31の厚さのうち所定の高さがチップホルダー32の表面より突出するようにテーパ面34a〜34dのテーパ角度が設定される。
次に、図10(a)に示すように、チップ31を載置したチップホルダー32に対して蓋36が用意される。この蓋36には、第1の貫通孔33に対応する第2の貫通孔37が形成されていると共に、第2の貫通孔37には、第1の貫通孔33のテーパ面34a〜34d及び溝35a〜35dと略同一の形状を持つテーパ面38a〜38d及び溝(図示省略)が形成されている。
次に、図10(b)に示すように、蓋36がチップホルダー32に重ねられる。このとき、第1の貫通孔33と第2の貫通孔37とによって形成される空間にチップ31が保持される。
次に、図10(c)に示すように、チップホルダー32の各第1の貫通孔33の下方にエアノズル39a〜39cが配置されると共に、蓋36の各第2の貫通孔37の上方にエアノズル39d〜39fが配置される。これらのエアノズル39a〜39fからチップ31の表面及び裏面のそれぞれにエアが吹き付けられ、それによってチップ31の表面及び裏面が同時に乾燥される。
このとき、エア及びエアによって吹き飛ばされた水滴は、テーパ面34a〜34d及び38a〜38dに設けられた溝35a〜35d等を経て第1の貫通孔33の外側又は第2の貫通孔37の外側に排出される。言い換えると、エア及び水滴はチップホルダー32とチップ31との間隙から排出される。また、テーパ面34a〜34d及び38a〜38dに設けられた溝35a〜35d等をエアが通り抜けることによって、チップ31の側面の乾燥も効率的に行うことができる。
特開平7−176511号公報
近年、半導体加工技術は、従来のLSI等の半導体装置の製造に加えて、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイス等の製造にも適用されている。MEMSデバイスは微小機構を有しているため、半導体装置を半導体基板上に作り込んでからチップに切り分けるという従来のLSIに適用していた製造方法をMEMSデバイスの製造に適用すると、MEMSデバイスの構造によっては、チップに切り分ける際の物理的応力によって製品そのものが破壊されてしまう。
そこで、途中の工程までは半導体基板(ウェハ)上においてMEMSデバイスを作製していき、ウェハからMEMSデバイスをチップとして切り出した後に最終工程を実施するという手法が用いられている。
ここで、ウェハ上にLSI等の半導体装置を形成した後に個々のチップに切り分けて洗浄し、その後に乾燥のみを行う場合、チップに吹き付けるエアの通気、及びチップに付着している水滴等の排出を行うためには、前述のように、チップホルダーとチップとの間に僅かな間隙を設けるだけで十分であった。
一方、MEMSデバイスの製造においては、ウェハから個々のチップを切り出した後に、当該チップを所望の形状に加工するためのエッチング、洗浄及びそれに伴う乾燥等の処理工程を行なうことが必要となる。しかしながら、特許文献1に開示されたチップホルダーではチップとチップホルダーとの間の間隙が小さいため、エッチング液、洗浄液又は純水等の液体の置換効率や排出効率が悪くなるので、洗浄処理に非常に時間を要するという問題が生じる。
前記に鑑み、本発明は、チップホルダーに保持されたチップの洗浄処理の効率を向上させることを目的とする。
前記の目的を達成するために、本願発明者らは種々の検討を重ねた結果、チップ等の被処理物を可動状態で保持するチップホルダーを発明するに至った。当該チップホルダーによれば、チップホルダー内において洗浄液等の流体の給排水経路を複数確保することができるので、当該流体の置換効率や排出効率を高めることができる。また、チップホルダーとチップとの接触面積を小さくすることができる。従って、当該チップホルダーにチップを保持して洗浄を行なうことにより、チップの洗浄処理効率を向上させることができる。
具体的には、本発明に係るチップホルダーは、第1の貫通孔を有するホルダー下板と第2の貫通孔を有するホルダー上板とからなるチップホルダーであって、前記ホルダー下板と前記ホルダー上板とを組み合わせた際に前記第1の貫通孔と前記第2の貫通孔とによって形成される保持空間に被処理物を可動状態で保持する。
本発明のチップホルダーによると、ホルダー下板の第1の貫通孔とホルダー上板の第2の貫通孔とによって形成される保持空間に被処理物を可動状態、つまり点接触状態又は非接触状態で保持する。このため、当該被処理物を処理する際に第1の貫通孔又は第2の貫通孔から導入される洗浄液等の流体の置換効率や排出効率を向上させることができると共に、チップホルダーと被処理物との接触面積を小さくすることができる。従って、当該チップホルダーに被処理物を保持して洗浄を行なうことにより、被処理物の洗浄処理効率を向上させることができる。また、当該チップホルダー内に塵埃などが溜まることを防止できる。
本発明のチップホルダーにおいて、前記第1の貫通孔は、前記ホルダー下板の上面において前記被処理物の最大投影面積と同等か又はそれよりも大きい第1の最大開口面を有すると共に、前記ホルダー下板の上面と下面との間に前記最大投影面積よりも小さい第1の最小開口面を有しており、
前記第2の貫通孔は、前記ホルダー上板の下面において前記最大投影面積と同等か又はそれよりも大きい第2の最大開口面を有すると共に、前記ホルダー上板の上面と下面との間に前記最大投影面積よりも小さい第2の最小開口面を有していることが好ましい。
このようにすると、被処理物がチップホルダーの保持空間の外側に出てしまうことを確実に防止しながら、当該保持空間に被処理物を可動状態で保持することができる。
尚、被処理物の最大投影面積とは、被処理物が例えばチップである場合には、当該チップにおける最大の面(つまりチップ表面又は裏面)の面積を意味する。
この場合、前記第1の貫通孔は、前記ホルダー下板の下面において前記第1の最小開口面よりも大きい開口面を有することが好ましい。
このようにすると、チップホルダーの保持空間に導入された洗浄液等の流体の第1の貫通孔からの排出効率がさらに向上するので、被処理物の洗浄処理効率がさらに向上する。
また、この場合、前記第2の貫通孔は、前記ホルダー上板の上面において前記第2の最小開口面よりも大きい開口面を有することが好ましい。
このようにすると、チップホルダーの保持空間に導入された洗浄液等の流体の第2の貫通孔からの排出効率がさらに向上するので、被処理物の洗浄処理効率がさらに向上する。
さらに、この場合、前記第1の貫通孔は、前記ホルダー下板の上面側に頂部のない下板円錐孔を含み、前記第2の貫通孔は、前記ホルダー上板の下面側に頂部のない上板円錐孔を含み、前記第1の最大開口面は前記下板円錐孔の底部となり、前記第2の最大開口面は前記上板円錐孔の底部となることが好ましい。
このようにすると、下板円錐孔と上板円錐孔とからチップホルダーの保持空間が構成される。また、下板円錐孔又は上板円錐孔の壁面に被処理物が接触する場合にも当該被処理物を点接触状態で確実に保持することができる。このため、当該保持空間に導入された洗浄液等の流体の置換効率や排出効率を確実に向上させることができるので、被処理物の洗浄処理効率を確実に向上させることができる。
本発明のチップホルダーにおいて、前記ホルダー下板の上面に、前記第1の貫通孔から前記ホルダー下板の側端まで延びる溝が設けられていることが好ましい。
このようにすると、チップホルダーの保持空間への洗浄液等の流体の供給効率及び当該保持空間からの流体の排出効率がさらに高くなるので、被処理物の洗浄処理効率がさらに高くなる。
この場合、前記ホルダー下板は、前記第1の貫通孔に隣接する他の貫通孔を有し、前記溝は、前記第1の貫通孔から前記他の貫通孔まで延びることが好ましい。このようにすると、チップホルダーの保持空間への洗浄液等の流体の供給路及び当該保持空間からの流体の排出路が多方向に確保されるため、当該保持空間における流体の供給効率及び排出効率がより一層高くなるので、被処理物の洗浄処理効率がより一層高くなる。
また、この場合、前記ホルダー下板の上面における最外周部に段差が設けられていることが好ましい。このようにすると、チップホルダー側端部に、溝と接続する隙間が生じる結果、当該側端部における流体の整流効果により、チップホルダーの保持空間内の流体については溝を通じての置換効率が向上するので、被処理物の洗浄処理効率をより一層向上させることができる。
本発明のチップホルダーにおいて、前記ホルダー上板の下面に、前記第2の貫通孔から前記ホルダー上板の側端まで延びる溝が設けられていることが好ましい。
このようにすると、チップホルダーの保持空間への洗浄液等の流体の供給効率及び当該保持空間からの流体の排出効率がさらに高くなるので、被処理物の洗浄処理効率がさらに高くなる。
この場合、前記ホルダー上板は、前記第2の貫通孔に隣接する他の貫通孔を有し、前記溝は、前記第2の貫通孔から前記他の貫通孔まで延びることが好ましい。このようにすると、チップホルダーの保持空間への洗浄液等の流体の供給路及び当該保持空間からの流体の排出路が多方向に確保されるため、当該保持空間における流体の供給効率及び排出効率がより一層高くなるので、被処理物の洗浄処理効率がより一層高くなる。
また、この場合、前記ホルダー上板の下面における最外周部に段差が設けられていることが好ましい。このようにすると、チップホルダー側端部に、溝と接続する隙間が生じる結果、当該側端部における流体の整流効果により、チップホルダーの保持空間内の流体については溝を通じての置換効率が向上するので、被処理物の洗浄処理効率をより一層向上させることができる。
本発明のチップホルダーにおいて、前記ホルダー下板と前記ホルダー上板とを組み合わせた状態で前記ホルダー下板と前記ホルダー上板との間に前記被処理物の厚さよりも小さい隙間が生じることが好ましい。
このようにすると、チップホルダーの保持空間への洗浄液等の流体の供給路及び当該保持空間からの流体の排出路があらゆる方向に確保される。また、流体の整流効果によって流体が溝に入りやすくなる。従って、当該保持空間における流体の供給効率及び排出効率がより一層高くなるので、被処理物の洗浄処理効率がより一層高くなる。
本発明のチップホルダーにおいて、前記ホルダー下板の下面上に、前記第1の貫通孔を部分的に覆う桟が設けられていることが好ましい。
このようにすると、チップホルダーの保持空間に導入される洗浄液等の流体から被処理物が受ける衝撃を和らげることができる。従って、被処理物が構造的に弱いデバイスである場合でも、当該デバイスの破損を防止しながら、当該保持空間における流体の置換効率や排出効率を向上させ、それによって当該デバイスの洗浄処理効率を向上させることができる。
本発明のチップホルダーにおいて、前記ホルダー上板の上面上に、前記第2の貫通孔を部分的に覆う桟が設けられていることが好ましい。
このようにすると、チップホルダーの保持空間に導入される洗浄液等の流体から被処理物が受ける衝撃を和らげることができる。従って、被処理物が構造的に弱いデバイスである場合でも、当該デバイスの破損を防止しながら、当該保持空間における流体の置換効率や排出効率を向上させ、それによって当該デバイスの洗浄処理効率を向上させることができる。
本発明のチップホルダーにおいて、前記被処理物の平面形状と前記保持空間の平面形状とが異なっていることが好ましい。
このようにすると、保持空間を構成する第1の貫通孔又は第2の貫通孔の壁面に被処理物が接触する場合には必ず点接触になる。すなわち、チップホルダーの保持空間に被処理物を点接触状態又は非接触状態で確実に保持することができる。このため、当該保持空間に導入された洗浄液等の流体の置換効率や排出効率を確実に向上させることができるので、被処理物の洗浄処理効率を確実に向上させることができる。具体的には、前記被処理物の平面形状は四角形であり、前記保持空間の平面形状は円形、楕円形又は五角形以上の多角形であってもよい。
尚、被処理物の平面形状とは、被処理物が例えばチップである場合には、当該チップをその表面側から見た形状(つまりチップ表面又は裏面の形状)を意味し、保持空間の平面形状とは、保持空間をホルダー上板の上面から見た形状(具体的には第1の貫通孔の第1の最大開口面の形状又は第2の貫通孔の第2の最大開口面の形状)を意味する。
本発明に係るチップ処理方法は、前述の本発明のチップホルダーに前記被処理物を保持しながら前記被処理物に対して処理を行なう。具体的には、前記処理において、前記被処理物を流体にさらすことにより前記被処理物を洗浄するか又は前記被処理物を乾燥させる。従って、被処理物を洗浄する場合には、前述のように被処理物の洗浄処理効率を向上させることができる。また、被処理物を乾燥させる場合には、チップホルダーと被処理物との接触面積が小さいので、被処理物の乾燥を十分に行うことができ、それによって後工程で障害が生じる事態を確実に阻止することができる。
本発明によると、ホルダー下板の第1の貫通孔とホルダー上板の第2の貫通孔とによって形成される保持空間に被処理物、具体的にはチップを固定状態ではなく可動状態で保持するため、当該保持空間に導入される洗浄液等の流体の置換効率や排出効率を向上させることができると共にチップホルダーと被処理物との接触面積を小さくすることができる。従って、当該チップホルダーに被処理物を保持して洗浄を行なうことにより、被処理物の洗浄処理効率を向上させることができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係るチップホルダー及びチップ処理方法(具体的にはチップ洗浄方法)について、図面を参照しながら説明する。
図1(a)及び(b)は第1の実施形態に係るチップホルダーの概略構成を示す図であり、図1(a)は当該チップホルダーのホルダー下板とホルダー上板とを組み合わせる前の状態を示し、図1(b)は当該チップホルダーのホルダー下板とホルダー上板とを組み合わせた後の状態を示す。
また、図1(c)及び(d)は第1の実施形態に係るチップホルダーのホルダー下板及びホルダー上板のそれぞれにおける貫通孔形成領域の断面構成を示す図であり、図1(c)は当該チップホルダーのホルダー下板とホルダー上板とを組み合わせる前の状態を示し、図1(d)は当該チップホルダーのホルダー下板とホルダー上板とを組み合わせた後の状態を示す。
図1(a)及び(c)に示すように、例えば厚さ1.0mmのホルダー下板1の上面側には、第1の開口部として、頂部のない所定数の第1の円錐孔(下板円錐孔(内面側))12が形成されている。本実施形態のチップホルダーを例えば大きさ2mm(幅)×2mm(奥行き)×0.4mm(厚さ)のチップの洗浄に用いる場合、第1の円錐孔12の底面(ホルダー下板1の上面における最大開口面)の直径は例えば3.8mmであり、第1の円錐孔12の上面(ホルダー下板1の上面と下面との間における最小開口面11)の直径は例えば2.2mmである。また、ホルダー下板1の下面側には、最小開口面11に関して各第1の円錐孔12と対称に第2の開口部として、頂部のない所定数の第2の円錐孔(下板円錐孔(外面側))13が形成されている。すなわち、ホルダー下板1には、第1の円錐孔12と第2の円錐孔13とからそれぞれ構成される所定数の第1の貫通孔が設けられている。尚、本実施形態では、第1の円錐孔12と第2の円錐孔13とは同じ形状を有している。
また、図1(a)及び(c)に示すように、例えば厚さ1.0mmのホルダー上板2の下面側には、第3の開口部として、頂部のない所定数の第3の円錐孔(上板円錐孔(内面側))22が形成されている。各第3の円錐孔22は、ホルダー上板2とホルダー下板1とを組み合わせたときに、ホルダー下板1に形成された各第1の円錐孔12の最大開口面と各第3の円錐孔22の最大開口面とが合致するようにホルダー上板2に設けられている。すなわち、ホルダー上板2には、第1の円錐孔12と同じ形状を有する第3の円錐孔22が第1の円錐孔12と同じ数だけ設けられている。具体的には、本実施形態のチップホルダーを、例えば大きさ2mm(幅)×2mm(奥行き)×0.4mm(厚さ)のチップの洗浄に用いる場合、第3の円錐孔22の底面(ホルダー上板2の下面における最大開口面)の直径は例えば3.8mmであり、第3の円錐孔22の上面(ホルダー上板2の上面と下面との間における最小開口面21)の直径は例えば2.2mmである。また、ホルダー上板2の上面側には、最小開口面21に関して各第3の円錐孔22と対称に第4の開口部として、頂部のない所定数の第4の円錐孔(上板円錐孔(外面側))23が形成されている。すなわち、ホルダー上板2には、第3の円錐孔22と第4の円錐孔23とからそれぞれ構成される所定数の第2の貫通孔が設けられている。尚、本実施形態では、第3の円錐孔22と第4の円錐孔23とは同じ形状を有している。
図1(b)及び(d)に示すように、本実施形態のチップホルダー10に被処理物を保持する場合、まず、例えば被洗浄物であるチップ4が、ホルダー下板1に設けられた第1の円錐孔12に配置される。次に、ホルダー下板1とホルダー上板2とは、各第1の円錐孔12と各第2の円錐孔22とが合致するように重ねられる。その後、ホルダー下板1の例えば四隅及びホルダー上板2の例えば四隅にそれぞれ形成された固定ねじ穴5に固定ねじ(図示省略)を挿入することによってホルダー下板1とホルダー上板2とを固定する。これにより、チップ4は、ホルダー下板1に設けられた第1の円錐孔12と、ホルダー上板2に設けられた第3の円錐孔22とからなるチップ保持空間121に保持される。
上述のように、チップ保持空間121は2つの円錐孔12及び22から形成されているため、その中心部が広くなっており、本実施形態ではチップ4はX方向(幅方向)、Y方向(奥行き方向)及びZ方向(厚さ方向)のいずれにおいても移動可能である。
具体的には、本実施形態においては、第1の円錐孔12の最小開口面11及び第3の円錐孔22の最小開口面21のそれぞれの面積(上述例の場合で面積は3.14×1.1×1.1≒3.8mm2 )をチップ4の最大投影面積(つまりチップ4の最大面であるチップ表面又はチップ裏面の面積:上述例の場合で2×2=4mm2 )よりも小さくしている。言い換えると、第1の円錐孔12の最小開口面11及び第3の円錐孔22の最小開口面21のそれぞれの直径(上述例の場合で2.2mm)をチップ4の対角長(上述例の場合で約2.8mm)よりも小さくしている。尚、第1の円錐孔12及び第3の円錐孔22のそれぞれの最大開口面の面積(つまりチップ保持空間121の中心部の水平方向断面積)がチップ4の最大投影面積よりも大きいことは言うまでもない。
以上の構成により、チップ4が本実施形態のチップホルダー10のチップ保持空間121の外側に出てしまうことを確実に防止しながら、当該チップ保持空間121にチップ4を可動状態、つまり点接触状態又は非接触状態で保持することができる。すなわち、チップ4の平面形状(つまりチップ表面又は裏面の形状(四角形))と、第1の円錐孔12及び第3の円錐孔22から形成されるチップ保持空間121の平面形状(第1の円錐孔12又は第3の円錐孔22の最大開口面の形状(円形))とが異なっている。このため、チップ保持空間121にチップ4を非接触状態で保持することができると共に、チップ4が第1の円錐孔12の壁面又は第3の円錐孔22の壁面に接触する際には必ず点接触になる。
以下、本実施形態のチップホルダー10に保持されたチップの洗浄方法について図2を参照しながら説明する。
図2は、本実施形態のチップホルダー10を用いたチップ洗浄方法の概略(第2〜第4の実施形態のチップホルダーを用いたチップ洗浄方法の概略も同様)を説明するための図である。図2に示すように、チップが保持されているチップホルダー10は、例えばアーム7によって手動で保持される。チップ洗浄を行うための洗浄槽61には、洗浄液ライン開閉バルブ61aを開けることにより洗浄液81が供給される。また、循環バルブ61bを開けると共に廃液バルブ61cを閉め且つ循環ポンプ61dを駆動することにより洗浄液81を循環させることができる。チップ水洗を行うための水洗槽62は例えばオーバーフロー槽であり、純水供給バルブ62aを開けることによって、水洗槽62の底部から水洗槽62に純水82が供給されると同時に、シャワーノズル62bからも水洗槽62に純水82が供給される。チップ乾燥を行うための乾燥炉63は温度制御システム65により一定温度に保たれており、窒素ライン開閉バルブ63aを開けることにより窒素が乾燥炉63内に供給される。尚、洗浄槽61、水洗槽62及び乾燥炉63は筐体60に囲まれており、排気弁64によって筐体60内は減圧状態に保たれている。
チップ洗浄の処理手順は以下の通りである。まず、洗浄液ライン開閉バルブ61aを開けることによって洗浄槽61に所望量の洗浄液81を供給する。次に、循環バルブ61bを開けると共に廃液バルブ61cを閉め且つ循環ポンプ61dを駆動することによって、洗浄液81を循環させる。続いて、チップホルダー10をアーム7によって保持しながら、洗浄槽61に貯留された洗浄液81にチップホルダー10を所望の時間浸漬する。その後、予め純水供給バルブ62aを開けることによって純水82が供給されている水洗槽62にチップホルダー10を移し、水洗槽62に貯留された純水82にチップホルダー10を所望の時間浸漬する。水洗槽62における水洗処理が終了した後、予め温度制御システム65により一定温度にコントロールされ且つ窒素ライン開閉バルブ63aを開けることによって常時窒素雰囲気に保たれている乾燥炉63にチップホルダー10を移し、所望時間乾燥処理を行う。
本実施形態においては、チップ洗浄処理に用いる薬液が一系統である場合を例として説明したが、必要に応じて、流体供給ラインを追加することによって複数の薬液によるチップ洗浄処理を行うことも可能である。また、本実施形態においては、純水による水洗処理の後、直ちにチップホルダー10を乾燥炉63に入れたが、これに代えて、純水による水洗処理の後、HFE(Hydro Fluoro Ether(ハイドロフルオロエーテル))などの溶剤を用いてチップの水分を除去し、その後、チップホルダー10を乾燥炉63に入れてもよい。
以下、本実施形態のチップホルダー10の内部における流体(洗浄液又は純水等)の流れについて、図3を参照しながら説明する。
図3は、本実施形態のチップホルダー10を用いた洗浄処理において供給され且つ排出される流体の流れを示す模式図である。
図3に示すように、ホルダー上板2の第4の円錐孔23からチップホルダー10内に供給された流体100は、最小開口面21を通ってチップ保持空間121に入り、チップ4と接触する。チップ4と接触した流体100は、その後、最小開口面11及び第2の円錐孔13を通って排出される。
以上に説明したように、本実施形態によると、チップ4はチップ保持空間121に可動状態で保持されているため、チップホルダー10とチップ4との接触箇所が常に変化すると共に当該接触箇所の面積を小さくすることができるので、流体はチップ4の全面と接触することができる。また、チップ保持空間121において常に流体の流路が確保されているため、流体の置換効率や排出効率を高くすることが可能であり、それにより、チップ4の洗浄処理効率を向上させることができる。また、チップホルダー10内に塵埃などが溜まることを防止できる。
また、本実施形態によると、ホルダー下板1には、最小開口面11を挟んで設けられた第1の円錐孔12及び第2の円錐孔13からなる第1の貫通孔を設けていると共に、ホルダー上板2には、最小開口面21を挟んで設けられた第3の円錐孔22及び第4の円錐孔23からなる第2の貫通孔を設けている。すなわち、ホルダー下板1の第1の貫通孔には、ホルダー下板1の上面及び下面の両方に位置する最大開口面(最小開口面11を挟むように設けられた一対の最大開口面)を設けていると共に、ホルダー上板2の第2の貫通孔には、ホルダー上板2の上面及び下面の両方に位置する最大開口面(最小開口面21を挟むように設けられた一対の最大開口面)を設けている。このため、チップ保持空間121に導入された洗浄液等の流体の第1又は第2の貫通孔からの排出効率が向上するので、当該流体の置換効率も向上し、それによってチップ4の洗浄処理効率をより一層向上させることができる。また、本実施形態のチップホルダー10を用いてチップ4の乾燥を行う場合にも、チップ保持空間121内の流体を第1又は第2の貫通孔から速やかに排出することが可能となるので、乾燥処理に要する時間を短縮することもできる。
また、本実施形態によると、ホルダー下板1とホルダー上板2とが同じ構造を有するため、それぞれの用途を入れ替えることができる。すなわち、ホルダー上板とホルダー下板とを区別せずに使用することが可能となり、利便性が向上する。
(第1の実施形態の変形例)
以下、本発明の第1の実施形態の変形例に係るチップホルダー及びチップ処理方法について、図面を参照しながら説明する。
図4(a)及び(b)は本変形例に係るチップホルダーのホルダー下板及びホルダー上板のそれぞれにおける貫通孔形成領域の断面構成を示す図であり、図4(a)は当該チップホルダーのホルダー下板とホルダー上板とを組み合わせる前の状態を示し、図4(b)は当該チップホルダーのホルダー下板とホルダー上板とを組み合わせた後の状態を示す。尚、図4(a)及び(b)において、図1(a)〜(d)に示す第1の実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付し、説明を省略する。
本変形例が第1の実施形態と異なっている点は、図4(a)及び(b)に示すように、ホルダー下板1及びホルダー上板2のそれぞれに設けられる貫通孔の形状である。具体的には、第1の実施形態においては、図1(c)及び(d)に示すように、第1の円錐孔12と第2の円錐孔13とから構成される第1の貫通孔がホルダー下板1に設けられていると共に、第3の円錐孔22と第4の円錐孔23とから構成される第2の貫通孔がホルダー上板2に設けられていた。それに対して、本変形例においては、図4(a)及び(b)に示すように、第1の円錐孔12のみからなる第1の貫通孔がホルダー下板1に設けられていると共に、第3の円錐孔22のみからなる第2の貫通孔がホルダー上板2に設けられている。すなわち、ホルダー下板1の上面には、第1の貫通孔となる第1の円錐孔12の最大開口面が位置し、ホルダー下板1の下面には当該第1の円錐孔12の最小開口面11が位置する。また、ホルダー上板2の下面には、第2の貫通孔となる第3の円錐孔22の最大開口面が位置し、ホルダー上板2の上面には当該第3の円錐孔32の最小開口面21が位置する。
尚、第1の実施形態と同様に、本変形例においても、図4(b)に示すように、チップ4は、ホルダー下板1に設けられた第1の円錐孔(第1の貫通孔)12と、ホルダー上板2に設けられた第3の円錐孔(第2の貫通孔)22とからなるチップ保持空間121に保持される。
以上に説明した本変形例のチップホルダーは、洗浄処理に使用する流体又は乾燥処理の方法等に応じて、第1の実施形態のチップホルダーに代えて用いることができるものであり、本変形例のチップホルダー及びそれを用いたチップ処理方法によって第1の実施形態と同様の効果が得られる。
尚、本変形例においては、チップホルダーの構成材料によっては、ホルダー下板1及びホルダー上板2のそれぞれの強度を保つために、ホルダー下板1及びホルダー上板2のそれぞれ厚さを増大させたり、又はホルダー下板1及びホルダー上板2を補強する対策を講じる必要が生じる場合もある。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係るチップホルダー及びチップ処理方法(具体的にはチップ洗浄方法)について、図面を参照しながら説明する。
図5(a)及び(b)は第2の実施形態に係るチップホルダーの概略構成を示す図であり、図5(a)は当該チップホルダーのホルダー下板とホルダー上板とを組み合わせる前の状態を示し、図5(b)は当該チップホルダーのホルダー下板とホルダー上板とを組み合わせた後の状態を示す。
また、図5(c)は第2の実施形態に係るチップホルダーのホルダー下板及びホルダー上板のそれぞれにおける貫通孔形成領域の断面構成を示す図である。尚、図5(c)は当該チップホルダーのホルダー下板とホルダー上板とを組み合わせた後の状態を示す。
さらに、図5(d)は、図5(a)〜(c)に示す本実施形態のチップホルダー10を用いた洗浄処理において供給され且つ排出される流体の流れを示す模式図である。
尚、図5(a)〜(d)において、図1(a)〜(d)に示す第1の実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施形態が第1の実施形態と異なる第1の点は、図5(a)〜(c)に示すように、チップ保持空間121における洗浄液等の流体の供給効率及び排出効率を向上させるために、ホルダー下板1の上面に、隣り合う第1の円錐孔12同士を結び且つホルダー下板1の側端まで延びる複数の溝(下板溝)14が設けられていること、及び、ホルダー上板2の下面に、隣り合う第3の円錐孔22同士を結び且つホルダー上板2の側端まで延びる複数の溝(上板溝)24が設けられていることである。ここで、本実施形態のチップホルダーを例えば大きさ2mm(幅)×2mm(奥行き)×0.4mm(厚さ)のチップの洗浄に用いる場合、溝14及び24の幅及び深さはそれぞれ例えば1.0mm及び0.5mmである。尚、溝14の底面は最小開口面11と同じ平面に位置しており、溝24の底面(図では天井面)は最小開口面21と同じ平面に位置している。
また、本実施形態が第1の実施形態と異なる第2の点は、図5(a)〜(c)に示すように、ホルダー下板1の外周部上面と溝14の底面とが面一になるように当該外周部に段差が設けられていること、及び、ホルダー上板2の外周部下面と溝24の底面(図では天井面)とが面一になるように当該外周部に段差が設けられていることである。これにより、ホルダー下板1とホルダー上板2とが組み合わされてなる本実施形態のチップホルダー10(図5(b)参照)の側端部には、所定の高さを持つ隙間(溝14及び24と接続する)が形成される。ここで、本実施形態のチップホルダーを例えば大きさ2mm(幅)×2mm(奥行き)×0.4mm(厚さ)のチップの洗浄に用いる場合、各段差の高さ及び奥行きはそれぞれ例えば0.5mm及び1.0mmである。この場合、本実施形態のチップホルダー10(図5(b)参照)の外周部には、高さ1.0mmの隙間が形成されることになる。
本実施形態のチップホルダー10においては、図5(d)に示すように、ホルダー上板2の第4の円錐孔23から供給された流体100は、最小開口面21を通ってチップ保持空間121に入り、チップ4と接触する。第1の実施形態では、チップ4と接触した流体100は、その後、最小開口面11及び第2の円錐孔13を通って排出された(図3参照)。それに対して、本実施形態のチップホルダー10においては、例えば図5(a)に示す溝14が、隣り合う第1の円錐孔12同士を結ぶように延びているため、図5(d)に示すように、チップ4と接触した流体100は、その後、最小開口面11及び第2の円錐孔13を通って排出される他、各第1の円錐孔12から溝14を通って4方向に排出される。
以上に説明した本実施形態のチップホルダー及びそれを用いたチップ処理方法によると、第1の実施形態と同様の効果に加えて、次のような効果が得られる。すなわち、ホルダー下板1に設けられた第1の円錐孔12と、ホルダー上板2に設けられた第3の円錐孔22とからなるチップ保持空間121において、最小開口面11及び21の2方向と溝14の4方向との合計6方向の流体(洗浄液等)の出入り口が存在する。言い換えると、チップ保持空間121への流体の供給路及び当該チップ保持空間121からの流体の排出路が多方向に確保されるため、流体の供給及び排出の自由度が飛躍的に向上する。その結果、チップ保持空間121における流体の供給効率及び排出効率、つまり流体の置換効率がより一層向上するため、被洗浄物、例えばチップ4の処理効率がより一層向上する。
また、本実施形態によると、例えば図5(b)に示すように、ホルダー下板1とホルダー上板2とが組み合わされてなるチップホルダー10の側端部には、溝14及び24と接続し且つ所定の高さを持つ隙間が形成される。このため、チップホルダー10の側端部における流体の整流化により、流体が溝14及び24に入りやすくなるので、隣り合う第1の円錐孔12を結ぶ溝14及び隣り合う第3の円錐孔22を結ぶ溝24との相乗効果によって流体の置換効率が向上する。従って、被処理物、例えばチップ4の処理効率をより一層向上させることができる。
尚、本実施形態において、ホルダー下板1の外周部上面と溝14の底面とが面一になるように当該外周部に段差を設けたが、これに代えて、ホルダー下板1の外周部上面よりも溝14の底面が高くなるように段差を設けてもよい。同様に、ホルダー上板2の外周部下面と溝24の底面(図では天井面)とが面一になるように当該外周部に段差を設けたが、ホルダー上板2の外周部下面よりも溝24の底面(図では天井面)が低くなるように段差を設けてもよい。
また、本実施形態において、ホルダー下板1に溝14を設けると共にホルダー上板2に溝24を設けたが、これに代えて、ホルダー下板1及びホルダー上板2のいずれか一方には溝を設けなくてもよい。また、ホルダー下板1及びホルダー上板2のそれぞれの外周部に段差を設けたが、ホルダー下板1及びホルダー上板2の両方又はいずれか一方の外周部には段差を設けなくてもよい。
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態に係るチップホルダー及びチップ処理方法(具体的にはチップ洗浄方法)について、図面を参照しながら説明する。
図6(a)及び(b)は第3の実施形態に係るチップホルダーの概略構成を示す図であり、図6(a)は当該チップホルダーのホルダー下板とホルダー上板とを組み合わせる前の状態を示し、図6(b)は当該チップホルダーのホルダー下板とホルダー上板とを組み合わせた後の状態を示す。
また、図6(c)は第2の実施形態に係るチップホルダーのホルダー下板及びホルダー上板のそれぞれにおける貫通孔形成領域の断面構成を示す図である。尚、図6(c)は当該チップホルダーのホルダー下板とホルダー上板とを組み合わせた後の状態を示す。
尚、図6(a)〜(c)において、図5(a)〜(d)に示す第2の実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施形態が第2の実施形態と異なる点は次の通りである。すなわち、第2の実施形態においては、ホルダー下板1の外周部上面と溝14の底面とが面一になるように当該外周部に段差が設けられていると共に、ホルダー上板2の外周部下面と溝24の底面(図では天井面)とが面一になるように当該外周部に段差が設けられていた。それに対して、本実施形態においては、当該各段差をホルダー下板1及びホルダー上板2のそれぞれの外周部には設けていない。その代わり、本実施形態においては、図6(a)に示すように、例えばホルダー下板1の上面における固定ねじ穴5の近傍に突起を設けると共にホルダー上板2の下面における固定ねじ穴5の近傍に突起を設けることによって、ホルダー下板1とホルダー上板2とを組み合わせてチップホルダー10を構成した際にホルダー下板1とホルダー上板2との間に所定の高さを持つ隙間が形成される。ここで、本実施形態のチップホルダーを例えば大きさ2mm(幅)×2mm(奥行き)×0.4mm(厚さ)のチップの洗浄に用いる場合、溝14及び24の幅及び深さはそれぞれ例えば1.0mm及び0.4mmである。また、この場合、前述の隙間の高さは、チップ4の厚さ(0.4mm)よりも小さい例えば0.2mmである。さらに、この場合、第1の円錐孔12の底面(ホルダー下板1の上面における最大開口面)の直径は例えば3.4mmであり、第1の円錐孔12の上面(ホルダー下板1の上面と下面との間における最小開口面11)の直径は例えば2.0mmである。尚、第2の円錐孔13、第3の円錐孔22及び第4の円錐孔23はそれぞれ第1の円錐孔12と同じ形状を有している。
本実施形態においても、図6(a)〜(c)に示すように、各溝14及び24は、隣り合う第1の円錐孔12同士及び第3の円錐孔22同士をそれぞれ結ぶと共にホルダー下板1及びホルダー上板2のそれぞれの側端まで延びている。
以上に説明した本実施形態のチップホルダー及びそれを用いたチップ処理方法によると、第1の実施形態と同様の効果に加えて、次のような効果が得られる。すなわち、ホルダー下板1に設けられた第1の円錐孔12と、ホルダー上板2に設けられた第3の円錐孔22とからなるチップ保持空間121において、洗浄液等の流体は、溝14及び24並びにホルダー下板1とホルダー上板2との間の隙間を通ってあらゆる方向から出入りすることができる。従って、流体の供給及び排出の自由度が飛躍的に向上する。また、流体の整流効果によって流体が溝14及び24に入りやすくなる。その結果、チップ保持空間121における流体の供給効率及び排出効率、つまり流体の置換効率がより一層向上するため、被洗浄物、例えばチップ4の処理効率がより一層向上する。
尚、本実施形態において、ホルダー下板1とホルダー上板2との間に被処理物の厚さ(例えばチップ4の厚さ)よりも小さい隙間を設けた。しかし、これに加えて、第2の実施形態と同様に、ホルダー下板1及びホルダー上板2の少なくとも一方の外周部に段差を設けてもよい。このようにすると、流体の整流効果がより顕著に得られる。
また、本実施形態において、ホルダー下板1とホルダー上板2との間に隙間を生じさせるため、ホルダー下板1の上面における固定ねじ穴5の近傍に突起を設けると共にホルダー上板2の下面における固定ねじ穴5の近傍に突起を設けた。しかし、ホルダー下板1とホルダー上板2との間に隙間を生じさせる方法は、これに限られるものではなく、例えば前述の突起をホルダー下板1の上面及びホルダー上板2の下面のそれぞれの他の箇所(固定ねじ穴5の近傍以外の他の箇所)に設けてもよい。
また、本実施形態において、ホルダー下板1に溝14を設けると共にホルダー上板2に溝24を設けたが、これに代えて、ホルダー下板1及びホルダー上板2のいずれか一方には溝を設けなくてもよい。
(第4の実施形態)
以下、本発明の第4の実施形態に係るチップホルダー及びチップ処理方法(具体的にはチップ洗浄方法)について、図面を参照しながら説明する。
図7(a)及び(b)は第4の実施形態に係るチップホルダーの概略構成を示す図であり、図7(a)は当該チップホルダーのホルダー下板とホルダー上板とを組み合わせる前の状態を示し、図7(b)は当該チップホルダーのホルダー下板とホルダー上板とを組み合わせた後の状態を示す。
また、図7(c)は第4の実施形態に係るチップホルダーのホルダー下板及びホルダー上板のそれぞれにおける貫通孔形成領域の断面構成を示す図である。尚、図7(c)は当該チップホルダーのホルダー下板とホルダー上板とを組み合わせた後の状態を示す。
さらに、図7(d)は、図7(a)〜(c)に示す本実施形態のチップホルダー10を用いた洗浄処理において供給され且つ排出される流体の流れを示す模式図である。
尚、図7(a)〜(d)において、図1(a)〜(d)に示す第1の実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施形態が第1の実施形態と異なっている第1の点は、図7(a)〜(c)に示すように、ホルダー下板1及びホルダー上板2のそれぞれに設けられる貫通孔の形状である。具体的には、第1の実施形態においては、図1(c)及び(d)に示すように、第1の円錐孔12と第2の円錐孔13とから構成される第1の貫通孔がホルダー下板1に設けられていると共に、第3の円錐孔22と第4の円錐孔23とから構成される第2の貫通孔がホルダー上板2に設けられていた。それに対して、本実施形態においては、図7(a)〜(c)に示すように、第1の円錐孔12のみからなる第1の貫通孔がホルダー下板1に設けられていると共に、第3の円錐孔22のみからなる第2の貫通孔がホルダー上板2に設けられている。すなわち、ホルダー下板1の上面には、第1の貫通孔となる第1の円錐孔12の最大開口面が位置し、ホルダー下板1の下面には当該第1の円錐孔12の最小開口面11が位置する。また、ホルダー上板2の下面には、第2の貫通孔となる第3の円錐孔22の最大開口面が位置し、ホルダー上板2の上面には当該第3の円錐孔32の最小開口面21が位置する。尚、第1の実施形態と同様に、本実施形態においても、図7(c)に示すように、チップ4は、ホルダー下板1に設けられた第1の円錐孔(第1の貫通孔)12と、ホルダー上板2に設けられた第3の円錐孔(第2の貫通孔)22とからなるチップ保持空間121に保持される。
本実施形態が第1の実施形態と異なっている第2の点は、ホルダー下板1の下面上に、第1の貫通孔(第1の円錐孔12)を部分的に覆う桟(下板桟)15が設けられていると共に、ホルダー上板2の上面上に、第2の貫通孔(第3の円錐孔22)を部分的に覆う桟(上板桟)25が設けられていることである。これにより、ホルダー下板1の下面における第1の円錐孔12の最小開口面11が全開口することを防止できると共に、ホルダー上板2の上面における第3の円錐孔32の最小開口面21が全開口することを防止できる。ここで、本実施形態のチップホルダーを、例えば大きさ2mm(幅)×2mm(奥行き)×0.4mm(厚さ)のチップの洗浄に用いる場合、桟15及び25の幅及び高さは共に例えば1.0mmである。
本実施形態のチップホルダー10においては、図7(d)に示すように、例えば最小開口面21からチップ保持空間121に入ろうとする洗浄液等の流体100は、最小開口面21が桟25により部分的に覆われているため、チップ4の中心部に直接衝撃を与えることなく、第3の円錐孔22つまりチップ保持空間121に入ることになる。
以上に説明した本実施形態のチップホルダー及びそれを用いたチップ処理方法によると、第1の実施形態と同様の効果に加えて、次のような効果が得られる。すなわち、チップ保持空間121に導入される流体から被処理物(例えばチップ4)が受ける衝撃を和らげることができる。従って、被処理物が構造的に弱いデバイスである場合でも、当該デバイスの破損を防止しながら、チップ保持空間121における流体の置換効率や排出効率を向上させ、それによって当該デバイスの洗浄処理効率を向上させることができる。従って、構造的に弱い被処理物の処理に本実施形態のチップホルダー10を適用した場合、特に有用である。具体的には、例えば厚さ100nm以下の薄膜に覆われた、大きさ1500μm(幅)×1500μm(奥行き)×3μm(高さ)程度の空洞を形成するための洗浄(ウェットエッチング)、又はその他の構造的に不安定な形状が形成されたMEMSデバイスの洗浄等に本実施形態のチップホルダー10を適用すると、製造歩留まりを飛躍的に向上させることが可能となる。
尚、本実施形態において、ホルダー下板1の下面上に、第1の貫通孔(第1の円錐孔12)を部分的に覆う桟15を設けると共に、ホルダー上板2の上面上に、第2の貫通孔(第3の円錐孔22)を部分的に覆う桟25を設けた。しかし、これに代えて、洗浄液等の流体の導入孔として用いられる貫通孔を部分的に覆う桟のみを設けてもよい。
また、本実施形態において、桟15及び25のそれぞれをホルダー下板1及びホルダー上板2のそれぞれと一体的に加工する場合等の事情によっては、ホルダー下板1の下面上及びホルダー上板2の上面上のそれぞれにおける貫通孔が形成されていない領域にダミーの桟を設けてもよい。
また、第1〜第4の実施形態で示した被洗浄物の大きさ(例えばチップ4の大きさ)及びチップ保持空間121の大きさ(つまり第1の円錐孔12及び第3の円錐孔22のそれぞれの大きさ)はそれぞれ一例を示すものであり、被洗浄物がチップ保持空間121の外側に出ないように構成されているならば、被洗浄物及びチップ保持空間121のそれぞれの大きさは特に限定されるものではない。
以下、被洗浄物であるチップ4の平面形状が正方形であり、チップ保持空間121を構成する円錐孔12及び22の最小開口面11及び21の形状が円形(楕円形を除く)であるとした場合における、被洗浄物がチップ保持空間121の外側に出ない条件について、図1(a)〜(d)を参照しながら説明する。尚、円錐孔12及び22のそれぞれの寸法は同じであり、最小開口面11及び21のそれぞれの寸法も同じであるとする。
当該場合においては、例えばチップ4の一辺の寸法を最小開口面11及び21の直径よりも大きく設定することによって、チップ4がチップ保持空間121の外側に出ることを物理的に防止できる。このとき、円錐孔12及び22のそれぞれの円錐角度(各円錐孔12及び22に頂部が存在するとした場合における当該頂部の角度)を例えば110°〜160°程度の範囲に設定する。具体的には、チップ保持空間121内においてチップ4が水平面に対して30°程度までしか傾斜できないようにチップ4の可動範囲を制限できるように、円錐孔12及び22のそれぞれの円錐角度を前述の範囲内の角度に設定する。また、ホルダー下板1及びホルダー上板2のそれぞれの厚さについては、円錐孔12及び22のそれぞれの円錐角度が前述の適正な角度に設定されるように設定する。
続いて、被洗浄物であるチップの平面形状が正方形であり、チップ保持空間が第1の実施形態の円錐孔12及び22と同様の円錐孔から構成されるとした場合において当該チップの厚さを無視できるとした場合における、当該チップが当該チップ保持空間の外側に出ない条件について、図8(a)及び(b)を参照しながら説明する。ここで、図8(a)に示すように、円錐孔の最大開口面及び最小開口面のそれぞれの直径はLtop 及びLbottomであり、円錐孔の最大開口面と壁面とがなす角度はθ(但し10°≦θ≦35°)であり、チップの対角長(対角線の長さ)はLchipであるとする。
図8(b)に示すように、最大開口面の一端から、それと正反対に位置する最小開口面の他端までの距離をxとすると、チップが傾いた場合においてチップが当該チップ保持空間の外側に出ない条件は、x<Lchipである。また、xは、
x=[{Lbottom+(Ltop −Lbottom)/2}2
+{(Ltop −Lbottom)/2・tanθ}2 0.5
=[{(Ltop +Lbottom2 +(Ltop −Lbottom2 }/4+tan2 θ]0.5
=[{(Ltop 2 +Lbottom 2 )/2+tan2 θ 0.5
と表すことができる。従って、条件x<Lchipは、
[{(Ltop 2 +Lbottom 2 )/2+tan2 θ 0.5 <Lchip
と表すことができる。
また、第1〜第4の実施形態においては、図9(a)に示すように、チップ保持空間121(つまりホルダー下板1の第1の円錐孔12及びホルダー上板2の第3の円錐孔22:図9(a)では第1の円錐孔12のみを示している)を格子状(90°配列)に配置した。この場合、格子方向(90°方向)に隣接する第1の円錐孔12同士の距離と比較して、斜め方向(45°方向)に隣接する第1の円錐孔12同士の距離は長くなる。その結果、例えば格子方向に第1の円錐孔12が6個ずつ配列されるとすると、ホルダー下板1上での第1の円錐孔12の総数は36個になる。しかしながら、第1の円錐孔12つまりチップ保持空間121の配列は特に限定されるものではない。例えば図9(b)に示すように、図9(a)に示す第1の円錐孔12の配列において1列毎に第1の円錐孔12をずらして配置することによって全ての隣り合う第1の円錐孔12間の距離を同じに設定してもよい(60°配列)。このようにすると、図9(b)に示すように、ホルダー下板1上での第1の円錐孔12の総数を39個まで増やすことができる。すなわち、図9(b)に示す第1の円錐孔12の配列つまりチップ保持空間の配列を用いることによって、チップホルダー内により多くのチップ保持空間を形成することが可能になると共に、ホルダー下板1の下面及びホルダー上板2の上面のそれぞれにおける貫通孔の開口面が占める面積が増大する。従って、チップ保持空間内における流体の置換効率をさらに向上させることができる。
また、第1〜4の実施形態において、チップホルダー10の材料としては、当該チップホルダー10を洗浄液に浸漬する必要があるため、例えば耐薬品性を備えている樹脂を用いることが好ましい。具体的には、洗浄液としてフッ酸を使用する場合には、チップホルダー10の材料としてPEEK(Poly Ether Ether Keton(ポリエーテルエーテルケトン))を用いることが望ましい。或いは、洗浄液としてその他の種類の洗浄液を用いる場合には、当該洗浄液に応じてPFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)やPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などを用いることもできる。
また、第1〜4の実施形態において、被処理物が正方形状のチップである場合を想定して、チップ保持空間121の平面形状を円形としたが、チップ保持空間121の平面形状は特に限定されるものではなく、円形以外に楕円形又は多角形を用いてもよい。例えば被処理物が長方形状のチップである場合には、チップ保持空間121の平面形状を楕円形にしてもよい。すなわち、チップ保持空間121の平面形状と被処理物の平面形状とは異なっていることが好ましい。このようにすると、チップ保持空間121を構成する第1の円錐孔12又は第3の円錐孔22の壁面に被処理物が接触する場合には必ず点接触になる。すなわち、チップ保持空間121に被処理物を点接触状態又は非接触状態で確実に保持することができる。このため、当該保持空間121に導入された洗浄液等の流体の置換効率や排出効率を確実に向上させることができるので、被処理物の洗浄処理効率を確実に向上させることができる。具体的には、被処理物が方形状のチップである場合には、チップ保持空間121の平面形状は円形、楕円形又は五角形以上の多角形であることが好ましい。言い換えると、チップ保持空間121に被処理物が点接触状態又は非接触状態で保持されるのであれば、チップ保持空間121を構成する貫通孔として、円錐孔以外に多角錐孔等を用いることができる。
また、第1〜4の実施形態において、チップホルダー10を用いたチップ洗浄方法において、チップホルダー10の搬送や洗浄液等の流体の供給排出を手動で行うタイプの洗浄装置を用いた。しかし、これに代えて、チップホルダー10の搬送系又は流体の供給排出機構が自動化された洗浄装置を用いてもよいことは言うまでもない。
また、第1〜4の実施形態のチップホルダー10のチップ保持空間121において、最小開口面21側を流体の導入孔とし、最小開口面11側を流体の排出孔としたが、これに代えて、最小開口面21側を流体の排出孔とし、最小開口面11側を流体の導入孔としてもよい。
また、第1〜4の実施形態において、チップホルダー10を用いてチップ洗浄を行う場合を例として説明したが、これに代えて、チップホルダー10を用いてチップ乾燥を行ってもよい。この場合、チップホルダー10と被処理物との接触面積が小さいので、被処理物の乾燥を十分に行うことができ、それによって後工程で障害が生じる事態を確実に阻止することができる。
以上に説明したように、本発明は、半導体製造装置等で用いられるチップホルダーに関し、MEMSデバイスの製造で行われるチップ洗浄処理に適用した場合には、被処理物の洗浄処理効率を向上させることができ、非常に有用である。
図1(a)及び(b)は本発明の第1の実施形態に係るチップホルダーの概略構成を示す図であり、図1(c)及び(d)は本発明の第1の実施形態に係るチップホルダーのホルダー下板及びホルダー上板のそれぞれにおける貫通孔形成領域の断面構成を示す図である。 図2は本発明の第1の実施形態に係るチップホルダーを用いたチップ洗浄方法の概略を説明するための図である。 図3は本発明の第1の実施形態に係るチップホルダーの内部における流体の流れを示す模式図である。 図4(a)及び(b)は本発明の第1の実施形態の変形例に係るチップホルダーのホルダー下板及びホルダー上板のそれぞれにおける貫通孔形成領域の断面構成を示す図である。 図5(a)及び(b)は本発明の第2の実施形態に係るチップホルダーの概略構成を示す図であり、図5(c)は本発明の第2の実施形態に係るチップホルダーのホルダー下板及びホルダー上板のそれぞれにおける貫通孔形成領域の断面構成を示す図であり、図5(d)は、図5(a)〜(c)に示すチップホルダーの内部における流体の流れを示す模式図である。 図6(a)及び(b)は本発明の第3の実施形態に係るチップホルダーの概略構成を示す図であり、図6(c)は本発明の第3の実施形態に係るチップホルダーのホルダー下板及びホルダー上板のそれぞれにおける貫通孔形成領域の断面構成を示す図である。 図7(a)及び(b)は本発明の第4の実施形態に係るチップホルダーの概略構成を示す図であり、図7(c)は本発明の第4の実施形態に係るチップホルダーのホルダー下板及びホルダー上板のそれぞれにおける貫通孔形成領域の断面構成を示す図であり、図7(d)は、図7(a)〜(c)に示すチップホルダーの内部における流体の流れを示す模式図である。 図8(a)及び(b)は、本発明の第1〜第4の実施形態に係るチップホルダーの保持空間の外側にチップが出ない条件を説明するための図である。 図9(a)及び(b)は、本発明の第1〜第4の実施形態に係るチップホルダーにおけるチップ保持空間の配列例を示す図である。 図10(a)〜(c)は、特許文献1に開示された従来のチップホルダーを用いた半導体チップの乾燥方法の各工程を示す断面図である。 図11は特許文献1に開示された従来のチップホルダーの構成を示す図である。
符号の説明
1 ホルダー下板
2 ホルダー上板
4 チップ
5 固定ネジ穴
7 アーム
10 チップホルダー
11 最小開口面
12 第1の円錐孔
13 第2の円錐孔
14 溝
15 桟
21 最小開口面
22 第3の円錐孔
23 第4の円錐孔
24 溝
25 桟
60 洗浄装置筐体
61 洗浄槽
61a 洗浄液ライン開閉バルブ
61b 循環バルブ
61c 廃液バルブ
61d 循環ポンプ
62 水洗槽
62a 純水供給バルブ
62b シャワーノズル
63 乾燥炉
63a 窒素ライン開閉バルブ
64 排気弁
65 温度制御システム
81 洗浄液
82 純水
100 流体
121 チップ保持空間

Claims (18)

  1. 第1の貫通孔を有するホルダー下板と第2の貫通孔を有するホルダー上板とからなるチップホルダーであって、
    前記ホルダー下板と前記ホルダー上板とを組み合わせた際に前記第1の貫通孔と前記第2の貫通孔とによって形成される保持空間に被処理物を可動状態で保持することを特徴とするチップホルダー。
  2. 請求項1に記載のチップホルダーにおいて、
    前記第1の貫通孔は、前記ホルダー下板の上面において前記被処理物の最大投影面積と同等か又はそれよりも大きい第1の最大開口面を有すると共に、前記ホルダー下板の上面と下面との間に前記最大投影面積よりも小さい第1の最小開口面を有しており、
    前記第2の貫通孔は、前記ホルダー上板の下面において前記最大投影面積と同等か又はそれよりも大きい第2の最大開口面を有すると共に、前記ホルダー上板の上面と下面との間に前記最大投影面積よりも小さい第2の最小開口面を有していることを特徴とするチップホルダー。
  3. 請求項2に記載のチップホルダーにおいて、
    前記第1の貫通孔は、前記ホルダー下板の下面において前記第1の最小開口面よりも大きい開口面を有することを特徴とするチップホルダー。
  4. 請求項2又は3に記載のチップホルダーにおいて、
    前記第2の貫通孔は、前記ホルダー上板の上面において前記第2の最小開口面よりも大きい開口面を有することを特徴とするチップホルダー。
  5. 請求項2〜4のいずれか1項に記載のチップホルダーにおいて、
    前記第1の貫通孔は、前記ホルダー下板の上面側に頂部のない下板円錐孔を含み、
    前記第2の貫通孔は、前記ホルダー上板の下面側に頂部のない上板円錐孔を含み、
    前記第1の最大開口面は前記下板円錐孔の底部となり、
    前記第2の最大開口面は前記上板円錐孔の底部となることを特徴とするチップホルダー。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のチップホルダーにおいて、
    前記ホルダー下板の上面に、前記第1の貫通孔から前記ホルダー下板の側端まで延びる溝が設けられていることを特徴とするチップホルダー。
  7. 請求項6に記載のチップホルダーにおいて、
    前記ホルダー下板は、前記第1の貫通孔に隣接する他の貫通孔を有し、
    前記溝は、前記第1の貫通孔から前記他の貫通孔まで延びることを特徴とするチップホルダー。
  8. 請求項6又は7に記載のチップホルダーにおいて、
    前記ホルダー下板の上面における最外周部に段差が設けられていることを特徴とするチップホルダー。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のチップホルダーにおいて、
    前記ホルダー上板の下面に、前記第2の貫通孔から前記ホルダー上板の側端まで延びる溝が設けられていることを特徴とするチップホルダー。
  10. 請求項9に記載のチップホルダーにおいて、
    前記ホルダー上板は、前記第2の貫通孔に隣接する他の貫通孔を有し、
    前記溝は、前記第2の貫通孔から前記他の貫通孔まで延びることを特徴とするチップホルダー。
  11. 請求項9又は10に記載のチップホルダーにおいて、
    前記ホルダー上板の下面における最外周部に段差が設けられていることを特徴とするチップホルダー。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のチップホルダーにおいて、
    前記ホルダー下板と前記ホルダー上板とを組み合わせた状態で前記ホルダー下板と前記ホルダー上板との間に前記被処理物の厚さよりも小さい隙間が生じることを特徴とするチップホルダー。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載のチップホルダーにおいて、
    前記ホルダー下板の下面上に、前記第1の貫通孔を部分的に覆う桟が設けられていることを特徴とするチップホルダー。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載のチップホルダーにおいて、
    前記ホルダー上板の上面上に、前記第2の貫通孔を部分的に覆う桟が設けられていることを特徴とするチップホルダー。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載のチップホルダーにおいて、
    前記被処理物の平面形状と前記保持空間の平面形状とが異なっていることを特徴とするチップホルダー。
  16. 請求項15に記載のチップホルダーにおいて、
    前記被処理物の平面形状は四角形であり、前記保持空間の平面形状は円形、楕円形又は五角形以上の多角形であることを特徴とするチップホルダー。
  17. 請求項1〜16のいずれか1項に記載のチップホルダーに前記被処理物を保持しながら前記被処理物に対して処理を行なうことを特徴とするチップ処理方法。
  18. 請求項17に記載のチップ処理方法において、
    前記処理において、前記被処理物を流体にさらすことにより前記被処理物を洗浄するか又は前記被処理物を乾燥させることを特徴とするチップ処理方法。
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