JP2006253176A - 基板及び電子部品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 無電解めっき等の工程を行うことなく、電気的信頼性が高く、効率的な電子部品の製造方法を提供する。
【解決手段】 電子部品の基材22に形成された開口部28に導電体を充填するには、まず、開口部28に充填される導電体30が上部導体24に接触しないように、マスク32を形成する。次に、下部導体26を電極として、開口部28の下部導体26側から金属めっきを成長させ、開口部28に金属めっきを充填する。続いて、マスク32を除去し、上部導体24または下部導体26を電極として、開口部28に充填された金属めっきと上部導体24とをめっき接続する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、基板及び電子部品の製造方法に関する。
従来、絶縁材料からなる基材と、その上面及び下面に形成された導体層と、を備える基板(単層板)に基材を貫通する導体部を形成し、導体部を形成した単層板を重ね合わせて単層板間を接続(層間接続)した電子部品が知られている。このような電子部品に用いられる単層板の導体部は、例えば、以下のような方法によって形成されている。図7及び図8は、単層板の導体部の形成工程を説明するための図である。
まず、上面に導体膜2が形成され、下面に下部導体層3が形成されている、所定の厚みを有する絶縁材料からなる基材1を準備する。この基材1に導体膜2を覆うように、レジストとなるドライフィルム6を貼り付け、露光と現像を行うことで、図7(a)に示すように、後述する導体部の径に相当する穴7を形成する。次に、穴7の底面に露出する導体膜2に対してエッチングを行い、穴7から露出する導体膜2を除去することにより、図7(b)に示すように、基材1を露出させる。穴7の底部に基材1を露出させた後、図7(c)に示すように、ドライフィルム6を剥離するとともに、レーザ照射によって穴7の径に相当する開口部8を形成する。開口部8を形成した後、図7(d)に示すように、基材1における上層側および開口部8に対し、一様に化学めっきとなる無電解めっきを施し、無電解めっき層9を形成する。
無電解めっき層9を形成した後、無電解めっき層9を給電膜(電極)として電解めっきを施し、図8(a)に示すように、開口部8の内部および導体膜2の上側に金属10を析出させる。そして、図8(b)に示すように、電解めっきによって開口部8の内部を金属10で充填させた後、図8(c)に示すように、サブトラクティブ法によって、導体膜2と下部導体層3とにパターンニングを行い、上部配線パターン4と下部配線パターン5とを形成するとともに、開口部8内に導体部11を形成する。
また、単層板の導体部の形成方法としては、例えば、スルーホール内底部の無電解めっき層を用い基材と導体部との密着性の向上を図る方法や(例えば、特許文献1参照)、無電解めっき層に代えて他の処理を適用する方法も知られている(例えば、特許文献2参照)。
しかし、無電解めっき層9を形成した後に、電解めっきを施し開口部8を金属10で埋めようとすると、基材1の片側表面全体にめっき層が厚く形成されてしまい、この結果、図8(c)に示すように、エッチングにて配線パターンを形成する際に、配線パターンの断面が台形になってしまい、寸法精度の低下や、幅の狭い配線パターンが形成できなくなるという問題がある。
また、無電解めっき層9を形成し、これを電極として電気めっきを施すと、この無電解めっき層9における表面と穴の内側とでは、表面の方が新鮮なめっき液が多くあたる。このため、表面での電気めっき層の成長が促進され、この結果、開口部8に金属10が充填される前に、開口部8が電気めっき層によって塞がれ、導体部11の内部に空隙(いわゆるボイド)が生じてしまうおそれがある。
また、無電解めっきを使用せず、他の前処理を施す場合でも同様の問題が生じるおそれがある。
ところで、電気めっきの前処理である無電解めっきまたはこれに準じる他の前処理(以下、無電解めっき等という)を使用する場合には、導体以外の部分(絶縁体部分)にもめっきを付着させるため、金属触媒が用いられる。しかし、この金属触媒が配線層の表面に残留すると、絶縁抵抗値が低下したり、配線パターンの短絡等の障害を引き起こす可能性がある。特に、近年の電子部品では狭ピッチ化が進んでおり、このような障害のおそれが一層高まっている。
かかる問題を解決すべく、本出願人は、導体部の形成領域に下部導体層を底部とする開口部を導体膜側より形成し、下部導体層を電極として開口部の底部より金属めっきを成長させ、金属めっきが導体膜に達し開口部内に導体部を形成した後に、導体膜と導体部とを電極として、これら導体膜と導体部の上面に金属めっきを成長させ、上部導体層を形成するだけの厚みを形成する方法を提案した(特許文献3参照)。
この方法によれば、無電解めっき等の工程を削除することができるので、製造工程の簡略化を達成することができる。また、導体膜をいわゆるストッパとして用いており、複数の開口部の間に容積のばらつきがあったとしても導体部が導体膜に導通した時点から電極面積が増大し、これに伴い電流密度が大幅に低下する。このため、めっきの析出速度が低下し、開口部の容積にばらつきがあっても、めっき高さに対する影響を抑えることができる。
特開平5−335713号公報 特開2003−110211号公報 特開2005−19918号公報
ところで、基板サイズが大きくなると、このサイズ変更に伴って基板に形成された開口部(ビアホール)の数が多くなる。開口部の数が多くなると、開口部のばらつきも大きくなり、下部導体層と導体膜とのめっき接続において、どこかの開口部で先に導体部と導体膜とが接触すると、導体部と導体膜とが接触していない開口部ではめっき析出が不十分になり、開口部を充分にめっきで充填できなくなってしまう。これは、先に導体部と導体膜とが接触した箇所及びその付近に電流密度が集中し、その周辺の開口部への電流供給が低下してしまうためである。このため、各開口部に供給される電流分布が不均一となり、めっきの析出レートが異なってしまう。この結果、析出が不十分であったり、空隙のある析出がされたり、めっき析出高さが異なったりしてしまう。このような場合、めっき時間を長くしたり、電流供給量を増加させたり、或いは、めっきの液組成の変更など種々の方策があるが、全ての開口部に同じようにめっきを充填することは困難である。
かかる場合に、特許文献3のように、導体膜をいわゆるストッパとして用いることも考えられるが、導体膜と接触していない導体部の成長が抑制されてしまうため、導体部と導体膜とが接続されていない開口部が多い場合には効率的な方法とはいえなかった。また、開口部の形状が揃っていない場合、あるいは、開口部の形状が異なっている場合など、下部導体層と導体膜とが接続されない箇所が生じるおそれがある。このため、電気的信頼性が高く、より効率的な電子部品の製造方法が求められている。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、無電解めっき等の工程を行うことなく、電気的信頼性が高く、効率的な基板及び電子部品の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点にかかる基板の製造方法は、
開口を有する第1の導電部材と第2の導電部材とに挟まれた第1の絶縁部材に、前記第1の導電部材の開口から前記第2の導電部材側に前記第1の絶縁部材を貫通する開口部を形成し、該開口部に導電体を充填する基板の製造方法であって、
前記開口部に充填される導電体が前記第1の導電部材に接触しないように、少なくとも前記開口部周囲の前記第1の導電部材に導体マスク用の第2の絶縁部材を形成する絶縁部材形成工程と、
前記第2の導電部材に給電を行って、電気めっき時の給電用の電極として、前記開口部の前記第2の導電部材側から電気めっきにより金属めっきを成長させ、前記開口部に金属めっきを充填する金属めっき充填工程と、
前記第2の絶縁部材を除去する絶縁部材除去工程と、
前記第1の導電部材または第2の導電部材を電気めっき時の給電用の電極として、前記開口部に充填された金属めっきと前記第1の導電部材とをめっき接続するめっき接続工程と、
を備えることを特徴とする。
この構成によれば、無電解めっき工程を行っていないので、製造工程を簡略化することができる。また、無電解めっき工程で用いられる金属触媒等の残留を防止でき、電子部品の電気的信頼性を向上させることができる。
また、少なくとも開口部周囲の第1の導電部材に第2の絶縁部材が形成されているので、金属めっき充填工程で成長した金属めっきが第1の導電部材に接触せず、各開口部に安定した電流供給が行われる。このため、各開口部におけるめっき析出が充分に行われ、開口部を金属めっきで充填することができる。さらに、第2の絶縁部材を除去した後に、第1或いは第2の導電部材より給電を行い、開口部に充填された金属めっきと第1の導電部材とをめっき接続するので、確実に第1の導電部材と第2の導電部材とを接続することができる。このため、例えば、開口部の形状が揃っていなくても、或いは、開口の形状が異なっていても、開口部にめっき析出することができる。
前記絶縁部材形成工程では、例えば、前記第1の導電部材を完全に覆うように前記第2の絶縁部材を形成する。
前記第1の絶縁部材の開口部は、前記第1の導電部材の開口よりも小さいとともに、該第1の導電部材の開口から所定の距離を有するように形成されていることが好ましい。
本発明の第2の観点にかかる電子部品の製造方法は、第1の観点にかかる方法により製造された基板を積層することを特徴とする。
本発明の第3の観点にかかる電子部品の製造方法は、
開口を有する第1の導電部材と第2の導電部材とに挟まれた第1の絶縁部材に、前記第1の導電部材の開口から前記第2の導電部材側に前記第1の絶縁部材を貫通する開口部を形成し、該開口部に導電体を充填する基板を備える電子部品の製造方法であって、
前記開口部に充填される導電体が前記第1の導電部材に接触しないように、少なくとも前記開口部周囲の前記第1の導電部材に導体マスク用の第2の絶縁部材を形成する絶縁部材形成工程と、
前記第2の導電部材を電気めっき時の給電用の電極として、前記開口部の前記第2の導電部材側から電気めっきにより金属めっきを成長させ、前記開口部に金属めっきを充填する金属めっき充填工程と、
前記第2の絶縁部材を除去する絶縁部材除去工程と、
前記第1の導電部材または第2の導電部材を電気めっき時の給電用の電極として、前記開口部に充填された金属めっきと前記第1の導電部材とをめっき接続するめっき接続工程と、
を備えることを特徴とする。
この発明によれば、多数個の開口部(開口部については大きさが異なってもよいし、形状が異なっていてもよい)を備える基板、電子部品等においても開口部の導体形成を確実に行うことができ、高い接続信頼性を得ることができる。このため、信号伝送やグランドの電磁遮蔽等の配線間を接続形成したり、電源系の配線間を接続形成する開口部として、応用することができ、さらに、放熱用のフィンとしての応用展開を行うことができる。
本発明によれば、無電解めっき等の工程を行うことなく、電気的信頼性が高く、効率的な基板及び電子部品の製造方法を提供できる。
以下、本発明の基板及び電子部品の製造方法について、図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態の基板の製造方法によって製造された基板(単層板)の構成を示す断面図である。
図1に示すように、基板としての単層板20は、第1の絶縁部材としての基材22と、第1の導電部材としての上部導体24と、第2の導電部材としての下部導体26と、導電体(穴埋め金属めっき)としての導体部30と、導電体(金属めっき)としての導体部36と、を備えている。
基材22は、所定の厚みを有する絶縁部材から構成されている。基材22には、基材22を貫通するように、下部導体26を底面とする開口部28が形成されている。開口部28は、基材22の下面側(下部導体26側)から上面側(上部導体24側)に向かって拡径するように形成されている。このように拡径にすることにより、開口部28にめっきが入りやすくなり、形成される導体部30内部にボイドが生じにくくなる。また、上部導体24と導体部30とが密着しやすくなり、接合強度が向上する。このため、外力によって導体部30が開口部28から剥離するという不具合を防止することができる。このような開口部28は、基材22に多数形成されている場合により効果が大きい。本発明は、基材22に複数形成された開口部28のばらつきが大きくなったときにも、各開口部28に導体部30を確実に形成可能な方法だからである。
上部導体24は、導電体から構成されている。上部導体24は、基材22上に形成され、基材22の開口部28に対応する位置に開口が形成されている。本実施の形態では、開口部28が、上部導体24の開口よりも小さく、上部導体24の開口との間に所定の距離を有するように形成されている。例えば、上部導体24の開口が径260μmの円形状の場合、開口部28は、上部導体24の開口より露出された基材22の上面から基材22を貫通して下部導体26を露出するとともに、上部導体24の開口との間に所定の距離を有するように径160μmの円形状に形成されている。
下部導体26は、導電体から構成されている。下部導体26は、基材22の下面に形成されている。
導体部30は、金属めっきから構成され、開口部28の内部に形成されている。導体部36は、金属めっきから構成され、導体部30及び上部導体24上に形成されている。導体部30及び導体部36は、溶液維持費、溶液材料費の高い無電解めっき等の前処理を行わず、電気めっきのみによって形成されている。このため、後述するように、導体部30及び導体部36を形成する際に、無電解めっき等の前処理工程が不要になる。この結果、製造工程の短縮化が達成でき、安価に製造できる。さらに、無電解めっき等の前処理工程が不要なので、例えば、無電解めっき処理の反応速度の向上に使用される金属触媒が配線パターン側に残留するのを防止でき、電子部品の信頼性を向上させることが可能になる。また、上部導体24と導体部30とを電気めっき時の給電用の電極とすることができるので、電気めっきの時間管理等によって、配線パターンに必要な膜厚(上部導体24と導体部36との厚み)を確保することができる。
このように構成された単層板20を、例えば、電気めっきにより形成された導体部30または導体部36の表面の凹凸を研磨し、さらにパターニング処理を施して電極パターンを形成した後、単層板20を含む基板等を積層することにより多層基板(電子部品)が形成される。図2及び図3に電子部品の一例を示す。
図2(a)では、下層に上部導体24及び下部導体26が形成された単層板20の上に、下部導体が形成されていない2枚の単層板を配置し、例えば、熱圧着により積層することにより、図2(b)に示すような電子部品を形成している。図2(c)では、上部導体24及び下部導体26が形成された単層板20の上に下部導体が形成されていない単層板を配置するとともに、単層板20下に上部導体が形成されていない単層板を配置し、例えば、熱圧着により積層することにより図2(b)に示すような電子部品を形成している。
図3(a)では、上部導体24及び下部導体26が形成された2枚の単層板20の間にプリプレグ(接着シート)41を配置し、単層板同士を接着(積層)することにより電子部品を形成している。なお、基板間の配線は、貫通孔(スルーホール)などを用いてもよい。図3(b)では、上部導体24及び下部導体26が形成された単層板20の上下にRCC42を貼り付けることにより電子部品を形成している。すなわち、単層板20を心材(コア材)に適用し、この心材(コア材)の両面に配線層を積層させたものである。
次に、基板及び電子部品の製造方法について説明する。図4は、単層板の製造工程を説明するための図である。
まず、上面の全面に上部導体24が形成され、下面の全面に下部導体26が形成されている、所定の厚みを有する絶縁材料からなる基材22を準備する。次に、例えば、上部導体24上の所定の領域にレジスト(ドライフィルム)を配置し、エッチング処理(フォトエッチング)を行うことにより、上部導体24に、例えば、径が200μmの円形の開口24aを所定数形成する。続いて、上部導体24の開口24aにより露出された基材22の所定の領域をブラスト処理、レーザ加工またはプラズマ処理により下部導体26が露出するまで絶縁材料を除去し、開口部28を所定数形成する。なお、レーザ加工を適用する場合では、絶縁材料からなる絶縁部材(基材22)への加工には、炭酸ガスレーザが用いられ、導体への加工には、YAG レーザ(Yttrium Aluminum Garnet laser)が用いられることが多いが、導体も絶縁部材の加工も炭酸ガスレーザーを用いる場合もある。このため、これらのレーザを使用する場合には、開口24aを形成する際に、上部導体24へのエッチング処理は行われない。また、異なるレーザを使用する場合には、加工効率向上の見地から(例えば画像認識処理装置のような)同一の位置決め機構に搭載し、導体と絶縁部材との連続加工を行うようにしてもよい。
ここで、開口部28は、基材22の下面側から上面側に向かって拡径するように形成することが好ましい。このように拡径することにより、後述する開口部28にめっきを充填する際に、開口部28にめっきが入りやすくなり、形成される導体部30内部にボイドが生じにくくなる。また、上部導体24と導体部30とが密着しやすくなり、接合強度が向上する。
また、開口部28は、上部導体24の開口24aよりも小さく、上部導体24の開口24aとの間に、後述するマスクが配置できるように、所定の距離を有するように形成する。例えば、開口部28は、上部導体24の開口24aから50μmの距離を有するように、径160μmの円形状に形成する。この開口部28を形成した状態を図4(a)に示す。
次に、上部導体24上に、開口部28に充填される金属めっきが上部導体24に接触しないように、少なくとも開口部28周囲の上部導体24に、絶縁材料、例えば、感光性樹脂等により構成されたマスク32を配置する。本実施の形態では、図4(b)に示すように、上部導体24を完全に覆うようにマスク32を形成する。
このマスク32には、上部導体24上にマスク32が配置された状態で、開口部28及び上部導体24の開口24aに対応する位置に穴32aが形成されている。本実施の形態では、穴32aは、開口部28の径より大きく、上部導体24の開口24aの径より小さくなるように形成されている。このため、穴32aは、その内側面が開口部28と上部導体24の開口24aとの間に位置する。この結果、マスク32は、上部導体24上に配置された状態で、上部導体24を完全に覆うとともに開口部28を露出する。
また、下部導体26の下面にも絶縁材料、例えば、感光性樹脂等により構成されたマスク34を形成する。これにより、図4(b)に示す状態となる。
次に、下部導体26を電気めっき電極(給電用の電極)として電気めっきを行う。めっきによって析出される金属は、開口部28の最下位置すなわち下部導体26の露出領域から成長する。そして、下部導体26を起点とした金属めっきの成長が続くと、開口部28の内側は金属めっきによって充填され、図4(c)に示すように、導体部30が形成される。この導体部30の高さは、めっき条件や液組成により制御される。
ここで、上部導体24はマスク32で完全に覆われているため、仮に、析出されためっきが基板上層に達しても、析出されためっきと上部導体24とは接触しない。このため、めっきの電流密度が急激に変わること無く、開口部28に対して、めっきによる充填を安定して行うことができる。さらに、下部導体26の下面にマスク34が形成されているので、基板上下の応力バランスが保たれ、基板の破損、変形を抑制することができる。また、下部導体26の露出を給電部とめっき面のみにすることができ、下部導体26が受けるダメージを低下させることができる。さらに、開口部28内への安定しためっき析出を行うことができる。これは、めっき液が、裏面(下部導体26)に付着すると、開口部28の電流密度の低下が起こり、開口部28内への安定しためっき析出ができなくなるおそれがあるためである。
全ての開口部28がめっきで充填され、開口部28に導体部30が形成されると、マスク32を上部導体24から剥離する。また、マスク34を下部導体26から剥離する。これにより、図4(d)に示す状態となる。
次に、上部導体24を電気めっき電極(給電用の電極)として電気めっきを行う。めっきによって析出される金属(導体部36)は、図4(e)に示すように、開口部28上面の充填されためっき導体(導体部30)と上部導体24とを導体接続する。この結果、層間接続を行うことができる。なお、下部導体26を給電用の電極として使用して電気めっきを行ってもよい。この場合にも上部導体24を電気めっき電極とした場合と同様に、導体部30と上部導体24とを導体接続させることができる。
このように、めっき(導体部30)と開口部28上面側のめっき(導体部36)とについて、それぞれ独立しためっきの析出(形成)が行えるようにしているので、めっきの充填部のボイドを無くし、析出高さを安定化させ、導体層間を良好な充填により導体接続を行うことができる。
続いて、例えば、単層板20の上部突出しためっき(導体部30、導体部36)の凹凸を研磨した後、図4(f)に示すように、下部導体26等に所定のパターニング処理を施して電極パターンを形成する。そして、例えば、図2(a)に示すように、電極パターンが形成された単層板20に下部導体が形成されていない2枚の単層板を配置し、絶縁層に熱可塑性樹脂を用いて熱圧着することにより、図2(b)に示すような電子部品を製造することができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、上部導体24がマスク32に完全に覆われているため、析出されためっきが基板上層に達しても、析出されためっきと上部導体24とは接触しない。このため、めっきの電流密度を急激に変えることが無く、開口部28に対して、めっきによる充填を安定して行うことができる。従って、効率的に開口部28の充填を行うことができる。
また、本実施の形態によれば、導体部30と導体部36とについて、それぞれ独立しためっきの析出(形成)が行えるようにしているので、めっきの充填部のボイドを無くし、析出高さを安定化させ、導体層間を良好な充填により導体接続を行うことができる。このため、電子部品の電気的信頼性を向上させることができる。
さらに、本実施の形態によれば、無電解めっき等の工程を削除することができるので、製造工程の簡略化を達成することができる。また、無電解めっき処理の反応速度の向上に使用される金属触媒が配線パターン側に残留するのを防止でき、電子部品の電気的信頼性を向上させることができる。
なお、本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な他の実施の形態について説明する。
上記実施の形態では、上部導体24を完全に覆うようにマスク32を形成した場合を例に本発明を説明したが、マスク32は、開口部28に充填される導電体が上部導体24に接触しないように、少なくとも開口部28周囲の上部導体24上に形成されていればよく、例えば、上部導体24上の全面を覆っていなくてもよい。また、導体部30が上部導体24に接触しないように、開口部28の周縁と上部導体24の開口24aとがある程度離れていることが好ましい。
上記実施の形態では、マスク32の穴32aが開口部28の径より大きく、上部導体24の開口24aの径より小さくなるように形成されている場合を例に本発明を説明したが、例えば、図5(a)に示すように、マスク32の穴32aが開口部28の径と同じであってもよく、図5(b)に示すように、開口部28の径より小さくてもよい。また、上部導体24の開口24aの径は開口部28の径より大きいことが好ましいが、開口部28の径と同じであってもよい。
上記実施の形態では、開口部28が下部導体26側から上部導体24に向かって拡径となるように形成されている場合を例に本発明を説明したが、例えば、図6(a)に示すように、開口部28が上部導体24側から下部導体26に向かって拡径となるように形成されていてもよい。また、図6(b)に示すように、開口部28の径が変化しない場合であってもよい。
上記実施の形態では、基材22の上に上部導体24を形成し、基材22の下に下部導体26を配置した場合を例に本発明を説明したが、これらが逆であってもよい。
本実施の形態の単層板の構成を示す図である。 図1の単層板を積層した電子部品の構成を示す図である。 図1の単層板を備える他の電子部品の構成を示す図である。 図1の単層板の製造工程を説明するための図である。 単層板の他の例を示す図である。 単層板の開口部の他の例を示す図である。 従来の単層板の製造工程を説明するための図である。 従来の単層板の製造工程を説明するための図である。
符号の説明
20 単層板
22 基材(第1の絶縁部材)
24 上部導体(第1の導電部材)
24a 開口
26 下部導体(第2の導電部材)
28 開口部
30 導体部(穴埋め金属めっき)
32 マスク(第2の絶縁部材)
32a 穴
36 導体部(金属めっき)

Claims (5)

  1. 開口を有する第1の導電部材と第2の導電部材とに挟まれた第1の絶縁部材に、前記第1の導電部材の開口から前記第2の導電部材側に前記第1の絶縁部材を貫通する開口部を形成し、該開口部に導電体を充填する基板の製造方法であって、
    前記開口部に充填される導電体が前記第1の導電部材に接触しないように、少なくとも前記開口部周囲の前記第1の導電部材に導体マスク用の第2の絶縁部材を形成する絶縁部材形成工程と、
    前記第2の導電部材を電気めっき時の給電用の電極として、前記開口部の前記第2の導電部材側から電気めっきにより金属めっきを成長させ、前記開口部に金属めっきを充填する金属めっき充填工程と、
    前記第2の絶縁部材を除去する絶縁部材除去工程と、
    前記第1の導電部材または第2の導電部材を電気めっき時の給電用の電極として、前記開口部に充填された金属めっきと前記第1の導電部材とをめっき接続するめっき接続工程と、
    を備えることを特徴とする基板の製造方法。
  2. 前記絶縁部材形成工程では、前記第1の導電部材を完全に覆うように前記第2の絶縁部材を形成する、ことを特徴とする請求項1に記載の基板の製造方法。
  3. 前記第1の絶縁部材の開口部は、前記第1の導電部材の開口よりも小さいとともに、該第1の導電部材の開口から所定の距離を有するように形成されている、ことを特徴とする請求項1または2に記載の基板の製造方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法により製造された基板を積層する、ことを特徴とする電子部品の製造方法。
  5. 開口を有する第1の導電部材と第2の導電部材とに挟まれた第1の絶縁部材に、前記第1の導電部材の開口から前記第2の導電部材側に前記第1の絶縁部材を貫通する開口部を形成し、該開口部に導電体を充填する基板を備える電子部品の製造方法であって、
    前記開口部に充填される導電体が前記第1の導電部材に接触しないように、少なくとも前記開口部周囲の前記第1の導電部材に導体マスク用の第2の絶縁部材を形成する絶縁部材形成工程と、
    前記第2の導電部材を電気めっき時の給電用の電極として、前記開口部の前記第2の導電部材側から電気めっきにより金属めっきを成長させ、前記開口部に金属めっきを充填する金属めっき充填工程と、
    前記第2の絶縁部材を除去する絶縁部材除去工程と、
    前記第1の導電部材または第2の導電部材を電気めっき時の給電用の電極として、前記開口部に充填された金属めっきと前記第1の導電部材とをめっき接続するめっき接続工程と、
    を備えることを特徴とする電子部品の製造方法。
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