JP2006253014A - ピッチ変換コネクタおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract


【課題】 ピッチ変換コネクタおよびその製造方法において、外部から加えられる熱に対して変形することがなく、電気的接続の信頼性が高く、製造が容易なものとする。
【解決手段】 本発明のピッチ変換コネクタ1は、矩形のセラミックのグリーンシートの一面にグリーンシートの一側縁から他側縁にかけて狭ピッチから広ピッチになるように多数の導電路が形成されたグリーンシートが複数枚同じ向きにグリーンシートの厚み方向に積層されて焼成されたセラミック基板を備え、セラミック基板の一側縁側および他側縁側に露出した多数の導電路に電極4a、4bが形成される。
【選択図】 図1

Description

本発明はピッチ変換コネクタおよびその製造方法に関し、特に、例えば、医療用画像診断装置の超音波プローブの超音波を発生する圧電素子と機器に接続される電線とを接続する等、電線とそれらが接続される狭ピッチで接続ポイントの多い電子/電気部品との間に介在するピッチ変換コネクタおよびその製造方法に関するものである。
従来、ピッチ変換コネクタ(中継コネクタ)として、配線路が形成された絶縁板と、熱硬化性の接着性樹脂よりなる板状の接着性絶縁板要素形成材とを交互に積層して、加熱下で積層方向に加圧して接着して構成したものが知られている(特許文献1)。この絶縁板は樹脂製であり、配線路が一側縁では狭ピッチに、他側縁では広ピッチになるように形成されている。
また、板状の絶縁層の両面に端面が露出するよう、絶縁層の厚さ方向に貫通して配置された複数の金属配線体を有し、この金属配線体の、絶縁層の平面に対する角度が金属配線体の列毎に異なるように構成された配線基板が知られている(特許文献2)。
特開平9−92365号公報(図1) 特開平10−303525号公報(図1)
特許文献1のピッチ変換コネクタを構成するのに、配線路を形成した絶縁板要素形成材と熱硬化性の接着性樹脂よりなる板状の接着性絶縁板要素形成材とを交互に積層して、加熱下で積層方向に加圧して接着している。本発明においても、超音波プローブの圧電素子にピッチ変換コネクタの導電ピンを熱硬化型の導電性接着剤を用いて接着することが行われ、約150℃の雰囲気温度が必要になる。この硬化に必要な温度は、接着部分の形状等により温度が上昇する場合もある。このため、特許文献1に記載された従来技術のように樹脂製の絶縁板を積層したピッチ変換コネクタでは、製造過程で熱により樹脂が変形するおそれがあるので、狭ピッチ・多ピン用には不適である。
また、特許文献2に記載された従来技術においては、多層配線基板を構成する各配線層に配置される金属配線体の角度が、その配置される列毎に異なるので、実際に製作することが困難である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、製造過程で、或いは製造後においても外部から加えられる熱に対して変形することのない電気的接続の信頼性の高いピッチ変換コネクタおよびその製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明の別の目的は、製造が容易なピッチ変換コネクタおよびその製造方法を提供することにある。
本発明のピッチ変換コネクタは、セラミックのグリーンシートの一面にグリーンシートの一側縁から他側縁にかけて狭ピッチから広ピッチになるように複数の導電路が形成されたグリーンシートが複数枚同じ向きにグリーンシートの厚み方向に積層されて焼成されたセラミック基板を備え、セラミック基板の一側縁側および他側縁側に露出した複数の導電路に電極が形成されてなることを特徴とするものである。
本発明のピッチ変換コネクタの製造方法は、ピッチ変換コネクタの製造方法であって、
a)セラミックのグリーンシートの一面に、グリーンシートの一側縁から他側縁にかけて狭ピッチから広ピッチになるように複数の導電路を形成する工程と、
b)グリーンシートを複数枚同じ向きにグリーンシートの厚み方向に積層する工程と、
c)積層したグリーンシートを焼成してセラミック基板を形成する工程と、
d)セラミック基板の一側縁側および他側縁側に露出した複数の導電路に電極を形成する工程と、
からなることを特徴とするものである。
上記電極は導電ピンとすることができる。また、電極をはんだボールとしてもよい。
本発明のピッチ変換コネクタは、セラミックのグリーンシートの一面に一側縁から他側縁にかけて狭ピッチから広ピッチになるように複数の導電路が形成され、複数枚が同じ向きに積層されて焼成されたセラミック基板を備え、セラミック基板の一側縁側および他側縁側に露出した複数の導電路に電極が形成されるので、次の効果を奏する。即ちコネクタ本体はセラミックなので、外部から加えられる熱に対しても変形することがなく電気的接続の信頼性の高いものとすることができる。また、本発明のピッチ変換コネクタのセラミック基板は、同じように導電路が形成されたグリーンシートを同じ向き、即ち導電路が形成されたグリーンシートの面が同じ方向を向くように積層して、焼結することにより得られるので、製造が容易である。
また、本発明のピッチ変換コネクタの製造方法は、ピッチ変換コネクタの製造方法であって、
a)セラミックのグリーンシートの一面に、一側縁から他側縁にかけて狭ピッチから広ピッチになるように複数の導電路を形成する工程と、b)複数枚同じ向きにグリーンシートの厚み方向に積層する工程と、c)焼成してセラミック基板を形成する工程と、d)セラミック基板の導電路に電極を形成する工程とからなるので、次の効果を奏する。即ち。ピッチ変換コネクタはセラミックなので、外部から加えられる熱に対しても変形することがなく電気的接続の信頼性の高いものとすることができ、また、製造も容易である。
以下、本発明の一例を示すピッチ変換コネクタ(以下、単にコネクタという)の好ましい実施の形態について添付図を参照して詳細に説明する。図1はコネクタ1の正面図である。図1に示すように、コネクタ1は、平面視が略正方形のコネクタ本体2と、このコネクタ本体2の一面2aに多数植設された中継用I/Oピンであるピン(導電ピン)4aと、他面2bに多数植設された他の中継用I/Oピン即ちピン(導電ピン)4bとを有する。これらのピン4a、4bは、コネクタ1の電極となる。コネクタ本体2はセラミック製(例えば、アルミナAL203)であり、ピン4aは狭ピッチで高密度にマトリックス状(格子状)に配置されており、ピン4bは、ピン4aよりも広ピッチで同様にマトリックス状に配置されている。コネクタ本体2内には、ピン4aと、ピン4bとを連結する導電路が多数形成されている。このコネクタ1は、図示しない超音波診断装置の超音波プローブ内に配置され、超音波を発生するプローブトランスデューサ即ち圧電素子(図示せず)と機器側の電線との間に介在するものである。即ち、圧電素子側の狭ピッチから電線側の広ピッチにピッチを変換して、圧電素子と電線との電気的な接続を容易にするためのものである。
次に、このコネクタ1を製造する工程について、最初に図2を参照して説明する。図2はコネクタ1の製造過程を示し、図2(a)はコネクタ本体2を構成する未焼成のセラミックのグリーンシートに導電路を形成した状態、図2(b)はグリーンシートを積層した状態、図2(c)は積層したグリーンシートを焼成した状態をそれぞれ示す。未焼成のグリーンシート6は、厚さ約0.2mmの比較的軟質の部材であり、焼結時の収縮(焼き締まり)を考慮して決められた上下方向の寸法を有する矩形形状である。このグリーンシート6には、その一側縁6aから他側縁6bにかけて多数の導電路8が形成されている。
なお、この導電路8は、実際はセラミックを焼結するまでは導電性を示さないが、ここでは便宜上、未焼結のものも含めて「導電路」と表現する。各導電路8は、一側縁6a側で狭ピッチに形成され、他側縁6b側で広ピッチになるように、一側縁6aから他側縁6bにかけて経路が互いに離れるように形成されている。換言すると一側縁6aから他側縁6bにかけて、ピッチが狭ピッチから広ピッチにピッチ変換されている。導電路8となる領域は、タングステン、クロム・モリブデン或いはモリブデン・マンガンのペーストが厚膜印刷により形成され、焼結されて導電路8となる。導電路8の本数は、本実施形態では64本であるが、この本数より多くても少なくてももちろん可能である。積層されたグリーンシート6に形成された導体パターンは、グリーンシート6と同時焼成されるので、導電路8は連続的な導体として形成され、さらにグリーンシート6の焼き締りにより導電路8の配列ピッチは、より狭ピッチになる。従って、これらの導電路8は、樹脂製の板に形成されたものよりも高密度に形成される。
次に、図2(b)に示すように、グリーンシート6を同じ向きに、即ち、導電路8が形成されたグリーンシート6の面が同じ方向を向くようにグリーンシート6の厚み方向に並べて積層し、厚み方向の両端に押え部材10となる他のグリーンシートを配して、この形状を維持した状態で焼成する。このときのグリーンシート6の枚数は、本実施形態では64枚である。焼成されると、図2(b)に示すグリーンシート6および押え部材10の集積体は、図2(c)に示すようにセラミック基板2´として一体化され硬化したものとなる。このセラミック基板2´の寸法は例えば35mm×35mmの四角形であり、厚さは7mmである。このように構成されたセラミック基板2´は一側縁6a側となる一面2aに64×64=4096極の狭ピッチの導電路8の露出部が比較的小さい略正方形の領域14aの枠内にマトリックス状に形成される。また他側縁6b側となる他面2bには四角形14aより大きい四角形の領域14b内に4096極の導電路8の露出部が形成される。
セラミック基板2´上のこれらの導電路8の露出部の上にニッケルにより蒸着によりパッドが形成され、さらにその上に金メッキされて図3に示すように導電パッド16が形成されてコネクタ本体2が構成される。導電パッド16の一つ一つは、一面2aから他面2bにかけて導電路8により連結されている。このようにして導電パッド16が形成されたコネクタ本体2を図3に示す。図3は、コネクタ本体2を示し、図3(a)はコネクタ本体2の平面図、図3(b)は正面図、図3(c)は底面図をそれぞれ示す。図3中、導電パッド16(16a、16b)は、それらの配列状態を示すために誇張して拡大し、部分的にのみ示してあるが、実際は目視による識別が困難なほど極めて微小である。狭ピッチ側の一面2aは、導体(電極)の配置密度を高めるために、導電パッド16aが所定のピッチで格子状(千鳥格子状)に形成されていることが望ましい。また他面2bには導電パッド16aより僅かに大きい導電パッド16bが導電パッド16aより大きいピッチで配置されている。
次に、このコネクタ本体2の導電パッド16a、16bにピンを植設してコネクタ1を製造する工程について図4を参照して説明する。図4は、導電パッド16(16a、16b)にピン4(4a、4b)をロウ付けした状態を示す部分拡大図である。コネクタ本体2の導電パッド16は、ニッケル層15aとその上の金めっき層15bからなる。この導電パッド16に、ピン4(4a、4b)が金および錫の合金のロウ材20によりロウ付けされる。コネクタ本体2の一面2a側の導電パッド16aには、図1に示すようにピン4aが、他面2b側の導電パッド16bにはピン4bがそれぞれロウ付けされる。ピン4aは直径Dが約0.05〜0.12mm、長さLが約1mmである。また、ピン4bはD=約0.15〜0.23mmであり、L=約2〜5mmである。
次にピン4(4a、4b)が、コネクタ本体2に植設された状態について図5を参照して説明する。図5は、導電パッド16に植設されたピン4の配列を示し、図5(a)は、コネクタ本体2の一面2a側の導電パッド16aのピン4aの配列を、図5(b)は他面2b側の導電パッド16bのピン4bの配列をそれぞれ示す。ピン4aのX方向の配列ピッチx1は0.2mmであり、Y方向の配列ピッチy1=0.2mmである。また隣接する列のピン4aのずれ量x1′は0.1mmである。他面2b側のピン4bのX軸方向のピッチx2は0.4mmであり、Y軸方向のピッチy2は0.4mmである。即ち、他面2b側では、X軸方向のピッチは2倍に拡大され、Y軸方向のピッチは変わらず同じである。従って、前述の図3に示すように、一面2a側ではパッド16aが配置された正方形の領域14aが、他面側2bではX軸方向に細長い矩形の領域14bとなる。
次にコネクタ1が製造されるまでの各工程について、図6および図7を参照して説明する。図6はコネクタ本体2が製造される工程を示し、図7はコネクタ本体2からコネクタ1が製造されるまでの工程をそれぞれ示す。コネクタ本体2は、グリーンシート6が所定の寸法に形成される寸法形成工程30、このグリーンシート6に導電路8(の導体パターン)を厚膜印刷等により成形する導電路形成工程32、このグリーンシート6を積層する積層工程34、積層した多数のグリーンシート6を焼結して一体化する焼成工程36により、導電路8を含む剛性の高いセラミック基板2´が構成される。即ち、焼成までの工程がセラミック基板2´が製造されるまでの工程である。
このセラミック基板2´には、ニッケル、金の順に蒸着により金属層が領域14a、14bに形成される金属層形成工程38が実施される。この金属層は、パッド16の材質となる。次に、これらの領域14a、14bに感光材(レジスト)が塗布されるレジスト塗布工程40が実施される。次に、このレジスト面を、パッド16に対応する部分に透孔を有するマスクを介して露光することが行われる(露光工程42)。しかし、これに限定するものではなく、ポジでもネガでも良い。次に、露光した部分以外の部分即ち、パッド16以外の部分のレジストおよび金属(ニッケル、金)の剥離がなされる(剥離工程44)。そして、最終的にパッド16の上のレジストの剥離工程46を経てコネクタ本体2のセラミック工程48が完了する。
次に図7を参照してコネクタ1の組立の手順について説明する。最初に、図7で使用されるピン4a、4bの製造方法について説明する。ピン4a、4bは、例えば、鉄、ニッケル、コバルトの合金(コバール)からなる線材を切断して、ニッケルめっきを行い、さらに金めっきを行ってピン4a、4b単体を多数製造する。また、ピン4a、4bとパッド16をロウ付けするための金と錫の合金からなるはんだボールが別途用意される。
図7に示すように、コネクタ1の組立工程は、最初にピンA、例えばピン4aを図示しない治具の穴に振り込むことがなされる(治具振込工程50)。この治具の穴は、コネクタ1の導電パッド16に対応する位置に形成されており、各々の穴がピン4aを1本のみ受容できるようになっている。そして次に、ピン4aが振り込まれた治具の穴に直径が約0.15mmのはんだボールが振り込まれる(はんだボール振込工程52)。同様に他側のピンB、この場合はピン4bも図示しない別の治具に振り込まれ(治具振込工程54)、さらに、はんだボールが振り込まれる(はんだボール振込工程56)。次に、これらの治具がコネクタ本体2の両側からコネクタ本体2を挟むようにして配置される(嵌合工程58)。次にこの状態で加熱される(熱処理工程60)と、はんだボールが溶融して、図4に示すロウ材20として、ピン4a、4bと導電パッド16a、16bをそれぞれロウ付けする。そして治具取外し工程62を経て、ピン4a、4bがコネクタ本体2に多数植設されたコネクタ1が完成する。
コネクタ1のピン4aは、この後、例えば、超音波プローブ内に組み込まれるときは、導電性接着剤により約150℃の温度で圧電素子に接着される。しかし、コネクタ1はセラミック製であるので熱により変形するおそれはない。
以上、詳細に説明したように本発明のコネクタ1は、ピンを有しているので、相手方の狭ピッチで接続ポイントの多い電子/電気部品とロウ付けによる接続が容易である。
本発明のピッチ変換コネクタの正面図である。 図1のピッチ変換コネクタの製造過程を示し、(a)はコネクタ本体を構成する未焼成のグリーンシートに導電路を形成した状態、(b)はグリーンシートを積層した状態、(c)は積層したグリーンシートを焼成した状態をそれぞれ示す。 コネクタ本体を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図をそれぞれ示す。 導電パッドにピンをロウ付けした状態を示す部分拡大図である。 導電パッドに植設されたピンの配列を示し、(a)は、コネクタ本体の一面側の導電パッドのピンの配列を、(b)は他面側の導電パッドのピンの配列をそれぞれ示す。 コネクタ本体が製造される工程を示すフローチャートである。 コネクタ本体からピッチ変換コネクタが製造されるまでの工程を示すフローチャートである。
符号の説明
1 ピッチ変換コネクタ
2 コネクタ本体
2´ セラミック基板
4a、4b 導電ピン(電極)
6 グリーンシート
6a 一側縁
6b 他側縁
8 導電路

Claims (2)

  1. セラミックのグリーンシートの一面に該グリーンシートの一側縁から他側縁にかけて狭ピッチから広ピッチになるように複数の導電路が形成された前記グリーンシートが複数枚同じ向きに該グリーンシートの厚み方向に積層されて焼成されたセラミック基板を備え、該セラミック基板の前記一側縁側および他側縁側に露出した複数の前記導電路に電極が形成されてなることを特徴とするピッチ変換コネクタ。
  2. ピッチ変換コネクタの製造方法であって、
    a)セラミックのグリーンシートの一面に、該グリーンシートの一側縁から他側縁にかけて狭ピッチから広ピッチになるように複数の導電路を形成する工程と、
    b)該グリーンシートを複数枚同じ向きに該グリーンシートの厚み方向に積層する工程と、
    c)該積層したグリーンシートを焼成してセラミック基板を形成する工程と、
    d)該セラミック基板の前記一側縁側および他側縁側に露出した複数の前記導電路に電極を形成する工程
    とからなることを特徴とするピッチ変換コネクタの製造方法。
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