JP2006251549A - トナー補給装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 トナーカートリッジ内でトナーの凝集体が生成されることによる画像の品質低下と、トナーの検知遅れによる誤報知を防止することができるトナー補給装置を得る。
【解決手段】 トナーセンサによる検知情報に基づいてトナーカートリッジがほぼ空の状態であることを検知しているエンプティ検知期間と、エンプティ検知期間の終了後に開始され所定の状態に回復するまでのエンプティ回復期間と、所定の状態とされている通常期間と、を判別し、これらの各期間において、トナーカートリッジを駆動させるカートリッジモータの制御内容を変更する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、トナー補給装置及び方法に係り、詳細には、電子写真技術を用いた画像形成装置に備えられるトナー補給装置及び方法に関する。
電子写真式複写機やレーザプリンタなどの電子写真技術を用いた画像形成装置では、感光体上に形成された静電潜像を現像化する現像器にトナー(現像剤)を補給するため、リザーブタンク(トナーホッパ)及びトナーカートリッジ等により構成されるトナー補給装置が備えられている。また、リザーブタンクには、トナーの残量を検知するトナーセンサが設けられ、リザーブタンク及びトナーカートリッジ内のトナー残量が僅か(所定量以下)となった場合にそれを検知し、カートリッジ交換の必要性があることを画像形成装置の表示器に表示してオペレータに報知するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
このようなカートリッジ交換に関する報知(警告表示)は、例えばトナー残量に応じて2段階で行っており、図6に示されるように、トナーセンサがリザーブタンク内のトナーを検知できないことで出力するLow信号の累積時間が、予め設定された所定の閾値を超えると、先ず「ニアエンプティ警告」が表示される。ここで、カートリッジ交換が行われない場合には、トナー補給装置ではトナーカートリッジの駆動を継続し、リザーブタンクへのトナー供給を継続する。そして、リザーブタンクへのトナー供給量が徐々に減少し、トナーセンサから出力されるLow信号の累積時間が、上記の閾値よりも高く設定された閾値(上限値)を超えると「エンプティ警告」が表示される。これらの警告を受け、オペレータが図6の例のようにエンプティ警告後にトナーカートリッジを交換すると、警告表示が解除されるとともにトナーカートリッジが駆動され、トナーカートリッジからリザーブタンクに供給されたトナーをトナーセンサが検知してLow信号の累積時間は徐々に減少する(図6のOK側のグラフ線)。
しかしながら、上述したトナー補給装置の動作では、ニアエンプティ警告以降に空に近いトナーカートリッジを駆動させているため、このように、トナーがカートリッジ内の底面上に僅かしか残ってない状態で、カートリッジ内に設けられた搬送部材(アジテータ)を回転させると、搬送部材がカートリッジ底面と接触しやすくなり、底面付近に付着している粉末状のトナーを擦り付け、トナーの凝集体を生成しやすくなる。そして、この凝集体が現像器に供給され画像形成に使用されると、画像欠陥を生じさせてしまうことになる。
一方、トナーカートリッジの交換後では、カートリッジ内のトナー充填量が多いためにトナーの流動性が悪く、交換直後のカートリッジ駆動によってリザーブタンクに落下供給されるトナー量が安定しない場合がある。そのため、上述したようなカートリッジ交換に関する報知を行うためのトナー検知にセンサを用いる方式では、トナーセンサによる正確なトナー検知が遅れ、カートリッジ交換後でも、図6のNG側のグラフ線で示されるように、Low信号の累積時間が再び増加して、ニアエンプティ警告/エンプティ警告が誤報知されることがあり、オペレータを困惑させてしまう問題がある。特に、近年では高画質化に伴うトナーの小粒径化、球形化によって流動性が悪化する傾向にあるため、このようなカートリッジ交換直後のトナー検知遅れ(応答遅れ)による誤報知が起こりやすくなり、改善が望まれている。
これに対し、トナーカートリッジの交換後、所定時間経過するまで、あるいは所定数の画像を形成するまでは、上述したようなカートリッジの交換を促す報知動作を強制的に停止させる技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、上記の技術では、新品ではなく、例えば使い掛けのトナーカートリッジに交換された場合、特にトナー残量の少ないカートリッジの場合等には、報知動作を停止させている間にトナーを使い切ってしまう恐れがあり、その場合、画像の濃度低下を招いて問題となる。
特開平8−160734号公報 特開2003−215902号公報
本発明は上記事実を考慮して、トナーカートリッジ内でトナーの凝集体が生成されることによる画像の品質低下と、トナーの検知遅れによる誤報知を防止することができるトナー補給装置及び方法を提供することを課題とする。
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、画像形成装置に備えられ、画像形成に使用されるトナーを前記画像形成装置の現像器に補給するトナー補給装置において、トナーが収容され交換可能とされたトナーカートリッジと、前記トナーカートリッジに収容されたトナーを前記現像器に補給するためにトナーカートリッジを駆動させる駆動手段と、前記トナーカートリッジのトナー残量を検知するトナー検知手段と、前記駆動手段を駆動制御するとともに、前記トナー検知手段による検知情報に基づいて前記トナーカートリッジがほぼ空の状態であることを検知しているエンプティ検知期間と、前記エンプティ検知期間の終了後に開始され所定の状態に回復するまでのエンプティ回復期間と、前記所定の状態とされている通常期間と、を判別して各期間での制御内容が変更可能な制御手段と、を有することを特徴としている。
請求項1に記載の発明では、制御手段が、トナー検知手段による検知情報に基づいてトナーカートリッジがほぼ空の状態であることを検知しているエンプティ検知期間と、エンプティ検知期間の終了後に開始され所定の状態に回復するまでのエンプティ回復期間と、所定の状態とされている通常期間と、を判別し、これらの各期間において、トナーカートリッジに収容されたトナーを画像形成装置の現像器に補給するためにトナーカートリッジを駆動させる駆動手段の制御内容を変更する。これにより、トナーカートリッジ内でトナーの凝集体が生成されることによる画像の品質低下と、トナーの検知遅れによる誤報知を防止することが可能となる。
また、請求項12に記載のトナー補給方法では、画像形成に使用されるトナーが収容され交換可能とされたトナーカートリッジから、前記トナーを画像形成装置の現像器に補給するトナー補給方法において、前記トナーカートリッジのトナー残量をトナー検知手段により検知しその検知情報に基づいて、トナーカートリッジがほぼ空の状態であることを検知しているエンプティ検知期間と、前記エンプティ検知期間の終了後に開始され所定の状態に回復するまでのエンプティ回復期間と、前記所定の状態とされている通常期間と、を判別し、各期間でトナーカートリッジに収容されたトナーを前記現像器に補給するためにトナーカートリッジを駆動させる駆動手段の制御内容を変更することにより、トナーカートリッジ内でトナーの凝集体が生成されることによる画像の品質低下と、トナーの検知遅れによる誤報知を防止することが可能となる。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載のトナー補給装置において、前記エンプティ検知期間は、前記駆動手段を駆動停止させる又は駆動手段の駆動速度を前記通常期間よりも減速させることを特徴としている。
請求項13に記載の発明は、請求項12記載のトナー補給方法において、前記エンプティ検知期間は、前記駆動手段を駆動停止させる又は駆動手段の駆動速度を前記通常期間よりも減速させることを特徴としている。
請求項2及び請求項13に記載の発明では、トナーカートリッジ内が空に近い状態となるエンプティ検知期間に、駆動手段を駆動停止させる又は駆動手段の駆動速度を通常期間よりも減速させることにより、トナーカートリッジ内でトナーの凝集体が生成されることを防止できる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2記載のトナー補給装置において、前記エンプティ回復期間は、前記駆動手段の駆動速度を前記通常期間よりも増速させることを特徴としている。
請求項14に記載の発明は、請求項12又は請求項13記載のトナー補給方法において、前記エンプティ回復期間は、前記駆動手段の駆動速度を前記通常期間よりも増速させることを特徴としている。
請求項3及び請求項14に記載の発明では、エンプティ回復期間に、駆動手段の駆動速度を通常期間よりも増速させることにより、例えばカートリッジ内のトナー充填量が多いためにトナーの流動性が悪くなる新しいトナーカートリッジであってもトナーを安定して供給(補給)することができるため、トナー検知に要する時間を短縮することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1又は請求項2記載のトナー補給装置において、前記エンプティ回復期間は、前記トナー検知手段による検知情報に基づいて駆動される前記駆動手段の駆動条件を変更することを特徴としている。
請求項15に記載の発明は、請求項12又は請求項13記載のトナー補給方法において、前記エンプティ回復期間は、前記トナー検知手段による検知情報に基づいて駆動される前記駆動手段の駆動条件を変更することを特徴としている。
請求項4及び請求項15に記載の発明では、例えばエンプティ検知期間はトナー検知手段によるトナー非検状態が所定回数カウントされると駆動手段を駆動させる場合、エンプティ回復期間にはその所定回数よりも少ない回数で駆動手段を駆動させるなどのように、エンプティ回復期間は、トナー検知手段による検知情報に基づいて駆動される駆動手段の駆動条件を変更する。これにより、トナーの流動性が悪くなる新しいトナーカートリッジであってもトナーを安定供給することができ、トナー検知に要する時間を短縮することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4の何れか1項記載のトナー補給装置において、前記エンプティ検知期間の開始は、前記トナー検知手段によるトナー非検知状態の累積時間が予め設定された第1の閾値を越えることにより判別することを特徴としている。
請求項16に記載の発明は、請求項12〜請求項15の何れか1項記載のトナー補給方法において、前記エンプティ検知期間の開始は、前記トナー検知手段によるトナー非検知状態の累積時間が予め設定された第1の閾値を越えることにより判別することを特徴としている。
請求項5及び請求項16に記載の発明では、トナー検知手段によるトナー非検知状態の累積時間を利用することで、エンプティ検知期間の開始を確実に判別することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項5記載のトナー補給装置において、前記エンプティ検知期間の終了は、前記トナー検知手段によるトナー非検知状態の累積時間が前記第1の閾値よりも高い第2の閾値を越えることにより判別することを特徴としている。
請求項17に記載の発明は、請求項16記載のトナー補給方法において、前記エンプティ検知期間の終了は、前記トナー検知手段によるトナー非検知状態の累積時間が前記第1の閾値よりも高い第2の閾値を越えることにより判別することを特徴としている。
請求項6及び請求項17に記載の発明では、トナー検知手段によるトナー非検知状態の累積時間を利用することで、エンプティ検知期間の終了を確実に判別することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項5記載のトナー補給装置において、前記エンプティ検知期間の終了は、前記トナー検知手段が前記トナー非検知状態からトナー検知状態となりそのトナー検知状態が所定の条件を満たすことにより判別することを特徴としている。
請求項18に記載の発明は、請求項16記載のトナー補給方法において、前記エンプティ検知期間の終了は、前記トナー検知手段が前記トナー非検知状態からトナー検知状態となりそのトナー検知状態が所定の条件を満たすことにより判別することを特徴としている。
請求項7及び請求項18に記載の発明では、例えばトナー検知手段がトナー非検知状態からトナー検知状態となりそのトナー検知状態を連続的に所定回数カウントするなどの所定の条件を満たすことにより、エンプティ検知期間の終了を判別する。このように、トナー検知手段によるトナー検知状態を利用することによっても、エンプティ検知期間の終了を確実に判別することができる。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜請求項5の何れか1項記載のトナー補給装置において、前記トナーカートリッジに設けられてそのトナーカートリッジ固有の識別情報が記憶された記憶手段と、前記記憶手段に記憶された識別情報を受信して前記制御手段に送信する通信手段と、を有し、前記エンプティ検知期間の終了は、前記通信手段から送信される前記識別情報が変更されたことにより判別することを特徴としている。
請求項19に記載の発明は、請求項12〜請求項16の何れか1項記載のトナー補給方法において、前記トナーカートリッジにそのトナーカートリッジ固有の識別情報が記憶可能な記憶手段を設け、前記エンプティ検知期間の終了は、前記記憶手段に記憶された識別情報を通信手段により受信したときに識別情報が変更されたことにより判別することを特徴としている。
請求項8及び請求項19に記載の発明では、トナーカートリッジが交換されると、通信手段から制御手段に送信される、トナーカートリッジ固有の識別情報が変更され、制御手段はこの識別情報の変更によりエンプティ検知期間の終了を判別する。このような識別情報の変更、すなわち、カートリッジ交換の有無を利用することによっても、エンプティ検知期間の終了を確実に判別することができる。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜請求項5の何れか1項記載のトナー補給装置において、前記エンプティ検知期間の終了は、予め設定された第1の所定時間を経過したことにより判別することを特徴としている。
請求項20に記載の発明は、請求項12〜請求項16の何れか1項記載のトナー補給方法において、前記エンプティ検知期間の終了は、予め設定された第1の所定時間を経過したことにより判別することを特徴としている。
請求項9及び請求項20に記載の発明では、予め設定した第1の所定時間の時間経過を利用することで、エンプティ検知期間の終了を自動的に判別することができる。
請求項10に記載の発明は、請求項5〜請求項9の何れか1項記載のトナー補給装置において、前記エンプティ回復期間の終了は、前記トナー検知手段によるトナー非検知状態の累積時間が前記第1の閾値を下回ることにより判別することを特徴としている。
請求項21に記載の発明は、請求項16〜請求項20の何れか1項記載のトナー補給方法において、前記エンプティ回復期間の終了は、前記トナー検知手段によるトナー非検知状態の累積時間が前記第1の閾値を下回ることにより判別することを特徴としている。
請求項10及び請求項21に記載の発明では、トナー検知手段によるトナー非検知状態の累積時間を利用することで、エンプティ回復期間の終了を確実に判別することができる。
請求項11に記載の発明は、請求項1〜請求項9の何れか1項記載のトナー補給装置において、前記エンプティ回復期間の終了は、予め設定された第2の所定時間を経過したことにより判別することを特徴としている。
請求項22に記載の発明は、請求項12〜請求項20の何れか1項記載のトナー補給方法において、前記エンプティ回復期間の終了は、予め設定された第2の所定時間を経過したことにより判別することを特徴としている。
請求項11及び請求項22に記載の発明では、予め設定した第2の所定時間の時間経過を利用することで、エンプティ回復期間の終了を自動的に判別することができる。
本発明のトナー補給装置及び方法は上記構成としたので、トナーカートリッジ内でトナーの凝集体が生成されることによる画像の品質低下と、トナーの検知遅れによる誤報知を防止することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態に係るトナー補給装置について説明する。なお、本実施形態のトナー補給装置は、電子写真式の画像形成装置に装備されて現像器にトナーを補給するための装置である。
図1及び図2に示される本実施形態のトナー補給装置10は、トナーTNが内部に収容されたトナーカートリッジ12と、トナーカートリッジ12が上部に着脱可能とされるとともに、装着状態でトナーカートリッジ12から供給されたトナーを予備的に収容しつつ画像形成装置の現像器に補給するリザーブタンク14を備えている。
トナーカートリッジ12は、外周面における下端部に、トナーを排出する排出口16が形成されており、トナーTNが収容されたカートリッジ内には、ステンレス等の金属製のワイヤーを螺旋状に曲げ加工して形成されたアジテータ18が回転可能に設けられている。
このトナーカートリッジ12をリザーブタンク14上に装着すると、アジテータ18の一端部がカートリッジモータ20に連結される。また、カートリッジモータ20は、トナー補給装置10の各部の動作を制御する制御部50に接続され、制御部50により駆動制御される。
これにより、カートリッジモータ20が制御部50に制御されて回転駆動すると、アジテータ18が回転し、トナーカートリッジ12内のトナーはアジテータ18により攪拌されながら排出口16側へ搬送され、排出口16から下方へ排出される(図1、2の矢印A)。
リザーブタンク14は、上面の角部近傍に、トナーカートリッジ12の排出口16に対応する取入口22が形成されている。上記のトナーカートリッジ12から排出されたトナーは、この取入口22からリザーブタンク14内に取り入れられる。また、取入口22とは反対側となる側面の中央部には供給口24が形成されており、この供給口24は、画像形成装置に設けられた現像器Gに接続されている。
リザーブタンク14の内部には、中央部に延設された隔壁26の両側に2つのタンク室28、30が設けられている。これらのタンク室28、30は、隔壁26の一端部及び他端部に形成された開口部32、34を介して連通されている。また、排出口16は一方のタンク室28のみと連通され、供給口24は上記の開口部34を介してタンク室28及びタンク室30と連通されている。
タンク室28、30には、隔壁26を挟んで平行に配置された2本のスパイラルオーガ36、38が回転可能に設けられている。これらのスパイラルオーガ36、38は、リザーブタンクモータ40に連結されており、このリザーブタンクモータ40も制御部50に接続されている。
これにより、リザーブタンクモータ40が制御部50に制御されて回転駆動すると、スパイラルオーガ36、38が回転し、リザーブタンク14から供給されたタンク室28内のトナーは、スパイラルオーガ36により攪拌されながら開口部34及び供給口24側へ搬送され(図2の矢印B)、開口部34を通ってタンク室30側へ移動する(図2の矢印C)、あるいは、供給口24から現像器に供給(補給)される(図2の矢印D)。また、タンク室30内に入ったトナーは、スパイラルオーガ38により攪拌されながら開口部32側へ搬送され(図2の矢印E)、開口部32を通ってタンク室28内に戻ることになる(図2の矢印F)。
リザーブタンク14のタンク室28には、取入口22の下方に位置してトナーセンサ(圧力センサ)42が設けられている。このトナーセンサ42は、上記の制御部50に接続されており、タンク室28内における取入口22の下側付近に存在するトナーの有無をトナーから受ける圧力によって検知し、その圧力に応じた検知信号を制御部50に出力する。具体的には、トナー検知/非検知をHigh/Low信号で出力する。このトナーセンサ42によって、リザーブタンク14及びトナーカートリッジ12のトナー残量が検知される。
また、リザーブタンク14には、トナーカートリッジ12に内蔵されたメモリ46と、無線通信によってデータを送受信するアンテナ44が設けられており、このアンテナ44は制御部50に接続されている。トナーカートリッジ12のメモリ46には、カートリッジ固有のID番号(識別情報)等を示すデータが予め記憶されており、トナーカートリッジ12をリザーブタンク14に装着すると、制御部50は、メモリ46に記憶されている各種データをアンテナ44から受信して、制御部50に設けられたメモリに記憶する。
また、制御部50は、トナーカートリッジ12の使用履歴を管理するため、ID番号を取得したそのトナーカートリッジ12に対する、上述したトナー補給動作で駆動させたカートリッジモータ20の駆動時間に関するデータ(トナーカートリッジ駆動累積時間データ)、及び、リザーブタンクモータ40の駆動時間に関するデータ(リザーブタンク駆動累積時間データ)をそれぞれ記憶している。そして、この各モータの駆動時間データをアンテナ44から送信しメモリ46に記憶させる。これにより、使用済みのトナーカートリッジ12を回収したサービスセンター等では、メモリ46に記憶されているデータを読み出してトナーカートリッジ12の使用履歴情報を収集し、その情報から、例えばユーザがカートリッジを使い切ってから交換するか、あるいは使い切る前に交換するかといったカートリッジ交換時期の傾向等を把握できるようになる。
次に、上記構成とされたトナー補給装置10による動作と作用について説明する。
本実施形態のトナー補給装置10を備える画像形成装置では、画像形成に伴い現像器Gでトナーが消費されると、リザーブタンクモータ40を駆動させてスパイラルオーガ36、38を回転させ、消費された分量のトナーをリザーブタンク14から現像器Gに補給する。また、この補給に伴い、リザーブタンク14内のトナー量が減少すると、リザーブタンク14内のトナーによるトナーセンサ42へ圧力が弱まり、トナーセンサ42のトナー検知感度が低下する。そして、トナーセンサ42はトナー非検知状態を示すLow信号を出力するようになり、制御部50では、このLow信号が連続的に所定回数(例えば5回)入力されると、カートリッジモータ20を駆動させてアジテータ18を回転させ、トナーカートリッジ12内のトナーをリザーブタンク14に供給する。
このようなトナー補給動作において、図4に示されるように、トナーカートリッジ12内のトナー量が減少してくると、トナーカートリッジ12からリザーブタンク14に供給されるトナー量は除々に減少する。すると、トナーセンサ42のトナー検知感度が低下して、トナーセンサ42はLow信号を頻繁に出力するようになり、上記のカートリッジ駆動を行ってもトナーセンサ42が検知できるほどのトナー量を供給できなくなる。
そして、トナーセンサ42によるトナー非検知状態が続き、図3に示されるように、制御部50に入力されたLow信号の累積時間が予め設定されている第1の閾値(ニアエンプティ警告表示閾値)を超えると、制御部50は、トナーカートリッジ12が空に近づいていると判断して、画像形成装置の表示器(図示省略)に「ニアエンプティ警告」を表示させる。
ここで、このトナーカートリッジ12が継続使用されると、制御部50に入力されたLow信号の累積時間が更に増加する。そして、その累積時間が、予め上記第1の閾値よりも所定値(X1)だけ高く設定されている第2の閾値(エンプティ警告表示閾値)を超えると、制御部50は、トナーカートリッジ12がほぼ空になった判断して、画像形成装置の表示器に「エンプティ警告」を表示させる。
なお、この図3に示したグラフでは、Low信号(トナー非検知)の累積加算をプラス方向のベクトル、High信号(トナー検知)の累積加算をマイナス方向のベクトルで示している。
ここで、図3に示されるように、トナーカートリッジ12が交換されると、すなわち、図4(A)に示されるように、新しいトナーカートリッジ12が画像形成装置内に装填されてリザーブタンク14に装着されると、制御部50は、カートリッジモータ20を駆動させてアジテータ18を回転させ、図4(B)に示されるように、新しいトナーカートリッジ12内のトナーTNをリザーブタンク14に供給する。これにより、トナーTNがトナーカートリッジ12の排出口16から取入口22を通ってリザーブタンク14内に入り、トナーセンサ42の付近に落下して蓄積され、トナーセンサ42はそのトナーTNに加圧されて、トナー検知を示すHigh信号を出力する。
また、本実施形態のトナー補給装置10では、制御部50が、図3に示されるように、トナーセンサ42による検知情報(Low信号)に基づいてトナーカートリッジ12がほぼ空の状態であることを検知しているエンプティ検知期間(ET)と、トナーカートリッジ12が交換されてから所定の状態に回復するまでのエンプティ回復期間(RT)と、所定の状態とされている通常期間(NT)と、を判別し、これらの各期間において、トナーカートリッジ12に収容されたトナーTNを画像形成装置の現像器Gに補給するためにトナーカートリッジ12を駆動させるカートリッジモータ20の制御内容を変更する。
ここで、上記各期間の判別については、制御部50は、エンプティ検知期間の開始を、入力されたLow信号の累積時間がニアエンプティ警告表示閾値(第1の閾値)を超えることにより判別する。また、エンプティ検知期間の終了、及び、エンプティ検知期間に続くエンプティ回復期間の開始については、入力されたLow信号の累積時間がエンプティ警告表示閾値(第2の閾値)を超えることにより判別する。また、エンプティ回復期間の終了、及び、エンプティ回復期間に続く通常期間の開始については、入力されたLow信号の累積時間がニアエンプティ警告表示閾値(第1の閾値)を下回り、さらにニアエンプティ警告表示閾値から所定値(X2)だけ低くなることにより判別する。
また、各期間の制御部50によるカートリッジモータ20の制御内容については、エンプティ検知期間は、カートリッジモータ20を駆動停止させる又は駆動速度を通常期間よりも減速させ(例えば通常期間:13rpm/エンプティ検知期間:6rpm)、エンプティ回復期間は、カートリッジモータ20の駆動速度を通常期間よりも増速させている。
このように、本実施形態のトナー補給装置10では、カートリッジ内が空に近い状態となるエンプティ検知期間に、カートリッジモータ20を駆動停止させる又は駆動速度を通常期間よりも減速させることにより、トナーカートリッジ12内でトナーの凝集体が生成されることを防止することができ、よって、画像形成装置により形成される画像の品質が低下することを抑制できる。また、エンプティ回復期間には、カートリッジモータ20の駆動速度を通常期間よりも増速させることにより、例えばカートリッジ内のトナー充填量が多いためにトナーの流動性が悪くなる新しいトナーカートリッジ12であってもトナーを迅速に且つ安定して供給することができる。このトナーカートリッジ12からリザーブタンク14に供給されたトナーをトナーセンサ42が迅速に検知するため、図3のエンプティ回復期間に示すグラフ線のようにLow信号の累積時間は徐々に減少し、ニアエンプティ警告/エンプティ警告が誤報知されることを防止できる。
以上説明したように、本実施形態のトナー補給装置10では、トナーカートリッジ12内でトナーの凝集体が生成されることによる画像の品質低下と、トナーセンサ42のトナー検知遅れによるニアエンプティ警告/エンプティ警告の誤報知を防止することができる。
なお、本実施形態では、エンプティ回復期間に、カートリッジモータ20の駆動速度を通常期間よりも増速させるようにしているが、これについては、エンプティ検知期間はトナーセンサ42によるLow信号を連続的に所定回数(例えば5回)カウントすることでカートリッジモータ20を駆動させているため、エンプティ回復期間にはその所定回数よりも少ない回数(例えば3回)でカートリッジモータ20を駆動させるなど、トナーセンサ42による検知情報に基づいて駆動されるカートリッジモータ20の駆動条件を変更するようにしてもよい。この場合も、トナーの流動性が悪くなる新しいトナーカートリッジ12であってもトナーを安定供給できるようになり、トナー検知に要する時間を短縮することができる。
また、本実施形態では、エンプティ検知期間の終了を、制御部50に入力されたLow信号の累積時間がエンプティ警告表示閾値(第2の閾値)を超えることにより判別するようにしているが、これについては、例えばトナーセンサ42からの入力信号がLow信号からHigh信号に変わりそのHigh信号を連続的に所定回数カウントするなどの所定の条件を満たすことによって判別するようにしてもよい。このように、トナーセンサ42によるトナー検知状態を利用することによっても、エンプティ検知期間の終了を判別することができる。
さらに、このエンプティ検知期間の終了については、アンテナ44から制御部50に入力されるトナーカートリッジ12のID番号データが変更されたことで判別するようにしてもよい。このようなID番号データの変更、すなわち、カートリッジ交換の有無を利用することによっても、エンプティ検知期間の終了を判別することができる。またさらに、このエンプティ検知期間の終了については、予め設定した所定時間(例えば150秒)を経過したことにより判別するようにしてもよい。このように、予め設定した所定時間の時間経過を利用することで、エンプティ検知期間の終了を自動的に判別することができる。
また、本実施形態では、エンプティ回復期間の終了を、制御部50に入力されたLow信号の累積時間がニアエンプティ警告表示閾値(第1の閾値)を下回り、さらにニアエンプティ警告表示閾値から所定値(X2)だけ低くなることにより判別するようにしているが、これについては、予め設定した所定時間(例えば250秒)を経過したことにより判別するようにしてもよい。このように、予め設定した所定時間の時間経過を利用することで、エンプティ回復期間の終了を自動的に判別することができる。
また、通常期間の終了についても同様に、予め設定した所定時間(例えば1500秒)を経過したことにより自動的に判別することができる。
以上、本発明を上述した特定の実施形態により詳細に説明したが、本発明はその実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の形態が実施可能である。
本発明の一実施形態に係るトナー補給装置の全体構成を示す構成図である。 本発明の一実施形態に係るトナー補給装置のリザーブタンクを示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係るトナー補給装置において、トナー検知(トナーセンサのLow信号累積時間)に基づいて行われる警告表示動作、及び、エンプティ検知期間/エンプティ回復期間/通常期間におけるカートリッジ駆動動作を示すグラフ図である。 本発明の一実施形態に係るトナー補給装置において、トナーカートリッジ内が空に近い状態を示す断面図である。 (A)〜(B)は本発明の一実施形態に係るトナー補給装置において、カートリッジ交換後に行われるトナー検知動作を説明するための動作説明図である。 従来のトナー検知に基づいて行われる警告表示動作を説明するためのグラフ図である。
符号の説明
10 トナー補給装置
12 トナーカートリッジ
14 リザーブタンク
20 カートリッジモータ(駆動手段)
42 トナーセンサ(トナー検知手段)
44 アンテナ(通信手段)
46 メモリ(記憶手段)
50 制御部(制御手段)
G 現像器
TN トナー

Claims (22)

  1. 画像形成装置に備えられ、画像形成に使用されるトナーを前記画像形成装置の現像器に補給するトナー補給装置において、
    トナーが収容され交換可能とされたトナーカートリッジと、
    前記トナーカートリッジに収容されたトナーを前記現像器に補給するためにトナーカートリッジを駆動させる駆動手段と、
    前記トナーカートリッジのトナー残量を検知するトナー検知手段と、
    前記駆動手段を駆動制御するとともに、前記トナー検知手段による検知情報に基づいて前記トナーカートリッジがほぼ空の状態であることを検知しているエンプティ検知期間と、前記エンプティ検知期間の終了後に開始され所定の状態に回復するまでのエンプティ回復期間と、前記所定の状態とされている通常期間と、を判別して各期間での制御内容が変更可能な制御手段と、
    を有することを特徴とするトナー補給装置。
  2. 前記エンプティ検知期間は、前記駆動手段を駆動停止させる又は駆動手段の駆動速度を前記通常期間よりも減速させることを特徴とする請求項1記載のトナー補給装置。
  3. 前記エンプティ回復期間は、前記駆動手段の駆動速度を前記通常期間よりも増速させることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のトナー補給装置。
  4. 前記エンプティ回復期間は、前記トナー検知手段による検知情報に基づいて駆動される前記駆動手段の駆動条件を変更することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のトナー補給装置。
  5. 前記エンプティ検知期間の開始は、前記トナー検知手段によるトナー非検知状態の累積時間が予め設定された第1の閾値を越えることにより判別することを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項記載のトナー補給装置。
  6. 前記エンプティ検知期間の終了は、前記トナー検知手段によるトナー非検知状態の累積時間が前記第1の閾値よりも高い第2の閾値を越えることにより判別することを特徴とする請求項5記載のトナー補給装置。
  7. 前記エンプティ検知期間の終了は、前記トナー検知手段が前記トナー非検知状態からトナー検知状態となりそのトナー検知状態が所定の条件を満たすことにより判別することを特徴とする請求項5記載のトナー補給装置。
  8. 前記トナーカートリッジに設けられてそのトナーカートリッジ固有の識別情報が記憶された記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された識別情報を受信して前記制御手段に送信する通信手段と、
    を有し、
    前記エンプティ検知期間の終了は、前記通信手段から送信される前記識別情報が変更されたことにより判別することを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項記載のトナー補給装置。
  9. 前記エンプティ検知期間の終了は、予め設定された第1の所定時間を経過したことにより判別することを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項記載のトナー補給装置。
  10. 前記エンプティ回復期間の終了は、前記トナー検知手段によるトナー非検知状態の累積時間が前記第1の閾値を下回ることにより判別することを特徴とする請求項5〜請求項9の何れか1項記載のトナー補給装置。
  11. 前記エンプティ回復期間の終了は、予め設定された第2の所定時間を経過したことにより判別することを特徴とする請求項1〜請求項9の何れか1項記載のトナー補給装置。
  12. 画像形成に使用されるトナーが収容され交換可能とされたトナーカートリッジから、前記トナーを画像形成装置の現像器に補給するトナー補給方法において、
    前記トナーカートリッジのトナー残量をトナー検知手段により検知しその検知情報に基づいて、トナーカートリッジがほぼ空の状態であることを検知しているエンプティ検知期間と、前記エンプティ検知期間の終了後に開始され所定の状態に回復するまでのエンプティ回復期間と、前記所定の状態とされている通常期間と、を判別し、各期間でトナーカートリッジに収容されたトナーを前記現像器に補給するためにトナーカートリッジを駆動させる駆動手段の制御内容を変更することを特徴とするトナー補給方法。
  13. 前記エンプティ検知期間は、前記駆動手段を駆動停止させる又は駆動手段の駆動速度を前記通常期間よりも減速させることを特徴とする請求項12記載のトナー補給方法。
  14. 前記エンプティ回復期間は、前記駆動手段の駆動速度を前記通常期間よりも増速させることを特徴とする請求項12又は請求項13記載のトナー補給方法。
  15. 前記エンプティ回復期間は、前記トナー検知手段による検知情報に基づいて駆動される前記駆動手段の駆動条件を変更することを特徴とする請求項12又は請求項13記載のトナー補給方法。
  16. 前記エンプティ検知期間の開始は、前記トナー検知手段によるトナー非検知状態の累積時間が予め設定された第1の閾値を越えることにより判別することを特徴とする請求項12〜請求項15の何れか1項記載のトナー補給方法。
  17. 前記エンプティ検知期間の終了は、前記トナー検知手段によるトナー非検知状態の累積時間が前記第1の閾値よりも高い第2の閾値を越えることにより判別することを特徴とする請求項16記載のトナー補給方法。
  18. 前記エンプティ検知期間の終了は、前記トナー検知手段が前記トナー非検知状態からトナー検知状態となりそのトナー検知状態が所定の条件を満たすことにより判別することを特徴とする請求項16記載のトナー補給方法。
  19. 前記トナーカートリッジにそのトナーカートリッジ固有の識別情報が記憶可能な記憶手段を設け、
    前記エンプティ検知期間の終了は、前記記憶手段に記憶された識別情報を通信手段により受信したときに識別情報が変更されたことにより判別することを特徴とする請求項12〜請求項16の何れか1項記載のトナー補給方法。
  20. 前記エンプティ検知期間の終了は、予め設定された第1の所定時間を経過したことにより判別することを特徴とする請求項12〜請求項16の何れか1項記載のトナー補給方法。
  21. 前記エンプティ回復期間の終了は、前記トナー検知手段によるトナー非検知状態の累積時間が前記第1の閾値を下回ることにより判別することを特徴とする請求項16〜請求項20の何れか1項記載のトナー補給方法。
  22. 前記エンプティ回復期間の終了は、予め設定された第2の所定時間を経過したことにより判別することを特徴とする請求項12〜請求項20の何れか1項記載のトナー補給方法。
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