JP2006250965A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 定着部材1と、この定着部材の外側を加熱する加熱手段3と、この加熱手段3の熱を前記定着部材1の表面上に集めるための反射部材4と、前記定着部材1に圧接してニップ部Nを形成する加圧部材2とを備え、前記ニップ部Nにおいてトナー像を記録媒体Pに定着せしめる定着装置において、前記反射部材4の一部は前記定着部材1への輻射領域の一部を変更させるために可変である。
【選択図】 図4
Description
かかる定着装置は、加熱した定着ローラを回転させながら、この回転する定着ローラと加圧ローラとの間にトナーが転写された印刷用紙を挿通し、トナーを加熱溶融して印刷用紙上に融着するものである。従来、一般的には定着ローラの熱源として、ハロゲンランプを用いたハロゲンヒータが使用されてきた。
近年の環境規制、環境保護意識の高まりから、各種画像形成装置は不使用時には定着ヒータへの通電を遮断し必要なときのみ通電して、消費電力を低減することが行われている。
このような省エネルギ型の画像形成装置では、印刷時に定着ローラの表面温度が即座に設定温度まで達する必要がある。この要求を満たすため、ハロゲンヒータで加熱する方式では、肉厚を1mm以下にする定着ローラ基体の薄肉化が行われている。これにより定着ローラの熱容量を軽減し、定着ローラを急速に設定温度までに立ち上げることができる。
しかしながら、上記のような定着ローラ基体の薄肉化には、幾つかの問題がある。すなわち、薄肉化することによって定着ローラ基体の機械的強度は著しく低下し、ローラのつぶれ、たわみなどの変形に弱くなる。
また、ローラの肉厚を薄くするほど技術的に加工の難易度は上がり、高度な加工精度が要求されることになり、コスト高に繋がることにもなる。このように、定着ローラ基体の薄肉化だけによって高速立ち上がりを実現することには限界がある。
このように迅速に昇温する方式においては、いずれも端部温度上昇という技術課題を抱えている。端部温度上昇とは、両端では紙による熱の消費が無いために、熱が加圧ローラと定着ローラに蓄積し、温度が異常に上昇する現象のことを指している。
これにより、軸受部材の耐熱寿命の低下、および表面離型層の溶融または熱劣化、および端部温度上昇直後に大きな幅の紙を通紙した場合には設定温度より高温となっている端部での定着異常(ホットオフセット)および搬送異常が発生する。端部温度上昇は小さければ、小さいほど無駄な熱が発生せず、定着ユニットの寿命も延びるという利点がある。
そこで、このような端部温度上昇の課題を解決するための提案として特許文献1には、定着ローラの内周面を輻射する輻射発熱体と定着ローラの内周面との間に、定着ローラの軸方向に沿って移動可能な遮蔽部材を備え、遮蔽部材の移動によって定着ローラ内周面への輻射領域を変更することができる定着装置が開示されている。
そこで、定着ローラ全体の立ち上がり時に必要な熱量をできるだけ減らすために、熱容量が比較的大きいゴムなどの弾性層を有せず、中空芯金と離型層により形成するようにしている。
しかしながら、このような場合には、定着時接触面は記録媒体上の凹凸に対しては追従しないので、密着接触ができずに微小な光沢ムラなどの画質劣化という問題が生じる。特にモノクロの画像形成装置では問題とならないレベルでも、カラー画像形成装置ではとくに顕著に現れるため、カラー画像形成装置の高画質化には定着面に弾性を持たせることは必須である。
かかる場合に、定着部材としては、駆動安定性や記録媒体の搬送安定性等を考慮すると、少なくとも表層に離型層、弾性層を有する定着ローラを用いることが望ましい。
そこで、本発明の目的は、定着部材に熱容量の大きい弾性層を設けることにより高画質を維持しつつ、立ち上がりの高速化と、端部温度の上昇を防止とを両立することができる定着装置を提供することにある。
また請求項2に記載の発明は、前記反射部材の長手方向の端部開放面に遮蔽板を設け、開放面を開閉自在にすることにより、前記定着部材への輻射領域の一部を変更させる請求項1に記載の定着装置を特徴とする。
また請求項3に記載の発明は、トナー像が転写される転写定着部材と、該転写定着部材に圧接してニップ部を形成する加圧部材と、前記転写定着部材の外側を加熱する加熱手段と、該加熱手段の熱を前記転写定着部材の表面上に集めるための反射部材とを備え、前記ニップ部においてトナー像を記録媒体に定着せしめる定着装置において、前記反射部材の一部が前記定着部材への輻射領域の一部を変更させるために可変である定着装置を特徴とする。
また請求項4に記載の発明は、前記反射部材の長手方向の端部開放面に遮蔽板を設け、開放面を開閉自在にすることにより、前記転写定着部材への輻射領域の一部を変更させる請求項3に記載の定着装置を特徴とする。
また請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の定着装置を備える画像形成装置を特徴とする。
また、本発明によれば、未定着画像を形成する粉体または液体を長時間直接加熱することができるので、転写定着部材を予熱なしに高温化させることなく、記録媒体への画像の定着が可能となる定着上二次転写方式の画像形成装置において、反射板を用いた外部輻射加熱による定着装置における小サイズ連続通紙時の端部温度上昇を防止することができる。
図1において、箱状の装置本体101内には複数個の像担持体ユニットとしての感光体ユニット102Y、102M、102C、102Kがそれぞれ装置本体101に着脱可能に装着されている。
装置本体101内の略中央部には、転写部材であり記録材担持体となる転写ベルト103を有する転写手段60が配置されている。転写ベルト103はその1つに回転駆動力が伝達される複数のローラに架け渡されて矢印Aで示す方向に回転駆動可能に設けられている。
転写ベルト103は、また、像担持体としてのドラム状の感光体104Y、104M、104C、104Kの表面に圧接可能に設けられている。本実施の形態にかかる転写手段60には、接触転写方式が採用されている。
感光体ユニット102Y、102M、102C、102Kは、感光体104Y、104M、104C、104Kを有し、各感光体の表面が転写ベルト103と接触するように、この転写ベルト103の上方に配設されている。
感光体ユニット102Y、102M、102C、102Kの配列は、感光体ユニット102Yを記録媒体給送側とし、感光体ユニット102Kが定着装置109側に位置するように104Y、104M、104C、104Kの順となっている。感光体としては、ベルト状の感光体を用いてもよい。
感光体104Y、104M、104C、104Kとの対向側には、現像手段となる現像装置105Y、105M、105C、105Kがそれぞれ配置されている。
感光体ユニット102Y、102M、102C、102Kの上方には、露光手段としての書き込み装置106が配置されている。感光体ユニット102Y、102M、102C、102Kの下方には、両面ユニット107が配置されている。両面ユニット107の下方には、サイズの異なる記録媒体としての転写紙Pが収納可能なカセット113、114が配設されている。
装置本体101の左側には反転ユニット108が配置され、装置本体101の右側には手差しトレイ115が矢印B方向に開閉可能に設けられている。定着装置109の記録媒体搬送方向下流側には反転搬送路110が分岐して形成され、転写紙Pを反転搬送路110に配置された排出ローラ111によって装置上部に設けられた外部トレイ112に案内している。
感光体ユニット102Y、102M、102C、102Kは、感光体104Y、104M、104C、104K上にY、M、C、K各色に対応するトナー像を形成するためのユニットである。この感光体ユニット102Y、102M、102C、102Kには各感光体104Y、104M、104C、104Kを帯電する帯電手段としての帯電装置80Y、80M、80C、80Kが付設されている。
感光体ユニット102Y、102M、102C、102Kおよび帯電装置80Y、80M、80C、80Kは、装置本体101に配置される場所を除いては同一構成となっている。帯電装置80Y、80M、80C、80Kは、対応関係の感光体の表面を均一に帯電するもので、感光体の表面に接触する帯電部材としての周知の帯電ローラを備えている。
両面ユニット107は対をなす搬送ガイド41、42と、複数の搬送ローラ対43を備えている。両面ユニット107は転写紙Pの両面に画像を形成する両面画像形成モード時に、片面に画像が形成されてから反転ユニット108の反転搬送路44に搬送されてスイッチバック搬送される。
このスイッチバック搬送によって表裏が反転される転写紙Pを受け入れ、これを感光体104Y、104M、104C、104Kと転写ベルト103との間に形成される転写部へと再搬送する。
反転ユニット108は複数の搬送ローラと、複数の搬送ガイド板、これらによって形成される反転搬送路44からなっている。反転ユニット108は両面画像形成モード時に片面画像形成後の転写紙Pを、その表裏を反転させて両面ユニット107へ送り出す機能や、画像形成後の転写紙Pをそのままの向きで機外へ排出する機能、画像形成後の転写紙Pを、その表裏を反転させて機外へ排出する機能を備えている。
カセット113、114が配置されている記録媒体給送部には、カセット113、114上の記録媒体(転写紙)Pを1枚ずつに分離して給送する記録媒体分離部45、46が設けられている。転写ベルト103の内側には、転写手段としての転写ブラシ47、48、49、50が感光体104Y、104M、104C、104Kに対向するように設けられている。
感光体ユニット102Y、102M、102C、102Kの各帯電ローラは、図示しない電源から帯電バイアスが印加されて感光体104Y、104M、104C、104Kをそれぞれ一様に帯電させる。
感光体104Y、104M、104C、104Kは、それぞれ帯電ローラにより一様に帯電された後に書き込み装置106によって、Y、M、C、K各色の画像データで変調されたレーザ光により露光されて、各表面に静電潜像が形成される。
これら感光体104Y、104M、104C、104K上の静電潜像は、感光体104Y、104M、104C、104Kの回転と、現像装置105Y、105M、105C、105Kの現像剤担持体としての図示しない現像スリーブが図示しない駆動源で回転駆動されることにより現像されてY、M、C、K各色のトナー像となる。
カセット113、114のうち選択された方のカセットからは、1枚の転写紙Pが分離されて、感光体ユニット102Yよりも記録媒体(転写紙)給送部側に配設されたレジストローラ51へ給送される。本実施の形態では、装置本体101の右側に手差しトレイ115が配置され、この手差しトレイ115からも転写紙Pがレジストローラ51へ給送可能とされている。
搬送された転写紙Pには、各転写部を順に通過する際に、転写ブラシ47〜50により感光体104Y、104M、104C、104K上のY、M、C、K各色のトナー像が順次に重ね合わせて転写されることで、4色重ね合わせのフルカラートナー像が形成される。
フルカラートナー像が形成された転写紙Pは、入口ガイド7を通って、定着装置109によりフルカラートナー像が溶融定着され、その後は指定されたモードに応じた記録媒体排出路を通って外部トレイ112に反転排出される場合や、定着装置109から直進して反転ユニット108内を通ってストレートに排出される。
画像形成装置において、両面画像形成モードが選択されているときには、転写紙Pは、片面にトナー像が形成されて定着装置109でトナー像が定着された後に、反転ユニット108内の反転搬送路44内に送り込まれる。ここでスイッチバックされてから両面ユニット107に搬送され、そこから再給送されて表面画像形成時と同様に裏面に画像が形成されて排出される。
以上の作像動作は、4色重ね合わせのフルカラーモードが図示しない操作部で選択されたときの動作である。しかし、3色重ね合わせのフルカラーモードが操作部で選択されたときにはKトナー像の形成が省略されてY、M、C3色のトナー像の重ね合わせによるフルカラー画像が転写紙P上に形成される。また、白黒画像形成モードが操作部で選択されたときには、Kトナー像の形成のみが行われて白黒画像が転写紙P上に形成される。
この第1の実施形態における定着装置では、定着部材としての定着ローラ1に加圧部材としての加圧ローラ2が図示しない加圧手段により一定の加圧力で押し当てられ、これらのローラ間にニップを形成している。
定着ローラ1および加圧ローラ2は図示しない駆動機構により回転駆動される。未定着画像を形成しているトナー6を担持した転写紙Pが入口ガイド7に沿ってニップ内へと搬送されると、転写紙Pはニップ内で熱と圧力を受け、画像が定着される。
定着ローラ1は鉄などからなるローラ芯金1a、空隙を有するセラミックスなどからなる硬質な断熱層1b、シリコンゴムなどからなる弾性層1cおよびフッ素系樹脂などからなる離型層1dにより形成される。
加圧ローラ2は鉄などからなるローラ芯金2a、空隙を有するセラミックスなどからなる硬質な断熱層2b、シリコンゴムなどからなる弾性層2cおよびフッ素系樹脂などからなる離型層2dにより形成される。
輻射発熱体であるハロゲンヒータなどからなるヒータ3は、定着ローラ1の外部近傍でニップ上流直前の位置に備えられる。ヒータ3からの輻射エネルギを反射する反射板4がヒータ3を覆うように備えられる。
この反射板4は開口部を定着ローラ1の表層に向けることにより、定着ローラ1の表層へ熱エネルギを集中させ、定着ローラ1の表層のみを効率的に加熱することができる。これにより反射板4を用いた外部輻射加熱による定着装置における小サイズ連続通紙時の端部温度上昇に対するより簡便に解決可能な手段を提供する。
図3は本発明による定着装置の反射板の第1の実施形態の詳細を示す概略斜視図である。
図3において、反射板4は両端部4a、4b、4c、4dが図のように可変となっており、小さいサイズの記録媒体(転写紙)を連続通紙する場合には、図のような反射板4は両端部4a、4bを閉じた状態にすることができる。
これにより、小サイズの記録媒体を連続通紙する場合に、熱を必要としない定着ローラ1の両端部が過剰に熱を受けることを防ぐことができる。
この遮蔽板5は移動可能であり、小サイズの記録媒体を連続通紙する場合には、遮蔽板部分5a、5bが図の破線部に移動し、反射板4の端部の開放面を塞ぐようになっている。遮蔽板5の内側(ヒータ3側)は反射率の高い金属鏡面となっているため、ヒータ3の端部から発せられる熱は中央部に集まるようになっている。
図5は本発明による定着装置の反射板の第3の実施形態の詳細を示す概略斜視図である。図5において、反射板4の両端部には遮蔽板5の遮蔽板部分5c、5dが図のように備えられている。
主要な作用効果は図4の遮蔽板と同等であるが、遮蔽板5の遮蔽板部分5c、5dが図のような形状になっていることにより、定着ローラ1の端部の非加熱領域の広さを多段階に直線的に変化させることができる。よって、多様なサイズの連続通紙に対応することができる。
カラー複写機101は、装置本体中央部に位置する画像形成部101Aと、この画像形成部101Aの下方に位置する給紙部101Bと、画像形成部101Aの上方に位置する図示しない画像読み取り部を有している。
画像形成部101Aには、水平方向に延びる転写面を有する中間転写体としての中間転写ベルト103が配置されており、この中間転写ベルト103の上面には、色分解色と補色関係にある色の画像を形成するための構成が設けられている。
すなわち、補色関係にある色のトナー(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)による像を担持可能な像担持体としての感光体104Y、104M、104C、104Bが中間転写ベルト103の転写面に沿って並置されている。
各感光体104Y、104M、104C、104Bはそれぞれ同じ方向(反時計回り方向)に回転可能なドラムで構成されており、その周りには、回転過程において画像形成処理を実行する帯電装置80Y、80M、80C、80B、光書き込み手段としての書き込み装置206、現像装置105Y、105M、105C、105B、1次転写装置60Y、60M、60C、60B、およびクリーニング装置8Y、8M、8C、8Bが配置されている。
感光体104Yの表面が帯電装置80により一様に帯電され、画像読み取り部からの画像情報に基づいて感光体104Y上に静電潜像が形成される。この静電潜像はイエローのトナーを収容した現像装置105Yによりトナー像として可視像化され、このトナー像は所定のバイアスが印加される1次転写装置60Yにより中間転写ベルト103上に1次転写される。
他の感光体104M、104C、204Bでもトナーの色が異なるだけで同様の画像形成がなされ、それぞれの色のトナー像が中間転写ベルト103上に順に転写されて重ね合わせられる。
転写後感光体104上に残留したトナーはクリーニング装置8により除去され、また、転写後、図示しない除電ランプにより感光体104の電位が初期化され、次の作像工程に備えられる。
給紙部101Bは、記録媒体としての転写紙Pを積載収容する給紙トレイ113とこの給紙トレイ113内の転写紙Pを最上のものから順に1枚ずつ分離して給紙する記録媒体分離部である給紙コロ45とを備えている。
給紙部101Bは、さらに、給紙された転写紙Pを搬送する搬送ローラ対18と、転写紙Pが一旦停止され、斜めずれ(スキュー)を修正された後、転写定着ローラ12および加圧ローラ2上の画像の先端と搬送方向の所定位置とが一致するタイミングでニップ部Nに向けて送り出されるレジストローラ対19を有している。
駆動ローラ9の近傍には、定着装置109が設けられている。この定着装置109には、転写定着ローラ12と対峙して設けられ、互いにばねなどの図示してない加圧手段によって押圧されニップ部Nを形成する加圧ローラ2を有している。
感光体104Y、104M、104C、104Bから中間転写ベルト103上に1次転写されたトナー6aは、図示してない2次バイアス印加手段により駆動ローラ9に印加されるバイアス(AC、パルスなどの重畳を含む)により転写定着ローラ12に静電気力で2次的に転写される。
この断熱プレート20は、中間転写ベルト103から転写定着ローラ12への2次転写を阻害しない状態で中間転写ベルト103への熱放射を極力抑えるように、開口部を有する形状に形成されており、図示しない定着装置本体、画像形成装置本体のいずれの側に設けてもよい。
熱移動抑止部材としては、放射率の低い金属光沢を有する板状のものが好ましく、とくに2枚の金属シートを微小空隙または断熱材を挟んで配置すると優れた効果が得られる。
また、ノートパソコンのCPU冷却用に用いられるマイクロヒートパイプ構造を内包する薄板を用いた場合、熱移動抑止部材を低温に保ち熱移動を抑制することができる。
さらに、本実施の形態では、中間転写ベルト103の転写定着ローラ12に対する転写部(転写定着ローラ12との対向部)と、最も上流側の感光体104Bに対する転写部との間に中間転写ベルト103の熱を奪う冷却部材としての冷却ローラ21が設けられている。この冷却ローラ21は熱伝導率の高い材料で形成されており、中間転写ベルト103に接触して回転する。
本実施の形態では断熱プレート20と冷却ローラ21を同時に設ける構成としたが、いずれか一方を設ける構成としてもよい。本実施の形態によれば、中間転写体の温度を低減でき、中間転写体側の熱劣化を抑制できる。また、定着部材の設計上の自由度を大きくすることができる。
また、転写定着ローラ12の表面温度を測定するための非画像領域に設けられた図示してないサーミスタとそれぞれの表面温度に基づいてヒータ3のオン/オフを制御する図示してない温度コントローラが設けてあり、温度を制御できるようになっている。
また、転写定着ローラ12および加圧ローラ2の離型層をカーボン等の導電物質を分散させた導電性のフッ素系樹脂系材料で構成する。これを芯金と接続することで、離型層間に転写バイアスを印加することが可能となり、転写バイアスを低電圧にでき、かつ、転写時のトナーの飛び散りを抑制できる。
このように、トナー6のみを予め加熱する過程が十分に得られるので、トナー6と記録媒体(転写紙)Pを同時に加熱する従来方式に比べて加熱温度を低くできる。実験の結果、転写定着ローラ12および加圧ローラ2の温度は110〜120度の低温でも十分な画質が得られることが確認された。
上述のように、従来のカラー画像形成装置では十分な光沢を得るために転写紙による温度低下を考慮して白黒画像形成装置に比べて1.5倍ほどの熱量を与えていた。このため、転写紙が必要以上に加熱されるとともに、トナーと転写紙の密着性も必要以上に高められていた。
本実施の形態では、記録媒体(転写紙)Pを考慮せずに十分な光沢を得るための温度を独立に設定できるので、転写定着ローラ12の温度(定着設定温度)を低くできる。
また、トナー6と転写紙の密着性も必要以上に高められることがないだけではなく、記録媒体(転写紙)Pはニップ部Nのみで加熱されるので過剰に加熱されず、省エネルギ化に寄与する。また、ヒータ3を取り囲む反射板4については、図3、図4または図5で示す機構を有するものとする。
図6において、転写定着ローラ12は、図2における定着ローラ1と同様に、鉄などからなるローラ芯金1a、空隙を有するセラミックスなどからなる硬質な断熱層1b、シリコンゴムなどからなる弾性層1cおよびフッ素系樹脂などからなる離型層1dにより形成される。
加圧ローラ2は、図2における加圧ローラ2と同様に、鉄などからなるローラ芯金2a、空隙を有するセラミックスなどからなる硬質な断熱層2b、シリコンゴムなどからなる弾性層2cおよびフッ素系樹脂などからなる離型層2dにより形成される。
定着上二次転写方式の画像形成装置は未定着画像を形成する粉体または液体を長時間直接加熱することができるので、転写定着部材を予熱なしに高温化させることなく、記録媒体(転写紙)への画像の定着が可能となる。したがって、より大きな省エネ化に寄与することができる反射板4を用いた外部輻射加熱による定着装置における小サイズ連続通紙時の端部温度上昇を回避することができる。
図7に示すとおり、画像形成部101Aには、水平方向に延びる転写面を有する中間転写体兼定着部材としての中間転写定着ベルト22が配置されており、現像からの転写部の動作概要は第4の実施の形態と同様である。
しかしながら、転写されたトナー6aは中間転写定着ベルト22上で加熱され、そこで溶融したトナー6bは中間転写定着ベルト22と加圧ローラ2とで形成されたニップNにて記録媒体(転写紙)Pに転写されると同時に定着される。それ以外の動作概要は第4の実施の形態とほぼ同様である。反射板4については、図3、図4または図5で示す機構を有するものとする。
加圧ローラ2は、図2および図6で説明したのと同様に、鉄などからなるローラ芯金2a、空隙を有するセラミックスなどからなる硬質な断熱層2b、シリコンゴムなどからなる弾性層2cおよびフッ素系樹脂などからなる離型層2dにより形成される。
図7には、図6で説明したのと同様に、中間転写定着ベルト22を掛け渡す駆動ローラ9および従動ローラ10、この従動ローラ10の中間転写定着ベルト22の表面をクリーニングするクリーニング装置11およびヒータ3を示している。
本実施の形態では、図6に示した実施の形態とほぼ同様の効果が得られるが、転写プロセスが1回少なくなるので、転写散り等による画像の乱れを比較的抑えることができる。
Claims (5)
- 定着部材と、該定着部材の外側を加熱する加熱手段と、該加熱手段の熱を前記定着部材の表面上に集めるための反射部材と、前記定着部材に圧接してニップ部を形成する加圧部材とを備え、前記ニップ部においてトナー像を記録媒体に定着せしめる定着装置において、前記反射部材の一部が前記定着部材への輻射領域の一部を変更させるために可変であることを特徴とする定着装置。
- 前記反射部材の長手方向の端部開放面に遮蔽板を設け、開放面を開閉自在にすることにより、前記定着部材への輻射領域の一部を変更させることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- トナー像が転写される転写定着部材と、該転写定着部材に圧接してニップ部を形成する加圧部材と、前記転写定着部材の外側を加熱する加熱手段と、該加熱手段の熱を前記転写定着部材の表面上に集めるための反射部材とを備え、前記ニップ部においてトナー像を記録媒体に定着せしめる定着装置において、前記反射部材の一部が前記定着部材への輻射領域の一部を変更させるために可変であることを特徴とする定着装置。
- 前記反射部材の長手方向の端部開放面に遮蔽板を設け、開放面を開閉自在にすることにより、前記転写定着部材への輻射領域の一部を変更させることを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
- 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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