JP2006249295A - ポリアミド樹脂ならびにその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
分子内に炭素数12の長鎖を有するポリアミド樹脂および共重合ポリアミド樹脂を簡便に製造できる製造方法を提供する。
【解決手段】
(1)ジアミン化合物成分と(2)デカン−1,10−カルボンイミド(13員環ジカルボン酸イミド)を含有するジカルボン酸化合物成分とを重合させる。 なお、デカン−1,10−カルボンイミド(13員環ジカルボン酸イミド)は、シクロヘキサノンとアンモニア、過酸化水素水から容易に合成される1,1’−パーオキシジシクロヘキシルアミンを液相で熱分解することにより、収率よく簡便に得ることができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ジアミンとジカルボン酸化合物とからなるポリアミド樹脂および共重合ポリアミド樹脂を製造するに際して、ジカルボン酸化合物成分の全量もしくは一部にデカン−1,10−カルボンイミドを使用してポリアミド樹脂を得る製造方法ならびに該製造方法により得られるポリアミド樹脂に関する。
ポリアミド66、ポリアミドMXD6、ポリアミド612、ポリアミド1212等のジアミンとジカルボン酸からなるポリアミド樹脂や共重合ポリアミド樹脂は、耐衝撃性、耐磨耗性、耐候性、耐薬品性、寸法安定性や柔軟性などの諸物性が優れておりエンジニングプラスチックとして種々の分野で幅広く使用されている。
これらのポリアミド樹脂や共重合ポリアミド樹脂の原料としてはドデカ二酸が多々用いられている。
このドデカ二酸の製造法としては、シクロドデカノンやシクロドデカノールまたはこれらの混合物を分子状酸素で液相酸化する方法(特許文献1)、シクロドデカノンやシクロドデカノールまたはこれらの混合物を硝酸酸化する方法(特許文献2特公昭48−23422号公報、特許文献3特公昭49−11370号公報)、シクロドデセンをオゾン酸化する方法(特許文献4特公昭57−57457号公報、特許文献5特開昭57−32245号公報)等によって製造されている。
しかし、空気等の酸素酸化反応による製造方法では炭素鎖が切断された低級ジカルボン酸類(ウンデカンジカルボン酸やデカンジカルボン酸等)やその他の副生成物が多く生成し、その分離が困難であることや分離困難な不純物がドデカン二酸に混入して品質を低下する等の問題があった。
また、硝酸酸化の製造方法(特許文献6特公昭48−23422号公報、特許文献7特公昭49−11370号公報)では、不純物の問題に加えて大過剰の硝酸を使用するため、未反応硝酸の処理、リサイクルのために製造コストが増大するという問題もあった。
さらにオゾンによって酸化する方法(特許文献8特公昭57−57457号公報、特許文献9特開昭57−32245号公報)では、酸素からオゾンを発生させるのに煩雑な設備とエネルギーが必要となることとC12未満の低級ジカルボン酸等の種々の副生成物が生成するために品質が低下すると等の問題があった。
特開2004−10520号公報 特公昭48−23422号公報 特公昭49−11370号公報 特公昭57−57457号公報 特開昭57−32245号公報 特公昭48−23422号公報 特公昭49−11370号公報 特公昭57−57457号公報 特開昭57−32245号公報
本発明者らは、分子内に炭素数12(以下、C12と記載することもある。)の長鎖を有するポリアミド樹脂および共重合ポリアミド樹脂を簡便に製造できる製造方法を鋭意検討した結果、シクロヘキサノンとアンモニア、過酸化水素水から容易に合成される1.1−パーオキシジシクロヘキシルアミンを液相、高温下で熱分解することによって選択的に得られるデカン−1,10−カルボンイミド(以下、13員環ジカルボン酸イミドと記載することもある。)が減圧蒸留よって簡単に高純度化でき、ポリアミド樹脂用原料として優れていることを見出し本発明の完成に至った。
本発明の課題は、
(1)ジアミン化合物成分と
(2)デカン−1,10−カルボンイミド(13員環ジカルボン酸イミド)を含有するジカルボン酸化合物成分とを重合させることを特徴とするポリアミド樹脂の製造方法により解決される。
本発明により、C12の長鎖を有するポリアミド樹脂および共重合ポリアミド樹脂を効率よく、不純物を含まない状態で製造でき、本発明で得られるポリアミド612、ポリアミドMXD12及びポリアミド1212等のポリアミド樹脂や共重合ポリアミド樹脂は優れた特性を有するために多方面のエンジニアングプラスチック材料として好適に用いられ、工業的な意義は大きい。
本発明でいう(1)ジアミン化合物成分とは、特に制限はないが、炭素数2〜20の脂肪族、脂環式および芳香族ジアミンからなる群より選ばれる少なくとも1化合物が好ましい。
具体例としては、1,4ジアミノブタン、1,5ジアミノペンタン、1,6ジアミノへキサン、2−メチル−1.5ジアミノペンタン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、1.13−ジアミノトリデカン、1,14−ジアミノテトラデカン、1,15−ジアミノペンタデカン、1、16−ジアミノヘキサデカン、1,17−ジアミノヘプタデカン、1,18−ジアミノオクタデカン、1,19−ジアミノノナデカン、1,20−ジアミノエイコサンなどの脂肪族ジアミンや1,1−ジアミノシクロヘキサン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,2−ジ(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ジ(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ジ(アミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−1−アミノメチルシクロヘキサン、1−アミノ−2−アミノメチルシクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチルシクロヘキサン、1−アミノ−4−アミノメチルシクロヘキサン、5−アミノ−1,3,3−トリメチルシクロヘキサンメチルアミン(イソホロンジアミン)ジ(2−アミノシクロヘキシル)メタン、ジ(3−アミノシクロヘキシル)メタン、ジ(4−アミノシクロヘキシル)メタン、(2−アミノシクロヘキシル)(3−アミノシクロヘキシル)メタン、(2−アミノシクロヘキシル)(4−アミノシクロヘキシル)メタン、3−アミノシクロヘキシル)(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ジ(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ジ(2−アミノシクロヘキシル)プロパン、2,2−ジ(3−アミノシクロヘキシル)プロパン、2,2−ジ(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、2,2−ジ(2−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)プロパン、2,2−ジ(3−アミノ−5−メチルシクロヘキシル)プロパン、2,2−ジ(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)プロパン、2,2−ジ(2−アミノシクロヘキシル)ブタン、2,2−ジ(3−アミノシクロヘキシル)ブタン、2,2−ジ(4−アミノシクロヘキシル)ブタンなどの脂環式ジアミンやメタキシレンジアミン、パラキシレンジアミンのような芳香族ジアミンなどが挙げられる。
特に、脂肪族ジアミンの1,6−ジアミノヘキサン(ヘキサメチレンジアミン)や1,12−ジアミノドデカンや芳香族ジアミンのメタキシレンジアミン、パラキシレンジアミンが好ましく用いられる。
これらのジアミン化合物は、2種類以上の混合物で使用することもできる。
本発明で使用するデカン−1,10−カルボンイミド(13員環ジカルボン酸イミド)は、シクロヘキサノンとアンモニア、過酸化水素水から容易に合成される1,1’−パーオキシジシクロヘキシルアミンを液相で熱分解することにより、収率よく簡便に得ることができる。
デカン−1,10−カルボンイミド(13員環ジカルボン酸イミド)の化学式を以下に示す。
Figure 2006249295


本発明で使用するジカルボン酸化合物成分は、通常、このデカン−1,10−カルボンイミドを単独で使用するが、下記ジカルボン酸化合物と併用することも何ら問題はない。
なお、デカン−1,10−カルボンイミドに対応して使用するジアミン化合物の量は、特に制限はないが、1:0.9〜1:1.1(モル比)が好ましい。
デカン−1,10−カルボンイミド(13員環ジカルボン酸イミド)と併用できるジカルボン酸化合物についても特に制限はないが、炭素数2〜20の脂肪族、脂環式および芳香族ジカルボン酸からなる群より選ばれる少なくとも1化合物が好ましい。
具体例としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、プラシル酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸のような脂肪族ジカルボン酸類と1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のような脂環式ジカルボン酸が挙げられる。
芳香族ジカルボン酸の具体例としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸などが挙げられる。
これらの中でも特に、アジピン酸、ドデカン二酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸が好ましい。
これらのジカルボン酸類は2種類以上の混合物でも使用することができる。
デカン−1,10−カルボンイミドと併用できるジカルボン酸の使用量の比率については、デカン−1,10−カルボンイミドの特徴を損なわない範囲内であれば何ら問題はないが50モル%以下が好ましい。より好ましくは30モル%以下、さらに好ましくは10モル%以下である。
総ジアミン化合物成分と、総ジカルボン酸化合物成分との使用量についも特に制限はないが、1:0.9〜1:1.1(モル比)が好ましい。
また、本発明では
(1)ジアミン化合物成分と
(2)デカン−1,10−カルボンイミド(13員環ジカルボン酸イミド)を含有するジカルボン酸化合物成分とを重合させることを特徴とするポリアミド樹脂に、さらに第3のポリアミド単位を共重合しても良い。このポリアミド単位としては、カプロラクタム等の炭素数6〜12のラクタム類から誘導されるポリアミド単位、6−アミノカプロン酸等の炭素数2〜12のアミノカルボン酸類から誘導されるポリアミド単位が挙げられる。
さらには、ジアミンとジカルボン酸から誘導されるポリアミド樹脂をブレンドすることも可能である。
炭素数6〜12のラクタム類の具体例としては、バレロラクタム、カプロラクタム、エナントラクタム、カプリルラクタム、ウンデカラクタム、ラウロラクタム等を挙げることができ、これらの中でも特にカプロラクタム、ラウロラクタムが好ましい。これらのラクタム類は2種類以上の混合物で使用することができる。
炭素数2〜12のアミノカルボン酸の具体例としては、6−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、8−アミノオクタン酸、9−アミノノナン酸、10−アミノデカン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸などを挙げることができ、これらの中で特に6−アミノカプロン酸や12−アミノドデカン酸が好ましい。これらのアミノ酸類は2種類以上の混合物で使用することができる。
デカン−1,10−カルボンイミドと併用できる上記ラクタム類の使用量については、デカン−1,10−カルボンイミドの特徴を損なわない範囲内であれば何ら問題はないが、デカン−1,10−カルボンイミドに対して、50モル%以下が好ましい。より好ましくは30モル%以下、さらに好ましくは10モル%以下である。
また、本発明のポリアミド樹脂とブレンドできるポリアミド樹脂としては、通常のジアミン化合物とジカルボン酸化合物とを重合させて得られるポリアミド樹脂が挙げられる。
ジアミン化合物の具体例としては、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノへキサン、2−メチル−1.5−ジアミノペンタン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、1.13−ジアミノトリデカン、1,14−ジアミノテトラデカン、1,15−ジアミノペンタデカン、1、16−ジアミノヘキサデカン、1,17−ジアミノヘプタデカン、1,18−ジアミノオクタデカン、1,19−ジアミノノナデカン、1,20−ジアミノエイコサンなどの脂肪族ジアミンや1.1−ジアミノシクロヘキサン、1.2−ジアミノシクロヘキサン、1.3−ジアミノシクロヘキサン、1.4−ジアミノシクロヘキサン、1,2−ジ(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ジ(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ジ(アミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−1−アミノメチルシクロヘキサン、1−アミノ−2−アミノメチルシクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチルシクロヘキサン、1−アミノ−4−アミノメチルシクロヘキサン、5−アミノ−1,3,3−トリメチルシクロヘキサンメチルアミン(イソホロンジアミン)ジ(2−アミノシクロヘキシル)メタン、ジ(3−アミノシクロヘキシル)メタン、ジ(4−アミノシクロヘキシル)メタン、(2−アミノシクロヘキシル)(3−アミノシクロヘキシル)メタン、(2−アミノシクロヘキシル)(4−アミノシクロヘキシル)メタン、3−アミノシクロヘキシル)(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ジ(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ジ(2−アミノシクロヘキシル)プロパン、2,2−ジ(3−アミノシクロヘキシル)プロパン、2,2−ジ(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、2,2−ジ(2−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)プロパン、2,2−ジ(3−アミノ−5−メチルシクロヘキシル)プロパン、2,2−ジ(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)プロパン、2,2−ジ(2−アミノシクロヘキシル)ブタン、2,2−ジ(3−アミノシクロヘキシル)ブタン、2,2−ジ(4−アミノシクロヘキシル)ブタンなどの脂環式ジアミンやメタキシレンジアミン、パラキシレンジアミンのような芳香族ジアミンなどが挙げられる。
これらのジアミン類は2種類以上の混合物で使用することができる。
ジカルボン酸化合物としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、プラシル酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸のような脂肪族ジカルボン酸類と1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のような脂環式ジカルボン酸やフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸が挙げられる。
これらの中でも特に、アジピン酸、ドデカン二酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸が好ましい。
これらのジカルボン酸類は2種類以上の混合物でも使用することができる。
(1)ジアミン化合物成分と
(2)デカン−1,10−カルボンイミド(13員環ジカルボン酸イミド)を含有するジカルボン酸化合物成分とを重合させる方法としては、公知の溶融重合法や水重合法などが用いられるが、好ましくは水重合法が簡便で適している。一例として100℃〜300℃の温度で加圧下に前重合し、得られたプレポリマーを150℃〜350℃の温度で固相重合させることによって得られる。
重合反応時にモノカルボン酸やモノアミン、ジカルボン酸、ジアミン類を単独もしくは併用添加して、[COOH]基や[NH2]基の末端基濃度をコントロールすることができる。
モノカルボン酸類としては、酢酸、プロピオン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の脂肪族モノカルボン酸や安息香酸等の芳香族モノカルボン酸が挙げられる。
ジカルボン酸類の具体例としては、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸やシクロヘキサンジカルボン酸のような脂環式ジカルボン酸やフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸が挙げられる。
モノアミン類の具体例としては、エチルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、ドデシルアミン、オクタデシルアミン等の脂肪族モノアミンやシクロヘキシルアミン、メチルシクロヘキシルアミン等の脂環式モノアミンやベンジルアミン等の芳香族モノアミンが挙げられる。
本発明で得られるポリアミド樹脂は、そのままの状態でポリアミド成形品やポリアミド繊維、電子部品の封止材として、あるいは、接着剤等として使用することができる。
以下、実施例及び比較例によって本発明を具体的に説明する。
なお、実施例および比較例に記した分析及び測定は次の方法に従って行った。
(1)融点
島津製作所製の示差走査熱量計;DSC−50を用いて、He雰囲気下、室温から250℃の温度範囲を10℃/minの昇温速度で測定した。
(2)相対粘度(ηr)
オストワルド粘度計を用いて0.01g/mLの98%硫酸溶液/25℃を測定した。
(3)カルボキシル末端基濃度
撹拌機と冷却器を備えた100mL梨型フラスコにサンプル0.1gを正秤し、この中にベンジルアルコール40mLを加えて、窒素雰囲気下で180℃に加熱して試料を溶解した。フェノールフタレインを指示薬として0.01N規定水酸化カリウム・エタノール溶液で滴定してカルボキシル基濃度を求めた。
(4)アミノ末端基濃度
100mLフラスコに試料:0.1g正秤し、この中にフェノール・メタノール混液(体積比=9:1)40mLを加えて室温下でスタラー撹拌、全溶解させた。
この溶液にチモールブルー指示薬を加えて0.01N塩酸規定液で中和滴定を行いアミノ末端基濃度を求めた。
実施例1
100mlオートクレイブ中にデカン−1,10−カルボンイミド(13員環ジカルボン酸イミド);5.3g(25mmol)とヘキサメチレンジアミン;2.9g(25mmol)及び脱気したイオン交換水;9.0gを仕込み、充分に窒素置換した後に240℃のオイルバス中に入れて前重合反応を6時間行った。この時の圧力は2.7MPaであった。
反応終了後、100mlオートクレイブを室温に冷却、放圧した後、前重合物を取り出して粉砕した。
この粉砕した前重合物、6.0gを撹拌機付きの100mlガラス製後重合装置に入れて充分に窒素置換した。その後、約50ml/minの流速で窒素を流通させながら270℃のオイルバス中に入れて撹拌下(20 rpm)で2時間反応を行い、その後さらに窒素を停止して真空ポンプで1〜2torrまで減圧して後重合反応を2時間行った。反応終了後は窒素を通気しながら室温まで冷却して重合物を得た。
得られた重合物を分析した結果、融点=218℃、ηr=2.6でカルボキシル末端基濃度が3.4×10−5eq/g、アミノ末端基濃度が0.2×10−5eq/gの白色ポリマーであった。
実施例2
100mlオートクレイブ中にデカン−1,10−カルボンイミド(13員環ジカルボン酸イミド);5.3g(25mmol)とメタキシリレンジアミン;3.4g(25mmol)及び脱気したイオン交換水;9.0gを仕込み実施例1と全く同様な重合条件で前重合と後重合を行った。
得られた重合物を分析した結果、融点=184℃、ηr=2.7でカルボキシル末端基濃度が1.0×10−5eq/g、アミノ末端基濃度が0.2×10−5eq/gの白色ポリマーであった。
参考例1
100mlオートクレイブ中にドデカン二酸;6.5g(33mmol)とヘキサメチレンジアミン;3.9g(33mmol)を仕込み実施例1と全く同様な重合条件で前重合と後重合を行った。
得られた重合物を分析した結果、融点=217℃、ηr=2.6でカルボキシル末端基濃度が3.3×10−5eq/g、アミノ末端基濃度が0.3×10−5eq/gの白色ポリマーであった。
このように、本発明のデカン−1,10−カルボンイミドを使用しても従来と同等のポリアミド樹脂を得ることができる。

Claims (7)

  1. (1)ジアミン化合物成分と
    (2)デカン−1,10−カルボンイミド(13員環ジカルボン酸イミド)を含有するジカルボン酸化合物成分とを重合させることを特徴とするポリアミド樹脂の製造方法。
  2. (1)ジアミン化合物と
    (2)デカン−1,10−カルボンイミド(13員環ジカルボン酸イミド)の使用量が、
    1:09〜1:1.1(モル比)である請求項1に記載のポリアミド樹脂の製造方法。
  3. (2)ジカルボン酸化合物成分中のデカン−1,10−カルボンイミドの使用割合が50モル%以上である請求項1または2に記載のポリアミド樹脂の製造方法。
  4. (2)ジカルボン酸化合物成分の他の成分が、脂肪族、脂環式および芳香族ジカルボン酸
    からなる群より選ばれる少なくとも1化合物である請求項3に記載のポリアミド樹脂の製造方法。
  5. (2)ジカルボン酸化合物の他の成分が、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、プラシル酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、1、2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1、2−1,3−フェニレン二酢酸、1,3−フェニレン二酢酸、1、2−−シクロヘキサン二酢酸、1,3−シクロヘキサン二酢酸、イソフタル酸、テレフタル酸からなる群から選ばれる少なくとも1化合物である請求項4に記載のポリアミド樹脂の製造方法。
  6. (1)ジアミン化合物が脂肪族、脂環式または芳香族ジアミンからなる群より選ばれる少なくとも1化合物である請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法により得られたポリアミド樹脂。
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