JP2006248802A - 複合酸化物粉末の製法および複合酸化物粉末、並びに複合酸化物セラミックス - Google Patents

複合酸化物粉末の製法および複合酸化物粉末、並びに複合酸化物セラミックス Download PDF

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Abstract

【課題】微粒のセラミック粉末であっても高い分散性を有するセラミックスラリの調製方法およびそのようなセラミックスラリを用いて成形体となし、該成形体を焼成することにより得られるセラミックスの製法を提供する。
【解決手段】2種以上の金属化合物粉末と分散剤と溶媒とを湿式混合し、加熱して得られる複合酸化物粉末の製法であって、前記分散剤が官能基を個数比率で表したときに、親水性官能基の割合が60%以上であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、複合酸化物粉末の製法および複合酸化物粉末、並びに複合酸化物セラミックスに関し、特に、積層セラミックコンデンサや積層型圧電素子のような積層セラミック電子部品の製造に使用される微細な複合酸化物粉末の製法、並びに、その複合酸化物粉末を用いて成形体を形成し、該成形体を焼成することにより得られる複合酸化物セラミックスに関する。
近年、セラミック電子部品の代表例である積層セラミックコンデンサは、小型化および大容量化の進展に伴い、誘電体層の薄層化がより要求されており、そのため誘電体層を構成する原料粉末の微粒化が図られている。
この場合、誘電体層用の微粉末原料としては、従来より、主としてチタン酸バリウム粉末が用いられているが、そのような微粉末原料は、近年改良された、水熱合成法、シュウ酸塩法、アルコキシド法または噴霧熱分解法などの製法によって調製されているが、一方、量産性があり安価に作れるという利点から、以前より実施されている固相法についても改良がなされ優れた微粉末原料が提供されている(例えば、特許文献1)。
また、下記の特許文献2には、平均粒径0.5〜1.4μmのBaCO粉末と、平均粒径0.5〜1.1μmのTiO粉末とを、アニオン性の有機系分散剤とともに混合する、BaTiO系半導体磁器組成物の製造方法が記載されている。この特許文献2によれば、混合時にアニオン性の有機系分散剤を添加することにより、各々微粒のBaCO粉末、及びTiO粉末を、それらの凝集を回避しながら均一に分散できるという効果が発揮されるとある。
特開2004−149349号公報 特開平7−118062号公報
しかしながら、上記した従来の製法では、平均粒子径が1μm以下、特に100nm以下の微粒なセラミック粉末を均一に分散させ、均質で微粒な合成粉末を得ることは困難である。つまり、粒子径の微細化にともない、比表面積が増大するため、混合時に粗原料粉末とともに添加される分散剤量が増し、これにより仮焼時に炭素成分が残存することの影響による反応性の低下や、合成した粉末の結晶性の低下ならびに粒成長が起こるためである。
従って本発明は、固相法においても高純度、高結晶性の複合酸化物の微粉末原料を得ることのできる製法およびそのような複合酸化物粉末を用いて成形体となし、該成形体を焼成することにより得られる複合酸化物セラミックスを提供することを目的とする。
本発明の複合酸化物粉末の製法は、(1)2種以上の金属化合物粉末と分散剤と溶媒とを湿式混合し、加熱して得られる複合酸化物粉末の製法であって、前記分散剤が官能基を個数比率で表したときに、親水性官能基の割合が60%以上であることを特徴とする。
本発明によればまた、(2)分散剤の分子量が6000以下であり、金属化合物粉末のうち最小の平均粒子径を示す金属化合物粉末の平均粒子径をD、分散剤の分子長をLとしたときに、L/D=0.4〜0.8の関係であること、(3)金属化合物粉末が、炭酸塩化合物粉末と酸化物粉末であり、かつ前記炭酸塩化合物粉末の平均粒子径が400nm以下、前記酸化物粉末の平均粒子径が150nm以下であること、そして、(4)上記の複合酸化物粉末の製法により得られ、平均粒子径が100nm以下、X線回折ピーク強度比により求まる全結晶相に対する主結晶相の割合が95%以上であることを特徴とするものであり、(5)このような複合酸化物粉末を用いて成形体を形成し、該成形体を焼成して得られ、焼結体中の結晶粒子の平均粒子径が前記複合酸化物粉末の平均粒子径の1.3倍以下、相対密度が93%以上、密度ばらつき(標準偏差/密度の平均値)が0.8%以下であることを特徴とする。
本発明によれば、金属化合物粉末とともに添加する分散剤の親水性官能基比率を60%以上と多くすることにより、例えば、水酸基を有する金属化合物粉末の表面に分散剤が吸着しやくなり、微粉末の原料であっても分散性を高めることができる。このため固相法においても微粒な高純度、高結晶性の複合酸化物原料を得ることができる。
特に、分散剤の分子量が6000以下であり、金属化合物粉末のうち最小の平均粒子径を示すものの平均粒子径をD、分散剤の分子長をLとしたときに、L/D=0.4〜0.8の関係を満足する金属化合物粉末と分散剤とを用いることで、隣接する2種以上の金属成分を有する金属化合物粉末間に容易に分散剤を侵入させることが可能となり、しかも分散剤が金属化合物粉末の平均粒径よりも短いものであれば、金属化合物粉末間に介在した分散剤による立体的障害効果を抑制する効果がさらに高まり分散作用をさらに高めることができる。
このような分散性に効果のある金属化合物粉末としては、炭酸塩化合物粉末と酸化物粉末が好適であり、かつ前記炭酸塩化合物粉末の平均粒子径が400nm以下、前記酸化物粉末の平均粒子径が150nm以下であることが好ましい。
本発明の複合酸化物粉末の製法について、チタン酸バリウム粉末の製法について詳細に説明する。
(製法)
本発明の複合酸化物粉末の製法は、2種以上の金属化合物粉末と分散剤とを湿式混合し、加熱する工程を具備することを特徴とするものである。
本発明にかかる2種以上の金属化合物粉末は、例えば、炭酸塩化合物粉末および酸化物粉末を挙げることができる。
炭酸塩化合物粉末の平均粒子径は400nm以下、一方、酸化物粉末の平均粒子径は150nm以下であることが、より微粒な複合酸化物粉末を得るという理由から望ましい。特に、平均粒子径の小さい方の酸化物粉末の大きさを120nm以下とすることでより微粒な複合酸化物粉末を得ることができる。こうして得られる複合酸化物粉末により、高密度で、密度ばらつきの小さい焼結体を得ることができる。
本発明ではまた、分散剤が親水性官能基および疎水性官能基を有する場合においても、親水性官能基の比率が60%以上であることが重要であり、特に、分散剤が官能基として疎水性官能基を含まず、親水性官能基のみで形成されたものが好ましい。
さらに本発明によれば、分散剤の分子量が6000以下、特に、粉末との結合力を発揮するために3000以上が好ましく、また、本発明にかかる分散剤は直鎖状であることが金属化合物粉末間に侵入しやすいという理由から好ましい。
つまり、用いる金属化合物粉末の粒子径が小さくなると粒子間に介在する分散剤の大きさによっては金属化合物粉末どうしが離されることになり金属化合物粉末どうしの接着する面積が低下する。これに対して、分散剤が金属化合物粉末間の三重点の隙間に入る程度の大きさであると三重点以外の粒子どうしの接触する領域が多くなり分散性とともに粉末どうしの反応性を高めることができる。
分散剤を上記のように金属化合物粉末間に存在させるためには、金属化合物粉末のうち最小の平均粒子径を示すものの平均粒子径をD、分散剤の分子長をLとしたときに、L/D比を0.4〜0.8の関係を有すること望ましく、金属化合物粉末の平均粒子径と分散剤の分子長との関係をこのように規定することにより、通常、分散性が困難であり、分散剤の吸着が困難とされる、より小さい粒径の粉末の方の分散性をさらに高めることが可能となり、大きさの異なる金属化合物粉末を用いた場合であっても分散性を向上できる。
一方、親水性官能基の比率が60%よりも少ない場合、つまり疎水性官能基の比率が40%より多い場合には金属化合物粉末同士への分散剤の吸着力が低下し、金属化合物粉末どうしの分散性が低下する。つまり、上記のような微粒の複合酸化物粉末を用いることにより、微粉末であっても成形体中の複合酸化物粉末の充填率を高めることができ、焼成後には高密度かつ比重ばらつき少ない複合酸化物セラミックスを得ることができる。
なお、本発明でいう直鎖状とは、高分子がほぼ直線状に並んだものをいい、多少のジグザク状も含まれる意である。また、分散剤の分子量(重量平均分子量)はGPC(ゲルパーミュエーションクロマトグラフィ)によって求めることができる。
分散剤の分子長とは、例えば、直鎖状の高分子の端部間の最長の間隔をいい、この場合、例えばジグザクした高分子の状態そのままの引き伸ばさない自然な状態の間隔である。分散剤のこのような分子長Lは多角度光散乱検出器(MALS)を用いて測定できる。
炭酸塩化合物としては、金属元素としてバリウム、ストロンチウム、カルシウムおよびマグネシウムなどのアルカリ土類金属元素が対象となる。なお、これらの元素どうしを複合化することもできる。
酸化物粉末としては各種の遷移金属元素が対象であるが、前記炭酸塩化合物粉末との間で、強誘電性、圧電性、集電性といった高機能性のセラミック粉末を形成できるという点で、チタニウム、ジルコニウムなどが好適であり、これらの2元素も複合化して用いることもできる。
分散剤は、上記したように、親水性官能基および疎水性官能基を具備するとともに、疎水性官能基の比率が40%より少ないものとして、アニオン性または両性有機高分子化合物が好ましく、例えば、ポリカルボン酸アンモニウム、ポリカルボン酸ナトリウム、ポリカルボン酸スルホン酸ナトリウム、ポリカルボン酸4級アンモニウム塩、スチレンマレイン酸エステルポリマー塩などの群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
本発明では、用いる分散剤において、全官能基数あたりの親水性官能基の比率を60%以上、疎水性官能基数の比率を40%より少ないものとする。
このことで、炭酸塩化合物と酸化物との表面にそれぞれ存在する水酸基と、分散剤の親水性官能基との結合点が多くなり、微粉末であっても金属化合物粉末への分散剤の吸着性が増すのである。特に本発明では、用いる金属化合物粉末の大きさに応じて分子長の小さい分散剤を用いることで、分散剤自体による立体障害が抑制され、このことにより混合分散性を上げることができるのである。
図1は、本発明にかかる分散剤の化学構造式の例である。(a)はポリカルボン酸アンモニウム、(b)はスチレンマレイン酸エステルコポリマー塩である。(a)のポリカルボン酸アンモニウムの場合、アンモニウム基が結合した官能基のみであり、これは親水性官能基100%である。(b)のスチレンマレイン酸エステルコポリマー塩の場合、アンモニウム基が結合した官能基が親水性官能基であり、一方、フェニル基の部分が疎水性官能基である。この場合、親水性官能基比率は66%、疎水性官能基比率は33%である。(b)のスチレンマレイン酸エステルコポリマー塩の場合に、アンモニウム基をアルキル基に置換することで疎水性官能基比率を高めることができる。
また、本発明の製法において用いる溶媒としては、トルエンやアルコールなどの有機溶剤やその混合溶媒、あるいは水などを用いることができるが、金属化合物粉末がイオン性的な分散性を示すという理由から水が好ましい。
なお本発明においては溶媒のpH調整剤としてアンモニアを用いることが好ましい。アンモニア成分は水への溶解度が高く、かつ焼成後に金属元素が残存しないものであり結晶粒子の特性への影響が少ない点で好ましく、この場合、溶媒のpHとしては、粉末に結合した分散剤の結合力を維持し分散性を高めるという理由から5〜10の範囲が好ましい。
また、スラリ調製における混合においては、炭酸塩化合物粉末および酸化物粉末の固形分比率を10〜30質量%とすること、粘度は8〜120mPa・sが望ましい。
湿式混合はビーズミルを用いて行う。ビーズミルとは粉砕用ボールが充填された容器中にスラリを通過させて粉砕を行う装置である。ビーズ径は分散性を高めるという理由からより小さい方が好ましく、用いる金属化合物粉末の平均粒径に対して10000倍以内であることがより細かい粉砕ができるという点でより好ましい。
ボールの材質は、用いる金属化合物の金属元素と同じものが好ましいが、得られる複合酸化物の機能性を損なわないという点でジルコニアボールが好ましい。その純度は99.99質量%以上であることが好ましい。
スラリの分散性の評価は粘度測定により求めることができ、その粘度はBrookfield社製回転粘度計を用いて測定する。
次に湿式粉砕したスラリを乾燥する。乾燥は大気中または窒素中あるいは減圧中のいずれでもよいが、高価な設備を要することなく製造価格を安価にできるという点で大気中で乾燥されるのがより好ましい。
乾燥された粉末は、次に、仮焼が行われる。仮焼温度としては、得られる粉末について粒成長を抑制するという点で、1000℃以下が好ましく、反応性を高めるという点で、500℃以上が好ましい。
(複合酸化物粉末)
そして、上記の複合酸化物粉末の製法によって得られる複合酸化物粉末は、平均粒子径が100nm以下、X線回折ピーク強度比により求まる全結晶相に対する主結晶相(例えば、BaTiO化合物)の割合が95%以上であることを特徴とするものである。これに対して、平均粒子径が100nm以上、X線回折ピーク強度比により求まる全結晶相に対する主結晶相の割合が95%より低い場合には、本発明の目的とする薄層化した誘電体層に好適に用いることはできない。なお、本発明における複合酸化物粉末の平均粒子径は撮影した電子顕微鏡写真に対角線を引き、線上に存在する粉末について個々に最大径を測定して求める。
(複合酸化物セラミックス)
次に、このような複合酸化物粉末を用いて成形体を形成し、該成形体を焼成して本発明の複合酸化物セラミックスを得る。具体的には、上記した本発明にかかる複合酸化物を用いてセラミックスラリを調製し、例えば、ドクターブレード法によりシート状の成形体を形成するか、もしくは粉末をプレス成形して成形体を得る。この場合の厚みは積層セラミックコンデンサとして高容量化という点で1μm以下、一方、シート内のピンホールの発生を抑制し高い絶縁性を維持するという点で0.1μm以上が好ましい。
次に、得られたグリーンシートもしくはプレス成形体を焼成してセラミック焼結体を形成する。この場合、焼成温度は、用いる複合酸化物が示す融点の0.8倍以下が粒成長を抑制するという理由から好ましく、一方、得られるセラミック焼結体の機械的強度や絶縁性を高く維持するという点で、相対密度は主成分の理論密度を基準として95%以上が好ましい。
また、こうして得られる本発明にかかる複合酸化物セラミックスを構成する結晶粒子の平均粒子径は前記複合酸化物粉末の平均粒子径の1.3倍以下、相対密度が93%以上、密度ばらつき(標準偏差/密度の平均値)が0.8%以下であることが重要であり、特に、この平均粒子径は、誘電体層の薄層化および高絶縁性という点で130nm以下であることが好ましい。
なお、こうした複合酸化物粉末を有するセラミックグリーンシートの一方表面に導体パターンを形成し、このシートを積層したものを焼成(同時焼成)すると、セラミック層と導体層とが積層されたものが得られ、薄層化したセラミック層が多層に積層された積層セラミックコンデンサを得ることができる。
本発明を明らかにした実施例について説明する。
金属化合物粉末として以下の炭酸化合物粉末および酸化物粉末を用いた。炭酸塩化合物粉末は、炭酸バリウム(平均粒子径(D50)250nm)、炭酸カルシウム(平均粒子径(D50)110nm)、炭酸ストロンチウム(平均粒子径(D50)200nm)であり、一方、酸化物粉末として酸化チタン(平均粒子径(D50)30nm)および酸化ジルコニウム(平均粒子径(D50)90nm)を用いた。炭酸塩化合物粉末と酸化物粉末との混合比はモル比で1:1とした。表1に示すように、複数の炭酸塩化合物粉末を混合する場合、Ba化合物1モルに対して0.05モル置換した組成とした。また、複数の酸化物粉末ではTi化合物1モル中に0.1モル置換させた。分散剤のスチレンマレイン酸エステルコポリマー塩については、分子中の1カ所のアルキル基をアンモニウム基のついた官能基と置換して親水性官能基の比率を変化させた。
上記金属化合物粉末に対して表1に示す分散剤を溶媒とともに添加した。分散剤の種類、分子量(重量平均分子量)、分子長Lおよび分子形状を、それぞれ表1に示した。分散剤の分子量はGPCにより求めた。また、分散剤の分子長Lは多角度光散乱検出器(MALS)を用いて測定した。
溶媒としてはイオン交換水を用い、アンモニア水溶液を添加してpH調整を行った。
次に、上記金属化合物粉末、分散剤および溶媒を所定量混合した後、ビーズミルを用いて行った。ビーズミルに用いたメディアボールは平均粒径50μmのジルコニアボール(純度99.99質量%)である。スラリの分散性の評価は粘度測定により求めた。
次に、混合したスラリを、温度120に設定した乾燥機において噴霧乾燥した。次に、乾燥粉末を空気中800℃、2時間の仮焼を行い複合酸化物粉末を得た。次に、得られた複合酸化物粉末を直径20mm、厚み2mmのペレット状に成形し、これを空気中1100℃、2時間焼成し複合酸化物セラミックスである試料を得た。
得られた複合酸化物粉末については、平均粒径(D50)は電子顕微鏡(SEM)径より求めた。また、X線回折を用いて、そのピーク強度比により全結晶相に対する主結晶相の割合を求めた。また、複合酸化物セラミックスについてはアルキメデス法により密度とそのばらつきを測定し、作製した複合酸化物の主構成鉱物の格子定数と分子量から求めた真密度に対する相対密度を求めた。表1、2に結果を示した。
Figure 2006248802
Figure 2006248802
表1、2の結果から明らかなように、分散剤が官能基を個数比率で表したときに、親水性官能基の割合が60%以上である場合に、乾燥後の複合酸化物粉末の平均粒子径が100nm以下、主結晶相の割合が95.5%以上であった。また、このような特性の複合酸化物粉末を用いて得られた焼結体における結晶粒子の平均粒子径は130nm以下で、いずれも用いた複合酸化物粉末の平均粒子径の1.3倍以下であった。また、相対密度は93%以上、密度ばらつきは0.8%以下であった。
分散剤が疎水性官能基を含まず、親水性官能基のみであり、かつ、その分子量が6000以下であり、金属化合物粉末のうち最小の平均粒子径を示すものの平均粒子径をD、分散剤の分子長をLとしたときに、L/D=0.4〜0.8の関係としたものでは、乾燥後の複合酸化物粉末の平均粒子径が92nm以下、複合酸化物粉末の主結晶相の割合が96%以上、また、このような特性の複合酸化物粉末を用いて得られた焼結体における結晶粒子の平均粒子径は105nm以下、相対密度は95%以上、密度ばらつきは0.6%以下であった。
さらには、金属化合物粉末が、炭酸塩化合物粉末と酸化物粉末であり、かつ前記炭酸塩化合物粉末の平均粒子径が400nm以下、前記酸化物粉末の平均粒子径が150nm以下である場合には、乾燥後の複合酸化物粉末の平均粒子径が89nm以下、その粉末の主結晶相の割合が96%以上、また、このような特性の複合酸化物粉末を用いて得られた焼結体における結晶粒子の平均粒子径は99nm以下、相対密度は95%以上、密度ばらつきは0.5%以下であった。
これに対して、分散剤中の親水性官能基の割合が33%より少ない場合には、スラリ粘度が高くなり、平均粒子径が210nmと大きくかつ主結晶相の割合が92.8%と低く、また、このような特性の複合酸化物粉末を用いて得られた焼結体における結晶粒子の平均粒子径は250nm、相対密度は91%、密度ばらつきは1.1%であった。
本発明にかかる分散剤の化学構造式の例である。

Claims (5)

  1. 2種以上の金属化合物粉末と分散剤と溶媒とを湿式混合し、加熱して得られる複合酸化物粉末の製法であって、前記分散剤が官能基を個数比率で表したときに、親水性官能基の割合が60%以上であることを特徴とする複合酸化物粉末の製法。
  2. 分散剤の分子量が6000以下であり、金属化合物粉末のうち最小の平均粒子径を示す金属化合物粉末の平均粒子径をD、分散剤の分子長をLとしたときに、L/D=0.4〜0.8の関係である請求項1に記載の複合酸化物粉末の製法。
  3. 金属化合物粉末が、炭酸塩化合物粉末と酸化物粉末であり、かつ前記炭酸塩化合物粉末の平均粒子径が400nm以下、前記酸化物粉末の平均粒子径が150nm以下である請求項1または2に記載の複合酸化物粉末の製法。
  4. 請求項1乃至3のうちいずれか記載の複合酸化物粉末の製法により得られ、平均粒子径が100nm以下、X線回折ピーク強度比により求まる全結晶相に対する主結晶相の割合が95%以上であることを特徴とする複合酸化物粉末。
  5. 請求項4記載の複合酸化物粉末を用いて成形体を形成し、該成形体を焼成して得られ、焼結体中の結晶粒子の平均粒子径が前記複合酸化物粉末の平均粒子径の1.3倍以下、相対密度が93%以上、密度ばらつきが0.8%以下であることを特徴とする複合酸化物セラミックス。
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