JP2006248650A - 給紙装置及びこれを備えた画像形成装置 - Google Patents

給紙装置及びこれを備えた画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 給紙トレイから記録シートを搬出する際に生じる衝撃性騒音を低減させるようにした、簡素な構成で廉価な給紙装置及びこれを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】 給紙トレイに収容された記録シート54をフィード部64により圧接領域に搬入して1枚づつ分離して送り出す際に、給紙トレイから引き出された記録シート54の後端が、給紙トレイに収容された記録シート54の最上面を通過し切ったときに、記録シート54の後端部が急速に移動する動作がされるよう設定された搬送路が設定された給紙装置であって、積み重ねた状態の記録シート54が搬送方向へと倒れてくることを防止する高さに形成された高所部分46Hと、記録シート54後端が給紙トレイに収容された記録シート54の最上面を通過し切って急速に移動する際に到達する限界位置よりも離れた高さに形成された低所部分46Lを設ける。
【選択図】図4

Description

この発明は、給紙トレイに収容された複数の記録シートを、1枚づつさばきながら供給する給紙装置と、この給紙装置を備えた画像形成装置に関する。
一般に、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置、印刷機等の画像形成装置は、画像形成部に対して記録シート(用紙)を一枚ずつ自動給紙することにより連続的に画像形成を行うために、装置本体の内部に給紙装置を装備しているのが普通である。
従来の画像形成装置には、画像形成装置本体の下部に給紙装置を配置し、画像形成装置本体の上部に画像形成部を配置し、装置本体下部の給紙装置から上部の画像形成部に至る搬送路を設けたものがある。このような画像形成装置では、記録シート(用紙)を一枚ずつさばきながら搬送路上に搬出して画像形成部に供給する。
この画像形成装置に装備された給紙装置では、画像形成装置本体に対して給紙トレイを引き出し可能に装着し、画像形成装置本体から、給紙トレイを引き出し、給紙トレイの用紙搬出方向前端に立設された位置決め用前壁に記録シートである用紙の束の搬送方向前端を当接させて位置決めした状態で、多数枚重ねられて束にされた記録シートを収納し、再び給紙トレイを画像形成装置本体内にセットして使用状態とする。
このような給紙装置では、画像形成装置本体内部にセットされた給紙トレイの底面に装着された用紙載置プレートで多数枚重ねて収容されている記録シートである用紙における給紙側部分の下面を持ち上げた状態にして、装置本体側に設けた給紙コロが転接するようにセットする。
そして、この給紙装置では、給紙コロを回転駆動することにより、最上部の記録シートを給紙トレイの用紙搬出方向前端側から搬送路の下部入り口に配置した搬送ローラ対へ向けて送り出す。
この搬送路上には、給紙トレイの用紙搬出方向前端の位置決め用前壁と、搬送ローラ対との間に、斜めに傾斜したガイド上面が形成されたガイド部材を配置して、給紙コロにより送り出されてきた最上部の記録シートの先端がガイド上面に摺接して案内され、搬送ローラ対の圧接領域であるニップ部に挟み込まれるようにする。
この搬送ローラ対で引き出された記録シートは、レジスト導入マイラーにより縦方向に立ち上がるように湾曲する状態にガイドされてレジストローラ対にニップされる。
このように搬送路上に引き出された記録シートは、レジストローラ対を回転駆動させることによって搬送され、記録シートの後端が給紙トレイ側から外れて落下する際に、急角度に湾曲した記録シートの後端部が記録シートの弾性復帰力と引力の作用で、ガイド部材のガイド上面に衝突することになる。
この記録シートは、その後端がガイド部材のガイド上面に衝突するときに瞬発的に衝突音を発生させる。この衝突音は、聴感上で非常に耳障りな衝撃的成分の音であり、1枚の記録用紙が搬送される度に発生するため、この衝突音の低減あるいは発生防止が強く求められている。
そこで、従来の給紙装置では、用紙を曲線状に案内するガイド面の給紙カセット側の端部を、給紙カセットの用紙排出口の壁面の高さと一致させた状態に構成する。これにより、用紙の後端の跳ねが防止され搬送ガイドとの当接による音の発生が無くすようにする。また、用紙排出口の開口下端面には、ゴムなどのクッション部材を貼着し、給紙カセットから取出される用紙の後端が当接したとき、その衝撃緩和と消音が行われるようにすることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、上述のように、用紙を曲線状に案内するガイド面の給紙カセット側の端部を給紙カセットにおける用紙排出口の壁面の高さと一致させるように構成した場合でも、給紙カセットに積み重ねられた最上部の用紙の搬送方向先端から搬出される用紙の後端部が外れて給紙カセットの用紙排出口の壁面に衝突したときに、衝突音が発生する。このとき用紙の後端から発生する衝突音は、用紙排出口の壁面にゴムなどのクッション部材を配置しても、用紙の質量が小さいため、十分に消音することが困難である。
特開平5−32341
本発明は、上述の点に鑑み、給紙トレイから記録シートを搬出する際に生じる衝撃性騒音を低減させるようにした、簡素な構成で廉価な給紙装置及びこれを備えた画像形成装置を新たに提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の給紙装置は、記録シートを収容する給紙トレイと、給紙トレイに収容された記録シートを圧接領域に搬入することにより1枚づつ分離して送り出すフィード部と、給紙トレイから引き出された記録シートの後端が、給紙トレイに収容された記録シートの最上面を通過し切った際に、記録シートの後端部が急速に移動する動作がされるよう設定された搬送路と、を有する給紙装置において、給紙トレイの搬送方向上流側にある積載部壁における、フィード部の圧接領域に搬送方向の位置が一致するよう対応する部分に、積み重ねた状態の記録シートが搬送方向へと倒れてくることを防止する高さに形成された、高所部分と、給紙トレイの搬送方向上流側にある積載部壁における、高所部分が形成された以外の部分に、記録シート後端が給紙トレイに収容された記録シートの最上面を通過し切って急速に移動する際に到達する限界位置よりも離れた高さに形成された、低所部分と、を有することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の給紙装置において、高所部分が、積載部壁の、搬送方向に直交する方向で中央部に形成され、高所部分の両脇に低所部分が形成されていることを特徴とする。
前述のように構成することにより、給紙トレイにおける積載部壁に設けた低所部分には、記録シート後端が当接することは無いから、積載部壁に記録シート後端が衝突することにより音が発生することを防止できる。さらに、給紙トレイ上に積載された記録シート最上面から記録シートの後端が離れてから後に、記録シートの後端が積載部壁の低所部分に当接することがないから、記録シートの後端が積載部壁を通過し切った瞬間に、記録シートの後両端部が下方に急速に移動するよう降下するため加速される際に音が発生することを防止でき、騒音の大幅な低減に貢献できる。また、積載部壁に低所部分と高所部分とを設ける構成は、破損の危険のある柔軟性のある部材や突起状の部分を付加するものではないし、他に特別の部材を追加するものでもないし、複雑な加工をする必要もなく、簡素な構成で廉価に製造でき、しかも頑健に構成して、騒音の発生を抑えることができる。
本発明の請求項3に記載の給紙装置は、記録シートを収容する給紙トレイと、給紙トレイに収容された記録シートを圧接領域に搬入することにより1枚づつ分離して送り出すフィード部と、給紙トレイから引き出された記録シートの後端が、給紙トレイに収容された記録シートの最上面を通過し切った際に、記録シートの後端部が急速に移動する動作がされるよう設定された搬送路と、を有する給紙装置において、フィード部に記録シートが搬入された際に、記録シート後端の搬送方向に直交する方向の両端部が上方へ付勢されるように、フィード部を構成したことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の給紙装置において、フィード部を、フィードローラにリタードローラを転接させて構成し、リタードローラの回転軸におけるリタードローラの両端からそれぞれ回転軸方向に所定距離はなれた位置に、リタードローラより所定量大径の円板状に形成したガイド部材を一体的に配置して構成したことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の給紙装置において、フィード部を、フィードローラにリタードローラを転接させて構成し、少なくともリタードローラの回転軸方向両端部を、末広がりの円錐台形状に形成したことを特徴とする。
前述のように構成することにより、記録シートをニップしているリタードローラの両側近傍において、記録シートの下側から上向きの力が与えられ、記録シートの搬送方向に直交する方向の両端部の姿勢を上向きに制御する。よって、記録シートは、その非ニップ部において下がろうとする力が相殺され、記録シート後端の姿勢を水平、あるいはそれより上を向く角度に保つことができる。
請求項6に記載の発明は、請求項3に記載の給紙装置において、フィード部を、フィードローラにリタードローラを転接させて構成し、フィードローラの硬度をリタードローラの硬度よりも高くすると共に、リタードローラを弾性に富んだ材料で、フィードローラよりも大径で回転軸方向に長い形状に構成したことを特徴とする。
上述のように構成することにより、フィードローラがリタードローラに押し付けられた状態で転動する際、リタードローラの外周面におけるフィードローラが圧接された部分が弾性変形して窪み、リタードローラにおけるフィードローラが圧接されていない外周面部分との間に滑らかな高さの違いを生じる。これにより、記録シートが、フィードローラとリタードローラとにニップされると、ニップ部の中央が凹み外周が斜状に上がる形状の窪みに沿うように変形されて、記録シートの後端の両端部及び中央部が上向きとされる力を受ける。これにより、記録シートの非ニップ部において下がろうとする力を相殺し、記録シート後端の姿勢を水平、あるいはそれより上の角度に保つことができる。さらに、記録シート後端の中央部も上向きとされる力を受けるので、記録シートの後端全体を、高く上を向かせるようにさせることができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の給紙装置において、搬送路が、フィード部から送り出された記録シートを急角度に湾曲した状態で搬送するよう構成されていることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載された給紙装置を具備する画像形成装置であることを特徴とする。
本発明の給紙装置及びこれを備えた画像形成装置では、給紙トレイから記録シートを搬出する際に、記録シートの後端がものに当たって生じる衝撃性騒音を、簡素な構成でなくすことができるので、給紙装置を廉価に製造でき、この給紙装置を備えた画像形成装置を廉価に提供できるという効果がある。
本発明の第1実施の形態に係わる、給紙装置を備えた画像形成装置について、図1乃至図9により説明する。図1の斜視図及び図2の概略構成図に示すように、この画像形成装置(デジタル複写機)本体10は、プリンタ12の上方に、イメージスキャナ14を配置し、その上部に自動原稿搬送装置16を配置して構成する。なお、本明細書において、記録シートは、紙および紙状の薄い柔軟媒体をも意味し、OHPシート、封筒なども含むものとする。また、給紙装置は、このような記録シートを供給するもの全般を含むものとする。
このイメージスキャナ14には、その上面に原稿を載置するためのプラテンガラス18(図2に図示)が設置してある。
また、自動原稿搬送装置16には、複写しようとする単数又は複数の原稿22を重ねて載置する原稿給紙トレイ24を設置する。この自動原稿搬送装置16は、原稿給紙トレイ24上に載置された原稿22を、順次プラテンガラス18上の複写位置を通過して原稿排紙トレイ26上に排出されるように自動搬送してイメージスキャン動作を行えるように構成する。この自動原稿搬送装置16は、プラテンガラス18の上部を開放できるように、図示しないヒンジで開閉可能に装着する。
また、プリンタ12の上部には、上方に配置されたイメージスキャナ14との間に、用紙排出トレイ20を設置する。
イメージスキャナ14には、ユーザが複写開始等を入力操作するためのユーザインタフェース及び原稿画像を読み取るための露光光学系28を設置する。この露光光学系28で読み取った原稿画像の出力信号は、図示しない制御部においてデジタル画像データに変換して一時的に記憶しておき、所定のタイミングで潜像形成用の画像データとして、プリンタ12の内部に配置されたROS(潜像形成装置)30に出力される。
この処理系としてのプリンタ12の内部には、装置本体下部に配置された給紙装置から記録シート(用紙)を1枚づつ引き出して、転写部を通し、さらに定着部を通して、用紙排出トレイ20へ排出するための、搬送路が構成されている。
なお、ここで処理系とは、複写機若しくはプリンタなどの画像形成装置又はそれらと類似した搬送経路で用紙を扱う印刷装置なども含むものとする。また、この画像形成装置本体10においては、給紙装置の後に続く処理系が、レジストレーション部から排紙部に至る部分に対応する。
プリンタ12内部に配置される転写部には、回転駆動される感光体ドラム32を装着する。感光体ドラム32は、その表面が帯電ローラ34により一様に帯電された後、前述したROS30から照射されるレーザビーム36により露光走査されて静電潜像が形成される。
このようにして感光体ドラム32上に形成された静電潜像は、感光体ドラム32と共に回転して、現像ローラ38の位置に至って現像ローラ38により静電潜像がトナー像に現像され、さらに回転して転写ローラ40の位置に至る。
なお、転写が完了すると、感光体ドラム32は、図示しない除電器によって除電されると共に、クリーナによって、表面に残留する廃トナーが除去される。
この転写ローラ40は、転写領域において感光体ドラム32に圧接された状態で転写バイアスが印加されているので、この転写ローラ40によって、感光体ドラム32上のトナー像が、搬送路上を搬送されてきた記録シート(記録用紙)に転写される。
このようにしてトナー像が転写された記録シートは、トナー像が未定着の状態でさらに搬送路上を搬送されて定着部(定着領域)に至り、一対の定着ローラ42に挟まれた状態でトナー像が定着される。
定着トナー像が形成された記録シートは、さらに搬送路上を搬送されて、排紙口44から用紙排出トレイ20上に排出されストックされる。
上述のように構成された画像形成装置(デジタル複写機)本体10に設ける給紙装置は、給紙トレイ(積載部)46と、給紙トレイに収容された記録シート束(用紙スタック)より記録シートを1枚づつ送り出す記録シート送出手段(フィード機構)とを有する。
この給紙トレイ46には、図1及び図2に示すように、多数枚重ねられて束にされた記録シートを収容する箱状に構成された用紙収容ケース部分を有する。この用紙収容ケース部分には、給紙トレイの用紙搬出方向前端に位置決め用前壁(積載部壁)46Aを立設し、記録シートである用紙の束の搬送方向前端を当接させて位置決めした状態で多数枚重ねられて束にされた記録シートを収納する。
この給紙トレイ46は、画像形成装置本体10の前面に形成された給紙トレイ挿入口から、画像形成装置本体10内部のトレイ収容空間内に、引き出しのように出し入れ可能に装着する。
図2に示すように、画像形成装置本体10のトレイ収容空間には、給紙トレイ挿入口から給紙トレイ46を挿入又は抜き出し操作するために、給紙トレイ46を移動可能に支持するためのレール48を設置する。さらに、給紙トレイ46の左右両側部には被ガイドレール50を設置し、この被ガイドレール50がレール48上を移動可能となるよう装着する。
この給紙トレイ46の用紙を収容するケース状部分の底部には、用紙載置プレート52を装着し、この用紙載置プレート52の上面に記録シート54(図3、図4に図示)を積載するよう構成する。この用紙載置プレート52は、回転軸56(図2に図示)を中心に回動可能に構成し、図示しないモータによって回動操作して、給紙時に用紙載置プレート52を持ち上げることにより、記録シート54の上面位置をピックアップローラ(ナジャーロール)58に当接させる位置に保持するよう構成する。
すなわち、この用紙載置プレート52は、不使用の時に、ピックアップローラ58が記録シート54上面から離れるように降下した水平位置に保持され、給紙時に図示しない揺動機構により回転軸56を中心にピックアップローラ58が記録シート54上面に接触する図4に示した位置に移動するよう構成する。
この給紙トレイ46の給紙側上部位置には、記録シート送出手段としてのピックアップローラ58を配置すると共に、給紙トレイ46の上部左側(搬送方向下流側)に、フィードローラ60と、これに転接するよう設置されたリタードローラ62とからなるフィード部である分離搬送ローラ64を配置する。
これら、ピックアップローラ58及び分離搬送ローラ64は、それぞれ記録シート54の横幅よりも短く構成する。これによりピックアップローラ58及び分離搬送ローラ64では、記録シート54と接触する面積を小さくし、単位面積当たりの圧力を大きくして、記録シート54を確実にピックアップし、分離し、搬送することができる。さらに、これら、ピックアップローラ58及び分離搬送ローラ64は、搬送路における記録シート54の搬送方向に直交する方向(幅方向)における中央近傍に配置し、記録シート54が斜めに送られるスキューを生じることを軽減するとともに、種々のサイズの記録シート54を搬送可能とする。
このピックアップローラ58は、給紙トレイ46上に載置された記録シート54の束である用紙スタックを下方に押圧するとともに回転駆動されることによって、用紙スタックの最上部にある記録シート54を押し出す。
この押し出し動作は、印刷の度に繰り返されるので、記録シート54同士の摩擦によって用紙スタックが徐々に記録シート54の搬送方向へと倒れてくるが、この倒れを給紙トレイ46の積載部壁46Aによって防止している。押し出されてきた記録シート54は、フィード部としての分離搬送ローラ64の圧接領域であるニップ位置に搬出される。
なお、この際、記録シート54が下向きにカールしていると、記録シート54の先端が分離搬送ローラ64のニップ位置に到達できず紙詰まりや折れの原因となるため、ガイド部材70によって用紙の先端を案内する。
また、給紙トレイ46に載置した記録シート54の数が減少して用紙スタックの上面が低下してくると、用紙載置プレート52が上昇し、用紙スタック上面の高さを一定に保つ。
このような給紙装置に用いる記録シート送出手段におけるフィード部としては、例えば、リタードロール方式、すなわち、分離搬送ローラ64は、トルクリミッタを介してフィードローラ60と逆方向に回転駆動され、フィードローラ60との圧接領域に記録シート54が存在しない場合あるいは記録シート54が1枚存在する場合はフィードローラ60に従動され、圧接領域に記録シート54が複数枚搬送された場合はフィードローラ60と逆方向に回転して重送された記録シート54をさばく逆回転型のリタードローラを用いた手段、又はリタードパッド方式、すなわち、分離搬送ローラ64を構成するリタード部材として、フィードローラ60に圧接されその表面の摩擦力により重送された用紙をさばくリタードパッドを用いた手段、さらに、フィードローラ60に圧接して従動されかつ回転軸に設けられた負荷抵抗により重送された用紙をさばく従動ローラ型のリタードローラを用いた手段、等の様々な種類のリタード手段を用いても良い。
これらピックアップローラ58と、フィードローラ60、リタードローラ62とは、記録シート54の横幅方向(用紙搬送方向と交わる方向)の長さ以上に構成して記録シート54の横幅方向全域で記録シート54と接するようにしてもよいし、記録シート54横幅方向の長さより短く構成して、記録用紙の横幅方向の一部分で記録シート54と転接するように構成しても良い。
このピックアップローラ58と分離搬送ローラ64との間には、記録シート54の先端を分離搬送ローラ64の圧接領域であるニップ部に案内するための2つの給紙ガイド部材66、68を配置する。
これら給紙ガイド部材66、68は、それぞれ例えば、厚さ4mmのプラスチック板(金属板で構成しても良い)で形成する。なお、給紙ガイド部材66、68は、紙、ゴム、プラスチック、金属などの任意の材料で構成することが可能であるが、様々な種類の記録シート54を分離搬送ローラ64の圧接領域に安定して導くために、十分な機械的強度と曲げ剛性を有するプラスチック、金属等の材料で構成することが望ましい。
給紙ガイド部材66、68は、記録シート54の搬送方向(記録用紙搬送方向)と交差する方向に対し2分割して、リタードローラ62を挟みこむ状態で配置する。給紙トレイ46を引き出す方向手前側の給紙ガイド部材66は、給紙トレイ46の前壁と一体に形成する。すなわち、一方の給紙ガイド部材66は、ピックアップローラ58及び分離搬送ローラ64よりも、給紙トレイ46を外部へ引き出す側に配置するもので、給紙トレイ46の一側部に一体的に形成する。
また、給紙トレイ46を引き出す方向奥側の給紙ガイド部材68は、独立して構成する。すなわち、他方の給紙ガイド部材68は、ピックアップローラ58及び分離搬送ローラ64よりも、給紙トレイ46を外部へ引き出す方向と反対側に配置するもので、図示しない画像形成装置本体10内の固定部材に固着して配置する。
このように構成することにより、給紙トレイ46を脱着する操作時に給紙ガイド部材68がリタードローラ62と干渉するなどの支障を生じることなく、給紙ガイド部材66、68が記録シート54の先端をより安定して分離搬送ローラ64のニップ領域に案内することが可能になる。
記録シート送出手段のフィード部を構成する分離搬送ローラ64におけるリタードローラ62は、図示しないスプリングによってフィードローラ60に押圧されて転接する。このリタードローラ62には、図示しないモータおよびトルクリミッタが取り付けられて、フィードローラ60と逆方向に駆動力が作用するよう構成する。このように構成することによりリタードローラ62は、フィードローラ60が回転した際、あらかじめ設定されたトルクリミッタの設定値以上の回転力(トルク)が加わったときにフィードローラ60の回転に連れ回りする。
よって、フィードローラ60とリタードローラ62との間に記録シート54が存在しない場合又は記録シート54が1枚存在する場合には、リタードローラ62がフィードローラ60の回転時に連れ回りして、1枚の記録シート54を搬出可能とする。
また、記録シート54が複数枚引き出されて搬送されフィードローラ60とリタードローラ62との間に2枚以上存在する場合は、各記録シート54間の摩擦抵抗が小さいため、リタードローラ62に加わる回転力が小さくなり、リタードローラ62がフィードローラ60と逆方向に回転して、記録シート54の重送を抑制するよう構成する。
この画像形成装置本体10では、図2に示すように、記録シート54の搬送路における、分離搬送ローラ64から記録シート搬送方向下流側にかけて、縦方向に立ち上がるように急角度に湾曲した湾曲用紙搬送路(シート搬送路)を構成するガイド部材70を配置する。
このガイド部材70から記録シート搬送方向下流側にかけての部分には、記録シート54(画像転写用紙)を転写ローラ40に搬入するための用紙搬送ローラ(テイクアウェイローラ)72とレジローラ(姿勢制御等を行うレジストレーション部)74とが配置されている。
この画像形成装置本体10に設けられた給紙装置では、記録シート送出手段としてのピックアップローラ58により取り出された記録シート54が、フィードローラ60及びリタードローラ62の圧接領域に作用する強い圧接力およびリタードローラ62の逆搬送力により1枚ずつ分離されて送り出される。送り出された記録シート54は、ガイド部材70を通過し、テイクアウェイローラ72によって搬送される。そして、テイクアウェイローラ72によりレジローラ74に搬入された記録シート54は、レジローラ74により所定のタイミングで、感光体ドラム32と転写ローラ40とにニップされた転写領域に搬送される。
次に、本第1実施の形態に係わる画像形成装置に設ける給紙装置において、給紙装置から搬送路へ搬出する際に、記録シート54の後端部がものに当たって生じる衝突音等を軽減するための構成について、図4乃至図7により説明する。
この給紙装置における給紙トレイ46では、記録シート54が多少波打ちを持っていたりカールしていた場合にも送り出せるようにし、また、記録シート積載高さ(用紙積載高さ)が多少変動しても送り出せるように、積載された記録シート54の高さより積載された記録シート54の倒れを防止する壁である積載部壁46Aの方を低くする必要があるものであって、より具体的には、標準的な記録シート積載高さよりも、積載された記録シート54の倒れを防止する積載部壁46A上端の方が1〜5mm低くなるように構成することが前提とされている。
この給紙トレイ46に設ける積載部壁46Aは、記録シート54が意図せず積載部から出てしまうことを防止するための壁であり、四方を用紙の積載高さで取り囲むように構成しても良いし、給紙装置以外の部分がこの機能を果たせる場合には、一部だけに配設するように構成しても良い。なお、積載部壁46Aは、その高さが記録シート54の積載高さに満たなくても良いことが前提とされている。
この給紙トレイ46では、給紙トレイ46における搬送方向下流側に当たる積載部壁46Aにおけるフィード部である分離搬送ローラ64に搬送方向の位置が一致するように対応する部分(圧接領域であるニップ部分)のみを用紙スタック上面(積み重ねられた記録シートの束の上面)とほぼ同じ高さに形成し、積載部壁46Aにおけるその他の部分に搬送方向の位置が一致するように対応する部分を、記録シート54の後端が用紙スタック上面から外れて降下するよう急速に移動した際に到達する下限界位置よりも下げるように構成して、記録シート54の後端が積載部壁46Aに衝突して発生する衝突音の発生を防止する。
すなわち、積載部壁46Aには、フィード部である分離搬送ローラ64の圧接領域であるニップ部分に対応して高さを用紙スタックとほぼ同じ高さにする高所部分46Hと、その他の圧接領域以外の部分に対応して構成した低所部分46Lとを設ける。
この積載部壁46Aにおける高所部分46Hは、給紙トレイ46から記録シート54を引き出す動作を繰り返す際に、記録シート54同士の摩擦によって用紙スタックが徐々に記録シート54の搬送方向へと倒れてくることを防止するためのものであるので、その高さを用紙スタックと同じ高さ、又はそれより所定量低い高さに設定する。
この積載部壁46Aにおける高所部分46Hは、搬送方向(用紙進行方向)から見て、フィード部である分離搬送ローラ64を構成するフィードローラ60又はリタードローラ62が記録シート54と接する範囲と、左右位置が一致するように対応する範囲(搬送方向の位置が一致するように対応する範囲)であることが望ましい。
ただし、フィードローラ60及びリタードローラ62の対が複数存在し、かつそれらが近接している場合には、これらフィードローラ60及びリタードローラ62間に挟まれた範囲内において、記録シート54後端がそれぞれのローラによって両側から持ち上げられるため、ほとんど下降しないことから、この両者間の範囲を高所部分46Hとすることが望ましい。
また、積載部壁46Aの低所部分46Lは、その上端位置を記録シート54後端が降下するよう急速に移動したときに到達する限界位置よりも下げることが望ましい。この低所部分46Lの上端位置の高さの目安は、例えば図4に示すように、分離搬送ローラ64によるニップ直後において記録シート54が引っ張られる方向をXとして、Xに平行で分離搬送ローラ64のニップの位置Nを通る直線Lより積載部壁46Aの上端が下になることである。
上述のように高所部分46Hと、低所部分46Lとを構成した積載部壁46Aでは、記録シート54が完全にテイクアウェイローラ72又はレジローラ74による引っ張り方向に倣ったとしても積載部壁46Aに衝突することを防止できる。
また、図6に示すように、積載部壁46Aに高所部分46Hと低所部分46Lとを形成すると、高所部分46Hと、低所部分46Lとの境界において、階段状に高さが不連続に変化する形状となるが、記録シート54後端部分の各部の到達位置は、高所部分46Hの端部から離れるに従って連続的に下がっていくのが実情である。よって、積載部壁46Aは、高所部分46Hの端部から低所部分46Lの終端部にかけて連続的に高さが変化するよう、斜状に形成しても良い。
本第1実施の形態に係わる給紙装置では、分離搬送ローラ64を搬送方向に直交する方向(奥行き方向)中央に配置しているので、この搬送路上の搬送方向に直交する方向における中央部の対応部を高所部分46Hに設定し、この高所部分46H部分の高さを、用紙スタック最上面とほぼ同じ高さに形成する。
さらに、上述した搬送路上の搬送方向に直交する方向における中央部を除く両側の対応部(手前と奥の部分)を低所部分46Lに設定し、この低所部分46L部分の高さを、所定の低い高さに形成する。
その低所部分46Lの高さは、例えばレジローラ74による記録シート54の引っ張り方向が水平方向に対して約45°とすると、ガイド部材70により記録シート54の引っ張り方向が湾曲されていることを加味して、分離搬送ローラ64におけるニップ部Nの下方45°の直線Lよりも低所部分46Lの上面位置が低くなるように構成する。
このように構成すことにより、搬送方向に直交する方向の両側にある低所部分46Lでは、低所部分46Lに記録シート54の幅方向両端部が当接することは無いから、積載部壁46Aの上端に記録シート54後端が衝突することにより、記録シート54が加振されて音が発生することを防止できる。
さらに、この給紙装置では、給紙トレイ46の用紙スタック最上面から記録シート54の後端が離れてから後に、記録シート54の後端が積載部壁46Aの低所部分46Lに当接することがない。よつて、記録シート54の後端が積載部壁46Aを通過し切った瞬間に、記録シート54の後両端部が下方に急速に移動するよう降下するため加速される際に音が発生することを防止でき、騒音の大幅な低減に貢献できる。
また、積載部壁46Aに低所部分46Lと高所部分46Hとを設ける構成は、破損の危険のある柔軟性のある部材や突起状の部分を付加するものではないし、他に特別の部材を追加するものでもないし、複雑な加工をする必要もなく、簡素な構成で廉価に製造でき、しかも頑健に構成して、騒音の発生を抑えることができる。
次に、積載部壁46Aにおける低所部分46Lの低くした壁の高さに関する具体例について説明する。
この画像形成装置などにおける典型的な場合では、積載部壁46Aに形成する、高所部分46Hを構成する範囲をフィード機構が用紙に接する部分の近傍とし、それ範囲以外の範囲を低所部分46Lを構成する範囲とする。
この画像形成装置などにおける典型的な場合では、最も一般的な記録シート54である用紙(60gsm)を45°上方に引っ張った場合に、用紙後端が、最大で用紙と分離搬送ローラ64等で構成するフィード機構(フィード部)が接している部分における高さの5mm下に到達することから、少なくともフィード機構が用紙と接する高さよりも5mm程度下に低所部分46Lの上端がくるように構成する。
より望ましくは、低所部分46Lの高さが0mm(壁が無い状態)もしくは、可能な限り下げる。このフィード機構が搬送方向に直交する方向における中央に位置している場合には、積載部壁46Aにおける高所部分46Hに当たる壁を高くした範囲が、搬送方向に直交する方向における中央にとなり、それより左右の範囲に設定した低所部分46Lで壁が低くなるよう形成するため、積載部壁46Aが略「凸」の字状となる。
なお、フィード機構が搬送路に直交する方向における一方の端部に隣接して配置されている場合には、片側に配置された高所部分46Hとその反対側に配置された低所部分46Lとで積載部壁46Aが形成されるので、積載部壁46Aが段状に形成される。
この積載部壁46Aにおける低所部分46Lでは、用紙後端が積載部壁46Aに当接することによって生じる騒音を防止し、高所部分46Hでは用紙後端が高所部分46Hに当接しないことを利用して積載部壁46A本来の機能である給紙トレイ46内における用紙位置矯正機能を確保することができる。
なお、上述した積載部壁46Aにおける低所部分46Lの低くした壁の高さに関する具体例の記載において、フィード機構が用紙に接する部分は、例えばフィード機構が搬送方向に直交する方向(奥行き方向)に短い幅しか持たないロール対で構成されていた場合に、用紙はそのロールの幅にしか接しないので、そこがフィード機構が用紙に接する部分となる。
また同様に、荷重の集中や斜行防止の観点から、フィード機構は奥行き方向の一部だけで用紙に接するように配設される場合には、フィード機構が用紙に接する部分とは、奥行き方向におけるその部分を指すものとする。
さらに、フィード機構が用紙に接する部分の近傍とは、前述のような、給紙装置の種類において要求される一般的な壁の高さを確保した場合でも、用紙の後端が壁に当接しない程度の近傍範囲のことであり、より具体的には、以下のようである。
用紙後端の姿勢は、フィード部による拘束で持ち上げられている姿勢から、後続の処理系によって拘束され用紙進行方向と逆方向に対して下向きになる姿勢へとなだらかに変化するが、画像形成装置などにおける典型的な場合として用紙を45°上方に引っ張った場合には、用紙後端が、用紙とフィード部が接している高さの1mm下に到達する。左右位置は、最も一般的な用紙(60gsm)において、用紙とフィード部が接している左右方向範囲の端より30mmほど外側になるため(実測による)、これ以内の範囲であれば用紙は壁に当接しない。
したがってフィード機構が用紙搬送のために用紙と接する範囲の左端と右端よりも左右30mm程度広い範囲を近傍と考えればよい。より望ましくは、用紙走行方向から見て、フィード機構が用紙搬送のために用紙と接する範囲の左端と右端が、それぞれ積載部壁の用紙方向の壁の高さを高くする部分の左端と右端に対応することが望ましい。
次に、上述のように構成した給紙装置の構成で、給紙トレイ46の積載部壁46Aに記録シート54の後端が衝突する際に衝突音が生じることを説明するための比較例について、図8及び図9により説明する。
この比較例の構成では、給紙トレイ46が、記録シート54が多少波打ちを持っていたりカールしていた場合にも送り出せるようにし、また、記録シート積載高さ(用紙積載高さ)が多少変動しても送り出せるように、積載された記録シート54の高さより積載された記録シート54の倒れを防止する壁である積載部壁46Aの直線的に形成された上端辺の方を、標準的な記録シート積載高さよりも、1〜5mm低くなるように構成したものである。
この比較例の構成では、画像形成装置の設置面積を軽減するために、装置下部に給紙トレイ46を配置し、記録シート54を給紙トレイから引き出す際に、略水平方向から垂直方向あるいはそれ以上の急激な曲げを伴う方向へ向けられた搬送経路上を送り出されることが前提となっている。
このため、記録シート54は、搬送路が急角度で湾曲するために走行中に曲げ力を受けることになるが、記録シート54の腰の強さのために元の姿勢に戻ろうとする力が発生する。記録シート54後端が搬送経路にある不連続部分を通過する際に、記録シート54がこの曲げ力から解放され急激に元の姿勢に戻ろうとすると、記録シート54後端が瞬間的に加速されて音が発生する。
詳細には、第1に、給紙装置で記録シート54を搬出する際、給紙トレイ46上に載置された用紙スタックの最上面を記録シート54の後端が通過し切った瞬間に、下方に加速される際に音が発生する(記録シート54後端が急速に加速されて振動が起こり発する音であり、例えば、本のページを指で繰る際に出るパラパラという音と同じである)。
第2に、図9に示すように、給紙トレイ46の直線的に形成された積載部壁46A上端に記録シート54後端が衝突し、記録シート54が加振されて発生する音、(記録シート54後端が加速された勢いで搬送経路を構成する積載部壁46Aに衝突し発生する音で、例えば、紙の表面や端を叩いて出る音と同じである)。
第3に、記録シート54の後端が、積載部壁46Aを通過し切った瞬間に、これから外れて降下するときに加速されて発生する音(記録シート54後端が急速に加速されて振動が起こり発する音であり、例えば、本のページを指で繰る際に出るパラパラという音と同じである)。
第4に、記録シート54後端が積載部壁46Aから外れて降下するときに加速された勢いで、後の搬送経路に続くガイド部材に記録シート54後端が衝突し、記録シート54が加振されて発生する音(記録シート54後端が加速された勢いで搬送経路を構成するガイド部材に衝突し発生する音で、例えば、紙の表面や端を叩いて出る音と同じである)。
なお、上述のようにして記録シート54後端から発生する音は、記録シート54の幅方向(奥行き方向)全体にわたって発生するのではなく、記録シート54におけるフィードローラ60とリタードローラ62とでニップされている圧接領域の部分では発生しない。これは、レジローラ74からの引っ張りの影響が分離搬送ローラ64部分で断絶される結果、記録シート54後端の姿勢が分離搬送ローラ64のニップ部の接線方向に倣うためである。また、記録シート54後端の分離搬送ローラ64のニップ部である圧接領域の範囲から外れた部分では、ニップ部から離れるほど、ニップによる拘束が弱まり、レジローラ74からの引っ張りの影響を受けて記録シート54後端が下に向く姿勢となるので、ニップ部によって拘束されない記録シート54の後端部分だけで、音が発生している。
ここで、前述した本第1実施の形態に係わる、給紙装置を備えた画像形成装置では、第2の給紙トレイ46の直線的に形成された積載部壁46A上端に記録シート54後端が衝突し、記録シート54が加振されて発生する音と、第3の記録シート54の後端が、積載部壁46Aを通過し切った瞬間に、これから外れて降下するときに加速されて発生する音とを削減して、騒音の発生を抑えることができる。
次に、本発明の第2実施の形態に係わる、給紙装置を備えた画像形成装置について、図10乃至図12により説明する。
本発明の第2実施の形態に係わる、給紙装置では、記録シート54が分離搬送ローラ64のニップ部により拘束されている部分(以下ニップ部分と称する)において、記録シート54後端姿勢がほぼ水平となるため、騒音を発生させる原因にはなっていないことに着目し、記録シート54における分離搬送ローラ64のニップ部により拘束されていない部分(以下非ニップ部分と称する)においても、記録シート54が同様の姿勢になるよう、記録シート54後端に上向きの力を加える手段を設けて騒音の発生を抑えるよう構成する。
なお、搬送路上で、記録シート54の姿勢制御のために記録シート54を拘束する部分を増やすことや、記録シート54の用紙幅全体にわたって記録シート54に接触する類の機構を設けることは、荷重の集中や斜行の抑制の観点から望ましくないので、記録シート54後端に上向きの力を加える仕組みをフィードローラ60及びリタードローラ62付近に集中させて構成する。
この記録シート後端に上向きの力を加える手段における第1の構成例では、図10(A)に示すように、リタードローラ62の回転軸65に、リタードローラ62の両端からそれぞれ回転軸方向に所定距離はなれた位置に、リタードローラ62より所定量大径のディスク(円板)状に形成したガイド部材63を一体的に配置して構成する。
また、この記録シート後端に上向きの力を加える手段における第1の構成例では、図10(B)に示すように、分離搬送ローラ64を構成するフィードローラ60Aを、その両端部が先窄まりの円錐台形状に形成する。これと共に、リタードローラ62Aは、その両端部を末広がりの円錐台形状に形成する。また、先窄まりの円錐台形状部分と末広がりの円錐台形状部分とは、それぞれ線で転接するように構成する。
このように構成した図10(A)に示す第1の構成例では、記録シート54を分離搬送ローラ64がニップしている両側近傍において、それぞれ大径のガイド部材63が記録シート54の下側から上向きの力を与えるよう転接することにより、記録シート54の搬送方向に直交する方向の両端部の姿勢を上向きに制御する。
また、図10(B)に示す第1の構成例では、記録シート54をニップする分離搬送ローラ64の両端部で、分離搬送ローラ64の両端部が先窄まりの円錐台形状部分と、リタードローラ62A両端部の末広がりの円錐台形状部分にニップされた記録シート54が下側から上向きの力を与えられることにより、記録シート54の搬送方向に直交する方向の両端部の姿勢を上向きに制御する。
前述のようにして、記録シート54では、その非ニップ部において下がろうとする力が相殺され、記録シート54後端の姿勢を水平、あるいはそれより上を向く角度に保つことができる。
次に、記録シート後端に上向きの力を加える手段における第2の構成例では、図11(A)及び(B)に示すように、フィードローラ60の硬度を、リタードローラ62Bの硬度よりも高くすると共に、リタードローラ62Bを弾性に富んだ材料で、フィードローラ60よりも大径で回転軸方向に長い形状に構成する。
このように構成することにより、フィードローラ60がリタードローラ62Bに所定の圧力で押し付けられた状態で転動する際、リタードローラ62Bの外周面におけるフィードローラ60が圧接された部分が弾性変形して窪み、リタードローラ62Bにおけるフィードローラ60が圧接されていない外周面部分との間に滑らかな高さの違いを生じるようにする。
これにより、記録シート54が、フィードローラ60とリタードローラ62Bとにニップされると、ニップ部の中央が凹み外周が斜状に上がる形状の窪みに沿うように変形されて、記録シート54の後端の両端部及び中央部が上向きとされる力を受ける。これにより、記録シート54の非ニップ部において下がろうとする力を相殺し、記録シート54後端の姿勢を水平、あるいはそれより上の角度に保つことができる。
また、この図11(A)及び(B)に示す第2の構成例では、記録シート54後端の中央部も上向きとされる力を受けるので、記録シート54の後端全体を、高く上を向かせるようにさせることができる。
次に、記録シート後端に上向きの力を加える手段における第3の構成例では、図12に示すように、フィードローラ60よりも、リタードローラ62Cを、その回転軸方向に所定長さ長く形成する。さらに、このリタードローラ62Cは、フィードローラ60と転接する範囲から外れた両端部を、末広がりの円錐台形状に形成する。
そして、この図12に示す第3の構成例では、記録シート54が、フィードローラ60とリタードローラ62Cとにニップされると、ニップ部両側においてリタードローラ62C両端の末広がりの円錐台形状部分に転接してガイドされ、記録シート54の後端の両端部が上向きとされる力を受ける。これにより、記録シート54の非ニップ部において下がろうとする力を相殺し、記録シート54後端の姿勢を水平、あるいはそれより上の角度に保つことができる。
よって、これら図10乃至図12に例示するように構成した記録シート後端に上向きの力を加える手段を用いれば、前述した第1の、給紙装置で記録シート54を搬出する際、給紙トレイ46上に載置された用紙スタックの最上面を記録シート54の後端が通過し切った瞬間に、下方に加速される際に発生する音、第2の、図9に示すように、給紙トレイ46の直線的に形成された積載部壁46A上端に記録シート54後端が衝突し、記録シート54が加振されて発生する音、第3の、記録シート54の後端が、積載部壁46Aを通過し切った瞬間に、これから外れて降下するときに加速されて発生する音、第4の、記録シート54後端が積載部壁46Aから外れて降下するときに加速された勢いで、後の搬送経路に続くガイド部材に記録シート54後端が衝突し、記録シート54が加振されて発生する音の全てを無くすことができる。
また、図10乃至図12に例示するように構成した記録シート後端に上向きの力を加える手段を用いた給紙装置では、給紙トレイ46着脱操作の際に接触の可能性がある部位に柔軟性のある部材や突起状の部材を配置することによる破損の危険性もなく、簡素な構成であるので、廉価に製造でき、しかも頑健に構成して、給紙装置で記録シート54を搬出する際に記録シート54の後端で発生する騒音を抑止することができる。
なお、本第2実施の形態における以上説明した以外の構成、作用、及び効果は前述した第1実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
また、本発明は前述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、その他種々の構成を取り得ることは勿論である。
本発明の第1実施の形態に係わる、給紙装置を備えた画像形成装置を示す全体斜視図である。 本発明の第1実施の形態に係わる、給紙装置を備えた画像形成装置の内部の構成を示す概略構成図である。 本発明の第1実施の形態に係わる、給紙装置の要部を取り出して示す斜視図である。 本発明の第1実施の形態に係わる、給紙装置における給紙トレイの積載部壁における低所部分に対応する要部を取り出して示す要部拡大断面図である。 本発明の第1実施の形態に係わる、給紙装置における給紙トレイの積載部壁における高所部分に対応する要部を取り出して示す要部拡大断面図である。 本発明の第1実施の形態に係わる、給紙装置における記録シートを引き出す状態の、給紙トレイの積載部壁近くの要部を取り出して示す要部拡大概略斜視図である。 本発明の第1実施の形態に係わる、給紙装置における給紙トレイの積載部壁部分を示す要部拡大正面図である。 比較例としての給紙装置における、給紙トレイの積載部壁部分を示す要部拡大正面図である。 比較例としての給紙装置における記録シートを引き出す状態の、給紙トレイの積載部壁近くの要部を取り出して示す要部拡大概略斜視図である。 (A)(B)は、それぞれ、本発明の第2実施の形態に係わる、記録シート後端に上向きの力を加える手段における第1の構成例を示す、要部の正面図である。 (A)は、本発明の第2実施の形態に係わる、記録シート後端に上向きの力を加える手段における第2の構成例を示す、要部の正面図であり、(B)は、その要部の斜視図である。 本発明の第2実施の形態に係わる、記録シート後端に上向きの力を加える手段における第3の構成例を示す、要部の正面図である。
符号の説明
10 画像形成装置本体
46 給紙トレイ
46A 積載部壁
46H 高所部分
46L 低所部分
52 用紙載置プレート
54 記録シート
58 ピックアップローラ
60 フィードローラ
60A フィードローラ
62 リタードローラ
62A リタードローラ
62B リタードローラ
62C リタードローラ
63 ガイド部材
64 分離搬送ローラ
65 回転軸
70 ガイド部材
72 テイクアウェイローラ
74 レジローラ

Claims (8)

  1. 記録シートを収容する給紙トレイと、
    前記給紙トレイに収容された前記記録シートを圧接領域に搬入することにより1枚づつ分離して送り出すフィード部と、
    前記給紙トレイから引き出された前記記録シートの後端が、前記給紙トレイに収容された前記記録シートの最上面を通過し切った際に、前記記録シートの後端部が急速に移動する動作がされるよう設定された搬送路と、を有する給紙装置において、
    前記給紙トレイの搬送方向上流側にある積載部壁における、前記フィード部の圧接領域に搬送方向の位置が一致するよう対応する部分に、積み重ねた状態の前記記録シートが搬送方向へと倒れてくることを防止する高さに形成された、高所部分と、
    前記給紙トレイの搬送方向上流側にある積載部壁における、前記高所部分が形成された以外の部分に、前記記録シート後端が前記給紙トレイに収容された前記記録シートの最上面を通過し切って急速に移動する際に到達する限界位置よりも離れた高さに形成された、低所部分と、
    を有することを特徴とする給紙装置。
  2. 前記高所部分が、前記積載部壁の、搬送方向に直交する方向で中央部に形成され、前記高所部分の両脇に前記低所部分が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の給紙装置。
  3. 記録シートを収容する給紙トレイと、
    前記給紙トレイに収容された前記記録シートを圧接領域に搬入することにより1枚づつ分離して送り出すフィード部と、
    前記給紙トレイから引き出された前記記録シートの後端が、前記給紙トレイに収容された前記記録シートの最上面を通過し切った際に、前記記録シートの後端部が急速に移動する動作がされるよう設定された搬送路と、を有する給紙装置において、
    前記フィード部に前記記録シートが搬入された際に、前記記録シート後端の搬送方向に直交する方向の両端部が上方へ付勢されるように、前記フィード部を構成したことを特徴とする給紙装置。
  4. 前記フィード部を、フィードローラにリタードローラを転接させて構成し、前記リタードローラの回転軸における前記リタードローラの両端からそれぞれ回転軸方向に所定距離はなれた位置に、前記リタードローラより所定量大径の円板状に形成したガイド部材を一体的に配置して構成したことを特徴とする請求項3に記載の給紙装置。
  5. 前記フィード部を、フィードローラにリタードローラを転接させて構成し、少なくとも前記リタードローラの回転軸方向両端部を、末広がりの円錐台形状に形成したことを特徴とする請求項3に記載の給紙装置。
  6. 前記フィード部を、フィードローラにリタードローラを転接させて構成し、前記フィードローラの硬度を前記リタードローラの硬度よりも高くすると共に、前記リタードローラを弾性に富んだ材料で、前記フィードローラよりも大径で回転軸方向に長い形状に構成したことを特徴とする請求項3に記載の給紙装置。
  7. 前記搬送路が、前記フィード部から送り出された前記記録シートを急角度に湾曲した状態で搬送するよう構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の給紙装置。
  8. 請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載された給紙装置を具備することを特徴とする画像形成装置。
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