JP2006248473A - ブレーキ操作装置および車両用ブレーキ装置 - Google Patents
ブレーキ操作装置および車両用ブレーキ装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2006248473A JP2006248473A JP2005071028A JP2005071028A JP2006248473A JP 2006248473 A JP2006248473 A JP 2006248473A JP 2005071028 A JP2005071028 A JP 2005071028A JP 2005071028 A JP2005071028 A JP 2005071028A JP 2006248473 A JP2006248473 A JP 2006248473A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- brake
- stroke
- simulator
- brake operation
- force
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Braking Elements And Transmission Devices (AREA)
- Regulating Braking Force (AREA)
Abstract
【課題】ブレーキペダルが踏み込み操作される場合と戻される場合とで、ストロークと反力との関係を変更可能とする。
【解決手段】マスタシリンダとストロークシミュレータとの間のシミュレータ通路にシミュレータ制御弁が設けられ、シミュレータ制御弁の制御により、シミュレータ通路の流路面積が制御される。ブレーキペダルが踏み込まれる場合には流路面積が小さくされ、戻される場合には大きくされる。それによって、ブレーキペダルを戻す場合にストロークの減少に対する反力の減少量が過大になることを回避し、運転者の操作フィーリングを向上させることができる。また、電気制御ブレーキ装置において、ブレーキ作動力がストロークとマスタシリンダ圧とに基づいて制御される場合に、ストロークに対するマスタシリンダ圧の減少勾配を小さくすることにより、運転者による減速度の制御性を向上させることができる。
【選択図】図5
【解決手段】マスタシリンダとストロークシミュレータとの間のシミュレータ通路にシミュレータ制御弁が設けられ、シミュレータ制御弁の制御により、シミュレータ通路の流路面積が制御される。ブレーキペダルが踏み込まれる場合には流路面積が小さくされ、戻される場合には大きくされる。それによって、ブレーキペダルを戻す場合にストロークの減少に対する反力の減少量が過大になることを回避し、運転者の操作フィーリングを向上させることができる。また、電気制御ブレーキ装置において、ブレーキ作動力がストロークとマスタシリンダ圧とに基づいて制御される場合に、ストロークに対するマスタシリンダ圧の減少勾配を小さくすることにより、運転者による減速度の制御性を向上させることができる。
【選択図】図5
Description
本発明は、ストロークシミュレータを備えたブレーキ操作装置およびそのブレーキ操作装置を備えた車両用ブレーキ装置に関するものである。
特許文献1には、ストロークシミュレータとマスタシリンダとを接続する液通路に設けられた電磁開閉弁をデューティ制御する場合に、ブレーキ操作部材の操作速度が大きい場合は小さい場合よりデューティ比{開時間/(開時間+閉時間)}を小さくすることが記載されている。また、特許文献2、3には、ブレーキ操作部材の操作ストロークに応じて流路面積を制御することが記載されており、そのうちの、特許文献2には、操作ストロークが大きい場合は小さい場合より流路面積を小さくすることが記載されている。さらに、特許文献4には、マスタシリンダとストロークシミュレータとの間の液通路に設けられたリニア弁の開弁圧を制御することが記載されている。
特開平11−341604号
特開平11−20672号
特開2001−301591号
特開2001−213305号
本発明の課題は、ブレーキ操作装置において、上記特許文献1〜4に記載の態様とは別の態様で、ストロークと反力との関係を制御可能とすることである。
請求項1に記載のブレーキ操作装置は、(a)運転者によって操作されるブレーキ操作部材と、(b)そのブレーキ操作部材のストロークの変化に応じて作動液が流出・流入させられるストロークシミュレータと、(c)そのストロークシミュレータにおける作動液の流出入の状態を制御するシミュレータ制御弁装置と、(d)そのシミュレータ制御弁装置を制御することにより、前記ブレーキ操作部材がストロークが減少する向きに操作される場合に、ストロークが増加する向きに操作される場合より、前記ブレーキ操作部材の同じ操作速度に対して、前記ストロークシミュレータにおける作動液の流出・流入が行われ易くするシミュレータ制御装置とを含むものとされる。
本項に記載のブレーキ操作装置においては、ブレーキ操作部材の同じ操作速度に対して、ストロークが減少する向きに操作される場合にストロークが増加する向きに操作される場合より、ストロークシミュレータにおける作動液の流出・流入が行われ易くされる。
ストロークと反力との関係で見れば、ブレーキ操作部材が同じ速度で操作される場合に、ストロークが減少する向きに操作される場合には増加する向きに操作される場合に比較して、反力の変化量をストロークの変化量で割った値の絶対値が小さくなるようにされるのである。
その結果、ブレーキ操作部材がストロークが減少する向きに操作された場合に、ストロークの減少に伴って反力の減少が過大になることを回避し、運転者の操作フィーリングを向上させることができる。
また、ブレーキ作動力が操作力とストロークとに基づいて決まる大きさに制御される場合に、ストロークの減少量に対する操作力の減少量が大きい場合には、運転者によるブレーキ作動力の制御が困難となるという問題が生じるが、操作力の減少に応じてストロークが減少させられるようにすれば、ブレーキ作動力の運転者による制御性の向上を図ることができる。
なお、シミュレータ制御弁装置は、後述するように、ストロークシミュレータとマスタシリンダとの間に設けても、ストロークシミュレータと作動液収容装置との間に設けてもよい。また、シミュレータ制御弁を1つ含むものとしても、複数含むものとしてもよい。
ストロークと反力との関係で見れば、ブレーキ操作部材が同じ速度で操作される場合に、ストロークが減少する向きに操作される場合には増加する向きに操作される場合に比較して、反力の変化量をストロークの変化量で割った値の絶対値が小さくなるようにされるのである。
その結果、ブレーキ操作部材がストロークが減少する向きに操作された場合に、ストロークの減少に伴って反力の減少が過大になることを回避し、運転者の操作フィーリングを向上させることができる。
また、ブレーキ作動力が操作力とストロークとに基づいて決まる大きさに制御される場合に、ストロークの減少量に対する操作力の減少量が大きい場合には、運転者によるブレーキ作動力の制御が困難となるという問題が生じるが、操作力の減少に応じてストロークが減少させられるようにすれば、ブレーキ作動力の運転者による制御性の向上を図ることができる。
なお、シミュレータ制御弁装置は、後述するように、ストロークシミュレータとマスタシリンダとの間に設けても、ストロークシミュレータと作動液収容装置との間に設けてもよい。また、シミュレータ制御弁を1つ含むものとしても、複数含むものとしてもよい。
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。請求可能発明は、少なくとも、請求の範囲に記載された発明である「本発明」ないし「本願発明」を含むが、本願発明の下位概念発明や、本願発明の上位概念あるいは別概念の発明を含むこともある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組を、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
以下の各項のうち、(1)項〜(3)項が請求項1〜3に対応し、(10)項が請求項4に対応し、(11)項と(13)項との少なくとも一方が請求項5に対応する。また、(14)項、(16)項、(18)項がそれぞれ請求項6〜8に対応し、(20)項が請求項9に対応する。
(1)運転者によって操作されるブレーキ操作部材と、
そのブレーキ操作部材のストロークの変化に応じて作動液が流出・流入させられるストロークシミュレータと、
そのストロークシミュレータにおける作動液の流出入の状態を制御するシミュレータ制御弁装置と、
そのシミュレータ制御弁装置を制御することにより、前記ブレーキ操作部材がストロークが減少する向きに操作される場合に、ストロークが増加する向きに操作される場合より、前記ブレーキ操作部材の同じ操作速度に対して、前記ストロークシミュレータにおける作動液の流出・流入が行われ易くするシミュレータ制御装置と
を含むことを特徴とするブレーキ操作装置。
(2)前記ストロークシミュレータが、前記ブレーキ操作部材に連携させられた加圧ピストンを備えたマスタシリンダの加圧室に接続され、前記シミュレータ制御弁装置が、それらマスタシリンダの加圧室とストロークシミュレータとを接続する液通路に設けられ、前記シミュレータ制御装置が、前記シミュレータ制御弁装置の制御により、前記ブレーキ操作部材がストロークが減少する向きに操作される場合に、ストロークが増加する向きに操作される場合より前記液通路の流路抵抗を小さくする流路抵抗制御部を含む(1)項に記載のブレーキ操作装置。
ブレーキ操作部材がストロークが増加する向きに操作されると、マスタシリンダにおいて、加圧ピストンが前進し、加圧室から作動液が流出し、ストロークシミュレータに流入する。ブレーキ操作部材がストロークが減少する向きに操作されると、リターンスプリングにより加圧ピストンが後退する。ストロークシミュレータから作動液が流出し、加圧室を経てリザーバに戻される。このストロークシミュレータから作動液が流出する場合の流路抵抗が流入する場合の流路抵抗に比較して小さくされる。
(3)前記シミュレータ制御弁装置が、前記ストロークシミュレータと作動液収容装置とを接続する液通路に設けられ、前記シミュレータ制御装置が、前記シミュレータ制御弁装置を制御することにより、前記ブレーキ操作部材がストロークが減少する向きに操作される場合に、ストロークが増加する向きに操作される場合より前記液通路の流路抵抗を小さくする流路抵抗制御部とを含む(1)項に記載のブレーキ装置。
ブレーキ操作部材がストロークが増加する向きに操作されると、ストロークシミュレータから作動液収容装置に作動液が流出する。ストロークが減少する向きに操作されると、作動液収容装置からストロークシミュレータに作動液が流入する。このストロークシミュレータに作動液が流入する場合の流路抵抗が、流出する場合の流路抵抗より小さくされる。
ストロークシミュレータが、ハウジングと、そのハウジングに摺動可能に嵌合された可動部材と、可動部材の一方の側に形成されて作動液収容装置と接続された液室とを含む場合に、その一方の液室と作動液収容装置との間にシミュレータ制御弁装置が設けられる。
可動部材の他方の側に形成された液室にマスタシリンダの加圧室が接続される場合において、ブレーキ操作部材がストロークが増加する向きに操作されると、加圧ピストンが前進し、加圧室からストロークシミュレータの上記他方の液室に作動液が流入する。可動部材が移動させられ(上記他方の液室の容積が大きくなる向きに移動させられ)、上記一方の液室から作動液収容装置に作動液が流出する。ブレーキ操作部材がストロークが減少する向きに操作されると、加圧ピストンが後退する。ストロークシミュレータの上記他方の液室から加圧室に作動液が流出するとともに作動液収容装置から上記一方の液室に作動液が流入し、可動部材が移動させられる(上記一方の液室の容積が大きくなる向きに移動させられる)。
また、可動部材が加圧ピストンに連携させられている場合には、加圧ピストンの移動に伴って可動部材が移動させられる。加圧ピストンの前進に伴って可動部材が移動させられ、一方の液室から作動液収容装置に作動液が流出する。加圧ピストンの後退に伴って可動部材が移動させられ、作動液収容装置から上記一方の液室に作動液が流入する。
作動液収容装置は、作動液を大気圧で収容するリザーバタンクとすることができる。また、作動液収容装置を補助ブレーキアクチュエータとし、ストロークシミュレータから供給された液圧がブレーキの作動に補助的に利用されるようにすることもできる。
(4)前記流路抵抗制御部が、前記シミュレータ制御弁装置の制御により、前記ブレーキ操作部材がストロークが減少する向きに操作される場合に、ストロークが増加する向きに操作される場合より前記液通路の流路面積を大きくする流路面積制御部を含む(2)項または(3)項に記載のブレーキ操作装置。
(5)前記シミュレータ制御弁装置が、前記液通路に設けられ、ソレノイドへの供給電流の連続的な制御により流路面積を連続的に変更可能な可変絞り機能を有する弁と、ソレノイドへの供給電流のON・OFFにより開閉させられる電磁開閉弁との少なくとも一方を含む(2)項ないし(4)項のいずれか1つに記載のブレーキ操作装置。
可変絞り機能を有する弁には、可変絞り、後述するリニア弁等が該当する。いずれにしても可変絞り機能を有する弁の制御によれば、液通路の流路面積を連続的に変えることができる。また、電磁開閉弁がデューティ制御された場合に、その電磁開閉弁の開度が供給電流のON状態における開度とOFF状態における開度との中間的な大きさ(全開状態と全閉状態との中間的な大きさ)となる場合には、流路面積が変わることになる。しかし、中間的な大きさとなるのではなく、現実に開閉が繰り返し行われる場合であっても、実効流路面積が変わったと考えることができる。
(6)前記シミュレータ制御弁装置が、互いに並列に設けられた複数の液通路の各々に設けられた複数のシミュレータ制御弁を含み、前記シミュレータ制御装置が、前記複数のシミュレータ制御弁を各々制御する個別制御部を含む(2)項ないし(5)項のいずれか1つに記載のブレーキ操作装置。
シミュレータ制御弁が電磁開閉弁である場合において、閉状態にある電磁開閉弁の個数が多い場合は少ない場合より、全体として流路面積を大きくすることができる。
シミュレータ制御弁が可変絞り機能を有するものである場合には、各々の液通路における流路面積の和が全体としての流路面積に対応する。
(7)前記シミュレータ制御弁装置が、互いに並列に設けられた複数の液通路のうちの1つ以上を選択的に前記ストロークシミュレータに連通させる連通制御弁を含む(2)項ないし(6)項のいずれか1つに記載のブレーキ操作装置。
例えば、ストロークシミュレータに連通させられる液通路の本数が多い場合は少ない場合より流路面積を大きくすることができる。また、液通路の各々の流路面積は同じであっても互いに異なってもよい。複数の液通路の流路面積が互いに異なっている場合には、ストロークシミュレータに接続される液通路を変更することによっても流路面積を変更することができる。
(8)前記シミュレータ制御弁装置が、前記液通路に設けられ、前記ブレーキ操作部材がストロークが減少する向きに操作された場合におけるストロークシミュレータにおける作動液の流れを許容し、ストロークが増加する向きに操作された場合における作動液の流れを阻止する逆止弁を含む(2)項ないし(7)項のいずれか1つに記載のブレーキ操作装置。
逆止弁によれば、ストロークが減少する向きに操作された場合の流路抵抗を増加する向きに操作された場合の流路抵抗より小さくすることができる。逆止弁は、カップシールを有するものとすることができる。
(9)前記シミュレータ制御弁装置が、前記液通路に設けられ、(a)弁座と、(b)その弁座に対して接近・離間可能に設けられた弁子と、(c)前記ブレーキ操作部材がストロークが増加する向きに操作された場合の作動液の流れを受ける受圧面を有するプランジャと、(c)そのプランジャに、前記受圧面に受ける力とは逆向きに付勢力を付与するスプリングとを備えた流量制御弁を含む(2)項ないし(8)項のいずれか1つに記載のブレーキ操作装置。
弁座と弁子との間の隙間は、受圧面に加えられる力とスプリングの付勢力とによって決まる。
ブレーキ操作部材が非操作状態にある場合あるいはストロークが減少する向きに操作された場合には、受圧面にプランジャを前進させる向きに力が加わらないため、スプリングによって弁子が弁座から離間させられ、弁子と弁座との間の隙間は最大となる。
ブレーキ操作部材がストロークが増加する向きに操作されると、受圧面には、作動液の流れに起因する力が加えられる。受圧面に加えられる力は、ブレーキ操作速度が大きく、作動液の流速が大きい場合は小さい場合より大きくなる。受圧面に加えられる力が、スプリングのセット荷重を越えると、プランジャはスプリングの付勢力に抗して前進し、弁子が弁座に対して接近し、隙間が小さくなる。
スプリングは、変形量と弾性力との関係が線型のものであっても、非線型のものであってもよい。変形量が大きい場合に小さい場合よりばね定数が大きくなるものとすれば、受圧面に加わる力が大きい状態で、弁子と弁座との間の隙間の制御性が向上する。スプリングを複数、直列あるいは並列に設けることによっても同様の効果を得ることができる。
なお、液通路には、この流量制御弁と直列に電磁開閉弁を設けることが望ましい。電磁開閉弁を設ければ、液通路を、ブレーキ操作部材の操作状態とは関係なく閉状態とすることができる。
そのブレーキ操作部材のストロークの変化に応じて作動液が流出・流入させられるストロークシミュレータと、
そのストロークシミュレータにおける作動液の流出入の状態を制御するシミュレータ制御弁装置と、
そのシミュレータ制御弁装置を制御することにより、前記ブレーキ操作部材がストロークが減少する向きに操作される場合に、ストロークが増加する向きに操作される場合より、前記ブレーキ操作部材の同じ操作速度に対して、前記ストロークシミュレータにおける作動液の流出・流入が行われ易くするシミュレータ制御装置と
を含むことを特徴とするブレーキ操作装置。
(2)前記ストロークシミュレータが、前記ブレーキ操作部材に連携させられた加圧ピストンを備えたマスタシリンダの加圧室に接続され、前記シミュレータ制御弁装置が、それらマスタシリンダの加圧室とストロークシミュレータとを接続する液通路に設けられ、前記シミュレータ制御装置が、前記シミュレータ制御弁装置の制御により、前記ブレーキ操作部材がストロークが減少する向きに操作される場合に、ストロークが増加する向きに操作される場合より前記液通路の流路抵抗を小さくする流路抵抗制御部を含む(1)項に記載のブレーキ操作装置。
ブレーキ操作部材がストロークが増加する向きに操作されると、マスタシリンダにおいて、加圧ピストンが前進し、加圧室から作動液が流出し、ストロークシミュレータに流入する。ブレーキ操作部材がストロークが減少する向きに操作されると、リターンスプリングにより加圧ピストンが後退する。ストロークシミュレータから作動液が流出し、加圧室を経てリザーバに戻される。このストロークシミュレータから作動液が流出する場合の流路抵抗が流入する場合の流路抵抗に比較して小さくされる。
(3)前記シミュレータ制御弁装置が、前記ストロークシミュレータと作動液収容装置とを接続する液通路に設けられ、前記シミュレータ制御装置が、前記シミュレータ制御弁装置を制御することにより、前記ブレーキ操作部材がストロークが減少する向きに操作される場合に、ストロークが増加する向きに操作される場合より前記液通路の流路抵抗を小さくする流路抵抗制御部とを含む(1)項に記載のブレーキ装置。
ブレーキ操作部材がストロークが増加する向きに操作されると、ストロークシミュレータから作動液収容装置に作動液が流出する。ストロークが減少する向きに操作されると、作動液収容装置からストロークシミュレータに作動液が流入する。このストロークシミュレータに作動液が流入する場合の流路抵抗が、流出する場合の流路抵抗より小さくされる。
ストロークシミュレータが、ハウジングと、そのハウジングに摺動可能に嵌合された可動部材と、可動部材の一方の側に形成されて作動液収容装置と接続された液室とを含む場合に、その一方の液室と作動液収容装置との間にシミュレータ制御弁装置が設けられる。
可動部材の他方の側に形成された液室にマスタシリンダの加圧室が接続される場合において、ブレーキ操作部材がストロークが増加する向きに操作されると、加圧ピストンが前進し、加圧室からストロークシミュレータの上記他方の液室に作動液が流入する。可動部材が移動させられ(上記他方の液室の容積が大きくなる向きに移動させられ)、上記一方の液室から作動液収容装置に作動液が流出する。ブレーキ操作部材がストロークが減少する向きに操作されると、加圧ピストンが後退する。ストロークシミュレータの上記他方の液室から加圧室に作動液が流出するとともに作動液収容装置から上記一方の液室に作動液が流入し、可動部材が移動させられる(上記一方の液室の容積が大きくなる向きに移動させられる)。
また、可動部材が加圧ピストンに連携させられている場合には、加圧ピストンの移動に伴って可動部材が移動させられる。加圧ピストンの前進に伴って可動部材が移動させられ、一方の液室から作動液収容装置に作動液が流出する。加圧ピストンの後退に伴って可動部材が移動させられ、作動液収容装置から上記一方の液室に作動液が流入する。
作動液収容装置は、作動液を大気圧で収容するリザーバタンクとすることができる。また、作動液収容装置を補助ブレーキアクチュエータとし、ストロークシミュレータから供給された液圧がブレーキの作動に補助的に利用されるようにすることもできる。
(4)前記流路抵抗制御部が、前記シミュレータ制御弁装置の制御により、前記ブレーキ操作部材がストロークが減少する向きに操作される場合に、ストロークが増加する向きに操作される場合より前記液通路の流路面積を大きくする流路面積制御部を含む(2)項または(3)項に記載のブレーキ操作装置。
(5)前記シミュレータ制御弁装置が、前記液通路に設けられ、ソレノイドへの供給電流の連続的な制御により流路面積を連続的に変更可能な可変絞り機能を有する弁と、ソレノイドへの供給電流のON・OFFにより開閉させられる電磁開閉弁との少なくとも一方を含む(2)項ないし(4)項のいずれか1つに記載のブレーキ操作装置。
可変絞り機能を有する弁には、可変絞り、後述するリニア弁等が該当する。いずれにしても可変絞り機能を有する弁の制御によれば、液通路の流路面積を連続的に変えることができる。また、電磁開閉弁がデューティ制御された場合に、その電磁開閉弁の開度が供給電流のON状態における開度とOFF状態における開度との中間的な大きさ(全開状態と全閉状態との中間的な大きさ)となる場合には、流路面積が変わることになる。しかし、中間的な大きさとなるのではなく、現実に開閉が繰り返し行われる場合であっても、実効流路面積が変わったと考えることができる。
(6)前記シミュレータ制御弁装置が、互いに並列に設けられた複数の液通路の各々に設けられた複数のシミュレータ制御弁を含み、前記シミュレータ制御装置が、前記複数のシミュレータ制御弁を各々制御する個別制御部を含む(2)項ないし(5)項のいずれか1つに記載のブレーキ操作装置。
シミュレータ制御弁が電磁開閉弁である場合において、閉状態にある電磁開閉弁の個数が多い場合は少ない場合より、全体として流路面積を大きくすることができる。
シミュレータ制御弁が可変絞り機能を有するものである場合には、各々の液通路における流路面積の和が全体としての流路面積に対応する。
(7)前記シミュレータ制御弁装置が、互いに並列に設けられた複数の液通路のうちの1つ以上を選択的に前記ストロークシミュレータに連通させる連通制御弁を含む(2)項ないし(6)項のいずれか1つに記載のブレーキ操作装置。
例えば、ストロークシミュレータに連通させられる液通路の本数が多い場合は少ない場合より流路面積を大きくすることができる。また、液通路の各々の流路面積は同じであっても互いに異なってもよい。複数の液通路の流路面積が互いに異なっている場合には、ストロークシミュレータに接続される液通路を変更することによっても流路面積を変更することができる。
(8)前記シミュレータ制御弁装置が、前記液通路に設けられ、前記ブレーキ操作部材がストロークが減少する向きに操作された場合におけるストロークシミュレータにおける作動液の流れを許容し、ストロークが増加する向きに操作された場合における作動液の流れを阻止する逆止弁を含む(2)項ないし(7)項のいずれか1つに記載のブレーキ操作装置。
逆止弁によれば、ストロークが減少する向きに操作された場合の流路抵抗を増加する向きに操作された場合の流路抵抗より小さくすることができる。逆止弁は、カップシールを有するものとすることができる。
(9)前記シミュレータ制御弁装置が、前記液通路に設けられ、(a)弁座と、(b)その弁座に対して接近・離間可能に設けられた弁子と、(c)前記ブレーキ操作部材がストロークが増加する向きに操作された場合の作動液の流れを受ける受圧面を有するプランジャと、(c)そのプランジャに、前記受圧面に受ける力とは逆向きに付勢力を付与するスプリングとを備えた流量制御弁を含む(2)項ないし(8)項のいずれか1つに記載のブレーキ操作装置。
弁座と弁子との間の隙間は、受圧面に加えられる力とスプリングの付勢力とによって決まる。
ブレーキ操作部材が非操作状態にある場合あるいはストロークが減少する向きに操作された場合には、受圧面にプランジャを前進させる向きに力が加わらないため、スプリングによって弁子が弁座から離間させられ、弁子と弁座との間の隙間は最大となる。
ブレーキ操作部材がストロークが増加する向きに操作されると、受圧面には、作動液の流れに起因する力が加えられる。受圧面に加えられる力は、ブレーキ操作速度が大きく、作動液の流速が大きい場合は小さい場合より大きくなる。受圧面に加えられる力が、スプリングのセット荷重を越えると、プランジャはスプリングの付勢力に抗して前進し、弁子が弁座に対して接近し、隙間が小さくなる。
スプリングは、変形量と弾性力との関係が線型のものであっても、非線型のものであってもよい。変形量が大きい場合に小さい場合よりばね定数が大きくなるものとすれば、受圧面に加わる力が大きい状態で、弁子と弁座との間の隙間の制御性が向上する。スプリングを複数、直列あるいは並列に設けることによっても同様の効果を得ることができる。
なお、液通路には、この流量制御弁と直列に電磁開閉弁を設けることが望ましい。電磁開閉弁を設ければ、液通路を、ブレーキ操作部材の操作状態とは関係なく閉状態とすることができる。
(10)前記流路抵抗制御部が、前記ブレーキ操作部材がストロークが増加する向きに操作される場合に、前記ブレーキ操作部材の操作状態に基づいて前記流路抵抗を制御するストローク増加中流路抵抗制御部を含む(2)項ないし(9)項のいずれか1つに記載のブレーキ操作装置。
流路抵抗制御部は、ブレーキ操作部材の操作状態を検出する操作状態検出装置を含むものとすることができる。ブレーキ操作部材の操作状態には、操作ストローク、操作力、操作速度等が該当し、操作状態検出装置は、ブレーキ操作部材の操作ストローク、操作力等を直接検出する直接検出部を含むものとしても、操作ストローク、操作力と1対1に対応する物理量(例えば、マスタシリンダの液圧、ブレーキ通路の液圧等が該当する)を検出する間接的検出部を含むものとしてもよい。操作速度は、直接検出部による検出値あるいは間接検出部による検出値の変化量、微分値等を取得することによって得られる。
(11)前記ストローク増加中流路抵抗制御部が、前記ブレーキ操作部材の操作速度が大きい場合は小さい場合より前記流路抵抗を大きくする制御を行う操作速度対応制御部を含む(10)項に記載のブレーキ操作装置。
流路の状態(例えば、流路面積で表すことができる)が同じであっても、操作速度が大きい場合は小さい場合より、ストロークの増加量に対する反力の増加量が自然に大きくなるが、本項に記載のブレーキ操作装置においては、操作速度が大きい場合は小さい場合より、流路の状態が流路抵抗が大きくなる向きに制御されるのであり、ストロークの増加量に対する反力の増加量が積極的に大きくされる。
その結果、操作速度が大きい場合において、ストロークの増加量に対する反力の増加量が大きくなるため、反力の増加量が小さい場合より運転者の操作フィーリングを向上させることができる。
また、電気制御ブレーキ装置(ブレーキ操作装置がブレーキから遮断された状態で、ブレーキ作動力が電気的に制御されるブレーキ装置)において、ブレーキ作動力が、ストロークと反力に応じた操作力とに基づいて制御される場合に、反力の増加勾配が大きいと、操作力の増加勾配が大きくなり、ブレーキ作動力が速やかに増加させられることになる。しかし、後述するように、マスタシリンダとブレーキシリンダとが連通させられたブレーキ装置(以下、マニュアルブレーキ装置と称する)においては、操作速度が大きい場合はブレーキシリンダの液圧(車輪のスリップ状態が路面の摩擦係数に対して過大でない場合には、減速度に対応する)が遅れて増加するのが普通であり、このマニュアルブレーキ装置におけるブレーキフィーリングに慣れた運転者は、電気制御ブレーキ装置において違和感を感じる。
一方、運転者はストロークと減速度とが対応すると考えるのが普通である。それに対して、電気制御ブレーキ装置において、操作力が小さい領域で、ブレーキ作動力が遅れて増加するように制御される場合には、ブレーキ操作装置において、操作力の増加量に対してストロークの増加量が大きくされると、ストロークと減速度とが一致せず、運転者は違和感を感じる。
そこで、電気制御ブレーキ装置において、操作速度が大きい場合は、ブレーキ作動力が遅れて増加するように制御されるようにするとともに、ブレーキ操作装置において、操作力の増加量に対してストロークの増加量が小さくされれば、運転者の違和感を軽減することができ、ブレーキフィーリングの低下を抑制することができる。
(12)前記ストローク増加中流路抵抗制御部が、緊急ブレーキ操作である場合に前記流路抵抗を緊急ブレーキ操作でない場合より小さくする緊急操作時制御部を含む(10)項または(11)項に記載のブレーキ操作装置。
例えば、操作速度が設定操作速度(緊急操作判定操作速度)以上である場合と、操作力が設定操作力(緊急操作判定操作力)以上である場合との少なくとも一方が満たされた場合に、緊急ブレーキ操作であるとすることができる。本項に記載のブレーキ操作装置においては、緊急ブレーキ操作時には、操作力に対するストロークの増加勾配が大きくされる。
緊急ブレーキ操作時には、操作力に対するストロークの増加勾配が大きい方が小さい場合より、ブレーキ作動力を速やかに大きくすることができ、停止距離を短くすることができる。
また、電気制御ブレーキ装置において、ブレーキ作動力が、操作力が小さい領域において、操作力よりストロークの影響が大きい状態で制御される場合に、ストロークの増加勾配が大きくされれば、ブレーキ作動力をストロークの増加に応じて速やかに大きくすることができる。
(13)前記ストローク増加中流路抵抗制御部が、前記ブレーキ操作部材の操作ストロークが大きい領域では小さい領域より前記流路抵抗を大きくするストローク対応制御部を含む(10)項ないし(12)項のいずれか1つに記載のブレーキ操作装置。
操作ストロークが大きい領域では小さい領域より、操作速度が同じ場合に、ストロークの増加に対する反力の増加が大きくされる。
操作ストロークが大きい領域では操作フィーリングが硬くされるのであり、それによって、運転者の操作フィーリングの向上を図ることができる。
電気制御ブレーキ装置において、操作力が大きい領域において、ブレーキ作動力が、操作力の影響が大きい状態で制御される場合に、操作力の増加勾配が大きくされると、ブレーキの効きが過敏であると感じられる。それに対して、前述のように、操作力が大きい場合に遅れが大きくされれば、ブレーキの効きの応答性を適正にすることができる。また、前述の場合と同様に、ブレーキ作動力の増加遅れが大きくされるとともに、ストロークの増加が抑制されるため、ストロークと減速度との不一致を解消することができ、運転者のブレーキフィーリングの向上を図ることができる。
逆に、操作部材の操作ストロークが小さい領域では大きい領域より、ストロークの増加に対する反力の増加が小さくなる。操作ストロークが小さい領域では操作フィーリングが柔らかくされるため、運転者の操作フィーリングの向上を図ることができる。また、電気制御ブレーキ装置において、ブレーキ作動力が、操作力が小さい領域で、操作力よりストロークの影響が大きい状態で制御される場合に、ストロークの増加勾配が大きくされれば、ブレーキの効きの応答性を高めることができ、運転者のブレーキフィーリングを向上させることができる。
(14)前記シミュレータ制御装置が、前記車両の走行速度が小さい場合は大きい場合より、前記流路抵抗を大きくする走行速度対応制御部を含む(2)項ないし(13)項のいずれか1つに記載のブレーキ操作装置。
車両の走行速度が小さい場合は大きい場合より、操作速度が同じ場合に、操作力に対するストロークの増加勾配が小さくされる。
走行速度が小さい場合に、ストロークの増加が抑制されることは運転者にとって望ましいことである。
電気制御ブレーキ装置において、車両の走行速度が小さい場合は大きい場合よりブレーキの効きが過敏であると感じる運転者が多い。それを回避するために、ブレーキ作動力の増加の遅れを大きくすることが望ましいが、その上さらに操作力に対するストロークの増加勾配が抑制されれば、ストロークと減速度との不一致を解消し、運転者のブレーキフィーリングの低下を抑制することができる。
逆に、車両の走行速度が大きい場合は小さい場合より、操作速度が同じ場合に、操作力に対するストロークの増加勾配が大きくされる。
走行速度が大きい場合に、ストロークの増加が容易とされるのであり、運転者の操作フィーリングを向上させることができる。
また、電気制御ブレーキ装置において、車両の走行速度が大きい場合は小さい場合より応答性が悪いと感じる運転者が多い。それに対して、操作力が小さい領域でストロークの影響が大きい状態でブレーキ作動力が制御される場合に、車両の走行速度が大きい場合に操作力に対するストロークの増加勾配が大きくされれば、ブレーキの効きの応答性を向上させることができ、運転者のブレーキフィーリングの向上を図ることができる。
なお、この車両の走行速度に基づく流路抵抗の制御は、ブレーキ操作部材がストロークが増加する向きに操作される場合と減少する向きに操作される場合との両方において実行されるようにしても、ストロークが増加する向きに操作される場合にのみ実行されるようにしてもよい。
流路抵抗制御部は、ブレーキ操作部材の操作状態を検出する操作状態検出装置を含むものとすることができる。ブレーキ操作部材の操作状態には、操作ストローク、操作力、操作速度等が該当し、操作状態検出装置は、ブレーキ操作部材の操作ストローク、操作力等を直接検出する直接検出部を含むものとしても、操作ストローク、操作力と1対1に対応する物理量(例えば、マスタシリンダの液圧、ブレーキ通路の液圧等が該当する)を検出する間接的検出部を含むものとしてもよい。操作速度は、直接検出部による検出値あるいは間接検出部による検出値の変化量、微分値等を取得することによって得られる。
(11)前記ストローク増加中流路抵抗制御部が、前記ブレーキ操作部材の操作速度が大きい場合は小さい場合より前記流路抵抗を大きくする制御を行う操作速度対応制御部を含む(10)項に記載のブレーキ操作装置。
流路の状態(例えば、流路面積で表すことができる)が同じであっても、操作速度が大きい場合は小さい場合より、ストロークの増加量に対する反力の増加量が自然に大きくなるが、本項に記載のブレーキ操作装置においては、操作速度が大きい場合は小さい場合より、流路の状態が流路抵抗が大きくなる向きに制御されるのであり、ストロークの増加量に対する反力の増加量が積極的に大きくされる。
その結果、操作速度が大きい場合において、ストロークの増加量に対する反力の増加量が大きくなるため、反力の増加量が小さい場合より運転者の操作フィーリングを向上させることができる。
また、電気制御ブレーキ装置(ブレーキ操作装置がブレーキから遮断された状態で、ブレーキ作動力が電気的に制御されるブレーキ装置)において、ブレーキ作動力が、ストロークと反力に応じた操作力とに基づいて制御される場合に、反力の増加勾配が大きいと、操作力の増加勾配が大きくなり、ブレーキ作動力が速やかに増加させられることになる。しかし、後述するように、マスタシリンダとブレーキシリンダとが連通させられたブレーキ装置(以下、マニュアルブレーキ装置と称する)においては、操作速度が大きい場合はブレーキシリンダの液圧(車輪のスリップ状態が路面の摩擦係数に対して過大でない場合には、減速度に対応する)が遅れて増加するのが普通であり、このマニュアルブレーキ装置におけるブレーキフィーリングに慣れた運転者は、電気制御ブレーキ装置において違和感を感じる。
一方、運転者はストロークと減速度とが対応すると考えるのが普通である。それに対して、電気制御ブレーキ装置において、操作力が小さい領域で、ブレーキ作動力が遅れて増加するように制御される場合には、ブレーキ操作装置において、操作力の増加量に対してストロークの増加量が大きくされると、ストロークと減速度とが一致せず、運転者は違和感を感じる。
そこで、電気制御ブレーキ装置において、操作速度が大きい場合は、ブレーキ作動力が遅れて増加するように制御されるようにするとともに、ブレーキ操作装置において、操作力の増加量に対してストロークの増加量が小さくされれば、運転者の違和感を軽減することができ、ブレーキフィーリングの低下を抑制することができる。
(12)前記ストローク増加中流路抵抗制御部が、緊急ブレーキ操作である場合に前記流路抵抗を緊急ブレーキ操作でない場合より小さくする緊急操作時制御部を含む(10)項または(11)項に記載のブレーキ操作装置。
例えば、操作速度が設定操作速度(緊急操作判定操作速度)以上である場合と、操作力が設定操作力(緊急操作判定操作力)以上である場合との少なくとも一方が満たされた場合に、緊急ブレーキ操作であるとすることができる。本項に記載のブレーキ操作装置においては、緊急ブレーキ操作時には、操作力に対するストロークの増加勾配が大きくされる。
緊急ブレーキ操作時には、操作力に対するストロークの増加勾配が大きい方が小さい場合より、ブレーキ作動力を速やかに大きくすることができ、停止距離を短くすることができる。
また、電気制御ブレーキ装置において、ブレーキ作動力が、操作力が小さい領域において、操作力よりストロークの影響が大きい状態で制御される場合に、ストロークの増加勾配が大きくされれば、ブレーキ作動力をストロークの増加に応じて速やかに大きくすることができる。
(13)前記ストローク増加中流路抵抗制御部が、前記ブレーキ操作部材の操作ストロークが大きい領域では小さい領域より前記流路抵抗を大きくするストローク対応制御部を含む(10)項ないし(12)項のいずれか1つに記載のブレーキ操作装置。
操作ストロークが大きい領域では小さい領域より、操作速度が同じ場合に、ストロークの増加に対する反力の増加が大きくされる。
操作ストロークが大きい領域では操作フィーリングが硬くされるのであり、それによって、運転者の操作フィーリングの向上を図ることができる。
電気制御ブレーキ装置において、操作力が大きい領域において、ブレーキ作動力が、操作力の影響が大きい状態で制御される場合に、操作力の増加勾配が大きくされると、ブレーキの効きが過敏であると感じられる。それに対して、前述のように、操作力が大きい場合に遅れが大きくされれば、ブレーキの効きの応答性を適正にすることができる。また、前述の場合と同様に、ブレーキ作動力の増加遅れが大きくされるとともに、ストロークの増加が抑制されるため、ストロークと減速度との不一致を解消することができ、運転者のブレーキフィーリングの向上を図ることができる。
逆に、操作部材の操作ストロークが小さい領域では大きい領域より、ストロークの増加に対する反力の増加が小さくなる。操作ストロークが小さい領域では操作フィーリングが柔らかくされるため、運転者の操作フィーリングの向上を図ることができる。また、電気制御ブレーキ装置において、ブレーキ作動力が、操作力が小さい領域で、操作力よりストロークの影響が大きい状態で制御される場合に、ストロークの増加勾配が大きくされれば、ブレーキの効きの応答性を高めることができ、運転者のブレーキフィーリングを向上させることができる。
(14)前記シミュレータ制御装置が、前記車両の走行速度が小さい場合は大きい場合より、前記流路抵抗を大きくする走行速度対応制御部を含む(2)項ないし(13)項のいずれか1つに記載のブレーキ操作装置。
車両の走行速度が小さい場合は大きい場合より、操作速度が同じ場合に、操作力に対するストロークの増加勾配が小さくされる。
走行速度が小さい場合に、ストロークの増加が抑制されることは運転者にとって望ましいことである。
電気制御ブレーキ装置において、車両の走行速度が小さい場合は大きい場合よりブレーキの効きが過敏であると感じる運転者が多い。それを回避するために、ブレーキ作動力の増加の遅れを大きくすることが望ましいが、その上さらに操作力に対するストロークの増加勾配が抑制されれば、ストロークと減速度との不一致を解消し、運転者のブレーキフィーリングの低下を抑制することができる。
逆に、車両の走行速度が大きい場合は小さい場合より、操作速度が同じ場合に、操作力に対するストロークの増加勾配が大きくされる。
走行速度が大きい場合に、ストロークの増加が容易とされるのであり、運転者の操作フィーリングを向上させることができる。
また、電気制御ブレーキ装置において、車両の走行速度が大きい場合は小さい場合より応答性が悪いと感じる運転者が多い。それに対して、操作力が小さい領域でストロークの影響が大きい状態でブレーキ作動力が制御される場合に、車両の走行速度が大きい場合に操作力に対するストロークの増加勾配が大きくされれば、ブレーキの効きの応答性を向上させることができ、運転者のブレーキフィーリングの向上を図ることができる。
なお、この車両の走行速度に基づく流路抵抗の制御は、ブレーキ操作部材がストロークが増加する向きに操作される場合と減少する向きに操作される場合との両方において実行されるようにしても、ストロークが増加する向きに操作される場合にのみ実行されるようにしてもよい。
(15)(1)項ないし(14)項のいずれか1つに記載のブレーキ操作装置と、
車両の車輪の回転を抑制するブレーキと、
前記ブレーキ操作部材の操作状態に基づいて前記ブレーキの作動力を制御するブレーキ作動力制御装置と
を含む車両用ブレーキ装置。
ブレーキ操作装置による運転者の操作フィーリングの制御とブレーキ作動力制御装置によるブレーキ作動力の制御との両方が行われるようにすれば、運転者の操作状態とブレーキ作動力との関係であるブレーキフィーリングを制御することが可能となる。
ブレーキは、液圧ブレーキでも、電動ブレーキでもよい。液圧ブレーキの場合には、ブレーキシリンダの液圧がブレーキ作動力に対応し、電動ブレーキである場合には、摩擦係合部材に加えられる押圧力がブレーキ作動力に対応する。ブレーキ作動力は、前述のように、車輪のスリップ状態が路面の摩擦係数に対して過大でない状態においては、減速度に対応すると考えることができる。
(16)前記ブレーキ作動力制御装置が、前記ブレーキ操作部材の操作状態と前記車両の走行状態との少なくとも一方に基づいて前記ブレーキ作動力を制御して、前記ブレーキ操作部材の操作状態と前記ブレーキ作動力との関係を制御するブレーキフィーリング制御部を含む(15)項に記載の車両用ブレーキ装置。
ブレーキ作動力はブレーキ操作部材の操作状態に基づいて制御したり、車両の走行状態に基づいて制御したりすることができる。
シミュレータ制御装置によってストロークシミュレータにおける作動液の流出入の状態が、ブレーキ操作状態に基づいて制御される場合(車両の走行状態に基づいて制御される場合)には、ブレーキ作動力がブレーキ操作状態に基づいて制御される(車両の走行状態に基づいて制御される)と考えたり、シミュレータ制御装置による制御態様に基づいて制御されると考えたりすることができる。
(17)前記ブレーキ作動力制御装置が、前記シミュレータ制御装置によって制御された前記ストロークシミュレータにおける作動液の流出入の状態に基づいて前記ブレーキ作動力を制御して、前記ブレーキ操作部材の操作状態と前記ブレーキ作動力との関係を制御するブレーキフィーリング制御部を含む(15)項または(16)項に記載の車両用ブレーキ装置。
(18)さらに、前記ブレーキ操作部材の操作状態を検出する操作状態検出装置と、
その操作状態検出装置による検出値を処理するフィルタと
を含み、
前記ブレーキフィーリング制御部が、前記フィルタによって処理された値であるフィルタ処理値に基づいて前記ブレーキ作動力を制御するフィルタ処理値対応ブレーキ作動力制御部と、前記ストロークシミュレータにおける作動液の流入・流出が行われ難くされた場合はそうでない場合より前記フィルタにおける遅れを大きくするフィルタ制御部とを含む(15)項ないし(17)項のいずれか1つに記載の車両用ブレーキ装置。
ストロークシミュレータにおける作動液の流入・流出が行われ難くされた場合には、操作力に対するストロークの変化勾配が小さくされるため、ブレーキ作動力の制御において遅れが大きくされれば、ストロークと減速度とを対応させることができる。
例えば、ストロークシミュレータにおける作動液の流入・流出が行われ難くされた場合に、フィルタにおける平滑化の程度を大きくすれば、遅れを大きくすることができる。
なお、フィルタにおける遅れの程度はブレーキ操作部材の操作状態や車両の走行状態に基づいて制御されるようにすることもできる。
(19)前記ブレーキ作動力制御装置が、前記ブレーキ作動力の目標値を、前記ブレーキ操作部材の操作力と操作ストロークとの少なくとも一方に基づいて暫定的に決定する目標値暫定決定部と、その目標値暫定決定部によって決定された暫定的な目標値に、前記ブレーキ操作の開始からの経過時間が設定時間以内である場合に設定時間を超えた場合より大きい補正値を加えることによって目標値を最終的に決定する目標値最終決定部とを含む(15)項ないし(18)項のいずれか1つに記載の車両用ブレーキ装置。
本項に記載の車両用ブレーキ装置においては、ブレーキ作動初期における制動力不足を抑制することができる。
車両の車輪の回転を抑制するブレーキと、
前記ブレーキ操作部材の操作状態に基づいて前記ブレーキの作動力を制御するブレーキ作動力制御装置と
を含む車両用ブレーキ装置。
ブレーキ操作装置による運転者の操作フィーリングの制御とブレーキ作動力制御装置によるブレーキ作動力の制御との両方が行われるようにすれば、運転者の操作状態とブレーキ作動力との関係であるブレーキフィーリングを制御することが可能となる。
ブレーキは、液圧ブレーキでも、電動ブレーキでもよい。液圧ブレーキの場合には、ブレーキシリンダの液圧がブレーキ作動力に対応し、電動ブレーキである場合には、摩擦係合部材に加えられる押圧力がブレーキ作動力に対応する。ブレーキ作動力は、前述のように、車輪のスリップ状態が路面の摩擦係数に対して過大でない状態においては、減速度に対応すると考えることができる。
(16)前記ブレーキ作動力制御装置が、前記ブレーキ操作部材の操作状態と前記車両の走行状態との少なくとも一方に基づいて前記ブレーキ作動力を制御して、前記ブレーキ操作部材の操作状態と前記ブレーキ作動力との関係を制御するブレーキフィーリング制御部を含む(15)項に記載の車両用ブレーキ装置。
ブレーキ作動力はブレーキ操作部材の操作状態に基づいて制御したり、車両の走行状態に基づいて制御したりすることができる。
シミュレータ制御装置によってストロークシミュレータにおける作動液の流出入の状態が、ブレーキ操作状態に基づいて制御される場合(車両の走行状態に基づいて制御される場合)には、ブレーキ作動力がブレーキ操作状態に基づいて制御される(車両の走行状態に基づいて制御される)と考えたり、シミュレータ制御装置による制御態様に基づいて制御されると考えたりすることができる。
(17)前記ブレーキ作動力制御装置が、前記シミュレータ制御装置によって制御された前記ストロークシミュレータにおける作動液の流出入の状態に基づいて前記ブレーキ作動力を制御して、前記ブレーキ操作部材の操作状態と前記ブレーキ作動力との関係を制御するブレーキフィーリング制御部を含む(15)項または(16)項に記載の車両用ブレーキ装置。
(18)さらに、前記ブレーキ操作部材の操作状態を検出する操作状態検出装置と、
その操作状態検出装置による検出値を処理するフィルタと
を含み、
前記ブレーキフィーリング制御部が、前記フィルタによって処理された値であるフィルタ処理値に基づいて前記ブレーキ作動力を制御するフィルタ処理値対応ブレーキ作動力制御部と、前記ストロークシミュレータにおける作動液の流入・流出が行われ難くされた場合はそうでない場合より前記フィルタにおける遅れを大きくするフィルタ制御部とを含む(15)項ないし(17)項のいずれか1つに記載の車両用ブレーキ装置。
ストロークシミュレータにおける作動液の流入・流出が行われ難くされた場合には、操作力に対するストロークの変化勾配が小さくされるため、ブレーキ作動力の制御において遅れが大きくされれば、ストロークと減速度とを対応させることができる。
例えば、ストロークシミュレータにおける作動液の流入・流出が行われ難くされた場合に、フィルタにおける平滑化の程度を大きくすれば、遅れを大きくすることができる。
なお、フィルタにおける遅れの程度はブレーキ操作部材の操作状態や車両の走行状態に基づいて制御されるようにすることもできる。
(19)前記ブレーキ作動力制御装置が、前記ブレーキ作動力の目標値を、前記ブレーキ操作部材の操作力と操作ストロークとの少なくとも一方に基づいて暫定的に決定する目標値暫定決定部と、その目標値暫定決定部によって決定された暫定的な目標値に、前記ブレーキ操作の開始からの経過時間が設定時間以内である場合に設定時間を超えた場合より大きい補正値を加えることによって目標値を最終的に決定する目標値最終決定部とを含む(15)項ないし(18)項のいずれか1つに記載の車両用ブレーキ装置。
本項に記載の車両用ブレーキ装置においては、ブレーキ作動初期における制動力不足を抑制することができる。
(20)運転者により操作されるブレーキ操作部材と、
そのブレーキ操作部材のストロークの変化に応じて作動させられ、反力を付与するストロークシミュレータ装置と
を含むブレーキ操作装置であって、
前記ストロークシミュレータ装置が、前記ブレーキ操作部材が同じ操作速度でストロークが増加する向きに操作される場合より、ストロークが減少する向きに操作される場合に、ストロークと反力との関係を、同じストロークに対して反力が小さくなるように制御する反力制御部を含むことを特徴とするブレーキ操作装置。
ブレーキ操作装置は、作動液の流出・流入が行われることがないストロークシミュレータ(ドライ型)を含むものとすることができる。
例えば、ストロークシミュレータが圧電素子等を含み、反力とストロークとの関係を電気的に制御可能なものである場合に、そのストロークシミュレータを含むブレーキ操作装置に、本発明を適用することができる。
本項に記載のブレーキ操作装置には、(10)項ないし(14)項のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。各項において、「流路抵抗を大きくすること」が「同じストロークに対して反力が大きくなること」に対応する。
また、本項に記載のブレーキ操作装置は、(15)項ないし(19)項のいずれかに記載の車両用ブレーキ装置に搭載することができる。
そのブレーキ操作部材のストロークの変化に応じて作動させられ、反力を付与するストロークシミュレータ装置と
を含むブレーキ操作装置であって、
前記ストロークシミュレータ装置が、前記ブレーキ操作部材が同じ操作速度でストロークが増加する向きに操作される場合より、ストロークが減少する向きに操作される場合に、ストロークと反力との関係を、同じストロークに対して反力が小さくなるように制御する反力制御部を含むことを特徴とするブレーキ操作装置。
ブレーキ操作装置は、作動液の流出・流入が行われることがないストロークシミュレータ(ドライ型)を含むものとすることができる。
例えば、ストロークシミュレータが圧電素子等を含み、反力とストロークとの関係を電気的に制御可能なものである場合に、そのストロークシミュレータを含むブレーキ操作装置に、本発明を適用することができる。
本項に記載のブレーキ操作装置には、(10)項ないし(14)項のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。各項において、「流路抵抗を大きくすること」が「同じストロークに対して反力が大きくなること」に対応する。
また、本項に記載のブレーキ操作装置は、(15)項ないし(19)項のいずれかに記載の車両用ブレーキ装置に搭載することができる。
以下、図面に基づいて本発明の一実施例である車両用ブレーキ装置について詳細に説明する。車両用ブレーキ装置はブレーキ操作装置を含む。
図1において、本ブレーキ装置は、ブレーキ操作装置2と、ブレーキ作動力制御装置4とを含む。ブレーキ作動力制御装置4は、車輪の回転を抑制する液圧ブレーキ6のブレーキシリンダ8の液圧(ブレーキ作動力)を制御する。
ブレーキ操作装置2は、ブレーキ操作部材としてのブレーキペダル9,マスタシリンダ10,ストロークシミュレータ装置12等を含む。マスタシリンダ10は、ハウジング13と、そのハウジング13に摺動可能に嵌合され、ブレーキペダル10に連携させられた加圧ピストン14,15と含み、加圧ピストン14,15のそれぞれの前方の加圧室17,18には、加圧ピストン14,15に加えられた操作力に応じた液圧が発生させられる。加圧ピストン14,15は、リターンスプリング20,21により後退端位置に付勢される。
また、ハウジング13の加圧ピストン14,15の後退端において加圧ピストン14,15の前面に対応する部分にはリザーバ22と接続する液通路24,25が設けられる。加圧ピストン14,15の前面にはそれぞれカップシール27,28が設けられる。
マスタシリンダ12の加圧室18とブレーキシリンダ8とはブレーキ通路30によって接続され、ブレーキ通路30の途中にマスタ遮断弁32が設けられる。マスタ遮断弁32は、ソレノイド34への供給電流のON・OFFにより開閉させられる電磁開閉弁である。
図1において、本ブレーキ装置は、ブレーキ操作装置2と、ブレーキ作動力制御装置4とを含む。ブレーキ作動力制御装置4は、車輪の回転を抑制する液圧ブレーキ6のブレーキシリンダ8の液圧(ブレーキ作動力)を制御する。
ブレーキ操作装置2は、ブレーキ操作部材としてのブレーキペダル9,マスタシリンダ10,ストロークシミュレータ装置12等を含む。マスタシリンダ10は、ハウジング13と、そのハウジング13に摺動可能に嵌合され、ブレーキペダル10に連携させられた加圧ピストン14,15と含み、加圧ピストン14,15のそれぞれの前方の加圧室17,18には、加圧ピストン14,15に加えられた操作力に応じた液圧が発生させられる。加圧ピストン14,15は、リターンスプリング20,21により後退端位置に付勢される。
また、ハウジング13の加圧ピストン14,15の後退端において加圧ピストン14,15の前面に対応する部分にはリザーバ22と接続する液通路24,25が設けられる。加圧ピストン14,15の前面にはそれぞれカップシール27,28が設けられる。
マスタシリンダ12の加圧室18とブレーキシリンダ8とはブレーキ通路30によって接続され、ブレーキ通路30の途中にマスタ遮断弁32が設けられる。マスタ遮断弁32は、ソレノイド34への供給電流のON・OFFにより開閉させられる電磁開閉弁である。
ストロークシミュレータ装置12は、ブレーキ通路30のマスタ遮断弁32よりマスタシリンダ側の部分にシミュレータ通路38を介して接続される。ストロークシミュレータ装置12は、ストロークシミュレータ42と、シミュレータ制御弁44とを含む。ストロークシミュレータ42は、ハウジング45と、そのハウジング45に相対移動可能に嵌合された可動部材46と、可動部材46の一方の側に設けられたスプリング48とを含み、ハウジング45の可動部材46のスプリング48が配設された側とは反対側が液室50とされ、シミュレータ通路38に接続される。液室50はシミュレータ通路38、ブレーキ通路30を介してマスタシリンダ12の加圧室18に接続される。
シミュレータ制御弁44は、シミュレータ通路38に設けられ、ソレノイド52への供給電流の連続的な制御により、シミュレータ通路38の流路面積を連続的に制御可能な常閉の電磁リニア弁である。
シミュレータ制御弁44は、図2に示すように、弁座58と、その弁座58に対して着座・離座可能な弁子60と、弁子60を弁座58に接近させる向きに付勢するスプリング62と、プランジャ64およびコイル66を備えたソレノイド52とを含む。ソレノイド52のコイル66に電流が供給されるとプランジャ64には弁子60を弁座58から離間させる向きの電磁駆動力が加えられる。本実施例においては、弁子60とプランジャ64とは一体的に移動可能とされる。
弁子60には、前後の差圧に応じた差圧作用力と、スプリング62の付勢力と、ソレノイド52による電磁駆動力とが作用し、弁子60の弁座58に対する相対位置関係は、これら差圧作用力、スプリングの付勢力、電磁駆動力の関係によって決まる。差圧作用力が同じである場合には、供給電流が大きく電磁駆動力が大きい場合は小さい場合より開度が大きくなる。
シミュレータ通路38における作動液の流れ易さは、シミュレータ通路38の流路面積の最小値で決まるが、この流路面積の最小値は、シミュレータ通路38の開度で決まる。したがって、以下、シミュレータ制御弁44の開度とシミュレータ通路38の流路面積とは同じであると考え、区別しないで使用する。
シミュレータ制御弁44は、図2に示すように、弁座58と、その弁座58に対して着座・離座可能な弁子60と、弁子60を弁座58に接近させる向きに付勢するスプリング62と、プランジャ64およびコイル66を備えたソレノイド52とを含む。ソレノイド52のコイル66に電流が供給されるとプランジャ64には弁子60を弁座58から離間させる向きの電磁駆動力が加えられる。本実施例においては、弁子60とプランジャ64とは一体的に移動可能とされる。
弁子60には、前後の差圧に応じた差圧作用力と、スプリング62の付勢力と、ソレノイド52による電磁駆動力とが作用し、弁子60の弁座58に対する相対位置関係は、これら差圧作用力、スプリングの付勢力、電磁駆動力の関係によって決まる。差圧作用力が同じである場合には、供給電流が大きく電磁駆動力が大きい場合は小さい場合より開度が大きくなる。
シミュレータ通路38における作動液の流れ易さは、シミュレータ通路38の流路面積の最小値で決まるが、この流路面積の最小値は、シミュレータ通路38の開度で決まる。したがって、以下、シミュレータ制御弁44の開度とシミュレータ通路38の流路面積とは同じであると考え、区別しないで使用する。
ブレーキ通路30のマスタ遮断弁32よりマスタシリンダ側の部分には、マスタシリンダ圧センサ68も設けられる。マスタシリンダ圧センサ68によって検出されたマスタシリンダ圧は、ブレーキペダル10の操作力に応じた液圧である。また、ブレーキ通路30のマスタ遮断弁32よりマスタシリンダ側の部分に設けられるため、マスタ遮断弁32の閉状態においてもマスタシリンダ液圧(操作力)を検出し得る。
ブレーキ作動力制御装置4は、動力液圧源80と液圧制御弁装置82とを含む。
動力液圧源80は、例えば、ポンプ装置、アキュムレータ等を含むものであり、運転者によってブレーキペダル9が操作されなくても、作動液を加圧して供給可能なものである。
液圧制御弁装置82は、動力液圧源80とブレーキシリンダ8との間に設けられた増圧リニア弁86と、ブレーキシリンダ8とリザーバ22との間に設けられた減圧リニア弁90とを含む。増圧リニア弁86,減圧リニア弁90は、それぞれ、ソレノイド92,94への供給電流の連続的な制御により前後の差圧を制御可能な電磁リニア弁である。増圧リニア弁86,減圧リニア弁90は、図2と同様の構造を成したものであるが、増圧リニア弁86には、動力液圧源80の液圧とブレーキシリンダ8の液圧との差に応じた差圧作用力が加わり、減圧リニア弁90には、ブレーキシリンダ8の液圧に応じた差圧作用力が加わる。増圧リニア弁86,減圧リニア弁90において、電磁駆動力の制御によって差圧作用力が制御されるのであり、増圧リニア弁86においては低圧側の液圧であるブレーキシリンダ8の液圧が制御され、減圧リニア弁90においては、高圧側の液圧であるブレーキシリンダ8の液圧が制御される。
また、ブレーキ通路30のマスタ遮断弁32よりブレーキシリンダ8側の部分には、ブレーキシリンダ液圧センサ98が設けられる。
動力液圧源80は、例えば、ポンプ装置、アキュムレータ等を含むものであり、運転者によってブレーキペダル9が操作されなくても、作動液を加圧して供給可能なものである。
液圧制御弁装置82は、動力液圧源80とブレーキシリンダ8との間に設けられた増圧リニア弁86と、ブレーキシリンダ8とリザーバ22との間に設けられた減圧リニア弁90とを含む。増圧リニア弁86,減圧リニア弁90は、それぞれ、ソレノイド92,94への供給電流の連続的な制御により前後の差圧を制御可能な電磁リニア弁である。増圧リニア弁86,減圧リニア弁90は、図2と同様の構造を成したものであるが、増圧リニア弁86には、動力液圧源80の液圧とブレーキシリンダ8の液圧との差に応じた差圧作用力が加わり、減圧リニア弁90には、ブレーキシリンダ8の液圧に応じた差圧作用力が加わる。増圧リニア弁86,減圧リニア弁90において、電磁駆動力の制御によって差圧作用力が制御されるのであり、増圧リニア弁86においては低圧側の液圧であるブレーキシリンダ8の液圧が制御され、減圧リニア弁90においては、高圧側の液圧であるブレーキシリンダ8の液圧が制御される。
また、ブレーキ通路30のマスタ遮断弁32よりブレーキシリンダ8側の部分には、ブレーキシリンダ液圧センサ98が設けられる。
ブレーキECU100は、実行部102,記憶部104,入出力部106等を含むコンピュータを主体とするものであり、入出力部106には、マスタシリンダ圧センサ68,ブレーキシリンダ圧センサ98,ストロークセンサ110,ブレーキスイッチ112,走行速度センサ114等が接続されるとともに、マスタ遮断弁32,シミュレータ制御弁44,ブレーキ作動力制御装置4(増圧リニア弁86,減圧リニア弁90のソレノイド92,94、動力液圧源80)等が接続される。なお、マスタシリンダ圧センサ68等による検出値はフィルタ118によって処理される。記憶部104には、図4のフローチャートで表される開度制御プログラム、図5のフローチャートで表されるブレーキシリンダ液圧制御プログラム、図6のマップで表されるフィルタ定数決定テーブル等が記憶されている。
以上のように構成された車両用ブレーキ装置において、通常ブレーキ作動時には、マスタ遮断弁32が閉状態とされて、マスタシリンダ10とブレーキシリンダ8とが遮断される。
ブレーキ操作装置2において、シミュレータ制御弁44のソレノイド52に電流が供給されることにより、マスタシリンダ10とストロークシミュレータ42の液室50とが連通させられる。ブレーキペダル4のストロークの変化に伴ってマスタシリンダ10の加圧室18とストロークシミュレータ42の液室50との間で作動液の授受が行われ、ブレーキペダル4の操作に伴うストロークの変化が許容される。マスタシリンダ10がブレーキシリンダ8から遮断されても、運転者によるブレーキ操作フィーリングの低下が抑制される。
シミュレータ制御弁44のソレノイド52への供給電流の制御により、シミュレータ通路38の流路面積が制御される。流路面積が小さい場合は大きい場合より、ブレーキペダル4の操作速度が同じ場合に、ストロークの変化に対する反力の変化が大きくなる。
ブレーキ操作装置2において、シミュレータ制御弁44のソレノイド52に電流が供給されることにより、マスタシリンダ10とストロークシミュレータ42の液室50とが連通させられる。ブレーキペダル4のストロークの変化に伴ってマスタシリンダ10の加圧室18とストロークシミュレータ42の液室50との間で作動液の授受が行われ、ブレーキペダル4の操作に伴うストロークの変化が許容される。マスタシリンダ10がブレーキシリンダ8から遮断されても、運転者によるブレーキ操作フィーリングの低下が抑制される。
シミュレータ制御弁44のソレノイド52への供給電流の制御により、シミュレータ通路38の流路面積が制御される。流路面積が小さい場合は大きい場合より、ブレーキペダル4の操作速度が同じ場合に、ストロークの変化に対する反力の変化が大きくなる。
ブレーキ作動力制御装置4によって、ブレーキ作動力としてのブレーキシリンダ8の液圧がブレーキ操作状態に基づいて決まる目標減速度が得られるように制御される。車輪のスリップが路面の摩擦係数に対して過大でない場合には、ブレーキシリンダ8の液圧は、減速度に対応すると考えることができるため、以下の明細書において、「ブレーキシリンダ液圧の制御」と「減速度の制御」とは区別することなく使用する。
本実施例においては、ストロークセンサ110によって検出されたブレーキペダル4のストロークSTと、マスタシリンダ圧センサ68によって検出されたマスタシリンダ圧PMC(操作力に対応)とに基づいて目標減速度Grefが式
Gref=α・ST+(1−α)・PMC
に従って決定される。αは、図3に示すように可変値であり、マスタシリンダ液圧が大きい場合は小さい場合より大きくなる値である。マスタシリンダ液圧が小さい領域ではストロークの影響が大きく、マスタシリンダ液圧が大きい領域ではマスタシリンダ液圧の影響が大きくなる。マスタシリンダ液圧はブレーキペダル4のストロークの増加に遅れて増加するため、ブレーキ操作初期のマスタシリンダ液圧が小さい領域においてαを大きくして、ストロークの影響が大きくなるようにされている。
また、この式に使用されるストロークST、マスタシリンダ液圧PMCはいずれもセンサ110,68による検出値がフィルタによって処理された値であるが、本明細書においては、本発明に関連があるマスタシリンダ圧センサ68の検出値を処理するフィルタ118における処理について説明する。フィルタ118における平滑化の程度が、シミュレータ制御弁44の開度に応じて変更される。
本実施例においては、ストロークセンサ110によって検出されたブレーキペダル4のストロークSTと、マスタシリンダ圧センサ68によって検出されたマスタシリンダ圧PMC(操作力に対応)とに基づいて目標減速度Grefが式
Gref=α・ST+(1−α)・PMC
に従って決定される。αは、図3に示すように可変値であり、マスタシリンダ液圧が大きい場合は小さい場合より大きくなる値である。マスタシリンダ液圧が小さい領域ではストロークの影響が大きく、マスタシリンダ液圧が大きい領域ではマスタシリンダ液圧の影響が大きくなる。マスタシリンダ液圧はブレーキペダル4のストロークの増加に遅れて増加するため、ブレーキ操作初期のマスタシリンダ液圧が小さい領域においてαを大きくして、ストロークの影響が大きくなるようにされている。
また、この式に使用されるストロークST、マスタシリンダ液圧PMCはいずれもセンサ110,68による検出値がフィルタによって処理された値であるが、本明細書においては、本発明に関連があるマスタシリンダ圧センサ68の検出値を処理するフィルタ118における処理について説明する。フィルタ118における平滑化の程度が、シミュレータ制御弁44の開度に応じて変更される。
本実施例においては、シミュレータ制御弁44が、ブレーキペダル4の操作状態と車両の走行速度とに基づいて制御される。
ブレーキペダル4が踏み込まれる場合(ストロークが増加する操作が行われる場合)より、戻される場合(ストロークが減少する操作が行われる場合)において、シミュレータ制御弁44の開度が大きくなるように制御される。
図8の破線が示すように開度が小さい状態において、ブレーキペダル4が早戻しされた場合(ストロークが減少する操作が行われる場合において、その操作速度が大きい場合)には、マスタシリンダ液圧が急激に減少する。この場合に、前述のように目標減速度が決定される場合(αが小さい領域)には、マスタシリンダ液圧の減少に伴って目標減速度が減少するため、運転者によるブレーキシリンダ液圧の制御が困難であった。それに対して、開度が大きくされれば、図8の一点鎖線が示すように、ストロークに対するマスタシリンダ液圧の減少勾配を小さくすることができ、ブレーキシリンダ液圧の制御性を向上させることができる。
すなわち、シミュレータ制御弁44の開度が小さい場合において、ブレーキペダル10の操作速度が大きい場合は小さい場合より、ブレーキペダル10が、ストロークが増加する向きに操作される場合の操作開始当初において、ストロークの増加に対するマスタシリンダ液圧の増加勾配が大きくなり、ストロークが減少する向きに操作される場合の操作の開始当初において、ストロークの減少に対するマスタシリンダ液圧の減少勾配が大きくなる。それに対して、戻し時に開度を踏み増し時の開度より大きくすれば、戻し操作開始当初において、ストロークの減少に対するマスタシリンダ液圧の減少勾配を小さくすることができる。このように、戻し操作開始当初における場合に踏み込み操作開始当初における場合より、ストロークの変化量に対するマスタシリンダ液圧の変化量の絶対値が小さくなるようにされるのであり、それによって、ブレーキペダル10の戻し操作開始当初におけるブレーキシリンダ液圧の制御性の向上を図ることが可能となる。
ブレーキペダル4が踏み込まれる場合(ストロークが増加する操作が行われる場合)より、戻される場合(ストロークが減少する操作が行われる場合)において、シミュレータ制御弁44の開度が大きくなるように制御される。
図8の破線が示すように開度が小さい状態において、ブレーキペダル4が早戻しされた場合(ストロークが減少する操作が行われる場合において、その操作速度が大きい場合)には、マスタシリンダ液圧が急激に減少する。この場合に、前述のように目標減速度が決定される場合(αが小さい領域)には、マスタシリンダ液圧の減少に伴って目標減速度が減少するため、運転者によるブレーキシリンダ液圧の制御が困難であった。それに対して、開度が大きくされれば、図8の一点鎖線が示すように、ストロークに対するマスタシリンダ液圧の減少勾配を小さくすることができ、ブレーキシリンダ液圧の制御性を向上させることができる。
すなわち、シミュレータ制御弁44の開度が小さい場合において、ブレーキペダル10の操作速度が大きい場合は小さい場合より、ブレーキペダル10が、ストロークが増加する向きに操作される場合の操作開始当初において、ストロークの増加に対するマスタシリンダ液圧の増加勾配が大きくなり、ストロークが減少する向きに操作される場合の操作の開始当初において、ストロークの減少に対するマスタシリンダ液圧の減少勾配が大きくなる。それに対して、戻し時に開度を踏み増し時の開度より大きくすれば、戻し操作開始当初において、ストロークの減少に対するマスタシリンダ液圧の減少勾配を小さくすることができる。このように、戻し操作開始当初における場合に踏み込み操作開始当初における場合より、ストロークの変化量に対するマスタシリンダ液圧の変化量の絶対値が小さくなるようにされるのであり、それによって、ブレーキペダル10の戻し操作開始当初におけるブレーキシリンダ液圧の制御性の向上を図ることが可能となる。
ブレーキペダル10が、ストロークが増加する向きに操作された場合において、操作速度が大きい領域では小さい領域より開度が小さくされる。
図19(a)に示すように、マニュアルブレーキ装置(マスタシリンダ10とブレーキシリンダ8とが連通させられ、ブレーキペダル9の操作によりマスタシリンダ10の加圧室18に液圧が発生し、その液圧がブレーキシリンダ8に供給されることにより液圧ブレーキ6が作動させられるブレーキ装置)において、マスタシリンダ10とブレーキシリンダ8との間に絞り(アンチロック制御用のバルブに対応する)Sが設けられる場合には、マスタシリンダの液圧とブレーキペダル9のストロークとの間には、(b)に示すように、ブレーキペダル9の操作速度が大きい場合は小さい場合より場合には、ストロークの同じ増加量に対してマスタシリンダ液圧の増加量が大きくなる。この場合には、絞りSにより、ブレーキペダル9のストロークは時間に対して(c)に示すように変化し、ブレーキシリンダ8の液圧は、時間に対して(d)に示すように変化する。
図19(a)に示すように、マニュアルブレーキ装置(マスタシリンダ10とブレーキシリンダ8とが連通させられ、ブレーキペダル9の操作によりマスタシリンダ10の加圧室18に液圧が発生し、その液圧がブレーキシリンダ8に供給されることにより液圧ブレーキ6が作動させられるブレーキ装置)において、マスタシリンダ10とブレーキシリンダ8との間に絞り(アンチロック制御用のバルブに対応する)Sが設けられる場合には、マスタシリンダの液圧とブレーキペダル9のストロークとの間には、(b)に示すように、ブレーキペダル9の操作速度が大きい場合は小さい場合より場合には、ストロークの同じ増加量に対してマスタシリンダ液圧の増加量が大きくなる。この場合には、絞りSにより、ブレーキペダル9のストロークは時間に対して(c)に示すように変化し、ブレーキシリンダ8の液圧は、時間に対して(d)に示すように変化する。
それに対して、図20(a)に示すように、電気制御ブレーキ装置(マスタシリンダ10とブレーキシリンダ8とが遮断されて、ブレーキシリンダ8の液圧が、ブレーキペダル9のストロークとマスタシリンダ液圧とに基づいて制御されるブレーキ装置)においては、シミュレータ制御弁44の開度が同じである場合に、マスタシリンダ液圧とストロークとの間に(b)に示すような関係があり、ブレーキシリンダ液圧とストロークとの間には(c)に示すような関係がある。操作速度が大きい場合は小さい場合よりストロークの増加量に対するマスタシリンダ圧の増加量が大きくなり、ブレーキシリンダ圧の増加量が大きくなる。ブレーキシリンダ液圧は、前述のように、ブレーキペダル9のストロークとマスタシリンダ液圧との両方に基づいて制御されるため、ブレーキシリンダ液圧は、(d)に示すように、時間の経過に伴ってほぼ直線的に変化する。
このように、マニュアルブレーキ装置と電気制御ブレーキ装置とでは、ブレーキペダル9の操作状態と減速度との関係であるブレーキフィーリングが異なり、マニュアルブレーキ装置に慣れた運転者は違和感を感じる。具体的には、電気制御ブレーキ装置においてはマニュアルブレーキ装置におけるより、踏み込み操作開始当初において、ブレーキシリンダ液圧の増加遅れが小さく、ブレーキペダル9のストロークの増加量に対してブレーキシリンダ液圧の増加量が大きくなる。
このように、マニュアルブレーキ装置と電気制御ブレーキ装置とでは、ブレーキペダル9の操作状態と減速度との関係であるブレーキフィーリングが異なり、マニュアルブレーキ装置に慣れた運転者は違和感を感じる。具体的には、電気制御ブレーキ装置においてはマニュアルブレーキ装置におけるより、踏み込み操作開始当初において、ブレーキシリンダ液圧の増加遅れが小さく、ブレーキペダル9のストロークの増加量に対してブレーキシリンダ液圧の増加量が大きくなる。
そこで、本実施例においては、ブレーキペダル9の操作速度が大きい領域においては小さい領域より、ブレーキ操作装置2においてシミュレータ制御弁44の開度を小さくするとともに、ブレーキ作動力制御装置4においてフィルタ118における遅れを大きくする。
図7(a)に示すように、シミュレータ制御弁44の開度を小さくすることによって、マスタシリンダ液圧の増加量に対するストロークの増加量を小さくするとともに、図7(b)に示すように、フィルタ118における遅れを大きくすることにより、ブレーキ操作初期におけるブレーキシリンダ液圧の増加遅れを大きくする。
このように、ブレーキ操作初期において、マスタシリンダ液圧の増加に対するストロークの増加勾配が小さくされるとともにブレーキシリンダ液圧の増加遅れが大きくされるため、運転者によるブレーキフィーリングをマニュアルブレーキ装置における場合に近づけることができ、運転者の違和感を軽減することができる。また、ストロークの大きさと減速度の大きさとの不一致を是正することができ、それによっても、運転者の違和感を軽減し得る。
また、緊急ブレーキ操作が行われた場合には開度が大きくされる。操作力(マスタシリンダ液圧)の増加に対するストロークの増加勾配が大きくされるのであり、前述のように目標減速度が決定される場合に、操作初期(αが大きい領域)において、ブレーキシリンダの液圧を速やかに増加させることができる。
図7(a)に示すように、シミュレータ制御弁44の開度を小さくすることによって、マスタシリンダ液圧の増加量に対するストロークの増加量を小さくするとともに、図7(b)に示すように、フィルタ118における遅れを大きくすることにより、ブレーキ操作初期におけるブレーキシリンダ液圧の増加遅れを大きくする。
このように、ブレーキ操作初期において、マスタシリンダ液圧の増加に対するストロークの増加勾配が小さくされるとともにブレーキシリンダ液圧の増加遅れが大きくされるため、運転者によるブレーキフィーリングをマニュアルブレーキ装置における場合に近づけることができ、運転者の違和感を軽減することができる。また、ストロークの大きさと減速度の大きさとの不一致を是正することができ、それによっても、運転者の違和感を軽減し得る。
また、緊急ブレーキ操作が行われた場合には開度が大きくされる。操作力(マスタシリンダ液圧)の増加に対するストロークの増加勾配が大きくされるのであり、前述のように目標減速度が決定される場合に、操作初期(αが大きい領域)において、ブレーキシリンダの液圧を速やかに増加させることができる。
また、ブレーキペダル9のストロークが大きい領域では小さい領域より開度が小さくされる。
ブレーキペダル9のストロークが大きい領域ではブレーキの効きが過敏であり、減速度の制御が困難であると感じる運転者が多い。そこで、ブレーキ操作装置2において、シミュレータ制御弁44の開度を小さくし、ブレーキ作動力制御装置4において、ブレーキシリンダ液圧の増加遅れを大きくする。操作力に対するストロークの増加勾配が小さくされるとともに、ブレーキシリンダ液圧の増加遅れが大きくされるため、ブレーキの効きの応答性を適正にすることができ、かつ、運転者のブレーキフィーリングの向上を図ることができる。
ストロークが小さい領域においては、ブレーキの効きの応答性が鈍いと感じる運転者が多い。そこで、ブレーキ操作装置2において、シミュレータ制御弁44の開度を大きくする。その結果、操作力に対するストロークの増加勾配が大きくなり、操作初期において、ストロークの増加に応じて減速度を大きくすることができる。
ブレーキペダル9のストロークが大きい領域ではブレーキの効きが過敏であり、減速度の制御が困難であると感じる運転者が多い。そこで、ブレーキ操作装置2において、シミュレータ制御弁44の開度を小さくし、ブレーキ作動力制御装置4において、ブレーキシリンダ液圧の増加遅れを大きくする。操作力に対するストロークの増加勾配が小さくされるとともに、ブレーキシリンダ液圧の増加遅れが大きくされるため、ブレーキの効きの応答性を適正にすることができ、かつ、運転者のブレーキフィーリングの向上を図ることができる。
ストロークが小さい領域においては、ブレーキの効きの応答性が鈍いと感じる運転者が多い。そこで、ブレーキ操作装置2において、シミュレータ制御弁44の開度を大きくする。その結果、操作力に対するストロークの増加勾配が大きくなり、操作初期において、ストロークの増加に応じて減速度を大きくすることができる。
さらに、車両の走行速度が小さい場合は大きい場合より開度が小さくされる。
車両の走行速度が小さい場合は大きい場合より、ブレーキの効きが過敏であると感じる運転者が多い。そこで、車両の走行速度が小さい場合に開度が小さくされるとともに、フィルタ118における遅れが大きくされれば、応答性を適正なレベルとすることができ、ストロークと減速度との不一致を是正することができる。
走行速度が大きい場合は小さい場合より応答性が不足すると感じる運転者が多い。そこで、走行速度が大きい場合に開度が大きくされれば、操作初期においてストロークの増加に伴ってブレーキシリンダ液圧を大きくすることができ、応答性を向上させることができる。
車両の走行速度が小さい場合は大きい場合より、ブレーキの効きが過敏であると感じる運転者が多い。そこで、車両の走行速度が小さい場合に開度が小さくされるとともに、フィルタ118における遅れが大きくされれば、応答性を適正なレベルとすることができ、ストロークと減速度との不一致を是正することができる。
走行速度が大きい場合は小さい場合より応答性が不足すると感じる運転者が多い。そこで、走行速度が大きい場合に開度が大きくされれば、操作初期においてストロークの増加に伴ってブレーキシリンダ液圧を大きくすることができ、応答性を向上させることができる。
本実施例においては、ブレーキペダル9がストロークが減少する向きに操作される場合に開度がA0とされる。また、ブレーキペダル9がストロークが増加する向きに操作される場合において、ストロークの増加速度(dST/dt)が設定速度ΔSTth以上の場合、ストロークSTが設定値STth以上の場合、車両の走行速度Vが設定速度Vth以下の場合には、開度A0より小さい開度A2とされ、それ以外の場合には、開度A2より大きく、開度A0より小さい開度A1とされる(A0>A1>A2)。
本実施例においては、操作速度、ストローク、車速と供給電流との関係が予めテーブル化されて記憶され、それに応じて、シミュレータ制御弁44への供給電流が制御され、開度が所望の大きさとされる。
なお、本実施例においては、操作速度がストロークの変化速度として取得されるが、マスタシリンダ液圧の変化速度として取得することもできる。
また、フィルタ118における遅れの程度は、開度が小さい場合は大きい場合より大きくされる。図6に示すように、開度が小さい場合は大きい場合より平滑化が大きくなる値(フィルタ定数)とされる。
本実施例においては、操作速度、ストローク、車速と供給電流との関係が予めテーブル化されて記憶され、それに応じて、シミュレータ制御弁44への供給電流が制御され、開度が所望の大きさとされる。
なお、本実施例においては、操作速度がストロークの変化速度として取得されるが、マスタシリンダ液圧の変化速度として取得することもできる。
また、フィルタ118における遅れの程度は、開度が小さい場合は大きい場合より大きくされる。図6に示すように、開度が小さい場合は大きい場合より平滑化が大きくなる値(フィルタ定数)とされる。
シミュレータ制御弁44は図4のフローチャートで表されるシミュレータ制御弁制御プログラムの実行により制御される。
ステップ1(以下、S1と略称する。他のステップについても同様とする)において、ブレーキ作動力制御装置4によるブレーキシリンダ液圧の制御中であるか否かが判定される。ブレーキシリンダ液圧が制御中である場合はマスタ遮断弁32が閉状態にある場合に対応する。S2において、ブレーキペダル9のストロークが増加中であるか否かが判定される。
ストロークが増加中である場合には、S3において、ストロークの増加速度(dST/dt)が設定速度ΔSTth以上であるか否かが判定され、S4において、ストロークSTが設定値STth以上であるか否かが判定され、S5において、車両の走行速度Vが設定速度Vth以下であるか否かが判定される。
また、ストロークの増加速度(dST/dt)が設定速度ΔSTth以上である場合には、さらに、S6において、緊急ブレーキ判定速度ΔSTir以上であるか否かが判定される。S6における判定がNOである場合、S4,5のいずれか一方における判定がYESである場合には、S7において、シミュレータ制御弁44の制御により開度がA2とされる。さらに、S3〜5のすべてのステップにおける判定がNOである場合には、S8において、開度がA1とされる(開度A2より大きくされる)。
それに対して、ストロークが減少中である場合には、S9における判定がYESとなり、S10において、開度A0とされる。緊急ブレーキ操作であると判定された場合にもS6における判定がYESとなり、S10において開度A0とされる。
ステップ1(以下、S1と略称する。他のステップについても同様とする)において、ブレーキ作動力制御装置4によるブレーキシリンダ液圧の制御中であるか否かが判定される。ブレーキシリンダ液圧が制御中である場合はマスタ遮断弁32が閉状態にある場合に対応する。S2において、ブレーキペダル9のストロークが増加中であるか否かが判定される。
ストロークが増加中である場合には、S3において、ストロークの増加速度(dST/dt)が設定速度ΔSTth以上であるか否かが判定され、S4において、ストロークSTが設定値STth以上であるか否かが判定され、S5において、車両の走行速度Vが設定速度Vth以下であるか否かが判定される。
また、ストロークの増加速度(dST/dt)が設定速度ΔSTth以上である場合には、さらに、S6において、緊急ブレーキ判定速度ΔSTir以上であるか否かが判定される。S6における判定がNOである場合、S4,5のいずれか一方における判定がYESである場合には、S7において、シミュレータ制御弁44の制御により開度がA2とされる。さらに、S3〜5のすべてのステップにおける判定がNOである場合には、S8において、開度がA1とされる(開度A2より大きくされる)。
それに対して、ストロークが減少中である場合には、S9における判定がYESとなり、S10において、開度A0とされる。緊急ブレーキ操作であると判定された場合にもS6における判定がYESとなり、S10において開度A0とされる。
ブレーキシリンダ8の液圧は、図5のフローチャートで表されるブレーキシリンダ液圧制御プログラムの実行により制御される。
S21において、ブレーキスイッチ112がON状態にあるか否かが判定され、S22において、システムが正常であるか否かが判定される。ブレーキスイッチ112がOFF状態である場合、システムが異常である場合等には、各電磁制御弁は図1に示す状態のままとされる。ブレーキペダル9が操作されれば、マスタシリンダ10には、それに応じた液圧が発生させられて、ブレーキシリンダ8に伝達されて、液圧ブレーキ18が作動させられる。
システムが正常である場合には、S23において、マスタ遮断弁32が閉状態とされ、S24において、遅れの程度が決定される。図6に示すように、シミュレータ制御弁44における開度が小さい場合は大きい場合より遅れが大きくされるのである。
その後、S25において、ブレーキペダル9のストロークST、マスタシリンダ液圧PMCが検出され、S26において、上述の式に従って、目標減速度Grefが決定される。また、S27,28において、ブレーキシリンダ8の目標液圧が決定されるとともに、実際の液圧が目標液圧に近づくように増圧リニア弁86,減圧リニア弁90が制御される。
S21において、ブレーキスイッチ112がON状態にあるか否かが判定され、S22において、システムが正常であるか否かが判定される。ブレーキスイッチ112がOFF状態である場合、システムが異常である場合等には、各電磁制御弁は図1に示す状態のままとされる。ブレーキペダル9が操作されれば、マスタシリンダ10には、それに応じた液圧が発生させられて、ブレーキシリンダ8に伝達されて、液圧ブレーキ18が作動させられる。
システムが正常である場合には、S23において、マスタ遮断弁32が閉状態とされ、S24において、遅れの程度が決定される。図6に示すように、シミュレータ制御弁44における開度が小さい場合は大きい場合より遅れが大きくされるのである。
その後、S25において、ブレーキペダル9のストロークST、マスタシリンダ液圧PMCが検出され、S26において、上述の式に従って、目標減速度Grefが決定される。また、S27,28において、ブレーキシリンダ8の目標液圧が決定されるとともに、実際の液圧が目標液圧に近づくように増圧リニア弁86,減圧リニア弁90が制御される。
本実施例においては、シミュレータ制御弁44によってシミュレータ制御弁装置が構成され、ブレーキECU100の図4のフローチャートで表される開度制御プログラムを記憶する部分、実行する部分等によりシミュレータ制御装置が構成される。シミュレータ制御装置は流路面積制御部でもある。また、シミュレータ制御装置のうちのS2〜8,10を記憶する部分、実行する部分等によりストローク増加中流路面積制御部が構成され、S2,3,7,8を記憶する部分、実行する部分等により操作速度対応制御部が構成され、S2,4,7,8を記憶する部分、実行する部分等によりストローク対応制御部が構成され、S5,7,8を記憶する部分、実行する部分等により走行速度対応制御部が構成される。さらに、ブレーキECU100の図5のフローチャートで表されるブレーキシリンダ液圧制御プログラムを記憶する部分、実行する部分等によりブレーキフィーリング制御部が構成され、そのうちの、S24を記憶する部分、実行する部分および図6のマップで表されるテーブルを記憶する部分等によりフィルタ制御部が構成される。
なお、上記実施例においては、シミュレータ制御弁44における開度が段階的に変化させられるようにされていたが、操作速度、ストロークの大きさ、車両の走行速度に応じて連続的に制御されるようにすることができる。
また、開度の連続的な変化に応じて、フィルタ118における遅れの程度も連続的に制御されるようにすることもできる。
さらに、シミュレータ制御弁44は、上記実施例においては、増圧リニア弁、減圧リニア弁等と同じ構造を成したリニア弁とされたが、単なる可変絞りとすることもできる。
また、上記実施例においては、ストロークが増加する操作が行われた場合に、シミュレータ制御弁44の開度が、操作速度、ストローク、車両の走行速度に基づいて制御されるようにされていたが、ストロークが減少する操作が行われた場合にも同様に制御されるようにすることもできる。
また、開度の連続的な変化に応じて、フィルタ118における遅れの程度も連続的に制御されるようにすることもできる。
さらに、シミュレータ制御弁44は、上記実施例においては、増圧リニア弁、減圧リニア弁等と同じ構造を成したリニア弁とされたが、単なる可変絞りとすることもできる。
また、上記実施例においては、ストロークが増加する操作が行われた場合に、シミュレータ制御弁44の開度が、操作速度、ストローク、車両の走行速度に基づいて制御されるようにされていたが、ストロークが減少する操作が行われた場合にも同様に制御されるようにすることもできる。
さらに、上記実施例においては、シミュレータ制御弁44はマスタシリンダ10とストロークシミュレータ42との間に設けられたが、図9に示すように、ストロークシミュレータ42とリザーバ22との間に設けることができる。
ストロークシミュレータ42の可動部材46の液室50とは反対側を液室200とし、その液室200とリザーバ22とをシミュレータ通路202によって接続し、そのシミュレータ通路202にシミュレータ制御弁44が設けられる。
本実施例においては、ブレーキペダル9がストロークが増加する向きに操作されると、液室50にマスタシリンダ10の加圧室18から作動液が流入し、可動部材46が移動させられ、液室200からリザーバ22に作動液が流出する。また、ブレーキペダル9がストロークが減少する向きに操作されると、リターンスプリング20,21により加圧ピストン14,15が後退させられ、液室50からマスタシリンダ10に作動液が戻される。また、スプリング48により可動部材46が戻され、リザーバ22から液室200に作動液が流入する。
シミュレータ制御弁44の開度は、上記実施例における場合と同様に制御される。例えば、ブレーキペダル10が戻される場合に踏み込まれる場合より開度が大きくされる。それによって、リザーバ22からストロークシミュレータ42の液室200への作動液が流入され易くされ、戻し操作時のブレーキシリンダ液圧の制御性の向上を図ることができる。
ストロークシミュレータ42の可動部材46の液室50とは反対側を液室200とし、その液室200とリザーバ22とをシミュレータ通路202によって接続し、そのシミュレータ通路202にシミュレータ制御弁44が設けられる。
本実施例においては、ブレーキペダル9がストロークが増加する向きに操作されると、液室50にマスタシリンダ10の加圧室18から作動液が流入し、可動部材46が移動させられ、液室200からリザーバ22に作動液が流出する。また、ブレーキペダル9がストロークが減少する向きに操作されると、リターンスプリング20,21により加圧ピストン14,15が後退させられ、液室50からマスタシリンダ10に作動液が戻される。また、スプリング48により可動部材46が戻され、リザーバ22から液室200に作動液が流入する。
シミュレータ制御弁44の開度は、上記実施例における場合と同様に制御される。例えば、ブレーキペダル10が戻される場合に踏み込まれる場合より開度が大きくされる。それによって、リザーバ22からストロークシミュレータ42の液室200への作動液が流入され易くされ、戻し操作時のブレーキシリンダ液圧の制御性の向上を図ることができる。
また、ストロークシミュレータ装置は、図10に示す構造を成したものとすることができる。
本実施例においては、ストロークシミュレータ210がマスタシリンダ10の加圧室18と連通させられた液室を有しないものである。
ストロークシミュレータ210は、マスタシリンダ10のハウジング13と一体的に設けられたハウジング211と、ハウジング211に液密かつ摺動可能に嵌合され、マスタシリンダ10の加圧ピストン14の移動に伴って移動させられる可動部材212と、可動部材212の加圧室18とは反対側に設けられたスプリング214とを含む。このスプリング214が配設された液室216はリザーバ22とシミュレータ通路218によって接続され、そのシミュレータ通路218にシミュレータ制御弁44が設けられる。
可動部材212は、加圧室18の液圧によって移動させられ、それによって、液室216とリザーバ22との間で作動液の授受が行われる。本実施例においては、ストロークシミュレータ210およびシミュレータ制御弁44等によりストロークシミュレータ装置220が構成される。
シミュレータ制御弁44の開度は、上記実施例における場合と同様に制御される。シミュレータ制御弁44により、シミュレータ通路218の開度が小さくされれば、液室216とリザーバ22との間の作動液が流れ難くなる。
本実施例においては、ストロークシミュレータ210がマスタシリンダ10の加圧室18と連通させられた液室を有しないものである。
ストロークシミュレータ210は、マスタシリンダ10のハウジング13と一体的に設けられたハウジング211と、ハウジング211に液密かつ摺動可能に嵌合され、マスタシリンダ10の加圧ピストン14の移動に伴って移動させられる可動部材212と、可動部材212の加圧室18とは反対側に設けられたスプリング214とを含む。このスプリング214が配設された液室216はリザーバ22とシミュレータ通路218によって接続され、そのシミュレータ通路218にシミュレータ制御弁44が設けられる。
可動部材212は、加圧室18の液圧によって移動させられ、それによって、液室216とリザーバ22との間で作動液の授受が行われる。本実施例においては、ストロークシミュレータ210およびシミュレータ制御弁44等によりストロークシミュレータ装置220が構成される。
シミュレータ制御弁44の開度は、上記実施例における場合と同様に制御される。シミュレータ制御弁44により、シミュレータ通路218の開度が小さくされれば、液室216とリザーバ22との間の作動液が流れ難くなる。
なお、図9,10に示す実施例において、リザーバ22の代わりにブレーキアクチュエータとすることができる。例えば、ストロークシミュレータの液室200,216から流出した作動液を液圧ブレーキ6の作動に利用されるようにするのである。
さらに、シミュレータ制御弁はリニア弁ではなく、図11に示すように、電磁開閉弁230とすることができる。
本実施例においては、シミュレータ制御弁としての電磁開閉弁230のデューティ制御により開度が制御される。デューティ比{開時間/(開時間+閉時間)}が大きい場合は小さい場合より開度が大きくされる。デューティ制御によって電磁開閉弁230の開度が開状態と閉状態との中間の大きさとされる場合と、開状態と閉状態との繰り返しにより実効開度が開状態と閉状態との中間の大きさとされる場合とがある。いずれにしても、デューティ制御により開度が制御されると考えることができる。
電磁開閉弁230は上記実施例における場合と同様に制御されるのであり、開度がデューティ比の大きさに対応する。
本実施例においては、ストロークシミュレータ42、電磁開閉弁230等によってストロークシミュレータ装置232が構成される。
本実施例においては、シミュレータ制御弁としての電磁開閉弁230のデューティ制御により開度が制御される。デューティ比{開時間/(開時間+閉時間)}が大きい場合は小さい場合より開度が大きくされる。デューティ制御によって電磁開閉弁230の開度が開状態と閉状態との中間の大きさとされる場合と、開状態と閉状態との繰り返しにより実効開度が開状態と閉状態との中間の大きさとされる場合とがある。いずれにしても、デューティ制御により開度が制御されると考えることができる。
電磁開閉弁230は上記実施例における場合と同様に制御されるのであり、開度がデューティ比の大きさに対応する。
本実施例においては、ストロークシミュレータ42、電磁開閉弁230等によってストロークシミュレータ装置232が構成される。
また、シミュレータ制御弁装置は、図12に示す構造を成したものとすることができる。
本実施例においては、ブレーキ通路30とストロークシミュレータ42とが互いに並列な2本のシミュレータ通路250,252によって接続され、シミュレータ通路250,252のそれぞれに上記実施例におけるシミュレータ制御弁44と同様の構造を成したリニア弁であるシミュレータ制御弁254,256が設けられる。これら2つのシミュレータ制御弁254,256の制御により、マスタシリンダ10とストロークシミュレータ42との間のシミュレータ通路の流路面積(作動液の流れ難さ)が制御される。
2つのシミュレータ制御弁254,256は上記実施例における場合と同様に制御される。シミュレータ制御弁254の開度(シミュレータ通路250の流路面積)とシミュレータ制御弁256の開度(シミュレータ通路252の流路面積)との和が開度A1となるように制御されたり、開度A2となるように制御されたり、開度A0となるように制御されたりする。シミュレータ制御弁254,256のいずれか一方を閉状態とすることもできる。
本実施例においては、2つのシミュレータ制御弁254,256等によりシミュレータ制御弁装置260が構成され、シミュレータ制御弁装置260、ストロークシミュレータ42等によりストロークシミュレータ装置262が構成される。
なお、シミュレータ制御弁254,256を、リニア弁ではなく、電磁開閉弁とすることができる。電磁開閉弁の制御についても同様であり、デューティ比が開度に対応する。
本実施例においては、ブレーキ通路30とストロークシミュレータ42とが互いに並列な2本のシミュレータ通路250,252によって接続され、シミュレータ通路250,252のそれぞれに上記実施例におけるシミュレータ制御弁44と同様の構造を成したリニア弁であるシミュレータ制御弁254,256が設けられる。これら2つのシミュレータ制御弁254,256の制御により、マスタシリンダ10とストロークシミュレータ42との間のシミュレータ通路の流路面積(作動液の流れ難さ)が制御される。
2つのシミュレータ制御弁254,256は上記実施例における場合と同様に制御される。シミュレータ制御弁254の開度(シミュレータ通路250の流路面積)とシミュレータ制御弁256の開度(シミュレータ通路252の流路面積)との和が開度A1となるように制御されたり、開度A2となるように制御されたり、開度A0となるように制御されたりする。シミュレータ制御弁254,256のいずれか一方を閉状態とすることもできる。
本実施例においては、2つのシミュレータ制御弁254,256等によりシミュレータ制御弁装置260が構成され、シミュレータ制御弁装置260、ストロークシミュレータ42等によりストロークシミュレータ装置262が構成される。
なお、シミュレータ制御弁254,256を、リニア弁ではなく、電磁開閉弁とすることができる。電磁開閉弁の制御についても同様であり、デューティ比が開度に対応する。
シミュレータ制御弁装置は、図13に示す構造を成したものとすることができる。ブレーキ通路30とストロークシミュレータ42とがシミュレータ制御弁44をバイパスするバイパス通路280によって接続されるとともに、バイパス通路280に逆止弁282が設けられる。逆止弁282は、ストロークシミュレータ42からブレーキ通路30へ向かう作動液の流れを許容し、逆向きの流れを阻止するものである。逆止弁282によれば、ブレーキペダル9が戻される場合に、ストロークシミュレータ42からマスタシリンダ10への作動液の流入が許容されて、ブレーキペダル9が踏み込み操作される場合に作動液の流れが阻止される。
シミュレータ制御弁44は、ブレーキペダル9が踏み込まれる場合には、上記各実施例における場合と同様に制御される。また、ブレーキペダル9が戻される場合には、シミュレータ制御弁44の開度を0とし、バイパス通路280を経て作動液が戻されるようにする。
本実施例においては、シミュレータ制御弁44,逆止弁280等によりシミュレータ制御弁装置284が構成され、シミュレータ制御弁装置282,ストロークシミュレータ42等によりストロークシミュレータ装置286が構成される。
なお、逆止弁282の代わりにカップシールとすることもできる。
また、ブレーキペダル10が戻される場合には、シミュレータ制御弁44を開状態とすることができる。この場合には、ストロークシミュレータ42からマスタシリンダ10にシミュレータ通路38とバイパス通路280との両方から作動液が戻されることになる。
シミュレータ制御弁44は、ブレーキペダル9が踏み込まれる場合には、上記各実施例における場合と同様に制御される。また、ブレーキペダル9が戻される場合には、シミュレータ制御弁44の開度を0とし、バイパス通路280を経て作動液が戻されるようにする。
本実施例においては、シミュレータ制御弁44,逆止弁280等によりシミュレータ制御弁装置284が構成され、シミュレータ制御弁装置282,ストロークシミュレータ42等によりストロークシミュレータ装置286が構成される。
なお、逆止弁282の代わりにカップシールとすることもできる。
また、ブレーキペダル10が戻される場合には、シミュレータ制御弁44を開状態とすることができる。この場合には、ストロークシミュレータ42からマスタシリンダ10にシミュレータ通路38とバイパス通路280との両方から作動液が戻されることになる。
シミュレータ制御弁装置は、図14に示す構造を成したものとすることができる。図14(a)に示すように、ブレーキ通路30とストロークシミュレータ42とを接続するシミュレータ通路300に流量制御弁302と電磁開閉弁304とが互いに直列に設けられる。
電磁開閉弁304は、ブレーキシリンダ8の液圧がブレーキ作動力制御装置4によって制御される場合(マスタ遮断弁32が閉状態にある場合)に開状態とされ、ブレーキシリンダ8がマスタシリンダ10からの液圧により作動させられる場合(マスタ遮断弁32が開状態にある場合)に閉状態とされる。
流量制御弁302は、図14(b)に示すように、(i)ハウジング308に設けられた弁座310と、(ii)弁座310に対して接近・離間可能に設けられた弁子312と、(iii)弁子312を弁座310から離間する向きに付勢力を付与するスプリング314と、(iv)作動液の流速に応じた力が加わる受圧面316を備え、弁子312に駆動力を付与するプランジャ318とを含む。また、ハウジング308には連通路320が設けられる。
プランジャ318の受圧面316に加わる力がスプリング314のセット荷重より大きくなると、プランジャ318はスプリング314の付勢力に抗して前進し、弁子312と弁座310との間の隙間(開度に対応)が狭くなる。また、受圧面316に力が加わらない場合には、スプリング314により弁子312が弁座310から離間させられ、隙間が最大となる。
受圧面316には、ブレーキペダル10が、ストロークが増加する向きに操作される場合に、プランジャ318を前進させる向きの力が加わるが、その力は、ブレーキペダル10の操作速度が大きい場合は小さい場合より(作動液が流速が大きい場合は小さい場合より)大きくなる。また、ブレーキペダル10がストロークが減少する向きに操作される場合には、前進させる向きの力が加わらない。
このように、本実施例においては、ブレーキペダル10が踏み込まれる場合において、操作速度が大きい場合は小さい場合より、受圧面316に加わる力が大きくなるため、開度が小さくなり、戻される場合には、開度が最大となる。
本実施例においては、流量制御弁302,電磁開閉弁304等によりシミュレータ制御弁装置320が構成され、シミュレータ制御弁装置320,ストロークシミュレータ42等によりストロークシミュレータ装置322が構成される。
電磁開閉弁304は、ブレーキシリンダ8の液圧がブレーキ作動力制御装置4によって制御される場合(マスタ遮断弁32が閉状態にある場合)に開状態とされ、ブレーキシリンダ8がマスタシリンダ10からの液圧により作動させられる場合(マスタ遮断弁32が開状態にある場合)に閉状態とされる。
流量制御弁302は、図14(b)に示すように、(i)ハウジング308に設けられた弁座310と、(ii)弁座310に対して接近・離間可能に設けられた弁子312と、(iii)弁子312を弁座310から離間する向きに付勢力を付与するスプリング314と、(iv)作動液の流速に応じた力が加わる受圧面316を備え、弁子312に駆動力を付与するプランジャ318とを含む。また、ハウジング308には連通路320が設けられる。
プランジャ318の受圧面316に加わる力がスプリング314のセット荷重より大きくなると、プランジャ318はスプリング314の付勢力に抗して前進し、弁子312と弁座310との間の隙間(開度に対応)が狭くなる。また、受圧面316に力が加わらない場合には、スプリング314により弁子312が弁座310から離間させられ、隙間が最大となる。
受圧面316には、ブレーキペダル10が、ストロークが増加する向きに操作される場合に、プランジャ318を前進させる向きの力が加わるが、その力は、ブレーキペダル10の操作速度が大きい場合は小さい場合より(作動液が流速が大きい場合は小さい場合より)大きくなる。また、ブレーキペダル10がストロークが減少する向きに操作される場合には、前進させる向きの力が加わらない。
このように、本実施例においては、ブレーキペダル10が踏み込まれる場合において、操作速度が大きい場合は小さい場合より、受圧面316に加わる力が大きくなるため、開度が小さくなり、戻される場合には、開度が最大となる。
本実施例においては、流量制御弁302,電磁開閉弁304等によりシミュレータ制御弁装置320が構成され、シミュレータ制御弁装置320,ストロークシミュレータ42等によりストロークシミュレータ装置322が構成される。
なお、スプリング314は、変形量と弾性力とが線型な関係を有するものとしても、非線型な関係を有するものとしてもよい。例えば、タケノコ型のばねとする等変形量が大きくなると弾性力が大きくなるものとすれば、ブレーキペダル9の操作速度が大きい場合の隙間のコントロールが容易となる。
また、図15に示すように、スプリング314と並列にスプリング330を設けることができる。プランジャ318の前進量が設定量に達すると、プランジャ318の端面がハウジング308に対して相対移動可能なスプリング支持部材332に当接し、それ以降、プランジャ318の前進に伴ってスプリング314とスプリング330との両方が変形させられる。したがって、プランジャ318の前進量が大きくなると弾性力が大きくなり、非線型な特性のばねを使用した場合と同様の効果が得られる。開度と受圧面316に加わる力との関係は、例えば、図16に示す関係とすることができる。
なお、スプリングは、直列に複数設けることもできる。
また、図15に示すように、スプリング314と並列にスプリング330を設けることができる。プランジャ318の前進量が設定量に達すると、プランジャ318の端面がハウジング308に対して相対移動可能なスプリング支持部材332に当接し、それ以降、プランジャ318の前進に伴ってスプリング314とスプリング330との両方が変形させられる。したがって、プランジャ318の前進量が大きくなると弾性力が大きくなり、非線型な特性のばねを使用した場合と同様の効果が得られる。開度と受圧面316に加わる力との関係は、例えば、図16に示す関係とすることができる。
なお、スプリングは、直列に複数設けることもできる。
シミュレータ制御弁装置は、図17に示す構造を成したものとすることができる。本実施例においては、シミュレータ制御弁装置350は、ブレーキ通路30とストロークシミュレータ42との間の互いに並列に設けられた2つのシミュレータ通路352,354の各々に設けられた固定絞り360,362と、シミュレータ通路352,354とストロークシミュレータ42との間に設けられた方向切換弁364とを含む。本実施例においては、固定絞り360の開度は固定絞り362の開度より大きくされている。また、方向切換弁364は、ストロークシミュレータ42をシミュレータ通路352,354から遮断する状態と、シミュレータ通路352に連通させてシミュレータ通路354から遮断する第1状態と、シミュレータ通路354に連通させてシミュレータ通路352から遮断する第2状態とに切換可能なものである。
方向切換弁264の制御は、ブレーキペダル9が踏み込み操作された場合には第2状態となるように制御され、戻される場合に第1状態となるように制御される。それによって、ブレーキペダル10が戻される場合に踏み込み操作される場合より開度を大きくすることができる。
また、ブレーキペダル9の踏み込み速度が大きい領域では第2状態とし、踏み込み速度が小さい領域では第1状態とすることもできる。
本実施例においては、シミュレータ制御弁装置350、ストロークシミュレータ42等によりストロークシミュレータ装置368が構成される。
方向切換弁264の制御は、ブレーキペダル9が踏み込み操作された場合には第2状態となるように制御され、戻される場合に第1状態となるように制御される。それによって、ブレーキペダル10が戻される場合に踏み込み操作される場合より開度を大きくすることができる。
また、ブレーキペダル9の踏み込み速度が大きい領域では第2状態とし、踏み込み速度が小さい領域では第1状態とすることもできる。
本実施例においては、シミュレータ制御弁装置350、ストロークシミュレータ42等によりストロークシミュレータ装置368が構成される。
なお、ブレーキ作動力制御装置4においては、目標減速度Grefが上述の式に図18に示す効き補正値βを加えた値として決定されるようにすることができる。
Gref=α・ST+(1−α)・PMC+β
効き補正値βは、ブレーキ操作初期において大きく、時間の経過に伴って漸減させられ、経過時間が設定時間T0に達すると0となる値である。図18に示すように、ブレーキ操作開始から設定時間T1が経過するまでの間は一定値とされるが、その後時間に伴って直線的に減少させられる。この効き補正値決定テーブルは記憶部104に記憶されている。
このように、ストロークST,操作力PMC、αに基づいて決まる目標減速度(暫定目標値と称する)に補正値βを加えられた値を最終的な目標減速度とすれば、操作開始当初において、目標減速度を大きくすることができる。
Gref=α・ST+(1−α)・PMC+β
効き補正値βは、ブレーキ操作初期において大きく、時間の経過に伴って漸減させられ、経過時間が設定時間T0に達すると0となる値である。図18に示すように、ブレーキ操作開始から設定時間T1が経過するまでの間は一定値とされるが、その後時間に伴って直線的に減少させられる。この効き補正値決定テーブルは記憶部104に記憶されている。
このように、ストロークST,操作力PMC、αに基づいて決まる目標減速度(暫定目標値と称する)に補正値βを加えられた値を最終的な目標減速度とすれば、操作開始当初において、目標減速度を大きくすることができる。
なお、効き補正値βは、図18のマップで表される効き補正値決定テーブルに限らず、他のテーブルに従って決定されるようにすることもできる。操作当初において時間が経過した後より大きくなる値とされればよい。
また、上記実施例においては、ブレーキが液圧ブレーキであったが、電動ブレーキとすることもできる。さらに、ストロークシミュレータ装置は、電気的な制御によりストロークと反力との関係を制御し得るものとすることができる。
さらに、上述のように、複数の実施例について説明したが、これらを適宜組み合わせることもできる。
その他、本発明は、前記記載の態様の他、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
さらに、上述のように、複数の実施例について説明したが、これらを適宜組み合わせることもできる。
その他、本発明は、前記記載の態様の他、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
2:ブレーキ操作装置 4:ブレーキ作動力制御装置 9:ブレーキペダル 10:マスタシリンダ 12,220,232,262,286,322,368:ストロークシミュレータ装置 22:リザーバ 42,210:ストロークシミュレータ 44,230,254,256:シミュレータ制御弁 50:液室 200:液室 68:マスタシリンダ圧センサ 100:ブレーキECU 110:ストロークセンサ 118:フィルタ 260,284,320,350:シミュレータ制御弁装置 282:逆止弁 302:流量制御弁 360,362:固定絞り 364:方向切換弁
Claims (9)
- 運転者によって操作されるブレーキ操作部材と、
そのブレーキ操作部材のストロークの変化に応じて作動液が流出・流入させられるストロークシミュレータと、
そのストロークシミュレータにおける作動液の流出入の状態を制御するシミュレータ制御弁装置と、
そのシミュレータ制御弁装置を制御することにより、前記ブレーキ操作部材がストロークが減少する向きに操作される場合に、ストロークが増加する向きに操作される場合より、前記ブレーキ操作部材の同じ操作速度に対して、前記ストロークシミュレータにおける作動液の流出・流入が行われ易くするシミュレータ制御装置と
を含むことを特徴とするブレーキ操作装置。 - 前記ストロークシミュレータが、前記ブレーキ操作部材に連携させられた加圧ピストンを備えたマスタシリンダの加圧室に接続され、前記シミュレータ制御弁装置が、それらマスタシリンダの加圧室とストロークシミュレータとを接続する液通路に設けられ、前記シミュレータ制御装置が、そのシミュレータ制御弁装置の制御により、前記ブレーキ操作部材がストロークが減少する向きに操作される場合に、ストロークが増加する向きに操作される場合より前記液通路の流路抵抗を小さくする流路抵抗制御部を含む請求項1に記載のブレーキ操作装置。
- 前記シミュレータ制御弁装置が、前記ストロークシミュレータと作動液収容装置とを接続する液通路に設けられ、前記シミュレータ制御装置が、そのシミュレータ制御弁装置を制御することにより、前記ブレーキ操作部材がストロークが減少する向きに操作される場合に、ストロークが増加する向きに操作される場合より前記液通路の流路抵抗を小さくする流路抵抗制御部とを含む請求項1に記載のブレーキ装置。
- 前記流路抵抗制御部が、前記ブレーキ操作部材がストロークが増加する向きに操作される場合に、前記ブレーキ操作部材の操作状態に基づいて前記流路抵抗を制御するストローク増加中流路抵抗制御部を含む請求項2または3に記載のブレーキ操作装置。
- 前記ストローク増加中流路抵抗制御部が、前記ブレーキ操作部材の操作速度が大きい領域では小さい領域より前記流路抵抗を大きくする操作速度対応制御部と、前記ブレーキ操作部材の操作ストロークが大きい領域では小さい領域より前記流路抵抗を大きくするストローク対応制御部との少なくとも一方を含む請求項4に記載のブレーキ操作装置。
- 前記シミュレータ制御装置が、前記車両の走行速度が小さい場合は大きい場合より、前記流路抵抗を大きくする走行速度対応制御部を含む請求項2ないし5のいずれか1つに記載のブレーキ操作装置。
- 請求項1ないし6のいずれか1つに記載のブレーキ操作装置と、
車両の車輪の回転を抑制するブレーキと、
前記ブレーキ操作部材の操作状態に基づいて前記ブレーキの作動力を制御するブレーキ作動力制御装置と
を含む車両用ブレーキ装置であって、
前記ブレーキ作動力制御装置が、前記ブレーキ操作部材の操作状態と前記車両の走行状態との少なくとも一方に基づいて前記ブレーキ作動力を制御して、前記ブレーキ操作部材の操作状態と前記ブレーキ作動力との関係を制御するブレーキフィーリング制御部を含むことを特徴とする車両用ブレーキ装置。 - さらに、前記ブレーキ操作部材の操作状態を検出する操作状態検出装置と、
その操作状態検出装置による検出値を処理するフィルタと
を含み、
前記ブレーキフィーリング制御部が、前記フィルタによって処理された値であるフィルタ処理値に基づいて前記ブレーキ作動力を制御するフィルタ処理値対応ブレーキ作動力制御部と、前記ストロークシミュレータにおける作動液の流入・流出が行われ難くされた場合はそうでない場合より前記フィルタにおける遅れを大きくするフィルタ制御部とを含む請求項7に記載の車両用ブレーキ装置。 - 運転者により操作されるブレーキ操作部材と、
そのブレーキ操作部材のストロークの変化に応じて作動させられ、反力を付与するストロークシミュレータ装置と
を含むブレーキ操作装置であって、
前記ストロークシミュレータ装置が、前記ブレーキ操作部材が同じ操作速度でストロークが増加する向きに操作される場合より、ストロークが減少する向きに操作される場合に、ストロークと反力との関係を、同じストロークの変化に対して反力の変化が小さくなるように制御する反力制御部を含むことを特徴とするブレーキ操作装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005071028A JP2006248473A (ja) | 2005-03-14 | 2005-03-14 | ブレーキ操作装置および車両用ブレーキ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005071028A JP2006248473A (ja) | 2005-03-14 | 2005-03-14 | ブレーキ操作装置および車両用ブレーキ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006248473A true JP2006248473A (ja) | 2006-09-21 |
Family
ID=37089402
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005071028A Withdrawn JP2006248473A (ja) | 2005-03-14 | 2005-03-14 | ブレーキ操作装置および車両用ブレーキ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006248473A (ja) |
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1873026A2 (en) * | 2006-06-27 | 2008-01-02 | Delphi Technologies, Inc. | Piezoelectric composite brake pedal feel emulating system |
JP2008080847A (ja) * | 2006-09-26 | 2008-04-10 | Nissan Motor Co Ltd | 制動力制御装置 |
JP2008126695A (ja) * | 2006-11-16 | 2008-06-05 | Nissan Motor Co Ltd | 制動力制御装置 |
JP2010167915A (ja) * | 2009-01-23 | 2010-08-05 | Toyota Motor Corp | ブレーキ制御装置 |
JP2011235896A (ja) * | 2011-08-31 | 2011-11-24 | Nissan Motor Co Ltd | 制動力制御装置 |
JP2012051455A (ja) * | 2010-09-01 | 2012-03-15 | Hitachi Automotive Systems Ltd | 液圧ブレーキ制御装置 |
JP2012188025A (ja) * | 2011-03-11 | 2012-10-04 | Honda Motor Co Ltd | 車両用制動力発生装置 |
WO2012161016A1 (ja) * | 2011-05-23 | 2012-11-29 | ローベルト ボッシュ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | ストロークシミュレータ、このストロークシミュレータを有するマスタシリンダ、およびこのマスタシリンダを用いたブレーキシステム |
US8850810B2 (en) | 2011-03-11 | 2014-10-07 | Honda Motor Co., Ltd. | Vehicular hydraulic-pressure-generation device and vehicular braking-force generation device |
WO2015041141A1 (ja) * | 2013-09-17 | 2015-03-26 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | ブレーキ制御装置及びブレーキ制御方法 |
CN106232441A (zh) * | 2014-04-24 | 2016-12-14 | 日立汽车系统株式会社 | 制动控制装置、制动系统及制动液压产生方法 |
JP2020067041A (ja) * | 2018-10-25 | 2020-04-30 | トヨタ自動車株式会社 | 車両の制御装置 |
-
2005
- 2005-03-14 JP JP2005071028A patent/JP2006248473A/ja not_active Withdrawn
Cited By (19)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1873026A2 (en) * | 2006-06-27 | 2008-01-02 | Delphi Technologies, Inc. | Piezoelectric composite brake pedal feel emulating system |
EP1873026A3 (en) * | 2006-06-27 | 2010-08-18 | Delphi Technologies, Inc. | Piezoelectric composite brake pedal feel emulating system |
JP2008080847A (ja) * | 2006-09-26 | 2008-04-10 | Nissan Motor Co Ltd | 制動力制御装置 |
JP2008126695A (ja) * | 2006-11-16 | 2008-06-05 | Nissan Motor Co Ltd | 制動力制御装置 |
JP2010167915A (ja) * | 2009-01-23 | 2010-08-05 | Toyota Motor Corp | ブレーキ制御装置 |
JP2012051455A (ja) * | 2010-09-01 | 2012-03-15 | Hitachi Automotive Systems Ltd | 液圧ブレーキ制御装置 |
US8850810B2 (en) | 2011-03-11 | 2014-10-07 | Honda Motor Co., Ltd. | Vehicular hydraulic-pressure-generation device and vehicular braking-force generation device |
JP2012188025A (ja) * | 2011-03-11 | 2012-10-04 | Honda Motor Co Ltd | 車両用制動力発生装置 |
WO2012161016A1 (ja) * | 2011-05-23 | 2012-11-29 | ローベルト ボッシュ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | ストロークシミュレータ、このストロークシミュレータを有するマスタシリンダ、およびこのマスタシリンダを用いたブレーキシステム |
JP2011235896A (ja) * | 2011-08-31 | 2011-11-24 | Nissan Motor Co Ltd | 制動力制御装置 |
WO2015041141A1 (ja) * | 2013-09-17 | 2015-03-26 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | ブレーキ制御装置及びブレーキ制御方法 |
JP2015058719A (ja) * | 2013-09-17 | 2015-03-30 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | ブレーキ制御装置及びブレーキ制御方法 |
CN105492270A (zh) * | 2013-09-17 | 2016-04-13 | 日立汽车系统株式会社 | 制动控制装置以及制动控制方法 |
US9821783B2 (en) | 2013-09-17 | 2017-11-21 | Hitachi Automotive Systems, Ltd. | Brake control apparatus and brake control method |
CN106232441A (zh) * | 2014-04-24 | 2016-12-14 | 日立汽车系统株式会社 | 制动控制装置、制动系统及制动液压产生方法 |
CN106232441B (zh) * | 2014-04-24 | 2019-07-26 | 日立汽车系统株式会社 | 制动控制装置、制动系统及制动液压产生方法 |
JP2020067041A (ja) * | 2018-10-25 | 2020-04-30 | トヨタ自動車株式会社 | 車両の制御装置 |
CN111098708A (zh) * | 2018-10-25 | 2020-05-05 | 丰田自动车株式会社 | 车辆的控制装置 |
JP7139875B2 (ja) | 2018-10-25 | 2022-09-21 | トヨタ自動車株式会社 | 車両の制御装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2006248473A (ja) | ブレーキ操作装置および車両用ブレーキ装置 | |
EP2209681B1 (en) | Brake apparatus | |
JP4691808B2 (ja) | 車両用液圧ブレーキ装置 | |
US20150232076A1 (en) | Brake Control Device | |
JP4446232B2 (ja) | 車両用制動装置 | |
JP2001225739A (ja) | 車両用ブレーキシステム | |
JP2000203413A (ja) | 液圧ブレ―キ装置 | |
JPH0551500B2 (ja) | ||
US20160052498A1 (en) | Brake-Hydraulic-Pressure Control Device | |
JP5831427B2 (ja) | マスタシリンダ装置 | |
JP5733291B2 (ja) | マスタシリンダ装置 | |
JP6245696B2 (ja) | ブレーキ液圧発生装置 | |
JP5742764B2 (ja) | 電子制御ブレーキシステム | |
JPH07156785A (ja) | 液圧ブレーキ装置の圧力発生装置 | |
JP5692202B2 (ja) | マスタシリンダおよびマスタシリンダ装置 | |
JP3827275B2 (ja) | ブレーキシステム | |
JPH06211124A (ja) | ブレーキストロークシミュレータ | |
US20070228816A1 (en) | Brake fluid pressure controller for vehicle | |
JP4780948B2 (ja) | ブレーキ液圧制御装置 | |
WO2017170596A1 (ja) | 車両用制動装置 | |
US11524669B2 (en) | Brake controller | |
JP2017185983A (ja) | 車両用制動装置 | |
JP7255388B2 (ja) | 制動制御装置 | |
JP2002264797A (ja) | ブレーキ装置 | |
JP2006027453A (ja) | 電磁制御弁制御装置およびブレーキ液圧制御装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20080603 |