JP2006248061A - サイプ形成用ブレードの強度評価方法および装置 - Google Patents

サイプ形成用ブレードの強度評価方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 サイプ形成用ブレード25の強度を使用前に迅速かつ正確に評価する。
【解決手段】 評価ブレード25の基端部を固定台33に固定した後、付与手段38によって評価ブレード25の突出部25aに対し垂直方向の荷重を規定回数以上付与し繰り返し撓ませることで、疲労破壊に関する強度評価を行うようにしたので、実際にブレード25を加硫金型に装着して未加硫タイヤを繰り返し加硫しなくても、ブレード25の疲労破壊に関する強度評価を使用前に迅速かつ正確に行うことができる。
【選択図】 図4

Description

この発明は、空気入りタイヤにサイプを形成するサイプ形成用ブレードの強度を使用前に評価する評価方法および装置に関する。
空気入りタイヤのトレッド部表面には、氷雪性能、操縦安定性等を向上させるため、接地時に閉じる程度の幅の狭いサイプ(細溝)が多数形成されることがあるが、このようなサイプはトレッド部表面に対して法線方向に延びていることが多い。ここで、空気入りタイヤのトレッド部は、外径がタイヤ赤道からトレッド端に向かうに従い小径となるよう変化している、即ちクラウンアールが形成されているため、前記サイプの延在方向は、レッド端の近くに配置されているものほど軸方向外側に向かって大きく拡開するよう傾斜しているのである。
そして、このようなサイプは、横置きの未加硫タイヤの下サイドウォール部を主に型付けする下サイドモールドと、下サイドモールドの直上において昇降し、未加硫タイヤの上サイドウォール部を主に型付けする上サイドモールドと、下、上サイドモールド間に位置し、周方向に複数分割されるとともに半径方向に移動可能で未加硫タイヤのトレッド部を主に型付けするセクターモールドとからなる加硫金型を用いて未加硫タイヤを加硫する際、前記セクターモールドの型付け面に基端部が装着されたサイプ形成用ブレードを未加硫タイヤのトレッド部に押し込むことで成形される。
このようにして加硫金型による未加硫タイヤの加硫が終了すると、セクターモールドを半径方向外側に移動させてブレードをサイプから抜き出すが、このとき、前述のようにセクターモールドは半径方向外側に移動するのに対し、セクターモールドの型付け面に設けられているブレードは、トレッド端の近くに配置されているものほど軸方向内側に向かって大きく収束するよう傾斜(サイプは軸方向外側に向かって大きく拡開するよう傾斜)しているため、該ブレードはトレッドゴムにより軸方向外側に押されて変形しながら抜き出されることになる。
そして、このような変形は加硫が行われる毎にトレッドゴムからブレードに対し繰り返し付与されるため、加硫金型の寿命が尽きる前にブレードが疲労破壊により破損することがある。このような場合、破損したブレードを新品のブレードに交換することで加硫を継続することも考えられるが、一般にブレードは加硫金型(セクターモールド)に鋳ぐるみで装着固定されているため、交換には多大の時間と費用が必要となり、この結果、場合によってはセクターモールドを寿命が尽きる前に廃棄せざるを得ないこともあった。
ここで、前述のようなブレードの疲労破壊による寿命を延ばすため、例えば、以下の特許文献1に記載されているように、並列する少なくとも2枚のブレードの下端を相互にベース板で連結して一体構造のブレード連結体とすることが提案されている。
特開2001−58322号公報
しかしながら、このものはブレードの疲労破壊をある程度遅延させることができるものの、実際に加硫を行ってみなければどの程度疲労破壊を遅延させることができるか知ることができず、この結果、加硫金型の寿命が尽きる前にやはり疲労破壊してしまうことがあるという課題があった。特に、近年、ブレードが薄肉化し、形状も複雑化してきているため、設計の段階でブレードの強度、即ち疲労破壊限度を事前に迅速かつ正確に評価できる方法が要望されるようになってきた。
この発明は、サイプ形成用ブレードの強度を使用前に迅速かつ正確に評価することができるサイプ形成用ブレードの強度評価方法および装置を提供することを目的とする。
このような目的は、第1に、サイプ形成用の評価ブレードを準備する工程と、該評価ブレードの加硫金型に装着される基端部を固定台に固定する工程と、前記固定台から突出した評価ブレードの突出部に対し垂直方向の荷重を規定回数以上付与することで、該評価ブレードの突出部を繰り返し撓ませ、疲労破壊に関する強度評価を行う工程とを備えたサイプ形成用ブレードの強度評価方法により、達成することができ、
第2に、タイヤに対しサイプを形成する実機ブレードが装着された加硫金型により、いずれかの実機ブレードが疲労破壊するまで繰り返しタイヤの加硫を行う工程と、前述実機ブレードの加硫金型に装着される基端部を固定台に固定する工程と、前記固定台から突出した実機ブレードの突出部に対し値が異なった垂直方向の荷重を付与して、該突出部を前記疲労破壊時の加硫回数と同回数繰り返し撓ませ、前記突出部が受けていた荷重を求める工程と、前記実機ブレードと同一または類似形状であるサイプ形成用の評価ブレードを準備する工程と、該評価ブレードの加硫金型に装着される基端部を固定台に固定する工程と、前記固定台から突出した評価ブレードの突出部に対し前記求めた荷重と同一値である垂直方向の荷重を規定回数以上付与することで、該評価ブレードの突出部を繰り返し撓ませ、疲労破壊に関する強度評価を行う工程とを備えたサイプ形成用ブレードの強度評価方法により、達成することができ、
第3に、サイプ形成用評価ブレードの加硫金型に装着される基端部が固定される固定台と、前記固定台から突出した評価ブレードの突出部に接触する付与部材を有し、該付与部材を突出部の垂直方向に往復動させることで該突出部に対し繰り返し荷重を付与する付与手段とを備え、前記付与手段により評価ブレードの突出に規定回数以上の荷重を付与することで、該評価ブレードの突出部を繰り返し撓ませ、疲労破壊に関する強度評価を行うようにしたサイプ形成用ブレードの強度評価装置により、達成することができる。
請求項1、6に係る発明においては、準備した評価ブレードの基端部を加硫金型と同様に固定台に固定した後、付与手段によって評価ブレードの突出部に対し垂直方向の荷重を規定回数以上付与することで、該評価ブレードの突出部を繰り返し撓ませるようにしたので、実際にブレードを加硫金型に装着するとともに、該加硫金型を用いてタイヤの加硫を行わなくても、ブレードの疲労破壊に関する強度評価を事前に、例えば設計段階において迅速かつ正確に行うことができる。
また、請求項2に記載の発明の場合には、前述の効果に加え、実際の抜き出し時にブレードに付与されている荷重が評価ブレードに繰り返し荷重として付与されるので、ブレードの疲労破壊に関する強度評価がさらに高精度となる。
さらに、請求項3に記載のように構成すれば、新たな形状のサイプ形成用ブレードに対しても事前に強度評価を行うことができる。
また、請求項4に記載のように構成すれば、実際の抜き出し時にブレードに付与されている荷重に近似した荷重をブレードに付与することができ、ブレードの疲労破壊に関する強度評価がさらに高精度となる。
さらに、請求項5に記載のように構成すれば、ブレードの塑性変形を防止しながら、ブレードの疲労破壊に関する強度をさらに高精度で評価することができる。
また、請求項7に記載のように構成すれば、ブレードの突出部全体に荷重を抜き出し時と同様に均一に付与することができる。
以下、この発明の実施例1を図面に基づいて説明する。
図1、2において、11は未加硫の空気入りタイヤTを加硫するタイヤ加硫装置であり、このタイヤ加硫装置11の下基台12上には、タイヤTの下側サイドウォール部Sを主に型付けする下サイドモールド13が固定されている。14は下基台12の直上に設置された上基台であり、この上基台14は図示していない垂直なシリンダにより昇降され、下基台12に対して離隔接近する。15は下基台12と上基台14との間に設置された上部プレートであり、この上部プレート15には前記上基台14に取り付けられたシリンダのピストンロッド16が連結され、これにより、上部プレート15は前記シリンダの作動により上基台14と別個に昇降することができる。そして、この上部プレート15の下面にはタイヤTの上側サイドウォール部Sを主に型付けする上サイドモールド18が固定されている。
21は前記上基台14に上端が固定され上部プレート15を外側から囲むアウターリングであり、このアウターリング21の下部内周には傾斜面21aが形成されている。22は下基台12と上部プレート15との間でアウターリング21の半径方向内側に配置され、分割リング状を呈するセクターモールドであり、このセクターモールド22は円周方向に複数分割された弧状セグメント23から構成され、これら弧状セグメント23はタイヤTのトレッド部Dを主に型付けする。
ここで、各弧状セグメント23の型付け面には、タイヤTのトレッド部D表面に主溝、横溝等の接地時に閉じることのない広溝Mを形成する複数の主骨24が形成されるとともに、接地時に閉じる程度の幅が狭いサイプP(細溝)を形成する多数のブレード25が装着されている。そして、このようなブレード25は基端部が弧状セグメント23に鋳ぐるまれることで、弧状セグメント23に固定されており、この結果、該ブレード25の残りの部位は弧状セグメント23の型付け面から半径方向内側に向かって突出する突出部25aとなる。
また、前述のサイプPはトレッド部Dの表面に対して法線方向に延びているが、このトレッド部Dは、外径がタイヤ赤道からトレッド端に向かうに従い小径となるよう変化している、即ちクラウンアールが形成されているため、前記サイプPの延在方向はトレッド端の近くに配置されているものほど、軸方向外側に向かって大きく拡開するよう傾斜することになる。ここで、前記サイプPを形成するブレード25(突出部25a)はこのサイプPに沿って延在しているため、トレッド端の近くに配置されているものほど、軸方向内側に向かって大きく収束するよう、即ち先端がタイヤ赤道に接近するよう傾斜することになる。
また、前述したサイプP(ブレード25)のタイヤT表面に対する接線方向の断面形状には、該サイプPが果たすべき機能に合わせて種々のもの、例えば、直線状、くの字状、クランク状、ジグザグ状、波状、シルクハット状等(この実施例では図3に示すように大部分が波状)のものがあるため、加硫後の抜き出しによって疲労破壊する限度を数値計算によって求めることは極めて困難であり、このため、従来においては、適当な安全率を考慮した上で経験則により厚さ、材質等を決定設計していた。
そして、このような全ての弧状セグメント23が半径方向内側限まで移動すると、これら弧状セグメント23同士は密着して連続リング状のセクターモールド22となるが、このとき、該セクターモールド22は下降端の上サイドモールド18および下サイドモールド13に密着するため、これら上、下サイド、セクターモールド18、13、22からなる加硫金型27は閉止して内部に未加硫タイヤTを収納するドーナツ状の空間を形成する。
各弧状セグメント23の外周には前記アウターリング21の傾斜面21aと同一勾配の傾斜面23aが形成され、これら傾斜面23aと前記傾斜面21aとはあり継手によって連結されながら摺動可能に係合している。この結果、前記アウターリング21が上基台14と共に昇降すると、各弧状セグメント23は前記傾斜面21a、23aの楔作用によって半径方向に同期移動する。
そして、前述のようなタイヤ加硫装置11を用いて未加硫タイヤTの加硫を行う場合には、まず、タイヤTをタイヤ加硫装置11に搬入して下サイドモールド13上に横置きで載置する。次に、上基台14、上部プレート15、アウターリング21および上サイド、セクターモールド18、22を一体的に下降させる。そして、上サイドモールド18がタイヤTの上側サイドウォール部Sに接触するとともに、各弧状セグメント23の下端が下基台12の上面に当接すると、前記下降が停止する。
この後も上基台14、アウターリング21は継続して下降するため、各弧状セグメント23はアウターリング21により押されて半径方向内側に同期移動し、下、上サイドモールド13、18との間にタイヤTが収納された密閉空間を成形する。その後、前記タイヤT内に収納されたブラダに高温、高圧の加硫媒体が供給されて該ブラダが膨張し、前記未加硫タイヤTを加硫する。このとき、主骨24、ブレード25の突出部25aがトレッド部Dに押し込まれ、該トレッド部Dに広溝M、サイプPが形成される。
このようにして未加硫タイヤTの加硫が終了すると、上基台14、アウターリング21を上昇させ、弧状セグメント23を半径方向外側に同期移動させ、広溝M、サイプPから主骨24、ブレード25の突出部25aを抜き出すが、このとき、弧状セグメント23は半径方向外側に移動するのに対し、弧状セグメント23の型付け面に設けられているブレード25はトレッド端の近くに配置されているものほど軸方向内側に向かって大きく収束するよう傾斜しているため、該ブレード25はトレッドゴムにより軸方向外側(片側)に押されて変形しながら抜き出されることになる。
そして、このような変形は加硫が行われる毎にトレッドゴムからブレード25に対し繰り返し付与されるため、加硫金型27の寿命が尽きる前にブレード25が疲労破壊により破損することがある。このような事態を防止するため、ブレード25を設計する段階で事前にブレードの疲労破壊強度を知ることができれば、非常に有用である。特に、近年、ブレード25が薄肉化し、形状も複雑化してきているため、このような強度を事前に迅速かつ正確に評価できる方法が要望されるようになった。
このため、本発明者は以下のような強度評価方法を提案するのである。即ち、まず、未加硫タイヤTに対しサイプPを形成する特定形状、例えば本実施例のような断面波形の実機ブレード(実際の加硫に使用されるブレード)25が装着された加硫金型27を用いて加硫を繰り返し行う。そして、いずれかの実機ブレード25が前述のような変形により疲労破壊したときの加硫回数Nを求める。
次に、周知の疲労破壊試験機、例えば図4、5に示すような試験機31を用いて前記疲労破壊した実機ブレード25と同一の新品実機ブレード25に対し疲労破壊試験を行う。ここで、前記試験機31は固定フレーム32と、固定フレーム32にボルト等により着脱可能に取付けられ、前記新品実機ブレード25の基端部を弧状セグメント23への装着と同様に両側から挟持することで固定する固定台33と、前記固定フレーム32に中央部が上下動可能に挿入されたスライド部材34と、スライド部材34の上端部に取付けられ、前記固定台33から突出した実機ブレード25の突出部25aに接触しながら両側から挟持する一対の付与部材35と、スライド部材34の下端部に回転可能に挿入された回転ピン36に固定された偏心重錘37と、前記回転ピン36を回転させるモータとを備えている。
そして、前記モータにより偏心重錘37を回転ピン36と共に回転させると、偏心重錘37によって回転ピン36に発生した上下方向の振動荷重が、付与部材35から実機ブレード25の突出部25aに対し垂直方向、即ち厚さ方向で加硫金型27の開放時にトレッド部Dから力を受ける方向の荷重として伝達され、該突出部25aに対し下方に向かう、抜き出し時と同様の片押し荷重を繰り返し付与する。前述したスライド部材34、付与部材35、回転ピン36、偏心重錘37、モータは全体として、該付与部材35を突出部25aの垂直方向に往復動させることで該突出部25aに対し繰り返し荷重を付与する付与手段38を構成する。なお、必要に応じて実機ブレード25および後述の評価ブレードに対し、上下方向に向かう両押し荷重を繰り返し付与するようにしてもよい。
また、前述した実機ブレード25の基端部に接触する固定台33の接触面および実機ブレード25の突出部25aに接触する付与部材35の接触面は共に、図5に示すように前記基端部、突出部25aの表面形状と同一としている。このように実機ブレード25の突出部25aに接触する付与部材35の接触面を該突出部25aの表面形状と同一とすれば、実機ブレード25の突出部25a全体に荷重を抜き出し時と同様に均一に付与することができ、試験精度が向上する。なお、このことは後述する評価ブレードについても同様である。
ここで、前述した疲労破壊試験は、まず、新品の実機ブレード25の基端部を固定台33に固定した後、該実機ブレード25が装着された固定台33を試験機31に取付ける。なお、新品の実機ブレード25の固定台33への固定は、弧状セグメント23と同様に鋳ぐるみによって行ってもよい。次に、前記付与手段38を作動して固定台33から突出した実機ブレード25の突出部25aに対し垂直方向の荷重を前記疲労破壊時の加硫回数Nと同回数繰り返し付与することで、該突出部25aを繰り返し撓ませるが、このときの荷重の値は、例えばスライド部材34と付与部材35との間に介装されたロードセル40によって検出する。
そして、前述のような試験を荷重の値を異ならせながら多数回行い、突出部25aが前記疲労破壊時の加硫回数Nと実質上同回数繰り返し撓ませたときに疲労破壊した荷重の値を求める。なお、前述の同回数に近い回数で突出部25aが複数回疲労破壊したような場合には、これらの回数を基に演算によって疲労破壊時の荷重を求めるようにしてもよい。そして、このようにして求めた荷重が、抜き出し時に実機ブレード25の突出部25aが実際に受けていた荷重の値である。
ここで、前述のように新品である実機ブレード25の突出部25aに対し垂直方向の荷重を付与する際、該荷重を突出部25aの基端側ではなく先端側に付与することが好ましい。その理由は、実際の抜き出し時に変形荷重はブレード25の突出部25aの先端側に作用しているため、このような実際の作用位置に近似した位置において荷重を実機ブレード25に付与するようにすれば、実機ブレード25の疲労破壊に関する強度評価がさらに高精度となるからである。なお、このことは後述する評価ブレードでも同様である。
そして、前記突出部25aに対する荷重の着力点は、突出部25aの先端から突出部25aの長さLの 1/5〜 2/5倍だけ離れた範囲内とすることが好ましい。その理由は、長さLの 1/5倍未満とすると、繰り返し荷重によって実機ブレード25の突出部25aが塑性変形するおそれがあり、一方、 2/5倍を超えると、疲労破壊に関する強度の評価精度が低下するおそれがあるからである。なお、このことは後述する評価ブレードでも同様である。
なお、前述のように荷重を突出部25aの先端側に付与することができない場合には、基端側に荷重を付与するようにしてもよいが、この場合には、荷重および突出部25aの長さLから突出部25aに作用する曲げモーメントを求め、この曲げモーメントの値から荷重着力点のずれ分だけ荷重を増加させることで対処することができる。
次に、前記実機ブレード25と同一または類似形状であるが、肉厚、材質等を変更することで強度を向上させたサイプ形成用の評価ブレード25を複数種類だけ設計制作して準備する。次に、前述と同様にいずれかの評価ブレード25の加硫金型27に装着される基端部を固定台33に固定した後、該固定台33を評価ブレード25と共に試験機31に取付けるとともに、該評価ブレード25の先端側を付与部材35で挟持する。
次に、前記固定台33から突出した評価ブレード25の突出部25aに対し前記求めた荷重(抜き出し時に実際に受けていた荷重)と同一値である垂直方向の荷重、例えば 100Nの荷重を、規定回数、例えば加硫金型27の使用寿命回数(25万回)だけ付与して、該評価ブレード25の突出部25aを繰り返し撓ませ、疲労破壊するか否かを試験する。なお、前記規定回数は評価ブレード25の必要強度に合わせて設定すればよい。また、規定回数以上、例えば評価ブレード25が疲労破壊するまで繰り返し荷重を付与してもよく、この場合には、評価ブレード25の安全率を知ることができる。
そして、前述のような試験を全ての評価ブレード25に対して行って疲労破壊に関する強度評価を行い、実用に耐えうる評価ブレード25を発見する。なお、前述のような試験は加硫時における温度等の環境を再現しながら行うことが好ましい。このような試験、評価を行うようにすれば、実際にブレード25を加硫金型27の装着するとともに、該加硫金型27を用いて未加硫タイヤTの加硫を繰り返し行わなくても、実際の抜き出し時にブレード25に付与されている荷重が評価ブレード25に繰り返し荷重として付与されるので、ブレード25の疲労破壊に関する強度評価を事前に、例えば設計段階において迅速かつ高精度で行うことができる。
なお、評価ブレード25に付与する繰り返し荷重の値が試験、演算あるいは経験則によって知られている場合には、抜き出し時にブレード25の突出部25aが実際に受けていた荷重の値を前述した試験により求めることなく、各評価ブレード25に対し知られている荷重を付与するだけで、ブレード25の疲労破壊に関する強度評価を使用前に迅速かつ正確に行うことができる。
そして、異なった種類のブレード25について抜き出し時に受けていた荷重を前記試験によりそれぞれ求めて、これら荷重の値をブレード25毎に情報として蓄積し、新たなサイプ形成用ブレード25の強度評価を行うとき、これら蓄積した情報を参考として用いるようにすれば、新たな形状のサイプ形成用ブレード25に対しても事前に容易に強度評価を行うことができる。
この発明は、タイヤにサイプを成形するサイプ形成用ブレードの強度を使用前に評価する産業分野に適用できる。
この発明の実施例1を示すタイヤ加硫装置の正面断面図である。 ブレード近傍の拡大正面断面図である。 ブレードの斜視図である。 疲労破壊試験機の一部破断正面図である。 図4のI−I矢視断面図である。
符号の説明
25…ブレード 25a…突出部
27…加硫金型 33…固定台
35…付与部材 38…付与手段
T…タイヤ P…サイプ

Claims (7)

  1. サイプ形成用の評価ブレードを準備する工程と、該評価ブレードの加硫金型に装着される基端部を固定台に固定する工程と、前記固定台から突出した評価ブレードの突出部に対し垂直方向の荷重を規定回数以上付与することで、該評価ブレードの突出部を繰り返し撓ませ、疲労破壊に関する強度評価を行う工程とを備えたことを特徴とするサイプ形成用ブレードの強度評価方法。
  2. タイヤに対しサイプを形成するサイプ形成用の実機ブレードが装着された加硫金型により、いずれかの実機ブレードが疲労破壊するまで繰り返しタイヤの加硫を行う工程と、前述実機ブレードの加硫金型に装着される基端部を固定台に固定する工程と、前記固定台から突出した実機ブレードの突出部に対し値が異なった垂直方向の荷重を付与して、該突出部を前記疲労破壊時の加硫回数と実質上同回数繰り返し撓ませ、前記突出部が受けていた荷重を求める工程と、前記実機ブレードと同一または類似形状であるサイプ形成用の評価ブレードを準備する工程と、該評価ブレードの加硫金型に装着される基端部を固定台に固定する工程と、前記固定台から突出した評価ブレードの突出部に対し前記求めた荷重と同一値である垂直方向の荷重を規定回数以上付与することで、該評価ブレードの突出部を繰り返し撓ませ、疲労破壊に関する強度評価を行う工程とを備えたことを特徴とするサイプ形成用ブレードの強度評価方法。
  3. 異なった種類の実機ブレードについて疲労破壊する際受けていた荷重をそれぞれ求めて、これら荷重の値を実機ブレード毎に情報として蓄積し、新たなサイプ形成用ブレードの強度評価を行うとき、これら蓄積した情報を参考として用いるようにした請求項2記載のサイプ形成用ブレードの強度評価方法。
  4. 前記実機、評価ブレードの突出部に対し垂直方向の荷重を付与する際、該荷重を突出部の先端側に付与するようにした請求項2記載のサイプ形成用ブレードの強度評価方法。
  5. 前記荷重の着力点を、突出部の先端から突出部の長さLの 1/5〜 2/5倍だけ離れた範囲内とした請求項4記載のサイプ形成用ブレードの強度評価方法。
  6. サイプ形成用評価ブレードの加硫金型に装着される基端部が固定される固定台と、前記固定台から突出した評価ブレードの突出部に接触する付与部材を有し、該付与部材を突出部の垂直方向に往復動させることで該突出部に対し繰り返し荷重を付与する付与手段とを備え、前記付与手段により評価ブレードの突出に規定回数以上の荷重を付与することで、該評価ブレードの突出部を繰り返し撓ませ、疲労破壊に関する強度評価を行うようにしたことを特徴とするサイプ形成用ブレードの強度評価装置。
  7. 前記付与部材の突出部に接触する接触面を突出部の表面形状と同一とした請求項6記載のサイプ形成用ブレードの強度評価装置。
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